インターホンを鳴らされて玄関の扉を開けると、黒のジャージを身に纏った白獅子の獣人──僕の幼馴染である王林(オーリン)くんが立っていた。 「最近また俺を避けてるよな」  開口一番、王林くんが僕にそう言い放つ。  彼の言葉は正しい。僕は彼を避けていた。けれど、 「避けてないよ」  僕の口から出たのは逆の言葉だった。 「ふ〜ん。じゃあ、上がってもいいよな?」 「勿論だよ」  上がって欲しくない。彼の近くに居たくないから。だけど、幼馴染を拒むのもおかしい。僕が取れる選択肢は一つしかなかった。 「そっか、じゃあ上がらせてもらうな」 「どうぞ」  靴を脱いで、彼を招き入れる。すれ違った時に、ほんのりとボディソープの香りがした。入浴後に僕の元を訪ねてきたようだ。 「ほら、食べるか?」  王林くんは、手に持った買い物袋から僕の大好きなポテチを取り出した。条件反射で口の中が湿ってしまう。 「大丈夫。食欲無いから」 「そっか」  床に座った王林くんはポテチの袋を開けてバリバリと食べ始めた。思わず、僕のお腹がぐうとなるが我慢して床に座る。 「それで、今度はどうして俺を避けてんの?」 「だ、だから避けてないって」 「相変わらず、ウソが下手」  王林くんがずい、と僕に近付いた。ボディソープの香りがさらに強くなって鼓動が高鳴る。  僕が彼を避けている理由。それは、彼に惹かれているからだ。  同性の幼馴染を好きになってしまうなんて、ありえない事。この好意を知られたらきっと嫌われてしまう。 「ち、近いよ」 「別にフツーだろ。このくらい」  みるみる内に体温が上がっていく。  ダメだ、彼が好きという気持ちが抑えられなくなる。 「お前さ」 「何?」 「俺の事、好きだったりする?」  僕は言葉に詰まる。 「っ……何を言ってるの。急に好きとか……」 「どうなんだ?」  圧が強い。口に出してはいけない言葉を引き出されてしまいそうだ。 「そ、そりゃ幼馴染なんだから嫌いなわけないじゃん」 「そうじゃない。幼馴染とか友達とか、別の意味で聞いてる」  全て見透かされている。そんな気持ちになった。  彼の目は真剣そのもの。茶化しているような雰囲気では無い。 「……仮に。もし、仮にだよ。僕が王林くんを好きって言ったら気持ち悪いし迷惑でしょ」  王林くんは、首を左右に振った。 「気持ち悪くないし迷惑じゃない」  やめてほしい。そんな優しい言葉をかけるのは。 「ならさ、逆に王林くんはどうなの。僕の事が好き?」 「好きだよ。前にも言っただろ」 「それ、友達って意味ででしょ」 「いいや。違う意味でも好きだ。嘘をつかない時のお前が」  胸が高鳴る。友達とは違う意味でも好きという事は、つまり……。 「だからさ、嘘をつかずに教えてくれ。俺の事、好きか?」  目の前で、王林くんが優しい笑みを浮かべている。  ずるい。こんな表情でそんな事を言われたら、嘘がつけないじゃないか。 「……好きだよ。友達以上の意味で。だから、それを知られて気持ち悪がられるのが怖かった。だから、君を避けてたんだ。ごめん」  緊張しているせいで、言葉の出だしで声が少し上擦った。それを気にする様子も無く、王林くんは優しい笑みを浮かべたまま「そっか」と小さく呟く。その後、 「……っ!?」  王林くんの顔が急接近する。僕は数瞬遅れて、抱き寄せられたのだと気付いた。  互いの境界がくっつき、口元にじんわりと熱が広がっていく。初めは触れるような口付けだったが、やがて僕の口内に熱を帯びたものが滑り込んできた。 「んっ、むっ……!」  ざらりとした舌が、口内を掻き回す。ほんのりと、僕の大好きなポテチの風味が広がった。  一方的に口内を蹂躙されるのはなんか悔しいので、舌を絡ませてみる。すると、彼の身体が小さくぴくりと跳ねた。  部屋の中に、くちゅくちゅと水音が響く。じわじわと、下半身が熱を帯びていった。 「……もう、逃がさないからな」  長い口付けの後、頬を少し赤く染めた王林くんが僕の目をじっと見つめながらそう言った。情欲の色が滲む目に射止められた僕の身体がぶるりと震える。 「逃げないよ。逃げる意味が、無くなったし」 「なら良かった」  視線を下に向けると、彼のジャージパンツがこんもりと膨らんでいるのが見えた。下半身が熱を帯びているのは彼も同じらしい。  僕は彼のジャージパンツの縁に手を掛け、下着ごとゆっくりと下げた。  膝上まで下衣を下げた瞬間、彼の太い一物が大きく揺れながら姿を現す。ほんのりと汗の匂いが混ざったボディソープの香りが強くなり、僕の鼻を衝いた。  彼の屹立した一物の亀頭部の半分は皮に覆われていたが、先端は露出しており、鈴口から流れ出ている透明な液体を纏っていやらしい光を放っている。  気がつくと僕は、口を開けて彼の一物の先端を咥え込んでいた。 「んっ、すげ……っ」  王林くんの口からくぐもった声が漏れる。  僕の口内に、塩辛さと僅かな苦味が混ざる不思議な味が広がった。酷く情欲を煽る味だ。  もっとこの味を堪能したい。その一心で、僕は彼の包皮を口で剥いた後、亀頭部を強く吸った。 「うっ……! お前、がっつきすぎ……」  先に手を出したのはそっちでしょという意思を込めた視線を向けつつ、さらに強く吸う。  ちゅうちゅうと音を立てて吸う度に王林くんの身体は小刻みに震え、口内に広がる雄の味が濃くなった。吸いながら舌で亀頭を転がすと、彼の身体の震えがさらに強くなる。 「ま、待っ……ぐっ、うううぅっ!!」  程なくして、僕の口内で王林くんの一物が何度も跳ねた。口内に粘り気が強い液体が注がれ、鼻咽腔を通り抜けた雄の臭気が鼻腔を満たす。  口内に放たれた欲望の証を飲み下す度、僕の下腹部がじわじわと熱くなっていった。 「……沢山出したね」  彼が放った精は大量だったため、流石に全てを飲み下す事はできなかった。口内から溢れ出た白濁液を自身の左手で受け止める。 「はあっ、はっ……お前、こういう時に豪快になるタイプなんだな……」 「吹っ切れすぎたかも」  僕の言葉に、王林くんの口角が上がった。釣られて僕も少し笑ってしまう。 「……俺、お前にも気持ちよくなってほしい」  王林くんは仰向けに寝転がった後、上体を起こして股を大きく開いた。射精を終えてだらりと垂れた一物の先端から白濁液の残滓がとろりと流れ出て、彼のキュッと閉まったピンク色の菊門を伝う。  熱に浮かされた僕は彼の秘部に向けて右手を伸ばし、人差し指の先端で皺をなぞった。 「んっ……」  彼の口から、熱を帯びた小さな声が漏れる。  僕は左の手の平に溜めていた王林くんの精を右手の人差し指に纏わせた後、再度彼の秘部をなぞりながら力を込めた。 「うあっ……!」  ぐちゅりと湿った音を立てて、指の先端が彼の中に沈み込む。彼の中はひどく熱く、それがまた僕の情欲を煽った。  先ほど彼が放った精を潤滑剤代わりにしつつ指を掻き回し、彼の中を拡張していく。 「っ……!」  人差し指が半分ほど沈み込んだところで指先が硬いものに触れ、王林くんの身体が激しく跳ねる。彼の一物に視線を向けると、再び芯を持って上向きになっているのが確認できた。この硬い部分を刺激させるのが気持ちいいのだろう。そう判断した僕は中指も挿入し、硬い部分を重点的に攻め立てた。 「く、うう……そこ、やばい……」  やはりここがウィークポイントのようだ。秘肉を押し広げながら指先で硬い部分を押すと、彼の一物が小刻みに跳ねて透明な涙を流した。  目尻に涙を浮かべ、時折歯を食いしばって快楽に耐える王林くん。そんな彼の姿を見ている内に、僕の理性はじわじわと削れ、やがて消失した。  彼と繋がりたい。理性を失った瞬間、ただそれだけに考えが支配された。 「ごめん、もう我慢できない」  彼の秘所からゆっくりと指を引き抜く。栓を失った肉穴は小さく開いたまま、誘うようにひくついている。  僕は窮屈なズボンを脱ぎ捨てて屹立した一物を取り出し、先端をひくつく肉穴に突き付けた。 「我慢しなくていい。俺、素直な今のお前好き」  柔らかく微笑む彼が片手を僕の背中に回し、引き寄せてきた。控えめな水音が鳴るのと同時に、僕の一物が彼の中に入り込む。 「あっ、入って……うっ、んっ……!」  灼けつくような熱を放つ肉壁が、亀頭部を締め付ける。まだ先端を挿入しただけだと言うのに、気が狂いそうな程に気持ちが良い。もっと奥まで挿入したらどうなってしまうのだろうか。  少しの不安と多大なる期待を抱きながら、王林くんともっと深く繋がるために腰を前に突き出す。 「ぐっ……お前の、でかすぎ……!」 「痛い?」  王林くんが首を左右に振る。 「じゃあ気持ちいいの?」  少しの間を空けて、彼は小さく首を縦に振った。どうやら、遠慮はいらないみたいだ。  体重をかけてゆっくりと、確実に、彼の奥に雄の象徴を進ませていく。 「あっ、すげ……深いとこまで……っ!」  やがて、僕のものは根元まで王林くんの中に沈み込んだ。一物を覆う熱と締め付けが心地よくて、そこから全身に快感が広がって身体が震えてしまう。 「動いていい?」  僕の問いに、王林くんは小さく「いいよ」と答えた。  了承を得た僕は腰を引き、再び前に腰を突き出す。その動作を繰り返すと、水音と肉がぶつかり合う音、そして互いの熱っぽい声が断続的に部屋に響いた。  最奥を突く度に肉穴がきゅうきゅうと締まり、肉壁が蠢く。 「んむっ……!」  僕は彼の身体を強く抱きしめ、口付けた。そのまま、欲望の赴くままにひたすら腰を打ち付ける。肉がぶつかり合う音が響く度に彼は嬌声を漏らし、身体を震わせた。  下腹部がじんじんと痺れ、局部は溶けてしまいそうな程に熱い。もう長くは保たないだろう。  絶頂の瞬間が近い事を悟った僕は、王林くんの中に欲望を吐き出したいという一心で、腰を動かし続ける。 「んうううぅっ!!」  そして、その時は訪れた。  僕の一物が彼の中で何度も大きく跳ね、輸精管を熱い液体が通っていくのが分かる。今、僕は彼の中に欲望が凝縮された体液を注ぎ込んでいるのだ。 「はあっ、はっ……腹、熱い……っ!」  僕が身体を起こすと、頬を赤く染めて蕩けた表情になった王林くんが自身の腹を撫でた。  どうやら僕と同時に彼も達したようで、彼の黒い上衣と僕の上衣に新鮮な白濁液がべっとりと付着している。 「んうっ……!」  ゆっくりと腰を抜き、彼の中から一物を引き抜く。栓を失った肉穴から粘り気が強い白濁液がゆっくりと流れ出て、床に落ちた。 「……わあっ!?」  突如、視界が天井を捉えた。数瞬後に、僕は王林くんに押し倒されたのだと気付いた。 「ははっ。びっくりしたか?」  悪戯っ子のような笑みを浮かべた王林くんが僕の股座に顔を近づけ、白濁液に塗れた一物を舌でぺろぺろと舐めた。放出したばかりの熱が、再び下半身に集まっていく。  淫靡な表情で白濁液を舐め取る王林くんの姿を見ている内に、柔らかくなりかけていた一物が再び芯を持ってしまった。 「まだまだいけるよな?」  彼の言葉に、僕は頷く。  もう、彼に嘘は吐けない。取り繕う必要も無い。溜まりに溜まった欲望が空になるまで、互いを求めるのみだ。  今まで我慢していた分、体力の限界まで彼と愛し合おう。そして、行為を終えた後は一緒にコンビニでも行って買い出しをしよう。きっと、激しく動いた後はお腹が空くからね。 【了】