バーナムアルゼモン 究極体 植物恐竜型 データ種 キンダーハイモン(サプリング体)が進化した姿……ではあるのだが、その進化プロセスは少々複雑である。 まずキンダーハイモン(サプリング体)9体をパルモンに退化、これをデジクロスさせつつワープ進化することでバーナムアルゼモンへと進化する。 何故このような進化をするのかというと、短時間でデジコアを9個持ったデジモンを生み出すためである。 バーナムアルゼモンが生み出される前に、キンダーハイモン(サプリング体)から直接進化する完全体デジモンのシダーアパトモンが生み出された。 マルチモードキャノン、電磁シールド兼用電磁推進システムを運用するこのデジモンはしかし、デジコアの出力不足でまともに戦うことができなかった。 この問題を解決するために、手っ取り早くデジクロスでデジコアの数を増やしつつ大型化するという力技が採用された。 この方法はテイマーあるいはジェネラルとして非常に高い適性と素質を持つ宝摩ひまわりだからこそ実現したものである。 シダーアパトモン改めバーナムアルゼモンは、ひまわりの強い希望によって設計され、復活後のひまわりのデジモンイレイザーと神馳悟に対する非常に強い敵愾心によってリアライズした。 『植物型デジモンから恐竜型デジモンへの進化』という要求を満たすため、土門明生から提供されたキャノンドラモンのデータを主軸にして設計された。 その他にも各種必要そうなデータを謎めいた女子大生や謎の多そうなデジモン研究者、謎の組織の幹部などから提供を受け、ついに完成へと至った。 9つあるデジコアはそれぞれ胴体に二つ・背部森林・尾部・頭部・各シールドに一つずつ配されている。この複数のデジコアの並列制御には国立デジモン学園校長秋田弘のシェンウーモンが大いに参考にされている。 その巨体には多数の人間やデジモンを収容でき、人間サイズ換算で3000人が生活可能となっている。 内部には厨房や食堂、小規模ながらレクリエーションルームやトレーニングジムに大浴場も完備し、医務室も備えている。 頭部にある大きな花は対地対空広域警戒レーダーであり、高所から広範囲を走査索敵できる。 またキンダーハイモンが持っていた発電能力や可燃ガス散布能力、そして耐火・再生能力は健在であり、可燃ガスを散布して電気着火し半径数百メートルを火の海とする「ワイルドファイアウォール」で近くの敵を焼き払う。 背部森林はかつてアトラーカブテリモンの森の火災対策としてテストして大失敗した「バーナムの森」のデータが組み込まれている。 これにより「移動する森」であり「進軍する軍勢」の特性を獲得し、見た目以上に高い移動能力を発揮する。 樹皮が変化した硬化木装甲は高い耐火・再生能力を持ち、比較的軽量で耐衝撃性に優れるが耐弾性は芳しくない。 以下、特徴的な装備類を列挙する。 @電磁推進システム兼蓄放電型電磁シールド兼有線チャクラム「ブロンテース・アイギス」 本デジモンの目玉その1。ライジルドモンのデータを参考に開発された。チタンデジゾイド・ニッケルデジゾイド・リチウムデジゾイドといった変性デジゾイドを応用した蓄電池であり、また強固な盾である。 電磁シールドを展開し、高い防御力を誇る。また、極太のツタを使って少し離れた敵にぶつけて斬り裂いたり押しつぶしたりすることもできる。 また電磁シールドを下方に展開して電磁誘導推進システムへと転用できる。これによりこの巨体は最大時速500km前後の高速で移動ができる。 電磁ホバーであるため水上も移動可能であるが、エネルギーの消耗が激しく長時間の連続使用は不可能である。 前側のシールドで電磁バリアを展開しつつ後ろ側のシールドで電磁推進して高速突撃する「ブロンタル・アサルト」は後に無数のイレイザーベースを潰す定番戦術となる。 A荷電粒子砲/レールガン/サーマルガン/コイルガン/4モード切替式マルチキャノン「ケラウノス・ロンヒ」 4つのモードを切り替えて撃てるマルチキャノン。バーナムアルゼモンはこれを4門搭載している。 広域殲滅用の荷電粒子砲や対拠点・装甲目標用のレールガンなどを状況によって使い分ける。 射出速度の遅いコイルガンモードは主に味方デジモンの射出や支援物資の投射などカタパルトとして使用される。 中間ぐらいの性能特性のサーマルガンモードでは主に「ミントモンクラスター」弾が発射される。 これは大量のミントモンをデータ圧縮して子弾としてキャニスターに詰め込んだもので、イレイザーベースの地下に向けて発射される。 多数のミントモンがイレイザーベースの地下に放たれ、一部は休眠し、残りは大量増殖してイレイザーベースの地盤を崩落させる。 ごく一部はシードドラモンに進化してイレイザーベースを内部から襲撃する。 これらを撃退したとしても、しばらく時間が経った頃に休眠していたミントモンが目覚めて増殖を開始、破壊行動を繰り返すことになる。 これを駆除するにはイレイザーベースの敷地全てを掘り起こす必要があり、実質的に施設の破棄を強要させることになる。 「ブロンタル・アサルト」から「ミントモンクラスター」のコンボによる基地破壊はイレイザー軍を大いに悩ませ、後に彼らは戦略の変更を強いられることになる。 B苦痛毒付与型近接防御尾部葉斧「バーブド・ギンピー」 設計メンバーである名張蔵之助が提供したギンピ・ギンピのデータを基に構成された近接兵装。硬質化した葉による斧の刃をノコギリ状にし、苦痛を与える毒腺を仕込んだ。致死性の毒ではなく苦痛毒にしたのは、あえて殺さないことで人質にしたり敵に救助の負担を与えたり等、戦い全体を優位にする目的のためである。さすがに装甲の厚い相手や機械化率の高い相手には効果が薄い。 C連装対地対空機関砲塔システム「インパチェンス」 Dレーダー内蔵型高射砲塔システム「ゼラニウム」 デラモンのロイヤルナッツをベースに、現用兵器のデータをミックスして構築した防御兵装システム群。小口径弾を猛烈な速度で連射して弾幕を形成する「インパチェンス(ホウセンカ)」は首の左右に計10基、中口径弾の高初速精密射撃を速射する「ゼラニウム(ゲンノショウコ)」は尾部に4基、それぞれ装備される。対空砲であるが高所から地上に向けての掃射にも用いられる。インパチェンスは成長期デジモンを即死させドローン等を損傷させられる程度の、ゼラニウムは成熟期デジモンに致命傷を与え遠隔攻撃端末を完全破壊するのに十分な威力がある。 総じて集団戦・拠点攻略戦に特化した能力と兵装構成であり、一方でタイマン性能の高い究極体クラスは苦手とする。 特筆すべき事項として、このバーナムアルゼモンの誕生と前後して、東京都江東区・豊洲にあるデジ対庁舎・キンダーハイモン本体も姿形はそのままに究極体に進化、アップデートが行われていることがある。 テイマーであるひまわりが至近距離にいること、同時複数展開は不可能、という条件はあるがブロンテース・アイギスやケラウノス・ロンヒといった装備をリアライズして使用することができる。 これにより電撃と自己火災による高いセキュリティ能力を誇る庁舎は湾岸防衛要塞と化した……のだが、普段の姿は全く変化していない上に、この進化もアップデートもキンダーハイモンによって勝手に行われたため、一般どころか政府でも首相クラス以外は把握していない。 現時点でこれを知っているのはデジ対の局長代理である宇佐美京一郎、副長の芦原倫太郎、嘱託職員で主任設計者の名張蔵之助、そしてBVに出向している高円寺峰子の四名とそれぞれのパートナーデジモンだけである。 もう一つの特記事項として、デジクロスするデジモンはキンダーハイモンに由来するデジモンでなくても、植物または恐竜の特性を持つなら他のデジモンでも世代やタイプや種族を問わず参加可能であるという点である。 ただし最低でも6体はキンダーハイモン由来のデジモンである必要がある他、違うデジモンが混ざれば混ざるほど、進化後の姿や性能が混ざったデジモンの側に引っ張られてしまう。 ロゼモン&ロトスモン/ラフレシモン バーナムアルゼモンは小回りが効かず、究極体クラスに近づかれたり内部侵入されたりするとあっけなく陥落する恐れがあった。 それに対処するため、直掩デジモンとして用意されたのがロゼモンとロトスモン、それらがジョグレスしたラフレシモンである。 デジヴァイス:とクロスローダーによる無限ジョグレスによりラフレシモンの継戦能力の低さを補っている。 キンダーハイモン(サプリング体)を退化させたパルモンからのワープ進化で一気にロゼモンとロトスモンに進化するため、通常は成熟期や完全体になることはない。 一応、トゲモンやサンフラウモンやパラサウモン、リリモンやライラモンやトロピアモンのデータも保持しているため、やろうと思えばそれらへの進化も可能である。 現状はデジヴァイス:の1体+クロスローダーの10体の合計11体のパルモンが運用されているが、増殖したミントモンを進化させることで一時的にサプリング体を増やして運用することもできる。 これらのデジモン群はもともとキンダーハイモンがサプリング体とのデータ通信に使っていたネットワークを流用して並列化ネットを構築しており、各個が別個体であると自認しつつ情報や進化データを共有している。 在り方としてはコピーアンドペーストである中野真理夫の100倍ピノッキモンよりも、別人を並列化するDr.ポタラの意識ネットワーク構造のほうが近い。 テスト場所の物理的限界や増殖したミントモンの処理などの問題があり、ひまわりのテイマー/ジェネラル能力でサプリング体を何体まで増やせるかのテストは行われていない。 ひまわりのデータで行われたコンピューター上のシミュレーションは100体を超えたところで中止され、再開は局長代理の権限で中止されたままである。 日常ではパルモン状態の3体だけをリロードして生活している。