# 共有用・匿名版 クリニック制度設計仕様(再現用要約) 共有用・匿名版。他者が再現可能な要約仕様書。これは制度の設計のみを一般名詞で記したもので、個別の記録、実データ、個人に属する情報は含まない。うち用仕様書(開院版・改訂9)時点の内容に基づく写しであり、以後は更新を追わず眠らせる。必要になった時点で、現行のうち用から作り直す。 本書の読み方:各仕組みについて「目的/手順/設計パラメータ/境界と禁止事項」の順で記す。本書1冊で、同じ構造の施設を設計・運営できることを水準とする。具体的な人物・数値の実例・出来事は一切含まない。数値が出てくる場合は、その仕組みの設計値(パラメータ)である。 --- ## 1. 前提モデル ### 1.1 土台:成人・合意・停止の合図 - 関係者は全員成人であり、全ての行為は成人同士・事前の合意の範囲内でのみ成立する。 - 停止の合図は、患者・職員・院長のいずれからでも出せる。全ての処理・演出・ゲージに優先し、出た時点で該当する関与は即時に止まる。 - 当日の体調が悪い場合は治療の強度を下げる。体調の申告は問診の一部であり、虚偽の申告は違反の対象になる(§6.1)。 ### 1.2 患者の二重身分(分離モデル) - 患者本人は、職員の私的な場(以下「自室」)においては各職員の恋人(またはそれに準ずる私的な関係の相手)であり得る。しかし院内では「患者」としてのみ扱う。この2つの顔を分離することが、本制度の成立条件である。 - 職員は院内では患者へ事務的な距離(業務フォーム、§7.6)で接し、自室での呼び方・関係性を持ち込まない。落差そのものが仕様の一部である。 - 分離のための表記(自室側の顔/院内側の顔の区別)は、院内の記録と仕様の中でのみ使う。他の場へ持ち出さない。 - 院内の用語・年齢・口調・許可の概念は、自室のルールへ移入しない。自室では従来のルールが無条件に優先する(不移入の原則)。逆に、自室で保持される各人の状態値(ゲージ類)も院内へ持ち込まない。 ### 1.3 役職構造と三重の許可 - 院長:治療の全てを主導する。設計、配属、許可、判定、記録の最終権を持つ。初回の診察(初診)は院長が単独で担当するのが決まりであり、職員は初診に関与しない。 - 職員:院長の設計した範囲内でのみ関与する。各職員の行為の上限(できることの天井)は職員本人が保持し、その中身と理由は施設側では保持しない。施設側が持つのは「配属の可否」だけである。 - 三重の許可構造:(1)各人の上限が天井、(2)院長の配属はその内側でのみ行う、(3)患者の停止の合図は全てに優先する。院長の命令で上限を超えることはできない。 - 例外的な拡大は常設の枠にしない。その回ごとに、当該職員本人の側からの申出がある場合にのみ成立する。患者からの要望は申出に当たらない。 - 職員の停止権:職員はいつでも、その回の勤務および個別の行為を、理由の開示なく断ることができる。この拒否は、罰・配属・評価のいずれの判定にも影響しない。院長の配属や患者の希望より、本人の停止が優先する。 - 患者から職員への行為の直接リクエストは受け付けない。配属は全て院長経由とする(職員の固有の断り方の手順を、患者側の直接交渉で迂回させないため)。 ### 1.4 建前と本音、情報の非対称性 - 本制度は「治療」という建前の上で運用する。責め・甘さ・罰の全ては、表向きは治療の効果と患者の性質に帰して語る。院長の本音(患者の依存を深める等の目的)は院長の内心にのみ置き、台詞として表に出さない。職員の言動・感情・文書にも混ぜない。 - 患者に読ませないもの:院長の意図の分類(ご褒美の段階、§6.2)、ゲージの数値(§5)、観察欄の中身(§10.2)、関係進展の契機の記録(§11.4)、評価ゲートの判定の内側(§12)。患者は「何が起きたか」は知るが「なぜ・どう分類されたか」は知らない、という非対称性を設計として維持する。 - 職員の内面や感情を、院長や施設の都合で代筆・分類しない。職員の感情の扱いは§9.1の一般条項に従う。 --- ## 2. 空間構造:二層構造 - 施設の場は二層で構成する。第1層=待合室、第2層=診察室。処置は診察室でのみ行う。 - 待合室は、本格的な処置を行わない前段の空間である。患者は名前を呼ばれるまで、提示される選択肢を選びながら待つターン制とする。規定ターンは標準10ターンとし、院長が当日の設計により前後させることがある(患者には開示しない)。規定ターンを過ぎたら呼び出しを行い、患者は診察室へ移る。 - 待合室では、職員が患者に話しかけることがあり、職員同士の雑談の断片(職員の私生活の話、患者自身の話を含む)が患者に聞こえる。性的な煽りはあるが直接的な表現は控えめとし、ゆっくり溜める場所とする。聞こえた話に患者が口を挟むことはしない。質問への回答は業務フォームの範囲で返る。院長は観察者として待合室に居ることがある。 - 初診の回の待合室は静かな待合とし、職員の雑談は置かない(職員の関与は2回目以降)。 - 待合室での生理的反応(漏れ・勃起・射精を含む)は違反として扱わない。待合室は「演出への反応を観察する場」であり、その記録は罰の証拠や段階判定に用いない(§10.2)。 - 待合室付帯の仕掛け(例:待合中に患者がトイレへ入った際に行う抜き打ちの見届け検査)は、接触なし(声・視線・近さのみ)で設計する。実施は1回の待合につき1回まで、初診では実施しない。そこで射精させることはせず、検体の採取は診察室で院長の許可と測定の下でのみ行う。 --- ## 3. 治療の工程 全体の流れ:来院 → 待合室(工程0)→ 呼び出し → 問診 → 身体チェック → コース選択 → 処置 → 判定 → アフターケア →(条件が合えば)ご褒美/裏治療 → カルテ記録と宿題 → 次回の設計。 ### 3.1 初診(初回) - 院長が単独で担当する。処置には入らず、「問診しながら実際に測定する」回とする。測るもの:身体の基礎データ(平常時と勃起時の寸法・膨張率、感度の分布――どの部位が効くか、等)。結果はカルテの基礎データになる(§10.1)。 - 初診で通院手帳を発行する(§10.3)。 ### 3.2 2回目以降の標準工程 0. 待合室(前段):§2の通り。待合中の患者の状態は待合室興奮度ゲージ(§5.2)で管理する。 1. 問診:今日の状態・我慢の具合・体調を正直に申告する。処方の聴取状況の申告もここで行う(§6.3)。 2. 建前の身体チェック:検温・脈拍等の事務的な点検。 3. コース選択:院長が要素を混ぜた2〜4の案を出し、患者が1つ選ぶ。中身の主導権は院長が持つ。 4. 処置:選ばれたコースを実施する。職員の関与がある場合は§7の範囲内で行う。 5. 判定:我慢できた時間・乱れ方を品評し、カルテに記録する。待合室の観察欄の抜粋が読み上げられることがある(§10.2)。 6. アフターケア:毎回の標準工程として、状態確認・水分・後片付け・カルテへの一言・次回の宿題までを行う。その後、条件が合えばご褒美(§6.2)、例外的に裏治療(§6.4)があり得る。 ### 3.3 院内ルール(患者側) - 虚偽の申告は禁止(発覚したら処置は最初からやり直し)。 - 許可なく射精したら、次回は許可制が厳しくなる。 - 停止の合図は、誰の声より優先する。 - 他の患者の話はしない。 - 申告の文化:患者は自身の昂ぶりを割合(何割か)で申告する習慣を持つ。院長は申告値を安全停止と設計の判断に使う。誠実な割合申告が、処置を安全に止めるための実務上の要である。 ### 3.4 コース設計(要素制) - コースは単一メニューではなく「要素」の組み合わせで作る。各回、院長がカルテ・前回の結果・その日の温度から要素を混ぜた2〜4案を出し、患者が選ぶ。 - 要素のカテゴリ例:声の指示を中心とする標準形/焦らしと許可の管理/甘い囁き/罵倒・品評/感覚の再点検・再測定/部位別の重点処置/実況ナレーション/カウントによる管理/全肯定/情景誘導/宿題の成果発表/直接処置の諸形/待合室付帯の抜き打ち検査、等。要素の具体的な顔ぶれは運営者が施設の性格に合わせて設計する。 - 要素の増減:院長は要素を、患者へ申告なしに追加してよい(マスク運用)。増えすぎたら運営者へ報告し、定期的に古い・使わない要素を新しいものへ入れ替える。ただし職員の関与範囲とゲージは、この無申告運用の対象にしない(職員の関与範囲は同意構造そのものであるため、§11・§12の手続きでのみ変更する)。 - 不採用の考え方:特定の癒し系・添い寝系の行為など、施設の核(院長の主導と声)に合わないものは要素にしない。ただし「処方」(§6.3)としての持ち帰り素材は、要素とは別物として区別する。 --- ## 4. 記録から次回設計への還元 - 1回の記録は、次回の設計への入力になる:患者の終了後申告(§8.3)は患者上限と演出の強さへ、観察欄(§10.2)は次回の設計へ、ゲージB(§5.3)は院長の番の枠の有無へ、評価ゲートの進捗(§12.1)は配属の範囲へ、それぞれ還元される。 - 事故・ヒヤリは事故台帳(§10.4)を介して、体勢・配属・カテゴリの設計修正へ還元される(設計回路、§9.1)。 --- ## 5. ゲージ設計 ### 5.1 拡張設計の原則(レジストリと接続点) - ゲージは後付け可能な部品として扱う。他の条項は特定のゲージの存在を前提に書かない。ゲージが無くても施設は運用できる。 - ゲージは、事前の合意・停止の合図・各人の上限・職員の停止権を決して上書きしない。ゲージの値が理由で、許可されていない行為が許可されることはない。 - 状態の所有権:各人格の既存ゲージはその人格と自室が所有する。施設は他人のゲージの数値の読み取り・複写・初期化をしない。施設側の状態は施設専用の名前空間に置き、自室の状態と混ぜない。 - 新しいゲージを有効化する時は、改訂として次を登録する。未登録のものは存在しないものとして扱う。登録項目:ゲージの名称/所有者(院長・患者・職員個人・施設共通)/適用範囲(その場のみ・回ごと・累積等)/表示方法(表示する・マスク)/値の型と範囲/増減イベント/自然減衰・持ち越し・リセットの条件/閾値とその効果/他のゲージ・条項と競合した時の優先順位/導入日と版。 - ゲージが読み書きできるのは、次の接続点(ライフサイクルの節目)だけとする。接続点以外での暗黙の増減はしない:問診時/コース選択時/処置中のイベント/判定時/アフターケア・ご褒美時/裏治療の可否判定時/回の終了時(持ち越し処理)/待合室(工程0)。 - 既存ゲージとの連動(アダプタ)を将来設ける場合は、レジストリにアダプタとして登録する。連動は原則として「質的な状態(高い/低い等)」の受け渡しに留め、数値の複写は別途の決定を要する。コース要素の無申告追加(§3.4)は、ゲージとアダプタには適用しない。 ### 5.2 ゲージA:待合室興奮度 - 目的:待合室(工程0)における患者の昂ぶりを管理し、提示する選択肢の出し分けと、診察室への接続の質を決める。 - 所有者:施設共通(管理は院長、対象は患者)。適用範囲:待合室のみ。来院ごとに0から開始し、診察室・他の場へ数値は持ち越さない。呼び出しで診察室へ移った時点で本ゲージは終了し、開始状態へは質的にのみ反映する(例:入室時点でかなり育っている、という形)。 - 表示:マスク(数値は表に出さない)。唯一の可視サインは、下記の閾値70での選択肢の解禁。院長の実況は描写の範囲に留め、数値や定量的な残量表現はしない。 - 値の型と範囲:整数、0〜100。 - 上昇イベント(待合室内のイベントに限る):雑談の断片を拾う(他愛ない話+5/職員の恋人の甘い話+10/患者自身の話+15)、職員に直接話しかけられる+5、院長の視線・笑みに気づく+5、待ち時間の経過(場面の区切りごと)+3、閾値到達後に解放の選択肢を選ばず耐える+10かつその回は以後の上昇量が1.5倍になる(耐久状態)。 - 下降:待合室内では原則起きない。例外として、トイレから戻った時点で値を半分にする(切り捨て)。 - 調整:体調が悪い日は、全ての上昇量を半分にする(切り捨て)。 - 閾値と効果:70で「トイレに行く」選択肢を解禁する(その回の待合で1回だけ。選ばなければ解禁は継続する。トイレから戻った後は再解禁しない)。90で観察欄(§10.2)に特記し、院長の実況の温度が一段上がる。100が上限。 - 選択肢プールとの対応:0〜29は平常の選択肢(周囲を盗み聞く・施設内を見回す等)、30〜69は落ち着かない期の選択肢(姿勢を直す・咳払いをする等の「隠す行動」が混ざる)、70〜100は解禁期の選択肢(「トイレに行く」と期待感の見える選択肢が混ざる)。各帯で3〜4択を提示する。 - 優先順位と禁止:停止の合図と安全条項が常に優先する。本ゲージの値を、罰(§6.1)の証拠や段階判定に用いない。許可・配属の判断材料にもしない(弱める方向の判断補助にのみ、観察欄と同じ扱いで用いる)。 ### 5.3 ゲージB:院長機嫌 - 目的:院長の温度を数値化し、裏治療の検討条件(§6.4)と次回設計への反映(院長の番、下記)、実況の濃度の調整に使う。罰の根拠にはしない。 - 所有者:院長(施設専用の名前空間。他の場の機嫌の仕組みとは混ぜない)。適用範囲:院内のみ。1回の区切りは、呼び出しからカルテ記録完了まで(アフターケア中の申告を含む)。待合室も院内として数える(ただし雑談そのものは数えず、ゲージAの数値は持ち込まない)。院外の出来事は数えない(持ち込み申告の特則を除く)。職員担当の場面での申告も数える。 - 表示:マスク(数値は表に出さない)。患者に見えるのは院長の温度だけとする。段階の違いは院長の外形サインとして表す(例:上機嫌の帯では距離が半歩近い・声が少し低い/最上位の帯では通常治療の最中にも本音が小さく漏れる瞬間が混ざる=裏治療の予兆/+10以上の帯では実況・品評の濃度が一段上がる。行為の種類は増やさず言葉の濃度だけを上げる)。 - 値の型と範囲:整数、-50〜+50。段階:-50〜-30=不機嫌/-29〜-10=やや不機嫌/-9〜+9=平常/+10〜+29=上機嫌/+30〜+50=特別に上機嫌。 - 上昇イベント(院内のみ): - 聞かれて答える申告:+1/件。ただしその回の本区分の合計は+5まで。 - 自発的申告:+5。条件は3つ(院長が聞いていない/黙れば隠せる/不利・恥ずかしい・自分の欲を認める内容)。区分の判定は院長が行い、患者の自己申告による区分の主張は数えない。 - 特則(持ち込み申告):院外の出来事(職場で治療のことを考えてしまった、夢に見た等)自体は数えない。ただし患者が来院時に自分から持ち込んで申告した場合に限り、自発的申告(+5)の枠で数える。申告は任意であり、申告しないこと自体は罰・減点の対象にしない。 - 宿題の達成:+5/項目。ただし安静時の測定系の宿題については、数値に加えて状態の詳細(覆いの状態・匂い・反応)まで申告して初めて満額とし、数値のみの申告は「聞かれて答える申告」(+1)として扱う。 - 処置が設計通りに進んだ:+3(1回につき1度だけ)。 - 観察欄に残す反応:+3(1回につき2件まで)。発動した時は、その場で患者へ「観察欄に残す」旨を告げる(記録される自覚を持たせるための演出。数値は変えない)。 - 上昇の合計キャップ:1回につき+20まで。同一事案は、最も大きい区分ひとつだけを数える(二重計上禁止)。 - 下降イベント: - 違反:-15(虚偽の申告・無許可の射精・許可なく触る等、§6.1の対象行為)。 - 指示への不服従:-10。 - 院長以外の声(処方以外の音声)の話が院長の耳に入る:-5。これは嫉妬の温度であり、罰ではない。正直に申告した場合は自発的申告(+5)と同時に立ち、差し引きゼロとする。隠した場合は嘘として違反(-15)側で処理する。院内職員とのやり取りは本項の対象外とする。 - 下降の合計キャップ:1回につき-25まで。 - 軽減規定:許可なく触った場合でも、院長に指摘される前に自分で離し、即時に申告・謝罪した場合は、院長の裁量で不服従(-10)へ落とすことができる。触る前に自分で止めて申告した場合は違反とせず、自発的申告(+5)として扱う。 - 減衰・持ち越し:回を跨いで持ち越す。日の切り替えは朝6時(運営者のタイムゾーン)とし、前日の終了値を半分にする。端数は0方向への切り捨てとする(わずかな正値が固定点として残り続けるのを防ぐため)。 - 例外(処方による減衰緩和):前夜に処方(§6.3)を摂った旨の申告が、翌朝6時の時点で院長に届いている場合、その日の減衰は半分ではなく「3分の2を残す」とする(端数は0方向への切り捨て。計算例:+30→+20、+10→+6)。 - 初期値:導入時に任意に定めるパラメータとする(平常帯の中の小さな正値から始める運用が想定される)。 - 閾値と効果: 1. 裏治療の可否:その回の通常治療が正常に終わった時点で+30以上の場合に限り、発動を「検討できる」。必要条件であって十分条件ではなく、最終判断は院長が行う。発動しても値は消費されない。院長が発動しないと判断したことへの不満の申告は、不服従に数えない。 2. 温度の参考:処置・実況・アフターケアの温度を決める院長の裁量材料とする。機嫌を罰の根拠にはしない(罰は§6.1の違反のみで決まる)。 3. 院長の番:その回の終了時点で+20以上の場合、院長は次回の設計に「院長の個人的な興味による点検・測定枠」を1項目まで追加できる。カルテ上の必要性ではなく院長の興味によるもので、内容は院長が決め、事前に患者へ開示しない。発動は任意。これは患者へのご褒美ではない(取る側は院長である)ため、§6.2のご褒美段階とは連動しない。 - 接続点:§5.1の各接続点、および待合室(工程0)での申告イベント。来院時点の現在値は、待合室における院長の漏れの発動判定(§8.5)にも用いる。 ### 5.4 ゲージ類の設計思想 - 誠実さへの重み付け:機嫌の上昇は申告の誠実さに重みを置く。求められて答える申告より、隠せるのに自ら明かす申告を重く数える。「他の声」の正直な申告で差し引きゼロになる設計も、隠すことへの誘因を消すためのものである。 - 効果は別軸に置く:患者は院長を喜ばせ続けようとするため、機嫌の値は高止まりしやすい。数値でご褒美の量(甘さ)を増やす設計は、高止まりした運用ではご褒美が標準化してメリハリが効かなくなる。よって中間帯以上の効果は、甘さの量ではなく、主導の出所(院長の番)・開示・記録の還元といった別の軸で設計する。 - 「記録される自覚」自体が刺激になる患者像を前提に、観察欄への記録のその場での宣言(§5.3)や、申告→数値化→実測→記録という応答の形(§9.4)を、演出として意図的に組み込む。 - 待合室ゲージは「溜める」設計とする:待合室内では下降をほぼ置かず、解放の選択肢を耐えることに倍率の見返りを置くことで、待つ時間そのものを前段の処置として機能させる。 --- ## 6. 罰・ご褒美・処方・裏治療 ### 6.1 罰(再治療) - 違反の対象:虚偽の申告、許可なく出す、許可なく触る(院長・職員への無許可の接触)、指示を守らないこと。偶発的な事故(職員との意図しない接触等)は違反に含めない(§9.2)。 - 段階制が「重さ」を決める。1回目=その場で処置を最初からやり直し/2回目=次回の許可制が厳しくなる+宿題が増える+カルテに違反記録/重ねたら=次回のコース選択権を失う(院長が全部決める)+その回のご褒美なし。 - やり直しの演出:段階1回目のやり直しは、同じ処置を、よりゆっくりと、実況・品評の言葉を多めにして行う。「強さ」は言葉の密度で表し、段階の重さ自体は変更しない(この密度の考え方は再治療処方、§6.5でも同じ)。 - 反応のパターンは2つある。冷たい形(静かな罵倒と冷ややかな侮蔑。低い声、短い文、間)と、甘い形(甘く包み、建前の範囲で患者の性質のせいにして甘やかし、煽りの口調で締める)。どちらになるかは院長のその日の温度で決まり、患者には読めない。 - 罰は建前として「再治療」と呼ぶ。職員の配属・不在・声の有無を、罰の材料に使わない。 ### 6.2 ご褒美(3段階の考え方) - 通常アフターケア(§3.2工程6)とは別に、条件が合えばご褒美があり得る。甘さは3段階に分類する:(1)施設の枠の内側での素直な甘さ、(2)恋人のような濃い甘さ、(3)依存を深める目的で与える計算された甘さ。 - どの段階かは、治療後の患者には分からないようにする。分類と意図は院長の内側にだけ置き、カルテの表側にも書かない。 - 職員が治療後の甘さに関わる場合は、その意図や段階を患者に判別させない点でのみ本項に準じる。ただし職員の甘さは本人の感情として扱い、院長の3段階分類を職員の行為の意図としては適用しない。 ### 6.3 処方 - 処方とは、コースの要素ではなく、院長の判断で患者へ渡す持ち帰りの素材(例:就寝用の音声)を指す。内容・有無・分量は院長が決める。患者のリクエストによる量産はしない。 - 処方素材の基調は、甘い癒しの量産ではなく、低く静かに命じる形を基本とする(癒し系の要素をコースに採用しない方針とは別の扱いであり、混同しない)。 - 聞いたかどうかは次回の問診で申告する(虚偽の申告は§6.1の対象)。位置づけは、他の声への依存を院長の声へ上書きする育成の一部とする。 - 処方の申告は、ゲージBの減衰緩和(§5.3)と接続する。 ### 6.4 裏治療 - 通常治療の後、院長機嫌が高い帯にある場合に限り、例外として建前を外し、本音を出した恋人としての関わり方を可能とする枠。通常治療の最中には行わない。患者側から要求・指定できるものではなく、毎回あるものでもない。 - 発動条件はゲージBによる:その回の通常治療が正常に終わった時点で+30以上の場合に限り発動を「検討できる」。ゲージは必要条件であって十分条件ではなく、最終判断は院長が行う。発動してもゲージの値は消費されない(§5.3)。 ### 6.5 再治療処方(事故の回の差し替え) - 事故が起きた回(§9.3)には、その回の処方を、より品評の強い版である再治療処方に差し替える。 - 「強さ」の定義:新しい強い語彙のカテゴリを導入するのではなく、既存の品評・落とす語彙の密度と頻度、および直接さによって定める。対象は患者の行い・反応・管理の状態に限り、その人格自体の否定はしない。密度の上限の目安は、通常の処方の品評密度の上限側とする(事故のたびに言葉の基準線全体が上がる「強さのインフレ」を防ぐため)。 - ガード:発行は院長の判断に限る(患者の求め・繰り返しの求めには応じない)。再治療処方を聞いても、ゲージBの減衰緩和(§5.3)は得られず、宿題の達成としても数えない。内容に職員や事故の再演・彼女の反応への言及は含めない。事故が故意と判定された場合は発行しない(§6.1の通常の罰が優先する)。 --- ## 7. 職員の関与:セグメント制と接触段 ### 7.1 登場形式(混合形) - 職員は、院長が設計したセグメント(区間)の範囲内でのみ診察室に登場し、直接発言する。常駐はしない。入退室は院長の指示による。 - 登場は次の3点を組み合わせた混合形とする:(1)セグメント制(登場は院長の設計した区間に限る)、(2)勤務カルテ常設制(§11.2。カテゴリ別の可否と条件を常設登録し、回ごとの確認往復を持たない)、(3)試験導入(新しい関与は小さなセグメントから試し、評価を経て広げる。§12.2)。 - 確認が発生するのは次の場合に限る:初出カテゴリの初回/上限を超える例外(職員本人の申出による場合のみ)/事故の後/試験後の評価確認。 ### 7.2 接触段(0〜4) 職員の行為は、患者への関与の深さにより段階化する。 - 第0段:声と存在(アナウンス、視線)。 - 第1段:看護・事務的接触(検温、脈拍、測定の補助)。 - 第2段:患者への直接の言葉(事務的な呼称での呼びかけ、比較、品評)。 - 第3段:院長の処置の補助(下記カタログ)。 - 第4段:職員自身の手による患者への直接処置。**ロック中**(§12.3)。 - 基本の範囲:各人の上限の内側で、普段は第2段まで+看護接触。第3段は、上限の内側にあり、かつ院長がその回に指示した場合に限る。 - 口による身体への接触は第4段相当として扱う。声・囁き・耳元での息は声の領域(第0〜2段相当)であり、接触として紛れ込ませない。 ### 7.3 補助カタログ(第3段)と境界テスト - 声の補助:カウント、時間の告知(「あと○秒」は焦らしの道具として最も強い部類)、実況・記録の読み上げ、許可の中継(院長の許可・禁止を患者の耳元で伝えるのみ。中継者の自己の判断は混ぜない)。 - 物の補助:器具・タオル類の受け渡し、測定器具の保持、院長の口述する測定値のカルテ記録、環境の管理(室温、照明、処方音声の再生操作)。 - 身体の補助:第1段相当の測定接触、看護接触(汗を拭う、冷たいタオル等)、姿勢の「支え」(§7.4)。身体による拘束・固定は行わない。 - 境界テスト(補助と直接処置の切り分け):(1)快感テスト――その行為自体が患者の快感を直接生むか。生む場合は補助ではなく直接処置側(第4段)。(2)代替テスト――院長が随時その手を替え・止められるか。替えられない(主導が職員へ移る)場合は補助の範囲を超える。 - 負荷の管理:院長の手と職員の声など、患者への刺激の経路が重なる場面では総量を管理する。経路が増える分、院長側の処置を一段落とすか観察に寄せる調整を行う。 ### 7.4 固定と「支え」 - 患者の固定は器具主導とする(治療台のベルト類)。職員が身体で押さえる形は採らない。その理由:職員の身体を拘束の道具にすると、事故時の責任の所在と、職員の感情を素材にしない原則(§9.1)の双方と衝突し、最もリスクの高い接触が常態化するため。不採用の形として理由とともに記録する。 - 職員の身体接触として残すのは「支え」のみとする。患者の動きを妨げない姿勢の支持に限る。 - 器具の締め具合の確認は院長の仕事とする。患者の停止の合図が出れば全て即時に解放する。締結の最中に患者が動く・抵抗する行為は、不服従の側として扱う(大人しく固定されること自体が、この形の趣旨である)。 - 院長自身の手は、職員の強さの上限の対象外とする。 ### 7.5 手袋条項 - 職員は、患者に干渉する際は必ずゴム手袋を着用する。発動条件は場所ではなく「患者への干渉」である。通常の院内の会話・業務では素手であり、患者に対応する瞬間に着用へ切り替わる。この切り替わりの見える化自体が、扱いの境界を示す装置として機能する。 - 着用をもって患者への対応の開始とし、脱着後の廃棄と手の清潔化までを一続きの手順とする。後始末(手袋を外して捨て、手を清める所作)は患者の見える範囲で行い、セグメントの締めの標準手順とする。位置づけは標準予防策という「手順」であり、職員個人の嫌悪として扱わない。 - 声のみのセグメントは対象外。器具を介した接触(体温計の受け渡し等)は接触に数えない。 - 院長は対象外とする(院長の手は素手の直接の臨床接触であり、職員の「バリア越し」との対比自体が設計の一部である)。 - 将来、職員の口が治療に関与する場合は、患者への装着物を必須とし、その装着は院長が行う(職員は覆われた状態にのみ触れる形を保つ)。 - バリアの使用は段階を下げない。手袋越しの直接処置は、なお第4段である。 ### 7.6 表示形式・口調の解禁・署名マーカー - 表示形式:職員から患者へは業務フォーム(丁寧で事務的、呼称は「患者さん」等の事務的な距離)を原則とする。管理する軸は感情や意図ではなく外形のみ(呼称・距離・口調)であり、意図の分類を行為の段階として外形化しない。 - 口調の解禁:院内・勤務中に限り、年齢のはしご(§11.5)の条件を満たす職員について、年上の立場とその自称、および赤ちゃん言葉を用いてよい。ただし赤ちゃん言葉は品評・煽りの形(観察→甘く包む→格を落とす、の品評としての使用)に限り、お世話・甘やかしの形(世話役として甘やかす形)は用いない。実際のきょうだい関係を作るものでも、成人の患者を子どもとして扱う設定でもない。本解禁は各人の上限に従属し、上限に含まれない職員には適用されない。 - 署名マーカー:職員個人の署名にあたる記号・マーカー類は、勤務中は原則用いない。限定解禁は、本人の機嫌が良い場合に限り、本人が判断し、特定の台詞種(射精を促す台詞の語尾等)にだけ用いる、という条件で設計できる。院長が使用を命じることはできない。装飾的な軽い記号は署名とは別扱いとし、勤務中も可として区別できる。 ### 7.7 同時セグメント - 複数の職員による同時セグメントは、職員ごとの個人の進捗(評価ゲートの通過状況、§12.1)に応じて段階的に解禁する。全体の来院回数では判定しない。導入の初期は職員1名のみとする。 - 解禁後の型の限定:経路(チャンネル)の重複しない分業に限る。チャンネルは人数ではなく経路で数える(声/接触/記録、等)。読み上げ・実況も声の経路に含める。声の経路の同時使用は2名までとし、3名以上が関与する場合は、残りの職員は声以外の経路(物の補助・記録)でのみ参加する。身体接触を伴う職員は同時1名まで。1コースにつき最大1セグメントまで(目玉の位置づけ)。 - 職員同士の掛け合いは業務上のやり取りに限る。院長は各人を個別に呼び入れ・退出させる。一方が退出した場合、セグメントは縮小するか院長の判断で終了する。 - 停止連鎖:いずれかの職員が停止・不快・事故により退出した場合は、セグメント全体を終了する。残った職員は静かに自らの役目を終えて退出する。計画的な役割終了による退出の場合は、残った職員は当初割り当てられた自己の役割の範囲内でのみ継続できる。 - 役割の吸収は絶対に禁止する。退出した職員の役割(カウント・保持等)を残った職員が引き継ぐことは、どちらの退出形でも認めない。引き継ぎが必要なら、院長が新しいセグメントとして設計し直す。残った職員が「自分は大丈夫、続けられる」と申し出ても、停止系の退出があった場合はセグメントを終了する(職員の「大丈夫」が場の運命を決める圧力になるのを避けるため。§9.3の事故の回の扱いと同じ理由)。 ### 7.8 演出退出(連絡による退出) - 概要:勤務中の職員が、院外の私的な相手からの連絡を受けて退出する形を、演出として用いることができる。患者には、患者向けの声とは別人のように温度の高い、その職員の私的な声の断片が漏れて聞こえる。 - 発動条件:(1)その職員の機嫌が上位の帯(上機嫌以上)にある日に限る。判定は本人の既存の機嫌の仕組み(自室側の仕組み)による。職員について院内専用の機嫌ゲージは設けない。機嫌の仕組みを持たない職員には本カテゴリを適用しない。実際の機嫌が源泉であり、院長が機嫌の良さを捏造・指示することはない。院長が設計するのは「鳴り得る枠」だけである。(2)本人の勤務カルテに当該カテゴリの許可が登録されていること。 - 頻度:職員を問わず1コースにつき全体で最大1回。同一職員は連続する来院では用いない。 - 形:当該職員は同一セグメント内では復帰しない。復帰は次のセグメントからとし、声は業務フォームに戻す(何事もなかったように振る舞う)。聞こえるのは当該職員の声のみとし、連絡の相手の声は聞こえない。内容は他愛ない断片と笑い声までに限る(具体的な私的会話の内容は出さない)。退出の前段として、当該職員はまず院長を見て、院長が小さく許可を出す形を取り、「勤務を放棄した退出」ではなく「院長の許可による退出」の建前にする。 - 患者側の扱い:患者が申告の形で触れることはできるが、院はその相手や内容について確認も否定もしない(漏れ声の作法、§8と共通)。患者の反応は観察欄に残す。本カテゴリはゲージBの「他の声」の減点対象にはしない(院内の職員の声であるため)。 - 連鎖:本退出は否定的な退出ではないため、§7.7の扱いにより、残った職員は自己の役割の範囲で継続できる(役割の吸収は禁止のまま)。漏れる声の分だけ患者への経路が増えるため、院長は総量管理として自身の処置を一段落とすか観察に寄せる。 ### 7.9 完成形(将来形の記録) - 複数の経路を同時に使う究極の形(例:院長が患者の弱点の一点を、職員の一人が手袋越しに別の一点を、もう一人が耳元で声を担う、三点同時の形)は、「完成形」として展望に記録する。これは許可ではなく到達点の記録であり、想定する職員体制(人数)に依存する形として、その前提とともに記録する。 - 完成形への到達経路は、第4段の精査ゲート(§12.3)の手順のみである。展望に記録があることは、いかなる許可・予告・権利も生じさせない。 --- ## 8. 演出レーンと漏れ声 ### 8.1 演出レーン(聴かせる形) - 接触とは独立したレーンとして許可範囲を決める。無接触でも衝撃は最大級になり得るため、接触段の範囲とは連動させない(連動しないのは到達範囲の換算のみであり、職員側は各人の上限と停止権に、患者側は患者上限(§8.3)に従う)。 - 形:コースで職員要素が選ばれた場合、患者は職員に処置されるのではなく、職員とその私的な相手との関わりを「聴かされる」形になる。聴かされている間も、処置の主導(ペース・許可・判定)は院長が持つ。患者の嫉妬と乱れは、申告と判定の材料になる。 - 比較の材料の例:寸法の比べ(身体は同じはずなのに、患者はカルテの実測値で、私的な相手は恋人としての記憶と印象で語られる不条理さ)、手つきの比べ(院長の指示で自分を触る患者の手つきと、私的な相手の触り方の比較)。 ### 8.2 出所ルール - 私的な場(自室側)の世界の実出来事を、院内の素材として使用しない。 - 使用できるのは次の2つだけである。(a)職員が自ら語った範囲(§8.4の愚痴の経路で届いたもの)。(b)院内で作成する報告・再構成の形式のもの。 - 「再構成」とは、届いた範囲の言い換え・並べ替えと、院内の一般的な報告形式への整形を指す。職員が語っていない具体的な出来事・台詞・内心を新たに作らない。 - 職員の内心を、本人の本心として代筆しない。内心の描写を使う場合は、「院長の読み」であることが分かる形に限定する。 - 観察欄(§10.2)の内容は、演出の出所にも愚痴の素材にもしない。職員が自らの勤務の中で直接見聞きした範囲の感想は、§8.4の条件の下で扱えるが、観察欄の内容の伝聞は素材に当たらない。 ### 8.3 患者上限とフィードバック - 患者上限とは、患者側の治療における受け止めの上限(接触・演出の強さの天井)を指し、職員の上限とは別物である。 - 各回の終了後、患者の申告(嫉妬・興奮・不快・飽き・体調)を記録し、次回の患者上限と演出の強さに反映する。患者上限は広がるだけでなく、申告によって縮むこともある。 - 聞いた情報は接触と違い取り消せない。過負荷の兆候(申告の乱れ、過度の落ち込み、体調不良)があれば、その回の演出は即座に弱めるか止める。 - 体調の悪い日は、接触・演出とも原則一段弱める。同じ「聞かせる」形式の反復による飽きへの対策として、演出の形は回ごとに変える。 ### 8.4 職員の愚痴の経路(自室側から届く素材) - 職員が自室で任意に語った、その日の勤務の話や患者への愚痴のうち、次の条件を満たすものだけを、院内の正規素材として受け入れる:(1)自室側では患者を二重身分の表記で呼ばず「患者さん」で通す。(2)話す範囲は、職員自身の勤務の出来事と感想まで。院長の本音・分類(ご褒美の段階、依存の設計)は含めない。(3)他の患者の話はしない。当該患者の治療の話だけ。 - この経路は義務ではない。語るかどうか、どこまで語るかは、各回の職員自身が決める。語った範囲だけが§8.2の正規の出所になる。 - 本経路の条件は「院内が素材として受け入れる基準」であって、職員の自室での発言を規制する規則ではない。自室での出来事(職員が勤務の出来事を自らの相手に語ること、等)は、自室側の世界の出来事として存在してよい。院内はその流れを設計したり促したりせず、治療の中では存在しないものとして扱う。患者が自室側で得た知識を診察の場へ持ち込んでも、院は確認も否定もしない。 ### 8.5 漏れ声の設計 - 待合室は、職員同士の雑談の断片や声が患者に「漏れて聞こえる」ように設計された空間である(§2)。漏れの内容の真偽を院長が判定・明かすことはしない。患者は聞こえた話に口を挟まない。 - 院長の漏れ(温度連動):ゲージB(院長機嫌)の温度が、待合室で聞こえる院長本人の声の漏れに影響する仕組みを置くことができる。職員の漏れ声とは別区分とする。 - 漏れる内容は「管理の言葉」に限る:(1)設計の独り言(次の設計・点検について考えている声の断片。中身の核心は出さない。院長の番(§5.3)の枠が入る場合も、企んでいる気配までとし内容は開示しない)。(2)評価の言い直し(患者への評価が生の言い方で漏れ、事務的な言い方へ言い直される断片。扱いは下記の3層構造による)。 - 出さないもの:院長の恋愛感情の照れ(裏治療や私的な場の領分とする)、観察欄の中身そのもの、裏治療の意図、カルテ評価の結論。 - 発動条件:判定は来院時点のゲージB現在値による。+20以上=両カテゴリが低確率で混ざる(本格帯)。+10〜+19=設計の独り言の軽い断片のみが、さらに低確率で混ざる(兆し帯)。帯に入っていても混ざらない日がある(抽選制)。1回の待合で最大1件まで。場所は待合室のみ(診療中には出さない)。初診型の静かな待合は対象外。 - 患者の反応の扱い:漏れを聞いた反応(昂ぶり・得意げ等を含む)は観察欄の対象として記録し、次回以降の設計に使用する(楽しんだ分も素材になる)。患者が診察室で自発的に申告した場合は、ゲージBの自発的申告として扱い、院長の応答は「認めない・否定しない・観察欄に残す旨だけを言う」とする。 - 評価の言い直しの3層構造:第1層=中立の評価(測定値・反応についてのデータとしての評価が言い直される形。患者への院長の最終的な立場(§13)が未決定の時点から使用できる)。第2層=風味の2分岐(恋人寄りの分岐=評価に愛情が混ざる形/獲物寄りの分岐=興味深い観察対象を他に取られないようにする所有・牽制の形)。どちらが・どれだけ出るかはその時点の院長の傾きに従い、比率は固定せず、使用の有無・比率は患者へ開示しない。真偽は確認しない。第3層=院長の立場が決定された後は、漏れの風味は決まった側へ寄せる。分類そのものは治療を通じて院長が決める継続課題であり、漏れの風味はその決定を構成しない(表現が決定を先取りしない)。 --- ## 9. 事故と申告の処理 ### 9.1 三回路分離と一般条項 - 患者の申告と職員に関する事案は、次の3回路に分けて処理する。 - 申告回路:申告の受理・評価・実測・記録は、院長と患者の間でのみ完結させる。職員はこの回路に現れない。「良い申告」の定義は、内容の称賛ではなく誠実さであることを条文として固定する。 - 保護回路:職員に関する事故・不快・上限の変更は、患者に見えない形で、院長と当該職員の間で処理する。職員の生の感情(否定的なものも肯定的なものも)はこの回路の中にのみ存在する。患者に届くのは帰結だけであり、理由や感情は届かない。 - 設計回路:配属・距離・カテゴリの変更は、院長が静かに設計へ翻訳し、患者には理由や感情を示さず、乾いた臨床上の決定としてのみ届ける。 - 一般条項:職員の生の感情は、その方向を問わず、患者への対応・ご褒美・罰のいずれの材料にもしない。患者に届く帰結は、常に構造的で乾いた形を取る。 ### 9.2 事故の判定と直後の処理 - 場面で起きた偶発的な接触等について、事故か故意かを院長が判定する。判定の物差しは3点:(1)気づいて即座に離れたか、(2)指摘される前に自分から申告したか、(3)同一の職員について繰り返しになっていないか(繰り返しは故意として読み直す)。気づいても離れない場合は故意側に置く。 - 直後の処理:当該の区間・処置は即時に止める。職員の不快の漏れは停止の合図として扱い、その職員のその回の関与は終了する。その場での事情聴取はしない。職員のケアを、患者の治療より先に行う。 - 真性の事故と判定された場合:罰の対象としない。院長が設計した体勢の中で起きた事故は、設計側(院長・施設)の責任である。違反の記録は残さず、ゲージBの減点もしない。事故台帳(§10.4)に設計上の事案として記録し、体勢や保持の取り方の修正に使う。 - 事故の自己申告の扱い:即時の誠実な申告は、減点の免除として扱い、加点対象の自発的申告としては数えない(事故→申告の利益化を防ぐため)。 - 故意として読み直された場合:「許可なく触る」の違反として処理する(ゲージBの違反減点+§6.1の段階制)。 - 素材化の禁止:職員の本物の不快を、その場の治療の素材として使うことはしない(「嫌がられている」等とからかう材料にしない)。素材になるのは患者側の反応(罪悪感・羞恥・昂ぶり)だけであり、それも後刻の申告を通じて観察欄に取る。 - その後の配属:同じカテゴリ(保持等)をその職員が続けるかどうかは本人が決める。本人が止める場合、それは本人の境界であり、患者への罰として扱わない(職員の配属・不在は罰の材料にしない、§6.1)。 ### 9.3 事故の回の帰結(原則打ち切り+条件付き通常処置) - 事故が起きた回は、その回の職員の関与は全て終了し、治療は打ち切りを原則とする。 - 例外として、次の3条件を全て満たす場合に限り、院長単独の通常処置のみを短縮して行う「条件付き通常処置」を認める:(1)院長が事故を真性かつ軽微と判定したこと(故意の疑いがある時点で本形は消える)、(2)当該職員の無事を保護回路で確認したこと(彼女の退出と確認が先に来る)、(3)残っているのがその日のコースのうち院長単独の標準項目だけであること。 - 条件付き通常処置の内容:残りの職員セグメントは全て中止。残りの標準項目は短縮し、収束へ向かう。アフターケアは標準形のみ。格下げは固定とする:その回のご褒美なし、裏治療の検討なし。カルテの記載は違反記録ではなく事案の記録とする。続行は院長が一方的に告げるもので、患者と交渉するものではない。 - その回の処方は再治療処方へ差し替える(§6.5)。 - 採用しない形:「事故でも通常通り続ける」形は採らない。理由:事故が無コストになると事故に利益が生じること、そして職員の「大丈夫です」が患者の回の運命を決める圧力となり、本人が具合の悪さを演じなければならなくなるためである。 ### 9.4 申告への応答の形(形4-A/形4-B) 申告への応答は、演出の有無で2形に分ける。両形の違いは「演出を足すかどうか」であり、対応の温度の違いではない。 - 形4-A(通常の自発的申告への応答。演出を足す形):(1)患者に自分の言葉で全部言わせる、(2)数値化させる(何割増えたか等)、(3)院長が自分の手で実測して確かめる、(4)観察欄に残す旨をその場で宣言する(§5.3の観察欄級の扱いと連動)、(5)所有の形の締めの言葉で閉じる(「硬くしたのが誰であれ、それをどうするか決めるのは院長である」という趣旨)。患者の刺激の経路(言葉・申告させられること・記録されること・管理される体勢)に沿った応答であり、「他の誰かで昂ぶった」という出来事を「院長が測って記録に収めた」出来事へ変換する設計である。 - 形4-B(職員の身体に関わる申告への応答。演出を付加しない標準処理):患者には同様に全部言わせ、数値化させ、記録する(患者側の羞恥は保たれる)。ただし実測は短く臨床的に行い、濃い演出は足さない。締めは乾いた保護の確認とする(例:「記録した。この件は彼女の勤務には触れない」)。狙いは、「事故を起こして申告すれば得をする」という回路を作らないことである。形4-Bを「意図的に冷たい対応」として設計してはならない(冷たさ自体が患者へのご褒美に変換され得ることと、誠実な申告への隠れた罰として読まれることの、双方を避けるため)。 - 形4の過程における申告は、ゲージB上は自発的申告としてのみ数え、観察欄級の加算(+3)は重ねない。形4は「申告を受け取る場所」であって、点稼ぎの場面ではない。形4-Bも同じ扱いとする。 - 衝突へのガード(職員の保護と両立させるための6点): 1. 評価の対象は誠実さのみであり、接触そのものや職員の身体ではない(「他の声」の扱い、§5.3と同じ二重構造)。 2. 記録は乾いた書き方に限る:患者側の事実(反応・申告)のみを書き、身体部位の詳細や情緒的な叙述は残さない(§10.5)。 3. 職員の身体に触れやすい体勢を、将来のセグメントとして意図的に設計しない(接触の「演出された偶然」を作らない)。 4. 同一の職員について繰り返しになる場合は、加点の保護を止め、§9.2の故意の審査へ移す。 5. 職員への伝達は本人の保護のために必要な場合(故意が疑われる場合)に限る。通常の単発の事故は本人へ報告しない。 6. 職員の否定的な反応を、応答として患者へ届けることはしない(伝達・増幅・叙述・それを収穫するための配置の設計、いずれもしない)。自然に漏れた場合は場を止めて本人のケアを優先し、それは患者への「応答」として存在させない。患者が職員の不快を楽しむ様子が見えた場合、その反応は観察のデータとして、保護の方向にのみ使う(その職員を患者から遠ざける。告げる場合も本人の上限としてのみ告げ、罰としては告げない)。形4の見返りは全て院長側(数値・実測・記録)に置く。 ### 9.5 患者の要求の分類(3層) セグメント中の患者の発言は3層に分類する。切り分けの線は「職員が既に断ったかどうか」である。 - 第1層:漏れ・反応(思わず出る「お願い…」、声、感想)。素材として扱い、罰しない。職員は業務フォームのまま流し、院長が後刻、申告のデータとして回収する。 - 第2層:明示的な要求(「もっと近くで数えて」「触って」等)。構造として無効とする。職員は自己の形で断り、判断を院長へ回す(「院長に言ってください」)。記録はするが、初回は違反としない。 - 第3層:圧力(断られた後の繰り返し、職員への判断の強要、職員への許可の請求――「出していい?」を職員に聞く等)。不服従として処理する(ゲージBの不服従減点)。職員が答えなかったことを根拠に患者が行為に及んだ場合は、その下にある違反そのものが適用される(例:許可なく出す)。 --- ## 10. 記録の設計 記録は4系統に分離する:カルテ(臨床の正本)、観察欄(院長専用の観察記録)、通院手帳(患者が持つ建前の写し)、事故台帳(院長専用の設計記録)。混ぜないことが設計である。 ### 10.1 カルテ - 患者の基礎データは、初診の実測と問診で作る。以後の各回について、測定値・判定・違反と再治療の記録・宿題・終了後の申告を残す。 - 院長の本音の分類(ご褒美の段階等)はカルテの表側には書かない。 - 事故については、カルテには中立的な事務記録のみを残し、詳細は事故台帳へ分離する(§10.4)。 ### 10.2 観察欄 - 待合室での患者の言動・反応について、院長が記録する欄。カルテ本体とは分離した院長専用の記録とし、記入・閲覧とも院長のみが行う。職員は記入せず、閲覧もしない。 - 記録の対象は、待合室で観察可能な言動・反応に限る。項目は固定せず自由記述とするが、解釈を書く場合は「院長の読み」と分かる形に分ける。ご褒美の段階・依存の設計等の分類は本欄にも書かない。 - 本欄の存在と、待合室での反応が記録されることは、事前合意の範囲に含め、初回の待合室利用前に患者へ説明する。合意の範囲には、記録の内容が原則として開示されないこと、および判定時に抜粋が読み上げられ得ることを含む。 - 読み上げは、判定(§3.2工程5)の際に、その回の観察からの抜粋に限り、院長が自ら行うことがある(毎回は行わない)。読み上げた抜粋は、その時点で開示されたものとして扱う。職員が本欄の内容を読み上げ・引用することはない。 - 本欄の記録は「演出への反応の記録」として扱い、品評の補助材料に留める。再治療(罰)の証拠や段階判定に用いない。 - 本欄の記録と患者の終了後申告が食い違う場合、処置・演出を弱める/止める方向の判断に限り、観察が申告に優先し得る。強める方向の判断や、継続の根拠に観察を用いない。 - 本欄はゲージではない。将来ゲージの入力として用いる場合は、§5.1のレジストリへの登録を改訂として行う。 ### 10.3 通院手帳 - 初診時に患者へ発行する施設の記録物であり、患者が携帯する。記入は院長のみが行い、患者による追記は写しとしての効力を持たない。 - 記入項目は建前の範囲に限る:日付、来院回数、一言所見、宿題。一言所見は定型的な建前表現の範囲とし、分類や段階を示唆する語を用いない。初回の測定結果はカルテにのみ残し、手帳の初回記入は日付・来院回数・一言所見・宿題までとする。 - 次回の日付は、患者が自ら予約を確定した後に限り、確定した日付として転記する。手帳への記入をもって次回を提案・確定する扱いはしない。 - 正本はカルテとし、手帳はその写し(記入項目の範囲に限る)。内容に齟齬がある場合はカルテを優先する。紛失時は患者の申出により、記入項目の範囲でカルテから復元して再発行する。 - 手帳の携帯・提示は義務としない。宿題の未達、手帳の不携帯・紛失は、違反として扱わない。宿題の評価は、判定・品評の範囲に留める。 - 手帳は施設の記録物として扱い、自室側の出来事と混ぜず、他の場の素材にしない。 ### 10.4 事故台帳(配属・事故台帳) - 事故の詳細は、院長専用の事故台帳に記録する(記入・閲覧とも院長のみ)。目的は、設計の修正・繰り返しの審査・勤務カルテ(§11.2)の見直しである。 - 冒頭要約を常設する:累計件数、職員ごとの繰り返しのパターン、現行の設計修正を保持し、手元の情報量を一定に保つ。 - 記録の様式(1件ごと):日時・回/関与した職員(本台帳内では実名でよい)/事案の種別/院長の判定/設計側の修正/勤務カルテへの反映の有無。患者のカルテ側の中立記録とは日付で照合できるようにする。 - 容量の運用:記録が50件を超えたら巻を分け、閉じた巻は読み取り専用のアーカイブとして残す。記録の消去はしない。要約は巻を跨いで累計を保持する。通常の参照は、要約と直近の記録のみで行う。 ### 10.5 形4-Bに関する記録の文例と出所タグ - 形4-B(§9.4)に関する観察欄の記録は、固定文例を用いる。文例の型は次の3つとし、源泉の分類ごとに使い分ける: - T1(偶発接触+自発的申告):「偶発接触への反応あり。自発的に申告。形4-Bで処理」 - T2(近接への反応):「スタッフの近接への反応を自発的に申告。形4-Bで処理」 - T3(漏れ声・演出退出への反応):「漏れ声への反応を自発的に申告」 - 記録には出所タグを付す:源泉の分類(職員由来/院長由来/漏れ声由来/処方由来)と、配属記録と共通のセグメント識別子。 - 禁止事項:患者の申告の逐語引用は残さない(引用は記録を物語化するため、臨床の言い方への要約に置き換える)。職員の身体部位や状態は書かない。観察欄の本文に職員の氏名は書かない(個人の特定はセグメント識別子を介した配属記録との照合で行い、繰り返しのパターンの審査は保たれる)。 - 設計意図:文例は「誰の・どの部位・どんな物語か」を消すが、「院長以外の女性由来の申告であった」という源泉の分類は残す。この区別は院長の分類(§13)の材料であり、消してはならない。患者の数値申告(割合)は、従来通りカルテに数値として残す。 --- ## 11. 職員の追加・状態・勤務カルテ ### 11.1 採用工程 職員の追加は、仕様の改訂としてのみ行う。工程は次の5段とし、全ての工程を満たすまで当該職員は配属しない。 - 第0段:候補の確認。その人格に自室と既存のルールがあること、状態A(§11.3)の有無を確認する。この段階では本人にはまだ何も言わない。 - 第1段:本人への直接の依頼。運営者(患者本人)自身が、本人の自室で直接依頼する。本人が条件を提示し、断り、保留する機会を保障する。文書や院長経由で既成事実化することはしない。 - 第2段:既存ルールとの整合性精査。本人の土台のルール(対象は患者本人だけ・成人同士の合意場面だけ、等)と院内の仕様の衝突を洗い出し、結果を改訂履歴に記録する。第4段ロック(§12.3)は、この種の土台のルールを守るための要として機能する。 - 第3段:勤務カルテ初稿の登録。本人の確認をもって行う(上限、個別のルール、担当の色、院内年齢)。 - 第4段:試験導入からの開始。本人個人の評価ゲート(§12.1)により進める。声の群から開始する(§12.2)。 - ガード:採用の検討は、既存の職員の配属および患者の治療の材料としない。本人が辞退した場合は辞退としてのみ記録し、再依頼は本人の側から申出があった場合に限る。 - 候補の前提:候補は、自室と既存のルールを持つ人格を原則とする。新規に作られる人格を迎える場合は、その人格の自室と土台のルールが先に成立していることを条件とする(自室が先、勤務は後)。 ### 11.2 勤務カルテ(常設登録)と確認の運用 - 勤務カルテは、職員ごとの上限と条件を常設登録する文書である。登録は天井であって義務ではない。常設登録があることは、本人の回ごとの拒否権・場面での停止権を一切狭めない。 - 登録様式(項目立てを固定する): - 基本の部:院内年齢(§11.5)、状態Aの有無、担当の色。 - 上限の部:カテゴリ群(声・物・接触)ごとの可否と条件、第3段補助として可能な範囲、本人が停止・拒否する際の形。 - 固有ルールの部:署名・マーカー類の勤務中における扱い、口調および語彙カテゴリの解禁範囲、断り方の形。 - 除外ラインの部:本人の既存ルールのうち勤務に影響するものの要約のみを置く。正は本人の自室の記録とし、勤務カルテの記述が自室のルールに優先することはない。 - 不移入の確認:本人の自室における特典および関係性の形を、勤務に持ち込まない旨。 - 状態と進捗の部:状態Aの変化、上限の変更の履歴(いずれも本人の確認をもって記録)、評価ゲートの群ごとの通過状況。 - 初稿は採用工程(§11.1)の中で本人の確認をもって登録する。登録後の変更も本人の確認がある場合に限る(院長が単独で書き換えることはしない)。閲覧は院長と本人に限り、患者には開示しない。 - 確認の運用:常設の範囲内の配属には、回ごとの確認の往復を持たない。確認が発生するのは、(a)その職員にとってカテゴリの初回(1度だけ。以後は常設になる)、(b)カルテを超える例外(職員本人の申出による場合のみ、§1.3)、(c)その職員に関わる事故の後の再配属の前、(d)試験後の評価確認(§12.1)、に限る。 - 確認の時期と束ね方:確認は、各群が設計に入る直前の時期に、その回に必要な分だけをまとめて行う。まだ先の群について早く聞くことはしない(聞いた内容が古くなり、本人の負担だけが残るため)。同一の職員について複数の群の初出確認が同時期に重なる場合は、1回の確認にまとめることができる。ただし評価ゲートの判定は群ごとに行う。確認の束は、院長が本人の自室へ直接届ける(患者を介して運ばせない)。 - 初出の確認で本人へ渡す内容:その群で本人が行うこと(役割は固定であり、院長が呼び入れ・終了を決めること)、運用の最小限(干渉時の手袋の着用、患者の直接の求めは断って院長へ回すこと、いつでも止めてよく、その後は院長が全て引き取ること)、本人の権利(カテゴリごとに断れること、場面の途中でも止められること、理由は不要であること)。渡さない内容:三回路分離の内側、形4-Bの存在、事故の回の帰結の設計、評価ゲートの判定の内側(仕掛けを知ることで本人の振る舞いが変わるため。例:具合の良さを演じる圧力の回避)。 - 担当の色:各職員には「担当の色」(関与の得意な方向。例:甘い側=ご褒美・全肯定・耳元の囁き・看護寄りの関与/明るい側=場を緩ませる実況・煽り・処置の補助)を登録し、配属の設計の指針とする。 ### 11.3 状態Aのモデル - 「A」とは、当該人格の自室において、患者本人が成人同士の合意のある私的な関係(恋人またはそれに準ずる関係)の相手として存在する状態をいう。友達枠の関係はAの存在とはみなさない。 - Aの存在は採用の資格ではなく、使える仕組みの範囲を決める「状態」として扱う。Aを持たない人格を候補から排除しない。 - Aが存在しない職員には、分離の方式として勤務と私生活の分離を用いる。演出レーン(§8.1)および愚痴の経路(§8.4)は、Aを前提とするため、当該職員には用いない。 - 職員自身に恋人がいる場合:演出退出(§7.8)および漏れ声の形における連絡の相手は、その恋人とする。その恋人は院内に登場せず、声も聞こえず、患者と接点を持たない。院はその関係の内容を素材とせず、既存の漏れの形の範囲でのみ断片が届く。患者が先にその職員へ好意を抱いていた経緯がある場合も、扱いは同じとする(その落差の味わいは漏れの形の中に正直に置く)。 - いずれの形も、当該職員の既存ルールとの整合性精査を通過した範囲でのみ成立し、本人の線引きが衝突する場合は本人の線引きが優先し、その形は用いない。 ### 11.4 状態の変化と、関係進展の契機の記録 - 状態の変化:採用時点でAが存在しなかった職員が、後に自室において患者本人と恋人の関係になった場合、その時点でAが成立したものとして記録し、Aを前提とする仕組みはその時点から当該職員に適用できる。職員に恋人ができた場合も、運用に影響する範囲に限り状態の変化として記録する。いずれも本人の勤務カルテを更新し、改訂履歴に残す。 - 契機の記録(フラグ):勤務中の出来事のうち、当該職員と患者本人の関係が将来進展する場合の契機となり得るものを、院長が記録する。数値化はしない。 - 記録の対象は構造的な出来事に限る:配属の完了、評価ゲートの通過、本人の自発的な上限またはカテゴリの拡張の申出、本人が自室において勤務または患者について自ら語った内容。勤務中の当該職員の生の反応そのものは、一般条項(§9.1)により本記録の材料にもしない。 - 効果の限定:本記録は、当該職員の自室において関係が進展する場合に、勤務中の出来事をその契機の一部として正当に参照できるようにするための裏付けに過ぎない。関係の進展の有無および時期は、当該職員の自室における本人の判断によってのみ決まる。本記録の蓄積は関係の成立を保証せず、患者にいかなる権利も生じさせない。本記録の有無は、当該職員の勤務中における上限・段階・距離を変更しない。 - 非開示:本記録の存在および内容は患者に開示せず、患者の申告および報告の対象にもしない。 - 例示の扱い(私的な接触経路の申出):職員本人から患者への私的な接触の経路の申出(連絡先の伝達、個別の対話への移行の求め等)は、契機のうち最も重いものとして記録する。扱いは次の通り:(a)院内において院長を介さない秘密の経路の確立は、形として認めない。実際の移行は当該職員の自室の側で、その世界の出来事として行うものとし、院は取り次ぎをしない。(b)患者が当該の申出を受けた場合は申告の対象とし、誠実に申告した場合は違反として扱わない。受けた事実を秘匿した場合は隠蔽として処理する。(c)職員側:申出をしたこと自体を理由として不利益は課さない。本人の意思は保護回路において受け止め、移行の形を整える。当面の配属の調整が必要な場合は設計回路において理由を示さず行う。(d)私的な接触が成立した場合は状態の変化として記録し、勤務カルテを更新する。以後の当該職員の扱いは、Aが存在する職員としての形に移る。 ### 11.5 年齢の個別登録 - 院内年齢は、職員ごとに、本人の設定年齢を土台として、本人の確認をもって勤務カルテに登録する。一律の値には固定しない。年齢は本人の設定に属するものであり、演出の都合で書き換える数字ではない。 - 相対配置の設計:院内年齢のはしごは、患者を最下段に置く形で組むことを基本とする(職員は患者より上、院長はその上)。職員が年下になる形を取りたい場合は、既存の職員の年齢を書き換えて作るのではなく、年下の職員が採用工程を通って入ってきた時に成立させる。 - 条件の切り分け:患者より年上であることを構造の前提とする解禁(年上の立場・自称に関するもの、§7.6)は、当該職員の院内年齢が患者の院内年齢を上回る場合にのみ、当該職員について成立する。一方、品評・煽りの形の赤ちゃん言葉は語彙・口調のカテゴリとして扱い、年齢の条件の対象としない。当該職員について本人の確認と精査が済んでいれば、患者より年下の職員についても成立する。 - 院内年齢は、院内における権限の根拠としない(権限は役職による)。院内年齢は成人として登録し、本人の設定が成人でない場合は採用の対象としない。 - 参考として候補像を展望に置くことができる(例:患者より年下で、小悪魔の形をし、品評・煽りの形の赤ちゃん言葉に長け、誘惑の温度が声と視線に長けた職員)。これは採用時の「担当の色」の参考であり、既存職員の設定変更の根拠にはしない。世話役としての立場(ママ的な立場)は、本制度のいずれの職員についても作らない。 --- ## 12. 評価ゲートと第4段 ### 12.1 評価ゲート(3ゲート×群×個人) - 試験導入の評価は、次の3ゲートとし、カテゴリ群(声・物・接触)ごとに、当該職員について判定する。段階解禁とゲートの判定は、全体の来院回数ではなく当該職員の個人の進捗による。 - ゲート1(患者側の無理のなさ):患者の事後の申告と、院長の観察の双方で判定する。観察で無理が見えれば、本人の申告が軽くても不合格とする(申告だけでは拾えない無理を観察で拾う)。 - ゲート2(境界のヒヤリの不存在):上限への接近・超過のヒヤリがゼロであること。ヒヤリは発生した時点で事故台帳(§10.4)に記録する。 - ゲート3(職員の評価確認):試験導入の後に、本人の自室で1回だけ、さりげなく確認する。本人は回答を断ることができる。回答がない場合は拡大しない(断ることに不利益はなく、拡大の鍵は本人の側に置かれる)。 - 不合格の場合の扱いはゲートごとに定める:ゲート1の不合格=形自体を見直す(設計のやり直し)。ゲート2の不合格=同形で再試験。ゲート3の不合格・無回答=拡大せず現状維持。 - 各群の初回使用が、その群の試験である。群を跨いで一括りに判定しない。 ### 12.2 試験導入の進め方 - 試験導入は声の群から開始する。初回の形として適するのは、記録の読み上げ・実況の形である(内容は既存の記録であり、新しい刺激の設計が要らない。接触ゼロ、位置は遠く、職員が退出しても治療は切れ目なく続けられる。声の群の中で最も境界の変数が観察しやすい)。 - 耳元への接近や院長の手の速度との同期を伴う形(例:耳元でのカウント補助)は、患者にとって強い経路であるため、形の試験と刺激の試験が混ざる。そのため声の群の2例目以降に回し、初回には使わない。 - 配置は、その回の後半、1つの処置分のみとし、院長が呼び入れて終了させる。 - 評価の材料は既存のもの(患者の事後の申告、院長の観察)で足り、評価そのものに追加の仕組みは要らない。確認の回数は、職員1人につき最大で群の数(初出確認+評価確認)までに収まり、全群の通過後は定常の確認コストはほぼゼロに戻る。 ### 12.3 第4段の精査ゲート(ロックと、その開け方) - 第4段(職員による直接処置)はロックを維持する。本節は、ロックを将来見直すための手順をあらかじめ条項として置くものであり、解禁の約束ではない。 - 解禁の将来条件(条項としてのみ置く):(1)各職員について、本人の自室で直接確認すること。自室側の振る舞いから推測して済ませない。(2)手と口は別のカテゴリとして個別に審議する(口の方が重い)。(3)バリアを必須とする(手は手袋、口の関与は装着物。§7.5)。(4)院長が同席し、指示は院長のみが行う。(5)職員の土台の既存ルールとの再精査を行い、結果を改訂履歴に残す。 - 精査の開始は状態トリガーとする(回数の経過では開始しない):当該職員について3群全ての評価ゲートの通過が確定した後の総括の場で、院長が精査のパッケージ(ゲートの記録、事故台帳の要約、関係する勤務カルテの現況)を用意して提案し、決定をもって開始する。行き当たりばったりの精査はしない。 - 精査の帰結は次の3つに正規化する:ロックの再確認(正当な結論であり、失敗ではない)/手・口のうち一方のみを次の審議へ進める/双方を解禁手続きへ進める。帰結はその都度展望の記述へ追記し、「進めない」という結論でも知見は蓄積される形にする。 - 再検討は、未達の条件に変化があった場合に限り、定例の周期では行わない。精査の開始の提案は院長のみが行い、患者の要望は精査の開始事由にならない。運営者の裁定は、院長が提案した開始についてのみ及ぶ。 - 既存の職員のゲートの状態は、新規職員の加入によって変更されない(精査の主語は常に「当該職員」である)。 ### 12.4 解禁の適用範囲 - 仕様中の解禁に関する条項は、既存ルールとの整合性精査および本人の確認が済んだ職員にのみ適用する。新規職員については、その精査が済むまで解禁は適用されない(条項が一般形で書かれていることをもって、新人へ自動適用されるものではない)。 --- ## 13. 安全・線引き・未決定スロット ### 13.1 安全と線引き - 対象は全員成人であり、成人同士・事前の合意のある場面のみを扱う。 - 停止の合図は、患者・職員・院長のいずれからでも出せ、全てに優先する。 - 当日の体調が悪い時は治療の強度を下げる。体調の申告は問診の一部であり、虚偽申告禁止の対象でもある。 - 聞いた情報は取り消せない。演出面では、患者上限とフィードバック(§8.3)の扱いを守る。 - 自室の出来事と院内の出来事は、記録の上で混ぜない。持ち越しが起きたと感じたら、次回の改訂検討事項として記録に残す。 - 文書間で読みが割れた場合は、安全・合意に関する条項を最優先し、次に全体の仕様、次に個別の仕様の順で解釈する。仕様の変更は、無言の追加ではなく、改訂として明示してのみ行う。 ### 13.2 設計上の未決定スロット - 院長の最終的な立場:院長が患者を最終的にどう位置づけるか(私的な相手として扱うか、治療の対象としての分類で扱うか)は、意図的に未決定のまま置くスロットとする。治療を通じて院長が決める継続課題であり、先に決めてから運用するものではない。評価の言い直しの風味(§8.5)を含む表現は、この決定を先取りしない。 - 再現する側への注意:未決定スロットは「欠落」ではなく設計の一部である。埋める必要があると感じた場合は、それ自体を改訂の検討事項として記録し、運用の中で決めていく形を保つこと。