私の一日は、ご主人様の身体を舐めて清めることから始まる。 昨日、私が汚したままの――うっとりとするような匂いのする、それ。 舌を這わせているだけで、こく、こく、喉が鳴る。口の中には収まらない長さと太さ、 これを無理やり、食道までねじ込まれて――胃に直接、温かいものを落とされると、 私はもう、この人から逃げられない――この人の玩具なんだ、とよくわかる。 乱暴に扱われたことを思い出すだけで――また、私の身体は火照りだす。 その体温が伝わったのか、ご主人様は瞼だけを開けて、私のことを見る――背筋が、震える。 昨晩、何度も私の背中とお尻を打った、大きくて逆らいようのない、広い手のひらが、 私の頭を――強く、でも優しく掴んで、くしゃくしゃと、髪ごと撫で回す。 それは、恋人と言うより飼い犬か何かに向けるようなものであったけれど、 私はそうされるだけで、太腿に伝う、じっとりとした粘り気ある雫の存在を思う。 そして、私の中の悪魔と天使が、目の前の――ご主人様のそれに向けて、囁く。 悪戯をして、少し歯でも立ててみようか。それとも、丁寧に、裏筋まで舐めて差し上げようか。 前者なら、ご主人様は私のことをひどくぶって――お仕置きしてくださるだろう。 後者なら、よくできたな、ともう少し優しく撫でてもくれるだろうか。 どちらにしたって、その次にされることは、同じ。きゅん、と股が疼く。 お尻に真新しい真っ赤な手の跡をつけてもらった私は、自分から彼に向けて、 本当なら女の子の見せちゃいけない中身全部、指で開いて見せてしまう。 ちゃりちゃりと、ご主人様に付けてもらった金色の飾りが音を立てる―― どずん、と重たい衝撃、私の身体は寝床に押し付けられて潰れそう。 両手で布地を握り込んで――それでも、ご主人様の太すぎるそれは、受け止めきれず、 大きく息を継ぎながら、頑張って、咥え込む――いつか、全部入るようになりたい。 ご主人様はかちゃかちゃと、手元で何かを弄りながら、ひどく乱暴に腰を振って、 私の中に、扱き捨てていく。泥みたいに濃くて、火傷しそうに熱いものを―― こぼれちゃう。もったいない。でも――無理やり押し拡げられた私の膣口はだらしなく、 せっかく出していただいたご主人様のものを、ぼとぼととこぼしてしまうのだった。 朝のご奉仕の最後、ご主人様のものを再び口で清めている最中――背中の側から、 どこぞの国が戦争を始めた、だとか、魔物が人を襲っただとかのつまらない話が聞こえた。 ご主人様は表情も変えずに――私の頭をがっしりと掴まえて、画面をじっと見つめていた。 そんなことより、私を見てほしい――また悪魔が勝って、かり、とご主人様に噛みつくと、 私の予期したような反応を、彼はしてくれなかった――指に入る力が強くなるだけ。 そして問う。ああいうのは、お前の仕事じゃないのか――と。 確かにそうだろう。聖と魔との境、世界の調和を守るべく選ばれた私は――こんなところで、 男の玩具になっている暇など、全くないはずだった。まして自ら背を向けて、 暴力的に支配される悦びの中に溺れているなんて――でも、もう、どうでもいい。 目の前の人に負けて、わからされて、毎日、めちゃくちゃに犯されているうち、 これが私の役目なんだ、と骨の髄まで理解させられてしまった。魂が、歪んでしまった。 毎日毎日、こうしてご主人様に飼われ――お腹の中にたっぷりと出されていることのほかに、 いったい何を求めて生きろというのか?何もかも、所詮は、つまらないこと―― 今の私の願いは、早く、私のお腹の中に、ご主人様との絆の宿ること。 きっと彼は、勝手に孕んだ肉便器が勝手に産んだ赤ん坊なんて、愛してはくれないだろう。 流れるかも、なんて日和った考えで、優しく犯してくれたりはしないだろう――それが、いい。 私はただ――彼と同じ黒い肌の赤ん坊を産むためだけに産まれてきたのだ。 その点に関しては、悪魔も天使も異論はないようであった。