「――刻限です。第1209回聖会議を執り行います」 異端による反乱の次の日。 神の力を宿すもエスペランサ、ヴェルモットは禁足の神の力に膝をつき、大聖堂は聖罰隊により制圧。 聖堂に踏み入った異教徒達は皆捕らえられ、大聖堂では昨日の事が嘘のように、その裁きを下す会議が規則通り行われていた。 「教皇・ミラリア様。お定めください」 「9分」 変わらず、過たず、繰り返す。 火種となる存在の■によって記憶が書き換わった教皇ミラリアのルーティンは変わらない。 「厳正に進めます。第一地区、報告。」 「はっ!」 「5秒」 「……!?で、ですが……」 異端達の突然の一斉蜂起。 顛末や今後の対応を相談するには余りに短い刻限に、困惑する佐官だったが、 その様子を見てミラリアは小さく「はあ」、とため息を吐き、機械的に続ける。 「第八地区まで報告不要ですわ。全地区の異端教徒達を明日までに本聖堂へ集める事。 ――本題に移りますわ。ここに、本聖堂に立ち入った異端教徒達を」 「はっ!」 数秒もの間に、会堂の扉が開き円卓の中央へ異端達は押し込まれた。 「くそっ……!俺達をどうするつもりだ!」 彼らの身体には例外なく、2つの枷が嵌められていた。 1つは踵の付け根に。両の踵を揃え、つま先をまっすぐに。 1つは手首に。手を背後に回す。 この世界では誰もが知っている「祈りの作法」を再現するための、異教徒専用の拘束具である。 「これより、異端に染まった者達を御する改教の儀を執り行いますわ。 ――1名、妾の前へ」 聖教徒に選ばれた男が一人、乱暴にミラリアの前へと転がり出される。 が、目前の男には一瞥もくれず、ミラリアは自らの靴を脱ぎ裸の踵を曝け出す。 「1分」 「……なっ!?」 定刻の宣言を行い、ミラリアは男の衣服を器用につま先で引きずり下ろす。 露わになった男性器を冷たい目で眺めながら、ミラリアは教義を続けた。 「我らの神、禁足の神よ。願いへ導く足跡を、我らの前に現れ給え」 「っ……ぐぅ……っ!」 親指とその隣の指で擦られ、徐々に大きくなっていく男性器。 先端からは透明な液体が湧き出し、透き通るような声で手本通りに読み上げられる祈りと反対に、卑猥な水音が会堂に鳴り響く。 「……異端。其の胸にある願いは――」 「うぅ……俺……おれは……!」 徐々につま先のスピードを早め、細めた目で男性器を見下すミラリア。 その加虐的な顔がトドメとなり、男はついに叫びをあげた。 「イ、イきたい!!イかせてくださいっ!!禁足様ぁ!!」 「――吐精なさい」 その命令とともに踵で踏み均され、男性器から勢いよく白濁の液体が吐き出される。 会堂に響く叫び声が止んだとき、ぐったりと項垂れた男は、男の両踵は揃えられ、手は背後に。 ただぶつぶつと祈りを呟く敬虔な教徒へと元通りになっていた。 「――次。45(ヨンゴ)秒」 「……ひっ!嫌だ!俺には病気の妻が……!」 ミラリアは冷たく先ほどよりも短い定刻で改教宣言する。 衣服を脱がした男の男性器は既にパンパンに腫れ上がっていた。 「我らの神、禁足の神よ。願いへ導く足跡を、我らの前に現れ給え。 ――其の胸にある願いは」 「――――っ!!」 先の男の精液によって汚れたつま先を口に入れられながら男性器を擦られ、声も出せずに吐精するアンソニー。 二人目の改教済みの異端が生まれるまで、ミラリアの定めた刻は要さなかった。 「――次。30秒。 我らの神、禁足の神よ。願いへ導く足跡を、我らの前に現れ給え。 ――其の胸にある願いは。 ――次。20秒。 我らの神、禁足の神よ。願いへ導く足跡を、我らの前に現れ給え。 ――其の胸にある願いは。 ――次。15秒。 我らの神、禁足の神よ――」 衣服の上から擦られ。顔に踵を乗せられ。つま先の香りだけで。 次々と聖教徒が生まれていく。 これこそがミラリアの語る、「熾った火をかき消す方法」だった。 「――他に何もありませんわね?では」 9分後。両の手の指ほど異端達は、皆例外なく聖教徒へと変わっていた。 「教皇様!……この異端達は今後どのように?」 「異端ではなく、聖教徒ですわ。彼らにはもう、禁足様への祈り以外考えられませんもの。 元の区画の元の住まいへ戻すように」 「は、はぁ……」 終までミラリアは異端達とは目を合わさず、会堂を立ち去った。 神の奇跡に触れた元・異端はより一層敬虔な教徒となり、聖教の定めた幸福な在り方を守り続ける。 終わりなき世界は、この先も廻ることなく歩み続ける。 神たる存在の足に踏み均されることによって。