私のぬいぐるみがトレーナー室に飾られるようになって何年が過ぎただろう。
埃がかぶることも無く、そいつはトレーナーの机のあちこちを行き来していた。
見当たらないと思ったらトレーナーが手持ち無沙汰に揉み解している時もあった。
何年も一緒のトレーナー室、増えていくトロフィーや盾の上に、そいつはよく鎮座していた。
そして私のぬいぐるみが昔の私のぬいぐるみとなった頃、彼にその子を貸してもらった。
年季が入っているから手入れをしたいと言ったら、彼は目を丸くして驚いて言った。
壊すなよ？ちゃんと返せよ？
任せておきなさいと返事をしてそっと鞄に入れて持ち帰る。乙女を舐めてもらっては困るのだ。

自室で裁縫道具を取り出し、補修作業はあっという間に終わった。
よし、と小さな私を撫でると、ふわりと彼の香りがした。
初めて私のぬいぐるみが発売された時、いの一番に買って見せてくれた事を思い出す。
あの時は私が彼の膝に座り、この子が私の膝に座り、二人で撫で回していたっけ。
気付けば彼の膝に座ることも少なくなった。まぁ色々と大きくなってしまったし。
昔の私がちょっと羨ましいなと思い、その感情に頬が熱くなる。
誤魔化そうとぬいぐるみを抱きかかえてベッドに転がると、彼の香りが広がって落ち着く。
布団を被り目を瞑り、柔らかな彼の香りに頬擦りをする。
暫くこの子は預かっていよう。ちゃんと返すけど…お手入れは時間がかかるもん。
そして私の香りを彼に抱いてもらおう。頼んだぞ小さな私。
返事をしないぬいぐるみを揉み解し、彼にも同じように悪戯してやろうと決意した。

俺は闇のトレーナー
ぬいぐるみに遅効性の嫉妬をする大人ターボが見たかったんで書いた
コロナの予防接種撃ってなんかダルいので失礼する