「じゃじゃーん、見てよトレちゃん〜」
「ん？　どうしたんだトラン」
　通い慣れたトレーナー室。パソコンに向かっていたトレちゃんの視線がこっちに向く。
「ふっふっふー、ニューギア、手に入れちゃったんだよね〜どこが変わったと思う〜？」
　はてさて、トレちゃんはウチの変化に気付くでしょうか？

「ん？　んー……あっ、メガネを変えたのか！　よく似合ってるぞ、トラン」
「へへっ、流石トレちゃーん大正解〜♪　ありがとねん♪　……でも、これ。ただのメガネじゃあ無いんだよね〜」
　そう言って、メガネについたボタンをポチりと押す。
　すると、メガネのレンズにぴぴぴとデータが浮かび上がる。
「お、なんか光ってるな。もしかして……」
「そ、これ。データを測定できるメガネなんだよね〜」
「“シネマガン”の応用か？　どっかの戦闘民族とか、少年探偵みたいだな！」
　うんうん、分かるよ〜ウチも完成した時連想しちゃったもん。

「それにしても……へー、凄いな……データが見えるメガネか……。……ところで、何のデータが見れるんだ？」
　その質問を待ってましたと、トレちゃんにメガネを向けてデータを測る。
「ふっふっふー、気になる？　気になるよね〜」
「もったいぶらずに教えてくれよ、トラン」
「まあまあ、待ちなさいな。今データを取って……」
　ピッ。
　メガネから電子音が鳴り、数値がレンズに表示される。その数値は……。
「ふーん、206%か〜」
「えっ何？　何の数値それ……！？」
「ふ〜ん？　ふ〜ん……♪　そっかそっか〜♪」
　トレちゃんの数値に満足しながら、意味ありげにトレちゃんの前でニヤニヤしてみせる。ふふ、トレちゃん焦ってる〜♪
「待ってこわいこわい、何の数字か教えてくれよ」
「ふふーん、それじゃあ教えてしんぜよう。実はこのメガネ……装着者への“好感度”を測るメガネ、でした〜♪」
「好感度を測るメガネ……？」
「そ、だからウチに対してのトレちゃんの好感度は206%ってこと。……ウチのこと好き過ぎか〜？？」
「んなっ……！？」

　ふふっ、トレちゃん焦ってる焦ってる〜……♪　でも、そんなにウチのこと好きだったんだねぇ。いやまあ当然か。
「へへっ、それじゃあトレちゃんの次のデータは……」
「ちょっと待ったぁ！」
　っ！　トレちゃんが急に近づいてきて、おニューのメガネを奪い取ってくる。コイツ……！　油断した！

「キミだけが一方的に見るなんて不公平だろ。俺にも使わせろ」
「あっちょっと！」
　トレちゃんがメガネを装着して縁のボタンをポチッと押し込む。するとさっきのようにレンズが光りぴぴぴとなって、レンズにデータが映し出される。

「……320%……。なんだ、壊れてるのか……？」
「〜〜〜！」
「おわっ！」
　呆けてるトレちゃんからメガネをひったくり返そうとしたのだけれど失敗。なんでこんな時だけ反応速度良いんだよ。
「……あー、これ“ガチ”ってことか。なんだよ、人のこと言えないじゃんかお前」
「〜〜！　うるさいなぁ〜」
「いや、てか320%って。好き過ぎじゃない？？」
「ええい！　こら、返せウチのメガネ〜！」
　ひょい、ひょいとトレちゃんはウチの攻撃をかわしながらこちらをからかってくる。なんなんだ、ほんともう……！

「はは、結構面白いメガネだな、これ。他にもなんか機能あるんかな……？」
「いや、ちょっ……！　勝手に触んなし！」
「うーん、ここかな？」
　トレちゃんが反対側の縁のボタンをピピッと鳴らす。
「あっちょっ！」
「…………ん、なんだ……？　25回……？」
「〜〜〜〜！！」
　パシン。トレちゃんから力づくでメガネを強奪する。これ以上、トレちゃんに色々バレる前に何とか奪い去れた……っ！

「えっ、何？　今の数字。ねえ、ちょっと……」
「…………教えない」
「えーっ！？　なんだよそれ、気になるじゃんか」
「絶対教えてなんてやらないもんね〜！」
「なんだよー！？　教えてくれよー！！」

　肩を掴んでゆさゆさしてくるトレちゃんをシカトして、さっきのメガネをかけてウチも反対側のボタンをポチッと押す。

「…………月に15回。なるほどなるほど」
「えっ、何……！？」
「ふーん、2日に1回とか3日に1回のペースか。ふーん……♪」
「えっ何！？　何を見たの！？　ちょっとトラン……？　トラン！？」
　ふふーん、慌てふためくトレちゃん。でも教えてあげないよーん♪
　……まあ、教えてあげても良かったんだけど、ウチの“回数”も見られちゃった訳だし……。ちょーっと流石に自爆特攻は勘弁って感じで。

　……とまあ、そんなこんなでトレちゃんの追撃をひらりとかわしつつ、ウチは暫くトレちゃんをこのネタでいっぱいからかうのでした。
おわり