執事の仕事は、主の世話をすること。 ‥‥それだけで済むのなら良いのだが、そういう訳にもいかない。 妹達がメイドとして主の世話を出来るよう、フォローする仕事もある。 「はぁ、今日は疲れました」 何があろうと常に表情は崩さない、それが私の望む執事像。 とはいえ、あちこちが滅茶苦茶になり、疲労困憊な状態には違いない。 普段から感情を表に出さないようにしているのも、こういう時は辛いものだ。 自室に戻り、ベッドに倒れ込もうとして、服に皺が寄る事に気が付き、先に服を脱ぐ。 「先に湯浴みしてしまいましょうか‥‥」 脱いだ服を畳み、机の上に置くと、そのまま浴室へ。 個室と浴室を用意してくれている主に感謝しながら、身体を流す。 「ふぅ‥‥」 湯船に浸かりながら、今日の事を思い出す。 お客人。 すなわちこの城を攻め落とす為に来ている騎士様と、私の主は宿敵‥‥と言うには仲が良すぎる気もするが、とにかく敵同士だ。 騎士様はこの城の罠や従者を攻略し、主の元に向かい、主はそれを迎え撃つ。 いつも通りと言えばそれまでだし、多いに結構なのだけれど、毎度毎度罠や闘いの跡の修繕等、どうしても疲れが溜まってしまう。 今回もまた、主の負け。 再戦を誓って帰っていった騎士様に、悔しそうにする主。 普段の無気力な姿を見ている辺り、本当に主は彼女と競うのが好きなのだろう、と思う。 まあ、前二回は大分間抜けな理由で、戦う前から負けていたらしいけど。 湯が、今日の闘いで薄く切り傷の付いた私の肌に染みる。 じん、と滲むその感覚に身を捩らせながら、ぼんやりと天井を見上げる。 最初の頃は、騎士様も完全に私達を討伐するつもりだったらしく、攻撃も苛烈だった。 妹達が粉々にされたのを見たときは流石に肝が冷えたし、私も手足を砕かれた。 主が修繕してくれたお陰で、今もこうしていられるが、それでもあの時の感覚はまだ記憶に残っている。 四肢を失い、ごろりと床に転がって、主の元へ敵が向かうのを見ているしか出来ない無力な自分。 今では騎士様は、主の招待状を受け取り、遊びに来るかのような気軽さで城に入ってくるようになった。 やたらと強いのは変わらないけれど、私達と戦う前に、軽く雑談すらするようになったし、倒し方も随分と優しくなった。 ‥‥彼女は今回、私の持つ茶器を壊さないように倒す、という縛りの中で戦っていたらしい。 武器である茶器を取り上げられ、使い魔も呼べないように。 服を切り刻まれて羽根を城の罠で固定され、吊るされて身動きが取れなくなり、それでおしまい。 なるべく傷付けないように、とは言っているけれど、どんどん無力化の方法が辱めるようなやり方になっている気がするのは、きっと気のせいではない筈だ。 最初の、冷たくてただ相手を打ち倒す事しか考えていなかった瞳とは異なり、 今の彼女の目からは、戦いを若干楽しんでいるような感情は感じるけれど、そこに殺意は見えない。 何度も復活して、今回は負けないと意地を張る主と、それを真正面から攻略しに来る騎士様。 敵同士ではあるけれど、互いに競い合うような、そんな関係になったように思う。 友人と言うのも変な話だが、主が楽しそうに彼女と闘う姿を見ていると、少しだけ微笑ましく思えてしまう。 だが、騎士様と何度も戦う内に、私の中で酷く醜い欲が生まれた。 じん、と滲む傷跡の痛みが疼き出す。 「っ‥‥!」 ぶるり、と身体を震わせる。 熱を帯びた吐息を漏らしながら、そっと下腹部に手を伸ばす。 「ん‥‥ぅ」 既にそこは潤んでいて、指先で触れるだけでじわりとした快感が広がる。 いけないことなのに、止められない。 何度も何度も、力の差を思い知らされながら負け続ける。 治された物も含めて、身体中に刻まれた無数の傷跡を思い出せば思いだす程、身体の奥から甘い痺れが広がっていく。 「はぁ‥‥あ‥‥っ」 熱い吐息と共に漏れ出る声を抑えられない。 敗北し、手足を砕かれた最初のあの時。 屈辱と恐怖しかなかったはずなのに、いつの間にかあの時の記憶を思い出す度、胎の奥が切なくなるようになってしまった。 「ふ‥‥う‥‥っ」 指先が秘所に触れる度に、びくりと身体が震える。 こんな事をしていては駄目だ、と思っていても、もう止める事は出来ない。 ぬち、と音を立てながら蜜壷へと指が沈んでゆく。 負けて、手足を砕かれ、抵抗できずに良い様にされるのを想像しながら、自分を慰める事が癖になってしまっている。 「あ‥‥あっ‥‥」 ぬぷぬぷと、自分の中に入って行く指先を見る度、罪悪感が募っていく。 でも、一度始めてしまえば、自分ではどうしようもない。 「ふぅぅ‥‥、ふぅぅっ‥‥」 ゆっくりと奥まで差し込んだ指を、引き抜いてまた押し込む。 湯舟の中が、私の愛液で汚れていってしまっている。 恥ずかしさと気持ちよさが混ざった感情が、更に興奮を高めていく。 脚ががくがくと震え、力が抜けそうになる。 「あ‥‥ああ‥‥ああっ!」 だらしない顔を晒し、大きく仰け反って絶頂する。 湯舟が揺れ、ざぶんと大きな音と共に、頭の中が真っ白になり、全身に快楽が駆け巡る。 「はー‥‥はー‥‥っ‥‥ぁ」 どうやら今日は一回では満足出来なかったらしく、二度三度と続けて達してしまった。 お腹の中に溜まった熱を吐き出そうと、深い呼吸を繰り返す。 湯船の中で座り込み、肩で息をしながらぼんやりと天井を見上げる。 まだ頭の中には火花が散っているみたいで、上手く考えられない。 ぼうっとしたまま、しばらく天井を見つめていたが、 まだぐずぐずと疼く下半身を鎮めようと、自らの尻尾を秘裂へと導く。 「んっ‥‥」 つぷり、と先端を沈めれば、それだけで背筋にぞくりとしたものが走る。 そのままゆっくり尾を動かせば、柔らかく温かい肉に包まれた尻尾が、心地よく締め付けられる。 一番奥まで入れたまま、ぐりぐりとかき回す様に動かしたり、 抜き取る瞬間に入口付近を引っ掻いたりすれば、その度に甘い感覚が脳天にまで響く。 犬のように舌を出し、荒く息をする自分が嫌になる。 だけど、どうしてもこの行為を止める事が出来ない。 「はぁっ‥‥はぁっ‥‥!」 ばしゃり、とお湯が跳ねる音がする。 身体を動かす度に、お湯が波打ち、ちゃぽちゃぽと風呂のお湯が跳ねる音が響く。 「はっ‥‥はっ‥‥!」 まるで獣のような息遣いで、何度も何度も身体を震わせて達してしまう。 執事としての仕事の為、物を掴める程に器用に仕上げた尾が、今はただ快楽を貪る為だけの道具になっている。 その事実が、一層私の羞恥心を煽る。 「んぅぅ‥‥! はぁ‥‥あ‥‥んんっ!」 ぎゅっと目を瞑って、唇を噛みながら、押し寄せる快感に身を捩らせる。 手持ち無沙汰になった手が、快楽を求めて胸元に伸びる。 刺激を求め、、少し強めに乳房を揉みほぐし、乳輪をひっかく。 「んっ‥‥んんっ‥‥!!」 その瞬間、ぴりっとした痛みにも似た快感が走り、思わず声を上げてしまう。 同時に、きゅうぅ、と膣内が収縮し、尻尾を強く抱きしめるように絡みつく。 自らの雌肉の感触を感じてしまい、びくんと身体が震える。 「あ‥‥あ‥‥っ」 ようやく満足出来たのか、ずるりと秘所から引き抜かれる尻尾。 のろのろと湯舟から立ち上がり、湯舟を洗う。 乱暴に冷水で身体を洗い、身体の火照りを落とし、雌の匂いを流す。 「‥‥よし」 パチンと頬を叩き、気持ちを入れ直す。 負けを求めるはしたない雌は終わり。 いつも通りの自分に戻り、執事としての仮面を被る。 執事として造られた筈なのに、内側に別の顔が隠れているなんて。 一つため息を吐き、今日はベッドで休む事にした。