　唐突だが、紅蓮と森に向かっている。

　

　

　

　紅蓮と過ごしている臨時休息所において、森はまさしく生活を支える基盤となっている。

　川ならば水を汲み魚を釣り、木々の生い茂るのなら枝や山の幸を持ち帰り、畑の方まで行くと育てた作物の雑草を抜く。

　アークの生活とは違い、自給自足となるとやるべきことが山のようだ。

　

　朝日が昇ると時間が惜しいとばかりに動き出し、夜の帳が下りると今日得た成果で一杯やる。

　紅蓮に助けられた以降の一週間ずっと続けられたサイクルだったが、彼女と酔いに任せて肌を合わせてしまったあの夜から少し変わってしまっていた。

　

　まず臨時休息所に時間を使いだしたことだろうか。

　今までの臨時休息所は、臨時というだけあって最低限雨風を防ぐことが出来る質素な箱の様なものだった。

　しかし今ではテーブルがあり、簡素だがベッドもあり、専用の食器もあるほど実生活の充実は目覚ましい。

　ラプチャーに発見される危険があるため火をともすことは出来ないが、紅蓮が何処からか持ってきた炭のおかげで地上であっても暖がとれた。

　

　まさに紅蓮の献身あってこその充実ぶり。

　特にベッドがあるのがありがたい。

　硬い地面から解放される喜びを覚えてしまってからは、まったく彼女に頭が上がらない。

　とはいえ、さすがにこれ以上負担を押し付けている状況は心苦しい。

　

　まず人間であるこの体は、やれることが限られている。

　ラプチャーとの戦いでは指揮しかできず、肉体労働も彼女に劣り、食事を1日抜くだけで動きが鈍る。

　ニケと比べ、人間とはかくも儚い存在であるかをまざまざと見せつけられた日々だったが、それでも紅蓮の手助けがしたい。

　という訳で、紅蓮は護衛、実作業はこちらで行うという形で森にやってきているのだが……

　

　もう一つ、あの夜から変わってしまったことがある。

　それは、

　

　

　

「あッ♡ んっんっ……ぼっちゃん、それ以上強くしたら……あぁっ♡」

　

　風のざわめきと鳥と囀りしかない閑静な森の中、紅蓮は木の幹に手を付きお尻を突き出している。

　その突き出されたお尻にあったはずのレオタードは、股間部のみが横にずらされ、秘所というもっとも被隠す場所を野外に惜しげもなく曝け出していた。

　そして剥き出しの薄ピンク色の割れ目には怒張したペニスが突き刺さり、紅蓮の少しだらしないおっぱいが腰の動きに合わせて揺れ動いている。

　

　

　あの日を境に、紅蓮との事情は日を追うごとに激しさを増していた。

　今まであった戦場の日々の寂しさ埋める様に、互いの口で粘膜を蕩けさせ、男と女の肉の交わりは弱点を知り尽くすほどに熟練していく。

　もはや体を触れ合わせる時間の方が長いのではないかと思う程、とにかく時間が余れば濃密な時間を過ごすようになったのは、大きな変化と言えるだろう。

　

　だが、そんな日々ももうすぐ終わりに近づき、約束の日が差し迫っている。

　紅蓮に拾われて一週間、救助を要請してランデブーポイントに迎えが来るまでさらにもう一週、その期日が明日に迫っているのだ。

　だから残された時間、少しでも長く共に居たいと「新しく棚を作ろう」と言いはじめた紅蓮ともに森に入ったはずなのだが、いつしか互いの影はまるで磁石の様に重なった。

　

　

　

　そして現在、紅蓮は木に手を付いた立ちバックで激しいまぐわり、彼女の矯声やパンッ♡パンッ♡と腰を打つ肉の音が静謐な森の中に響き渡っていた。

　

　

「やっ♡ ぅっ、ぁぁっ♡ んっ♡ ……んんっっ！♡」

　

　前線に走っていく凛々しい背中が、剣を振るうたびに揺れる引き締まったお尻が、地上で戦い続けていた尊敬すべき巡礼者が、その肢体をこちらに捧げるように差し出してくれている。

　今まで人類のために尽くしてくれた勝利の女神を、自分の思い通りに弄れる光景は、もはや感動すら覚えた。

　

　紅蓮に強く腰を叩きつけると、凛々しかった背筋を反らしてビクビクッと断続的に跳ねあがり、べったりと粘液のついた引き締まったお尻は、まるでこちらの肌に吸い付いてくるような柔らかさだ。

　そして今まで剣の為に人生を捧げていた肉体にペニスを突っ込んで、互いに気持ちよくなるためだけに腰を振るう。

　紅蓮もこちらの腰の動きに合わせるようにお尻をくねらせ、白い喉を打ち震わせながら「ぁっ♡ぁっ♡」と甘ったるい吐息のような嬌声を森の中に響かせていた。

　

　いつラプチャーに襲われるかもしれない。

　そんな危機感と興奮のなか、獣欲の赴くままに性器を擦り合わせる綱渡りのようなセックスに、限界がもうすぐそこまできている。

　

　

「ぅっ♡ んっんっ♡ ……もう、射精そうなのかい？ ならば膣内に……ぁっ♡ 膣内に射精して欲しい。ぼっちゃんを、胎の奥まで感じさせておくれ……♡」

　

　待ちきれないように、紅蓮は内股で足を震わせながら腰をくねらせ、蜜壺に突き刺さった肉棒を少しでも奥に収めようと動かし始めた。

　最早、堪える必要はない。

　紅蓮のお尻と腰がぶつかる激しい音がひときわ大きく森の中に木霊した。

　

　

「あ˝あっ♡♡♡ ぁ˝っ♡ あっ♡ あっ♡ ぁ、んんッ……♡」

　

　腰で紅蓮の尻たぶを叩き潰すたびに、彼女の背中がぶるぶると切なげに震えて何度も持ち上がり、イキそうなのか後ろで纏めた銀髪を乱す勢いで身をよじる。

　もはや高貴な巡礼者などの姿はそこになく、オスが気持ちよく射精しやすいように浅ましくお尻を突き出して腰を震わせる姿は、快楽を貪る一匹の従順なメスだった。

　

　

「あッ♡ あッ♡ アアッ！♡ そこを突いてはっ、やっ、あん♡ ああぁっ♡」

　

　腰をくねらせる紅蓮の後ろ姿に、これまでの嬲るようなものではなく、射精に至るための暴力的な雄の動き。

　その衝撃を受け止めきれず、紅蓮は膝をガクガクと震わせて徐々に腰砕けになっていく。

　そんな崩れ落ちそうになる紅蓮の下半身をがっちり腰を掴んで、持ち上げるように無理やりにも立たせると、愛液に塗れてにゅちゃりと吸い付く紅蓮のお尻に、腰を隙間なく密着させた。

　

　

「あっ♡ あ、ぃぃぃ♡ ひっ！ぼっちゃ、んっ♡ んんんっ♡♡」

　

　慣れ親しんだであろう射精の合図に、紅蓮は内股に太ももを擦り合わせると、ペニスの埋まったおまんこ肉をキュッと締め上げる。

　紅蓮の期待に応えるように、きゅーっと締め付けてくるおまんこに奥深くに潜り込んだ亀頭の切っ先は、寸分違わず紅蓮の子宮口を射止め、幾度とない突きで緩みきったそこに先端を潜らせた。

　するとまるで待っていたかのように子宮口が鈴口をかぷっ♡と咥えこんでくる。

　そのコリっとした甘い刺激を先端に受けると同時に、陰嚢内に渦巻く濁った欲望を、放尿するかのように遠慮なく解き放った。

　

　

　びゅるるるるッ♡びゅ～～～っ♡

　

「ひッ！ い˝ッ♡♡ ぅっ♡ ぁぁ˝っ♡ ……～～～ッッッ♡♡♡」

　

　気持ちよく射精したいための一切容赦のない膣内射精。

　背後から紅蓮の引き締まったお尻が変形するほどにグイグイと腰を押し付け、子宮口に亀頭を突き刺し、直接中に流し込む男優位の射精。

　獣の交尾のような暴力に等しいそれを、紅蓮は喘ぎ声を噛み殺しながら膝をガクガクと震わせながら必死に受け入れてくれている。

　

　白濁液が漏れないようにペニスのキュッと締め付け、竿全体を肉ヒダで絡みつくように舐めまわし、吐精する鈴口の先端を子宮口でちゅっ♡ちゅっ♡と甘えるように吸い出されると、腰が震えるほど気持ちがいい。

　思わず間延びしたため息を漏らしながら、肉棒をぴっちり隙間なく包み込みにゅるにゅると舐め回してくる紅蓮の絶頂おまんこの中に、肉棒をドクドクと脈打たせながら子種をビュルビュルコキ捨てていく。

　

　

「うっ……っ♡ あっあっ……ぁんっ♡♡ ……ふーっふーっ♡ ……っ♡ っ♡ ……♡♡」

　

　紅蓮は木の幹に爪を立て、快楽に耐えるように俯いて表情は伺えない。

　しかし精液で子宮の壁を叩くたびに「ぁっ♡ ぅっ♡」とか細い喘ぎ声が漏れ出ていた。

　その愛らしい喘ぎ声を聞きながら膣内に精液を扱き出すように、たぱたぱと腰を振る。

　

　

「ッッ！？♡ んあ、あッ♡ あぁッ♡ 射精しながら、動かないでおくれ……♡ ふぅ、んッ♡ あ、あ、あッ♡ また、気をやってしまッ……ひぅッ♡ んんんーッ！！♡♡」

　

　すると紅蓮は背筋をピーンと伸ばし、精液を受け止めるためにずらされた、レオタードの食い込んだお尻はキュッと引き締めながら絶頂した。

　膣奥にあるいたいけな肉壷は、ねっとりうねり男の吐精をねぎらってくれていて、紅蓮の絶頂の余韻を示すように、汗ばんだ肌や赤熱したうなじはいかにも蠱惑的だ。

　

　その美しく尊敬すべき巡礼者である彼女の痴態に、思わず背筋を弓なりに伸ばしてペニスを根元まで押し込んで、膣内に１ミリでも奥に出そうと腰を突き上げる。

　紅蓮の尻肉と太ももの間に睾丸を押し潰すように擦り付けながら、目も眩むような射精快楽のままに、濃縮された白濁液を胎内に直注ぎ。

　そのまま仰け反る紅蓮の薄く汗が浮き出たうなじにキスをすると、発情した雌の香りが鼻孔をくすぐった。

　

　

「んっ♡ んっ♡ ……どうしたのだい、ぼっちゃん？ そんなに甘えてきて………んむっ♡ ぇちゅっ♡」

　

　今日が最終日、彼女との関係はもうないかもしれない。

　

　そんな名残惜しい気持ちを抱えていると、紅蓮が訝しみながら振り返る。

　寂しさを紛らせるようにその唇に顔を近づけると、彼女は迎えるように舌を突き出しこちらの唇に吸い付いてくれた。

　キスを続けながら紅蓮の引き締まった抱き心地のいい体を腕で引き寄せ、そのままちょっとだらしなく零れ落ちたおっぱいをレオタード越しに揉みしだく。

　すべすべのレオタードの質感に、たぷたぷ♡と音が鳴りそうなほどむっちりとしたおっぱいとピンッと張った乳首の感触が心地よく、コリコリと何度も指を往復させる。

　

　

「ちゅぱぁ♡　ちゅるぅ♡ んっ……はぁ……♡」

　

　乳首が指に触れるたび、紅蓮はキスから艶めかしい吐息を漏らしながらお尻を揺らしてきた。

　その期待に応えるように、巡礼者の銀髪剣士のおまんこに根本から先っぽまで甘やかされたペニスは、びゅーーっ、びゅくーーーっと繰り返すように脈動し、子宮へと精液を直に注ぎ続ける。

　そのまま数分間、ペニスの脈動が収まっても紅蓮の蕩けた唇と、引き締まった肢体を存分に堪能した。

　

　

　

　

　

　

「ぼっちゃん、そろそろ離しなさい。ラプチャーの警戒をせねば……」

　

　すでに射精は収まっている。

　射精後の余韻を紅蓮の膣肉で味わいたかったが、比較的ラプチャーの少ない森の中とはいえ、無警戒になるのも問題だ。

　紅蓮から体を離すと、彼女のお尻に収まっていたペニスがぬるりと顔を出し、数日前まで男を知らなかったぱっくりと開いたおまんこは、合わせ目をなぞる様にゆっくりと閉じていく。

　その割れ目の麓に薄っすらと生えた白い陰毛には、性交した残り香の透明な雫が今にも垂れそうに光っていた。

　想像以上に下品な光景に、思わず紅蓮の股間を凝視していると、

　

　

「いやはや、あまり見つめないでおくれ……。むず痒くなってしまう」

　

　そういいながらこちらの視線から逃れるように、紅蓮はずらされたレオタードを元に戻し、太ももまで濡れた体液を拭いながらテキパキと身支度を整えていく。

　その時ふと気がつくと、紅蓮の視線はこちらの下半身にじっと視線を向けていた。

　その熱いまなざしに導かれるように目を向けると、流石に萎えてしまってはいたが体液でぬらぬらと輝く半立ちのペニスがピクピクと痙攣している。

　

　

「ふむ……仕方ないか。どれ、少し私に任せなさい」

　

　そう言うと身支度を終えた紅蓮がこちらに跪き、自らの唇を汚れたペニスに捧げていた。

　まるで愛しい恋人に口付けをするように、体液でぬらぬらになった亀頭に柔らかい唇を押し当てる。

　

　

「……んむっ、まだ子種が残っておる。んちゅっ……はふ……んっ……♡」

　

　口付けた勢いのまま亀頭を口に含み、僅かに付着していた精液を鈴口をイジメるように舌先で舐めとってきた。

　さらに尿道に残っていたものもストローのように残さず啜り取り、ペニス全体が紅蓮の口のじゅぶじゅぶと埋まってく。

　紅蓮の顔がこちらの股間の根元にまで到達し、陰毛が彼女の顔にかかるのも気にしないように、幹の掃除にも取り掛かってくる。

　愛液が混じった濃厚な性交液を、紅蓮はペニスの輪郭を確かめるように、咥え込んだ肉竿を一周グルリと舐め回し、舌で根こそぎこそぎ落としていく。

　

　

　にゅぷ……れる、っぽッ♡　ちゅぷ、じゅる……ッ♡

　

　ゆっくりネットリした舌の運びは的確に気持ち良いところを這い回ってくる。

　ペニスを舐め上げてキレイにした後は、そのままカリ裏まで舌を這わして隅々までネットリと唾液でコーティングされていく。

　

　まるで現実感がない光景だった。

　あの紅蓮が、あの巡礼者が、仁王立ちするこちらのチンポを咥えながら、熱心に舌を絡ませて気持ちよくしてくれる光景。

　普段は考えられない痴態と美しいものを汚してしまったという征服感が、フェラの気持ちよさを何倍にも増幅させ、射精後で萎えていたペニスに血流が廻っていく。

　

　

「ちゅっ、はちゅっ♡　……何故再び固くしているのだい、ぼっちゃん？ ふーっ♡ ……ちゅぷっ、くぽっくぽっ♡♡」

　

　紅蓮は固くなっていくペニスから口を離し、責めるように口を開いたかと思えば、亀頭に吐息を送り込み、より一層口でしごき始めた。

　口いっぱいにペニスを頬張りながら、それでいて面白がるような表情でこちらに視線を送り続け、性交液によってぬめった陰毛が頬に付くのも構わず顔を前後させる。

　さらにそっとの手のひらがキンタマを支えるように優しく包み込み、繊細な指使いで揉み始めた。

　

　それはまるで肉竿の中に精液を送り込むかのようで、ペニスは更に硬さを増して血管がビキついていく。

　この数日の成果が堅調に表れるお掃除フェラに、もはや我慢できるはずがない。

　肉竿をしごく頭の動きはより早く、舌の動きは情熱的になっていき、前のめりにしごき続ける口淫とは裏腹に、手のひらは小動物を扱うかのように優しく睾丸を転がす。

　

　

「くぷっ♡　ちゅぽっ、射精すがいい、その状態で動かれても、私が困ってしまう……じゅるるっ、だからぼっちゃん。……じゅぶっ、じゅぷっ♡　はやく、飲ませておくれ♡」

　

　最後の仕上げとばかりにペニスを激しく啜り、舌がカリ裏を這いずり回る。

　たまらず紅蓮の銀髪が乱れるのもお構いなしに彼女の頭を抑えると、股間に引き寄せペニスの位置を喉奥に固定した。

　

　

　ぶびゅッ♡　びゅぐ、びゅ～～～っ♡

　

「んんんぅっ、んんんん～～～～～～ッッッ♡♡♡」

　

　紅蓮の喉奥へ一気に精液がぶちまけられるが、それを受け止めるために必死に喉へと飲み下していく。

　仁王立ちという姿勢の、まるで排泄するような射精。

　お掃除フェラをさせたついでに、一方的に精液を吐き出す快感に腰が震える。

　

　

「っく……ゴクッ♡　じゅるる、んちゅっ、んくっ♡」

　

　淫らな事など目もくれず、剣を振るってきたであろう銀髪の剣士は目を細め喉を鳴らしながら、喉奥にドクドクと吐き出される子種を、お腹の中へと飲み込んでいく。

　しばらく続いた口内射精の間、紅蓮は口元から溢れさせることもなくお腹の中に全て収め、それどころか仕上げに尿道の精液まで吸い上げ、再び肉竿を一周キレイに舐め回してからやっと口を離した。

　

　

「………ちゅぷ♡ んっ……ふぅ、どうだい？ 我ながら、なかなか上手くなってきたであろう？ ……さて、ぼっちゃんも落ち着いたことだし、そろそろ巡回に赴くとしよう」

　

　ペニスから口を離した紅蓮は、飄々とした態度を崩さず自慢げな笑みを浮かべた。

　そしてこちらに視線を向けることなく、素早く立ち上がって体を離してキョロキョロと周囲を警戒しはじめる。

　

　そのキリッとした心構えに感心しつつ、頬や口元に付いた陰毛を指摘するかどうか迷いながら、耳まで赤く染まっている紅蓮の姿を見送るのだった。

　

　

　

　

　

　そして、アークからの救援が来る日がとうとう来てしまった。

　この二週間紅蓮に命を救ってもらい、地上の生き方を教わり、そして体を重ね合った。

　もはや紅蓮と共に、一生を過ごしてもいい気になっている。

　

　だが、帰らなけらばならない。

　あそこには、守るべき人が大勢いる。

　そんな後ろ髪を引かれる思いが募ったまま朝を迎えると、普段と変わらず朝飯を整えている紅蓮の後ろ姿があった。

　

　恐らくこちらに遠慮しているのだろう。

　この最後の日に、あえて二週間続けていたルーティンを守ってくれている紅蓮には感謝しかない。

　だからこそしっかりと別れの挨拶をしようと、襟を正してアークに帰る旨を伝えた。

　すると紅蓮はキョトンと、まるでキツネにつままれたような表情をして振り返り、口を開く。

　

「帰る？ ぼっちゃんの帰る場所はここであろう？」

　

　

　…………………………

　

　

　…………………………

　

　

　…………………………ん？

　

　

「私はぼっちゃんの女になったのだ。で、あるならば、ぼっちゃんも私の男になった……そうであろう？」

　

　そう言うと、紅蓮は再び後ろを向いて朝食の準備にとり掛かりはじめた。

　

　……そう言われれば、確かにそうかもしれない。

　人類の為に死力を尽くす巡礼者に手を出すというのは重い意味を持つ。

　それはまさしく「勝利の女神」に手を出すも同義の行いだろう。

　男として責任をとるのは当然で、至極もっともなお話だ。

　……いやしかし、こちらもアークに守るべきものが、いや…アークでなくても守るべき人がいる。

　そう思い口を開こうとしたとき、

　

　

　

「それともなにかな？ その覚悟もなく私を手籠めにし、距離を置こうとした私を抱きしめた……そういうことかい？」

　

　その瞬間、体全身に鳥肌が立った。

　頭の先からつま先まで、ヒヤリとした血がゆっくり流れ、背筋を震わせる。

　紅蓮の口から漏れる言葉があまりにも平坦すぎて、言葉が続かなかった。

　まるで嵐の前の静けさのように、無感情に発する紅蓮の口ぶりに思わずごくりと生唾を飲み込む。

　

　そして再び振り返った紅蓮の顔は、いつも通りの飄々とした笑みを浮かべている。

　が、その目は……その瞳はまるで光を失ったかのように黒く変色し、半眼から投げつけられる淀んだ視線に背筋が凍った。

　

　

「困った……そうなってしまうと、私はどうしたらよいのだ？ また一人で地上を彷徨えと？ はは……それは、私の花無十日紅の鞘も軽くなってしまうなぁ、どう思う……ぼっちゃん？」

　

　そう呟きながらそっと刀を撫でる紅蓮の姿を見て、とんでもないことをしでかしてしまったと、その時ようやく理解したのだった。

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

その後、定例に現れたスノーホワイトとラプンツェルの説得により、ようやくアークに帰ることが出来たのだった。


























































ちしドロ復権！

　