ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
……大浴場、サウナルーム。知る人ぞ知る、個室浴場程度の広さの部屋。そこに……
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
犬猿のバジリスクが2人。汗を流しながら座っていた。
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「……………………」無言で目も向けずベンジャミンを視ている。博愛の傾向がある彼女にしては珍しい表情と態度
ベンジャミン [浴場2]
「…………」真顔でゼーニャとは別な方向を向いたままじっと座っているが、時折視線がゼーニャの方を向くのはやはり意識はしてしまうようで
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「……別に。見たければ見ればぁ?」普段の快活さはどこへやら。サウナ室も冷え込みそうな声色で視線を指摘する
ベンジャミン [浴場2]
「…そういう意味で見てるわけじゃないですよ」ふぅ、と不本意そうにため息をつき
「これについてはあなたに責任ある話じゃないですけど」
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「そぉ?思春期なんだし、そうかと思ったけど」軽く髪を上げ、まとめる。
「人族の身体だけ好き、なら楽だったのにねぇ?」お互いに、と付け加える
ベンジャミン [浴場2]
「…まあ、色々ありますからね」含みを持たせているが、この前言い争った時のような敵愾心のような感じはあまりなく
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「……んー……」思案。元気ないな、と思うが……単純に近くに人族がいないからだろうか。あるいは……
ベンジャミン [浴場2]
「……軍属、でしたよね」ふと、ぽつりと尋ねてくる
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「うん。そうだけど……何?誰か入隊希望者でも出た?」
ベンジャミン [浴場2]
「いえ……」
「……軍だと、バジリスクを警戒する人族も多いし…なんなら、面を向かって剣を向けてくる人族も居る思うんですけど」
「そういう時、どうしてるのかな、と」
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「ん?んー?んー……?」質問されたときに先にその意図や裏を探る、|バジリスク《狡猾な種族》の悪い癖に辟易しつつ
「んー……多分だけどさぁ、実績で黙らせる……以外の方法だよね?」
「だってアンタ、実績ならいくらでも作ってるし作れるだろうし?」
ベンジャミン [浴場2]
「……まあ、そうですね」
「……」少し悩んだ後に、口を開く
「…………人族がどれだけ僕の事を嫌っても、怖がっているだけで、可愛いものだと考えて、優しく対応していましたね」
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「うん。怖がられることはある……うん?」
「……超上から目線じゃない?やなガキ~……」
ベンジャミン [浴場2]
「…………まあ、そうですね」いつもと違い、言い換えしてこない
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「んんん~……?」やっぱ元気ないなコイツ、という顔
「それで……どうするか、だっけ」
ベンジャミン [浴場2]
「…そうですね、貴方もそれだけの実績ある以上、そういう事も多いでしょうし…」
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「とはいえなぁ……アーシも実績で黙らせてきたところはあるし~……」
脚を組み直し、考える
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「……まずは話しかけて、馴染んでみたり?一緒にご飯食べたりー、家族の話聞いたり。直接警戒心をぶつけてくるなら、意識的に別の部隊になるよう上司と交渉したり、剣を向けられても対話したり……」
「……それって神官のお仕事じゃない?」
ベンジャミン [浴場2]
「……そうですねえ…」思案に耽る
やっている事としては実際そんなには変わらない…その上で、違いがあるとすると
ベンジャミン [浴場2]
「……そういう相手の事、どう思いますか?意地でも自分の事を認めようとしない相手を」
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「んー……」約70年の軍属人生を想起する
「まぁ……寂しいよね。もっと上手くお話しできたら仲良くなれたかなーとか、アーシがバジリスクじゃなかったらなー……とか」
「アンタはそういうの思ったことないの?」
ベンジャミン [浴場2]
「……気にしない、か弱い人族が自分たちを排斥しようとするのはかわいい自己防衛だから、優しくしてあげなきゃ、そういうつもりで接してました」
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「確かに人族はか弱いよねぇ……」手で触れた幾人かを思い出す。触れ合った者が翌日無事とは限らない……生命力が違いすぎる。
「血は毒じゃないし、100年ぽっちで死んじゃうし、場合によってはその前に死ぬ子がほとんど。巨大な体躯になって傷を癒やすこともできないし、死の恐怖で働けなくなる子もいる」
ベンジャミン [浴場2]
「……ですね」怪我は治せる、病気も今ならどうにかできるし欠損も、何なら事故死なら防げるけど…寿命はどうにもならないし、蘇生も遅れたら死ぬ
「…だから、怖がっているなら仕方ない優しく、無理なようなら距離は置いてあげよう、と考えていました」
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「それもまぁ……正しい社交の方法だよね。仲良くなれないなら距離を置く……人族同士でもやることだし」
「でも……アンタは目線が|怪物《バジリスク》すぎるね?」
ベンジャミン [浴場2]
「…………」小さく息を呑む
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「|人族領《こっち》に来てその1人として生きるって決めたなら……同じ1つの魂同士じゃん?血が毒であろうと、ちょっと人の5倍の寿命があろうと、巨大な怪物になろうと、穢れで戦いの恐怖を感じにくくとも……」
「人族と蛮族だけど、魂と魂には変わりないっしょ。それを与えるとか、もらうとかじゃなくて……交換しあう、ってのが人族の流儀なんじゃない?」
ベンジャミン [浴場2]
「…………」じっと俯いて、考え込む
その態度で、沈んでいた理由も察せただろう
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「……なぁに、誰かに鼻っ柱折られちゃったぁ~?慰めてあげよっかぁ~?」察したので煽り始めた。ちろちろ、と舌が覗く
ベンジャミン [浴場2]
「……そこまで察するなら──」そこまで言って口をつぐむ
優しくしろ、と言うのもこの同族相手には憚られる、別に嫌いというほどではないけど
ベンジャミン [浴場2]
「……申し訳ないですが|同族《バジリスク》はちょっと」
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「ま、だよねぇ。アンタは人族大好きだしぃ」
ベンジャミン [浴場2]
「…とはいえ、ちょっと整理が付いたことは事実なので、お礼だけは言います」
「ありがとうございます」
悩みがすっかり晴れた、という様子ではないが、問題点は理解できて…
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
お礼の言葉に意外そうな顔を見せる。予想していなかったようだ。
ベンジャミン [浴場2]
「……別に、お礼位普通に言いますよ」
「普段からシーン様の教えだってちゃんと守っていますからね」
少し不満げに、あんまり見せない年相応の顔だ
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「……ん、ふ、ふ。ま、そっか。最高神官サマだもんね~?いやー、いい顔見れた!気分いい~♡」
ベンジャミン [浴場2]
「……………」相談したのが間違いだっただろうか、と、そんな事も思いつつ、今日は完全に言い返せずにそっぽを向く
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「身体、頑張ってちっちゃくしてるみたいだしさー。同じように人族にも目線合わせなよ、最高神官サマ♡思春期らしい顔カワイかったぞ~♡」
からかうように笑いながら立ち上がり、出入り口へ向かう
ベンジャミン [浴場2]
「…………」気まずそうに手で顔を隠しながら、その姿を見送る
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
ふ、と出る直前で立ち止まる
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「……ま、アーシは見た目が嫌いじゃなかったら誰でもいいしぃ?本当に|慰めて《・・・》欲しかったら相手したげる♡」
ベンジャミン [浴場2]
「………………」
暫くの沈黙の跡、ふと幾らか前の事なども思い出して
ベンジャミン [浴場2]
「……寝るのはまあ無いですけど、こういう風に、たまに話す位なら」
ぼそりとつぶやくように
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
その言葉を聞いてにこり、と笑ったのち、隠れている方の目でウィンクをして……
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
「じゃ、もしまた困ったら、ね♡人の世で暮らす|怪物《バケモノ》の先輩として、相談に乗ったげる♡」
ゼーニャ・レグリーナ [浴場2]
今度こそ、笑いながら去って行った。無論全天の邪視でベンジャミンの表情は覗いたまま……
ベンジャミン [浴場2]
「…………はぁ」
ベンジャミン [浴場2]
すっかり弱みを握られてしまったのと、相談できる相手がちゃんと出来た事による安堵と、複数の感情が入り混じったため息をついて、時間を置いてから出ていくのでした