「トレーナー殿」
「ん、どうしたんだ？　ヤエノ」
　休日のトレーナー室。トレーナー殿はゆっくりとお茶をしていた。私がトレーナー殿を呼ぶと、トレーナー殿は顔をあげこちらに視線を向ける。
「今日は5/5ですね」
「そうだな」
「こどもの日ですね」
「こどもの日だな」

「……という訳で、こどもになりませんか？　トレーナー殿」
「…………は？」
　トレーナー殿はしばらく間を置いてから、何を言ってるのだと理解できていない様子でこちらに聞き返します。
「ですから、こどもの日なのでこどもになりませんか？　トレーナー殿」
「…………？？　えっなにこわい」

　スっと、トレーナー殿に薬瓶を見せる。
「タキオンさんから頂いた幼児化薬です。せっかくのこどもの日ですから、トレーナー殿も幼少の頃を振り返ってみてはと思いまして」
「うんそれ、振り返るというか若返ってるね」
「是非とも、飲んで私に見せて欲しいのです」
「目こわっ」
　ふぅ……トレーナー殿の幼少期の姿……絶対にカワイイと決まっていますね。楽しみです。とても。

「さあ、ぐいと……！」
「いや、飲む訳無いだろそんなモノ。ヤエノに何されるか分かったもんじゃ無いし」
「何を言いますか。私はただ幼くなったトレーナー殿を守護りたいだけです。おしゅって、愛でて、それから……！」
「ほら。ロクなことにならないじゃん」
「ぐぬ……」
　ふむ……トレーナー殿は何を遠慮なされているのだろう。仕方ありません……こうなったら……。
「えっ何こわい。無言で近づくのやめて？　ヤエノ？　ヤエノ？？」
「どうしても……どうしても飲んでくれないと言うのですか……？」
「うん」
　即答されてしまいました。解せないですね。

「……まあ、トレーナー殿が素直に飲んでくださらないのはわかっていました」
「色んなものの危機になりかねないからね」
「なので」
「うん……？」
　そう言って、懐からもう一つの薬瓶……空の瓶を取り出す。
「既に飲ませておきました」
「は？」
「先程トレーナー殿が飲んでいたお茶に混ぜておきました」
「何してくれてるの！？」

　頃合いでしょう。トレーナー殿が叫んだ途端に彼の身体がシューと音を立てて変化していきます。
「待て待て待て待て」
　みるみる内にトレーナー殿の身体は縮んでいき……焦る彼の声も段々と高くなっていき、そして――。

「お、おしゅ……♡」
「わ、ワァ……」
　小学生くらいの小さなトレーナー殿になりました……♡

　おしゅ……おしゅ……思った通り、可愛らしい姿になりました……！
「ちょっとヤエノ！？」
「かわいいですね……♡」
　ぶかぶかになった衣服に包まれるトレーナー殿。これが“萌え袖”というものでしょうか。なんとも可愛らしい……♡
「ふふっ、これがトレーナー殿の幼い頃の姿……♡」
「目がこわいってヤエノ」
「あの……ヤエノお姉ちゃんと……呼んでは頂けませんか……？」
「呼ぶ訳無いだろ！？」
　トレーナー殿に拒否されてしまいました。反抗的な姿も可愛らしいですね……おしゅおしゅ。

「ちょっと、なんで近づいて来るの？？」
　もっと近くで幼くなったトレーナー殿を拝見しようとしたところ、トレーナー殿はぶかぶかな衣服を引きずってジリジリと後退し始めました。どれだけ可愛くなれば気が済むのでしょうか？
「あの？　ヤエノ……？　息が荒くてこわいんだけど、ちょっとヤエノ？？」
「ふぅ……ふぅ……だ、大丈夫です……！　安心してください……♡　何も怖くありませんよ、ただ……トレーナー殿をおしゅりたいだけで……♡」
「いや何も安心できないんだけど！？　ちょ、ちょっと待ってヤエノっ……！　あっ」
　すてん。
　後ずさりしていたトレーナー殿が服につまづいて転んでしまいました。な、なんて……恐ろしい……こんなあざとい姿を見せるなんて……っ！
「……トレーナー殿が可愛いのがいけないんですよ……？　おしゅ、おしゅ……♡」
「待って待ってヤエノやめ……！」
　ガバッ。倒れこんだトレーナー殿にそのまま覆い被さる。
「ヤエノ！？　ちょっちょっと！？」
「おしゅ……おしゅ……♡」
　私の手をトレーナー殿が押し返そうとしています。ですが、その力はとても弱々しく…♡　ああ、なんと可愛らしい姿でしょう……これは私が守護らねば……！

「ヤエノ！？　ヤエ……！　あっ、あーー！」
　私に押し負け、手を押さえつけられたトレーナー殿。何とも可愛らしい悲鳴を上げながらトレーナー殿は私にされるがままになります。可愛らしい姿、可愛らしい格好、ああおしゅりたい……♡

　こどもの日。あぁ、なんて素晴らしい日なのでしょう……！　トレーナー殿をもみくちゃにしながらそう思います。
　こどもの日は、まだ始まったばかり――。

「……おしゅ♡♡」

おわり