(前略) エルモ号の食堂の一角、食後の歓談するエリンダ。背筋を伸ばしてスツールに座っていたが、徐々に落ち着きがなくなり、いまでは足を何度も組み替えている。……そろそろだろう。 「……あの、失礼ですがお手洗いをお借りします。」慇懃に断って立ち上がろうとする。それを私は制する。 「今はトイレに行かない方がいい。」「? それはお手洗いが壊れているという意味でしょうか?」彼女の顔に不安そうな色が過ぎる。 「君の為を思っての忠告だ。ところで"それ"は大か?小か?」「何をフザけたことを…冗談になっていません。壊れていないなら使わせて貰いますよ。」焦りと怒りが眉間で衝突し、深い皺が寄る。 「トイレを使うのは構わないけど、メンタルも一緒に出ていっちゃうから、止めたほうがいいって言ってるの。」「は? さっきから言っている意味が分かりません。」「何となく感じてるでしょ? 意識の重心が素体の下の方に降っていると言うか……そうね、試しにコアの容量を見てみなさい。」 呆然、そして驚き、徐々に怒りとエリンダの表情が変わる。「お前……私に一体何を……」 「ちょっと新しいナノマシン製剤をね。」「貴様ァ!」 小柄な素体が私に掴みかかる。「やっぱりこんな怪しい賞金稼ぎ信用すべきじゃなかった!」「そんなに動いて大丈夫?」 襟首を掴んでいた手を離し、ハッとして下腹部を押さえる。どちらにせよもう長くは保たないだろう。「その花瓶に出しておけば、メンタルだけは保存される。バックアップなんて取れてないんだろう?」「貴様ァ…」エリンダが大きな造花の瓶を一瞥すると、一段と目つきが険しくなる。 「絶対に許さないからな…!もし素体に戻れたら、真っ先にお前を殺す。」「楽しみにしてるよ。」もう相当メンタルが吸い出されたはずだ。今の彼女に満足に素体を動かす力はない。できるのは、ただ便意に耐えながらゆっくりと下着を脱ぎ、花瓶の口に腰を下ろすことだけだ。 今やエリンダは視線だけで人を殺せそうなくらいに私を睨みつけている。しかしその素体はスカートをたくし上げ、花瓶の上にしゃがみ込んでいる。人間にとっては最も無防備な姿勢だ。 「ぐうう……っ!!!」放屁、続いて放尿。汚らしい破裂音とささやかな水音が、エリンダの喘ぎ声の間に響く。そして間髪入れずに、脱糞。 「ぉおっ…おおおお???!!!」メンタルゼリーが勢い良くひり出される。瞳と同じ淡いブルーのゼリーが、隆起した肛門から、どぼどぼと花瓶に注がれる。「ほぉぉお"お"お"ッ……オッ……」 ゼリーは花瓶の口から溢れ出し床に広がる。すっかりめくれ上がった肛門のひだから、最後の一滴が落ちた。そうしてエリンダの素体は、憤怒と羞恥と快感とが入り混じった表情のまま完全に静止した。 「……ああセンタウレイシー? こっちは終わったから、綺麗に整えて私室に運んでおいてくれ。床にこぼれたゼリーも掃除せずにちゃんと保存しておいてくれ。」 おわれ