GM [導入]
ブルライト地方
ハーヴェス──ユーシズ間の街道
GM [導入]
隊商が街道沿いにある村に逗留、休憩を兼ねて商売をしている
君たちは隊商の護衛や付き添い
あるいは村になにかしらの用事があってそこにいたのだろう
近場の林で採取の依頼などをしている事もあるかもしれない
GM [導入]
ともあれ、しばしの自由時間だ
エステル・サファイア [隊商]
「ふぅ……しばしの休息ですね」
エステル・サファイア [隊商]
「早く終わらせてドルネシアさんのライブに行きたい……」
「こうして目を閉じるとドルネシアさんが踊っているのが見えます……」
エステル・サファイア [隊商]
「うおおおおおー! ドルネシア様ー! 尊いー!」(ペンライト型マギトーチを振り回す)
:MP-1 マギトーチ
エステル・サファイア [隊商]
MP:50-1>49
メリック・クライフォッシル [隊商]
「…………」目を閉じるほど集中して休んでいるので声をかけづらくなった青年が一人
「……!?」と思ったら突然叫びながらマギトーチを振り回し始めたのでビックリ
エステル・サファイア [隊商]
「うう……めちゃめちゃ尊、……」(視線に気付き、固まる)
メリック・クライフォッシル [隊商]
「………………………………」
「……すまない」
エステル・サファイア [隊商]
「わああああ! すみませんすみません! 怪しい者ではないんです!」
(マギトーチをしまって平謝り)
メリック・クライフォッシル [隊商]
「いや……思わず動き出してしまうくらい集中されていたのだろう。休憩中だというのに真面目なことだ」そういう風に判断した
エステル・サファイア [隊商]
「いえ集中していたのはその通りなのですが真面目ではなかったと言いますか禁断症状が出ただけと言いますか…」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「そうか。ドルネシア、というのが何の名前かは知らないが……尊い、ということは御神の類いなのだろう。修行中の僧侶ならばそういったものを見ることもあると聞いている」
エステル・サファイア [隊商]
「ドルネシアさんを……ご存知ない……!?」
「そうですか……それは可哀想に……」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「?ああ、山暮らしでな。生憎世俗には疎い」
憐れまれたな……と思うが口にはしない。捕虜時代に2割くらいそういう目で見られた。後の8割は大体侮蔑。
エステル・サファイア [隊商]
ちが……私そんなつもりじゃ……
「こほん。"癒やしの舞姫"ドルネシアさんは私と同じエルフでして……踊り子なんです」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「ふむ。エルフで踊り子……神の名ではなかったか」|戦舞士《バトルダンサー》かなぁと思っている。エルフは身軽だし向いているだろう
エステル・サファイア [隊商]
「その二つ名の通り彼女はその踊りで人々を魅了してやまない癒しの存在なんです」
メリック・クライフォッシル [隊商]
|神官《プリースト》、|妖精使い《フェアリーテイマー》……あるいは|奈落睨士《アビスゲイザー》辺りかなぁと思っている
エステル・サファイア [隊商]
「そしてそのドルネシアさんを昔から応援している所謂古参ファンがこの私、ファンネーム"青ペン先生"なのです!」
エステル・サファイア [隊商]
(マギトーチとうちわを取り出す)
メリック・クライフォッシル [隊商]
「ふむ」古参|狂信者《ファン》……自らをそう呼んでいるのか。律している、ということかもしれんな
「先生か。教員なのか?あるいは教授か……」
「それは……文字が書いてある扇。何かの|魔道具《マジックアイテム》か?」
エステル・サファイア [隊商]
「これは踊りを応援する時に使います。魔力は込めていませんが私の愛を込めました」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「なるほど」愛……心を込めて作った、と。修行の一貫だろうか。
「愛しているのだな、その……ドルネシアなる踊り子を」
シュクシュン [隊商]
のったりと現れる
エステル・サファイア [隊商]
「はい! 愛しています!」
「わっ!? タヌキ!?」(シュクシュンにびっくりする)
メリック・クライフォッシル [隊商]
「いや……|アライグマ《ラクーン》だろう」
パウラ [隊商]
「うむ」背中に胡坐をかいて座っている
「儂は水を求めて来たのじゃが…」
「なにやら…楽しそうな声が聞こえての」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「そうだな、そちらのエルフが……」名前を聞いていなかったな、と思い出す
「おれはメリック。そちらは?」
パウラ [隊商]
背からもぞもぞ降りてくる
エステル・サファイア [隊商]
「私はエステル・サファイアと申します。私がドルネシアさんを熱く語りすぎたようですね」
パウラ [隊商]
「儂はパウラという」
「メリック、エステル」確かめるように呼び、頷く
メリック・クライフォッシル [隊商]
「そうだな、楽しげな声はエステルのものだろう。おれは相槌を打っていただけだ」
パウラ [隊商]
「やがて絡み合う蔦のような縁とならんことを」
「うむ、友を遊びに誘う小鳥のようであった」ほのかに笑んで
エステル・サファイア [隊商]
「あははは……すみません、騒がしくて……」
パウラ [隊商]
「よい」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「ああ、いいことだろう」
パウラ [隊商]
「木の葉の擦れ音が聞こえぬ森など、気持ち悪いだけじゃ」
「それに…」
「儂との縁ができたから、の」楽し気な声色
フードの中で耳と尾が揺れる
メリック・クライフォッシル [隊商]
「ふむ。パウラには縁が大事か」フードの下の角が動くことはない
パウラ [隊商]
「おうとも」
「悪しき縁は断つべし、しかし」
「それもこれも結ばれたあとの話じゃからの」
「誰とも摺り合わぬ袖は、寂しい」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「そうか。では悪縁とならないことを祈ろう」蛮族ゆえに排斥されないよう頑張ろう、程度の意味合い
エステル・サファイア [隊商]
「なるほど、そうかもしれませんね」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「……まぁ、人と出会うことは良いことだな。大抵は」
パウラ [隊商]
「さて、儂は耳に飛び込んで来た若鳥の囀りに惹かれた故」
「もう少し聞かせておくれ」
「なんじゃったか。どるねしあ?」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「エルフの踊り子らしい。人を魅了し癒やすとか」
パウラ [隊商]
アライグマの隣に腰を下ろし、背を預ける
エステル・サファイア [隊商]
「そうなんです! "癒やしの舞姫"ドルネシアさんです! ご存知ですか?」
シュクシュン [隊商]
大人しく横腹を枕に貸している。
パウラ [隊商]
「いや?」笑みを失わず
エステル・サファイア [隊商]
「そうですか……」(やはり冒険者は知る機会がないかもしれない、と)
パウラ [隊商]
「しかしエルフはもともと歌も踊りが得意じゃが」
「その踊り手の力量とはいかほどかの?」おどけた口調、試す様に
エステル・サファイア [隊商]
「そうですね。踊りを得意とするエルフは多いかと思われます」
「しかしドルネシアさんの魅力は技術はさることながらどのような場所であっても楽しそうに踊るところです!」
パウラ [隊商]
「ほうほう」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「ふむ」どんな死地でも、という意味だろうか……
パウラ [隊商]
「時も場所も問わぬとな」
エステル・サファイア [隊商]
「酔客だらけの誰も見てないような酒場であっても、人っ子一人来ない路地裏であっても……笑顔を絶やさず踊るんです」
パウラ [隊商]
「なんと」感心
「いやしかし、まるでそれが生まれたときから見てきたように言うのじゃな……」
エステル・サファイア [隊商]
「はい! 何せ私はドルネシアさんの古参ファンなので! 歳も近いんですよ!」
「今でこそドルネシアさんの|非公認団体《ファンクラブ》の人数は多いですが……そういうところに惚れてファンになりました」
パウラ [隊商]
「ふぁんくらぶ」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「|狂信者の団《ファンクラブ》……」
パウラ [隊商]
「面妖な響きじゃ」
「知っておるか?若いの」メリックに
メリック・クライフォッシル [隊商]
「世俗に疎いものでな。生憎全く分からない」
エステル・サファイア [隊商]
「あー……そうですね、不謹慎かもしれませんが神に対しての信者に近いかもしれません」
パウラ [隊商]
「んふふ、なんじゃそれは」
「して、その教義は?」
「ふーむ、知らんか。造語かのう」これはメリックに
エステル・サファイア [隊商]
「教義というほど大仰なものではありませんが……」
「あえて言うなら、ドルネシアさんが楽しく踊れて、観客も楽しく見られること。それを邪魔しないこと」
「それが教義でしょうか」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「基本的には楽しむこと、と。確かに神のそれとは違うが……分かりやすいルールだな」
パウラ [隊商]
「教えが少ないのは良いことじゃ」
「決まりを増やす阿呆が少ないということだからの」
エステル・サファイア [隊商]
「まあ、"それだけ"を守れない人は、"対処"されますが……」(小声で)
パウラ [隊商]
(どこの共同体も苦労するんじゃな…)共感
メリック・クライフォッシル [隊商]
(晩飯の肉が少し多かったという理由でリンチされていたコボルドを思い出している)
「……そういえば。パウラは水を求めて来たのだったな」
「幸い先ほど水場から汲んできたばかりだ。飲むか?」
パウラ [隊商]
「おう、そうじゃった」よっこら、と立ち上がる
「有り難う」受け取る
メリック・クライフォッシル [隊商]
適当なコップに入れて渡した。多分共用の何か
パウラ [隊商]
両手で持って、軽く煽る
「どこも水は美味い」
「シュクシュンも、ほれ。行ってこい」
シュクシュン [隊商]
のっそり立ち上がって井戸に向かう
パウラ [隊商]
「あれは器用じゃから心配は要らぬ。勝手にするであろう」
エステル・サファイア [隊商]
「賢いですね」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「そうだな。大抵のラクーンは小器用だ。それゆえに害を為すこともあるが……」
パウラ [隊商]
「儂の連れ合いじゃ。阿呆では困る」
シュクシュン [隊商]
井戸から桶を引き出し、水を汲んでいる
エステル・サファイア [隊商]
「本当に器用ですね…」
シュクシュン [隊商]
桶に首を突っ込んでがぶがぶ飲んでいる
メリック・クライフォッシル [隊商]
「ラクーン……人里に害を為した個体を捕って食うことはままあるが」
「可食部が少ない」食べる側目線
シュクシュン [隊商]
隣の馬と桶を取り合っている
エステル・サファイア [隊商]
「……美味しいのでしょうか」
パウラ [隊商]
「食材としてはなかなかのう…」
「あえて獲りたいとは思わぬよ」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「その個体が食べているものによる……とは言うな。木の実を食っているようなものは美味い。脂が乗る時期なら尚更」
パウラ [隊商]
「毛皮のついで、というのが正しいじゃろうな」
シュクシュン [隊商]
馬と喧嘩を始めた
エステル・サファイア [隊商]
「……あの、喧嘩していませんか?」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「……水を汲める程賢いのだから譲り合えばいいだろうに……」
パウラ [隊商]
「まあ見ておれ」
シュクシュン [隊商]
すぐに負けてしょんぼり帰って来た…
パウラ [隊商]
「あれは怪我をするほど強くもない」
エステル・サファイア [隊商]
「ま、負けてる……」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「……まぁ、怪我をさせていないだけいいか」馬の怪我は致命的だぜ!
パウラ [隊商]
「馬に蹴られて転がることはあっても、馬を蹴る度胸はないわな」
「メリック、おぬしの口ぶりじゃが。元は猟師かの?」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「元は、というか。今も山で暮らしている。冒険者業は……まぁ、金を稼ぐための行いだ」
パウラ [隊商]
「そうかそうか」
「余り『臭み』がない故、良い猟師なのじゃろう」
エステル・サファイア [隊商]
「臭み、ですか?」
パウラ [隊商]
「うむ」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「ああ。そこは特に気を付けているさ」
パウラ [隊商]
「動物は敏いからの。目より、こう…耳と鼻がな」
「良い猟師は己の臭いを持たぬものじゃ」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「まぁ、それもあるが……人に与して人の生活圏に降りる者なのでな。エチケット、などと言うのだろう?その点でも気を付けている」
パウラ [隊商]
とぼとぼ帰って来たラクーンの鼻を撫でながら
パウラ [隊商]
「それじゃ」
「周りに目を配り、寄り添う。それができる者にこそ、父なる樹神も目をかけくださるというもの」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「|樹神《ダリオン》の使徒だったか。そこまで言われるとは光栄だな、ありがとう」
「あいにく……神の声も聞こえず、信奉する踊り子もいない身だが」
パウラ [隊商]
「耳を持たずともよい。拝む像もなくてよい」
「己の胸の内に外を見出すのが祈りの始まりである故…」
パウラ [隊商]
「若い狼よ、そのまま善く育てよ」騎乗する
「では、儂は行くとする」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「そうか、お気をつけて」
エステル・サファイア [隊商]
「お疲れ様です。パウラさん」
パウラ [隊商]
「今日はぬしらと話せてよかった」
「また風が我ら小さき木の葉を揺らし、再び撫で合う時があらんことを」
シュクシュン [隊商]
立ち上がり、のそのそと街道に向かって歩き出す
時折井戸と、その傍らで我が物顔で休む馬を名残惜し気に振り返りながら……
メリック・クライフォッシル [隊商]
「……それにしても、狼か」
どちらかと言うと竜なのだが……いや、角も翼も折られた今は竜とも名乗れないか?
エステル・サファイア [隊商]
「さて……そろそろ休憩も終わりですね……」
「今日は色々喋りかけて失礼しました。今度お会いした時はメリックさんのお話を聞かせてくださいね?」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「ああ。おれの愛の話は……少し恥ずかしいが。いつか話せるようにしよう」
エステル・サファイア [隊商]
(すっごい気になる)
エステル・サファイア [隊商]
「うおおおおおー! ドルネシアさーん! 早く終わらせてライブに行きますからねー!」(と叫びながら隊商に混じっていった)
メリック・クライフォッシル [隊商]
元気だな……と思いつつ目を閉じてそよ風に身を任せる
心地よい気温と空気にうつらうつらとし……うっかり眠りそうになる
トト・ピュセリア [隊商]
「────────。もし────もし」
そんなあなたへひっそりとかかる声がある。
メリック・クライフォッシル [隊商]
「…………くぁ」かなり寝かけていた
「失礼、何かご用だろうか」
トト・ピュセリア [隊商]
妙齢のエルフだった。美しい身なりをしているが、目はよほどの細目か伏せられているかのようになっていて瞳を確認することはできない。
「お休みのところ申し訳ありません。お聞きしたいことがございまして」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「ん……なんだろうか。答えられることならばお答えしよう」眉間を軽く抑えた後向き直る
トト・ピュセリア [隊商]
「今、この隊商は街道の中途にある村の付近に駐留しているとお聞きしました」
「その村へは、ここからどちらに進めば辿り着けるのでしょうか」
トト・ピュセリア [隊商]
────奇妙な質問だった。ここから見渡せば街道沿いにある村の家々が煙突を生やしているのが確認できる。
そう遠く離れていないところだ。ほんの少しの間、煙突を目印に歩くだけで辿り着けることだろう。なのにそのための道をエルフは訪ねていた。
メリック・クライフォッシル [隊商]
「ふむ」禅問答か、と悩む。おれはそういうのは得意ではないのだが……と考えるがどうにも違うな、と判断する
トト・ピュセリア [隊商]
メリックの気づきは正しい。今まさにこのエルフはメリックの方を見ているが、|ちゃんと《・・・・》見ていない。
だいたいメリックと視線を合わせるように顔を向けているが、眼差しが結び合っているというよりは『漠然と顔のあるあたりに視線を向けている』。そんな感じだった。
メリック・クライフォッシル [隊商]
「…………」魔力による知覚を持つ魔物のような……違う。それにしてははっきりとしていない。魔動機の持つ独自の知覚……違う。義体の噂は聞くがそれらしきものはない。どちらかと言うと、暗視を持たぬ者が夜闇の中でこちらを見ているような……
「……見えにくいたちか。近くか遠くかは分からんが……」
そしてメリックは正直に聞くタイプであった
トト・ピュセリア [隊商]
「はい。近くのものでしたら輪郭程度は朧気に分かりますが、少し遠くに離れますと………はっきりと像を結びません。お手数をおかけします」
そう言って申し訳なさそうにエルフは小さく一礼した。その間も瞼は伏しがちで瞳が顕になることはない。
メリック・クライフォッシル [隊商]
「ふむ」見たところ1人だ。道を示したところで途中で迷ってしまってはまた困って人に声をかけねばならないだろう
「方角はあちらだが……良ければ案内しよう。1人で向かうのも大変だろう?」
トト・ピュセリア [隊商]
「ああ……恐縮ですが、ご厚意に甘えさせていただきます。拙もその方が安心いたします」
申し出を受けて微笑んだ。精神性の顕れだろうか。風が吹けば一瞬でその場から消え去ってしまいそうな、どことない儚さを帯びている。
メリック・クライフォッシル [隊商]
だろうな、と思う。何せ今このエルフが話しかけているのは名誉人族の称号を得ているとはいえ蛮族だ。角は隠しているが、不審がられることもままあった。
メリック・クライフォッシル [隊商]
「では……どうするか。先導したら着いてこれるだろうか?」
立ち上がり、軽く埃を払う。背負った銃を改めて背負い直す。
トト・ピュセリア [隊商]
「はい。付近まで案内していただければ|なんとなく《・・・・・》分かります。よろしくお願いします」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「ああ。では案内……」しかしどうにも不安だ。蛮族領では|弱視《そういったもの》は真っ先に踏みにじられるから応対がちゃんとできるか怪しい。歩幅は?背中を向けているとしてきちんと見失わないよう気遣えるか?
トト・ピュセリア [隊商]
メリックの不安をよそに、彼の歩みにあわせてほたほたと淀みなくついてきた。少し歩調を速めても全く変わりない。機敏な身のこなし自体は実にエルフらしい。
ただの隊商の乗合客、としてもおかしくはない軽装ではあった。ただ、目立つところに聖印を帯びている。アルフレイム大陸では一般的ではなかったが、古代神のものではあった。
メリック・クライフォッシル [隊商]
知らない聖印。元より人族の神にはあまり詳しくない身だ。どこかの小神か、と判断し……立ち止まる。
トト・ピュセリア [隊商]
あわせて、止まった。周囲のものなら輪郭程度には分かる、というのは嘘ではないらしい。
メリック・クライフォッシル [隊商]
担いでいた長銃を下ろし、自分は銃身を掴んで銃床をトトの方に向けた。
メリック・クライフォッシル [隊商]
「掴んでいろ。それならばもう少し歩きやすいだろう」
トト・ピュセリア [隊商]
「………? ………ああ。お気遣いありがとうございます」
「けれども近くであれば明るいか明るいか、そこに何かがあってだいたいどんな形か、くらいまでなら分かるのです。ですので、お気持ちだけいただいておきます」
そう言いつつ、先導する人物の優しさが嬉しかったのか再びゆるく微笑む。
メリック・クライフォッシル [隊商]
表情はあまり見ていなかったが……その言葉を信じることにした。再び担ぐ……がすぐに下ろせるよう紐は緩めたままだ
メリック・クライフォッシル [隊商]
「必要ならばいつでも言え」それだけ言うと再び歩き始めた
トト・ピュセリア [隊商]
「はい。ありがとうございます」
メリックにあわせて再び歩き出す。やはり遅れたりはしない。視界の不自由さというものにかなり慣れのある仕草だった。あるいは、生まれつき。
トト・ピュセリア [隊商]
不意に、こんなことを言った。
トト・ピュセリア [隊商]
「────深く愛するお方がいらっしゃるのですね。片時も忘れず想うほどに」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「……………………」まさか初めて会う相手に看破されるとは思ってもいなかったが
メリック・クライフォッシル [隊商]
「──そうだ」即答した
「……本来手を引いてやったり、抱えてやったりするのが正道かもしれんが……おれはそれをできるほど器用ではない。すまないな」
トト・ピュセリア [隊商]
「分かります。このように目に不自由をしておりますと……視えないぶん、視えていては分からないことが分かったりもします」
「拙に対する接し方、お気遣いの仕方、言葉の選び方。御身がとてもお優しいお方とお察しします」
「一方で、それらの中には拙とは違う人物に依る遠慮がある。……そうしたことがつぶさに感じ取れました」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「ほう……」なんなら自分よりも自分のことを言い当てていそうだ。目では見えないものが視える、とは事実らしい
メリック・クライフォッシル [隊商]
「見事だな。著名な賢者だったか……折れた剣まで見透かされたら困ってしまうが」歩みながら言葉を続ける
トト・ピュセリア [隊商]
「拙の奉ずる女神エルピュセ様のご加護でありましょう」
「エルピュセ様は糸紡ぎと運命の女神でいらっしゃいますから。……アルフレイム大陸では信奉者の数は多くはありませんが」
トト・ピュセリア [隊商]
ませんが」
「しかし、折れた剣とは………。…………ああ。それで腑に落ちました」
隣を行くエルフが何かに合点がいったように頷いた。
メリック・クライフォッシル [隊商]
「ふむ。何か視えていたか」変わらず歩いている
トト・ピュセリア [隊商]
「はい。愛するお方がいらっしゃるのでは、という拙の問いかけに力強くお返事くださいましたが……その速やかさに籠る熱を聞き取り、少々違和感を感じておりました」
「御身は愛するお方を愛しているという気持ちに一切の偽りはない、真実の愛に生きるお方でありましょう」
トト・ピュセリア [隊商]
「それは大変によく伝わってきました。女神エルピュセに仕えし者として、御身の運命に祝福を」 
メリック・クライフォッシル [隊商]
「……そうか。そこまで言われると照れるものだが」村の近くに辿り着き、建物を見上げる
「祝福に感謝しよう、紡糸と運命に仕える方。おれには、信ずる神はいないが……ルミエルの加護があらんことを」
トト・ピュセリア [隊商]
「感謝します。……しかし」
互いに加護を伝え合う冒険者の儀式に微笑みながら、一瞬その表情を真剣なものとする。
トト・ピュセリア [隊商]
「………失礼ながら、何かに惑っておいでなのか、と。かの即答は拙にはそう聞き取れました。愛するお方との差異、免れ得ぬものに対して………」
「それで、折れた剣と聞き………納得した次第です」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「そうか」そこまで理解しているならば詳しく言えることもないだろう
「……惑うさ。生まれながらに持っている魂も、永さも、宿業も……何もかも違う。この世界にたった1人の愛する者が相手ならば尚更」
トト・ピュセリア [隊商]
目の前の男が剣が折れているとはいえ恐るべき蛮族と知りながら、エルフには一切怯えた様子はなかった。それについて怯えるべき生き方をしてこなかったからか。
トト・ピュセリア [隊商]
「────ここでこうしてほんの僅かな道程の導きをしてくださったことも、きっとエルピュセ様のお導きでございましょう」
「ですが拙は運命の女神の神官にして、一介の占者。とてもそのような業へ端的な解を示せるほど大した者では────────ぁ」
喋っていたエルフがふと口ごもった。ぼんやりと黙り込み、ここではないどこかを視るように閉じられた瞼の下の眼差しを宙空へと向けている。
メリック・クライフォッシル [隊商]
なんだ、とは問わない。神官にして占者であれば、何かを視ることもあるだろう。まして、今までの彼女の態度であれば尚更。
トト・ピュセリア [隊商]
「────もし」
「もし、運命の底に突き当たったと絶望の中でお思いになることがあったならば、北をお目指しください」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「北か」地図を思い浮かべる。地方としてはドーデン……以外にもウルシラやザムサスカのある方角だが……
トト・ピュセリア [隊商]
「────言った手前でなんですが、お真面目にお取り合いくださるのですね」
北か、という呟きの真剣さを感じ取ったのか、コクリと小首をかしげながらエルフが尋ねた。
メリック・クライフォッシル [隊商]
「免れ得ぬものに対して少しでも手がかりが欲しい身でな。幸い時間はあるし頑健な肉体もある。覚えておいて損はないだろうさ」
メリック・クライフォッシル [隊商]
ただ、と区切る
メリック・クライフォッシル [隊商]
「運命の底で絶望、まで行くことはないかもしれんな。あの人が隣にいる限り……きっとおれは絶望しない」
トト・ピュセリア [隊商]
「────………………」
トト・ピュセリア [隊商]
「………………────」
微笑んだ。それはこれまでのどことない儚さを帯びたものとは僅かに毛色が異なり、エルフの本心からの喜びが滲んでいる。
トト・ピュセリア [隊商]
「────いいですね。御身が斯様な運命に直面したとして、それを御身が想いの力で乗り越えられることを……エルピュセ様ではなく、拙自身からお祈りいたします」
「トト・ピュセリアと申します。ご案内くださりありがとうございました」
メリック・クライフォッシル [隊商]
「メリックだ。姓は……まだ、名乗れん。お気をつけて」
「運命の糸が触れ合う時があったら……また会おう」
トト・ピュセリア [隊商]
「ありがとうございます。拙の目的地はこちらの村ですから、ここでお別れですね」
「またお会いしましょう、メリック様。どうかその道行きにエルピュセ様のお導きの明かりがあらんことを」
ぺこり、とお辞儀をし、トトと名乗るエルフは村の方へと歩んでいった。
メリック・クライフォッシル [隊商]
フードを目深に被りながらも会釈をし、その後ろ姿に不安がないことを確かめ……メリックも隊商に戻るため歩き始めた