　デジたんの朝は早い――。
　まずは娘ちゃんたちとパパの朝ごはんを作らねば……！　るんるんと鼻唄まじりにトースターをセットして、それからウインナーと卵もフライパンで焼いていきましょ〜。

「ふぅ、さあ後はお皿に盛り付けましょう……！」
　そうして娘ちゃんたちとパパと、それからアタシの分の朝ごはんが出来上がり！　それじゃあ寝ぼすけさんたちを起こしにいきましょう……！

「愛しの娘ちゃんたち〜！　朝ですよ〜！」
「ぅあ……」
「ぅーん……まだねむい〜」
　お布団をとんとんと揺するとかわいいかわいい娘ちゃんたちが眠たそうな声を上げます。
　はぁ〜やっぱり娘ちゃんたちはかわいいっ……！　まるで天使！！　……でも、保育園に間に合わなくなるのでしっかり起こします。

「う〜ん……ママぁ……」
「はいはい、ママですよ〜アナタの好きな牛乳も用意してますから、早く起きてください〜」
「ぁぃ……」
　目をこすりながらとぼとぼと歩くパジャマ姿の娘ちゃんたち……！　はぁ〜かわいすぎます〜♡

　……さて、お次はパパを起こしましょう！　今日は寝ぼすけさんみたいですし……！

「はい、パパ起きてください〜」
「ぅ……朝か……？」
「そうですよ〜！　朝ごはんできてますよ、ほら娘ちゃんたちも起きてますから！」
「ん……いつもありがと……ママ……」
　ボサボサの髪の毛でパパが起き上がります。むふふ、あの頃は完璧なスパダリ！　みたいだったトレーナーさんが、アタシの前ではこんなに無防備なパパになっちゃってるんですから、いやはや、分からないものですな〜。

「それじゃ、いただきましょう！」
『いただきまーす』

　――そんなこんなで朝ごはんを食べ終えたら、今度は娘ちゃんたちの保育園の準備！

「ママ〜ぬがして〜」
「はいはい」
「ママ……くつしたはかせて……」
「良いでしょう！」

　そんな感じで娘ちゃんたちのお着替えを手伝ったり持ち物を揃えていると、髪をセットしてスーツを着込んだパパがカバンを持って玄関に向かいます。

「あ、パパ行ってらっしゃい！　任務頑張ってください〜！　敬礼っ！」
　アタシも玄関に向かって見送ろうとすると、パパはあははと頬をかいて笑います。
「ああ、頑張ってくるよ。それじゃ、行ってきます」

　――チュッ。

「はわっ……。……えへへ、行ってらっしゃいませ！」
　パパからいつもの行ってきますのちゅーをして貰います。少し照れちゃいますが、やっぱり嬉しいものですな。

「さーて娘ちゃんたち！　保育園に行きますよ〜！」
「ん……はーい」

　そうして娘ちゃんを自転車で保育園に送り届けて、デジたんの朝は終わるのでした。

――――――

　とある日の夕方。仕事の原稿を仕上げていると玄関が開く音がします。

「ただいまー」
「ママただいまー」
「ただいま……」

　どうやらパパたちが買い物から帰ってきたみたいです。お部屋から少し顔を出しておかえりなさいをすると、私はまた原稿作業に戻ります。
　いやぁ、ちょっと締め切りキツめなんですよねー。はてさてどうしたものか……。

　きゃっきゃ。
　娘ちゃんたちがはしゃいでる声がします。
　う、うーー。かわいい娘ちゃんたちの姿をずっと収めていたい……！　でもお仕事はしないといけない……！
　なので、出来る限り早く仕事を終えられるようにより一層作業に集中するのでした。

　……。
　…………。
　………………。

　――……ふう、どうにか一通り作業を終えてひと息つきます。
　時間を見ればもう夜8時。かなり時間がかかっちゃいましたね……。

　そんな風なことを考えていると、パパの声がお家に響きます。

「ご飯にするよー」
　……はい、朝ごはんは私の仕事ですが、夕ごはんは大体お外に出て買い物できるパパの仕事です。
　しかしなんとか夕ごはんには間に合いましたね……良かった良かったと胸を撫でおろして、お部屋を出るとそこには――。

「――わ、わぁ……！」
　そこには、テーブルいっぱいの豪華な料理……！　しかもよく見ればあれも、これも、全部デジたんの好物ばかり……！
「えっ、えっ？　な、何かのお祝いですか！？」
「……じゃあ、せーの」
「……？」

『ママ、いつもありがとう！！』
「ぇっ……ちょえぇええ……！！？」

「ほら、今日は母の日だろう？」
　そう言われて、そういえばと思い出す。……って、ことは……これ、全部デジたんの為に……？？

「ママのすきなものいっぱいよーいしたんだよ！」
「ママ、ありがと……」
「ひょえぇ……そ、そんなアタシ……買い物とかごはんとか全部パパにまかせてるのに……？？」
「いやいや、いつもママいつも頑張ってくれてるじゃん」
　パパが優しく微笑みます。う、うぅ……デジたん……幸せものだぁ……(泣)

「……それからこれも」
「えっ……？」
　そう言って差し出されたのは、一本の赤いお花。これは、確か――。

「母の日だからね。綺麗だろ、カーネーションだよ。いつも頑張って、いつまでも綺麗なキミにはピッタリだ」
「と、トレーナーしゃん……っ！」
　トレーナーさんの優しくてカッコいい笑顔が、視界が潤んでしまって……っ……！　顔が熱くなってしまって……っ……！

「うぁーーん、トレーナーしゃんーー」
「あー！　またパパのことトレーナーさんって言ってる〜」
「はははっ」

　そうしてとってもステキなサプライズを貰ってアタシは、この幸せを噛みしめるのでした。

おわり