配信28回目  「ふ~食べた食べた」  空になった容器をデスクの上に置く、昼飯の時間だから周りは人が少なく先輩達はまだ戻ってきていない、時計を見ても午後の仕事まで時間があり暇を持て余してしまう、今日は鮫先輩もお休みだしどうしようかなぁ。  そう思ってふと思い出すことがあった、朝仕事行く前の熊さんとの会話だ。  (最近人気の人らしいよ~見てみたら?儂?まぁ見たかどうかは秘密で)  何で隠すんだろう、携帯を取り出すと教えてもらったチャンネルを探す、いくつかのキーワードを入れて検索すると――  「あ、出てきた、この人かな」  そこに映ってるのは白い獅子だ。もさっとした鬣とやたらとイケメンな顔、黒いスーツを着て凄くお洒落で格好良い白獅子だった。  「うわぁサムネイルだけでもう世界が違う」  ずらっと並ぶ動画のサムネイル、そこに映っているのは赤いソファに座る白獅子、テーブルにはワインが数本に果物が乗ったお皿、壁には絵画が並んでなんかそういうお店で撮ったみたいにさえ見える。どういう人なんだろう?  「どうせ暇だし、ちらっとだけ……」  そう思いながら一つ選んで動画を再生してみる、勿論音は極小で。    ポチッ    『やぁ皆、今宵も出逢えたことに乾杯、私に会いに来てくれて嬉しいよ。さぁ、楽しい会話の時間だ、君の心を満たす一時の時間、寛いでいってくれよ?』  「……ぅ、もう空気が違う、世界が違う!い、異世界!」  ぱちっとウインクしたイケメン白獅子、コメントもメロメロになってるだろう視聴者が甘い黄色い言葉を投げまくっている。  〔白獅子様~今日も素敵ー!〕  〔愛してます!抱いてください!結婚してください!〕  〔あぁ……貴方の座るソファになりたい……〕  『ははは、有難うだけどあまり褒められると照れてしまうよ、それとも、私を酔わせて囁いてほしいのかい?罪なチェリー達だ」  「っっ」  こ、このチャンネルはこういう感じなのか!思わず再生を止めてしまった、なんか凄い、画面越しに見つめられてドキドキ。正直男の俺から見ても相当格好良いと思うし何だろう、手慣れてる感じがあった。俺にはちょっと刺激が強すぎる。    一呼吸おいて続きを見てみる、雑談で質問に返したり最近の興味ある出来事や色々な話題をやり取りして楽しむというのが基本みたいなようだ。  『そうだね、もう辞めて数年程度だろうか?ホストとしての仕事は今のこの環境に大いに貢献してくれているよ、それに君達に会えた大事な仕事の一つだね」  「あー元ホストさんだったのか、納得」  するとこのやたら煌びやかな部屋もお店の中なのだろうか。見ているとなんかこうちょっとむず痒くなってくる。  『残念ながら君達の中で誰かの物にはなれないのが悔しいね、私が沢山いれば一人一人丁寧に……心の底から可愛がって愛してあげられるんだけどね?ふふふ』  「王子って呼ばれてる、ホストって皆こうなのか?だめだ知識がなさ過ぎて完全にゲームやアニメの世界の人に見える」  いるんだなぁこういう人、配信一つでもめっちゃエロいことばかり見せつけてる自分とはえらい違いだ、っていうかちょっと待ってくれ、今配信中じゃないか。赤い文字でライブとチャンネルアイコンに書かれていた。ちょっと様子を見に……。  「いやいや!もう少しで仕事始まるし!興味ないわけじゃないけどでも、なんか、なんか恥ずかしくて見れない!」  顔を思い切り横に振るとぎゅっと携帯を胸に抱きしめてしまう、なんで俺はこんなに照れてんだ、イケメンだけど、確かに格好良かったけど!    ボーンボーン    「あ、仕事開始5分前だ」  はっとすると慌てて電源を消して準備する、今の事は忘れよう、俺とは縁がない人だきっと。  その後の仕事はあんまり集中できなかった、ミスとか遅いとかは恐らくないけど頭の中にあの白獅子がちらついていたんだ、基本的にあまり他のそういう雑談配信とか動画って見ないし、ましてやホストの雑談配信なんて探さないと出てこないし。自分にはちょっと新鮮過ぎた。      夕方仕事が終わると家路につく、途中でコンビニへ寄って桃のビールと弁当を買い、アパートに帰ると敷地で熊さんに出会った、軍手をしてタオルを首にかけている、草むしりでもしてたのかな。  「やぁお疲れさま」  「お疲れ様です、ただいま帰りました」  「お帰りお帰り」  軍手を外すとぽんぽんとハグしてくる、少し照れながら片手で返すと離れた。  「儂が教えた人見てくれたかい?」  「えぇまぁ、ちらっとですけど。いやぁ凄いですね、世の中色んな人がいるんだなぁって」  「ははは、世間から見たら君も相当色んな人の枠に入りそうだね、いや、儂らかな?」  うっま、まぁ……あれだけ自分たちの痴態を晒してるのはちょっと珍しいかな……ちょっとか?  「でもなんで教えてくれたんです?」  「いやぁもしかしたら気に入るかなぁって、それにね、儂はそろそろもう一歩先に行ってもいいんじゃないかなって」  「一歩?」  「うん、君、コラボとかしないのかい?」  コラボかぁ、今までゲストとして色んな人出てくれたけど、そういえばそういう配信チャンネル持ってる人とは出てなかったな。こっそり俺に内緒で他の人してたりするのかな。  「考えたことなかったですねぇ」  「君はほら、ネタ探しで日々唸ってるでしょ?だから何か思いつくかもしれないって」  「なるほどぉ、でも俺そういうのなにすればいいか、誰に声をかければいいか全然分からないし、ちょっと足踏みしちゃうというか。こんな配信してる俺なんかが近寄っていいわけがないみたいな」  「またまたぁ~君は人気者だし別にエッチなことをしなくたっていいんだし。それに君は儂から見て十分イケメンだよ」  「や、止めてくださいよもぅ」  頬を赤くし視線を逸らす、俺は今日めっちゃ格好良い人を知っちゃったからあの白獅子に比べたら自分なんて全然だろう。  「そっか、でも儂は君が誰かとコラボしてその人とエッチする配信みたいなぁ」  「いやエッチする前提になってるじゃないですか」  はははと苦笑すると君が乱れる所が見たいんだよって。そこでふと思ったが何であのホストさんを?配信者なんてそれこそ数えきれないほどいるのに。  「うん、何となく君と相性いいかなぁって」  「え~?ホストさんとですか?何でまた」  「あれ、動画見てないの?」  熊さんは携帯を取り出すとささっと操作し一つを見せてくる、それはあの白獅子さんの動画の一つだ、タイトルには雑談しようかと書いてある。  「普通の雑談配信ですよね?」  「まぁまぁ見てて」  するとやたらと甘ったるいコメントのいくつかは欲望めいた物へと変わっていく。  『ん?私の体が見たいのかい?ははは、可愛らしいこと言ってくれるじゃないか、今日は私も気分が良い、少しだけだよ?』  そう言って黒いスーツを綺麗に畳むと真っ白なシャツのボタンをゆっくり一つずつ外していく、そして前を開くと横を向きながら流し目でこっちを見ていた。  「う、うわぁ」  「ね?エッチでしょ?」  「……え、エッチです」  鍛えられた肉体に綺麗に整えられた純白の毛並み、そこから見えるうっすらピンクの乳首、正直エロイ……エロというか官能的、煽情的という言葉が似合う気がした。  「いやでもちょっと脱いだだけっぽいし」  「最初は君もそうだったよね、しょうがないな~って言いながらちらっと見せて。そこからだんだんと大胆になっていって」  「なんで割としっかり覚えてるんですか」  俺ですらちょっと忘れかけてたのに。う~んコラボかぁ。  「俺別に数字とかきにしないんですけどね」  「君が視聴者数とか知名度を気にするようなタイプじゃないことは分かるよ、あくまでこれは提案の一つだからね。特別宣伝とかしなくてもここまで広まったじゃないか」  「まぁたしかに」  結構話題になったりしてるのだろうか、俺はいわゆるエゴサみたいなことはほぼしないからどこで誰が言ってるとかそういうの全然知らないんだ。  「じゃぁちょっと考えてみますね」  「あっ!でもないなと思ったらすぐに考えるのは止めようね、君の負担や責任を感じてほしくないからねぇ」  「ははは、ありがとうございます」  そう言ってそれじゃぁと言って自分の部屋へと戻っていった。    バタン    「ふ~」  スーツやネクタイ、シャツを脱いでハンガーへとかけて下着姿になる、買った弁当をレンジの中に入れるとまずは桃ビールを一杯。  「く~!はー落ち着くぅ」  それにしてもあの白獅子さん確かにいい体してたなぁ、頭の中で先ほどの光景がちらついてしまう。もしコラボしてくれたらどんな配信になるんだろう?  「やっぱり、エッチなことに……?」  (虎君、君はなんてハンサムなんだ)  (素敵だよ、私の目はもう君から離れない、愛くるしく誘う花に止まった蝶のようにね)  (惚れてしまいそうだ、虜になった私をどうするつもりだい?あぁ……愛しているよう)  「うっ……勃起しちゃった」  何考えてんだ俺、でもちょっといいかもと思ってしまう。いや、いやいや!そんなの現実的じゃない!あんなイケメン白獅子のホストが俺に囁いて抱いてくれるなんて!    チーン    レンジの音でハッとする、今はダメだ、腹も減ってるしとにかく食って飲んでから考えよう。必死で思考を捨てるようにぶんぶんと顔を振って立ち上がった。    「は~美味しかった」  後ろに手を着くと満腹の余韻に浸りながら天井を見上げる、今日は配信どうしようかなぁ。昨日したし今日はしなくていいかな。  「……」  ゆっくり体を起こすと立ち上がり椅子に座るとパソコンを起動する、マウスを動かしてあの白獅子のチャンネルを開く。  「やっぱイケメンだなぁ、う~ん、いや絶対無理だろうけど、ダメ元でやってみるかぁ」  色々考えた末俺はDMを送ることにした、こんな自分の自慰や性行為を配信してる相手からのDMなんてまず無理だろうし。いや通報とかされないよな?  「えぇい当たって砕けろ!」    カチッ    やってしまった、酔った勢いでメッセージを書いて送ってしまった。酒の力って怖い。これでもう後には引けない。  「今になってちょっと後悔が……いやいや!ほんの若気の至り!若くないけど!後はもう知らない!」  立ち上がると俺はそのまま弁当の空を片し早々に寝てしまった。      「大丈夫かな、変な所はないだろうか」  次の日になって驚いたことが一つ。あの後ちょっと興奮気味で中々寝られなかったのだが、起きて確認するとDMが届いていたんだ、律儀に拒否の連絡くれたのかなぁと思って開いたんだ。  [喜んでお引き受けします]  一文を見て目玉が飛び出そうになった、そしてその後やり取りをした結果、なんと今日の昼頃から会ってくれるそうな!慌てて顔とか洗ってシャワー浴びて身支度を整えた。何度も鏡の前で確認をした、なんせ相手はホストさん、横に並んだら貧困民かと思われるんじゃないかって。  そうして準備が終わると外で待つことにした、場所は教えたから大丈夫なはず、それに携帯の連絡先も伝えたし。何だろう配信よりドキドキするかも。    バタン    場所はアパート敷地の入り口ということになった、そこなら遠くないですねと見て、もしかして近くに住んでるのか?と思ったりもしたが多分勘違いだろう、偏見だけど超高級マンションとかに住んでそうだし。  「あぁやばい、変な汗かきそう――」  「あっ、すみませーん」  「え?」  声がして振り返る、そこにいたのは……し、白獅子さん?  「もしかしてメッセージをくれたお方ですか?」  「えっと、は、はい!その、配信してる虎です!もしかしてホストの白獅子さんですか!?」  「はいそうです、そんなに慌てなくても大丈夫ですよ、それにもう今はホスト辞めてますから」  本当に来てくれた、来ちゃったよ!白いシャツに胸元を少し開け、上下を黒いスーツで包む白獅子さん、白と黒の色合いがまたクールでシックな感じだ、それに眼鏡をしてるし鬣はちょっと後ろに流してる。もしかして縛ってる?  「あの、し、失礼ですけど眼鏡してるんですね」  「あぁそうですね、そこまで凄く目が悪いというわけじゃないから常時する必要はないですが、一応伊達ではないです。配信の時は外してますけどね」  あぁ凄いなんか落ち着いてる、やっぱり場慣れしてるというか初対面でもこんなにちゃんと対応できるなんて、慌て焦る自分とは大違いだ。  「お昼はもういただきました?」  「い、いえまだです!」  「そうですか、それならどこか食べに行きましょうか。お互いの事をもう少し詳しく知るために」  「そうですね、よ、よろしくお願いします」  「えぇこちらこそ。少し落ち着いてくださいね?」  苦笑する白獅子さん、深呼吸するとすみませんと言った。    二人で少し歩くと近くで見つけたファミレスへと入る、空いてる席に座るとメニューを見ながら会話をする。  「いやでも、本当に引き受けてくれるとは思いませんでした」  「ははは、僕も驚きましたよ、まさかコラボのDMが来るなんて」  「僕?」  思わず声に出してしまい、はっとして口を押えた、失礼だっただろうか?それでも白獅子さんは笑顔を絶やさない。  「あぁ、配信してる姿は実はいわば作られたキャラクターみたいな感じなんですよ、こっちが素の姿です。ホストをやっているとやはりどこか演じる部分も多いので」  「そ、そうなんですかぁ、鬣後ろ縛ってたり眼鏡かけたり。そういう事なら納得です」  「えぇ、なので虎さんも自然体のまま落ち着いて接してくれるとありがたいです」  「む、無理ですよ~こんな格好良いホストさん相手に。なんか今もお客として相手してもらってるように感じますね」  これ後でお金払った方がいいのだろうか?  「嬉しい言葉ですが、僕としてはありのままを見せてほしいですね、前やっていた時はホストとして仕事として相手を取る場合はお店で、それ以外の時は一人のただの一般人として扱ってほしいんです。いつでもどこでも特別扱いみたいなのはちょっと気が引けるんですね」  「あ、ご、ごめんなさい」  「いやいや謝る必要はないですよ!ホストをしていたと言うと、やっぱりどこかお高い人みたいな感じで見られて結構距離を感じることがあるんです、なのでどうかいつも通りの普通な感じでお願いしますね」  「は、はい!それなら俺も……!」  そこではっとした、俺に対しても普通でと言おうと思ったが、もしゲストとして出てくれるなら当然相手の事は調べておくだろう、ちゃんとしてそうだし。だとしたら……あぁ!  「あの、お、俺の過去の配信とかやっぱり見たり?」  「え?あぁどういう人なのかというのはあらかじめ知っておいた方が失礼ないだろうと思いましたので少しだけ。まぁちょっと驚きましたが」  やっぱり!どうしよう幻滅されたかなぁ。  「そ、率直な感想をお願いします!もうどんな言葉でも受け入れますから!」  「ははは、そんな構えないでくださいよ、安心してくださいむしろほっとしました。私は貴方とお仲間ですから」  「お、お仲間?」  え、ちょっと待って。ちょっと待ってっ!?!?  「えぇそうです、私は同性愛者、ホモです」  「っっえっえ~~!」  「シーッ!」  慌てて口を押えた、周りに人がいなくてよかった。  「す、すみません」  「いえ、予想していたので。やっぱり見えませんか?」  「いや全然、というかホストをしているというからてっきり」  「勿論女性に対してもちゃんと接客しますし対応しますよ?ですが私がもし恋愛の対象として、性的な目で見るとしたらその相手は男性になります、それに僕が働いていた場所は男女両方、種族問わないばしょでしたから」  「そ、そうだったんですかぁ、俺驚いちゃいました」  「どうですか?少しは親近感湧きました?」  「いやもう!これで少しは近づけましたかね」  「最初から自然体でと言ってるじゃないですか~」  はははと笑いあう、あぁなんか色々衝撃なことを聞いたがようやく肩の力が抜けたというか。  「それじゃぁ頼んじゃいましょうか」  「そういえばまだ頼んでなかった!お腹すいちゃいました」  「僕もですよ、今日はより親密になれるように、仲良くしてくださいね」  「こちらこそ!」    お昼ごはんとして俺はハンバーグを、白獅子さんはスパゲッティを頼んだようだ、料理が来ると二人でそれを食べる。  「パスタ好きなんです?」  「えぇ、結構色んなパスタ料理を食べますが、結局なんだかんだでこのミートソースのスパゲッティが一番だなって。虎さんは特別好きな物とかは?」  「え~俺ですか?んーなんだろう、とりあえず肉!って感じですかねぇいつも、肉食なので」  「ははは、なるほど、それらしさありますね」  「白獅子さんはスパゲッティってなんか凄い似合ってると思います、優雅な貴族の食事って感じみたい!」  「何だか恥ずかしいですね」  いやいや本当だって、フォークをくるくる回して食べる姿は絵になるというか、上品そのもの、俺とか箸でハンバーグ切って白米を掻きこんだりしちゃうし上品さとは程遠いなぁ。  二人で腹を満たすとふぅと息を吐く、俺はメロンソーダ、白獅子さんはオレンジジュースを飲みながら会話を続ける。  「それでコラボ配信ということですが、何かお考えでしたか?」  「いやぁ恥ずかしながら断られること前提でもうヤケクソ気味にDMしちゃって。昨日酔ってて何も考えず勢いだけでですねぇ」  「なるほどぉ」  そうだよなぁこっちから話しかけてるのに何も考えていませんでしたって普通に迷惑すぎるよな、何やってんだ俺。  「あの、白獅子さんは何かあります?これしたいとか」  「え?えぇっと、本当にいいですか?」  何だろう少し赤くなって視線を逸らした、もしかしてエッチなことか?エッチなことなのか?  「で、でしたら雑談配信とか、要望があればそれにこたえる感じの配信を少し」  あれ?それっていつもと変わらないのでは?  「虎さんは僕の配信をどこまで知ってるか分からないですが、いつもは結構役を演じているような配信なんです、雑談とは書いてますが内容と言えばホストとその相手みたいな感じでしょう?」  あ~たしかに!ちらっと見たの何個かはまさにその通りだ、ホストとして白獅子さんが指名されてこっちはお客さんみたいな、そういう雰囲気の中でのやり取りっぽかった。  「僕は元々ホストとして長く働いていたし、仕事柄そういう役は慣れていたので配信もやりやすかったんです。なので最初そういう風なシチュエーションでやってみたら、ずるずると後には引けなくなっちゃって」  両手を軽く握ると親指を回し俯いている、はぁと溜息をついていた。  「正直、もっと素のままの自分を出したい、気軽にやりたいと思ってるんですけど、格好つけた自分以外を出すのって動画だと結構緊張してしまいますし、勇気がいるんです。もしかしたら視聴者をがっかりさせてしまうんじゃないか、あのキザで煌びやかな白い獅子を求めてきたのにただのおじさんだったみたいな」  なるほどなぁ最初にそうやっちゃったからそれが定着しちゃって他の事を見せるのに恐怖を感じちゃったのかぁ、え?おじさん?  「ものすごく若そうに見えますけど?」  「これでももう30代後半なんですよ、驚きました?」  「えっ!見えない!普通に20前半とかそこら辺のイケイケな若者に見える!」  「ははは、有難うございます、獅子は鬣とかあって少し分かり辛さありますもんね」  ホストをしていたから見た目にはとても気を遣っていたとのこと、肌や獣毛に良いボディソープを使ったり鬣にはトリートメントをしっかりしたりとか。勿論ホストとして大事なのは受け答え、対応だがそれと同じくらい見た目も大事なのだと言っていた。  「えぇ、なのでこの状態を配信したいなって。ただ、僕は卑怯なので自分の配信でそれを出すのはまだ勇気がないんです、その練習というか前段階として虎さんの配信を使ってしまうのは気が引けるんですが――」  「いやいやいや!むしろ全然使ってくださいよ!コラボでなにも考えてなかった責任ありますし、それに俺の配信なら正直何しても絶対視聴者は受け止めてくれますから」  「そうなんですか?」  周りを見て手の平を口の横に添える。  「……がっつりセックスして上も下も汁塗れ、穴からだらだら流れてる所を見て喜んでそれをおかずにするような層ですよ」  白獅子さんは目を見開き耳まで真っ赤にした、少し固まるとくく、はははと笑い出した。  「そんなに凄いんですか、あぁなんか、それなら大丈夫そうですね、ありがとうございます。今ので大分肩の荷が下りました」  「そうそう、なのでもう好きに練習しちゃってください、あ!勿論最初に他言無用とは言っておきますけどね、あいつの配信で白獅子さんがこういうことしてたぜーとか言わないようにって」  「気を遣っていただいちゃって、はい、じゃぁそれも込みでお願いします。あぁなんか、虎さんと出会えてよかった」  「ちょちょっまだ早いですって!俺なにもしてなーい!」  くくくっと口を押さえて笑う白獅子さん、なんだろうその純粋無垢というか動画で見たイメージとはまるで違い、その様子に何故か俺はドキッとしていた。    他に寄る所もないから俺達はアパートに戻ってくる、そして部屋に入ってもらった。物凄い慎重にゆっくり入るからそんな気を遣わないでいいですよって。  「さっそく配信します~?」  「えぇっと、そうですね、他に何もなければ」  「はーい、じゃぁ準備しますね」  テーブルを片し、椅子を持ってくると二人で机の前に座る、コラボでゲスト枠ということでやはりメインは虎さんですよって言われたからヘッドセットは最初に俺が着けるにした。後はカメラの位置を調整して……よしよし。  「それじゃぁ配信しますね」    ポチッ    『あーあー、音量調整中、お、来たな、こんにちは~。そう、今日は昼配信だ』  〔え?え!?ちょっと待って!〕  〔大物ゲストって白獅子さんかよぉ!〕  〔王子が出てる……なにこれ〕  流れてくるコメントは白獅子さんの存在に大いに驚いている、ヘッドセットを渡すとにこりと笑って少し緊張気味だ。  『どうもこんにちは、コラボとして呼ばれたので彼、素敵な虎さんの家にお邪魔しているよ、黄色と黒に白と鮮やかで魅力的な彼と今日は色々やっていこうと思うから、ぜひとも楽しんで行ってくれ』  お~い白獅子さん、出てる出てるホストが出てる。  『あ……い、いや!楽しんで行ってね』  赤くなって苦笑するとヘッドセットを返す、コメントは少しざわついているようだ。  『とまぁこんな感じで雑談配信だ、コメントからも聞きたいこととかやってほしいことがあったら書いてくれ、可能な物であれば俺が拾っていくからな~』  するとどっとコメントが増えていく、目で追うのは大変だがマウスで一旦止めながら読んでいく。  「えぇっと、白獅子さんは普段どんな生活を?」  「家ではもっぱらぐうたらしてますよ、テレビを見たりたまにゲームをしたり本を読んだり。外出することも多いです」  「なるほど、こう……特にこういうことにはまってるとかこういう場所よく行くとかありますかね?」  「最近では色々な美容品を試してますね、男でも使える、雄獣人にも効果あるような物。獣毛をサラサラにするような物とか、雄獣人用のエステなんて場所にも行きます」  「えっそんな所あるんですか!?」  「えぇ、興味があれば教えますよ」  〔滅茶苦茶ホストしてるって感じだ〕  〔見た目めっちゃ綺麗なのも頷けるなぁ〕  〔何かいつもの配信の時と王子印象違わない?〕  白獅子さんはコメントを見て少し固まる、かなり緊張しているようだ、普段から白獅子さんの配信を見てる人がいるんだろうそのコメントは白獅子さんにはあまりにも効果的すぎた。  よし、こういう時はだ……。  『お?白獅子さんの個人配信見てる奴がいるな?どうだ~今日の白獅子さんは』  「と、虎さん!?」  〔普通に格好良いと思う〕  〔フレンドリーで柔らかい物腰って感じで結構好き!〕  〔王子の私生活見てるみたいで楽しい〕  「あ、え、えっと……これ、本当に?」  驚く白獅子さんは俺とコメントを交互に見てる、これ結構重症だぞ白獅子さん、俺は過去に自分の見た目を気にして酷く怖がってしまっている人を見ているから分かるんだ、この配信が少しでも白獅子さんを軽くできるなら嬉しい。  『ははは、ほらね?俺の配信を見てる連中は皆こういう奴なんです。あっお前ら!この配信は他言無用だぞ!俺の配信で出てた~っていうなよ?白獅子さんにも、何しろ俺が!俺が大変な目になる!』  はーいというコメントを見ると安心する、確かにホストの王子とセックス中毒の虎さんだとあまりに立場が違い過ぎて虎さんが浮きまくりですもんねって。なにおー!  何度も驚き本当に楽しそうに笑う白獅子さんを見ると俺も楽しくなって笑顔になった。    流れてくるコメントの一つを見てお?というのがあった、それを読み上げる。  「二人でホストと客みたいなことをしてくれ……て、これ白獅子さんできます?」  すると白獅子さんはふぅと息吐いて眼鏡をはずした、そして流し目で俺を見る。え?え、ちょっと待って?  「それは、私に期待しているということでいいのかい?君みたいな誘惑する香りを放つ美男子を放っておけるわけないだろう?危険な薔薇だがそれがむしろ、蠱惑的だよ……ベイビー」  「えっ……えっ、あ、あの」  ちょちょ、ちょっと待ってちょっと待って!いきなりそんな、俺の心がぜんっぜん準備できてないんですけど!  そっと手を握られ指を絡めてくる白獅子さん、目が合えば細め、にやりと笑って頬を染める。そっと頬に手を添えられると顔が近くなる……。  「どうだい、私と君と二人だけの秘密の時間、互いに全てをさらけ出して共有しようじゃないか、私の愛を受け取ってくれるかい……ディア、ラバータイガー?」  「わーストップストップ!ちょっと待って本当に待って!俺が耐えられない!」  席を引くと思わず立ち上がってしまった、凄い顔が熱い、心臓が飛び出るかと思った、ほ、ホストさんってこうなの!?皆にこんなことしてるの!?これに耐えられる人ってどんだけだよ!  〔面白過ぎるわこれ〕  〔耐性なさすぎでしょ虎さん、でも気持ちは分かる〕  〔王子にそんなことしてもらえるなんて……やきもち!〕  してやったりみたいな笑顔で戻った白獅子さんは眼鏡を取ると楽しそうだった。  「こんな感じでどうでした?」  「はぁはぁ、い、いやもうね、これ危険です、麻薬みたいなもんですよドッキドキでした。でも凄い何か、き、気持ち良かったです。恥ずかしかったけど!」  「そ、それは良かったです」  ん?白獅子さんどうしたのだろう、急いで顔を逸らしたけど。そこでコメントを見て顔を下げる、あ……。  〔虎さん感度良すぎでしょ、どんだけ興奮してるんだ〕  『う、うるさーい!だってこんなめっちゃイケメンで素敵すぎるホストがいて手とか顔とか触られて顔近づけられたんだぞ!チンコくらい勃つだろ!」  「……虎さん普通にそういうの言えちゃうんですね」  そう、今の俺は完全に勃起していた、ドキドキしてそれを気にするどころじゃなかったけど。するとコメントはいつも通りと言えばいいか、具体的な物へと変わっていく。  〔始まりました、今日のエッチな時間です〕  〔イケメンホストとセックスいいな~〕  〔王子が虎さんの物になっちゃうー!〕  『いやいや、今日は至って普通の雑談配信だから!そのつもりでのコラボというか……え、いつも言ってる?う、うっさい!白獅子さんだって、ね、ねぇ?エッチなこととかしたくないですよね』  だが白獅子さんは苦笑するとさてどうだかと。え、何その反応。  「僕はこれを練習として使わせてもらうといいました、普段見せることのできない自分を、勇気をもらうためと。だからもし虎さんがしたいというのであれば、僕は構いません。それに……」  そっと近づいてまた手を添えてくる、う、うぅ……。  「普段から見せているのでしょう?何をいまさら、僕にも君の深い所をもっと見せてほしいな、君の美しいその御姿を。言ったでしょう、君と私はお仲間だと……」  ず、ずるいって。そんな風に迫られたら俺だってそういう気分になっちゃう。近くで綺麗な瞳が俺を見る、少し荒くなった息が顔に掛かる。  「白獅子さん……」  「白って呼んでほしいです」  「ぅ……し、白さん、んんっ」    チャプッチュプッ    優しく、シルクタッチで唇に触れてくる、そのまま積極性を出さず舌が口に当たるとそれを合図として開き互いの舌同士が絡み合う。  「んぶっん」  ゆっくり、存在を確かめるように。そこにある熱を感じて与えるように。二人の唾液は絡まり溶けあうと分け与えながら互いの体にしんと浸透していく。  〔始まった!全裸になる!〕  〔え、やば……凄いエロティック〕  〔これはこれで濃厚な感じがしていい〕  「っぷは、し、白さん」  「虎さん、いいですか?僕も、したくなってしまいました」  「はぁはぁ、結構こういうのぐいぐい来たりするんです?」  「経験もあまりないですし普段はこんなんじゃないですけどね、何でだろう、虎さんが魅力的すぎるのかな?」  「もーそれ禁止です~」  「ははは、お願いできますか?」  「お、おれの方こそ……」  一度立ち上がるとパソコンやカメラを持ち上げて地面に置く、ヘッドセットを外して置くと互いに脱ぎ始めた。全裸になると俺は白さんの体を見て息をのむ。  「き、綺麗……」  「え?そうですか?」  エステとか美容品とかに気を遣ってると言っていた白さんの体は本当に綺麗だった、体の純白の獣毛がキラキラ光を反射し輝いて、さらさらと一本一本がこごることなく動く感じ、そこに程よく筋肉がついていてまるで美術館とかに置いてある美しい像のようだった。  「僕から見ても虎さんはとても魅力的で格好良いですよ、もっと鍛えた方がいいでしょうか?」  「いやいや十分ですよ!それだけ筋肉あれば普通に鍛えられてる人って感じですし」  さすがに筋肉量は俺の方が上みたいだけど、これ以上筋肉ついたら逆に崩れてしまいそうで思わずそう言った、近づいてくる白さんは俺の腰に手を当てると二人で地面に座る。  「さ、触っても?」  「えぇいいですよ、少しずつ落ち着いてきましたからやりたいことがあればしてください」  「ありがとうございます」  手を伸ばしてくると俺のチンコを片手で握る、ゆっくりゆっくり、感触を確かめるように上下に動かす、なんか思ってたよりも初々しいというか……さっき経験はあまりないって言ってたっけ。  「気持ち良いですか?」  「えぇ、凄くいいです、元とはいえホストの白さんにしてもらえてると思うとなんか舞い上がっちゃいますねぇ」  苦笑する白さんは失礼しますと言って顔を股に寄せてくる、それを見て一度地面に横になった。カメラに映るように俺の足の横からチンコを咥えると片手で玉を持ちながら頭を上下する。    ジュブッグチュッ    〔これが無料で見られるのおかしい〕  〔もはや衝撃映像だわ〕  〔虎さんそこ変わって!王子にしゃぶられたい!〕  徐々に慣れてきたのか、白さんの行動が激しく大胆になる、玉に舌を伸ばして舐めたり、チンコの根元から先までつつっと舌を動かしたり。カリに舌を添えると回すように感じるポイントを刺激する。  「あっぐぅ!し、白さん!気持ち良すぎてすぐイッちゃうかもっ」  「はぁ、いいよ虎さん、僕の口に君の愛を、愛しい子種を飲ませてくれ、汗をかき光りながら喘ぐ君のなんと美しい事か……」  「し、白さんそんなこと言わないでください!俺ちょっと、変な気持ちになっちゃう」  「可愛いよ、さぁもっと気持ち良くなってくれ、身も心も……君の鮮やかな色彩でもっと魅了してくれ、僕の口を君の愛汁で汚してくれ」  「あっもうい、イクッイクゥゥゥっっ!!!」    ドプッドプッドプッ    「んぐっんっ」  刺激と言葉攻めで耐えられず俺は拳を握りながら射精する、白さんの口内が満たされて行き口がしぼんで飲んでいるのが分かった、あんなイケメンが俺みたいな凡人虎の精液飲んでる……。  「っぷは、ゲホ、多いですね」  「はぁはぁ、し、白さんが俺を興奮させ過ぎなんです、ホストの技使わないでくださいよ~」  「ははは、でも興奮して楽しんでいるのでしょう?それにやりたいことやっていいといったじゃないですか」  「ぅぅ、そうですけど」  手を伸ばしてきたから掴むと体を起こされる、そのまま近くで見つめてくる白さん。  「目を逸らさないで」  「なんか凄い恥ずかしいですこれ」  「今までさんざんあられもない姿晒したでしょう」  「そ、それとは違う恥じらいですって!白さん本当に格好良いから」  何だろう自分が乙女になった気持ちだ、こういうことって本当にあるんだ。白さんは俺を見ながら片手で俺の胸や腹を弄ってくる、だから俺もついつい白さんの綺麗な体に触れてしまう。  「わっ凄いさらさら、指が引っかからない」  「気に入りました?」  「はい、うわぁこんな風になるんですねぇ」  「虎さんも少し気を遣えばすぐにでもさらさらになりますよ」  もしかして俺も美形虎獣人に!?スーツとか着ちゃったりして、ホストデビューとか!いやないな、うんないない、似合わなすぎ。  「っはぁ、と、虎さん」  「俺はやっぱりこういうことしてた方がそれっぽい気がします」  ガチガチに硬くなっている白さんのチンコを手で掴んで弄り揉む、喘ぎ赤くなる白さんを見るともっともっと喘がせたくなる。  「んっんぅ」  二人で触りあいながらキスをし、配信の事さえ忘れそうになる。  〔イチャイチャ、イッチャイッチャしちゃってぇ〕  〔恋人同士みたいというかもうそういうプレイだわこれ〕  〔お金払うから王子それさせて!!〕  「っぷは、し、白さん」  「はいなんでしょう?」  「一つお願い、いいですか?」  もうだめだ、抑えが効かない。俺は白さんにぼそりと呟く。    「僕が抱く方でいいんですか?」  「はい、俺どうやら受け気質があるみたいで、今までさんざん抱かれてきましたから」  「ははは、助平ですねぇ」  横になると白さんはカメラを持ち少し近づける、そして両足を持ち上げると俺の肛門を舐めてくる。  「あっう、ん!」  舌が中に入るとぐりぐりと動かされ唾液が入ってくる、その後に指を当てるとずぶりと入れられた、その感触に呻くと白さんは少し驚く。  「ちょっと弄くっただけでこれですか」  「はぁはぁ、あ、後で俺の動画見たらいいですよ?凄いのさんざん入れられちゃったので」  「ほぉ、それは興味をそそられますね、是非とも後で……おかずにでもしちゃおうかな」  指が二本三本と増えていき、少しするとすぐにでも穴はぽっかりと開く、俺多分こういう行為をするうえでかなり便利というか都合の良い穴なんだろうな。  「それじゃぁ入れますよ?」  「は、はい来てください」    ズブブ    ゆっくりと白さんのチンコが入ってくる、すぐにでも根元まで当たると白さんは喘ぎながら体を倒してきた。  〔ぉぉマジか、ホストと虎さんが合体した〕  〔あの人気白獅子さんがマジでセックスしてる、ヤバ……〕  〔あーー王子ぃぃーーー!!〕  「はぁはぁ、い、痛くないですか?」  「大丈夫です、んっはぁ、気持ちいいですよ」  「僕もです、動きますね」    ヌプッジュプッ    最初は緩やかに、一定の速さを保って。次第に白さんは我慢できないのか腰の速さが増していく、俺の腰を掴んで巧みに突きあげるように。丁度いい所を突かれている気がして俺は声が抑えられない。  「あっんぁ、し、白さん凄い!気持ちいいです!」  「はぁはぁ!こ、腰が止まらない!凄いこんなにいいだなんて!」  がばっと覆いかぶさると見つめあう、両手を地面に置くと軽くキスをする。  「素敵だよディアタイガー、もはや君しか見えない、私は君に出会うために生まれてきたんだっ」  「あっんはぁ!し、白さん今は、い、今ホスト用語だめ!」  「なんて愛らしいっくぅ!はぁ、君の見た目も熱い情熱も、全てが私は欲しくなる、あぁぁ、美しいっ、はぁ!素敵だよ……本気で君を愛したくなる!」    パンパンパン    中で擦れる刺激と快感、そして俺の耳に届く白さんの言葉、こんなの初めてすぎて耐えられない。頭が、思考が本当に溶けていく、俺の方こそ白さんしか見えなくなってしまいそうだ……やばい、こんなに囁かれたら俺、白さんを好きになってしまいそう。  「はぁはぁ、そろそろイキそうだ、私の愛を、受け取ってくれるかい?」  「白さっんぁ!ほ、欲しいです!中に出してください!俺をもっと愛してください!」  「あぁいいとも、ディアタイガー、一つになろう!私と君で愛の形を……ぐぅっイクッイクッおおぉぉっっ!!」  「あぁぁ漏れる!イッちゃう!イクッあぁぁぁぁ!」    ゴプッゴプッゴプッ   ドプッドプッドプッ    互いに叫ぶと抱きしめあって射精する、ぶるぶる震えながら尻尾をぐるぐると絡ませて今この瞬間は絶対に離れない、離さないようにきつく結ばれる。  〔うわぁ凄い、溢れてる〕  〔これっておいくら万円でしてくれるんです?〕  〔あぁ……王子が虎さんの物になっちゃった……〕  「はぁはぁ、こ、こんなに出したの初めてです、虎さん凄い、良かった」  「俺も、なんかあれです、耳が孕むってやつを体験しちゃいました」  「ははは、僕の言葉で楽しめるならいくらでも言いますよ?ねぇ、可愛いディアタイガー」  「もう、今は勘弁してください」  互いに笑いあうとそっとキスをした。    『ふぅ~、お疲れさん、どうだ~楽しめたか?いやぁ、凄かったな……プロのホストの接待を受けたって感じ、なんかもうトキメキまくっちゃった』  コメントもどんどん流れていき、主に羨ましいとかお金払うからそれサービスにしてとか。ははは、元から人気だしやっぱり白さんの声はかなり需要あるみたいだ。  『そういうわけで今日はこの辺で失礼するぞー、白さんも帰る準備とかあるしがっつり本番やったし、満足だろ?俺はこれ以上すると溶けて液体になるからダメ、やらない』  『ははは、なんですかそれ。虎さんは面白いですね』  『よし区切りがいいな!じゃぁ終いにするぞ、今日のゲストは元ホストの白獅子、白さんでした!最後にもう一度言うがここの事は他では言うなよ!それじゃぁまたなー』  『また見に来てくれな?愛するチェリーボーイ』  〔お疲れー絶対見に来る!〕  〔またコラボしてね~白獅子さん!〕  〔チェリー……俺と王子が二つで一つに繋がって……〕    ポチッ    なんか完全に夢中な奴いたな、配信が終わるとふ~と息を吐いた。  「お疲れさまでした!いやぁ~今になってもまさに夢のようですよー」  「僕もですよ、最初は僕も驚きましたし僕で虎さんや視聴者を満足させられるのか心配でしたが、今はコラボしてよかったなって思ってます」  椅子を片し互いに後処理をしながら話す、終始白さんはにこにこ笑い、特に高慢な態度とかも取ることもなく、まぁ性格的に絶対ないだろうけどね、素の表情を見せてくれた。だから俺も本当に話しやすかった。  それぞれ綺麗にすると服を着て整える、うわぁ……やっぱり黒いスーツを着てる白さん本当に格好良いなぁ、こんな素敵な人と今日セックスしたんだよなぁ俺、えへへ。  「それじゃぁ帰りますね、また呼んでください、まだまだ練習不足ですから」  「どうですか?少しは配信で自分らしさを出せそうです?」  「え?ははは、そうですねぇ……ちょっとだけ、僕という個人を出してもいいかな」  赤くなると手を伸ばしてくるから握手をする。  「この出会いを大切にしたい、これからも仲良くしてください、その、いきなり友人は距離感おかしいと思われそうなのでまずは知り合い程度に――」  「今日セックスした相手にそれいいます~?」  「うっそ、それは……」  「ははは!俺の方から、ぜひ友達としてお願いします!」  「っ!は、はい!友達になってください!」  この時の白さんは驚くくらい本当に嬉しそうだった、友達になるという言葉だけでこんなに喜ぶなんて……。  頭を下げるとではまたと言って手を振って帰っていった白さん、パタンと閉まると俺は疲れからかそのまま眠ってしまった、今度配信してたら見てみよぉっと……お休みぃ。      『やぁ皆、よく来てくれたね、私……いや僕の雑談配信、これから始めていくよ、ん?あぁ、今日は服を変えてみたんだ、Tシャツ姿は初めてだけど……に、似合うかな?それじゃぁいつも通り何でも質問してくれ、僕はそれに答えていくからね。え?どこかでそっくりさんを見た?そそ、そうかい?おぉっとその話題はなしにしよう!何でもないよ!あーこらこら!それ以上はダメだって~!」       完