『ナプキチさんと、ちいさなもの』 きょうもナプキチさんは、ナプナプとおそとをあるいていました。 ふと、たちどまると、すみっこのほうでうごく、ちいさなものをみつけます。 あれはなんでしょう? ナプキチさんはちかづいて、みてみます。 それは、ちいさな、もこもことしたものでした。 けがわにつつまれていて、まるっこくて、きゅいきゅい、とないています。 これはなんでしょうねえ、とナプキチさんはくびをかしげました。 もちあげてみると、すこしくねくねとうごいて、てがくすぐったくなります。 もうすこしおおきかったら、だきごこちがよさそうですねえ、とナプキチさんはおもいました。 すると、ちいさいもののうごきが、だんだんちいさくなっていきました。いったいどうしたのでしょうか? ナプキチさんは、そのようすをみて、ひとつおもいつきました。 ちいさいもののせなかを、ゆっくりとなでます。 「だいじょうぶですよお、いいこ、いいこ」 ちいさいものは、ゆっくりと、からだをふくらませて、ちぢこませて。 すると、やがて、そのめをとじて、ぷい、ぷい、とちいさくいきをするようになりました。ねむってしまったようです。 「ふう。ナップがつかえないと、たいへんですねえ。でも、これできょうも、いいことをしましたよお」 ナプキチさんは、きづいていました。このちいさいものは、まどうきでした。 なにをまねたものかはわかりませんが、これは、マギレプリカのひとつなのだと。 ナプキチさんは、ちいさいもののようすをみれば、あくびをひとつ。 「ここは、ぽかぽかして、いいきもちですねえ」 そういうと、じぶんもよこになって、すやすやとねむりはじめてしまいました。 『ナプキチさんと、ちいさなもの』おしまい