25/09/18(木)22:38:55No.1354536408 「必ず貴方を無事に脱出させてみせます!」 あなたは初めて無力を憎んだ 不慮の事故によって『キスしなければ出られない部屋』に入り込んでしまったあなたとネーサ・マオであったが マオは一度もキスの提案をせず、部屋から出る方法を模索している 当然だ。マオにとってあなたは守るべき対象だ その尊厳は一切侵されざるべきと考えているから、必死になって工夫を重ねている 対等ではない事がひどく悔しくて、あなたは歯噛みする 格が違えば男ですらない。邪魔にならないよう、お客様らしく縮こまる 「はあっ!やった、開きましたよ!さあ脱出しましょう!」 力が欲しかった この人に男として見られたいと、強く思った 25/09/18(木)23:04:31No.1354545585 「あ、あんな部屋もありましたっけね!」 屈辱、反抗心は人を劇的に変える。あなたは強くなり勤勉になった 上位冒険者の堅苦しい業務にも耐えて、ごく限られたS級冒険者であるネーサ・マオの足元まで辿り着いた ランクが近付く程に共闘する機会も得られ、実力と人となりを再評価された瞬間の達成感は言葉にならなかった あなたはマオにとってお客様ではなくなった。同じ視点で世界を見る相手になれた その上で。今、偶然にも『キスしなければ出られない部屋』の側にいる 「危険ですから!入らない方が良いでしょう!さあ行きましょう!さあさあ!」 少なくとも、キスを検討する相手として考えられているというのは 弾けてしまいそうな嬉しさが、思考を埋め尽くしてしまった ずんずんと先を行くマオの耳も、あなたと同じように赤く染まっているのが見えていて 居ても立っても居られず、あなたはガッツポーズした 25/09/26(金)22:37:40No.1357097748 「いや…でも…やっぱり待って!!」 鍛錬のペア探しにも苦労する。マオは冒険者の最上位であり、あなたもまた同じ視座に辿り着いた 同等な相手が手近にいるのだから、自然鍛錬の相手として選ぶ事になる。だがそこでマオが渋った 今ではあなたにもわかる。マオにとって冒険は人生を費やす価値があり、鍛錬はそのために血肉を育む行い そこに異性を…守るべき相手でも住む世界の違う存在でもない、目線の合う相手を混ぜると言うのは 自らの中に男を取り込むが如き意味を持つ。動揺する気持ちをあなたは良く認識していて、だからこそ申し出ている 冒険に、マオの世界に加わりたい。だからあなたは一歩踏み込む。やろう、と 「う、うぁ…………あ、ぇ、う……わ、わかった…やる…」 赤面し、視線を彷徨わせ、小さく身体を丸める様のなんと愛らしい事か!そんな反応を引き出せたばかりか、了承を得られた事にあなたは歓喜し…直後襲い来る攻撃を躱す 流石はマオと感嘆し、だから好きなのだと胸を熱くする。羞恥はそのまま闘争へ機能する彼女の一部になり、また彼女を自分の一部にするため、あなたは油断なく得物を構えた… 25/09/27(土)00:36:18No.1357138225 大怨魔霊マケフィ・ロウィンの討伐こそは、ネーサ・マオ最大の功績であったが その時からマオは知らず呪いに侵されていた。それこそは恋愛非成就 「こ、おっ、ん、のぉぉ~っ!!」 あなたとマオの精神的距離が縮まる内に、物理的な斥力となってあなたとマオの間に立ちふさがったのだ 恐ろしく強く、しかもあなたに対しては何やら他の女性へ向けた引力まで発生している。邪魔極まりない障壁 しかし、マオは冒険者の最上位である。そしてあなたも同じ視座に立っている。危険を冒してこそ職名を表すならば 「こんなっ!ものに!まっけっるっかぁ~~~~っ!!!!!」 マオだけならば、届かなかっただろう。あなただけでは、詰めきれなかっただろう。二人の力だから、僅か一時であっても呪いを突き破り得る 反発力によって周囲へ激しい破裂音を立てながら、あなたとマオは抱き合った 「ぐっ……!ぐぐ……っ、う!今日は、じ、10秒……あぁっ!!」 たった10秒の密着で限界を迎え、逆方向へ強烈に弾け飛ぶ 不本意な別れ際、昨日より1秒触れ合いの時間を増やした事をハンドサインで称え合い 支度が済み次第呪いの元凶を必ず断つと誓ったのだった 25/09/28(日)00:26:04No.1357482217 激しい攻防の末、マオはついに呼び捨てられる権利を手にした さん付けを譲らず、模擬戦までもつれこんだあなたであったが、意欲十分のマオには押し切られてしまった 呼びたくない事など無い。ただ恥ずかしく、それも敗れてまで意地を張るべきではない 「ネーサ」 「はい……っ」 敬称も愛称も付けず、名前をそのまま呼ぶ、呼ばれる。それだけで決定的に関係性が変わったと感じる ネーサは口をモゴモゴさせ、視線をあちこちに彷徨わせてから、再びあなたに呼び捨てを要求した 「ネーサ」 「うん!」 呼び捨てられる感覚に慣れてきたのか、二度目のネーサは少し余裕を見せ、頬を赤く染めながらあなたを見つめ返す 三度ねだると、あなたの方が首まで朱に染めて粘るが、繰り返し要求されるとやはり折れて 「……ネーサっ」 「……ん」 耳を澄ませて、あなたが呼ぶ名前の響きを味わうまで成長してみせた これがS級冒険者の力かなどと、場違いな感動を覚えつつ、あなたはひどく照れくさい行為を何度も何度もするハメになった… 25/09/28(日)00:57:07No.1357492443 恋愛にうつつを抜かせば仕事の能率が落ちる。これは最早常識であったが S級冒険者ネーサ・マオはそのような枠に収まる器ではなかった 「最近なんだか一日中楽しくって!」 朗らかに語りながら同行者へ迫る白刃を退け、笑顔のまま敵を蹴倒す 夢見心地の足取りは地を踏み外す事もなく、現実を見ているか怪しい瞳が死角すら見通す 勘は鋭さを増し、剣技の冴えなど以前のネーサ比で三倍はあろうかという鋭さ 彼女は生き甲斐が増える程に強くなる人種であった。恋情を燃やし、同時に冒険への情熱を昂らせ、人生が他の百倍ばかりの速度で充実していく 「あぁ!早く会いたいなぁ!」 歌うように軽やかで、幸せに満ちた声を上げる。地位故の仕事と、冒険者の本分、そこに恋想う相手との時間が加わって、どれかを煩わしく感じても良い所なのに ネーサ・マオは輝いている。幻覚に酔うようなまやかしは彼女に効かないのだから、心の底から満たされている 迂闊に正対すれば目が潰れそうに錯覚する、恋の光が放たれていた 25/09/28(日)21:41:24No.1357816701 一緒に仕事をする時間とは、もうデートなのだった 性能を損なわない程度にワンポイントのアクセサリーを添えて、ネーサはそれはもう浮かれ気分であなたとの冒険に出かける 見れば誰でも分かるし、例え目が見えなくても声色で分かる程にあからさまな恋だった 「さあ、行こ!」 浮き上がってしまいそうなくらい軽いステップを踏んで、ネーサはあなたと共に出発する 待ち受ける未知と危険。そこへ挑む務めに元より不満など無く、だのにあなたを伴って良いのかとさえネーサは思っている 二人きりなのだ。道中好きなだけ話していられるし、見つめ合っていられるし、沈黙を楽しむ事も出来る そして心を結んで冒険に挑む事まで出来てしまう。子供様昼食でさえここまで全盛りになった所は見た覚えがない 会えない時間が幸せで、会える時間が幸せで、一緒にいられるのは特に幸せで ネーサ・マオはほとんど無敵状態なのだった そして危難が訪れると、ネーサとあなたは無言で戦闘態勢に入る 一糸乱れぬ動きが小さな胸をときめかせ、恋に浸りながら以前の三倍の速さで敵を退けたのだった 25/09/28(日)22:39:00No.1357842666 晒した肌を見られていると気付いたのは何時の事だったか あなたの視線が不意に滑ると、二の腕や太腿へ注がれているをの感じ取り、ネーサは赤面した 「…………っ!……っ……!」 しかし、指摘は出来なかった。あなたが向ける邪と言って良い視線に、ネーサは感じるものがあったからだ スカートとニーソックスの間で露わになっている部分を見つめられている。それは 嫌ではないし、むしろ…………ネーサは真剣に、装備の一新を検討した 「いえ、でも……流石にこれは!」 要望を受けた訳でもないのに、肌を晒しすぎれば痴女である ネーサは言うまでもなくサキュバスではない。誰も彼もに見られたい訳ではないのだから、着替え案は取りやめとなった 結果、何も変わらない日が続く あなたの目がついと下へ流れて、胸元から動かなくなると、ネーサは指摘する事も身を庇う事も出来ず 眉をハの字にして、覗かれるに任せる日であった これだと一方的に色欲が溢れているようだが、ネーサもまたあなたの首筋や耳、鎖骨などを隙あらば覗いている そしてあなたに気付かれていないと思っているのだった 25/09/29(月)22:19:22No.1358165216No.1358165216 視線を読む。気配を読み、体捌きを読む。 力の流れを見切り、刃を合わせて、弾き合う中でも意識を向け続ける これはもう、鍛錬と銘打っているだけの■行為に匹敵するのではないかと、ネーサは思っている所だった 「はっ!そこ、えぇい!」 剣を振るい、躱されて。剣を構え、受け止めて あなたがネーサを狙い、ネーサがあなたを狙う。その結実は打破という形になるのだが 力を注ぎ込み、技を尽くす。目の前に立ちはだかる、ただ一人を想い駆ける 同等の相手と打ち合う昂りも、互いに知り尽くしたが故の見切りも まるで裸になって、全てを曝け出してしまっているような錯覚 そこに打ち込みが来て、打ち返して。全身を衝撃が駆け抜けていけば 「…………っ!」 ネーサ・マオは、はしたなくも生唾を飲み込んだ その上で切っ先は速く重く、並び立つため鍛錬を重ねたあなたをして、勝敗の比率は大きくネーサへ傾いていた 上気したネーサの美しさに、あなたが度々目を奪われそうになるせいでもあったが ネーサもあなたを見て、小さな胸を高鳴らせているため、言い訳には使えなかった 25/09/29(月)22:34:24No.1358172804No.1358172804 それこそお姉様の親が許すなら勝手にまとめても何ら問題はないと考えられる 一方的に怪文書を投げてる立場なので俺は権利を放棄しておく なりすましだと思われても困るので簡便に文も添えておく 勝者の権利を行使しても良いとあなたに言われれば、ネーサは喜び小ジャンプを繰り返してしまうのだった 模擬戦に勝っただけの事でそんなにも好きにさせてくれるから、頬は釣り上がり笑みの形で固定されてしまう にこやか極まったS級冒険者は、もう公私共に明らかな親密さの相手を伴い、昼の街に消えていった… 二人して武器防具を眺め、互いを着せ替え人形にして服を買い足し、仲睦まじく食事する所を多数の冒険者に目撃されたという 25/09/30(火)21:57:16No.1358484123No.1358484123 何はともあれマケフィ・ロウィンは滅ぼすべきである ネーサ・マオは大怨魔霊マケフィ・ロウィンを討伐した。その時より今日まで呪われ続けている かつてのネーサは被害者達の嘆きを聞き、討たなければと義務によって戦った だが今、ネーサは個人の怒りに燃えている 呪いの解析が進むにつれ、整った顔は険しく歪み、詳細が明らかになる頃には完全な怒りが浮かんでいた 親密になる程遠ざけようとする働き。心を引き離し、身体を引き離し、まだ抗うならば殺害してでも ネーサが極めて強力な冒険者であるから、無事でいられるだけで ネーサの想い人が一途に想ってくれているから、離れずにいられるだけで 呪いと言えど生かしておけぬ。壮絶な、ネーサを良く知るオトーでさえ見た事の無い激怒を露わにした姿 ネーサが悲しむ事を願わない人がいる。あなたが、あなたと出会う以前から、オトーが、多くの仲間や友人、家族。 親愛を、友愛を、恋愛を。ネーサが繋いできた多くの愛を踏み躙り泥を塗りたくる呪いだ 例え大怨魔霊へ至るまで、怨念を抱えて死んだ某が哀れであっても。既に死して変じた、悪害振りまく者は決して許さない 25/10/01(水)22:44:30No.1358791976No.1358791976 ネーサの誤算は、呪いを掛けた犯人である大怨魔霊マケフィ・ロウィンが復活していた事 一度討伐した相手であり、呪いを残し消滅したと思っていただけに、霊が蘇生(と言って良いのか)を果たした事に驚きがあった そしてもうひとつの誤算が、予期せぬ戦闘と、大悲恋魔霊王と化したマケフィ・ロウィンの強さでさえ より強くなったネーサとあなたのコンビネーションは、打ち破ってしまえた事だ 「以前は大分苦戦した筈なのだけど…」 見下ろす者と見上げる者、決定的な勝敗の形となって、力の差が浮かび上がる ネーサの恋情によるパワーアップは、確かに有効だったが。それでは説明がつかない 説明するならば、ネーサとあなたは呪いに抗い、スキンシップを重ねていた。マケフィの呪いに対して耐性が付いていたのだ 一方的にダメージを軽減するボスのように、マケフィからは見えていただろうか。不幸にさめざめと泣く被害者のような顔をするが、泣きたいのはネーサの方であった 「まあ…直接怒りをぶつけて良いのは好都合ねっ!」 怒りたいのもネーサの方であり、慈悲無き一太刀は今度こそ、完膚なきまでに大悲恋魔霊王を消し飛ばしたのだった 25/10/01(水)23:04:55No.1358798840No.1358798840 「あ……その……」 あなたとネーサの前に、またしても『キスしなければ出られない部屋』が立ちふさがった 誰が用意し、どこから生えてくるのかいまいち分かっていない、かなり迷惑な存在 しかし、今のあなたにとっては。ネーサにとっても 触れ合いを邪魔する呪いは、もう存在しない。専門家に確認してもらい、完全な解呪が成ったと診断書もいただいている あなたがそっと手を伸ばすと、ネーサも手を返して、普段の力具合からは考えられない弱々しい力同士で繋がる 入れば、後戻りは出来ない そこは全く問題無いが、半強制するような部屋でするのはどうなのか。あなたの脳内で思考が加速して 「あの……できれば……誰にも見られないところが、いい、な……」 あなたはネーサを伴い、ゆっくりと部屋の扉を開いた…… …… … 部屋を出てから、用意した誰かが覗いていたのではないかとあなたは思い至ったが。その思考さえもふわふわした気持ちに押し出されていった ネーサとあなたは、互いに相手の唇をチラチラと覗いては、己の唇を指でなぞって 露骨すぎてここまでくると逆に演技ではないかと疑うくらいに、進展したのだった 25/10/02(木)22:17:00No.1359068615No.1359068615 ネーサにとって初めての経験だった 何せ異性を伴い、下着の選択をしようというのだから。何らかの法に抵触していないかと心配になりさえした 試着室の外にはあなたがいるのだ。そして今手に持っているのは、あなたが選んだ下着なのだ 「ふぅ~……っ!ふぅ~……っ!はぁぁ~!」 ネーサは過去のどんな戦いよりも緊張していた。あくまで上のフィット感を確かめるだけであるし、ここであなたに下着姿を曝け出しはしない だが、どうだ。これを一度でも試してしまうというのは。すなわち 「ん゛……っ!はぁ、はぁ……こ、こんなに手こずるなんて…!」 以前はもっと気楽に選んでいたし、オトーに気を使って選ぶべきだと言われていた。無下にしてきたツケが、こんな形で来るなんて 女性の、生まれたままの姿に重なる事で、魅力を引き立てそうなデザインのものを! 「お……………………おまた、せ……」 疲労困憊だった 結局、ネーサは買った。店員が追加で勧めるものも買った 頭を冷やすために軽食を摂ったが、自分の荷物に特別な下着が入っていると考える度に、沸騰してしまった ネーサが赤面するのに合わせて、あなたも顔を真っ赤にさせていた 25/10/02(木)23:51:42No.1359100581No.1359100581 野営の最中の事であった あなたとネーサを引き裂かんとする呪いは、もう存在しない。好きなだけ距離を詰められるし、遠慮なく触る事も出来る 一切の制限を失ったからこそ、逆にあなたもネーサも、ささやかな触れ合いしか出来なくなっていた 「ん……もうちょっと…うう……っ!」 指先を僅かに重ねるだけのスキンシップ。これはこれでネーサの薄い胸の内を大変責め立てる行為ではあったものの 段階を進めたい気持ちがある。ただ野営、冒険の合間であるため、多くは望めない 手を繋ぎたいのだった。あなたも指と指を絡めるだけのイチャイチャから、進展を望んでいた 同じ思いであるのに、遅々として進まないのは。同じだけ好意の熱量を持った男と女であるから 迂闊に踏み込むと、直ちに一線を超えてしまう。最終的に超えるのが目標であっても、拙速すぎる 性欲は当然あって。その前に、二人とも恋愛を噛み締めて、一歩ずつ進みたかった 既に両想いで、割って入られる隙間も無い故の、ある種贅沢とも言えた 「ふ、ぁ……あんまりくすぐらないで……」 その日は五指を延々と絡ませるに留まり、夜番の時が訪れたのだった 25/10/03(金)23:51:16No.1359399057No.1359399057 毎回一人しか参加しない事で知られている、S級会議というものがあった 忙しくて参加出来ない者と、普段会議など頭から抜け落ちてる者に分かれるが、とにかくごく一握りのS級冒険者が、実質持ち回りで会議室を暖めるだけの時間だった 今回はネーサの番であり…今ネーサの隣にはあなたがいる 「紅茶を淹れてみたのだけど、どうかしら」 和やかであった。常の静かで、一人では議決しようも無くただ茶をしばくだけの虚無が ネーサはあなたに茶を振る舞い、議題に関して話し合う事まで出来ている 建設的であり、親密な時間だった 「今回も、やっぱり他には来ないのね…………それって」 密室と、言えなくもなかった ネーサが気付く所にあなたも気付いたが、ここは制した。今回もいつも通りだろうと思った瞬間に、まさかの事態はやってくる 加えて言うと、あなたは万が一の時に、ネーサの特別な姿を見られるのが嫌だった 「そう、ね……帰ってからで、良いわよね」 会議は、結局2名では議決出来ないため、議題に所感を添える程度に留め ネーサとあなたは、今や同じくする住まいに帰宅した… 25/10/04(土)21:08:05No.1359657033No.1359657033 ネーサとあなたに引っ越すつもりは無かったが、他国で違う生活を営む自分達を想像するのは楽しかった 「これでも畑仕事も得意なのよ。駆け出しの頃はそういう依頼も取ってたんだから」 あなたは農婦の格好をしたネーサを想像し…美人はどんな格好をしても美人だと思った 所感をそのまま言葉にすれば、ネーサは顔を赤くしてあなたの肩を叩いた 「もうっ!すぐ口説くんだから…私以外にやっちゃダメよ?」 あなたが好きなのはネーサであり、ネーサに夢中でいてもらいたいからあれこれとしている 他の誰かに甘い言葉を囁く予定は無い事が分かると、ネーサは蕩けるように微笑んであなたに抱き着く ここは二人の住まい。誰にも遠慮せず、好きなだけ触れ合っていられる 「ん……当分引っ越しは無理よね…引っ越して、新しい環境に慣れる時間が惜しいわ」 想いが結実し、妨害も退け、やっと抑えてた感情を好きなだけ重ね合えるようになった所である 冒険は好きだが、冒険へ至る手続きひとつ取っても、土地が違えば変わってくるものだろう ネーサとあなたは、頬を擦り付け合いながら、妄想の域を出ない他国生活ごっこに耽った… 25/10/05(日)22:27:56No.1360071368No.1360071368 冒険者ギルド広報誌『Bo's』(ぼうず)の表紙を飾る事になった まずツーショットの写真を取り、それから肖像画を描くという流れ 表紙には肖像画が用いられ、写真の方は有償応募者の中から抽選で届くという、中々いやらしい商売であった 「こんなにくっついて、良いのかしら…」 口ぶりとは裏腹に、あなたへ小さな胸を押し付けるネーサは、常に上機嫌だ あなたもネーサの腰を抱く形で密着出来て、大変気分が良かった。はや一時間は寄り添っている気がするが、全く苦にならなかった 次号のテーマは冒険者カップル大特集。ネーサとあなたのインタビューも掲載される予定 二人の関係は特に誤魔化そうとしていない。見れば誰からも明らかだった 「私達の話が、誰かの関係を進展させられたら、それは良い事よね」 時々身動ぎと称してあなたに向き直り、花々も恥じらうような美しい笑みを浮かべるネーサ 脳まで焼けてしまいそうな愛しさに、しかしあなたは踏み留まって、微笑みを返す その甘い空気と言ったら、画家の方がゲッソリするほどであった 25/10/05(日)23:40:12No.1360099327No.1360099327 いよいよ二人の交際が広まると、仲をからかうような輩も現れる それまで恋愛とは無縁だったネーサ・マオの事である、男避けに無理をさせているのではないかと 日頃の二人を見ていれば、言ってる側も無理があると思っているが、過去に基づいた差しやすい話だった だが 「そんな、違う!違うのよ…」 結構ネーサが真に受けたため、からかおうとした側の顔色が悪くなった 想い人を風除け代わりに使っているなどと、塵ほども考えた事の無かったネーサ。だがもし今の話で、あなたが気にしてしまったら 空気が深刻さを帯びて、オトーがそっとやらかし者の背後を取った頃 あなたが 「んっ……むぅ、ん、ん……んく……っ」 濃密だった。濃厚だった。そして長行だった 互いに好意を抱いていなければ、とても出来ない情熱的な粘膜接触だった あのネーサ・マオが、進んで反撃している驚きの光景だった 掛かった銀の橋が切れると、必要な分は見せたとばかりに、あなたは惚けたネーサを伴って去っていった ギャラリーの止まっていた呼吸が戻り、皆一様に顔を赤く染めていた…… 25/10/07(火)00:15:25No.1360407240No.1360407240 縋り付いているのはどちらなのか あなたとネーサは寝台の上で身体を寄せ合い、腕を巻き付けてひとつの生き物のようになっている 元々は、あなたの一方通行から始まった。異性として見られる事のない悔しさが発端だった 気付けば、目で追う相手になっていた。ネーサにとって特別意識する人に変わっていた 強く、強く、腕の力を込める。S級冒険者だからと言って、常人と抱擁出来ない訳ではない。しかし、心を剥き出しにして抱き着くには、対等な相手が必要だ ぐぐ、と、身体の内側で筋肉の悲鳴が聞こえる。だがそれだけ。あなたはネーサの密着を受け止め、ネーサもあなたの掻き抱く力を受け入れている 互いの吐息の音だけに耳を澄ます どちらが、必要としているのか。どちらが、欠けたら耐えられないのか 片方だけが、過度に意識している頃はあった。けれど、今はもう 離したくない。いつでも触れ合っていたい。あなたもネーサも同じ気持ちで、執着して、縋り付いていて 「寝るまで、このままでいて…」 そうして灯りが消され、夜闇の中でさえ見つめ合えるくらいに、距離を無くした 25/10/07(火)22:35:27No.1360671837No.1360671837 脂の跳ねる音で目が覚めると、朝食の用意が進んでいた ベーコンとガルガド卵の目玉焼きを主菜とし、パンにスープ、サラダも添えて ありふれた朝食だった パンが籠にこんもりと積まれ、スープとサラダは丼になみなみと。焼けた目玉も10はあろうかというボリュームでなければ S級冒険者の身体を支えるには、もう少し盛っても良いくらいである 「おはよ……美味しそうな匂いね」 あなたの肩に手を添えて、ネーサが台所を覗き込む エプロンを身に付けたあなたの後ろ姿、それから横顔に、朝から眼福だと思いながら あなたの手がネーサの寝癖を撫でて、ネーサの指はあなたの首筋をくすぐる 寝覚めのスキンシップに及びながらも、あなたの意識が焼け具合を逃す事はない サッと火から引き上げ、ベーコンの使用量も半端ではない朝食が完成する 冷めない内に、つまり料理から熱が引かない間であれば、糧を無駄にしている事にはならず あなたとネーサは抱き合い、額と鼻を擦り付けて互いの朝の匂いを胸いっぱいに吸い込んでから、それぞれの席についた 二人の一日が始まる… 25/10/08(水)21:23:32No.1360943999 一人には限度がある。一人の確認は必ず見落としを生む だからあなたとネーサは、冒険の荷物を揃えた後、互いの所持品を確認し合うのだ 地図、コンパス、フックロープに、防水具。持てる限り持ちたいが、旅の負担になっては困る 取捨選択の成果を目視し、指差し確認もし、まとめ終えると時間が空く 「確認、おわっちゃったわね…んっ」 ネーサはあなたの胸に飛び込み、あなたはネーサを抱き締める 暇があって、他人の目が無いならば、ボディチェックの時間だ 見えない所に傷でもあったら大変、という口実に基づいて、身体のあちこちを触っていく ネーサの、S級冒険者の名に恥じない力を持ちながら、柔らかく吸い付いてくる肌を あなたの、ネーサに追いつくため磨き上げた、固く張り詰めて熱を帯びた身体を 「あ……もう、そこは触らなくて良いわよ……ふぁ……」 ダブルチェックを欠かしてはならない あなたとネーサは、荷物点検よりも念入りに、時間をかけた 25/10/09(木)22:26:14No.1361261508No.1361261508 贔屓にしている宿というものがある 腰を下ろした拠点とは別に、冒険の最中頼りにする所。後で埋め合わせをすれば、少しは無理を聞いてくれるような馴染みの店 S級に至るまで冒険を重ねたネーサには、そういう宿がいくつかあって 「一部屋で、いいわ…」 耳まで真っ赤になったネーサを見れば、宿の女将も真っ赤になった 恥ずかしいので、部屋を別々に取っても良かったのだが。ネーサもあなたも夜は一緒にいたかった 関係性を隠してもいないのだから、恥は恥に当たらない。そう自らを鼓舞して、ネーサは若干震えた足取りで、あなたを部屋に連れ込む 想像の余地は無限にあった。あの男の影が見えなかったネーサ・マオが、いかにも親密気に男と一晩を共にするなどと! あの表情!あの態度!あの息遣い!間違いなくそういう事をするのだと!宿の一階は蜂の巣をつついたような騒ぎになった 「もう…好き勝手に言って…」 防音確かな一室さえ貫く賑わいが、ますますネーサを恥ずかしくする こんな目に遭ってさえ、同じく真っ赤になったあなたが寄り添う幸せと引き換えなら、悪くないとネーサは思うのだった そして、互いの声しか聞こえなくなった 25/10/10(金)00:17:46No.1361297333No.1361297333 S級冒険者とは、一種の抑止力である 強い者が睨みを利かせる事で、悪事に手を染める一歩を萎縮させるし、大々的な悪行も踏み留まらせる では、そんなS級冒険者が色ボケしたという噂が流れたら 「本気で隙が出来たと思ったのかしら」 こうなる。ネーサの監視が緩んだと思い込み、サカエトルに潜む悪党の内いくつかは行動を起こした そしてたちまちに首根っこを抑えられていた。ネーサ・マオは色ボケてなどいない、恋情が燃える程に冒険欲も使命感も唸りを上げている 加えてあなたがいる。ネーサと同じ視座に立つため鍛え上げた存在が、同じくして悪の芽を摘み取りに走るのだから、効率は倍で済まない 元々A級のオトーを連れて活動していたのに、S級が加わるという事は、悪漢悪女にとって破滅的効率をもたらす 「お姉様を侮るなんて、とんでもない不敬者!」 「いいのよ、オトー。後は牢屋で絞ってもらうから」 S級冒険者の輝きは健在であった。むしろ輝きは増していた それはそれとして、オトーはネーサとあなたがこっそりと手を触れ合わせたり、目線を絡ませたりするのを、横目で捉えていた 色ボケという評価自体は、間違いとも言えなかった 25/10/10(金)00:17:46No.1361297333No.1361297333 S級冒険者とは、一種の抑止力である 強い者が睨みを利かせる事で、悪事に手を染める一歩を萎縮させるし、大々的な悪行も踏み留まらせる では、そんなS級冒険者が色ボケしたという噂が流れたら 「本気で隙が出来たと思ったのかしら」 こうなる。ネーサの監視が緩んだと思い込み、サカエトルに潜む悪党の内いくつかは行動を起こした そしてたちまちに首根っこを抑えられていた。ネーサ・マオは色ボケてなどいない、恋情が燃える程に冒険欲も使命感も唸りを上げている 加えてあなたがいる。ネーサと同じ視座に立つため鍛え上げた存在が、同じくして悪の芽を摘み取りに走るのだから、効率は倍で済まない 元々A級のオトーを連れて活動していたのに、S級が加わるという事は、悪漢悪女にとって破滅的効率をもたらす 「お姉様を侮るなんて、とんでもない不敬者!」 「いいのよ、オトー。後は牢屋で絞ってもらうから」 S級冒険者の輝きは健在であった。むしろ輝きは増していた それはそれとして、オトーはネーサとあなたがこっそりと手を触れ合わせたり、目線を絡ませたりするのを、横目で捉えていた 色ボケという評価自体は、間違いとも言えなかった 25/10/10(金)21:02:38No.1361519564 冒険者に定休日は無い 依頼を取る受け身の型でも、未知を求める攻めの型でも、休祝日を勘定に入れる事はまず無い 依頼などむしろ、一般に休日の時ほど求められるものだ 故にそう、華の金曜日などという概念は存在しない 「かんぱーいっ!」 仕事終わりがそのままハレの日となるのだ あなたとネーサは、同じ卓につき同じ酒を飲み、同じ肴をやって楽しんでいた 一つの冒険に片が付き、ご機嫌な様子で飲み食いをしていた 他と違う点があるとすれば、あなたとネーサは対面ではなく、肩を並べて寄り添って飲んでいる事か 「こらぁ…あんまり触っちゃだめ…」 などと言いつつ、あのネーサ・マオが女の顔をして男に触っている それはもうあちこちに触っている。合意が無ければセクハラ扱いされそうなくらい触っているのだ とんでもない光景であり、恐れ知らずの冒険者達をして、様々な感情を生唾と共に飲み込んだ なんとなく、これ後日追求したら死ぬんだろうなと、一同思ったのだった 「これおいし…はぁい、あーんっ」 25/10/11(土)22:58:57No.1361895005No.1361895005 >Kこれから >Oお姉様 >Cチャイナコス 「とある地域の近日の状況について調査を求む、なお訪問時は現地住民との親和性を考慮し専用の衣服を支給する。」 久々に受けた潜入調査の仕事だが、宿に戻り支給された衣服を改めたとき、ネーサは顔色を失った。 東方地域で使われる屋外活動用の衣服を、同じ地域に伝わる魔物に見えるよう装飾した衣装と聞いていたが、 一枚ものの布しか入っておらず下半身に履くものがなかったのだ。 そしておそらく下半身を覆うであろう布の部分が前後に分かれていて、腰から下を覆うには短く見える。 服を胸にあて確信する。これを着たときに派手な動きを取ると尻も腿も露わになる。もしかすると前側すら…。 いつもは涼し気な顔が崩れ赤くなる。安易に仕事を請け負った代償としては重くはないが、この晩ネーサは悩みに悩み寝付けなかった。 25/10/12(日)22:03:35No.1362248086No.1362248086 ネーサはあなたのために早起きして、お弁当を作ったのだった 「口に合えば良いんだけど…」 合わない筈が無い。あなたとネーサは互いに胃袋を掴んでおり、好みの味付けを把握している そんなネーサが期待と不安に包まれている。今のあなたに喜んでもらえるよう最善を尽くしたからだ あなたも今のネーサにとって、最良のパートナーでありたいと願っている。だからいつまで経っても、緊張する瞬間がある あなたは忙しい冒険者が片手で摘める惣菜パンを手に取ると、勢い良く齧りついた 「ど、どうかしら…?」 大変な美味だ。美味しい上に幸せの味がする。あなたのためにネーサが一生懸命工夫してくれた証だった あなたはたちまち一つ平らげると、二つ目にも手を伸ばした。それもあっという間に消えてしまう 「ん…良かった。安心したら私もお腹空いてきちゃった」 あなたはネーサのために早起きして、お弁当を作ったのだった 朝から二人で台所に並び、すぐ隣の相手のために昼食をこしらえるというのは、何だか吹き出してしまうような話だった 「とっても美味しい…!それに、幸せな味がするの…」 穏やかな昼の時間が流れていた 25/10/13(月)22:43:27No.1362603446No.1362603446 隣に恋人がいるだけで、他にはもう何もいらない あなたの肩に頭を預けてくるネーサの体温が心地良く、繋いだ手の柔らかさに心音が早まる いつだって安らいでいるが、興奮もしている。好きという事は、慣れる日が来ない ネーサの髪、ネーサの匂い、ネーサの温もり。何度味わったって胸を締め付けられる。苦しくて切なくて、それなのにほんの少しも離れたくない気持ち あなたの手に力が籠もると、指を絡めていたネーサの手がむずがり、慌てて優しく結び直す 恋人繋ぎで繋がったあなたの手の感触に、ネーサの頬がもう何度目か朱色を深める あなたに体重を預けきり、胸の内を思慕だけで満たす時間が流れる 逞しい腕の作りに、少し汗の混じった男らしい匂い。そっと見上げれば、何度でも恋仲の相手が目に映る ネーサの鼓動が強くなり、幸せで蕩けてしまいそうなのに、力が湧き上がり落ち着かなくもなる 一呼吸ごとに、ネーサとあなたの脈打つ速度が合わさっていく。触れ合う面積は僅かなのに、一つの生き物になっていくような錯覚 あなたが手を引くと、ネーサも進んで身を寄せ、髪と髪を絡ませた 25/10/14(火)21:16:31No.1362882237No.1362882237 寒いからという事で、あなたとネーサは合法的に抱き合っているのだった 二人の家の中であるため、そもそも誰も咎めに来はすまいが。口実があるのはありがたいのだった 「もっと、ぎゅってして……あぁ、寒いのも良いものね…」 ネーサはあなたの腕の中にくるまり、予備のマントを引っ張り出してあなたごと包んでいる こうすると温もりが逃げないし、匂いも出て行きにくい。満足度が跳ね上がる、ちっぽけなシェルターだった もぞもぞと身を捩るネーサは、そっとあなたの首筋に唇を這わせ、粘液の跡を滑らせていく 「ん、むぅ……んは……ぁ。良いわよね……家だし」 あなたはネーサの言葉に、唇で応える。額に、髪に、首筋に口付けて回る 吸い付いた跡が残らない、優しいキスの雨。粘ついたネーサのお返しと共に、男と女の匂いが充満していく 愛おしい。昨日よりずっと。愛おしい。明日はきっともっと マントで二人の身体を完全に覆い隠すと、薄闇の中で盛んに這い回る音を立てる あなたとネーサは本能に従って、身体を押し付けながら何度も愛の告白を交わした 25/10/15(水)22:30:26No.1363206191No.1363206191 あなたはネーサの一挙手一投足に見惚れている。向けられた突きを躱す ネーサはあなたの立ち振舞に魅了されている。前蹴りを半身になって躱す 全神経を恋人に集中しながら、同時に五感が捉える全てを認識出来ている不思議 ネーサを応援するオトーの声、どちらが勝つか賭けている不良冒険者達、声、振動、風 二人の世界に没入しながら、今訓練場で起きている何もかもを感じ取る 一段上の知覚に至ったあなたとネーサの激突は、舞のように華やいで、嵐のように無慈悲 例えば間に何者かが割って入れば、たちまちミンチ肉となって転がるだろう 「あはっ!あはは!」 互いに真剣を用い、当たれば即死の一撃を間断無く振るい続ける 袈裟懸けに胸を引き裂き得る一刀。顔面狙いの高速突き。今力をぶつけ合う相手なら、もっといけると信じて 二人だけの冒険 汗と、かすり傷から血を飛び散らせながら、あなたとネーサは一心不乱に刃を交え続けた 「そぉれっ!」 受け止めて、鍔迫り合い。ネーサの瞳にあなただけが映っている幸せを、あなたは噛み締めた 25/10/16(木)21:25:55No.1363462929No.1363462929 未知の第一踏を果たす。それこそ冒険 そう、人の知らぬ世界に踏み入り、その姿を暴き立てていけば、思いもよらぬ出会いがある 「ふぅぅ~……まさか温泉が湧いてるなんて」 世に名湯秘湯は絶えないが、真に知られざる湯というものは、冒険者しか知らないのかもしれない 湯浴み着に着替えたネーサは肩まで浸かり、旅の疲れを癒やしている 男湯も女湯も無いので、あなたは堂々とネーサの隣で湯に浸り、肌という肌を舐めるように見ている その仕草はまるきり変態だったが、ネーサもかなり大胆に見返してくるので、おあいこだった 「ちょっと、目が血走ってるわよ…私を見てくれるのは、嬉しいけど…」 湯から二の腕を覗かせるネーサのサービスに、あなたは興奮しすぎて体勢を崩す あなたはネーサに並び立つため鍛えた冒険者なので、この程度の不調は乗り越えられるが 立て直すより早くネーサの腕が巻き付き、小さな胸に頭を抱え込まれてしまった 早業であった 「見るなら…もっとしっかり見て欲しいな…」 それからしばらく、水音が立っていた 25/10/17(金)22:01:02No.1363765750No.1363765750 妬けるのだった ネーサはいち冒険者であり、他者とクエストのパーティーを組むのを好む。そこには自由があり、あなたが阻害していいものではない だからすんなりと行かせるのだが、あなたの目はどうしても淀み嫉妬の視線をぶつけずにいられないのだった 男でも女でも、以前から親密なオトーだったとしても、自分が代われたら割って入れたらと考えずにはいられないのだ 苦しく、切ない。身悶えしたい気持ちを押し留めて、あなたもまた冒険者の務めを果たすのだった… 妬けるのだった ネーサとていち冒険者、いかに愛していても実績あるあなたを拘束し続ける権利はない 仲間と冒険するのは好きだし、オトーとの気心知れたやり取りも改めて良いものだと感じる だけど、やはり。特別な人が欠けた寂しさに、自分ではない誰かが共に冒険してるかもと思うと、全身が熱を帯びる 譲りたくない、性別も種族も関係ない、並び立つのはネーサ一人でありたいと考えてしまうのだった 流石に固執しすぎだと、頭を二度三度と振ってから、ネーサはにこやかな表情を取り戻して仲間を率いるのだった… 25/10/18(土)21:56:01No.1364107608 華やいだ装いのネーサを、あなたは独占したい気持ちと見せびらかしたい気持ちの板挟みに遭った サカエトルの祭日という事で、あなたはネーサと共に街へ繰り出す…訳にも行かず、S級冒険者として表に裏に治安維持の務めを果たしたのだが 喧騒が過ぎ、人々の心が平日に戻る頃、あなたとネーサは賑わいを埋め合わせるべく街へ繰り出したのだった 女性らしくも戦闘を意識した普段のネーサとは違う、軽やかで可憐な姿。どの瞬間を切り取ってもそのまま王城に飾れる美麗さだ この美しさ、この愛らしさ、どれだけ褒め称えたって許される。あなたはネーサが果実水で喉を潤すだけでも称賛し、隣を歩けばすかさず愛を囁いた ネーサの頬は常に赤く、大胆に晒した肩から鎖骨周りも朱色に染まっている あなたの一方通行にはさせまいと、たどたどしくも思いを伝え返すが。今日の舌回りの良さはあなたの方が上だった それを見ていた人々は、もう茶化す言葉を投げ込む事さえ出来なかった あまりにも桃色の世界に、彼女さんにサービスだなどと軽口を叩く気も起きず、無言で肉串を五割増しにするのが精一杯だった 25/10/19(日)22:16:03No.1364475932No.1364475932 >ここからはセ部屋や感度3000倍で無理矢理にでもくっついてもらうジーコ式で行かせてもらう! こうした不埒な企みは、時に無関係な者を巻き込み悲惨な結末をもたらす そのためネーサとあなたの巨頭を同時運用して、不審な建築物には抜き打ちテストが行われるのだった 朝起きたら見知らぬ建物が生えていて。あの屋敷の雰囲気が最近ガラリと変わった そうした情報を元に、また足でもって稼いで。魔術的呪術的はたまたあれやこれやの罠と化した家屋へ駆け寄って ネーサとあなたは踏み込んだり…はしない。代わりに壁へ札を一枚貼り付けると 『色ボケ』の一文が! S級パワー同時攻撃によって、スケベトラップハウスは粉砕された。淫獄の巣に変えられた以上、慈悲はかけられない 「全くもう、やるなら個人的にやってもらえないかしら」 この札、『毒ガス』『火災』など様々な探知が出来るが、殆どの場合『ドスケベ』『エロトラップ』『感度3000倍』なのだからネーサも呆れがくる あなた達は少々楽しんだ事もあるとはいえ、基本強要するための空間を仕掛けるなど悪しき仕業なのだから サカエトルならば守れるが。遠い空の先で罠に落ちる人などいない事を願った 25/10/20(月)23:04:13No.1364801532No.1364801532 雑草取り。冒険者に依頼される仕事の中でも、下の下の下に当たるもの。やりたがる者は殆どいない しかし依頼されるという事は、冒険者による解決を望まれているという事。ギルドは受注を待っている いつまでも…いつまでも……それでも誰も受注しに来ないのだから、仕方ないのだった 「よいしょっと…我ながら中々の量じゃないかしら」 S級冒険者がするべき仕事ではない。しかしS級冒険者が率先してやって見せなければならない時がある 先駆する、そしてためらわない。それが冒険者の最上位というもの。ネーサはせっせと一本ずつ雑草を抜き、あなたもまたチマチマと根を掘り起こしていた こうなるともう、他の冒険者もやらない訳にはいかない。何せS級が地道に雑草を抜いているのだから、それを肴に飲んでいるなど、序列の世界では許されない 続々とギルドから駆け出したA級だのB級だのなんだのかんだのが、もう頼まれてもいない辺りまで手当たり次第に雑草を引き抜いていく 「あら…結構楽しくなってきたのに。ねぇ?」 ネーサはそっと呟くとあなたと目を合わせ、小さく吹き出した 25/10/21(火)22:29:57No.1365092730 旅の世界にも四季があったり、四季は無くとも寒暖の差はあったりする サカエトルもまた、緩々と気温を下げていく時期になった。街行く人の装いも重ね着が増え、暖かさを重視していく 冒険者の多くは屈強であるため、寒くなっても耐えられるが。耐えられるだけで耐えたくはないため厚着に変わっていく ネーサもまた、スカートの下にタイツを履くようになったし。肩腋を覆うようになった 「寒くなってきたわね…」 ほうと息を吐く姿さえ絵になる。あなたはネーサの寒気向け装いに魅了され、些細な仕草に目を奪われていた こんなに美しい女性と交際出来ているとは、過去の自分に教えたら目玉を飛び出させて失明してしまいそうだと 「……もう。油断するとすぐじ~っと見てくるんだから」 気付けばネーサの目もあなたを見返していて、なんて事のない道端で甘い雰囲気が漂う あなたは冒険者に手本を示す側でなければならないので、所構わず立ち止まって往来の邪魔をしたりはしない ただ恋人と手を繋いで、見つめ合いながら歩む。その間互いしか見ていないのに、通行人とぶつかったりする事もなく 恋情は感覚力を研ぎ澄ましてくれる 25/10/22(水)22:29:48No.1365389941No.1365389941 S級と言えども節制は心がけなければならない。S級なのだから派手に金を使って見せなければならない どちらも正しい。そこでかつてドカンと買って見せたのが、こちらのマオ宅であった 流石にデカい新居を構えたとあっては、財産の使い道に下世話な口出しもかなわない。まだネーサが恋愛と無縁だった頃の話である そしてこの家には、自前の風呂があった。上位冒険者ともなれば、湯など容易く生成出来るので 「ふぅ……あの時お風呂を作って正解だったなぁ……」 一糸纏わぬ姿で、ネーサは湯に浸かっていた。ネーサが腰掛ける椅子のようにして、あなたも風呂を共にする タオルで髪を纏め上げ、うなじを晒したネーサが、あなたの至近距離にある。心音が早いのは湯のせいばかりではない 温かいものが頻繁に間へ挟まってくるというのに、ネーサの柔肌の感触は信じられないくらい敏感に感じ取れている 「ねぇ。もっと夢中になってくれても、良いんだけど」 ネーサが敢えて身を離すと、透明な液体が二人を遮るが 透明であるために、互いの全てが露わになっていた。家での入浴に、湯浴み着など用いたりはしない 25/10/23(木)01:06:59No.1365434811No.1365434811 >カプはみんな映画館デートでもすればいいのだ 並んで腰掛けるネーサとあなた 照明が落ちると流れで手を繋ぎ楽しいシーンでは顔を見合わせて一緒に破顔し悲しいシーンでは互いの目尻へハンカチを当てて涙を拭う マナー違反はしてないのだが目にした他の客が落ち着かなくなる被害を発生させた 25/10/23(木)21:20:00No.1365654147No.1365654147 ネーサ・マオが美しい事は周知の事実である。であるがため、顔に惚れて冒険者を志す不埒者も少なくないくらいに 一種の商品的価値を持ったネーサの美貌であったが、この度独占状態に陥った 「やだ、もう……これじゃあなた以外には見てもらえないわね…」 なんて事のないフードを被ってしまえば、もう正面以外から顔を覗く事は叶わない そしてネーサの正面、至近距離からあなたが見つめている。フードが落とす影に、二人の表情が隠されている 「変な事思いつくんだから…」 恋人を、自分以外の誰も触れなくしてやったらどうなるか。次は誰からも見えなくしてやる 欲求はエスカレートしていき、留まる所を知らない。あなたの手はフードの中の柔らかな頬に触れ、滑らかなネーサの肌感触を味わっている 一切を自分だけのものにしてしまいたくなる、狂った独占欲。合意の上で好意に基づいていても、好ましいものではなかった 「……そろそろ、私もやりたいようにさせてもらうから」 だが、互いに狂い求め合ってしまえば。少なくとも二人の間では対等である ネーサがどんな顔をしてあなたを手繰り寄せたか。それはあなたにしかわからなかった 25/10/24(金)22:29:25No.1365967680No.1365967680 まやかしでもって人を迷わせ、秘密を守る仕掛けは世界に点在している 余程隠したいのだろうが、この手の術は相手を選ばない。見つけたら解除が望ましいのだった そうして足を踏み入れたネーサは、 『オトー……!あなたよくもっ!』 可愛い妹分を、親の仇のように憎んでは刃を振り下ろし、醜い争いを繰り広げ 『どうして……私だけ誰とも寄り添えないの……!』 涙に暮れて雨に打たれ、どうか救いよあれと神に祈りながら怨嗟を呟き 『全て全て、私と同じになればいいんだわ……っ!』 呪いを手当たり次第に撒き散らし、不幸の再生産を始め、「悪趣味ね」 乱麻は一太刀に絶たれ、まやかしはなごり雪のように散っていく もしかしたらそんな未来もあったかもしれない。我が事のように味わったその光景を、しかしネーサは払い除ける 「だってそれは、ここにいる私じゃないもの」 ボタンをひとつ掛け違えたら。そんな空想は寝物語にするものだ。ネーサ・マオは小揺るぎもしない 過去を振り返り、未来に思いを馳せても、ネーサの立つ所はここなのだから そっと手を重ねてくれる人の温もりを感じて、ネーサは微笑みと共に振り返った 25/10/25(土)21:49:25No.1366290765No.1366290765 ネーサ・マオは猫ではない。気高く、和を尊び、責任感がある しかしあなたの頼みとあらば、猫の真似事をしなくもなかった 「にゃ、にゃお~ん……」 猫耳を冠し、愛らしい鳴き声を上げるネーサの姿に、あなたは息が詰まりそうなくらい魅了された 決して沈黙の時間を流れさせまいと、あなたは肺に残った空気を振り絞って、大変似合っており呼吸が止まりそうだと称賛を贈る ネーサの頬が赤く染まっているのは、羞恥ばかりではなかった 「褒めてもらえると、その、やった甲斐はあったなって感じるわね…」 いじいじと指を動かしながら、視線を彷徨わせ控えめに喜色を表すネーサの、なんと美しい事か ちょっと今日死ぬかもしれないと思いながら、あなたは口をパクパクさせる。酸欠気味だ 感動は時に人を殺す。ネーサが猫に扮するというのは、破滅的愛くるしさである 危険なのであなたが責任を取って封印しなければならない。あなたは己の手で強く胸を打ち、無理矢理呼吸を回復させる そうしてから、美猫を捕まえにかかった 「やだ、ちょっと…もうっ。そんなにこの格好が良かったの、にゃあ?」 捕物には大変時間を費やした 25/10/26(日)21:38:53No.1366650087 S級冒険者とて人の子、時にはSNSで自分の評判を探りたくなる日もある ネーサ 検索。すると出るわ出るわ最新の風評が… 曰く、惚気すぎ。曰く、目の毒。曰く、前より綺麗になった。等…… 「そんなに、かしら…?」 端末をスリープさせると、ネーサはおずおずとあなたへ振り返る あなたから贈る返事としては、そんな事は無い一択だ。触れ合う時間などいくらあっても足りないし、外では見られて恥ずかしい事はそんなにしていない ただし、主観と客観が違う事も認めなければならない。今まで以上に人目のある所では控える必要があるだろう 「そう…そうね…ちょっぴり寂しいわ」 所構わず抱き締めたいし、密着したまま語り合いたい気持ちはあなたにもある そして今は二人の住居の中であるため、辛抱する理由は無い 外では我慢出来るように、今の内たっぷりとスキンシップしてしまおうと、あなたはネーサを捕獲した 「…もっとぎゅってしてくれなきゃ、物足りないの」 あなたとネーサは一塊となり、端末は隅に転がされた この日を境に、人前ではイチャつく頻度が下がったとか 25/10/27(月)22:32:40No.1366969456 あなたはネーサに追いつくべく、急ぎ功績を積み立てた冒険者である そのため人が手を付けたがらない・手を付けられないような依頼にも積極的に飛び付いていった 何だって構わない。とにかくネーサと同じ世界を見るまでは…という訳で 「こんな事もしていたのね…」 あなたは墓地の清掃に勤しんでいた。冒険者にとって身近だが、同時に忌むべき地でもある ついでに言えば、冒険者などと荒い人種に依頼を飛ばすのが、既におかしいのだが。あなたには関係なかった 生えてきた雑草を抜き、墓石に溜まった汚れを落としていく。ひとつひとつ、丹念に ネーサもあなたの手付きを見て覚えると、二人で倍以上の効率を出して、死者の眠る地を清めていく 「敬意を忘れたつもりは、無かったのだけど」 ネーサの気に病む事ではないし、墓に収まった霊達も冒険者に掃除されては気が休まらないだろう あなたはかつて依頼だから務め上げ、今は依頼となる前にこなしている 慰霊の日が近いのに、面が苔まみれではあんまりだ 「そうね…ええ。誰が見ても驚くくらい、綺麗にしてあげましょう」 二人がかりである。作業の音が止むまでに、そう時間はかからなかった 25/10/28(火)21:45:15No.1367275550No.1367275550 釣り竿を垂らしているが、真面目に釣る気は無いのだった あなたはネーサと共に川を眺めている。少し肌寒い風が流れ、木々がざわめく ゆるりと流れる水に糸が踊らされ、陽の光を弾いて一面が輝いている 時間は緩慢に流れる 「ふぁ……のんびりしてるわね……」 ネーサがあくびを噛み殺せない程に、釣り竿は反応を見せず周囲は穏やかな音色で包まれている 冒険はいいものだ。しかしたまには、腰を据えて落ち着くのもいい 糧を得るためでなく、時に身を任せるために釣具を用いる。あなたが先輩冒険者から教わり、先輩もそのまた先輩から受け継いだ知恵だった 何も起こらないまま、あなたとネーサは手を繋ぎ、肩を寄せ合って水面を見つめる 「あっ、かかった!」 平和ボケした魚は見境なく針を飲み込み、ネーサは鋭く竿を合わせる 流石はS級冒険者、力の要点を見誤る事がない。抵抗を許さない振り上げで一気に水上へ引きずり出す 釣果イチ。あなたは釣果ゼロであった 「ふふんっ」 自慢気に鼻を鳴らすと、ネーサは元の位置に戻り再び手を繋ぐのだった 25/10/29(水)21:31:36No.1367577765No.1367577765 『グッとガッツポーズしたら世界の未知が一つ解明された』偉大なるネーサ・マオ叙事詩(著・オトー) 冒険者の中では有名な噂である。あなたもネーサの能力を考えれば、ありえない話ではないと思っている せっかくなので当人に聞いてみると、慌てて両手を振り否定にかかった 「違うのよ!あれは、そう、ポーズを取らないと扉が開かない妙な遺跡で…」 鍵が存在せず、押しても引いても開かない扉。古文によれば、扉の前でポーズを決めると開くのだという 奇妙に思いつつも、ネーサに退却の二文字はなかった。天を睨み拳を突き上げると、それを認証して道が開かれた 以降もポーズ取りを要求され、応じていったのが事の真相なのだった 「あれにはうんざりしたわ…途中からオトーと二人がかりじゃないと出来ないポーズになって」 最終的に遺跡は暴き切ったが、その過程は振り返っても大変なもののようだった ちなみにどういったポーズを取っていたのか 「それは、こう……一緒にやってみる?」 ネーサに手を取られ、姿勢を変えられる。これは中々、人目に晒すのは照れるもののような 抱き合うような体勢の中で、これを当時オトーは経験したのかと、あなたは少し妬いた 25/10/30(木)22:02:47No.1367887763 「お菓子をくれなきゃいたずらするわよ」 つまりはそういう事だった 慰霊の意味を持ちつつも、現世の住民が賑わうための催しとなった祭事において定番の掛け声 あなたはそっと仮装したネーサの手に菓子を握らせた。そしてすかさず定型文を返す 「勿論用意が…あら?確かここに…」 ネーサがあなたのために用意していた菓子袋は、こっそりと持ち出してクローゼットの中にしまってある しかし、ネーサがその程度の仕込みに気付かない筈が無い。つまりはそういう事だった 困ったフリをするネーサへ、肉食の怪物に扮したあなたが迫る 「困ったわね…どんないたずらをされてしまうのかしら…」 半身になって、両手で身体を抱いて襲われまいとしているように見えるネーサ その腕にあなたが触れ、そっと力を込めると、防備は難なく崩壊するのだった 「きゃ…!いたずらじゃ済まないような事、考えてるでしょ」 滑らかな感触の素肌を撫でて、あなたはネーサをベッドまで運んでいく すんなりと転がされ、頬を赤くして期待する恋人目掛け、いたずらが始まるのだった 25/10/31(金)22:19:41No.1368191231 あなたは大量の菓子を保持していた。万に一つもネーサがいたずらされるなど耐えられないからだ 行く先々でネーサ目掛けて定型文が放たれ、自然と菓子は尽きる。そこであなたが割って入り、菓子を配っていく あなたとネーサ、二つの菓子袋。鉄壁の守りであった 筈だった 「トリック・オア・トリート…調べはついてますよお姉様っ!二人揃って手持ちのお菓子が無い事は!」 「オトー!くっ、確かにもうお菓子は…」 子供達をそれとなく誘導してきたのは察していたが、相手が子供であるため邪険に出来なかった オトー、恐ろしい女である。しかしあなたは挫けない。ネーサを庇い立ち塞がる 「どいてください。私はお姉様に用があるんです」 どく必要は無い。勝利を目前にして焦ったか、トリック・オア・トリートの呪文は対象を指定していない。 いたずらされるのはあなたでも構わないのだ 「ふざけた事を!押し通ります!」 絶対に許さない、絶対にだ。あなたは決意と共に地を蹴り、ネーサの妹分と取っ組み合いを始めた 「…………私も混ぜてっ!」 横から飛び込んできたネーサによって、二人まとめて壁に埋まるのだった 25/11/02(日)22:16:57No.1368911519No.1368911519 野営というものは大変危険が付きまとい、複数人が交代で見張りを立てるのが基本である つまり、あなたとネーサは一緒に寝る事が出来ない。仕方がないが寂しいのだった 「そうね…せめて寝るまでの間は、傍にいてくれる?」 ネーサは先に眠るが、まだ眠たくないらしく、あなたの手を取って腕に抱き込む 大変柔らかく、滑らかなネーサの腕に絡み付かれ、あなたは心臓を高鳴らせる 火種が爆ぜて、ぼんやりと二人を照らす。ネーサが頬を朱に染めているのは、あなたの見間違いではない そこから先に進展したいのだが。冒険の最中の事である。あなたは悔しく思いつつも、ネーサのぬくもりを感じる幸せに感謝する所で留める 「あったかい…あぁ、でも寝なくっちゃ…」 ネーサも自制心を働かせようとしている。あなたの肩に頬ずりし、名残惜しそうにしながら、ゆっくり巻き付けた腕を緩めていく 夜は静かで、何も咎めはしない。だからこそ、あなた達は自ら律しなければならない ケアレスミスで今生の別れ、或いは死後の再会など冗談ではない。あなたはネーサの額に口付けると、僅かに身を離した 「んぅ……おやすみなさい…」 25/11/02(日)22:48:03No.1368922969No.1368922969 >俺は趣味で怪文書を集めている者だがネーサ・マオ異常愛怪文書も収集しているから貼らせてもらってもいいかな >もしお姉様怪文書「」が残さずにいてほしいと思うならすぐ消す >fu5835524.txt 以前も言ったが好きにしてくれればいい…お姉様の作者も許可出してたし 騙りだと思われたら困るので文も添えておこう… 67.7kbなのだった。あなたとネーサの物語は随分と容量がかさんでいた 塵も積もれば山となると言い、あなたは塵を積み上げてなんとかネーサの足元に届いたが。まとまって数字化すると大量に感じられた 「私達が何をしてきたか、ハッキリ残るのは恥ずかしいわね…」 羞恥を覚えるような事はしてきた。そこは間違いないのだった 今もネーサがあなたの肩に顎を預け、後ろからモニターを覗き込んでいる。これだって覗かれたらまあまあ恥ずかしい しかしあなたは公開も、収集される事も止めるつもりは無かった 「こうして世に広めたから、私達の関係はあるんだものね」 ネーサはあなたの手を取り、あなたは指を絡め握り返した 25/11/03(月)22:08:31No.1369250320No.1369250320 報告・連絡・相談は冒険者が上に行く程求められる能力であり、S級ともなれば活動をつつがなくギルドに届ける事が出来る しかし活動が広範に渡る者の場合、報告を送ったは良いがまだギルドに届いていないという事はある 「ああもうっ!やられてる!」 ネーサは荒れた。未探索の洞穴を調査に来たが、明らかに人の調査の手が入っていたのだ しかも手口に見覚えがある。恐らくは同じS級冒険者によるもの 依頼化される前の探索となれば早い者勝ち。悔しいが一歩遅れたと認めるしかなかった 「あぁ……あちこちに触った跡がある…ここの足跡…土が多く残ってるわ…きっとメモを取ったのね…あぁぁ…」 戦闘の痕跡、所々火に焼かれた焦げ、足跡に、解体された拠点 あなたとネーサが帰る頃には、詳細な報告書が上がっていると確信させる具合であった 「うぅぅぅ~っ!はぁ……まあ、そういう事もあるわよね…」 ネーサは悔しがり、あなたの胸板をポスポスと叩いた後、そのまま額を擦り付けてきた 他の冒険者に先んじて、ネーサが総ざらいする事もある。今回は間が悪かったのだ あなたはネーサの頭を撫でて、慰めていた 25/11/04(火)21:44:40No.1369536970No.1369536970 A級冒険者のオトーが最も有名であるが、ネーサには取り巻きが多い 継続的なパーティー、アライアンスこそ組まないものの、ネーサも頼りにする事が多い集まりだ そういう冒険者達の輪を突き破って、あなたはネーサの手を取ったのだから、良い目で見られる事はあまりないのだった 「あっ!」 ネーサがあなたの方へ向き直ると、無数の視線が槍のように向けられる だが、それが何だと言うのだ。どれだけの思慕に守られていたって、ネーサと結ばれるのはあなたでありたいと決意したのだ あなたと取り巻き達の凝視の炎が激突し、感情の火炎旋風が巻き起こる 圧力、気迫、一歩を踏み出すあなた。肌を汗が伝い、産毛が逆立つ やがて取り巻き達は道を開け、あなたはタオルで汗を拭いながらネーサの下に歩み寄った 「随分汗をかいてるけど…大丈夫?」 心配はいらない。あなたには覚悟がある。相手の覚悟をねじ伏せ、我を押し通す覚悟が これしきは些事と断言し、あなたはネーサと手を繋いだ …それにしても、流石はネーサが認め、オトーが許した集団である。一斉に気当たりされると、息が詰まるようなパワーがあった 25/11/05(水)22:06:12No.1369831847No.1369831847 スポーツの気持ち良い季節である 肌寒さはそのまま、運動した時に火照った肌を心地良く撫でる風へと変わる あなたとネーサは球を取り出し、公園で一丁遊ぶ事にした 「それっ」 ネーサの放つ球はナッツ状に変形して見える程速かった。あなたは浅く曲げた両腕をバネにして、両手で捕球。手のひらが熱を帯びる 痺れる手を軽く振ってから、あなたは勢いをつけて投げ返す。足指から手指へと、エネルギーを限界まで伝達し、そして球に 直球は空気と衝突しブレ球と化す。不規則な変化をネーサの目は捉え、鮮やかにキャッチ 「ナイスボール!返すわよっ」 激しいやり取り。落ち葉が舞い飛び球と大気の干渉で異音が鳴り響く あなたもネーサも高い身体能力を持っている。本気でスポーツに取り組めば、こういう事になるのだ 次第に籠もる力が上がり、相手に球を取り零させようと、威力も速度も上がっていく あなたの口角が釣り上がり、ネーサの瞳に勝ち気な光が宿る。やるからには勝利を目指す、当然だ それでこそ娯楽として楽しいのだから 「これは受けられるかしら!えいやっ!」 七色に輝く魔球を、あなたは力強くねじ伏せた 25/11/06(木)22:19:38No.1370125503No.1370125503 二人で一つの鍋をつつく、その行いは両名の親密さを表すのだという あなたはそんな話を知らないまま、ネーサと一つの鍋を共有している…肉が、煮え頃だった 「まだよ」 ネーサの手があなたを遮る。いや、しかし。これ以上は食べ頃を逃してしまうように見える あなたはどちらかと言えば鍋奉行的気質を持ち、ネーサもまた鍋の具合を仕切りたがった そっとお玉へ手を伸ばすと、二人の手が重なる。ムーディーな空気は流れない 「まだったらまだよ」 問答の間に機を失している。まだではなく今だ あなたとネーサはいじいじとお玉の取り合いを始め、その間も具材達が煮えていく 日々寒さを増す中で、二人の家の中は暖かい。だが、熱気の意味が変わってきている 「もう頃合いかしらね」 もう、ではない。具材の食べ頃を逃す残酷、許す訳にはいかない。あなたは憤り、素早く二人分を配膳した そしてあなたはネーサ目掛け、肉を突き付ける。これを食べてもらわない事には収まりがつかない 「あ、あ~ん……あふっ、あふ……おいしぃ」 許した 25/11/07(金)23:11:12No.1370446530No.1370446530 今年も悪魔のハトの季節がやってきた。都市部に侵入してきては、老人や子供を食い物にする邪悪な鳥 最優先排除対象として、国をあげて撃墜して回る。冒険者も兵士も、一般市民も石持て追い回すのだ 「今年も随分多いわね…えやぁ!」 S級冒険者であるネーサは、ハトと同じ高度にまで飛び上がるや否や一羽を斬り捨て、死骸を踏み台にして次々と斬り裂いていく あなたは下からネーサを補助しつつ、角度の違う視点でハトの動向を監視、撃ち落として回っている ハトにはハトの都合があるだろう。それが人間の都合に沿わないのであれば、ぶち殺し掛かるより他に無い 落ちる、落ちる、ハトが落ちる。王都に相応しくない血生臭さが広がっていくも止められない 「しっ!やっ!せぇ!」 流星のように鮮やかで、雷のように不規則な軌跡。あなたはネーサの輝きに魅せられながら、更にハトを狙い撃つ ハトを踏み、ハトを追いながら、ネーサは眼下のあなたへチラチラと視線を送っている 二人の戦いはまだ続くが、手の届く限りに被害者が現れる事は無いだろう 25/11/08(土)21:46:57No.1370749241 あなたはネーサの背後から抱き着いた。驚かせられるとは思っていない S級冒険者ネーサが、背後から近寄る気配に気付かない筈は無いからだ。承知の上で、不意打ちのような真似をする 「きゃあ!もう、いたずら好きなんだからぁ」 当然驚いたフリだ。上ずった風を装う声色まで愛らしく、あなたの抱き締める腕に力が籠もる 細い身体の線である。あなたの両腕で、ネーサはすっぽり拘束出来てしまう 背後から艷やかな髪へ鼻を埋めているため、優しい香りがあなたの胸いっぱいに広がっていく 夢見心地とはこういう状態を言うのだろう。好きな女性を閉じ込めて、五感全てを満たす 「いつまで抱き着いてるのかしらっ、と」 鮮やかな体術によって、あなたの拘束は抵抗すら感じられないまま解かれ、逆にネーサから抱擁拘束を掛けられてしまう 全く抵抗出来ない。ネーサの方から密着してくれるので、少しも抗う気持ちが湧いてこない まんまと立場を逆転したネーサの得意気な表情に、あなたは魅了されてしまった 「あら……抵抗しないなら、私が好きにしちゃうわよ」 あなたは寝室に運び込まれ、ネーサの良いようにされた 25/11/09(日)21:57:05No.1371134069No.1371134069 『ネーサ・マオ(パーティードレス)シークレットレア』カードが発売された あなたは勇み買いに走ったのだった。本人と一緒に暮らしているとか、そういう問題ではない ネーサは有名人であるから、多数に行き渡るのはもう諦められる。しかし、あなたがそれを所持していないのは耐えられない 本音を言えば所有者から奪い尽くしてでも独占したい気持ちを抑え込み、あなたは早朝の待機列に並んだ 「朝一ですか、流石ですね」 オトーの姿もあった。あなた同様、購入の予約はしているが。一秒でも早く受け取りたい気持ちは一致していた 寒風が身に染みるし、眠気も噛み殺しきれない。それでもあなたとオトーに後退の二文字はない 「私はこれをどういう気持ちで見ていればいいのかしらね…」 「お姉様、どうか静かに…戦いへ向けて英気を養わなければ」 あなたと一緒に並んでいるネーサは、呆れきったジト目であなたとオトーを眺めている 冷えた空気よりも冷たい視線が突き刺さる。それでも踏み留まるのが覚悟というものだ 全てはネーサを手に入れるために…! 25/11/10(月)21:36:21No.1371423637 かつて大怨魔霊マケフィ・ロウィンによって、結婚率0%に追いやられた悲嘆の都市、フラグオレル あなたは被害当時の様相を、資料以上に知らない。ただ確実に、現在が凄まじく様変わりしている事は分かる ネーサ・マオ像が建っているのだから 「流石に無理…恥ずかしい…っ!」 大きくて、金色なのだった。これは夢でも幻でもなく、フラグオレルを救った偉大な冒険者を称えるために建設されたのだった 流石のあなたもこれにはビビった。何せ都市外縁からでも、大きなネーサの姿が見えるのだ ネーサはS級の冒険者だが、国王でも勇者でもない。どれほどの感謝が篭っていたら、この形に結実するのか 大怨魔霊の被害がいかに大きかったかを伺わせる存在でもあった 「あんまり見ないで…ここまで持ち上げられると、顔から火が出そうなの…」 ネーサが頑としてお忍びスタイルを譲らなかったのも、今では納得出来る 素顔でうろついていたら、たちまち囲まれて胴上げでも始まりそうではないか あなたはフラグオレルを離れるまでの間、じっとネーサを見つめて過ごしたのだった 「それはそれで恥ずかしいわ…やめなくて、いいけど」 25/11/11(火)21:21:09No.1371719894 暑ければ汗を拭うためと称してくっつき、寒ければ温め合うためと言ってくっつくのだが ネーサもあなたも一度くっつくと、離れがたい引力に襲われるのだった 「あぁ……あったかい…とってもいい…」 抱き着いてくるネーサを抱き返し、あなたも恍惚としている。好きな異性と密着するより幸せな事など、そうないのだ どれだけでも溺れていたい。時間が有限でさえなければ…あなたとネーサは帰宅するなり抱き合ったため、腹ペコだ 今日はネーサが手料理を作る事になっているのだが。あなたの腕が離すまいと力を入れてしまう とても幸せな感触を捕まえていて、どうして別れられるものか。しかし腹は鳴る 容赦なく腹が鳴る。あなたの腹もネーサの腹も鳴る。冒険者は身体が資本なのだから 「……いっせーのーせでいきましょ」 あなたとネーサは覚悟を決めると、名残惜しさのあまり額を擦り付け、頬を擦り付けてから、掛け声と共に両手を外へ弾いた ああ!なんて寒々しい世界か!ネーサの感触が失われた寂しさに、あなたはちょっと泣いた 「ううぅ……っ!私は大丈夫、私は我慢出来る…!さあ料理しなくっちゃ」 ネーサの目尻にも若干の涙が浮かんでいた 25/11/12(水)21:33:40No.1372023606 ネーサと言えばお姉様。オトーを始め多くの冒険者達から敬意を込めてお姉様と呼ばれている 転じてあなたは、そういう敬意とは無縁である。一代の名誉に過ぎない冒険者の基準でも、成り上がり者扱いされる程度には急ぎ足だった 別にあなたが尊敬を浴びたくなったのではない。ただ、不意にお兄様と呼ばれてみたくなったのだ。ネーサから 「い、嫌よ…私達、そういう仲じゃないんだから…」 ネーサは渋った。しかしあなたはこうと決めたら直情型である。それはネーサと並び立つまで至った事から明らかだ 恥を最速で捨てるとネーサの肩を抱き、耳元で繰り返し囁いた。一言だけでいい、一度きりでいいからと 合間に耳孔へ息を吹きかけ、抱いた肩を優しく撫でながら、込められる限りの情感を込めて言葉を紡ぐ ネーサの頬が赤くなり、耳まで赤くなり、首までも赤くなる頃。とうとうS級冒険者も折れてくれた 「条件があるわ…そっちも、私をお姉様と呼んで!それでおあいこよ」 なんのそれしき。あなたは若干の気恥ずかしさを覚えても、ためらいはしない そうして二人は、上でも下でもない間柄で、家族に使う敬称を用いて呼び合ったのだった 25/11/13(木)21:18:09No.1372312613 王都サカエトルは、栄えとるに掛けた洒落のような名前の通りに栄えている 観劇のために劇場が建ち、紳士淑女が毎日出入りをするような都市なのだ あなたとネーサも、相応しい装いに身を包んでチケットを提示すれば入場出来る。気品に満ちた空間だ 「流石に綺羅びやかね…」 あなたに言わせれば、ドレスを纏ったネーサの方が遥かに輝いているが。これは試着の時に散々言っては照れさせ尽くしたので、今は言わない 言葉の代わりに腕を引けば、あなたと腕を組んでいるネーサが引き寄せられる 共に入場する女性をエスコートするのは、こういった場においてマナーである。あなたにとっては役得だ 「あ…もう、無闇にくっつくものじゃないのよ」 咎めるような口ぶりのネーサ。しかしその唇が僅かに釣り上がっているのを、あなたは見逃さなかった あなたは胸を張って歩む。パートナーを見せびらかすためではなく、ネーサと共に歩める幸せを手にした誇らしさが背筋を伸ばす あまり品の良い事ではないが、席に着くまで何度もネーサの方へ顔を向けて。ネーサも同じだけこちらを見てくれている 「劇に集中出来なかったらどうしよう…」 あなたも同じ悩みを抱いていた 25/11/14(金)20:22:56No.1372589426No.1372589426 どれだけ文明が進んでも、害虫の侵入と繁殖を完全に防ぐ事は出来ない あるいは遠い未来ならば…そういった先の時代へ託す他にない案件と言えた あなたとネーサの自宅にも、やはりそういった虫が発生する。仕方ない事だった 「わっ虫…それ!」 害虫退治には噴霧器を用いるのが一般的である。しかしあなたもネーサも一般的な存在ではない 加えて言えば、野営慣れしているあなた達にとって、虫は目撃しても怯える対象ではない 投げ放たれた短剣は、風を感じ取る触覚の鋭敏さを容易く上回り、虫を床へ縫い止めた 虫であるため即死ではないが、確実に助からない。決着がついた 「この寒い中、良く出てくるものね」 あなたは死に体の虫を片付け、ネーサが穴の空いた床を手際良く補修する 二人の家は暖房を用い、暖かく保っている。虫の生活圏として都合が良いのだろう 明日は掃除をし、可能な限り害為すものの居心地が悪い住居にしてやろうと、あなたは決意する 「ところで…虫に怖がって見せた方が、好みだったかしら?」 そのような仕草に昂るものが無いと言えば、嘘になる。しかしあなたはネーサのネーサらしい在り方の方が、ずっと好きだ 25/11/15(土)21:31:19No.1372945898No.1372945898 かつて冒険者と言えば、荒くれ者の代名詞であった 今でも冒険者志望の人間は、その内3割が社会に居場所の無い荒くれ者である その上で、なりたて冒険者のやる仕事と言ったら、薬草取りとかそんなもの 冒険者になる事を認めたのならば、辛抱強さを骨の髄まで叩き込むのが、ギルドの責任というものだった (がんばって!) 気配を消して、口パクで応援するネーサの想いを受け取りつつ、あなたは新人冒険者達を根気良く躾けていく 既に指導ではない。指導で済む者達は次のステップへ進んでいる あなたは駆け足に級を上げたため、本来下級で務める所の、冒険者以外務まらなさそうだが冒険者も務まるか怪しい輩達の指導員を飛ばしている そのため今回お鉢が回ってきたのだった。念仏のように注意事項を唱え、立ち上がろうとする者は力づくで着席させる ネーサもこんな事をしていたのかとしみじみ思いつつ、威勢だけが友達の生命体を人間に変えようとし続ける (分かってくれるまで何度でも伝えないと!) そうネーサも言っているようだし、あなたは正直しんどさを覚えながら、冒険者の役目を果たしにかかった 25/11/16(日)20:55:31No.1373289770No.1373289770 「今の私はサカエトル仮面!」 当然ネーサなのだった。ネーサは小顔なので子供向けの仮面だって装着出来るのだ 仮面のヒーロー。正体を隠した強者というものは、少年少女の心をくすぐる そうした物語を広め、関連グッズで小遣いや親の懐を攻める。何事も商売である 「……恥ずかしいから、何か言ってくれないかしら」 目線だけを覆う仮面だが、露わになった唇と隠された美貌の両方に意識を囚われ、あなたは言葉を失っていた 感嘆の息と共に美しいと呟き、さまざまな角度からサカエトル仮面を鑑賞する こんなものが例えば世にヒーローとして現れてしまえば、魅了される者が絶えないだろう 「すぐおだてる…もうっ!そっちこそマスクをしてみれば良いんだわ!」 あなたは大人向けサイズのマスクを嵌められ、位置ズレからしばし視界を失う 何か…こう…とても素敵な感触が唇に触れたが。一体何が起きたのかサッパリ分からないのだった 全くサッパリ分からないのだった 「マスクは変だけど…かっこいいと思うわ…うん…だから、ね?魅了されただけ…」 そういう事にした 25/11/17(月)21:34:21No.1373610031No.1373610031 冒険者の戦いとは、強みを押し付け弱みを突いていくものだと、あなたは心得ている 例えば刃通らぬ屈強な魔物と対峙した時 「ええーい!ヴァリトヒロイ・クラッチ!」 ネーサは関節技を駆使して相手の骨を粉砕していた 例えば俊敏極まる敵、あなたの目では残像に惑わされかけるような攻めを 「この辺りに仕掛けたから…当たり!足元が疎かだと思ってたのよ!」 ネーサは守勢の中でそっと引っ掛け紐を仕掛け、転んだ所を打ちのめした あなたは冒険者としての初心者研修を受け、諸先輩方に多少技術を習ったりもしたが。今の戦いの師はネーサと言える 誉れよりも勝利、磨いた技に命を預けず有効打を執拗に突く。常に未知と戦う者の術理 あなたは立ち位置こそネーサに追いついたが、まだまだ未熟だと思い知る日々である 「あら、私だって見習う所はあるのだけれど?」 軽い声色だったが、ネーサの言葉は冗談ではなさそうだった ネーサから見て、あなたの評価に値する点とは何なのか。あなたは気になって催促した 「こうと決めたら一直線な所。冒険者に不可欠な資質じゃないかしら」 あなたは紅潮した 25/11/18(火)21:35:07No.1373920399 あなたはネーサに怒られたのだった 「置き場が無くなるのは目に見えてるから、私のグッズを買うのは程々にして」 あなたはしょんぼりした。返す言葉が無いからだ。ネーサグッズはあなたの個人スペースを大分占領している 冒険者としての格が上がり、収入を趣味に注ぐ余裕が出来たばかりに。そして魅力的なネーサの魅力的な商品が並ぶばかりに 「私がいるのに、どうして私の像を買うのかしら…」 ネーサは1/8聖なる衣ネーサフィギュアを手にした。神々しくも美しい、そしてささやかに素肌が覗いているのも嬉しい 当然本人には及ばないものの、ネーサの素晴らしさを立像として具現化した仕事への敬意と、あなたの収集心と、そしてちょっとスケベな心が、財布の紐を緩ませたのだ それをネーサが見れば、自分の似姿を拝まされるのは、気分が良くないのではないか。あなたはその程度の配慮も欠かしてしまったという事だ いかに交際相手であっても、何でも許されるものではない。あなたはネーサの言に従う事とした 「これくらいなら、私が見せてあげるのに…」 ネーサはチラリと素肌を覗かせた。それはいけないあまりにも扇情的すぎる 25/11/18(火)23:59:15No.1373978461No.1373978461 雪見だいふくは一包装につき二つのアイスが入っている。モチモチとした皮が好評の冷凍菓子である 名前が寒さをイメージさせるからか、雪のような形だからか。身体を冷やすにも関わらず寒くなる程恋しくなる、不思議な魅力を持っていた そんなものを暖房に浸りながら食べる。実に贅沢だ。あなたはだいふくの一つを備え付けられたフォークで刺し、ネーサへ差し出す 「あーん…んっ!冷た…」 少しずつ口の中へだいふくをしまっていくネーサの姿は、実に愛らしかった 雪のように白い粉が口周りに付いて、若干はしたない事になっているのもまた可愛い やがてフォークが刺すものを失うと、次の獲物へと突き立てられる。ネーサの手によってだいふくが差し向けられる 「はい、あーん」 あなたは誘われるまま食いつき、フォークを受け取る。冷たさが身体の内側を通り抜け、暖房で温まった体表面との温度差が心地良い 一息に平らげるのを惜しんでも、さほど大きな菓子ではない。だいふくはたちまちあなたの口の中へ消えてしまった 「口の周り、汚れてるわよ」 あなたが食べている間に、ネーサは自身の口元を拭いたようだった。あなたもネーサを拭きたかったのだが 25/11/19(水)21:52:09No.1374237774No.1374237774 あなたは人の子であり、ネーサもまた人の子である(この場合の人の子とは両親祖先が純人間であるという意味ではない) 冒険者としてのランクを上げたところで、人のかかる何もかもから逃げられはしない 何が言いたいのかと。要点をまとめれば、ネーサは風邪の引き始めなのだった 「こほ、こほ…ありがと…はぁ、失敗したなぁ」 日々手洗いうがいを怠らず、暖かい格好をして早寝早起きを徹底する。それでも調子は崩すものだ 一度家を飛び出せば、冒険者は未知へ挑戦し、不衛生に晒されるのだから。今日まで良く保ったと言って良い まだ悪寒の走らない内から、ネーサは横になって念入りに布団でくるまっている とても愛らしい姿だ。しかし見惚れてはいられない。あなたは食事を用意し、着替えを運んで汗を拭う 「はぁ…気持ち良い…役得って所かしら」 まだ症状が本格化していないのに、殆ど病人扱いして素肌へ触れる。役得と言うならあなたの方だ あなたは一旦邪念を追い出して、指の先までネーサの柔肌を布越しに触れていった 25/11/20(木)22:06:16No.1374544990No.1374544990 文化的な食事は良いものである。硬い部位、内臓を取り除き、切り分けて味付けする。心身に潤いが得られる だが冒険者流は違う。骨、皮、鱗…そうしたものを切歯で割り、臼歯で磨り潰す。残さず栄養に変えるのだ そういう訳で今日は野趣溢れる魚のつみれ鍋である。流石に内臓は除去したが、それ以外全部混ぜて丸めたもの 下処理が雑で、歯応えはまばらである。舌触りがざらつくのである。嚥下する時も引っかかるのである 「ん~っ……これこれ、元気が湧いてくるわ!」 小ぶりとはいえ、硬質な部位を噛み砕きながらネーサの食が進む。はふはふと口の中の熱を逃がしながら、次々食べ進んでいく ネーサはS級にまで至った冒険者。上等なレストランを愛するのと同じくらい、粗野で乱雑な冒険料理を好んでいる 例えるならばそう、蟹の身をほじり出して食べるのがネーサなら、殻ごと噛み割って食べるのもネーサなのだ あなたもまた口内で硬いものを砕きながら、自分の分をよそっていく。放っておけば全てネーサが食べてしまいそうな勢いなのだから 「あっ、あっ!取りすぎよ!私ももっと食べたいんだから!」 楽しくも激しいおたまの取り合いになったのだった 25/11/21(金)21:53:36No.1374842867 強さ、肉体の強靭さ。ほとんどの冒険者にとって必要不可欠なものであり、財産である あなたもネーサも、ジムに通うような文化的トレーニングを行っている。年間パスだ 「ふっ、ふぅ、ふーっ」 トレーニングウェアなのだ。大胆に肌を晒して、汗を浮かせているのだ 全身を覆う形のウェアだってあるのだが、ネーサは動きやすさを重視している 細い身体の線から筋肉を浮き上がらせ、秘めたる力を発揮している 「せっ、はっはっ、せっ」 美しかった。躍動する美があった。見惚れていたいのだが、あなたも自らの研鑽を疎かにしていられない 息を吐き、息を吸う。強く力を込めて、肉体を虐めてやる。発育した筋肉が悲鳴を上げる 全身が発熱し、汗を吹き出させる。特定の方向から熱視線が突き刺さっているのを感じているが、敢えて無視する 負荷を高めて、競い合うように。それでいて視線の先へ見せつけるように あなたとネーサは、性に目覚めたばかりの少年少女かのように視線を肌へ向けては逸らし、運動のせいばかりではない赤面と共に励んだ 25/11/22(土)21:27:20No.1375174170 今日ばかりは外出を絶ち、あなたとネーサは家に籠もりきりになった いそいそと秘中の秘を取り出して、そっと互いの指先にあてがう そしてゆっくりと、見つめ合いながら、それを指に嵌めていく。緊張から喉を鳴らし、汗も吹き出す 「あ、あっ、あ……あぁ……しちゃった、わね」 愛の証、婚姻の証。男女が他人から夫婦になるため、欠かせないものを身に着ける あなたとネーサはまだ夫婦になる気は無い。無いが、何時でもそうなる用意は出来ている いい夫婦の日であれば、密かに先取りするくらいは許されるに違いなかった 「お揃いの指輪…うぅ…顔、あつい……っ」 ネーサはあなたの指輪とあなたの顔を交互に見ては、火照った頬を両手で包んで恥じらっている あなたも、ネーサの指にあなたの手で嵌めた指輪が輝いているのを見るだけで、身を捩らずにいられない 落ち着いてなどいられる訳が無い。愛の誓いが可視化されるというのは、とんでもない事なのだ こんな姿、他の誰にだって見せられる訳がなかった 「今日は、私が独占するから……!」 あなたはネーサに独占され、あなたがネーサを独占する日だ 25/11/22(土)21:40:59No.1375179519 いい夫婦の日とされる11月22日は、いいツインテールの日でもあるらしかった こじつけと言えばそうだが、語呂合わせのいい夫婦の日も大概なのでおあいこと言える 「ツインテールね…こう?」 ネーサは短めの髪を左右の手で持つと、頭の側面へ持ち上げて見せた 愛らしい。実に愛らしい。幼さを強調する髪型であるが、不思議とネーサには良く似合っている しかし子供らしさとは違う味わい。照れ混じりにやってみせるからこその、色香というものがあった 「…目線がいやらしすぎ。ダメよ、そんなの」 あなたのふしだらさが溢れ出してしまっていた。反省するのだが、ネーサは髪を下ろさない つまりそういう事だった。両手を髪型の維持に使っている、無防備なネーサをあなたは捕獲する ツインテールのよく似合う恋人が望むのであれば、あなたはケダモノになる事を厭わない 望まれる前からケダモノになり、叱られついでに事後承諾される場合もあるが 「きゃあっ!もう、ダメだって言ってるのにぃ…」 実に甘ったるい、あなた以外にはとても聞かせられない声色を堪能しながら、ネーサは襲われてしまうのだった 25/11/23(日)21:24:59No.1375544411 あなたは熱意でもって冒険者の上位へ駆け上がったが、感性で言えば普通の冒険者である 金や名声が欲しいし、チヤホヤだってされたい。俗な欲求を持ち合わせているのだ 美女に囲まれて嬌声を浴びてみたいとさえ思っていた。本当の話である。昔の話でもあるが 「きゃ、きゃーっきゃー」 胸を張って自慢気に構えるあなた目掛けて、ネーサが精一杯上ずらせた黄色い声をかける あなたは自尊心がひどく満たされていくのを感じている。百人の美女よりもネーサ一人の方がずっと価値がある 両想いの相手が、こんな茶番にも付き合ってくれるのだから、全く最高なのだ。鼻高々にもなろうものだった 「……気は済んだかしら?」 とても済んだ。あなたはネーサに感謝を伝え、お返しに両手を広げて構えた。そこにネーサが身体を収める あなたばかり満足するのは不公平であり、あなたが満足したのならネーサにも満足して欲しいと思うのが、自然な恋仲の感情というものだ ネーサはあなたの腕の中で、居心地良さそうに息をついて、力を抜いていく 「ん…この匂い、この感触…全部私のね」 当然、ネーサの好きなだけくっついていれば良いのだった 25/11/24(月)22:03:04No.1375914020 全長1mを超える魚影、弾丸トビウオであった。群れ成して船を襲い、船員他を食らう凶暴な魚群である 船の護衛を任されたあなたとネーサは、一息に甲板を蹴り海上の人となる。船上で防ぐのでは、突破された時が最後だ 横っ腹に突き刺されると思うなと、あなたが気炎を上げている頃。ネーサは使い慣れた大小を抜き放っていた 「えい、やあ!」 快声二閃。銀光が海を裂き、水の抵抗が無くなった瞬間。閃く必殺 ばっくりと。無数の対象であったにも関わらず、その全てが死に至った 二枚に開かれたトビウオ達へ、人間にとっては無害な魚が群がっていく 海面を蹴り、水飛沫と共に弾む姿は、戦女神の美であった 「そっちも終わったみたいね」 あなたとてネーサに並ぶべく研鑽した身である。船にとってどれだけ危険な相手でも、あなたが対峙する分には遅れを取らない ネーサが軽く手を上げるのに合わせ、あなたも手を伸ばす。ハイタッチ 安全を確約する程海を侮っていないが、この程度の襲撃なら容易いもの 護衛は無事に済ませられればいいと、あなたは息をついた 25/11/25(火)22:00:33No.1376235520 あなたとネーサは船の護衛を終えて、港町のギルドへ依頼達成を報告すると、そのままギルド備え付けの食堂に腰を下ろした 海鮮料理を楽しみにしていた。が、予期せぬ事が起きた 「見ねぇ顔だな姉ちゃん!そんなシャバ僧より俺とメシ食わねぇか?」 S級冒険者ネーサ・マオを知らない冒険者は存在しないと言って良いが、いざ本人が違う装いをして現れた時、気付けるかは微妙な所 潮風を軽やかに孕む軽装に着替えていたのが災いした。あなたは立ち上がり追い払おうとしたが、既にネーサが臨戦態勢に入っていた 「ぐえ、ぉ」 パスタスープを匙でひとすくいすると、手首のスナップで撃ち出したのだ 破壊的液体は布を破り、肌と肉を強かに打ち据える。吹き飛ぶ事も嘔吐する事も許されず、ナンパ男は崩れ落ちた 「全くもう…」 不機嫌を露わにしたネーサの前へ、あなたは殻の剥けたエビを差し出す。これは大変美味なので、ネーサも食べるべきだ ネーサにはなるべく笑顔でいてもらいたいし、幸福を共有したいとあなたは思っている 「はむ…ん…おいしっ」 ネーサが笑顔を取り戻して、あなたも笑顔になった 25/11/26(水)21:17:59No.1376535225 水着回なのだった サカエトルで染み付いた季節感が狂いそうな温暖を浴びて、あなたとネーサは海に繰り出した 日差しを浴びて波打ち際が輝き、まばらに海水浴を楽しむ人々が見受けられる。あなた達もその一員となった 「きゃっ!ちょっと冷たいわね…」 ネーサの水着姿は、美を謳う人魚でさえも恥じらうだろう美しさだった やや露出を抑えたツーピースであったが、露わになった腹部、そして普段より大胆に晒した生脚といったらどうだ 陽光が照らすに相応しいものとは、こういうものである。快活に波を踏んで回る美貌を見ていると、あなたは頭が茹だりそうになる 「そーれ!」 激しい衝突音。あなたは尻もちをついた。ネーサの飛ばした水飛沫に撃たれたのだ 「ぼーっとしてるからよっ」 いたずらな笑みを浮かべたネーサ。やられたままではいられぬと、あなたは砂に埋まった尻を持ち上げる 激しい水のかけあいが始まり、どぱんどぱんと、過剰に水を溜めた風船が割れる時のような音が繰り返し響いた 「あははは!えーいっ!」 ネーサが笑い、あなたも笑った 25/11/27(木)21:41:16No.1376856879 あなたは変身した。正体不明のマジックアイテムの仕業であった あなたは冒険者として並よりは上の警戒心を持っており、不審なアイテムを使おうとは思わなかった しかし杖型のそれは突如輝き、ネーサ目掛けて怪光線を放ったのだ 庇わなくてもネーサなら平気かもしれない。躱すかもしれない。だが危ないかもしれない。あなたはネーサと光線の間に割り込んだ 「…………一応、無事みたいで良かったけど」 あなたはフリフリのヒラヒラで、ミニスカートだった。あなたは男性であり、屈強と言って良い程度には鍛えている ネーサの視線が、大胆に晒された生脚へ注がれると、あなたはどんな感情を抱けば良いのか分からなくなった 「とりえあずこの杖は解呪しないと…」 破壊した結果、あなたの不気味な格好が定着しては敵わない。気合で呪いを解く手もあるが、アレは疲れるのだ ネーサへの想い無しに、力で対抗するのは、あまり考えたくなかった 杖を捕縛し、呪的検査をかけ始めながら、ネーサは改めてあなたを見つめる 「ミニスカートは無いわよね…私にはちょっと眼福だけど」 あなたは顔をしかめた 25/11/28(金)22:08:38No.1377180802 カッシャー カッシャー 「邪魔しないでもらえます!?」 オトーは激怒したが、あなたも激怒していた。今のネーサはプライベートであり、無闇に撮影して良いものではない 妹分と言えど、何もかもが許されはしない。あなたもまた、恋仲は礼節を欠く理由でないように 「私は別に、オトーなら構わないけど…」 「ほら!お姉様がこう言っているんですからどいてくださいね!」 気安く日常を切り売りするのはネーサの不幸であるし、親密を盾に半ば強要するのはオトーの不幸である 距離感を誤った人間は正されるべきなのだ 判定にあなたの嫉妬心が混ざっていないかと言われれば、首肯しなければならないが 「本性を現しましたね、私とお姉様の間に割って入る間男めっ!ケェーッ!」 怪鳥音を鳴らしオトーが飛びかかると、あなたもカァーッと吠えて迎撃にかかる 醜い争いが始まった オロオロとするネーサを横目に、あなたは髪を掴まれ引っ張られ、オトーはこめかみを両拳で挟まれ回転圧を掛けられている この戦いは決して負けられない。ネーサを守るために…という大義を掲げた愚かな暴力であった 「もう…程々で済ませてね?」 25/11/29(土)21:39:23No.1377509802No.1377509802 「私もオトーとしてるようなじゃれ合いがしたいの!」 あなたに言わせれば、オトーとのそれは抗争であるが。S級冒険者は感性から違う ネーサがそれを望むのならやってみるつもりではある。しかし上手くいかなくても怒らないようにと、あなたは念を押した 「わかったわ…それじゃあ、いくわよ!」 勢い良く迫るネーサを、あなたは迎え撃つ 虫も殺せないようなパンチと、亀の歩みかと見紛うようなチョップが交差した ぽすりぺちりと、服や肌を打つ情けない音がする 「……あら?」 好きな人を積極的に傷付けたいと思える訳がない。あなたの感性はそうであったが、ネーサのそれが同じとは限らなかった 結果としてあなたとネーサは同じ心境に至り、じゃれ合いと呼ぶのも失礼に当たりそうな、へなちょこクロスカウンターを見舞ったのだった 付け加えておくと、あなたはオトーを嫌っている訳ではない。ことネーサに対して認められない部分があるだけだ 「えいっ!えいっ!うう…上手く力が入らない…」 一生懸命あなたの腹筋にザコパンチを見舞うネーサを見て、あなたは微笑ましく思った そしてクソザコチョップで反撃した 25/11/30(日)21:44:48No.1377924193 あなたはゴロゴロしていた。冒険者にも憩いの日はある するとネーサもゴロゴロしに来たのだった。ベッドは二人で転がっても平気だが、あなたの憩いはネーサローラーにかけられてしまった 蛮行許すまじ。あなたは怒気怒気しながら、あなたの上を転がっていったネーサの身体を捕獲した 「きゃー!不当な暴力ー!」 人を押し潰しておいてなんたる言い草か。あなたは捕まえたネーサに覆い被さり、ベッドに埋め込んでいく フカフカのベッドは柔らかく二人分の体重を受け止め、ネーサはたちまち脱出不可能になってしまった あなたがどかなければ、ネーサはもうベッドから抜け出せず乾いていく事になってしまうのだ 「うぅ……すんすん、くんくん……すーっはー…」 拘束されたネーサはあなたの首筋に鼻を埋め、臭いを思い切り吸い込んでいる ここに至って、あなたはやっと嵌められた事に気付いた。この体勢へ持ち込まれるのさえ、ネーサの狙い通りだったのだ 敗北感を噛み締め、あなたはまんまと操られた敗者として、ネーサを抱き締める とても柔らかい身体がもぞもぞと可愛い抵抗をしてきて、敗北の悲しみを癒やしてくれた… 25/12/01(月)22:11:32No.1378276532 年の終わりを感じても、あなたとネーサの暮らしぶりは変わらない 冒険者は年末年始も仕事が出来る(地域に依る)。やろうと思えば、依頼をこなす最中に年越しというのも可能だ そしてS級ともなれば、やるかやらないかの問題でしかない。この世界には未知も問題も、溢れんばかりに詰まっている なのであなたとネーサは、冬の空気を切り裂きながら駆けていた。急ぎの時は乗騎車両よりも、走った方が速いものである 雪原を裂いて魔物の群れが押し寄せたと聞けば、立ち向かうのが気骨ある冒険者というものだ。駆けつけ一杯、敵中へ飛び込み吹き飛ばす 「傷ついた人は下がって!ここは私達が抑えるから!」 ネーサが音頭を取れば、自然と戦士達は従っていく。声一つ取っても華があるのだ あなたは成り上がり者の冒険者。指揮を取るよりも、血飛沫を弾けさせるのが仕事である 激しく激突し、魔物達を磨り潰していく。至極真っ当に殺意を剥き出して襲い掛かる敵は、戦う際に考える事が少なくて助かる 後方を狙われる恐れは低いからだ 「私も、いくわよっ!」 あなたとネーサは一つの嵐となって、人々の脅威を斬り裂いて回った 25/12/02(火)21:44:58No.1378612827 あなたもネーサも、身体に疲労が溜まっているのを感じていた しかしマッサージ店に行くような事は…なんとも…アレなのだった。交際中の男女なんて…アレであった そういう訳なので、あなたとネーサは互いをマッサージする事にした。先行はあなたである 「それじゃあ、お願いね…」 線の細い身体を僅かな布で守ったネーサが、うつ伏せで横になっている。 あなたは大変ふしだらな気持ちになったし、目を引く太めの脚など瞳に焼き付く勢いで凝視したが、マッサージは真剣に行う 薄い背中の血行促進を促し、老廃物を流すポンプ機能の補助を行う。指で押して、手のひらで撫でる 「んぅ……はぁ、あっ…」 艶めかしい声が響く度に、小さく身動ぎする度に、あなたはネーサへの劣情を膨らませている しかし、やると決めたらやり遂げるのが冒険者の意気地というものであり、男の矜持というものだ 仰向けにすると蕩けた恋人の表情が飛び込んできても、股関節への施術を行う時も、あなたは強い意志で貫き通した… 後発、ネーサ あなたが我慢している分だけ、ネーサも我慢している事を、あなたは考えていなかった 25/12/03(水)22:34:59No.1378948873 あなたは画伯となった。モデルはネーサである あなたに絵心は無い。絵心のある人間は、あまり冒険者になるものではない 冒険をし、己が目で見たものを絵にして残すような者も、いないではないのだが。少数派の話である 「…………」 それにしても美しい女性であった。あなたは筆を振るいながら、幾度も感嘆の息をつく 窓から差し込む日差しを受けて、髪に天使の輪が浮かんでいる。もっとも天使でさえネーサと並べば見劣りしてしまいそうだが 椅子に腰掛け、楚々とした佇まい。普段の躍動の美とは異なる、静謐の美 呼吸の度に薄い胸が上下して、ただそれだけの事があなたを魅了してやまない 筆が踊る。ネーサという美を絵画に残すべしと、あなたの本能が叫んでいる。乏しい画力の全てを費やす時が来た── 「出来たのね、どれどれ……ぷっ!ご、ごめんなさいね…でも、くっ、くく……!」 あなたの仕上げた絵は、画力が無い癖に上手く描こうと欲を見せたせいで、それはもう笑いが込み上げてくる出来であった 描き上げた瞬間は務めを果たしたとさえ思ったのだが。笑いを堪えるネーサに失礼なと言う気力もなくなったのだ 「くっ、ふ……これはもらっておくわね」 25/12/04(木)22:31:17No.1379263578 つい先日まで痕跡も無かった地に、突如ダンジョンが出現するような事が、この世界ではままある それだけならばS級冒険者の出る幕ではない。ないが、意味不明な出現をした未知を探索したい気持ちが、S級冒険者ネーサ・マオにはあった それに遭遇したのは全く偶然であり、突然地面が隆起して入口を開いた不穏な穴へと、ネーサは楽しげに飛び込んだのだった 「すごいすごい!今現れたのに時代を感じる!」 あなたも年経た空間が持つ、独特の匂いを嗅ぎ取っている。概念的感覚的な話ではなく、ここは現に古いのだ 今この瞬間誕生したにも関わらず、である。不気味だが、今更恐れる程でもない はしゃぎ踊るネーサの喜びように比べたら、不審さは踏み倒してしまって良いと、あなたは思っている 「ねえ、ここ見て!古代文字!何年前に書かれたのかしら…今出来たばかりなのに!不思議!」 様々な角度から眺め、メモを取り、目を光らせているネーサ。偶然を引き当てた幸運を思えば、興奮ぶりも無理はない あなたはネーサの分も警戒の目を光らせて、軽快に跳ねる背を追った 25/12/05(金)21:21:32No.1379538802 カントー炊きという料理がある。言ってしまえば鍋料理のようなものだ 特定の具材を投入し、ツユが染みた所を食べる。冷えてきた頃に食べると大変美味である ところがこの料理、特定の具材の所が出身地でかなりバラけているのだった 「あら、ウインナー入れるのね」 あなたはおでんにウインナーの投入をためらわない生まれであり、ネーサはそれを見て驚いた あなたは驚かれた事に驚いた。変わり種ですらない、当たり前の具材だと思っていたからだ 違いをしみじみと噛み締めつつ、ウインナーも噛み締める。ネーサもウインナーを持っていった 熱々で肉汁がたまらない。相性抜群なのだった 「こっちもいい感じかしら」 一方ネーサの入れたはんぺんに、あなたは面食らっていた。白くてふわふわしたものの場違い感が目に付く しかしあなたも冒険者、怯んではいられないと齧りついてみれば。これは何ともイケるのだった ふわふわの作りがツユを吸って抜群だ。食感の面白さに食べる手が進む 「ふふっ。気に入ってもらえたみたいね」 入れる具材で喧嘩など起こらない。あなたもネーサも冒険者、冒険上等なのだから 25/12/06(土)21:07:27[12/6は姉の日]No.1379856363 「今日は誕生日でもないのに…どういうことなのかしら?」 朝から山のようなお祝いの言葉と、贈り物を妹分から送られ、困惑しているネーサをあなたは微笑ましい目で見守っていた。 このまま眺めているのも悪くはないが、絶賛目を白黒させている最中のネーサを不憫に感じたため、ここらで助け舟をだすことにあなたは決める。 「姉の日…?そんな日があるの…」 ネーサの呟き声に、うんうんと頷く妹分たち。 「この日を知った時から皆でお姉様を祝おうと決めてたんですよ!」 代表としてオトーが一歩に進み出る。 「お姉様、いつも私たちのお姉様として見守ってくださってありがとうございます!」 「オトー…嬉しいわ」 「お姉様!」感極まったオトーがばっとネーサに抱き着いた 途端に「あー!」と抗議の声をあげる妹分たち。 我も我もと駆け寄ってくる妹分たちによって、ネーサはみるみるうちに揉みくちゃになっていく。 「ちょ、ちょっと待って皆気持ちは嬉しいけど。あなたー!」 SOSを出すネーサに、ぐっとサムズアップをしたあなたは手を振りながら去っていく。 「裏切者ー!」と背中から聞こえてくる声に、笑い声を抑えられないあなたなのであった。 25/12/06(土)21:17:15No.1379859925 あなたは雑念の塊である。ネーサと対等になりたい一心で冒険者街道を駆け上がった成り上がり者だ 情念もいいだろう。しかし無心もまた強いのだから、時には心を静かにする訓練もして良いのだった あなたは坐禅を組み、目を閉じる。ところでここはあなたとネーサの家の中だ 「ふぅーっ……」 耳孔へ柔らかな息を吹きかけられて、あなたは飛び上がりそうな気持ちになるのを何とか堪えた 自ら目を閉じたと見るや、ネーサがいたずらを仕掛けてきたのだと、あなたは理解に至る 何たる誘惑。悟りに至ったという某もこれほどの試練には晒されたかどうか 「ねぇ…こっちを向いて…」 あなたの首にネーサの腕が巻き付き、薄い胸が背中に押し当てられる。ひどく官能的な刺激 あなたはもう、それはもう、鼻息を荒くしている。無心とは真逆の状態にいる だがどうしろと言うのか。恋人に抱き着かれているのに、無視するなど出来る訳が無い 二度、三度までは雑念を払おうとしたが。あなたは観念してネーサの手を取った とても柔らかく滑らかな感触と指を絡め合うと、幸せで満たされていくのだった 「やっと触ってくれた…もっといっぱい触って、ね?」 25/12/07(日)21:36:56No.1380233652 「ワーデッカ山おろし!」 ネーサ・マオが振るう大技のひとつであった。聖峰ワーデッカ山の霊すら死せる寒風、自然の極地を剣風によって生み出す 斬撃であり冷撃でもある、極めて強力な技だ。その矛先にはあなたがいる あなたは今日、この技を破るために立っている。強くあるためには、試練と向き合わなければならない 少年漫画を読むタイプのあなたは、自分に無いアイデアを拝借して構えを取る すなわち、魔バンストラッシュ。空は斬れないが威力だけなら実践出来る 衝撃が激突し、寒波の進行が留まる。しかし 「それだけじゃ、私の剣は止まらないわよ!」 押し返される。流石はネーサ・マオ。しかしあなたは魔バンストラッシュの撃ち終わりに、左右をスイッチしている 間髪入れずの魔バンストラッシュ。冒険者はなるべく両利きであれという先達の教えが生んだ連射砲 ついにあなたはワーデッカ山おろしを突き破ったのだった 「流石ね…ついに破られちゃった」 ネーサはあなたを称える。しかしあなたは知っている。いつかこの日が来る事を見越して、ネーサがこっそり練習している事を 今打ち勝ったのは真の全力ではない…それでこそ、挑む甲斐がある 25/12/08(月)21:41:52No.1380537737 あなたは全身私欲に満ちているが、ネーサもまた聖人君子ではない 時には欲求を制御出来なくなり、わがままに振る舞う事もある。あなたはネーサのそういう一面を見られるようになって幸せだ なのでネーサから求められれば、断るという選択肢が無いのだった 「おかわり、注いでもらえる?」 あなたはネーサに腰を抱かれ、求められるまま酒のおかわりを注いでいる 冒険者のあなたがホストの真似事をする日が来るなどと、想像もしなかった未来が訪れた ネーサの手付きは卑猥で、零す吐息は大変色っぽい。生唾を幾度も飲み込み、あなたは気を張り直す 襲いたい気持ちはまだ抑え込む。ネーサがしたい事を優先するのは、あなたにとって当然だ 「うふふ…いい気分…」 ネーサの手はあなたの尻を弄り始めている。こんな真似に及ぶとは、驚くべき現実だが しかしネーサの性欲を向けられて、あなたは不快どころか幸せで満たされていく 好きな女性に性の対象として求められる。これに勝る男の誇りなどあるだろうか 「そろそろお酒じゃないものが欲しいな…」 頬を真っ赤に染めたネーサが伸し掛かってきて、あなたの思考は中断された 25/12/09(火)21:23:15No.1380840145 巨大であった。身の丈ほどもある大剣であった 屈強な冒険者がこれ見よがしと振り回しているから、邪魔になっているのであった しかしあなたは咎めにくい。男なら一度はああいうデカい武器を扱ってみたくなるからだ 男性陣の生暖かい視線と、女性陣の冷たい目線が一点に集中している 「全くもう…一声かけてこなくっちゃ」 あなたはネーサを制した。ネーサが成さんとする事は正しいが、格上の女性に窘められるのはあんまりではないか ここはあなたの出る幕だろうと、やや気乗りしないものの一歩を踏み出した時 「そんな情けないザマで訓練場を塞がないでもらえますか!」 いつの間にやらオトーが口撃を始めてしまっていた ああ、止せ!とあなたが声にするより早く、眦を吊り上げて追撃へ移行してしまう 「体幹が流されるような武器に操られる姿をよくも晒せたものですね!そういうのをみっともないって言うんですよ!お姉様が黙っていれば何時まで踊っているつもりだったのやら!」 ああ… 「そこまで言わなくたっていいのに…」 言い返せず項垂れる冒険者が転がっていた。奴はネーサのためならやりすぎるのだと、あなたは額に手を当て天を仰いだ 25/12/10(水)21:24:36No.1381143740 読書の秋をとうに過ぎても、書を読み学びを得る事には価値がある あなたは一冊の本と向き合い、ネーサはあなたの膝の上に腰掛けて、本を共有している 大変良い。ネーサの尻の感触が脚に伝わってきて大変良い。本の内容が頭へ入ってこない事以外完璧であった 「ん…めくるわね」 あなたは実質的に、ネーサの用いるブックスタンドと化していた。何せもうページを送る手すら止まっている しかしあなたに責められる謂れはない。恋人とここまで触れ合って興奮せずにいられる方がおかしいのだ そう。おかしい。ネーサはおかしくないので、触れ合う面から伝わる体温は上がる一方である 「次の、ページに…」 ネーサの髪の香りに参っているあなた、背中を預けたあなたの感触に心音を早めるネーサ 本を読み始めた時はこんなつもりではなかったのだが。何を言ったところでもう遅い とうとうネーサの手も止まり、あなたは栞を差し本を閉じた 「ぎゅって、してくれるの…?うれしいっ」 この調子が続いたら、一冊読み終わるのに何日かかる事か。あなたは次回以降の自制を決意しながら、今はネーサとの触れ合いに集中した 25/12/11(木)21:29:31No.1381464468 足取りモグラの退治は嫌厭されがちである。割と死人が出るからだ そういう訳であなたはやってきた。依頼が塩漬けされるのはよろしくない 呑気に歩いていると、足の裏にかすかな振動が伝わってくる。そして隆起 地中を時速60キロで掘り進んできた、足取りモグラのご登場であった 転ばされたが最後、そのまま食い殺される獰猛な魔物であったが。あなたの敵ではない 掴まれた足首をむしろ高々と振り上げれば、モグラの方が引っ張り出される 後は仕留めるだけだった ……それにしても、ネーサが恋しい。いつもいつでも二人一緒とはいかず、こうしてあなたはモグラ退治に勤しんでいる 次々とモグラは釣れる。振動で地上を探知するため、同族が飛び出した後の末路を伺い知れないのだ 反復作業をしていると、心が荒んでいくのを感じる。寒風が身体に染みるのも堪える 『しょげないで、もう少し頑張りましょ!』 脳内ネーサに励ましてもらう虚しさを噛み締めながら、あなたは人々の脅威を取り除いたのだった 25/12/12(金)01:35:05No.1381546512 またしてもセ部屋を見つけたお姉様とあなた とりあえず封印解体を済ませた後でそういう事を意識して… 帰った後で寝室に鍵をかけセ部屋を再現してしまう 鍵は外れず(外せる)脱出するには致すしかない(出られる)空間の中で二人は身を重ねて これは仕方のない事だから(仕方なくない)と言い訳をして(しなくてよい)汗をかくのだった 25/12/12(金)21:22:02No.1381790159 山を食らう怪物が現れたとか、命を飲み込む大穴が開いたとか、この世にはそういった噂が絶えない そしてこの手の噂は3割くらいが事実なのだ。ネーサは鼻息荒く現地へと向かい、あなたもその背を追った するとどうだ、山より大きな怪物が地を舐めて、魚がプランクトンを濾し取るが如く土だけを吐き出しているではないか! 「わあ!なんて大きさ!」 あなたとネーサに対して、空を覆わんばかりの巨躯。スケールに差がありすぎるため、相手はあなた達に気付いていない 先制攻撃のチャンスだ。怪物にも生きる事情はあるだろうとも、山林資源を食い尽くされては敵わない 人間社会の一員である限り、排除しなければならないのだ 「いくわよ…そぉれ!」 ネーサの一太刀が開戦の狼煙となって、巨獣との交戦を開始した 木々がへし折れ、地は引き裂けた。空さえ怯え雲々が散っていく。そこにあった標高600mは跡形もない あなたがついにトドメの一撃を突き立てると、地響きを立てて大重量から力が失われた 「これは、報告が大変そうね…」 戦いの痕跡は広く深く、何が起きたかを記録するのは、骨が折れそうだった 25/12/13(土)21:54:45No.1382172329 ベッドがお亡くなりになった 弁解しておくと、毎日の営みによって破壊したのではない(ダメージが蓄積していたのは否定出来ないが) じゃれ合う内に盛り上がって、飛んだり跳ねたりしたせいなのだ。S級脚力の負荷だ 「はぁぁ~……私ったら何をやってるんだか」 ネーサが長いため息をつく。思う所はあるのだろうが、あなたも同罪なので一人落ち込まれては困る よってあなたも長いため息をついた。無惨な姿になったベッドを、業者が運び出していく 新しいベッドは翌日届くそうなので、あなたとネーサは家にいながら床やソファで寝る事になる 宿に泊まるような甘やかしをする気にはならない。はしゃぎ過ぎの末路を噛み締めたかった 「床寝だなんて…どうしよう、私達にはちっとも堪えないわ」 過酷な環境へ身を置く冒険者は、一日ベッドを使えないくらいどうという事は無い ああベッドよ。苦しみに横たわり、お前のありがたみを失った悲しみにさえ浸れないが。どうか安らいであれ。 「次のはもっと大切に扱わないと…高いのだし」 より大きく、より頑丈なベッドよ。明日からをありがとう 25/12/14(日)21:21:50No.1382548353 霜柱が張っているのだった。朝露も凍る冒険先の事である 目覚めれば吐息まで凍って落ちそうな冷気の中、あなたがゆっくり暖気していくと 足元にシャキシャキとした感触が伝わってきたのだった 「おはよう…これ、楽しいわよね」 見ればネーサもシャキシャキと霜を踏んでいる。足裏から心地良い音が鳴る シャキシャキ、シャキシャキ。なるほど楽しい。あなたとネーサは、しばしの間足踏みに浸った するとどうなるか。踏む霜が無くなるのだ こんな事のために遠くまで足を伸ばすのは馬鹿げている。だからこの場限りの楽しみを、最後の一歩を我が物としたい 「…………」 あなたとネーサはしばし睨み合った。そしてあなたが譲る。夜番を終えたばかりの彼女が得をすれば良いのだ 「いいの?それじゃ…えいっ!」 シャキ、と快音を立てて霜柱が踏み潰される。それきりもう、足元に娯楽は無い 良い暖気になったとあなたは思い、余韻に浸るネーサの表情を堪能する。手に入れた喜びと、もう無くなった寂しさとが入り混じった、美しい表情だった 気が済んだ所で、あなたは朝食の準備に取り掛かった 25/12/15(月)22:54:35No.1382912183 「辛ぁ!」 ネーサが口から火を吹く勢いで悶え、あなたも全身から汗を吹き出させ苦悶の声を漏らしている 『激辛チャレンジ!食べ切れたらあなたもS級耐辛者』の謳い文句に釣られて注文したのが間違いだった 香辛料のたっぷり入ったらしいこの溶岩めいたブツは、間違いなく美味い。それ以上に辛いのだ あなたは涙を流し、恥も外聞もなく鼻水さえ垂らした。粘膜が泣いている 「く、うぁ……!だけど、だけども!これだって冒険なんだからぁ!」 ネーサが匙を進め、負けるものかとあなたも突き進む。凄まじい刺激に視界が色を失い、腰掛けた椅子の感触が消え失せる 不要な五感を閉じて、目的達成のためのエネルギーへ変える奥義。あなたは表情筋を暴れさせながらも食べ続ける ネーサはどうか。二度三度と卓に握り手を打ち付けてから、決死の形相で抗い続けている そうともネーサの言う通り、ここに冒険があるのだから。冒険者なら負けられないのだ 「ひぃ…っ、ひぃぃ~っ!お、おいしいのは、確かなんだけどぉ……っ!」 苦しみ喘ぐネーサの姿に、あなたは若干の色っぽさを検知したが。すぐに集中し直した 25/12/16(火)21:27:36No.1383193532そうだねx7 あなたは捕まってしまった この拘束は逃れがたく、あなたがどんなに強い意志を持っても脱出出来ない魔力がある むしろ心を強く持てば持つ程に引力が増してしまう。恐るべき引き寄せ術であった 「もう、くすぐったい…」 ネーサの抱擁である。薄い胸に顔を押し付けられ、女性らしい柔らかさを直接感じている 首に巻き付けられた腕の滑らかさも、例えようが無い素晴らしい感触だ。身体を揺すって一層味わいたくなるのは仕方がないのである あなたもネーサの腰へ腕を回し、遠慮なく甘え倒す。遠慮する必要の無い間柄なのだから、やるなら徹底的にだ 慎ましい胸の形を顔で探るような不躾だってしてしまう。早まっていくネーサの鼓動があなたへ伝わってくる あなたの加速する心音は、ネーサに伝わっているだろうか 「すごくドキドキしてる…私と一緒ね」 あなたからネーサの顔は見えないが、きっとあなたと同じように、頬を熱く染めているだろう グッと体重をかけてネーサを押し倒しにいけば、ネーサはあなたの欲するまま仰向けに倒れ込む 後はもう、通じ合った気持ちを更に確かめ合うだけだ 25/12/17(水)21:42:03No.138350699 王都郊外に新たなショッピングモールが建ったと聞けば、あなたもネーサも覗きに行こうという話になった 大変な人の波が形成される中へ、あなたとネーサも波の一部となるべく飛び込んでいく 大した賑わい、大した商売の熱であった。どこへ行くにも一筋縄ではいかず、これこそ開店間もない空気というものだ 「きゃ!もう、ぶつからないのは無理ね」 あなたはネーサの手を固く繋ぎ、ネーサも強く握り返す。この人混みの中では、互いが命綱だ 切れてしまえば、再会出来るのは何時間後になるやら。掻き分け掻き分け二人で津波を泳ぐ 服屋、服屋、服屋、服屋…あなたの偏見だが、モールはどこも服屋が多い気がする 「色々気になるけど、落ち着いて見るのは難しそうっ」 即断即決が求められる空間。あなたとネーサなら訳もない。冒険者は頻繁に決断を迫られる商売なのだから 込み込みとした中で、目についたものを素早く手に取り会計へ 忙しなく、それが楽しくある。初物に惹かれるのは人間の性と言えるだろう 「楽しかったけど、窮屈だったわ…落ち着いた頃にまた来ましょ」 そういう約束をした 25/12/18(木)21:35:09No.1383811079 入浴後というものは、どうしてもソワソワしてしまう。後はもう寝支度なのだから つまるところあなたとネーサは、一緒に寝るという事で。それはもう 親密になってから日数が経過し、営みも既に数えられないばかりに重ねてきた 「…………っ」 ところがどうだ、慣れる事など一向に無い。あなたは喉を鳴らし、ネーサも俯いて思わせぶりに寝床へ視線を送る 今からまた、互いの生まれたままの姿をさらけ出し合うと思うだけで。顔から火が出そうになる 愛しく思う人を、美しく感じる人を、組み伏せてしまう。或いは跨られてしまう。もう想像するだけで頭の中は桃色一色だ 「…………っ!……!」 声にならない声を漏らして、ネーサも内股を切なさそうにさせている。これ以上は辛抱ならない あなたはおずおずと手を差し伸べて、ネーサがそっと握り返す。指を絡め合う事さえためらってしまう、初々しい繋がり 鈍い足取りで、一歩ずつ確実に近付いていく。どんなに照れ臭くても、歩みは止まらないし繋いだ手も離れない したくてたまらないのは、共通の思いなのだから そうして寝床に潜り込んだ 25/12/19(金)01:18:10No.1383882625 オトーは見た! 敬愛するお姉様ネーサ・マオが密かに励んでいる姿を! オトーは知っている! その運動が何を意味するのかを(自分でやった事はないが)! 豊胸運動だ!!! 「お、おお、お姉様…一体何を…」 「あぁ、見つかっちゃったわね」 「まさか、まさかっ、まさか! あの男お姉様の胸では満足出来ないとでも!!!!」 「違うわよ。あの人は私が変わっても変わらなくても想ってくれる…でも、それだったら。私は変わって…この胸に揉み応えを持たせたいの!」 「もみごたえ」 「小さいから撫でるばかりで、それでも嬉しそうにしてくれるんだけど。もっと手の中を幸せな気持ちにしてあげたいから…そうだ! オトー、そんなに大きく育ったのは何か訳があったりしない?」 「……おおお、おおお……っ! お姉様は、穢されたーっ!!!!!」 「オトー!? どこ行くのーっ!? あと穢れなんかじゃないのよ!」 オトーは涙を流しながら、闇雲に王都中を激走した… 25/12/19(金)21:14:55No.1384095864 グビリと一杯、あなたはコーヒーを飲み干した あなたにコーヒーへのこだわりは無い。冒険者は泥水を啜り、同じ口で丹念に抽出したコーヒーを飲む生き物だ そんなあなたが何を大切に思うかと言ったら、淹れてくれたネーサの思いやりに他ならない 「美味しい?」 あなたは今も、コーヒーにこだわりが無い。あるとすれば、ネーサが淹れたかどうかの一点だ 味わい深い気がする。香り高い事は分かる。ただ匂いと味をどこかで分けて捉えている まだコーヒーはあるので、おかわりを要求する。ネーサは大変嬉しそうに一杯を注いでくれる 「ふふ、良かった…」 この笑顔のためならば、それこそ泥水だって啜れるとあなたは思う。勿論コーヒーは泥水ではない 今日の一杯と昨日の一杯に違いはあるのか、それとも同じものを同じように淹れているのか。その辺りもっと観察しておくべきだったと、あなたは飲む度考える そして曖昧に笑顔を送って、ネーサもそれで済ませてくれるから、気が緩んで明日も同じ失敗をするのだ 「いいのよ」 何かを許されたのだった…心を読まれたのかどうか、あなたには分からなかった 25/12/20(土)22:22:52No.1384466987 そこであなたは閃いた。ネーサ(サンタ)が実装されるべきであると 美しいネーサにファーを纏わせたなら、さぞや絵になる筈である。これは実に素晴らしい 想像するだけで、あなたは思わず鼻息を荒くしてしまった 「なんだか想像図がいやらしくない?」 あなたの拙い絵図によるものだが、ネーサにもおよそのイメージは伝わった 大胆な露出を想像せずにはいられなかった。あなたの下心である。これをそのまま世に放とうなどとは思っていない 人前にはもう少しウエストを出さない形で、スカートも長めを想定している。あなたの独占欲だ 「ふーん…そう」 ネーサはあなたに近付くと、上着を少しめくり素肌を見せつけてきた 視線が釘付けになる。頭の中がピンクなネーサで一杯だ 「独占するんでしょ?もっとめくってくれてもいいわよ」 あなたは生唾を飲み込み、限界まで目を見開く。これはもうサンタ実装などと言っている場合ではない ネーサ・マオはあなたの腕の中に閉じ込めて、出られなくなってしまった こうしてネーサ(サンタ)は未実装に終わったのだ 25/12/21(日)21:39:57No.1384855776 ネーサの催眠術が炸裂した!あなたは逆らえない! …勘の良い者ならお気付きだろうが、ネーサ・マオは催眠術の心得など無い。だがあなたに対してコインを左右に触れば、たちまち言いなりの出来上がりだ 「さあ、私の質問に答えてもらおうかしら…」 などと言いつつ、ネーサは抵抗しなくなったあなたへ密着を仕掛けている そう、催眠にかかった者は放心状態に近い。無防備な所を攻めるのは冒険者の必勝法だ 完全に術中へ堕ちた(事になっている)あなたは、抱き返せないままネーサのコマンドを待っている 「ねえ……私の事、好き?」 当然あなたはネーサが好きだ。とても好きだ。こうして肌を触れ合わせて、好意を感じている時間も好きだ ネーサに異性として見られて、求められるのが好きだ。好きだと言う度に頬を染めて恥じらう姿が好きだ 好きな人に好きだと思われている幸せを毎日噛み締めている。一生を共にしてもらいたい気持ちでいっぱいだ 「そ、そう……なの…ええ、もう、そんなに…」 ネーサはあなたの胸に額を押し付け、湯だった頭の熱を移してくる あなたもネーサと同じだけ熱くなって、催眠命令は大胆さを増していくのだった 25/12/22(月)21:30:31[12/22はラブラブサンドの日]No.1385180084 「本日はラブラブサンドよ!!」勢いよく扉を開けネーサが入場する。 「恋する乙女の皆、今日はよく集まってくれたわ!さあ、意中の殿方の話題を語り合いながら、サンドを食べましょう!」 ネーサの演説に調理室に集った女冒険者たちから歓声があがる。 「イザベラさん。クリストさんとはあれから進展は?」 「あうう、ク、クリスマスにお買い物の予定…」 トリプルイチゴを手にしたイザベラが身を縮める。中のイチゴソースよりも顔が赤くなっている。 「ユイリアさん。どう?マーリンさんとは」 「はい、家への報告は事後でいいかと。どうせ反対されるなら式の後の方が楽です」 ミルクコーヒーを食べながら、ユイリアが表情を変えずに飛んでもないことを口にする。 「アズライールさんはサーヴァインさんと距離縮められそう?」 「ほ、本名知られちゃった…。で、でも可愛い名だって言ってた。でも無表情…」 ジューシーツナをも食べながらごにょごにょと喋るハナコの可愛さに、堪らずネーサは彼女の頭を撫でる。 (恋する乙女っていいわ…これだから気ぶりはやめられないわ) 冒険者達の恋するオーラを堪能しながら、ネーサはジューシータマゴにかぶりついた。 25/12/22(月)21:39:45No.1385184013 あなたとネーサがギルドを出たところに、見知らぬ猫と出くわしたのだった 毛並みに人の手が加わっている。ペット素人のあなたが見ても分かる高貴そうな猫だった 「あら、可愛らしい猫ちゃんね…よしよし」 瞬時に彼我の距離感を見抜いたネーサも、気安くその毛並みを撫でつけている 無防備に触られている辺り、やはり人慣れしている。猫は気持ち良さそうに目を細めている あなたも少し触ろうかと思ったのだが 「いい子ねー」 猫を可愛がるネーサの姿は、大変絵になる。これは間に入らず、ネーサと猫の双方を眺める方がアドと判断した あなたは一歩引いて、猫へ甘ったるい声で話しかけるネーサを網膜に焼き付けようとする どんなにささくれ立った心でも、この光景を見れば愛や平和をもう一度信じたくなる事だろう そうしてしばらくすると、あーっ!と声が響く。どうやらこの猫は、下級冒険者が依頼を受けた探し猫だったらしい S級冒険者ネーサ・マオの手を煩わせてしまった事に、申し訳なさそうな低身ぶりで猫を引き取る冒険者 ネーサの手はしばらく寂しげに、虚空を撫でていたのだった 「あの子…可愛かったなぁ」 25/12/23(火)21:55:39No.1385511784 あなたは獣に扮し、ネーサは赤い服へ袖を通した 双角の獣を従えた赤服の美女(老爺という説もある)が、年末の夜良い子の家へプレゼントを配る奇祭のためだ ギルドで用意されたソリを曳き、あなたは歩を進める。手には小さな鐘をひとつ からぁん──からぁん── 「皆プレゼントは喜ぶけど、なんだか気味悪がるのよね」 からぁん──からぁん── 何が近付いてきているか、子供達は分かっている筈なのに。不思議なものだとあなたも首を傾げる 灯りも持たず(上位冒険者は夜目が利く)、暗く重い鐘の音を立てて(奇祭の作法)、夜道を練り歩く不審な仮装者というものが、一般にどう見えるか あなたもネーサも、いまいち分かっていない。恐怖への順応こそが、冒険者の素養かもしれなかった からぁん──からぁん── 「静かね……王都の中に、私達しかいないみたい……」 からぁん──からぁん── 心胆を撫でる鐘の音に、人々は命じられるまでもなく己が家へ飛び込んでいく 静かにプレゼントを待つ良い子達の出来上がりであった 「何でか分からないけど、二人きりになれるのは良い事だわ…ねっ」 25/12/24(水)21:45:28No.1385824135 良い子の皆にプレゼントが届き、王都は笑顔が満ち溢れたのだった ではプレゼントを配ったサンタ役、ネーサ・マオには何の見返りも無いのだろうか そんな訳は無い 「皆ありがとう!とっても楽しかったわ!」 妹分達に囲まれ、オトーを筆頭にあれやこれやともてなされたネーサは、両手に抱えきれない程のプレゼントと共に帰路へついた あなたが半分受け持っても、まだネーサの姿が覆い隠れそうなプレゼントのボリュームである とても良い日だった。暖かな日だった 二人の家に帰り着き、プレゼントを片付け終わって。あなたが満ち足りた気分でいると 「あら。まだ満足するには早いんじゃない?」 とネーサが口にした。何か他にあっただろうかと、あなたが視線を左右に彷徨わせていると、ネーサの素早い踏み込みが互いの距離をゼロにする 「プレゼント配り、一緒にやったでしょう。ご褒美がなくっちゃ…」 あなたはネーサに抱き着かれ、そのまま良いようにされてしまう こんなに素敵なプレゼントを貰えるなんて、あなたは自らの幸せぶりに目眩さえ覚えてしまうのだった 聖なる夜が更けていく…… 25/12/25(木)22:09:36No.1386150512 あなたとネーサはこの日のために、食材を獲得するための冒険を重ねていたのだった そうして手に入った伝説の苺、偉大なる生クリーム、そして奇跡のスポンジ生地を組み合わせる事で、聖夜に相応しいケーキが出来上がったのだ 「わあ…素敵ね…!」 積もりたての新雪を思わせるクリームが光を跳ね返し、美しい輝きを放っている。イルミネーションも顔負けだ 苺の赤々しさと言ったら、クリームの白にも負けじと艷やかで食欲をそそられる。果実の芳しさが鼻をくすぐってくる それらを支える生地の高さは、ネーサの身長を超えているではないか 「なんだか…その…式のケーキみたいね…っ」 何の式か、などと野暮をあなたは言わない。見れば見るほど、高さといい白さといい…想像するものはあなたとネーサとで同じだ カットのため購入しておいた長大なナイフも、そういう意味に感じられてくる あなたは片側からナイフを持ち、何の合図や言葉もなく、ネーサも自然にもう片側からナイフへ手を添える そうして、予行練習であるかのように、高いケーキへ一閃を加えたのだった 尚あなたとネーサは十分な技量があるため、ケーキは初撃で鮮やかに切り分けられた 25/12/25(木)22:17:07No.1386153435 全てはあれから始まりました お姉様の「施し」…それがフルコースのスープ… 最初に食べたスープの味は死んだって忘れないでしょう 魚料理は初めての「お姉様のぬくもり」… フルコースの肉料理は…今でも私の身体に残るその感触…「おやすみのハグ」… 私のフルコースメインは…いつも…いつだって私に優しく微笑んでくれた… 「お姉様の笑い顔」それが私のメインディッシュ そしてどんな時もこんな私の味方をしてくれた…決して忘れません 「お姉様の励まし」それが私のフルコースのサラダ こんな愚か者の私を常に真っ直ぐに導いてくれた 「お姉様の教え」…それが私のデザート 私のフルコースが全て揃うことはもう永遠にないでしょう なぜなら「家族での食事」という狂おしいほどに純粋な「お姉様の夢」そのものが… 私のフルコースのラスト…ドリンクであり… もうあの男と叶えてしまってますからね!!ちくしょう私も混ぜろ!!!! 25/12/26(金)21:16:44No.1386434156 雪だ!王都サカエトルが一面白く染まった。中々の降雪量で、あちこち除雪に難儀している あなたとネーサは近隣の除雪に協力した後、溜まった雪へと目をつけた 「えいっ!それ!」 ごうごうと音を立て迫る雪玉。あなたは時に身を捩って躱し、時に雪玉で相殺する 寒さも吹き飛ぶ熱いファイトであった。しかし妙だ、先程からネーサの投球数より明らかに雪玉が多い… 「やあ!たあ!」 「食らえっ!このっ、このこのこの!雪に塗れろぉ!!」 ごく自然にオトーが加わっているではないか。これは圧倒的不利である。あなたは咄嗟に集雪場へ身を隠す とりあえず舌戦で息を崩そうと、あなたは声を張り上げる。卑劣なりオトー!遊興の場に怨恨を持ち込むか! 「何とでも言えばいいですぅ!この期に滅多打ちしないでいつするんですか!!」 「私とオトーの連携を見せてあげる!」 オトーを弱らせられなかったばかりか、ネーサも今回は乗り気である 人数差、勢いの差を覆す事は叶わず、あなたは雪塗れ水浸しとなった。あなたは心底悔しかった 「ちょっとやりすぎちゃったかしら…」 「リア充は水を差されるくらいで丁度いいんですよ!!」 25/12/27(土)22:52:33No.1386812111 あなたとネーサは焼肉屋へ来ていた デートコースとして様々に言われる空間であるが、二人にとってはそんな甘い舞台ではない 肉は冒険者の基礎、肉は奪ってでも口に運ぶもの。すなわち戦争である 焼く。焼ける 「はっ!!!!!」 はしたない振る舞いではないのか。そんな事を指摘するレベルの者は場に近寄るべきではない 激しい闘気が渦巻き、煙と共に換気扇へ吸い込まれていく 「せやぁっ!!!!!」 トングが閃き、互いの口へ肉を放り込んでいく あなたはネーサに食わせ、ネーサはあなたに食わせている…奪ってでもという理屈に嘘はない それ以上に、パートナーに満たされて欲しいと思っているだけだ。結果奇妙な餌やりめいた光景が出来上がっている 揃って何をやっているのだろう、という気持ちも無くはないのだが。手は止まらない 優れた冒険者は、考えるより早く身体が動くもの。あなたとネーサは戦場にあって、歴史的和解を成し遂げていた 「むぐ、もぐ……」 食べさせ合う肉は、美味なのだった 25/12/28(日)21:46:22No.1387165218 抜かり無いあなたとネーサは、早々に室内の大掃除を済ませている しかし二人の家は一軒家。事はそう簡単に済まないのだった。外は内ほど容易くない あなたは外壁に取り付き、ネーサは屋根の上を払って回っている 「ふぅ…中々大変ね」 ネーサ邸は結構な資金を投じられただけあって、大型である。掃除面積が広い 脚立など悠長なものは使っていられない。あなたは壁の汚れを落としながら、蜘蛛の如く張り付いて移動している 時々上から補給物資が降りてきて、張り付いたまま一息つく 「なんだか冒険してるみたいね」 崖を登り、途中で足場をこさえて休むような真似も、あなたとネーサは経験している 掃除しながら外壁を伝う程度、手間だし大変だが出来ない事ではない 年を跨ごうという時くらい、二人の家にも綺麗であってほしいではないか そういう気持ちであなたは作業を再会する。ネーサ手製の軽食を摂って、元気一杯だ 「残り半分くらいかしら?頑張って終わらせましょ!」 あなたからは見えないが、ネーサが腕まくりするのを感じ取った 25/12/29(月)21:45:38No.1387516902 魔リと斬り木リスという童話がある 春からせっせと食料を蓄えてきた魔リ、冬へ向けて備えは万全という所に、斬り木リスが訪ねてくる 快く斬り木リスを迎え入れた魔リはあっという間に殺され、全てを奪われるのだった 強くなければ、備えなければ、財も命も守れない。残酷ながら一理ある話 旅の世間にも、斬り木リスたらんとする者は潜んでいる現実がある 「どうぞ、上がって。寒かったでしょう」 ただ、斬り木リスを自認する者全てが賢い訳ではない 例えばオフの日なら、隙を突けば、S級冒険者の全てを奪えると思っている者とか その男は隠し持っていたナイフを抜くや否や、美女の柔肌へ突き立てにかかった 凶刃は素肌に突き立つ事さえなかった。柔らかく沈み込みながら、しかし血の一滴も零れはしない 「バカな事をして。そのナイフを隠していれば、シチューの一杯も振る舞ったのに」 S級冒険者ネーサ・マオは凶漢を一撃で昏倒させ、あなたは意識不明の身柄を縛り上げる こんな時間に仕事を持ち込む形となってしまうが、事件は素早く知らせるのが誠実というものだろう あなたは拘束した者を担ぎ上げると、警察へ向かった… 25/12/29(月)22:09:07No.1387526732 >あなたは拘束した者を担ぎ上げると、警察へ向かった… 「こいつS級を襲おうとしたのか?たまーにいるんだよなこういうバカが」 署に運び込まれてきた暴漢間抜けな気絶顔を見て、ギャン刑事がため息をつく。 「同じ人間ならちょっと刺しちまえば勝てるとでも思ってんだろ、裁縫針で魔ゾウを突き殺そうとしてるようなもんなのにな」 両手を横に広げ、“やれやれ”をしながらダテイワも笑う。 「おや、いかに強力な冒険者とは言え、ゾウ呼ばわりは女性に失礼ではありませんか?聞かれていても知りませんよ」 部屋の奥から釘を刺すのは鑑識のクェスプ、念の為犯人の凶器をマナ調査している。 「げっ、確かに聞かれてたらS級の取り巻きからクレームの嵐だったわ…オフレコで頼まぁ」 「すいません、警察といっても僕たちもちょっとしたあらくれ冒険者とあまり気質が変わらないもので…冒険者ギルドの治安への貢献に感謝します」 そそくさと引っ込んでいくダテイワと入れ替わるように、サトーが手続きの完了を伝えに来た。 冒険者ギルドと王都警察、どちらも治安に関わることも多い組織。このようなやり取りは日常的に交わされるものなのだ。 25/12/30(火)22:17:29No.1387873400 もう今年も終わろうとしている。早いものであり、同時に長い時を経たようにあなたは思う ネーサ・マオと恋仲になれた幸せを、あなたは幾度も噛み締める。こんなにも幸せな日々を過ごせるようになるなどと、以前は想像さえしなかった 「何か考え事?」 ネーサは自然に背後からあなたへ抱き着き、耳元へ囁くようにして語りかける とても甘い声で、なんて事の無い問いかけでさえ唾を飲み込んでしまう 好意を抱く魅力的な異性の自然体というものは、どれを取っても淫らなものを催す威力がある 「あっ…もしかして、エッチな事考えてたんでしょ」 そうではないが、ネーサに抱き着かれてから急速に脳内がピンク色へ染まっている あなたは否定の言葉を告げられない。男の象徴が膨らんでいるからだ 「そんなに私の事、いつもエッチな目で見てるの…?」 首筋に絡み付いていた腕は擦り付く動きへと変わり、薄い胸があなたの後頭部へ押し当てられる あなたは鼻息を荒くして、大きく目を見開く。愛しい人が色仕掛けをしてきたら、耐える術など存在しない 「あっ!ちょっと…こらぁ。まずはギュッてしてから、ね」 あなたはネーサを手繰り寄せ、身体を正面から触れ合わせた 25/12/31(水)20:05:59 No.1388159678 「今年も一年お疲れ様でした」 あなたとネーサは互いに頭を下げ、過ぎゆく一年を労った 年越しには蕎麦をたぐるという風習が流れ着いて以来、年末の王都では蕎麦の需要が高まっている あなたが購入する頃には、中々足元を見られた値段だったが。それでも良いのだ 「こっちも揚げていくわよっ」 ジュッワァと耳心地良い音が響き、香ばしい匂いも漂ってくる。蕎麦には天ぷらという事で、ネーサの手により海老が油へ飲まれていく あなたが茹でていた蕎麦もあがり、丼へ盛り付ける。あなたとネーサは二人して、一緒に迎える年の終わりに浮かれている 去年までは考えられなかった、柔らかな食卓を挟んで。締めくくりの蕎麦へ口をつける 美味い。あなたは自画自賛し、ツルツルと麺を運んでいく。続けてネーサ手製の天ぷらも これも大変美味い。汁を吸った海老はどうしてこう美味いのか 「おいし…お腹があったかくなるわ…」 ネーサがほうと息をつく姿に、あなたは目を奪われる。あれこれ考えていても、あなたの頭の中はすぐネーサでいっぱいになる 幸せだと思い、あなたは思った通りを言葉にした 「そうね…私も、とっても幸せ」 26/01/01(木)22:38:55No.1388602599 あなたとネーサは羽根突きの腕を競い合っていた。落とさぬように突き合うのが元々の作法である 「せっ!」 鋭い軌跡。最初の内は和やかに羽根を突いていたのだが、徐々に弾速は加速していたのだった そのまま受けると板が消し飛ぶ。あなたはまずしなやかに衝撃を吸収して、速度を失わせてから送り返す 勿論あなたも熱くなっているため、羽根はピィィと甲高い音を立てて飛んでいく。引き裂かれた風が鳴いているのだ 「んっ…やぁ!」 互いに自分の手番で終わりにはさせるまいと、技巧を尽くしている。激しい往復運動 そういう事をしているとどうなるか。羽根の方が耐えられずに消し飛ぶ あなたとネーサは互いに目が良いため、空を掻くような失態は演じない 「あ…っと。私の勝ちね」 それは間違っている。羽根は最後にあなたが打ったが、捕球は可能な軌道だった。ネーサ側に返す義務が発生している 例え恋仲の相手であろうとも、事実を指摘するのが誠実さだ 「そうかしら…?いえ、やっぱり私の勝ちだと思うわ」 そんな事はない。 「あるの!」 26/01/02(金)21:35:54No.1388891268 未知を求めて、あなたとネーサは海中へと身を投じていた 暗く深い海の中では、強烈な負荷が押し寄せてくる。泳ぎ続けるだけで体力を消費していく 潮流を読み、緩やかに進行していく。生体発光の光がボンヤリと浮かぶ深海へ進路を取る こういう所には、信じられない怪物や未開拓の海溝、とんでもない悪党が潜んでいるものなのだ 「…………!」 ネーサのハンドサインを確認したあなたは、持ち得る推力の最大値を発揮して突撃する 城だ、城が建っている。こんな所に潜まないといけない輩など、9割ろくでなしである アポ無しエントリーを果たすと、やはりと言うべきか。違法物資取り扱い組織の居城であった 「目当てのものとは違ったけど…動かないで!抵抗すると痛い目に遭うわよ!」 あなたとネーサは冒険をしに来たのだが、見つけてしまったものは仕方ない 海底は国際法の適用される範囲であるし、徹底的な仕置が確定したのだった 城内は呼吸が出来る、足が付く。であればあなたとネーサにとってはホームも同然である 「意地汚い!言う事を聞けないなら、無理矢理お縄につけてあげる!」 大捕物が始まった 26/01/03(土)21:29:01No.1389211911 レンハートの剣という料理がある 新年に食べる縁起の良いものとして、レンハート王国で作られているらしい。あなたもネーサも気になっていて、材料を買ってきたのだ まず米を炊き、その間に具材を切る。海苔を敷き、炊けた米を酢と和えたものを広げて、具材を中央に並べる これを巻くと完成である。太巻と言った方が伝わる人も多いだろうか 「ちょっと太くしすぎたかしら…」 勇者ユーリン王の所持する剣に見立てて、長く太く作るのが望ましいとされているが、出来上がった後は切っても構わないらしい あなたはネーサの分を切り分けると、自分の剣は大きく広げた口へ差し込んだ 「わっ…そんなに大口開けて食べて、大丈夫なの?」 きりの良い所で噛み切り、あなたは口いっぱいの剣を咀嚼する。中々の出来栄えであった ネーサが切り分けた具材は特に美味しく感じる 「もう、切っただけなのに味なんて変わらないわよ…いただきますっ」 一切れを口に運び、ネーサも顔をほころばせる。もぐもぐと、物言わぬ時間が流れていく 縁起物を食べて、しかも美味いとくれば、運気は向上したに違いなかった 26/01/04(日)21:45:26No.1389550822 チョップ!キック!激しい攻撃がネーサを襲う! 「きゃあっ!もう、やったわね!」 返しの刃、怒涛のパンチラッシュであなたは押し返される!部屋の中にドタバタとした騒音が立つ! お察しの方も多いだろう。あなたとネーサはプロレスごっこに興じていた。原義の意味である ぺしぽこと軽い調子で叩き合っては、きゃあきゃあやいやいと騒いでいる。子供の遊びだが、子供の遊びこそ真剣にやると楽しいものだ あなたがエルボーを見舞えば、ネーサの組み付き膝蹴りが返ってくる。一進一退の攻防が続いている 「もらったわ!それぇっ!」 よろめいた所へ、鋭いハイキックが襲い掛かる。しかしそれこそあなたの狙い。長くむっちりしたネーサの蹴り足を抱え込むと、そのまま押し倒しにかかった 「きゃあぁ!うぅ、釣られちゃうなんて…」 あなたの下から逃れようとネーサはもがくが、完璧に決まったホールドからは抜け出せない 1・2…これでフィニッシュかと思われたが、あなたはホールドを解いてしまった 「…ふぅーっ」 ネーサの吐息に耳をくすぐられたせいだ。どうやら原義のプロレスごっこから、広義のプロレスごっこへ移行する時間のようだ… 26/01/05(月)21:34:52No.1389827387 新春ショーという事で、あなたとネーサは壇上に立っている 時には見世物を演じるのも上位冒険者の務め。一つ所に留まらない程冒険に入れ込むような質なら別だが さて、これといって腹案がある訳ではない。あなたもネーサも出たとこ勝負をかける気満々である これこそ冒険だ 「それじゃあ…はい」 ネーサから差し伸べられた手を、あなたは考え無しに掴む。その瞬間世界が回った 手首を捻る関節技に対して、あなたの身体は反射的に跳躍していた。何事も無かったかのように着地すると、繋がったままの手を介して反撃に出る 互いの身体を振り回すその様は、ある種の舞踏に見えた 激しく、荒々しく、子供が人形を振り回すように身勝手で。相手が反応して、思った通りに動いてくれるに違いないと、絶大な信頼を抱いている あなたは放たれた鞭のようにしなり、ネーサが風に乗った花びらめいて揺れる 二人の両足が地について、揃いの一礼。 拍手、拍手、拍手……歓声と共にあなたとネーサは引けていく 「何とかなるものね!えいっ!」 ネーサが手を打ち付けてきて、あなたも応じる。舞台袖でハイタッチを交わした 26/01/06(火)21:27:38No.1390105821 古の時代、神の使いとして扱われた鳥がいた ところが現代では害鳥として忌み嫌われている。その名も怪鳥カミカクシ。人を攫っては雛の餌にする、大変美しい巨鳥である 「いけない!」 今まさに犯行の瞬間。カミカクシが飛来し子供を攫おうとする所へ、たまたま出くわしたあなたとネーサ 駆け出し子供を突き飛ばしたネーサは、カミカクシの爪に両肩を掴まれ飛翔してしまった あなたは怒りに燃えて撃ち落とそうと構えたが、既に怪鳥は緩々と高度を落とし始めている 「離しなさい、ったら!」 肩に鋭い爪が食い込むも、その程度で怯むネーサではない。掴まれた部位を起点に逆上がり、脚へ強烈な蹴りを見舞った たまらず降下するカミカクシ、素早く上を取ったあなたとネーサの挟み打ちだ 「これで、終わり!」 黄金に輝く美しい翼は血に塗れ、最期に一声漏らすと怪鳥は息絶えた 長く神の国へ連れて行く鳥だと信じられていたが、生態の解明によって神秘は失われた。今では羽こそ重用されるものの、殺害対象である 「はぁ~、ビックリした…こんな所にカミカクシが出るなんて」 ギルドに目撃報告を上げなければならないだろう。仕事が増えて、あなたは若干憂鬱になった 26/01/07(水)21:36:36No.1390384884 年を越した盛り上がりから、人々の生活は緩やかに日常へ戻っていく あなたとネーサも、あれこれとやったが。普段の暮らしへと回帰していく時が来たのだった 未踏の地であるとか、世界を揺るがす災厄とか、金銀財宝であるとか。そういうものを探して回る冒険生活 言い方を変えると、デートである 「んふー……っ!」 あなたとネーサは両手指を絡めながら繋ぎ、恋人同士の親密さをあからさまに振り撒いて歩く 誰の目も気にしなくて良いのだから、街中では一応行使している遠慮というものを外している 繋いだ手は離さない。例えば敵が来たとしても 「おじゃま虫の登場ね…それっ!」 ネーサは繋いでいる方の手を振り上げると、あなたを武器として振り回して魔物に攻撃する 逆にあなたもネーサを振り回し、人間サイズの凶器として邪魔者を排除する 乱暴だ等ととんでもない。あなたとネーサにとって、手を繋いだままでいる方が大切なのだ あと互いの強さを分かっているから、心が通じ合っているから、攻撃手段として有力という理由もある 「なんだかピクニックしてるみたい!」 吹っ飛ばされた魔物達がやや血なまぐさいが、それを除けば穏やかな日だった 26/01/07(水)21:36:36No.1390384884 年を越した盛り上がりから、人々の生活は緩やかに日常へ戻っていく あなたとネーサも、あれこれとやったが。普段の暮らしへと回帰していく時が来たのだった 未踏の地であるとか、世界を揺るがす災厄とか、金銀財宝であるとか。そういうものを探して回る冒険生活 言い方を変えると、デートである 「んふー……っ!」 あなたとネーサは両手指を絡めながら繋ぎ、恋人同士の親密さをあからさまに振り撒いて歩く 誰の目も気にしなくて良いのだから、街中では一応行使している遠慮というものを外している 繋いだ手は離さない。例えば敵が来たとしても 「おじゃま虫の登場ね…それっ!」 ネーサは繋いでいる方の手を振り上げると、あなたを武器として振り回して魔物に攻撃する 逆にあなたもネーサを振り回し、人間サイズの凶器として邪魔者を排除する 乱暴だ等ととんでもない。あなたとネーサにとって、手を繋いだままでいる方が大切なのだ あと互いの強さを分かっているから、心が通じ合っているから、攻撃手段として有力という理由もある 「なんだかピクニックしてるみたい!」 吹っ飛ばされた魔物達がやや血なまぐさいが、それを除けば穏やかな日だった 26/01/08(木)22:10:51No.1390685780 モンスター図鑑。冒険者必読の本であり、幅広く流通している(一方で、魔族をモンスターとして記録しているため、近年は色々と揉めている本でもある) あなたはペラペラとページをめくり、旧版からの更新点を確認していく。危険な生物の情報は宝だ めくる内にサキュバスの項へ辿り着いた所で、ネーサに覗き込まれてしまったのだった 「ふーん…こういう娘が好みなの?」 間が悪い。事こうなっては弁解しても素直に受け取ってもらえるかどうか あなたとて、ネーサが美形の男を見つめていれば、穏やかな気持ちではいられないのだから 故に取れる手は限られており、あなたは図鑑を閉じるとネーサを手繰り寄せる 腕の中に細い身体を閉じ込めて、まず言葉より行為で気持ちを伝えようと試みる 「んぅ…こんなのじゃ誤魔化されないんだからっ」 そう言いつつも、ネーサは腕の中で小さくもがくだけで、強く抜け出そうとはしていない あなたはネーサの髪をゆっくりと撫でて、耳元に口を寄せてから、囁き声で想いを告げた 繰り返し、繰り返し。触れ合いで抵抗力が下がったネーサの心へ届くよう願って 「ふ、ぁ……あぁ……ん、そんなに、すきっていわないでぇ…」 26/01/09(金)21:53:30No.1390962236 今日は熱々のシチューに熱々のスープだ!あなたは喜び跳び回った ネーサの作るシチューは最高なのだ。ネーサが作る料理には大体最高と言っているが、そういう些事は置いておいて欲しい 加えてネーサのエプロン姿も見られるのだから、これは実に素晴らしいものである 「そんなにじっと見ないで…」 恥じらいに頬を染めるネーサの愛らしさと言ったら、白雪さえ輝きで劣り溶けて退くだろう 具材の切り分けを手伝いつつ、あなたは横目で恋人を覗き続ける。何度見てもどこから見ても、感嘆の息が漏れる美しさだ 「見ないでって言ってるのに…もうっ」 頬を膨らませて怒る姿は愛らしく、全局面対応型美女ネーサには隙が無かった 仕込みが終われば煮込むばかりであり、その間ゆっくり待つ事になる。鍋が緩やかに香り立ち始める ネーサの手があなたの手の甲に触れて、あなたはそっと手を繋ぎにかかる 本格的に肌を絡めるには早い時刻だ。あなたとネーサは手指だけの触れ合いで心を充足させていった 26/01/10(土)21:55:06No.1391274981 「わぁかわいい!」 どう考えてもネーサの方が可愛い。しかし分かりきった事を指摘するのは時と場合を選ぶべきである ネーサはぬいぐるみを眺めて、瞳をきらめかせている。なるほど確かに、中々愛らしいデザインだ 問題はこいつが透明なケージの中に収まっている事だが。クレーンゲームの景品なのだ あなたは腕まくりすると、覚悟と共にコインを積み上げる 「取ってくれるの?」 早めに取れたら良いなと思っている。このゲームは慈悲のラインに到達するまで苦しい思いが待っている 冷や汗を垂らしながら、あなたは挑戦権を投入した… …あなたは惨めでならなかった。とうとう店員が介入するに至り、やっとぬいぐるみを獲得したのだ 消えたコインは数十枚。いい格好をしようとまでは思っていなかったが、現実はその下限を突き抜けていった 「そんなに落ち込まなくて良いのに…私のために頑張ってくれたの、かっこよかったわ」 落ち込んでいた気持ちはあっけなく上向いた。何時だって好きな人には良く見られたいし、褒められたいのだ ちょっと涙が零れそうになっていたのは、顔を拭くフリで無かった事にした 26/01/10(土)22:03:27No.1391278075 >No.1391274981 「ふん!やっぱりこの男はダメですね!私に任せてくださいすぐにでもぬいぐるみをとって見せますよ!」 自信満々にそう豪語するのは妹分代表、オトーであった 「難しいみたいだし…無理しなくていいのよ?」 ネーサはそう言ったがA級冒険者の覇気に満ち溢れたオトーはすでにコインを入れていた 「ここにアームを持って行って…このタイミングで…、こうです!!」 そしてアームがぬいぐるみを動かした後、即座にA級台パンを放ち、筐体を揺らした。振動でぬいぐるみがさらに動き、取り出し口まで落ちてくる 「どうですか!やりましたよお姉様!」 「お客さん、ちょっといいですか?」 オトーの後ろには笑顔の店員が迫り、ネーサとあなたは即座に逃走を選択した 26/01/11(日)21:20:46No.1391617258 新年には聖堂を巡る習わしがあった。土地が変われば神社や仏閣を巡るらしい あなたとネーサはサカエトルの各地へ足を伸ばし、新年の祈りを捧げていく 愛する人と良い一年を過ごせるように、天上へ向けて願を掛ける 合わせて、軽食店に寄っては風で冷えた身体を温めていくのだ 「はふ、はふ…あったかい…」 ネーサは口内で熱を冷ましながら、たこ焼きを頬張っている。出来たての熱々で、一つ食べるにも中々手こずるのだ 一方あなたは焼きそばをすする。濃い味付けがそこそこ歩いた身体に沁みるというもの 聖堂がこんな商売してて良いのかとする意見もあるが、むしろ民心に寄り添うため率先して経営すべきではないかと、あなたは思うのだった 「ねえ、一口ちょうだい?」 なんと可愛らしいおねだりだろうか。あなたは素早く一口分をたぐると、小さく口を開いて待つネーサに応える するとあなたの口の中にも、たこ焼きが入り込んでいるではないか。S級の早業によって、気付かぬ内に一口を交換していた 「もぐもぐ……ふふっ、隙だらけよ」 まんまと一本取られて、あなたは口の中を少し火傷したのだった 26/01/11(日)21:44:04[便乗]No.1391626236 なるほど犬耳であった あなたが頭部に装着すると、犬の印象を与えられなくもないだろう 「中々似合うわね…素敵ね…」 そう言うネーサは猫耳を被っていた 元々が美人なので、余程奇抜な装備でなければ、美貌を引き立てるアクセサリーとして成立するのだ 面白半分で買った仮装カチューシャにより、犬猫が揃い立ったのだった 「にゃんっ、にゃんっ」 すっかり猫の気持ちになったネーサが、手首のスナップを利かせて猫パンチを放ってくる 犬としてはいかに迎え撃つべきか。あなたは犬科の攻撃方法を思い返した 「にゃあっ!?ちょっと、そんなっ、だめよ…!」 犬と言えば噛みつきだろうと、あなたはネーサの腕を抑え込んで甘噛みにかかる 瑞々しい素肌に唇を這わせていると、大変いかがわしい行為に及んでいる事に気付いたがもう遅い 「もう…そっちがその気なら…っ!」 キャットファイトのゴングが鳴った 26/01/12(月)21:50:52No.1391943526 『ネーサ・マオを信じるな』 センセーショナルな題名であった。S級冒険者ともなれば、本の主題にされる事などしょっちゅうである あなたは一先ず手に取り、その中身へ目を通していく。内容は大切であり、読まずに非難するのは悪しき行動である 『かつての栄光も陰り、昼夜問わず乱れた性をさらけ出す姿は冒険者の恥と言わざるを得ない』 あなたは激怒した。手の中の本を破り捨てそうになるのを、辛うじて抑え込む 全くふざけた文言である。ネーサは心ある人なのだ。人が幸・悦・快を欲して何が悪いと言うのか 地位に相応しくない振る舞いと指摘するなら、まだあなたにも納得の余地があった。だがこれはもう憤りしかない 「あら、またおかしな本が出てる…まったく私に話を通して欲しいものね」 あなたの後ろからひょっこりと顔を覗かせたネーサは、呆れた顔をして本の表紙を撫でている 気に留めない風の表情は、軽やかな仕草は、言外に一々怒らなくてもいいとあなたへ伝えていた あなたは怒り足りないが、ネーサが寛容であるのなら。迸らんとする感情を抑え込んだ 「こんな本、もう100冊は見たもの。怒るより呆れちゃう」 26/01/12(月)22:06:00No.1391949514 (前略) この記事を知ったあなたは激怒し、イースポの発行元である魔講談社に手紙を送り、デマに抗議した上で「今から行ってやろうか」と通告。翌日の午前3時過ぎ、あなたは妹分軍団であるオトーら11人と共謀して、サカエトルにあるイースポ本館内にある編集部に押し掛け、その結果、暴行傷害事件へ発展した。当初あなたは手を出さないよう妹分たちに言っておいたものの、当時の編集次長による「自分はカラテが得意である」旨の発言をはじめとした、編集部員の挑発的言動が発端となり「ガタガタうるせえんだよ」と発して暴行に至ったと記されている。 報道によれば、あなたが「担当者を出せ」と迫った後、どちらからともなく一斉にもみ合いになった。あなたらは「ぶち殺すぞ、この野郎!」と叫びながら、魔法を噴射した上、同誌の編集長及び編集部員らに室内にあったひのきの棒や拳で殴打したり蹴ったりして、1ヶ月から1週間の傷害を負わせた。あなたらは住居侵入・器物損壊・暴行の現行犯でに逮捕された。事件後、あなたらは逃亡の恐れなしとして釈放された。釈放時には約300人ものの野次馬やあなたの支援者らが集まっていたと言われている。 26/01/13(火)21:23:02No.1392220804 あなたはよろめき、呻き、怒りに震えた。これほどの人でなしは初めて見た しかしあなたは拳を振り上げられない。よくもこのように卑怯な真似をする。罵るのが精一杯だ 「ふっふっふ…効果てきめんですね!私もお姉様を人質にするようで涙が出てきますが!」 オトーはなんと、ネーサ・マオ写真集を盾にしているのだ! いかに写真とはいえ傷付けば世界の損失。それを分かっていながらこの女は! 「……私の目の前でおかしな遊びをしないでもらえる?」 「遊びじゃありません!この間男を懲らしめる絶好の機会なんですから!」 ネーサの諌める声すら振り切って、オトーはジリジリと距離を詰めてくる 卑劣女の企みになど、あなたは屈したくないのだが。盾があまりにも強力である 十字架に屈する吸血鬼よろしく、あなたはオトーの突き付ける写真集を前に膝から崩れ落ちた 「か…勝った…!ざまあ見なさい!最後は正義が勝つように出来てるんですよ!」 「はいはい、そこまでにしなさいね」 「あ痛っ!お姉様がぶったー!」 あなたは敗れたが、勝ったオトーもネーサに敗れたので調和がもたらされたのだった 26/01/14(水)21:17:45No.1392502109 あなたは甘いものが好きだ。正確に言えば美味いものは大抵好きだが 欲しいと思ったらケーキでもパフェでも頼める側の人種なのだった。冒険者は堂々と構えれば良いと 「ふふ、可愛い」 その様をネーサに笑われたとなれば話は別であった。無論、バカにされている訳でない事くらい伝わっている しかし、分かっていても気恥ずかしい。今更注文を取り下げるのもよろしくないため、あなたは明後日の方へ顔を逸らし、唇をもごつかせる 横顔に当たるネーサの視線は優しく、だからあなたは余計に目を合わせられない 「そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに…」 微笑みを見つめ返せないまま注文が届き、あなたは気まずさに拘束されパフェを口に運べない かくなる上は。あなたは匙を動かすと、ネーサの口元へと進行させた 「ん!?んぅ……あ、あーん……もう、あんまり人前でする事じゃないわよ…」 あなたと同じく頬を赤くしたネーサだったが、送り込んだパフェは素直に食べてくれたのだった まだ食べていないのに、あなたの口の中まで甘くなっていた 26/01/15(木)21:37:08No.1392787750 サカエトルシネマは音にこだわりのある劇場。極上の映画体験を約束してくれる あなたとネーサはペアチケットを取り、楽しみにしていた映画を初日から見に来ていたのだった 座席の座り心地は上等で、ポップコーンも中々良い味付けである。準備は万端だ 「…………」 照明が落ちて、スクリーンだけが光源となる。あなたとネーサは自然に手を繋いでから、前へ意識を向けた あれこれとストーリーが展開されていく。やきもきとする人間関係、時にアクション、奥行きのある音 映画の世界に引き込まれていく。しかし不思議と、繋いだ手は引き込まれた先でも一緒のままだ あなたとネーサは同じものを見ているが、別々の心を持っている筈なのに。まるでひとつの生き物みたいに心を羽ばたかせている 「…………っ!」 やがてクライマックスが訪れると、指を絡めたネーサから強い力が伝わってくる。興奮しているのだ あなたも同じように力が籠もり、目を見開いてシナリオを見守った…… …… 「あっ……ポップコーン、随分残しちゃった」 あなたとネーサは慌てて残りのポップコーンを片付けると、手を繋いだまま席を立ったのだった 26/01/16(金)21:34:08No.1393073268 あなたはネーサを抱きかかえると、ベッドへ向かった 今日はネーサに色々あって疲れていたため、歯を磨き終わった辺りでダウンしてしまった 役得である。眠れるネーサをお暇様抱っこするなど、ご褒美以外の何だと言うのか 「んん……すぅ…」 それにしても寝息まで可愛らしい。ネーサには欠点など無いのではないかと、あなたは錯覚しそうになる 超人的身体能力からは想像つかない程体重も軽く、腕にかかる感触はとても柔らかい 寝落ちした身体は熱を帯びて、運ぶ最中暖かくってたまらない 「んふ…ん……くぅ……」 小さく身を捩る仕草も、瞑られていてさえ美しさを隠しきれない瞳も、何もかもが愛おしい ハッキリと言えばあなたは興奮していたが、寝込みを襲うのは外道のする事であるため、自制している ネーサをそっとベッドに横たえ、あなたも隣に身を預けながら、毛布を被る 狙いすましたようにネーサの身体があなたへ寄ってきて、ピッタリと触れ合ってしまう。あなたはドキドキとムラムラに困りながら、がんばって目を閉じたのだった 「ん……ふふっ」 26/01/18(日)21:30:02No.1393794898 冒険者間に恋愛ブームが到来している事を、あなたは今日知った ネーサも今日、妹分の一人が同業と交際を始めたと聞いて知ったのだった 「そう!素敵ね!お相手はどんな人?キッカケはなんだったのかしら!」 興奮したネーサが妹分と恋愛について語り合うのを、あなたは遠巻きに眺めている 一歩引いた事で視野は広がり、冒険者ギルドを広く収められた なるほど、確かに親密そうなペアを見かける 「それじゃあ…私を見て、恋をしたくなったって、事なの?そう…っ」 照れたネーサは両頬を手で抑え、妹分のきらきらした視線から目を逸らそうとしている よもや自分達の交際が誰かに影響を与えるとは、あなたは思いもしなかった ネーサはどうだったろう。恋の素晴らしさを説いていた気がするが 「確かに、誰かを好きになるって素敵だと言った覚えはあるけど…いざ手本にされるとムズムズするのっ」 思った通りに進んでも、思った通りに感じられるものではない。感情の難しい所だ あなたが強くなったのは、ネーサと同じ高さへ上り詰めるためだったように 26/01/19(月)21:22:03No.1394090510 一般的な冒険者は傘を好まない。片手が塞がるからだ しかしあなたは雨の日に傘を用いる。片手武器だからだ。流石に冒険へ出る時は控えるものの 武器として使えば濡れてしまうが、街中でちょっと雨ざらしになるくらい些細な事だ 「あら…ありがとう。傘持ってきてくれたのね」 その日は急に雨が降ってきて、あなたは慌ててネーサの下に駆け付けたのだった 通り雨にしては雨量が弱く、雲は延々と居座りそうな気配であった。抜かりないネーサは当然雨具を持っていると、あなたは知っているが。そこはそれ ネーサは差し出された傘を受け取ると、閉じたままあなたに身を寄せた 「護身は必要でしょう?」 必要かどうかで言ったら、必要ないのだが。せっかく相合い傘に持ち込む口実をネーサが用意してくれたので、あなたは首肯した 空は重たく、行き交う人達も少し俯いている。世の中は下り調子 けれどあなたとネーサの傘の下は上向いていて、雨音が弾む音さえなんだか楽しいのだっ 26/01/20(火)21:40:35No.1394382601 あなたは駆け足で上位冒険者となったため、地位相応の振る舞いが身に染み付ききっていない そのため冒険者の頂点であるネーサから、定期的に指導を受けているのだった 「もっと腰を引き付けて…そう…」 今もあなたはネーサを抱き寄せて、社交ダンスの練習をしている。年に一度の機会もあるかないかという話だが、出来ないでは済まされない わざわざドレスに着替えたネーサの麗しさに目が眩み、また動きを覚えきれていないのもあって、あなたはぎこちないステップを踏んでしまう 「パートナーをちゃんと見て…呼吸を合わせるの」 ネーサが真剣そのものであるため、あなたも邪な気持ちは抑え込みたいのだが。見つめるにはあまりにも美しい いかな宝石とて並び立てない輝きに包まれ、その美貌を腕の中に収めている事実は、雄の本能を刺激するのに十二分な情報だ 腰を引いて指導を台無しにする事は出来ず、さりとて小さくする事も出来ず。あなたは赤面し俯いた 「んっ……顔を上げて。私になら、押し付けても良いんだから……」 色香を含んだネーサの囁きに晒されて、あなたはいよいよままならなくなった 26/01/21(水)22:07:20No.1394670639 そこであなたはこう言ったのだった 大きな胸は素晴らしいが、ネーサの胸より好きなものはないと 男達の酒の席での一幕であった。胸の大きさで議論する中振られた以上、あなたの答えは他にない 「お前…巨乳好きだったのか…?」 禿頭の冒険者は驚きよろめいた。あなたにとっては縁深い相手である 新米の頃から面倒を見てもらい、冒険者ランクで追い抜いた今も飲み交わす相手だ あなたは性癖を積極的に打ち明けないため、これが初公開であった 加えて言えば、それまでの性嗜好の上に、ネーサ・マオが陣取っている状態だ 「はぁ~…女ひとりでそんなになるもんかい」 男達は次々と息をつき、酒を煽っていく。しかしあなたにしてみれば、呆れたような声を出される筋合いはない この中にも交際中の者や愛妻家がいるというのに。調べはついているのだ 「いやぁ…まぁ…お前ほど入れ込んでるのは中々いないんじゃねえか…?」 異常者のように扱われて、あなたは不満ごと酒を流し込んだ。ついでにつまみもごっそりといただいた 26/01/21(水)22:16:04No.1394674597 >カンシアが悲しい顔をしています お姉様に盛ろうとするカンシア 「…。やめろー!ネーサは今のままが1番かわいいんだ!」 しかしS級冒険者のS級アイは見逃さなかった… あなたが一瞬ブルンブルンになったネーサを想像してちょっと止まってしまったことを 26/01/22(木)21:41:10No.1394942863 一頭の馬に二人で騎乗し、あなたとネーサは駆けている 思えば一度くらいやってみたかったのだ。女性を前に座らせて手綱を繰るやつを。あなたは夢が叶いとても満足している ネーサもまた、あなたに背中を預けて、馬の駆けるに任せるシチュエーションを楽しんでいる。WIN-WINなのだった 「風が気持ち良いわね…」 あなたやネーサが一度疾走すれば、風は壁となって立ちはだかる。それを強引に突き抜けるのは気持ち良い感触ではない 穏やかな速度というものは、それだけで良いものだ。美女が加われば完璧である 冒険の足として借りた馬であるが、素直に言う事を聞いてくれるのもありがたい。あなたはのんびりと乗馬を進ませる 「ん…なんだかお姫様になったみたい…」 そっとあなたへ向き直るネーサと視線を交わし、あなたは片手を手綱に残したまま、片手でネーサを抱き寄せる あなたにとってネーサは、いかなる姫君より大切な存在だ。今からネーサ姫とお呼びしたって良い 「もう…本気にしないで……でも、一度くらいなら…本当に呼んでくれる?」 馬上でしばし、愛しの姫君を褒め称え口説き続けた 26/01/23(金)21:12:48No.1395216912 あなたは騎兵であった。素早く敵に接近し、槍でもって上から突く。あるいは打ち据える あなたは冒険者である。騎兵を崩す経験は多く、騎兵として戦う経験は無かった 視界が広い!乗騎から見下ろす世界は拓けており、これは戦の指揮官が目立つのを承知で馬に乗るのも納得であった 「どう?残敵は見つかった?」 歩兵の役割を負っているネーサが、あなたに駆け寄ってくる。圧倒的な戦闘力のS級歩兵によって、ほぼ殲滅が成っている あなたは索敵中の旨を伝えると、馬を緩やかに繰り出す。将軍にでもなった気分であった 姫騎士ネーサを従えて、戦場を練り歩く妄想に浸りながら、あなたは手槍を投げ放った 狙い違わず、身を潜めていた敵を装甲ごと貫く 「指してくれれば、私が行ったのに」 将とて騎士ばかりに任せず、活躍したい…もとい、ネーサばかりに働かせるのも悪い あなたは頭の中の妄想を振り払い、現実のネーサと向き合った 「…それで?将軍さまの次の指示は何かしら」 恥ずかしい思考を暴かれてしまい、あなたは口をもごつかせた 26/01/24(土)01:33:16No.1395303768 ネーサから見て、恋人の心は読みやすいものだった 恋仲であるから、ではなく。いかがわしい妄想に耽っている時は、視線が定まらず緊張も緩んでいるからだ 果たして今、想い人の中でネーサはどんないやらしい仕打ちを受けているのか…架空のネーサに、ネーサは少し妬いた 寝取られたら寝取り返すのが女の意地、ましてや自分自身には決して負けられない。ネーサが恋人の手を取ると、まるで隙などなかったかのように応対が返ってくる 実際、緩んだ空気を纏っている時でも、冒険に支障をきたした事はないのだから さておき。現実に帰還したパートナーを手繰り寄せると、顔を薄い胸に押し付けて拘束する 「今日は頭の中でどんな風に私をいじめていたの?」 いじめるなんてそんな、と想い人はうろたえるが 「嘘。この前だって、私が好きと大好きしか言えなくなるまでしてくれたじゃない」 これから始まる、妄想を現実に起こす営みを思い浮かべ、ネーサは赤面しながらあなたを捕まえ続けた 「するなら妄想の私じゃなくて…ここにいる私にして。ね?」 26/01/24(土)21:54:11No.1395542300 今も昔も、地位を上げたり維持したりするには、書類仕事が欠かせない あなたは眉間を揉みほぐすと、懐から仕立てたばかりの眼鏡を取り出した 「わ、ぁ…」 眼鏡をかけた途端、ネーサは言葉を失ってしまった。眼筋の負荷が減ってスッキリした視界に、大きく目を開いたネーサの姿が映る しばらくの間、言葉もなく見つめ合う。幸いにも使用者のいない会議室であり、何をしているのかと横槍が入る事はない 「眼鏡、かけた、のね…うん…」 徐々にネーサの頬が色付いていく。考えてみれば、あなたもネーサが不意に眼鏡をかけたら、動揺した後興奮するだろう 同じように感じてくれているのなら、恋人冥利に尽きると言うものだ あなたは一旦書類を脇に避けて、ネーサの瞳へと距離を詰めていく 「わ、わっ、わっ…ちょっと、そんな、刺激が強いから…!」 顔を逸らそうとするネーサの頬を手で抑え込み、あなたは至近距離で眼鏡越しの視線を贈る ここが自宅であったなら、更に踏み込んで距離を失ってしまえたのだが 「うぅぅ……っ、だめ、もっと好きになっちゃう…!」 程々にして切り上げなければいけないのが、残念でならなかった 26/01/25(日)21:36:56No.1395880947 西に謎の怪物あらば、行って正体を暴き 東に未知の遺跡あらば、行って調査に励む B級ともなれば貴族の覚えよろしく、A級は国の一大事にも関わる。ではS級冒険者とは何か 知られざる事、人の世の目に未だ映らぬものを、その耳目でもって曝け出し、時には手足でもって立ち向かう者 「だから殆どのS級は、腰を落ち着ける様子が無いのよ」 という説明を、あなたはネーサから受けているのだった 速成の上位冒険者であるあなたは、S級に至る事とS級で在り続ける事の違いを把握し切れていない ネーサがあちこちへ冒険に行きたがるのは、多分に趣味を含んでいるが。同時にS級冒険者としての使命でもあった 冒険者の頂点とは、依頼を受けて動くのではない(受けない訳ではない)。冒険の中で結果的に世界へ貢献するのだ あなたはそのようなものでいられるだろうか 「気持ち一つで私に追いついた人が、何の心配をしてるんだか」 ネーサの手が、あなたの背中をぱしぱしと叩く 誰よりもネーサに認められている。それがあなたの不安を押し出してくれる 26/01/26(月)21:18:52No.1396160985 なんともフォーマルな紳士スーツ姿。しかしその着用者はネーサなのだった 全体的に細いネーサの身体の中で、ムッチリとした太腿がスラックスのラインを曲線に変えている 男性の装いだというのに、実に女性を感じさせる。あなたは生唾を飲み込み、鼻息だって荒くなった 「ど、どう…?変じゃないかしら…」 「完璧ですっ!!!!!!お姉様サイコーっ!!!!!!!」 あなたの褒め称える声を掻き消す勢いで、オトーの賛美が響き渡る しかし今回ばかりは責めるまい。ネーサのサイズに合わせたスーツを持ち込んだのはオトーなのだ この全身をピシリと上等な布で覆いつつも、貼り付くようなタイトさでスタイルの良さを際立たせている 職人技の如しだ… …あなたは不意に気付いた。あなたが交際する前から、して以降も今まさに、ネーサにこんな事をして楽しんでいたのか雌猫め! 「やーっと気付きましたか鈍亀男め!自分だけがお姉様の艶姿を知っていると思っている姿は滑稽で、あいたっ!?」 「あんまり悪い事を言わないの」 やあいざまあみろと、あなたは叱られたオトーを指差し、ネーサに頭を叩かれたのだった 26/01/26(月)23:04:31No.1396204491 >>お姉様石を穿つ >普通にちょっと指でつまむだけで石粉々にできそうだな… 「穿つというのは、そう簡単な事ではないわ」 ネーサは小石を一つ摘むと、あっけなく砕いた。クッキーを割るかのごとく自然な動作だった 改めて小石を摘み、今度は指先で突く。これまた衝突点から容易く砕け散った 「石を壊すだけなら、なりたての冒険者にだって出来る人はいるでしょうね。穿つというのは…こう」 三度拾った石目掛け、ネーサの手指が音を超える ぴぃ、と。甲高い音が鳴った後、人差し指の形に抜かれた石と、指が嵌った穴開き石が誕生した 「十分な威力、ブレのない精度、そして周りに衝撃が伝わる速度を上回る速さ。この三つが揃うと、こういう事が出来るようになるの」 取り巻き達が感嘆の声を上げ、拍手を鳴らす ネーサの筆頭妹分であるオトーや、C級冒険者辺りからは、指先で石を穿つ真似は可能なのだが そうした者達から見ても、あの指の速さはちょっと無いわと思われている 分かりきった突きの軌跡だというのに、一瞬目で追いきれないのだ 26/01/27(火)21:28:34No.1396459995 冒険者チップスの新弾だ! 安価なポテトチップスに、トレーディングカードを付属する事で商売性を高めた、収集家泣かせのおやつである あなたは早速一袋買うと、家へ持ち帰った。狙いはネーサ一点である 本気で狙うならば、一箱買いから始める所なのだが。あまり物や金を無駄にすればネーサ当人から怒られるのだ とにかく、カードの包装を破る。ネーサ来いネーサ来いと唱えながら、慎重に絵柄を確認する 『ネーサ・マオ ヴァリトヒロイ王国所属  王都サカエトルに居を構える、S級冒険者。  強く美しい、冒険者達の憧れだ!』 言葉にならなかった。あなたは二度三度とガッツポーズを取り、一発ツモの証を高々と掲げた ちょっと涙まで滲んでいた 「それって冒険者チップスよね」 ここでネーサ本人の登場。あなたは熱狂の瞬間を見られていた事を悟り、身体を縮こまらせた 手にしたカードをしげしげと眺められ、呆れた吐息をかけられる 「私がいるのに、また私のグッズを集めたのね…そうだ。ねぇ、カードの私とどっちが好みかしら?」 いくら目当てのカードとはいえ、ネーサ本人とは比べるべくもない。あなたはカードを裏向きにして伏せた 26/01/29(木)21:56:22No.1397053174 「ふふふん、ふふん♪ふんふふーん♪」 ネーサが鼻歌で奏でているのは、今週のヴァリトヒロイチャート一位、「待ち人来たらず」だ ポップシンガー、オサナナ・コジミの歌い上げるその曲は、明るい曲調と暗く悲しい歌詞のギャップが大変ウケている 救いがない悲恋の歌、だがそれが良い悲しいから良いのだと、サカエトルのそこかしこでも放送されているのだ 「ふふふふん…あら?もう、どうしたの?」 あなたは繊細にも、歌詞を思い返して悲しくなった。彼氏に捨てられ、そうとも知らず待ち続ける彼女のシーン まるであなたがネーサを置き去りにしてしまうような。淀んだ感情移入であった 抱き締められたネーサは、しばらく驚きの表情を浮かべていたが、やがてあなたの背中を撫で始めた 「変に入れ込む事ないのに…だって、私の所へ必ず来てくれるでしょう?」 あなたの妙に飛躍した思考を探り当てたばかりか、不安まで拭い去ってしまう 蕩けるように甘い笑みを浮かべるネーサは、あなたへの信頼で溢れていた もう悲恋の歌に引きずられなどしないと、あなたはネーサを抱き締めたまま誓うのだった 26/01/30(金)21:35:37No.1397333441 「目が覚めた?」 あなたは確か、ソファで微睡んでいた筈である。それが瞼を開くと、ネーサに見下されていた …状況を整理するに、あなたの意識が落ちた後、ネーサに膝枕をされたのだろう つまりこの、後頭部に感じる柔らかさは!あなたは小躍りどころか大踊りしたくなった 背中の感触から、ソファに横たわっているので、暴れるのはやめておいたが 「こんな所で居眠りしちゃダメよ」 ネーサの指があなたの鼻柱をつつく。親が子を叱るような仕草に、あなたは赤面した 全く言う通りなので反省するのは当然なのだが。母性的な美しさを見せられると、声も出せなくなってしまう 「よろしい…なんだか顔が真っ赤ね」 魅了されているあなたへと、魅了しているネーサが近付いてくる。身動ぎも出来ず、額と額が触れ合うのを受け入れる ひんやりとした肌の温度が伝わってきて、あなたはますます熱を上げる 「風邪かしら…なんてね。そんな顔されると、私も熱くなってくるんだから」 子供の熱を測るような接触に見せかけて、肌を重ねる事が目的 あなたはネーサの攻勢に喉を鳴らすと、たまらず抱き寄せて一層深く身体を触り合った 26/01/31(土)21:51:13No.1397657178 たまたま見かけた河原に、偶然にも平たい石が転がっていたら。もう投げるしかないではないか あなたはネーサに断りを入れ、いそいそと片手に石を収める。童心に帰りながら振りかぶって 「あっ、ちょっと!」 ネーサの制止の声に、少し動きがぎこちなくなったものの、石は回転しながら放られた ぎゃんっ、と鋭い音を立てて水面を弾き、そこから川水を巻き上げちょっとした渦が形成される 渦に巻かれ数匹の魚が跳ね飛ばされた辺りで、回転力が消費された石が落下した 「ダメじゃない、そんな勢い良く投げたら」 あなたは己の手を見て、それから起きた出来事を飲み込む。そうか、もう子供の頃のように振る舞う事は許されないのだ ネーサのような受け止めてくれる相手ありきでないと、渾身の一投は破壊をもたらしてしまう 成長を喜ぶよりも、あなたの胸には切なさが込み上げていた…だが、後悔している訳ではない 「投げるならこれくらい軽く、ね?」 緩い手付きで(それでも早すぎて一瞬手首が消えた)石を放るネーサ 川向こうまで水弾きを成功させてはしゃぐ、素敵な人と結ばれる事が出来たのだから 26/02/01(日)22:13:56No.1398009080 ズルズルと、水音がする もう夜も遅いというのに、水音がする。あなたは視界を巡らせ、隣で寝ていた筈のネーサがいない事に気付いた そっと身を起こし、周囲の様子を伺う。果たして誰が、何をしているのか。確かめなければならない 抜き足、差し足。息を殺して歩むことしばし。ぼんやりとした明かりの下で、水音が鳴っている 嘆かわしきかな……あなたは悲嘆と共に、音の主の肩を叩いた 「うひゅい!?あ、あっ!ちっ違うのよ、これは…!」 麺を、啜ったんだろ 悪魔が 保存食として買い溜めておいたカップ麺。既に粗方ネーサの胃に収まってしまっている 鼻をくすぐるスープの香りといい、塩分とカロリーの半端ない気配がムンムンと立ち込めている こんな…夜食にカップ麺なんて悪さをするなら、誘って欲しかったのだ 「ごめんなさい…起こすのは悪いと思って…」 今からでも共犯者にしてくれれば、それでいい。あなたは追加でカップ麺の封を切ると、ちょっとした魔法の応用で湯を注ぐ 身体を思えば、今から口にするべきでない味が、楽しみでならなかった 「そっちのも、美味しそう……ねぇ、出来上がったら一口交換しましょ?」 26/02/02(月)21:34:24No.1398279555 あなたは完全装備であった 頭には二本角のカチューシャ、口に長い八重歯を差し、金棒(本物)を構える 素肌にペイント魔法をかけ、真っ赤な身体は虎柄のパンツ一丁。変態と言うなかれ、あなたも内心そう思っているから傷付く これが2月3日に人里へ訪れ、追い払われるもの。鬼(オーガではないらしい)の姿だ 「わお……これは、すごい……」 余程肉体に自信があるタイプの魔物なのだろう。下着一枚のみを帯びて街を練り歩くなどとは …ところで先程から、ネーサの唾を飲み込む音がうるさい 「だって、こんな……こんな格好で…っ!」 言わんとする所は分かる。あなたにも大変分かる。逆にネーサが虎柄の下着姿を披露したなら、目を血走らせて凝視していた筈だから ふしだらな事を思わずにいられないだろう。しかし、季節の行事のために扮装しているのを、汚す訳にはいかない 「わかってるわ、わかってるのよ……ごくっ!」 恋人にここまで興奮してもらえて、男冥利に尽きるというもの。それだけに、あなたもネーサを我慢させるのは辛かった 一刻も早く鬼役を勤め上げて、セツブンを終わらせたい気持ちで一杯だ… 26/02/03(火)00:09:50No.1398340520 「グオオーッ!!」 鬼の襲来だ!サカエトルの住民は力を合わせて、この災厄を打ち払わなければならない! 鬼を演じているのはあなたである。金棒(本物)を振り回し、勇敢に挑むもやられる戦士役の冒険者達をふっ飛ばして回る このままでは王都が災厄に呑まれてしまう…その時!鬼に特効の豆を携えた者達が駆けつける! 行事に参加した子供達の集団だ。率いるのはS級冒険者ネーサ・マオ、そして妹分達が引率している 一人もはぐれずこの場に集まった子供達が、手の中に豆を握り込む 「みんな、豆の用意はできた?それじゃあ、鬼を追い払うわよ!」 あなたは金棒(本物)を盾にし、その上で防御態勢を取る 鬼として、危険な豆を耐えるため。そして一人の人間として、ネーサの投げる豆を素肌で受け止めるため 鬼に扮する都合上、あなたは虎柄のパンツ一丁なのだ 「そーっれ!鬼は外!」 「グガアーッ!!!!!?」 金棒(本物)は削り取られ、あなたの肌に無数の豆が食い込む。かなり痛い!衝撃に逆らわなければ、自然と吹き飛ばされる 王都の子供達によって、鬼は払われた、という事になった 「よくできました!みんな素敵だったわよ!」 26/02/03(火)21:40:38No.1398556169 上位冒険者となった今でも、あなたは飛行術を持たない。流石にそうそう人が身一つで空を飛べるものではない ネーサはどうだろうか。天使のように美しく、悪魔のように蠱惑的であるため、実は翼を持っていたって不思議ではないのだが 「翼なんかあったら、とっくに見てる筈でしょ」 確かに…滑らかな背中やまろやかな腰に、それらしい痕跡を見た覚えはない それで一体何の話かと言えば、冒険の途中に空飛ぶ孤島を目にしたのだ 今日、飛行手段を借りるような術はいくつかあるのだが。あなたもネーサも一々街へ引き返すより、今あそこに乗り込みたい 「結構…高さがありそう…届くかしら」 高度は目測を測りにくい。まして孤島のサイズ感も分かっていないのだから、いかほど跳べば良いものか この時点で跳躍する事は決定事項となっている 「行ってみれば分かるわね。それじゃお願い!」 あなたは得物を大きく振りかぶり、ネーサが機を見て軽く跳ねる。フルスイング!あなたの攻撃を踏み台にして、遥か空まで飛んでいくネーサ 粗方見終わったら、次は降りてきたネーサにあなたが打ち出してもらうのだ 26/02/04(水)21:42:54No.1398834192 カップル割だ。いやカップル割自体はどうでもいい カップル割の日限定で、超すごいパフェが食べられると評判の喫茶店なのだった あなたとネーサは意見の一致を見たため、早速街へと繰り出す 既に条件はクリアしている。後はイレギュラーさえなければ… 「カップル証明のために、ハグをお願いしまーす」 公衆の面前で抱き合えと言うのか。いや、並んでいる最中にいくつも前例を見ているため、分かっていた事だが しかし、そんな。人目があるのだが…あなたは少しためらったが、ハグ自体は望む所なので、構えを取った 「良いのかしら、こんな所で…んっ、えい!」 ネーサも少し戸惑いを見せたものの、あなたの腕の中へ飛び込んでくる。とても柔らかいし、好みの匂いも胸に届けられる 幸せな気持ちが湧き上がってくる。ネーサの背中に腕を回すと、ネーサも腰へ腕を絡めてくれる もう何度抱き締めたか分からないのに、飽きを感じる事など一度もない。好きで好きで、一生独占したくなる 「んふ……はぁぁ……ふぅ…」 「あ、あの…もう大丈夫です…お通りください…」 入口を塞ぐ訳にもいかないので、あなたとネーサは名残惜しくも身体を離したのだった 26/02/04(水)22:34:00No.1398855095 「わぁ!すごい!」 カップルの日限定パフェ、それは。二人で食べる事を前提としたボリュームに、二人で食べさせ合う事を前提とした一匙だけがついた、華やかなるパフェであった 食べ応えがありそうだと、あなたは息を呑む。彩り鮮やかな構えに食欲が湧き上がる 一先ず匙で掬うと、ネーサへと差し出す 「あーんっ…おいしぃ~!期待以上だわ!」 ネーサの舌は確かだ。かなりの美味なのだろう…あなたは匙をネーサへ渡す そしてパフェから掬い取られた一口分が、あなたへと向けられる 「はい、あーん」 含む。広がる甘味!しかも舌触りが良く、コクを感じさせながら後味は重くない 少なくとも食べ終わるまでの間、甘さを苦痛に感じさせない仕事がなされている 最後の一口まで、きっと幸せに包まれたままでいられるだろう。来て良かったと、あなたはしみじみ思った 「あ…んっ。んむ…おいしい、けど…なんだかドキドキしちゃうわね」 それはあなたも思っていた事だ 店内で交互に食べさせ合うというのは、どうにも顔が赤くなる 26/02/05(木)21:39:05No.1399115391 スーパーサカエトル・冒険者ギルド前店。繁盛しそうという事で、いち早く王都の名前を冠した総合商店である 冒険者としての務めの帰りに立ち寄りやすい、ありがたい店だ あなたとネーサは入店すると、それぞれカートを持ち、そこに籠を二つセットした 「セール品から順に巡っていきましょ」 そうして出発するや否や、お買い得商品を取っては積み取っては積み。籠が埋まる速度と言ったら半端ではない 傍から見れば、大家族の買い出しかと推測する量だが。これはあなたとネーサ二人で消費するのだ 鍛え上げた肉体は、毎日大量のカロリーを必要としているのだから 「これ、これ…これも…籠がパンパンね」 四籠がたちまち食材でいっぱいになる。そろそろ会計をしようと、カートを向かわせる 「お会計おねがいしまーす」 「は、はいぃ…」 度々店を利用しているのだから、慣れそうなものだが。ネーサ・マオの対応をするというのは、余程強烈な体験らしい いつも店員達は及び腰で、緊張している。その割にレジ打ち速度は早いのだから、職業意識が高いと言うべきか それでも会計は長引いた… 26/02/06(金)21:35:00No.1399426572 秘湯ネーサの湯。商品名である 何も知らずに聞いたら訴訟案件かと疑う代物だが、れっきとしたネーサ本人監修の入浴剤だ 香り高さS級を謳い文句にした、香しくも優しい花の匂いがリラックスを促してくれる 「んん…いい香り…気に入ってもらえた?」 ネーサ本人が入っている事の満足感が高すぎる問題はあるものの、入浴剤の良さが分からない程あなたはのぼせていない 湯を軽くかき混ぜて、花の匂いに包まれる。なるほどネーサを感じる。強く凛々しい冒険者だが、優しく思いやりに満ちた心を持っている そうした柔らかな面が、香りを通じて胸の奥に染み渡るようだ。あなたはネーサの湯を気に入った 「そんなに?ふふ、嬉しいな」 ネーサがあなたに体重をかけ、首筋に鼻を埋めてくる 湯と入浴剤とが合わさって、ほとんど体臭はしない筈だが。不思議と花とは違う好きな匂いを感じ取れる 「すぅ……ふぅ……こっちの匂いも好き…んん…」 湯の中で身体を寄せ合って、しばらくの間鼻を鳴らしていた 随分恥ずかしい事をしている自覚はあった 26/02/06(金)21:42:21[オトーのレビュー]No.1399429245 皆さんも知っていますね今回の紹介は大人気品切れ続出のこちらネーサの湯です 私が生産工場に突撃して全クエスト報酬をはたいて買い占めてますからね 使い方は簡単、まずは1袋をお湯に溶きます うーんいい香りですね!分量は大体コップ一杯でしょうか それでは早速いただきましょうグビーうーん美味しい! お姉様成分が全身に行き渡りますよこれは!!!010もっと…もっとキメないと…! これならふりかけとしてご飯にかけたりしても良いでしょうね どんなお料理でも隠し味に666袋くらい入れるととても上品な仕上がりになりますよ 今回のレビューはネーサの湯、素晴らしい万能食材でしたそれではまた次回 26/02/07(土)22:12:51No.1399776230 「今日は寒いわね…」 冒険の最中なら気にならない寒波も、オフの日に浴びると身体が震えてくる ネーサは白い息をつき、あなたは歯を噛み締める。思い思いに寒さをやり過ごしている 上は着ぶくれしつつもミニスカートを履き、タイツに包まれた脚を晒すネーサの艶めかしさ…を目にしても、寒いものは寒い 「こんなに寒い日だから、仕方がないわよねっ」 そう言うとあなたの腕が温もりに包まれる ネーサがピッタリと身体を寄せてきて、腕を抱き締めているのだ 公衆の面前なのだが、しかし。寒さに対抗するための行為まで咎められる筋合いは無い あなたは理論武装を済ませると、ネーサに歩調を合わせてゆっくり歩く。この時間が少しでも長く続いてほしくて 「ふぅ……こうしてると、全然寒くない…」 ネーサを眺めて欲情するだけでは湧き上がってこなかった、柔らかい熱で内側から幸せになっていく そして抱き締められた腕を通して伝わる、好きな人の温度も、ますます熱を高めてくれる 一緒に白い息をつきつつ、のんびりと歩を進めた 26/02/08(日)21:59:57No.1400154874 ネーサの号令一つで、取り巻き達が素早く駆け寄っていく。統率が取れた集団だ いち冒険者として高い能力を持ち、更に自身を慕う集団の派閥力まで持っている。流石はS級という他にない 「せいれーつ!!!!!」 この集団の統率を担っているのが、あの雌猫である点以外はすごいと思っている 今も我こそ筆頭面をして、ネーサを慕う一団を率いている これで自分こそ真のリーダーとでも思っていれば、叱責する機会もあるのだが 「集結完了しました、お姉様!!」 「流石ねオトー」 ネーサを慕う一点において、曇りを見せない。あなたとしてはいけ好かない存在だが ネーサの害どころか益をもたらし、公私共に親密な相手を故なく糾弾するのは筋が通らない …ところで。何かこう、違和感というか 以前までと何かが違う。一箇所、具体的に何とは言葉にしにくいが、変化している気がする 「何時でもご指示を、マオさん」 「ええ、クラックラ」 まるでモヤが晴れて、姿を表したような… 26/02/09(月)21:55:43No.1400450924 忍者だとかスパイだとか、そういう影の組織に憧れる年頃が、男にはある あなたもそうだ。忍者の事で頭をいっぱいにしていた思い出がある 「死ねーっ!!」 そんな記憶が浮かび上がったのは、現在進行系で忍者に命を狙われているからだ 不意の一撃を躱しても引き下がらず、あなたを仕留めようと斬り掛かってくる。そこで閃きと共に、火炎袋を取り出した。忍法、火遁の術! 「うぬ!味な真似を、だが逃さん!」 火遁の術とは、火で敵の目を引いて逃げる遁走術である。忍者は火の周りを探っているが あなたは火炎渦の中に佇み、その様子を眺めていた 「おのれ、一体どこに…ガッ!?」 「寒いのに、おかしな人が出るものね」 ぬっと姿を表したネーサの不意打ちが、忍者を一撃で昏倒させた。流石の技量である 随分遠くから、火の起こりを見て駆けつけてくれた様子で、駆け足の跡が刻み込まれている あなたはネーサの思いやりに感謝を告げるべく、火を消し去った 「きゃあ!もう、なんて格好してるの!」 あなたは耐えられたが、服の方が半ば燃え落ちていた 26/02/10(火)22:07:54No.1400754131 冒険者が冒険者を慕い、集団が形成される。そうして規模が拡大していくと、拠点が必要になってくる S級冒険者ネーサ・マオは、一軒家を持つと同時にいわゆるギルドハウス的な…取り巻き達の拠点所有者でもあるのだった 「じゃあ、行ってくるわね」 あなたはそこに入らない。完全女所帯に男が入るというのは、実に気まずいものだ ネーサが何をしているのか、気にならない訳が無い。それでも無理なものは無理だ 「へっ!ざまあみやがれってんですよ!」 「オトー!あんまり汚い言葉を使わないの」 当然ネーサの取り巻きであるオトーは入場フリーである。あなたは悔しさに歯噛みした 実のところネーサには入場許可をもらっているので、他の誰が拒んだとしても、入る事は出来るのだが… 恋情を盾に気配りを失うのは、人として恥ずべき所業ではないか。あなたには理性がある 「早く行きましょうお姉様っ!」 「そんなに急がなくても大丈夫よ」 寂しさを覚えつつも、あなたはおとなしくネーサを見送った…ついでにオトーも 26/02/11(水)21:38:22No.1401053608 恋愛や友愛の情を、チョコに込めて贈る日が近付いている ネーサの取り巻き達が忙しなく駆け回り、やれ材料がやれ器具がと賑々しくしている オトーなど、取り巻きの中でも精鋭を率いて、伝説の材料を集める秘密の冒険に出ていたらしい そこへ行くとあなたは落ち着いたものだ 「気持ちならたっぷり伝え合っているものね」 手製のチョコを贈りたいと思っているし、ネーサからチョコを貰いたいとも思っているが 同時にあなたとネーサは家を共にし、台所をも共にする仲である。材料があって、練習をしていれば、不安を抱きようがない まして好意ならチョコを用いずとも幾度も重ねている。この上材料やらに凝るのは、やりすぎなように思えるのだ 「私の試作品を食べすぎて、飽きられないかどうかが問題まであるわ」 ネーサが作ったチョコを食べ、あなたが作ったチョコを食べさせ、すっかり口の中がチョコ味に染まっている 当日までは苦いコーヒーがお供になりそうだった…ここであなたの試作チョコが完成する 「色も形も良く出来てるわね…味はどうかしら?あーん」 可愛らしくおねだりするネーサの口へ、試作品を放り込んだ 26/02/12(木)21:35:53No.1401367809 「ん……ぁ…っ、そこ……」 あなたの膝の上にネーサが頭を乗せている。そしてあなたの手には耳かきが握られている つまりそういう事なのだった。そりそりと耳孔内をくすぐっているが、あまり耳垢は溜まっていない 完全に取りきってしまうと却って不衛生、とする見方もあるため、徹底して掃除はしない 「あふ…っ、く、はぁ……」 ところで耳の中は適度な刺激を与えると、脳に快感が流れ込むように出来ている もっとも、その用途のために耳壁を繰り返し引っ掻けば炎症になってしまう。あなたは巧みにも、耳穴内の産毛をくすぐっている これでも上位冒険者、器用な真似もお手の物と言ったところだ 「やぁ……もう、っく…ふっ、ふぅ…」 あなたの中で邪な感情がムラムラと湧き上がっているのは、言うまでもない ネーサが上げる声の艶めかしさに、耳まで赤く染まった横顔がもたらす性的刺激と言ったら 膝枕が枕の役目を果たせなくなり、寝心地を悪くされたネーサがゆっくりと身を起こす 「交代。いいわね」 この場合の交代とは、耳掃除を代わるという意味ではない あなたは素直に押し倒された 26/02/13(金)21:43:33No.1401691334 13日の金曜日には、不気味で恐ろしい殺人鬼が現れるのだという… そう聞いては黙っていられぬネーサが飛び出し、あなたも後を追った。噂の真偽が気になるし、本当に殺人鬼が徘徊していたら一大事だ 「殺人鬼…どんな姿なのかしら…」 駆けながら想像を膨らませるネーサ。あなたとしてもあまり聞かない噂に、何者が現れるのかは気になっている 容易く組み伏せられれば、被害者が出ずに済むのだが…甲高い悲鳴! あなたとネーサは同時に方向転換し、勢い良く踏み込んだ 「そこまでよ!」 路地裏で女性を襲おうとしていた何者かは、見慣れないマスクを被り、片手にはチェーンソーを片手には鉈を、更に片手にはハンマー、更に更に片手には斧を装備している 何かこう…異なる存在が合体してしまったかのような、歪な怪物なのだった 「やぁーっ!」 ネーサが打ち据えれば、致命傷でもないのに怪物は消えてなくなってしまった…儚い存在であった 「……きっと、現れるべき所はこの世界ではなかったのよ」 ネーサの言葉に根拠はなかったが、あなたも同じように思ってい 26/02/14(土)22:08:40No.1402054313No.1402054313 「私の気持ち、受け取ってもらえる?」 もちろん。ネーサ手製のチョコを、あなたは大切に受け取る とてもとても大切なものだが、一旦机の上に置いて。空になった手で自分が用意したものを持つ 気持ちを込めて作ったものを、ネーサへと贈る 「ありがとう。とっても嬉しい……く、ふふっ」 笑えてこようというものだ。お互いチョコ作りに苦心する姿を、特等席で眺めてきたのだから 愛情が籠もっている事も、熱意でコーティングされている事も知っている。ラッピングに至っては、協力して仕上げているのだ そう、笑いが込み上げてくる…けれども。受け取ったチョコを手に持つと、胸の内が暖かくなる あなたは想いを内に留め切れなくなり、愛の言葉にしてネーサへ贈った 「ええ…私も好きよ。大好き…もう、今度は幸せで笑えてきちゃうっ」 愛らしくはにかむネーサに魅了され、あなたは抱き締めようと、した所で。ネーサの両手に止められる 「このまま抱き合ったら、チョコが潰れちゃうでしょ」 確かに。あなたは抱擁を一旦取りやめると、ネーサ手作りのチョコを味わいにかかった 26/02/14(土)22:30:16No.1402064298No.1402064298 想いが誤解なく伝わり、伝わったものに好意で返される。それはとても幸せな事だ あなたは抱き締めたネーサの耳元で、好きな気持ちを遠慮なく言葉にし続けた 囁く内に体温が上がっていき、ネーサの抱き心地がますます良くなる 「ふぁ……っ、ん…すき、すきよ……すき…あったかい…っ」 甘い言葉で応戦するネーサによって、あなたの体温も上がる一方だ ありきたりな言葉を何度交わしただろう。語彙力が子供に戻ってしまっている 難しい事なんて考えられない。触れ合う相手に好きだと告げて、身体を密着させる以外は脳から零れ落ちた あなたの腕が力み、ネーサを手繰り寄せる。ネーサの腕が締め付けを増し、服にシワが寄る 「ふぅぅ~っ、すぅ~っ…すき…においも、すきなの…」 一呼吸ごとに、好きな異性の匂いで胸が満たされる。何をしてもネーサを感じていられる 五感が恋人でいっぱいになり、その上で心まで繋がっている いくら恋を謳う日とはいえ、こんなにも浸り切って良いのだろうかと、あなたの僅かに残る冷静な部分は慄いている 「ずっといっしょね…すぅ、はぁぁ……だいすき…」 僅かに残ったあなたの冷静さは蕩けて死んだ 26/02/15(日)21:43:45No.1402415371 義務ではないが、下位冒険者を育てるのも上位冒険者の役割と言える 勢い成り上がったあなたも、かつては諸先輩方に面倒を見てもらったものだ なのでこれは、決して嫌がらせの類でない事を明記しておく 「痛っ!痛いっ!こ、このぉ…!」 あなたは集めておいた石礫を手にとっては、ネーサの取り巻きの一人へ投げ付けている 土や石の破壊・変形を得意とするそうなので、そこを磨かせようという訳だ。銃弾並の速度で迫る石を破壊出来れば、何かと役に立つ筈である 「頑張って、クラックラ!」 「はい、マオさ痛った!く、おぉ…!」 応援に応えるのはいい。元気一杯なのも大変よろしい。しかしそれで魔法を疎かにするようではいけない あとあなたが真面目に石放っているのに、取り巻きことクラックラがネーサとやり取りしようとしているのが、ちょっぴり面白くない あなたは私情を石に込めようとして…やめた。痛みに悶える姿は、勢い上位にのし上がる前の自分を見ているようだった もっとも、あなたにはネーサほど優秀で優しいメンターはいなかったが 「クラックラならきっとやれるわ!だから…手を止めないであげて!」 こんなに信じてくれる人がどれだけいるか… 26/02/15(日)22:16:50No.1402428066 こんにちは、ちょっと隣いい?…ありがと… ──前々から思ってたのだけれど。貴女、実力も評価も十分なのにギルドには常駐してないわよね…。 当ててあげましょうか?大方、実家の家業か何かが人手不足で、そこに駆り出されてるから冒険に専念できないって所でしょ? …ふふん、そういう子ってお姉さまのファンクラブにも多いから、貴女もその口だと思ったのよ …ねぇ、貴女さえ良ければお姉さまファンクラブに所属しない?実は私たちクエストの情報を共有して…モチロン占有とっかにならない程度よ!? 貴女みたいなケースだと拘束時間が短くて実入りの多い討伐任務とか…どうかしら? 特に会費とかノルマも無いから、強いて言うならお姉さまに礼儀を払う事くらい…ええ……うん…‥入ってくれるのね!嬉しいわ! あ!お姉さま!ちょうどいい所にっ! ほら、貴女もお姉さまに挨拶してっ! なんと、正に今っ!お姉さまファンクラブに新メンバーが加入したところなんですっ!それもA級冒険者の! この子『王都逸刀流のティア』って言うんですけど… あれ?お姉さまどうしてそんなに青ざめてるんですか? 26/02/16(月)21:25:58No.1402705324 氷上を鮮やかに滑る妖精が如き姿…しかしその両手には破滅的殺傷力が込められている プロスケーターも顔負けの技量を見せるネーサ。華やかで美しく、そして強い 魔物との遭遇は環境を選ばず、あなたもまた氷にエッジを刻みながら交戦している 「ふっ!ええい!」 見れば見るほどに綺麗である。寒波に適応し、人里を襲わんとする巨大獣を華麗にあしらっている 血飛沫の中でさえ、その華やかさは損なわれない。あなたは戦いの最中もネーサを見ずにいられない 魔物の牙が迫るが、それでも 「これだけ倒せば、逃げ帰りそうなものだけど…やああっ!」 噛み付きを避けざま掴み投げつつ、あくまでもあなたはネーサを見つめる 集中力は高まる一方で、油断などしようもない。恋人を視界に収めている方がずっと調子を上げられる やがて敵わぬと悟ったか、残った魔物達が後退していく ゆるりと滑り合流したネーサは、あなたの額を小突いた 「見すぎ…途中から恥ずかしくなってきたんだからっ」 叱られたってやめられないものはある。あなたにとってネーサはそれだけの誘引力があるのだ 26/02/17(火)21:27:08No.1403019978 「ここは止めて…線を滑らせるのと止めるのを正しく使い分けると、ぐっと綺麗に見えるわ」 あなたは絵心が無いし、その上文字まであまり綺麗ではない。粗野な人種だ そのためS級冒険者ネーサ・マオ直々に筆型の指導をしてもらっている 実に贅沢な事である。世の冒険者が聞けば驚愕のあまり、口にした茶を吹き出すだろう 「そう…腕の力は適切に込めるの…武器を扱う時と同じよ」 しかもネーサはあなたの背後から抱き着く形で、手取り指導をしてくれている 心底恋仲になれて良かったと思う瞬間だ。愛しい人と触れ合いながら、その技巧の程を教えてもらえるなど、至福の極み 吐息が耳に当たるし、髪の香りが胸いっぱいに広がる。背中には柔らかな女性の感触が伝わって、手指の上に細指が覆い被さっている 嬉しい、とても嬉しい。ネーサに良い所を見せたくて、集中力も上がる一方 指導を受ける前とは別物、あなた自身見返して自分の字かと疑うくらい、綺麗な字が紙上を踊っている 「ん…覚えが良いわね…流石だわ」 成果を出すと囁きのご褒美まで付いてくる。あなたは最高の時間を過ごしていた 26/02/18(水)21:27:07No.1403308343 例え愛するパートナーであっても、許しておけない事の一つや二つはある あなたはネーサに詰め寄ると、心を鬼にして断罪した 別々に風呂へ入った日に限って、タオル一枚で出てくるのはやめてもらいたい。何のために入浴をズラすのか分からなくなってしまう 「ふぅん…そういう事言うんだ…だったら言わせてもらうけど!一人の時ソファでくつろいで読書するのやめてもらえる!?気怠げな雰囲気でドキドキしちゃうでしょ!」 嘆き、悲しみがあなたを襲った。謝罪や反省ではなく、反論が出てくるなんて! 美しくて魅力的である事に自覚が足りないから、このような反応になるのではないか。あなたは訝しみ、再度怒りの言葉を解き放った フリル付きエプロンを身に着けると愛らしさが限度を超えている。この家を発情したケダモノの巣に変えたいのか! 「何よ!寝起きにふにゃっとした笑顔見せる方がよっぽど罪深いわ!私が遅刻常習犯になっても良いのかしらね!」 ああだ、こうだ あなたとネーサは激論を交わした。それから一緒に風呂へ入った 26/02/19(木)22:15:40No.1403610108 あなたは鋼の剣を穿いている。適度に重く、存在感がある 普段使いの得物をメンテに出し、代わりに貸し出されたのがこの剣なのだった 「あら、良い剣じゃない」 そうだろう、そうだろう。ネーサの言葉にあなたは深く頷いた 特別な効果を持たない、普通の鋼の剣である。しかしよく見れば、実に丹念な作りと鏡に使えそうな研ぎが見て取れる これほど手の加わった剣を貸してもらえるとは、あなたの実績と信用も積み上がったものだと、しみじみ思った 特に理由もなく抜き放っては、様々な角度から眺めてみる 「わぁ…綺麗ね。とても良い仕事をしているわ」 S級冒険者にこの剣の良さが分からない筈もなく、あなたはネーサと一緒に磨き抜かれた剣身を鑑賞する 抜いてはしまい、鞘走りの音に耳を澄ましてみたりもする。うっとりするような魅力がある 出世する前のあなたなら、涎を垂らして欲しがった剣だろう…流石に今の仕事道具には及ばないが 「ねぇっ、私も抜いて良いかしら!」 もちろん。あなたの手を離れた鋼の剣が、清涼な音と共に抜き放たれた 流石はネーサ。抜き放つ音だけで技量を感じられるというものだ 26/02/20(金)21:30:32No.1403888307 果たして古代人は正気だったのか…そう疑いたくなる文明痕をしばしば見かける 例えばこの地下遺跡など、なんとも馬鹿らしい作りをしているのだ 「せぇぇぇ……はっ!」 20段の跳び箱を飛び越えると開く扉など、イカれているの一言で片付けるべきではないか こうして目の前にある以上は、挑戦するより他にないが。ネーサが軽やかに飛び越えて解錠成功 S級冒険者にとっては障害足り得ない。それも確かだ しかしボールを投げて9枚の板を破れとか、ボールを蹴って8枚の板を破れだとか。セキュリティを何だと思っているのか 「私は結構楽しいからいいけど…昔の人は上手くやれてたのかしら」 グラつく足場を駆け抜け、反り立つ壁を乗り越え、重たい壁を押しのけて。まあ娯楽性がある事は、あなたも否定しない 一際装飾の派手な扉の先には、地下の癖に縦長の塔。いかにもこれで登れと言わんばかりの綱 あなたは綱を掴むと、おもむろに登り始め…直後ガス噴出!何か失敗したサインだ 「その綱登り、脚を使ったらいけないみたいね」 めんどくさいったら!あなたは憤りと共に遺跡を完全制覇した 26/02/21(土)22:06:32No.1404226418 「成り上がり者が、デケえ顔しやがってよぉ!」 あなたは甘んじて受け入れた 冒険者歴ならあなたより長い者達から、悪罵を受けるなど日常茶飯事である 実際あなたは駆け足で上位にのし上がったので、見当外れという訳でもない 「何とか言ったらどうなんだ、えぇ!?S級の女捕まえてのぼせてんじゃねえぞコラァ!」 あなたが言い返さないのは、相手の言い分が正当だからではない あなたにとって至高の美姫、あまねく宝物でさえ並び立たせれば色褪せる事間違いない存在、ネーサ・マオ 彼女と交際中という、最早神々も羨望の眼差しを向けるだろう立場にいる。であるならば、むしろやっかみ程度黙って引き受けなければ不公平というものだ あなたは幸福である。あなたは恵まれている。故に叩かれたって構わない 「ち……ちくしょう…!惚気の出汁にされたああああああ!!!!!」 悪言の主は走って逃げ出していった… あれがネーサへ向けた罵詈雑言であったなら、直ちに叩きのめして口を利けなくしてやる所だった あと恵まれた立場にいるオトーからの暴言は絶対に許さない。絶対にだ 26/02/22(日)00:40:24No.1404280114 はて、このネタは以前やったような。あなたは訝しんだ 今あなたに装着されているのは、猫の尻尾である。腰の辺りから伸びて、何故か意識で動かせる 「あら…あら、あらあらあら!」 ネーサはいたく気に入って、さっきからあなたの尻尾を追いかけてぐるぐるしている あなたが動かしているため、捕まえようとしても中々捕まらないのだ…ネーサが本気を出せば楽勝なのは言うまでもない 「とっても可愛いんじゃないかしらっ!」 可愛い。そうだろうか。あなたの容姿に尻尾が付いただけで、劇的に変化しているとは思いにくいが 恋仲の異性が意識してくれるのは悪くない。あなたは奮発して、ネーサのにじり寄る手を尻尾ではたく 「きゃあっ!難易度を上げてくるなんて、これはもう絶対捕まえるしかないわ!」 変な情熱を燃やしたネーサのじゃれつきに、しばらくあなたは付き合ったのだった しかしこんなにも尻尾目掛けて飛びかかるなんて、ネーサの方が猫のようだ 「しっしっ、しゃうっ!」 率先して猫になりきりに来ているまである。とても可愛らしい…… 26/02/22(日)01:13:31[2/22は忍忍忍の日(嘘)]No.1404289385 猫遊びに耽った後、汗をかいたからと着替えに行ったネーサ 戻ってきた彼女は…忍者になっていた! 「ど、どうかしら…似合ってる?」 ブラボー!グレート!超似合う!美の化身!セクシー!ビュリホー!! 特にこのミニスカ着物とタイツニーソックスなんて、あなたでなければ興奮のあまり失血死ものだ!ありがとう!こんな素晴らしいものを見せてくれてありがとう!! ネーサが困るからしないが、五体投地して感謝の意を表したいくらいだった 「んん…っ、そんなに、褒められると…その…」 モジモジするネーサの破壊的愛らしさは真剣に死人が出かねない。家の中で良かったと心から思った… あなたが浮かれ騒いでいると、ネーサが身体を寄せてくる。普段より甘くて蠱惑的な香水の匂いが広がる… 「その…ね?女性の忍者は、男性を…身体で、虜にする術があるんですって…」 こんな幸せがあっていいのだろうか…あなたは感動のあまり涙を流しそうになった 恋人から色仕掛けしてもらえるなんて!悩殺してもらえるなんて…!! シチュエーションに水を差すため、歓喜の涙を抑え込み続けつつ、あなたは幸せな誘惑に浸るのだった 26/02/22(日)21:41:36No.1404583937 「猫の日ですよお姉様!!!」 来た…声が大きいからすぐわかる。ネーサの妹分を自認するオトーが押し掛けてきたのだ 早速ネーサに飛び付いてゴロニャンと鳴いている…腹立たしい!ああも密着して!あなたは憤った しかし女同士の触れ合う中を引き裂くというのは。ネーサだけなら触るのにためらわなくて良いのに 「フフフ、私達の間には割って入れないんですよ!思い知りましたか!」 ピククゥ~。あなたの額に血管が浮かび上がる 赤の他人であれば、微笑ましく美しい交流。しかしどうだ、一方はあなたの恋人で、もう一方は恋人を奪取しようと企む雌猫だ はっ倒してやりたい。あなたはそう思ったし、もう口に出した 「間男の嫉妬を肴に味わうお姉様は最高ですね!」 突き放そうとしないネーサを責めるのも、筋が通らない。何せあなたと交際が始まる前から、オトーはネーサの妹分なのだから… 悔しい。悔しすぎる。怒りを通り越してあなたはちょっと泣いた 「うわ、マジ泣きしてる」 「ああっ!そんな、泣かないで!」 結果的にネーサはあなたの側に来てくれたが、精神にかなりのダメージを負った 26/02/23(月)21:30:23No.1404948132 あなたとネーサは突然の吹雪に襲われ、近くに建っている無人の山小屋へ避難した 天を切り裂き無理矢理晴れにするという脱出方法もあったが…力で押し通ると後始末が大変なのだ 「火が着いたわ。これで大丈夫」 長く使われていなさそうな暖炉だったが、無事火が灯った。冷えた身体に熱が回ってくる ほうと息をついて、張り詰めていた気を緩める 「風の音がすごい…長引きそうね」 火の前に並んで座るネーサが呟く 身も蓋もない事を言うと、あなたとネーサにとっては余裕のある状況だ。冒険は過酷であり、吹雪程度で脅かされる上位冒険者ではない だから、呑気な事を始めてしまうのも、仕方がない 「うぅ~何だか身体の芯が冷たい気がするの」 ネーサは堂々と嘘をついた。あなたはその嘘に乗っかり、肌と肌とで暖め合うしかないと続く 服が濡れているのは事実なので、乾かすにはちょうど良かった 「ふぁぁ……あったかい…人肌でぬくもるのは緊急避難よね…」 全くその通り。生まれたままの姿になって、抱き合い毛布でくるまるのは、必要な処置だ あなたとネーサは仲良く嘘をついた 26/02/25(水)22:09:24No.1405563102 吊り天井がゆっくりと降りてくる。先へ進むには、このパネルに特定の単語を入力しなくてはいけない あなたは状況に急かされ、思考を加速させる。しかし答えがどうしても分からない… 「あら、そんなに難しい問題なの?私が代わるわ」 迫る天井を抑えていたネーサとバトンタッチし、あなたが両手を天へ突き上げる ずっしりとした重みが両腕に伝わり、更に加重をかけられる 「う~ん…神様の名前…?でもこの古代文字を使う時代と地域に、条件と合致する神様はいない筈…」 なんと、世界を股にかけるS級冒険者ネーサでさえ、答えに悩んでいる 数多の古代文明、神話を頭の中に溜め込んでいる筈なのに。これは驚きの瞬間だ 「どうも、かなりローカルな神様じゃないかしら…一度戻って、調査し直しましょう。ヒントが見つかるかも」 引き返す判断に異論はない。あなたはネーサを先に行かせると、一度強く吊り天井を押し返してから、元来た道へ飛び込んだ 入った時点で鍵をかけられていた退路だが、今さっきネーサが蹴り開けたのだ あなたの背後で重たい衝撃音が響いた。吊り天井が落ちきったのだろう 26/02/26(木)21:37:14No.1405854276 あなたは職人技に敬意を払っている。それはそれとして上辺を真似したくなる日もある 魚介類を買い集め、捌きながら米を炊く。今日は寿司を握るのだ。やってみたいからだ 「がんばって!」 ネーサの応援を受けてやる気は十分。炊けた米に酢を混ぜて、鮮魚の切り身と合体させる へいお待ち!心だけは職人気取りの一貫が完成した 手にとって醤油を付けて、ネーサの口の中へ消えていく握り 「うーん?美味しいけど…魚とお米が美味しいだけね。お寿司じゃないわ」 崩れ落ちる程のショックはない。素人の真似事だからだ しかし改善してみたくはなる。素人は意気込みだけ十分だからだ 二貫、三貫と握り、あなた自身も口に運んでみる 米が握りすぎて固かったり、柔らかすぎて口に入れる前から崩れたりする。魚も厚みや大きさが、寿司に合ったサイズ感をしていない これは確かに寿司ではない…良い具材を用意したので、粗悪な寿司もどきでもバラバラに美味しいのは救いだった 「美味しいから良いんじゃないかしら。もう一貫握ってもらえる?」 用意した寿司ネタを消費するのに、時間はかからなかった 26/02/26(木)22:11:09[便乗寿司]No.1405866595 「へいお待ち!」 魔ダイ!魔サバ!魔グロ赤身!魔サカバンパス!魔グロ大トロ! 見よ!5カンの寿司が完璧な調和で出現した!ゴウランガ!(素晴らしいワザマエが披露されたとき極東の文化ではこう叫ぶらしい※情報提供:ライトスプリンター=サン) ワザマエの主、オトーは空の彼方ホロビタルリングにも届こうかと鼻高々で腕を組む。フフーン しかも白身、光り物、赤身、脂の強いネタという通の順番(※情報提供:ライトスプリンター=サン)で供される完璧ぶり!変なのが混ざった気もしたが。 「すごいじゃない!しっかり握られているのに口に入れた途端シャリが解けるわ!」 「くっ…見事!練習していたか?まさか経験者か!?」 ネーサは感心し、あなたも絶賛せざるを得ない 「いえ私もハツチョセーンですよぉ?(ニヤニヤ)、間男にはわからないでしょうねえ!ステータス適正というものです。私はシーフ職、当然TECステータスは寿司を握っても高いのですが?んん?」 無限に鼻を高くするオトーにぐぬりつつも箸は止まらない。 「いい気分ですねぇ、ああほら落ち着いて食べるんですよ…ふふ」 なおクラックラは寿司(見事な人造物)を崩壊させようとしてこっぴどく叱られた。 26/02/27(金)23:00:25No.1406194045 前人未到を制覇し、巨悪を討ち果たし、富と名誉をほしいまま S級冒険者ネーサ・マオとは、人々の憧れとなる偉大な存在。下手な勇者より人気が高い生ける伝説なのだ そういう訳で、年に二人か三人くらいは、おかしな新人冒険者が目撃される 「また私の格好した新人が……」 憧れが行き過ぎて、ネーサのコスプレをした女。夢見がちと言うのか、どうか 偉大なものと自らと同一視する事で、力を得ようとする試みは、古来より幾度も行われてきたが それにしたって。ネーサ本人が見に来る所でやらなくとも。あなたは微妙な気持ちになった 「そこまで入れ込んでもらえるのは、嬉しいんだけど…」 ネーサも唇をモゴモゴとさせている。あなたより遥かに複雑な心境だろう 頭のおかしいやつは大成しがちだが、出世するとネーサとの接点が増えるという事でもある 流行り病のように、卒業してくれる事を祈るしかなかった… 「フッ…見た目だけ取り繕った安物。雑魚ですね」 「オトー、評価を付けないの…」 衣装の作りが甘いのは、あなたも気になっていた所ではある 26/02/28(土)22:09:22No.1406503277 冒険者が冒険者を続ける期間というものは、人に依るが概ね短い 体力もさる事ながら戦闘力を要求される事が多く、怪我による引退、早々に見切りをつけて足抜け、などなど 第二の人生を歩む元冒険者が、街のそこかしこで暮らしている 「マオっ様ぁぁ!!」 「相変わらず大袈裟ね」 ネーサの取り巻きにも、幾人か引退した者がいて。たまに顔を見て回っているのだという 邪魔ではないかと思ったが、ネーサはあなたを伴って店にやってきた いい喫茶店だ。客数が多い割に落ち着いている。あなたは既に好きになりつつあった 「マオ様とお連れ様でしたら200%オフでご奉仕させていただきましゅぅ……!!」 「それじゃあなたが払う事になるじゃない。定価でいいの」 元取り巻きの娘が一番うるさい。それだってかなり声量を絞りながら叫んでいる。器用なものだ しかし。あなたは僅かに首をひねった。取り巻きなら殺気のひとつもぶつけられると思っていたが 「マオ様が幸せなら、それに勝る事なんてありませんから!こちらケーキおまたせしましたっ!」 一体感ある集まりだと思っていたが、見た目ほど一枚岩ではないようだ 26/03/01(日)21:23:22No.1406833799 「素敵ね……いい……仕上がりだわ…」 あなたの身体を、ネーサの手があちこち弄っている 自分のことは自分が一番良く分かっている、というのは一面において正しく、一面において間違っている 少なくとも肉体の仕上がり具合は、プロの目と手でチェックをされた方が良いのだ 「柔らかくって…んぅ…力むと張りがあって…逞しいわ…」 腕から肩へ、首筋を撫でてから鎖骨に。胸板を指先がくすぐり、腋へと ネーサの手が滑り、指先でくすぐってくる。熱い視線も相まって、あなたの鼓動が高鳴っている 腹筋の継ぎ目に指を這わされ、むず痒さと気持ち良さを同時に与えられている 「く、ぁ……はぁ……とっても、良いんじゃないかしら…あふ……ぅ」 ところで、ネーサの声がやけに艶めかしいのは あなたも同時にネーサの身体を見て触って、確かめているからである 二人一緒に済ませた方が効率的。何も不思議な所はない どこを触っても瑞々しく、柔らかいネーサの身体。しかし一切の油断が感じられず、時折震える瞬間の硬さは素晴らしい 「んく……っ、はぁ…ふぅ…そ、そこはっ、だめ……!」 あくまでチェックなのだ 26/03/02(月)21:42:06No.1407152508 街は生き物に例えられる 金という血液の集まる所は生き残り、金が絶えれば壊死して消える。そして新しいものが立ち上がる 王都サカエトルは都らしく新陳代謝が激しく、時折見て回るのもまた冒険なのだった 「あっ見てみて!あそこ靴屋になってる!」 前は本屋があった筈だと、あなたは記憶の中を探っている 冒険から行って帰ってくると、もう何かしら潰れていたり入れ替わっていたりするものだから、いよいよ細胞じみている 変わる様子のない店や広場を見てほっとするのも、失われてしまった景色に寂しく思うのも、住処と定めればこその味わいだ あなたとネーサは、しみじみとサカエトルの今を噛み締めた… … サカエトルからすれば、ネーサ・マオの劇的な変化こそ驚愕なのだが よもや交際を始めるとは。いつかその時が来るだろうと、漠然に思っていても、いざそうなれば飲み込みきれないもの 取り巻きの女に囲まれて歩く光景から、男連れで手を繋いで歩く今へ S級冒険者も人の子だとわからされる景色だった… 26/03/03(火)22:27:43No.1407457455 冒険者で作る雛壇という企画なのだった そこであなたは、なんと天辺へ収まる事となった。高く評価されたものである。そして隣には… 「何だか、恥ずかしいわね……っ」 あなたとネーサとで男雛女雛を担当している。照れくさいものの、それ以上に嬉しい なんでもこのポジションは随分偉い人扱いらしいが、その辺りにあなたは詳しくない。とりあえず隣がネーサである事だけが大切なのだ 「キイイイイイーッ!公的にまでお姉様の隣をアピールするとは汚らしい!この間男ッ!!!」 有名どころが集められる中、雛壇のうち二席がネーサ派閥で埋まっているのはすごい事なのだが 二人のうち一人がオトーなので、大変やかましい 下から噛み付きに来るのは本当にやめて欲しいとあなたは思っている 「オトー…皆の前であんまりやんちゃしたらダメよ」 「は、はいぃ……すいませんお姉様…」 オトーが落ち込み引き下がれば、やっと場が整えられる 写真を撮るのだそうだ。広報誌に載せ、参加者全員にも配られるという 「皆さん笑顔でー!はいアンマナイン!」 写真の中のあなたは、ちょっとぎこちない笑顔だった。代わりにネーサは花咲くように綺麗な笑顔だった 26/03/04(水)21:47:29No.1407728920 あなたはギルド備え付けの食堂で、一人昼食を摂っていた 身体を酷使する屈強な男女のための飯である。安くて多くて美味いのがありがたい 飯をかきこむ傍ら、あなたの意識は広く周囲を捉えている。これでも上位冒険者なのだ 酒を煽るベテラン達に、初々しい新人の集まりも。仲睦まじい先輩後輩や、どこかで見たような顔の中堅冒険者まで なんとも多様な事であり、あなたもその一員であった それぞれに冒険者をやっている理由があり、焦点を合わせれば一本の映画を作れそうだ 群像劇も悪くない…そんな事を考えつつ、食器を空にした頃 あなたの視界の外から、良く馴染んだ気配が近付いてきた。背後から迫られた所で、気付かない訳がない 気安く肩を叩かれ、顔を覗き込まれる 「待った?」 今片付いた所だと、あなたは返した。青い髪と美しい顔立ちが視界いっぱいに広がる 毎日見ても惚れ惚れするような美貌の恋人、ネーサ・マオ。あなたはネーサが来るのを待つ時間潰しに一食平らげていた 「それじゃ私も…日替わりランチと、生姜焼き定食と、あとラーメンを!」 あなたも本格的に注文を追加した。一食分など前菜に過ぎない 26/03/05(木)21:58:33No.1408016156 健康的に汗を流す競技、スポーツチャンバラであった 柔らかい剣を相手の身体へぶち当てて勝敗を決するのである。あなたはグリップを確認すると、対手と切っ先を触れ合わせた 「気楽にいきましょ」 朗らかに笑うネーサを見て、そうありたいものだとあなたは思った 僅かに距離を取った定位置から、試合が始まる。翻る刃と刃、柔軟質が僅かに焦げる臭い ぱっ、ひゅぱっ、と空気が泣きわめく。あなたとネーサの握る競技刀は熱変色を起こしている 「ム……ちょっと、狙いが本気なんじゃない?」 それを言うならばネーサこそ、刀の耐久が許すギリギリの速度を攻めすぎである どうにも勝負事となると、譲れない瞬間がある。特に武器術を競うような時は 小手を叩かんとするあなたの繰り出しが鍔で咎められ、膝へ伸び来るネーサの閃を柄尻で落とす 「…………」 真剣な、熱中しているネーサの瞳。とても美しく、その視線に自分が映っていて、あなたは嬉しさに震える 微妙な感情のゆらぎを突いたネーサの突きを躱し、返しの刃を放つ どれだけ魅了されていても、勝負は勝負なのだ 26/03/06(金)22:27:00No.1408309197 「わぁ…!」 どきどきわくわく、という擬音が付きそうなくらい、ネーサは紙面に食いついている どうも恋愛小説や漫画を好むらしい、という事をあなたは交際してから知った より正確に言うならば、自分でない者の恋愛に興味津々だった。足踏みしている男女の背中を押したくなる事もあるらしい 「…………」 チラチラとあなたへ向けて視線を飛ばしてくるネーサ。誘われては放っておけず、隣に腰掛ける ソファの上で肩を寄せて、一冊の本を共有する。なんとなくロマンチックな場面ではある しかしてその実態は、ネーサのおねだりタイムである 「……っ!」 開かれたページの中では、いわゆるラブシーンが繰り広げられている 両手首を拘束され、半ば強引に…拘束されてる側も喜んでいるようだが…唇が奪われている つまりそういう事であり、あなたは本に栞を挟んでから、丁寧に取り上げて端に避ける それからネーサの細い両手首を掴んでソファに縫い留めると、ゆっくり覆い被さった 「ん…………!」 とてもとても満足いただけたようだった 26/03/07(土)22:07:38No.1408623887 異星エビだ!この世のものとは思えない不思議な美味を楽しめると言われている 異星エビは、美味にして珍味だが遥か遠く空の彼方から襲い来る侵略者でもある! 「行きましょう!一刻も早く食い止めないと!」 ネーサの言にあなたは頷き、迎撃へと急ぐ 人々を守りたい気持ちに嘘はない。同時に異星エビを食べたい気持ちもあるだけだ 異星エビと対峙する。なんて大きさだ!全長5mはあろうか、縦向きに浮いているエビだ! 身がギッシリ詰まっているのは明らかだが、甲殻の堅牢さもかなりのものだろう 空を海の中かのように泳ぐエビ目掛けて、あなたとネーサは踊りかかった! 激しい攻防!王都の各地でエビと都民が交戦している!末法的光景だ! 「捌いてる時間はなさそうね…皆を守らなくちゃ!」 手近な3尾を片付けたあなたとネーサは散開し、新たなエビ目掛けて強襲をかける 敵は空から来たというのに、やたら磯臭さが広がる 「うう…ひどい臭いだわ」 戦いが終わる頃には、エビ好きでもちょっと鼻を摘むような有様になっていた… 26/03/08(日)22:25:48No.1408984834 野山に潜り泥水を浴びる苛烈さが冒険者なら、家でスポーツ観戦をするような緩慢さもまた冒険者である あなたはソファーに深く腰掛け、ネーサの肩を抱いて画面を眺めている 「いけっ!やっちゃえ!よしっ!!」 ネーサは興奮しながら、画面の向こうへ応援を送っている あなたにとっては大して盛り上がるものではない。しかしあなたが興奮するものにネーサがつれない事だってある。それでいいのだ ぼんやりとした意識の中で、あなたの身体は自動的に好きなものを求めている ネーサの細い肩を撫で回す手が、若干ねちっこくなっていく 「ん……ちょっと、今良い所なのよ…?」 唇を尖らせてあなたを咎めるネーサだったが、肩に置かれた手を払いのけようとはしない あなたの手は肩から鎖骨へと進行し、高い実力に反して繊細な手触りに指を這わせていく 滑らかで、指の腹を押し付けているだけでも幸せを感じる感触。ネーサはどこもかしこも極上なのだ しばらく好き勝手にしていると、ついにネーサの指があなたの手の甲をつねった 「いじわる…触るならちゃんと触ってよ…」 あなたの手はネーサに誘われ、もっと深い所に潜り込んだ 26/03/09(月)21:49:08No.1409247273 あなたはギョッとした。冒険者ギルドを超偉い人が練り歩いているではないか 見間違えよう筈もない。王都サカエトルを含む、この王国の超偉い人だ ネーサ、ネーサと思わず恋人の肩をつついてしまう。あなたは近年稀に見る動揺を味わっていた 「いいのよ」 ネーサは何事もないかのように、否、僅かに動揺が滲み出てはいる。S級冒険者が隠し切る事に失敗している それでも、視界の端に捉えている人物が何者か分かっていても、自然に振る舞って見せている 「いいのよ」 ネーサがそういうのであれば…ちりめん問屋だとか、旗本の三男坊だとか、そんなものなのだろう 意識からかの人を外そうとして、あなたは気付く。腰に吊るしているものに気付く ドッと汗が吹き出した。そんな事が有り得て良いのかと、悲鳴を上げなかった自身を称賛したい気持ちだった 超偉い人が穿いている剣は……そんな……国宝……っ! 「いいのよ……大丈夫だから……」 ネーサの言葉はあなたに向けられているようでいて、ネーサ自身をなだめるようでもあった 信じよう、大丈夫だと。あなたはネーサを伴い、自然にその場から距離を取った 26/03/10(火)21:56:37No.1409542553 「ログインボーナスよ!」 ネーサがおかしな事を言い出した。ログインとは? 大体ネーサからは多くをもらっている。物も想いもだ。この上何かを貰うなんてやりすぎなのではなかろうか 「だって…ソーシャルの方の私ばっかり見てるから…」 あなたは端末を放り投げた。ゲームはゲーム、ネーサ本人を悲しませてまでやるものじゃない 不明を恥じ、頭を下げる。端末の中には多くのネーサがいるけれど、それらは本物ではない 今目の前にいる彼女こそがネーサ・マオなのだ 「いいのよ…言えばちゃんと私の事を見てくれるから」 ネーサの腕があなたの頭を抱き寄せ、包み込まれる。大変幸せな感触が訪れる あなたも抱き返して、しばらく互いの心音を重ね合わせる。これは素敵なログインボーナスだ どこにログインすれば良いのか定かでないが、こうしてネーサとハグ出来るのだとすれば、毎日、いや毎時間だってログインしたくなる 「くっつくのが基本で、更に日替わりボーナスもあるのよ」 素敵すぎる。あなたは一層ネーサに身体を寄せた 26/03/11(水)21:41:53No.1409835955 あなたは血を吐いた。毒が身体を巡っているからだ 冒険者たるもの、耐性はどれだけあっても足りない。定期的に毒物を摂取し、身体に苦しみの味を覚えさせなくてはいけない 助け合える相手や、解毒剤が都合良く手の中にあるという想定は、甘いと言わざるを得ない 「がんばって…!もう少しよ!」 ネーサがあなたに声を掛けて励ましている。冒険者ギルド謹製のこの毒は、服用すると汚染された部位が変色して、大変わかりやすい 全身真紫に染まってから10分。それまで耐え忍び、身体の内側から焼け爛れるような苦しみを味わう 1秒が長い。時が制止しているような錯覚さえ覚える。滝のように流れていた汗が止まりつつある 死。予感を得る。鏡に映ったあなたの顔は、明確に死相が浮かんでいる 「10分!!今治すから!!!」 ネーサが杖を構えると、急速に苦しみが緩和される。腐り落ちたとさえ思った体内に、正常な熱が帰ってくる あなたは大きく呼吸を繰り返し、ネーサの手を掴んだ。生きている。あなたは生きている 「良かった……それじゃ、次は私の番ね」 今度はあなたが、ネーサが地獄に落ちるのを見守る番だ 26/03/12(木)21:55:54No.1410145580 ギルドハウスの窓を突き破って、ネーサの取り巻きの一人が転がり出てきた それを追ってまた一人取り巻きが飛び出し、激しい取っ組み合いを繰り広げている 土埃を立てる間に漏れ聞こえる声から、どうやらネーサ性の違いによる不和が原因らしい 「やらせておいてあげましょう」 あなたの隣までやってきたネーサは、争う二人を優しく見守っている ネーサ性云々はどうでも良さそうだが、譲れないもののために戦う経験の価値を重く見ているのだろう 取り巻き二人が今成長しようとしている。微笑ましくもなるか 女の戦いは聞くに堪えない罵詈雑言の嵐が吹き荒れる、醜い掴み合いへとラウンドが移行しているが あなたはそっと背中を向けた 「あっ…ちょっと、あなた達!胸が!見えちゃうから!それ以上は!!」 恥も外聞も投げ捨てる、のにも限度がある。ネーサが急ぎ止めに行く中、あなたは何も見ない事で尊厳を守ってやるくらいしか出来なかった… 「ああもう、止まって…止まってったら!もう!」 鈍い拳骨の音。直後に二人分の倒れ伏す音が聞こえた 26/03/13(金)21:29:53No.1410422869 あなたは小剣を抜き放った。護身用の大切な一振りである 我が身よりも可愛がり、研いでは己が顔を映し、研いでは拭き上げて、日々丁寧に扱っている 鏡の反射率と刃の妖気を併せ持った状態。これを保ってやりたくてたまらないのだ 「いつ見ても綺麗ね…私にも磨かせてもらえる?」 あなたはネーサに請われるまま、小剣を預けた。ネーサが取り扱いを誤る筈がないと分かっているからだ ヒヤリとするような切れ味に指先が沿い、しかして手脂ひとつさえ刃に残しはしない 磨き方といったらどうだ、あなたがするよりも丁寧まである 「素敵…布越しでも手入れが行き届いているのを感じられるわ…」 ああも一心に愛でられる小剣を羨ましく思い、同時に己の分身にも等しい存在を丁重に扱われて嬉しく思う すごい剣だぞ、愛するネーサ、S級冒険者のネーサがあんなに夢中で撫でているんだぞ、と自慢したくなった 「ふぅ…………とっても良かった…次は私のも見てもらおうかしら…」 ネーサの護身具も露わになり、あなたはそれを慎重に預かった 26/03/14(土)00:12:42No.1410478903 実は今年になって違うメッセージ性が付与されていた などとなっては困るため、あなたはもうお返しの菓子にメッセージカードを付与してネーサへと贈ったのだった するとネーサのお返し菓子にもカードが添えられているではないか 「私も真似しちゃった」 あなたとネーサはバレンタインにチョコを贈り合ったため、お返しも当然交換となるのだが。菓子の製作はともかく、メッセージを書いているのはあなたなりに隠していたのに ネーサが本気になれば、探り得ない訳が無いと言われればその通り 知っていて泳がされていたのは、あなたとしてはどうにも面映ゆい。内容まで知られているのだろうか? 「そこは見ないように頑張ったわ。楽しみにしていたんだもの」 そういう事ならば。あなたは確かに贈るものを贈り、受け取るものを受け取った 味の分かりきった、互いに何をどうやって作ったかまで見ている菓子だが、絶対に想像を超えた最高の味がする そして……メッセージカードを、あなたは大切に読んで、僅かに涙を滲ませてから丁寧にしまいこんだ 「もう…私まで泣けてきちゃった。幸せって熱いんだから…」 あなたとネーサは身を寄せ合って、喜びの涙を零した 26/03/15(日)22:45:13No.1411151738 ババッバッ。激しい交差、手と手がぶつかり空気の爆ぜる音がする 訓練にせよ試合にせよ、餌を吊り下げた方がやる気は上がるもの 今回ネーサがあなたに提示したのは、スカートめくり勝負であった 「……やるわね」 あなたの手を捌き、払い、短いスカートが捲り上げられるのを阻止し続けるネーサ 素晴らしい技量であり、突破には力を振り絞らなければならないと、あなたに確信させる ところであなたもスカートを穿いている。それもかなり短いやつだ。下半身がスースーして落ち着かない そう、スカートめくり勝負なのである。あなたがネーサを、ネーサがあなたを狙っている 女豹が如きただならぬ気配をまとったネーサの仕掛けは鋭く、力強い。あなたの腕は攻防の度に痺れを感じている だが勝つのはあなただ。ネーサのスカートの中を見るためならば、限界を超えてみせる覚悟がある 「残念だわ…今になって覚悟を決めるなんて。私はとっくに覚悟を済ませていたのよ!」 立ち上る闘気!押し返そうとする先から潰しにかかる圧力! あなたは一滴の冷や汗を垂らした 26/03/16(月)22:47:59No.1411453488 あなたはネーサを抱いている 性的な意味ではない。いや抱き締めるのはちょっと性的だが。腕の中にネーサを収めている 完全オフの日は、一日に五度くらいこうして触れ合っている。好きな人と密着するのは心身の健康に良い 「あぁ……とっても良いの……しあわせぇ」 ネーサの声が蕩けている。あなたが抱き締める事で、こんなにも満たされた声を上げてくれる 嬉しく、幸せだ。その上柔らかな感触を身体いっぱいに感じている。多幸感で脳が溶けて流れ出てしまいそうだ しかも恋仲であるため、肩を抱いても良いし腰を抱いても良い。髪を手櫛で梳いても良いし、尻を…とにかく好きにしてしまえる なんという贅沢な時間だろうか。あなたは恍惚の長い息を零した 「とってもリラックスしてるの、伝わってくるわ…私で幸せになってくれてるの、うれしい…」 ネーサがあなたの首筋に額を擦り付け、あなたは反撃にネーサの細い腰を強く抱き寄せる 互いの身体に匂いが移って、混ざり合って境界線が無くなってしまうまで、肌を重ね続けた… 26/03/17(火)21:40:57No.1411726374 巷で今流行の兆しを見せているという、それは流行っているのかいないのかどっちなんだというアイテム 対魔忍スーツと呼ばれる、ボディラインを惜しげもなく晒す卑猥な衣装。その実物が展示されていた “退”魔忍ではないらしい。あなたにはその辺りの違いはよくわからないが 「これはちょっと…大胆すぎるわね…」 ネーサは展示品を眺めて、頬を赤く染めた。防具としての性能は高いらしいが、あなたもネーサにこれを着て冒険して欲しいとは思わない 目のやり場に困る、という表現では不足している。マネキンの局部が浮き上がっているのだ 着用しての外出など、信じられない事だ。逮捕されるかもしれない 「…………私が着たら、嬉しいかしら?」 あなたはネーサの問いに答えられなかった。もちろん性的な意味では大いに見てみたい姿だったが 今首肯したら、ネーサはこの場で購入してしまうかもしれない いらない恥はかくべきではないし、かかせるべきでもない… … 「やっぱり着て欲しかったんじゃない…」 後日、あなたは密やかにブツを入手し、伏してネーサに頼み込んだのだった 26/03/18(水)22:04:34No.1412022843 あなたは大雑把にパスタを茹で始めると、同時に具材も炒め始める 今、ネーサはいない。独りになると、どうにも作る料理も大味になってくる 食べてくれる人の笑顔を思えばこそ、工夫を凝らそうという気持ちが湧いてくるのだ ベーコンとキノコを雑に放り込み、火を通しつつパスタの湯切りをする 茹で汁少々を具の方へ混ぜて、続けてパスタも投入。なんとなくで味を決めて、出来上がり 小山のように盛り上がっているが、あなたにとっては普通盛りに等しい。後は胃に流し込むだけだ 「あら、美味しそうね」 と、そこへネーサが帰ってきたのだった。見られてしまった!あなたの投げやりな料理を! 既に様々な側面を見せてきた相手だが、好きな人には情けない所を見られたくない気持ちが常にある あなたは赤面し、手にしたフォークも止まった 「私にも一口ちょうだい。あーん」 あなたは唇をもごつかせ、眉を忙しなく踊らせながら、パスタを巻き取ってネーサの小さな口へ放り込んだ 「むぐむぐ……うん、良い味!」 俯きながら、あなたは残りのパスタを食べ始めた 26/03/19(木)22:22:05No.1412317186 「金を出せ!!」 あなたはギョッとした。普段使いの銀行に立ち寄ったら、丁度そこへ銀行強盗が現れたのだ 警察がいようが軍隊がいようが、悪党というものは現れる。昔は少しばかりそれらの受け皿に冒険者がなっていたのだが イメージ向上を続けた結果、真正の悪たれは冒険者の道を選ばなくなりつつある 「ねぇ…あの人達…かなり使うわよ」 ネーサの見立てにあなたも頷く。冒険者の等級に例えるならば、A級はあるだろうか 頭目と思しき一名を筆頭に、中々の腕利きが集まっている。こんなチンケな犯罪をしていて良い人材ではない 普通に考えれば、金を奪った挙句悠々と逃げ出せただろう 「人質を盾にされないよう…進路見立てオーケー。行きましょ!」 彼らに不運があるとすれば、たまたまS級冒険者ネーサがいた事であり、ネーサに追いつくべく鍛えたあなたも一緒にいた事 そして強盗に身をやつしたせいか、あなた達に警戒を向けなかった事。奇襲は百倍差さえ覆し得る、最強の攻撃である 「ふぅー……もう悪さをしないようにね」 優位を握った幸運により、あなたとネーサは楽勝を挙げたのだった 26/03/20(金)21:28:57No.1412611531No.1412611531 ngそうだねx7 上等なマントだ!ワァオー!あなたは冒険者向け装備店でテンションを上げている 「いいわよね…この手触り…一生くるまってても不快にならなさそう…」 ネーサも生地を撫でてウットリしている。サンプルのため触り放題だ 次の冒険へ向けた消耗品の補充だとか、新商品の使い心地だとか。やはり店で直に見て取って感じたいではないか この感覚をどうにか例えるとするならば、家電を量販店まで足を運んで選ぶ気持ちだろうか 伝手ならあるのだ。通販も、御用聞きしてもらう事さえ出来る。だがそれでは勿体ないと感じる 「うーん…この鈎の角度、良いわね…ちょっと試させてもらおうかしら」 ネーサもあれこれと手に取っては具合を確かめ、良しと見れば買い物カゴへ放り込んでいる ワクワクがいっぱいなのだ。あなたは暗器類をいくつか手にし、新商品のハードブーツの靴底をしげしげと眺める こういう所にいると、際限なく欲望が刺激される 結局かなり大きな買い物となり、家まで配送してもらう事となった 「重たくはないけど、かさばるものね…ちょっと買いすぎちゃった」 あなたとネーサは少し反省した 26/03/21(土)21:32:50No.1412945726 宅配業界の発展めざましいが、あなたの中で宅配と言ったらピザなのだった 先輩冒険者に「言う事がオッサンみてえだなオイ!」と言われてもめげないのだった とにかくピザが届いた。いちまーい、にまーい、さんまーい… 「わあ!並べるとテーブルからちょっとはみ出しちゃう!」 あなたとネーサが十分に食べようと思ったら、これくらいの量は必要である Lサイズを半分に分けたら満腹、なんてのは一般人の感覚なのだから 手近な一枚を持ち上げると、チーズがよく伸びる。熱々だ。あなたはネーサの口へとピザの先端を向けた 「あーん……むぐ、んぐ……おいしい!こっちもどうぞっ」 ネーサからピザを向けられて、あなたも一口目をかぶりつく。熱くて肉肉しいやつ、食べ応えがある 枚数分味の種類があるため、一口目を交換した後は勢い食べ進めていく。どれもこれも大変美味しく、食べるほど食欲が増進されるようだ 合間にコーラを煽り、喉を潤していく。甘味と炭酸が舌をリセットし、脂っこさを再び新鮮な気持ちで食べられる 「あら…?もう無くなっちゃった」 もう一切れいきたい所で、ピザは消えて無くなってしまったのだった 26/03/22(日)21:26:49No.1413313520 「うーん…髪、伸びてきたわね…」 言われてみれば、一見した印象が変わるくらいには伸びている。ネーサの艷やかな髪は長くなっても美しい あなたは感動の息をつき、改めて見惚れた。毛先を弄るネーサの姿に意識を囚われている ボーっとしていると、鼻先を髪でくすぐられる。正面にくしゃみしかけて、慌てて顔を横に向ける 「油断しすぎよ。見つめてもらえるのは嬉しいけど…」 ネーサの頬は、薄く朱に染まっていた。見られて照れていたらしい その仕草も、ふわりと漂う髪の残り香まで美しい。今日もまたネーサを求める気持ちが湧き上がり、あなたの手が伸びる 細指が愛おしげに絡み付くも、欲求を取り下げられる 「まだダメよ…ね。今は髪を伸ばして欲しいかどうかを聞きたいの」 あなたは繋いだ手指を絡めながら、強く脳を回転させる。髪を伸ばしたネーサ、髪を切ったネーサ。どっちも最高に決まっているのに 決断せよと言うのか。おお何たる仕打ち!しかし委ねられたからには、断行しなければ… あなたは涙ながらに、切り揃えるよう進言した 「ん。それじゃ、出会った頃と同じ髪型にするわねっ」 26/03/23(月)21:57:01No.1413629198 殺気!あなたは屈みざま背後へ刃を抜き放った 銀光!衝撃!刃と刃が火花を散らす!冒険者として成り上がる際、買った恨みは少なくないが… 手応えから犯人は察せる。やはりオトーか 「チイッ!勘のいい…」 あわよくば感覚であなたを消しに来る、危険な女だ。本腰入れて仕掛けに来ないだけ、一応理性はあると信じたい ネーサの目が届かない場にいると、不意に凶刃を届けようとする。極めて迷惑である あなたは抜いた刃を収め…ると見せかけて、再びの攻勢を食い止める 「くぅ…場馴れしてるじゃないですか、忌々しい!」 あなたは冒険者なのだ。ネーサと同じ冒険者なのだ。不意打ち騙し討ちに対応出来ないでは済まされない それと、悪さしたやつの懲らしめ方にも通じていなければならない。鍔迫り合いから組み付きへと持ち込む 「ぐえっ!な、何のつもりですか!?まさか私を…!?」 「オトー」 ネーサ・マオ登場。こっそり連絡を飛ばしておいたのだ あなたに捕まり逃げ場がないまま、オトーはしこたま叱られた 26/03/24(火)21:52:07No.1413923751 飛来する、音を超えた、鋭い輝き 対応を間違えれば即死するそれを、あなたは半身になりながら僅か手を添えて、進路を逸らす 速力を上に流されたものが、舞い上がった後あなたの手に収まる。ピラム(投げ槍)だ 手にした槍を大きく振って、ネーサへと合図を送る。一投馳走してくれたのは、ネーサその人である 機を見て、あなたは駆け出す。瞬間風を超えて、ネーサを中心に円の軌道を描く つまるところこれは、交互にピラムを投げつけ対処させる訓練なのだが。あなたは全力を込める 側面を取った辺りで全身を力ませる。溜めて、投じつつ緩めて、別れ際に力全てを伝達する ぴい、と空気の壁が引き裂かれ、あなたの愛する人目掛けて致死性の槍が飛んでいく ひどく良い目は、ネーサが柔らかくピラムをいなし、無力化する所を捉えている 「ナイッシュー」 遠くから届く朗らかな声。あなたはネーサがこれしきで死ぬ筈ないと再認識し、また好きな人を殺さずに済んで良かったと安堵した 時に愛を結んだ相手であっても、刃を向けるのが冒険者である。あなたは返礼のピラムを受け止めるべく構えた 26/03/25(水)21:28:29No.1414223863 あなたはぐったりとしていた。冒険だ訓練だと体力気力を消費した後は、こうして回復の期間を挟まなければならない 今のあなたは軟体動物よりも脱力し、深い呼吸を繰り返すだけの生き物だ その上にはネーサが覆い被さり、同じように全身の力を抜いてリラックスしている 「すぅー…………ふぅぅー…………」 柔らかな吐息があなたをくすぐり、少し落ち着かない。しかし払いのける程の元気を出したくない あなたの手はネーサの頭へ向かい、より落ち着くために滑らかで極上な触り心地の髪を撫で始める とても幸せで、心が満たされていく手触り。あなたの身体から一層力が抜けていく 「んぅ……もう…………このぉ」 ネーサの手があなたの両頬を包み込み、剃る事すら放棄した髭を撫で回してくる 毛先が上下する感覚に、あなたのリラックスが取り上げられる。一方ネーサはジョリジョリした感覚にご満悦だ 「んふー…………すきぃー……」 更に反撃をするには、あなたの気力が不足している。引き続きネーサの頭を撫でながら、好きと言い返すに留めて 触り合いながらボンヤリとした時間に浸った 26/03/26(木)21:51:07No.1414517951 ウァリトヒロイザウルスだ!隆起した太古の地層から発掘されたという、超巨大恐竜! 一般公開されるという事で、あなたとネーサはウキウキしながら化石を見に来たのだ かなり状態が良かったそうで、おおよそ全身の骨格が揃っている。全長20mを超える巨大生物が当たり前に徘徊していたと思うと、夢のある話だ 「ん~……ねぇ、あの再生予想図なんだけど…」 ネーサが凝視するその図へ、あなたも視線を送る 骨格に肉付けをしたらこのような姿が現れるだろうという、普通の予想図だ。だが…そう、そうだ。あなたも思い出してきた 以前冒険した時、深い谷の中で交戦した怪物に良く似ている! 「まさか…ね…いえ、でも…ありえるのかしら…そういうのも…」 ネーサもあなたも、報告書を受け取ったギルド側も、古代に滅んだ筈の生き物と現代の怪物を結びつけはしない しかし今、点と点を結びつけられるかもしれない、新たな点を見出した 「次は調査目的で行ってみるのも、良いかもしれないわね…」 あなたとネーサは視線を合わせ、冒険予定地を一つ増やすのだった 26/03/27(金)23:05:34No.1414865688 ボールランチャー!それは直径2cm程度の球を飛ばして遊ぶ玩具である 最近発売された玩具だが、あなたは昔あんな感じの玩具が欲しくてたまらなかったのを思い出した 「欲しいなら、買ってもいいんじゃない?」 ネーサに指摘されて、あなたはハッとする。そんなに物欲しそうに見ていただろうか しかし、そうだ。一つくらいなら。たった一つがゲートウェイになる事もあるが、あなたには止めてくれるネーサがいる そういう訳で、あなたはボールランチャーを購入した。青色が鮮やかなモデルだ 「ふーん…ここに球を込めるのね」 ネーサも眺めたり弄ったりして興味津々。始球式はあなたに譲ってくれるというので、早速支度を整える 射的用のターゲットを置いて、構える。あの頃の憧れを勢い良く…撃ち出す! ばぎょり。 青いボールランチャーはあなたの込める力に耐え切れず、割れてから潰れてプラの塊になった 「ああ……っ!」 あなたは深く落ち込んだ。買ったばかりの玩具をゴミにした上、この後撃つ筈だったネーサの楽しみも奪ってしまったのだ… 26/03/28(土)21:46:37No.1415163691 上はタンクトップ一丁、下は短パンなーんだ?答えはネーサのリクエストでした まあまあ恥ずかしい。あなたは上こそ耐えられなくもないのだが、下があまりにも丈短すぎて落ち着かない ここは我慢の時である。恋人に興奮してもらえるより誇らしい事など、そうはないのだから 「いい……いいわね…素敵……とっても…」 ネーサの視線は舐めるようにゆっくりと動き、あなたの肉体を余す所なく焼き付けている 恥じらいにあなたの顔が赤くなる、ものの。好きな異性がこうも食いついてくれると嬉しくなる そっと腕を曲げて、力こぶを作ってみせる 「まあ!頼んでないのに、サービスしてくれるなんて!」 あなたは鍛えているので、力めばあちこち張り詰める。ネーサの鼻息が荒くなり、あなたも力を入れる事で呼吸が激しくなる あんなポーズや、こんなポーズ。大胆なやつに、もっと大胆なやつ。あなたとネーサの距離は次第に近付き、既にお触りが始まってしまっている あなたがモデルであるならば、お触り厳禁なのだが。ネーサとの間に隔てる決まりは存在しない 「あぁ…好き……もっと、見せて…」 激しい事になった 26/03/29(日)21:28:04No.1415534103 武闘派の冒険者であるならば、時に肉を現地調達する 店を介さない事による利点は、どれだけデカく切り分けても咎められない所だ 真っ赤に熱した剣へと突き刺して、更に火で炙って、バカでかい肉塊を中と外から焼いていく 「たまらないわね……!」 大食のあなたとネーサをしても、顎を外したって咥え切れない厚みの肉というものは、涎が垂れてくる その大きさには夢がある、浪漫がある。かぶりついて肉の脂で唇ギトギトになりたいのだ サイズ相当に焼けにくいものを丹念に熱し、ついに安全圏へ到達したものをネーサへ渡す あなたは次の、自分が食べる分の肉塊を新たに剣へ突き刺す 「それじゃあ……いただきまーすっ!あんぐ……んっぐ!」 小さな口では絶対に収まらない肉。かじりついて切り取って、ネーサの口の中へ消えていく 肉汁がこぼれて、口周りはえらい事になっているが、ネーサは止まらない 「んんぅ~っ!これこれ!この食べ応え!一口どうぞっ」 あなたの分が焼けるまでには、まだ時間がかかる。ネーサの言葉に甘えて、大きく口を開く 熱く、固く、しかしてジューシー!社会的美味とは違う、野生の快楽だ! 26/03/30(月)22:01:49No.1415851932 今日は久しぶりにネーサ焼きが発売される日だ。あなたはウキウキと街へ繰り出した れっきとしたライセンス商品であるこのネーサ焼きは、名前が安定しない例の菓子にネーサの顔の焼印を入れたものである 中身はあんこの他にチョコやチーズなどがある。あなたがまだぼんくら冒険者だった頃から売られているものだ 「そんな前から私の事を知ってくれてたのね」 女王陛下と並んで…は言い過ぎかもしれないが、王都でネーサの名前を知らないやつはモグリまである あなたは変装したネーサ本人と列に並んでいる。あなた一人で買う予定だったが、ネーサは離れてくれなかった 商品モチーフの当人が見つかれば大騒ぎ間違いなし。あなたは地味に冷や汗をかいた 「平気よ。普段より大分シックに抑えてきたんだから」 確かに普段のネーサなら選ばないような、地味めの色使いに覆われている 砂地に紛れやすそうなガチ感なのは何故なのか…問うまい。それよりもネーサ焼きが大切なのだ 「いらっしゃいま、うぇ……?」 「味全種類を包めるだけもらえる?」 「は、あ、え……はい……」 店員に要らぬ負担をかけてしまった… 26/03/30(月)22:06:13No.1415854012 オトー「ネーサ焼き666個ください🐱」 クラックラ「そんなに食べ切れるんですか?お姉様ほど健啖でもないでしょう」 オトー「食べ切るとかじゃないんです、入れるんです、身体の成分構成比を限りなくお姉様成分100%に近づけるんです」 26/03/31(火)21:30:33No.1416147253 竜のねぐらに遭遇した。巨体を横たえて眠りについている竜…なんとも迫力のある姿だ サイズ感が違うために、ただの寝息でさえ唸り声のような大音に聞こえる。布団代わりなのか、金銀財宝を敷いている こんなにも堂々とした竜は、中々お目にかかれない。あなたは目を皿のようにして、全身観察している 「すごいわ…大発見ね!」 ネーサはメモ帳を取り出すと、すごい勢いでスケッチを始める。精緻な筆致で見たままを起していく 一方あなたは生息地や見える範囲から推測される生態などを書き記していく。あなたには絵心がないのだ ごうごうとした寝息をBGMに作業していたが、不意にその曲が止まる。あなたとネーサは慌てて物陰へ身を潜める のっそりと首を巡らせる竜の姿を覗きながら、ネーサと小声でやりとりする 「……どうなるのかしら」 竜というだけで討伐依頼が組まれる事はない。しかし殆どの場合、竜の財宝とは人魔から奪ったものである 血なまぐさい事になる可能性は高いだろう ギルド所属の冒険者として、竜の住処を見つけたなら報告は義務である。もみ消しは出来ない 「なるようにしかならないわよね…」 あなたとネーサは機を見て離脱した 26/04/01(水)21:16:42No.1416424260 今日は嘘をついても良いらしい。ひどい日もあったものである 巷に飛び交う嘘、嘘、嘘!会話にならない!そんなに嘘に飢えていたのかと、あなたは頭を振った うんざりしながら帰宅する。心優しいネーサならば、という思いがある しかしネーサには茶目っ気がある。朝は何気ないやり取りで済ませても、夜は果たしておとなしいものだろうか 「おかえりなさい!分かれて依頼を片付けるのも、久しぶりに感じるわね」 ネーサだ。あなたの好きなネーサのままだ。嬉しさにあなたは満面の笑みを浮かべる 何を疑う事があるだろう。ネーサ・マオは優しい人なのだから、人をからかって遊んだりはしないのだ だが…そう、あなたの側が、疑心に満ちてしまっている。不意に騙されはしないかと、警戒レベルが高まっている 「ん?どうかしたの?そんなに怖い顔して…」 指摘されて、あなたは慌てて眉間をほぐす。笑みを浮かべていた筈だったのに、すっかり険しい顔に変わっていた 穏やかな二人の時間が流れて…あなただけが無駄に気を張り詰めていたのだった 「それでオトーったら……その後クラックラが……」 結局ひとつも嘘はなかった 26/04/02(木)21:37:48No.1416692174 冒険者広報誌“Bo's”今号はA級冒険者オトー特集だ こういう時しみじみと奴も高位冒険者なのだと実感する。A級は実質的な冒険者の頂点と言って良い その上は実力に加えてめぐり合わせが必要になる。つまり運を持つ者だ…ここであなたは背後目掛けて鷹爪の如き掻き手を繰り出した 「ぬおっ!?私の特集を読んでいるから何かと思えば、ご挨拶じゃないですか!」 背後から不意打ちを狙った女の言う事ではない。加えて言えば、情報収集は冒険者の義務だ。怠る者から脱落する バクステ一回分距離の空いたオトーへと、広報誌を投げ渡す。内容はおおよそ頭に入った 「片付けくらい自分でしたらどうなんです!」 ……それは確かに、言う通りだ。あなたは渋々と投げた広報誌を取り返す ニヤついた顔を引っ叩いてやりたくなるが、道理は向こうにあるため堪える 「あら!それって新刊よね!オトー特集の!私にも見せて!!」 風よりも鮮やかに、雲よりも静かにあなたの隣へ滑り込んだネーサが、広報誌を素早く開く すでに当の妹分から預かった献本分を30回は読んでいるのに、ずっとこの調子だ…… 「はわわ、お姉様が私を凝視して…はわわわ!」 こいつもこいつで… 26/04/03(金)21:52:24No.1416976313 オウカシスターズだ!春になると蓄えた養分を力に暴れまわる魔樹の姉妹達! 美麗な花を咲かせるため、公園に植樹されているが、その戦闘力は極めて高い! 花見が始まる前に叩きのめして、力の差を分からせてやらなければならない。倒壊・切断が許されない困難さから、依頼受注下限はB、上限なし 「しゃあっ!しゃ!しゃあーっ!」 ネーサのローキック連打が、脚代わりの根を執拗に痛めつける。もうあのオウカは逆らわないだろう あなたも目の前で太い枝を振りかぶる魔樹に応戦する。鋭いフックをダッキングで捌き、懐に飛び込む ボディ!ボディ!ボディブロー!後退を許さない踏み込みながらの連打にたまらず悶絶、また一本を従わせる事に成功した 背後から迫るオウカの蹴りをいなし、脚根を抱えて振り回す。ネーサ! 「任せて!ちぇあー!!」 ジャイアントスイングの要領で放られるや否や、エルボースタンプで追い打ちが決まる あなたとネーサの即興ツープラトンに、魔樹達の腰が引けていくのが分かる あちこちで冒険者達の勝ち鬨が上がり、今年も花見の席が守られるのはほぼ確定したのだった 26/04/04(土)21:33:58No.1417285966 気温が高くなってきた。するとどうなるか? ネーサが生脚になる!タイツに包まれた脚も素晴らしかったが、あなたはやはり生脚が好きだ 美しく瑞々しい、それでいて力強い躍動もしてみせる、最高の脚なのだ 「もう…視線が露骨すぎよ…」 恥じらうネーサが内股を閉じてモゾモゾされるのもまた素晴らしい。あらゆる仕草が魅力的だ 大胆なミニスカートから曝け出される美脚!こうでないと!あなたは鼻息を荒くした 「んんん…!鼻まで鳴らしちゃって…もうっ!」 スカートの裾を掴んで下ろしたところで、元々の丈が短ければ効果は薄い ましてやネーサときたら、顔を真っ赤にしながらも本気で隠そうとはしていないのだから、あなたは見つめ放題だ そうなると脚だけでは足りない。羞恥に震えているものの、この場に留まってくれているネーサの表情や仕草をじっくりと眺める なんて魅力的なのだろうか…もう何度目かも分からないが、あなたはネーサに魅了された これはもう鑑賞会をするしかない。ネーサの回りを周回し、あらゆる角度から拝むのだった 「やっ、ちょっと……そんな所まで見たらぁ…!」 26/04/05(日)22:50:39No.1417675608 ウァリトヒロイ屈指の観光地、湯処オユフイタである 多彩な温泉と居心地の良い旅館とで、あなたとネーサは骨まで蕩けそうなくらいリラックスしたのだった 「ふぁぁ~~……いいお湯ばかりだったわねぇ……」 チェックインを果たし荷物を置けば、あなたとネーサはすぐさま温泉巡りを始めた 地獄風呂、砂風呂、壺湯…そして外せないアンマナイン王家巡りの湯 楽しくて暖かい、何より身体の芯まで届くような柔らかさに受け入れられて、いちいち長湯をしてしまった 「見て、お肌ツルツルになっちゃった!温泉の効果はすごいわね!」 ネーサの肌は元々ツルツルのスベスベだが、今日は一段と輝いて見える 浴衣の袖をまくり上げた姿が色っぽい。加えてスラリとしているのにどこか柔らかそうな頬も、5割増の弾力を感じる あなたはたまらず手を伸ばし、瑞々しい腕にそっと指を這わせた 「んぅっ!ちょっと、そういう事するのね…お返ししちゃうんだから!」 不意打ちに驚いたネーサの逆襲が始まる。あなたの髪はグシャグシャになり、転がって組み合う内に浴衣も大胆に乱れてしまった 食事が運ばれてくる気配を感じて、慌てふためき格好を整えるのだった 26/04/06(月)21:38:42No.1417933799 男というものは、年に12回ほど力自慢をしたくなる生き物である あなたもまた男であり、力を見せびらかして脚光を浴びたくって仕方がなくなるのだ 冒険者ギルドの隅の方で、むさ苦しい男達が集まり腕相撲大会を開いている。あなたも参加者の一人だ 「がんばってー!!!」 今日のあなたは最強だ。なんてったってネーサが応援してくれている。逞しい男一万人にだって勝って見せる 隆起する力こぶ!打ち倒される対手!絶好調とはこの事だ! 「コロス!!」「オンナヅレデキヤガッテコロス!!!」「チョウコロス!!!!!!」 暗い嫉妬の気持ちではあなたを下す事など出来ない。あなたは順調に勝ち進んでいた しかしあなたは忘れていたのだ。女の世界に男が踏み入れないように、男の世界へ女を立ち入らせた者にはバチが当たると… 「す…すごいパワー!でもこんなに仕上がってる冒険者なんていたかしら…?」 倒された冒険者達からバフをかけられた刺客によって、あなたは腕が折れるんじゃないかという勢いでぶっ飛ばされた それ反則じゃねーの!?と口を利く体力も残っていなかった… 26/04/07(火)21:35:41No.1418213538 あなたはネーサと球を蹴り合っている。一対一の簡易サッカーだ 勝敗を決するには、身体ごと簡易ゴールへ飛び込む必要があるサッカーだ 何故シュートではないのか?飛んでいった球がどんな被害を起こすか分かったものではないからだ 「ふっ!せっ、あぁっ取られた!」 大胆かつ繊細な力加減で、一個のボールを奪い合う。一進一退の攻防 あなたはネーサを抜き去れないし、ネーサもあなたを突破出来ずにいる。激しく土煙が立つ 何故芝の地でやらないのか?踏み込みで芝が吹き飛んでしまうからだ 「今よ!分身殺法!!」 すごい!ネーサが増えた!四方八方が美しい!あなたは魅了されながら、強引な加速で全ての分身をカバーする 足指の跡が深々と刻まれ、小規模なクレーターが出来上がる 何故スパイクを履かないのか?市販の競技用靴では踏み込みに耐えられないからだ あなたとネーサの蹴りがボールを挟んで交差し、小さな衝撃波を生み出した 何故ボールは割れていないのか?二人が技巧を尽くしているからだ 「…やるわね!」 ネーサこそとあなたは称えた 26/04/08(水)21:43:22No.1418504640 冒険者は基本的に、力があると得する。腕っぷしで切り抜けられる場面は多い そのためネーサの取り巻き達も、日々集まってトレーニングに励んでいる 武闘派のS級冒険者であるネーサに付いていこうとする意欲が、彼女達の強さを支えているのだ 「もう少し気を緩めても良いと思うのだけど」 当のネーサはこの調子。冒険が好きな彼女にとって、鍛える事は趣味と実益の延長線にある 汗水を垂らし、自らを追い詰めていても、そこには楽しみが見えている ネーサの始点だと、取り巻き達は時々必死すぎないかと感じている訳だ 価値観は人それぞれだが。あなたはどちらかと言えば、彼女達の方に共感する所がある 「そうなの?」 特別な存在として見てもらいたい。内側から身を焦がすような衝動があってこそ、今のあなたが出来上がっている 分かるとも。取り巻きでいる事には甘んじられても、戦力外、ネーサからお客様扱いされるのには耐えられない あなたは深々と頷いた。分かった風な事を言うなとばかりに飛んできた、オトーの投げナイフをキャッチした 「私は皆がいて助かってるけど…それじゃ済まない話なのね」 26/04/09(木)21:23:55No.1418785119 人間の踏破力は高く、大抵の所には踏み入っていけるのだが しかし人間と違う規格に合わせた空間へ踏み込むのが、得意という訳ではない 「わあ!どこもかしこも獣道だわ!」 以前は賢い犬達が暮らしていたという廃墟。住居をこさえるような能力はあったが、道を舗装する発想がなかったらしい 四つ足着いて進むには草の生い茂っていた方がやりやすいという事か 住民達は何処かへ去り、話を聞く事はできない 「まだ生活痕が残っているわね。見て!爪で木を削っていたみたい!」 ネーサは活き活きと調査に取り掛かっている。見て、スケッチを取って、メモを書いて 緩やかに名残を覆い隠し始めている草が、あなたの歩みを送らせる。どこにかつての足跡が残っているか分かったものじゃない そこへ行くとネーサの歩みは軽やかだ。手がかりへの感度があなたとは違う こういう所では全く追いつける気がしないと、あなたは思った 「すごい!分解されなかった糞が残ってる!運が良い!」 あなただって糞自体に抵抗は無いのだが。ネーサのような美人が大声で糞と言うのには、未だに慣れないのだった 26/04/10(金)21:28:23No.1419078135 カレーは飲み物という言葉がある。食欲をそそる香りに美味なる調べが飲むように匙を促す事の例えだ しかしあなたとネーサにとっては比喩表現ではない! 「カレーパーティーね!!!!!」 メイン!カレー!スープもカレー!小鉢もカレーで!サラダはサラダ ご機嫌な食卓であった。ライスにナン、バケットも添えて完璧な布陣と言える 炊き出しに使うようなドデカイ鍋でこさえたカレーが、今から消えて無くなる事になる 「神と国と人と、糧なるもの達に感謝を込めて…いただきます!」 ネーサがガッといき、あなたも素早く取り掛かった。ライスと合わせたカレーを猛烈な勢いで咀嚼し、飲み込む 美味し!カレー美味し!まさしく飲むようなテンポでカレーが消えていく。おかわりして、おかわりして、またおかわりする 盛っては食べてまた盛って、ライスもナンもバケットも消え失せていく。具材たっぷりのカレーとサラダとで、栄養バランスも完璧だ 「んんぅ~っ!美味しい!」 いささかはしたないが、あなたとネーサは揃って腹を撫で回した。しかし食べすぎて胃が膨らむような過食ではなかった あなたがネーサの口周りを拭くと、ネーサは少し恥ずかしそうにした 26/04/11(土)21:37:02No.1419416587 冒険者には逃れられぬ性がある。普段立ち寄らぬ地を訪れた際には、すぐさま武具防具を調べずにいられないのだ 新商品とか見たくって。土地特有のアイテムとか、貿易の果て流れ着いた珍品とか おしゃれ好きが古着屋を漁るように、あなたとネーサは新品古品を漁った 「わっ、わっ、見て!ジッテ(十手の事)だわ!あんまり店売りされないのよね!」 買ってもまず使わないブツを手に取って、あなたとネーサは盛り上がる 土産を探しに来た訳じゃあるまいし、買って帰る程の入れ込みではないにせよ。見ていてワクワクするものだ 「こっちはイーロウ(印籠の事)!確か薬入れなのよねっ」 ある所にはあるものである。あなたも様々な角度から掘り出し物を眺めて楽しむ 冷やかしにならぬよう、既に買うものは決めてあるのだが。印籠程度なら重しにもならないだろうか そういう訳で、ネーサの荷物に印籠が加わった 「構えるとご利益があるって聞いた事あるわ。悪人がひれ伏すとか…えいっ!」 ネーサはあなたに印籠を向けた。あなたはとりあえず跪いて許しを請うておいた 「もうっ、悪者じゃないのに伏せちゃうんだから」 許された… 26/04/12(日)22:36:37No.1419829354 あなたは理性ある人間だと自負している。しかしその理性も永遠に続くものではない ネーサを前にしていると、頻繁に一線超えたい衝動が襲いかかってくる 好きなのだ。好きな人が無警戒に微笑んでいるのだ。そりゃもういやらしい気持ちにだってなる 「どうかしたの?」 今もグツグツと煮えたぎってきている。なんて事だここは冒険者ギルド! とても性的な行為に及んでいい所ではない。あなたはグッと堪えて、湧き上がるものを抑え込もうとした 「怖い顔しちゃって、どこか痛い所でもあるの?」 あなたの気も知らず、ネーサが距離を詰めてくる。あまりにも顔がいい!その上いい匂い! 呼吸が荒くなるし、血液が一点へと流れ込んでいく。これはもうどうしようもない事だ 生理現象が露見してしまうのではないかと、あなたがヒヤヒヤしていると 「…………」 ネーサがいたずらな笑みを浮かべているのに気がついた 全て分かった上で、あなたを弄んでいたのだ…悪女のような振る舞いだ 怒るべき所だろうか?とんでもない。恋人が性に理解を持ち焚き付けてくれるなんて最高だ あなたは帰るまで幸せな苦しみに耐える決意を固めた 26/04/13(月)21:49:44No.1420114740 あなたも上位冒険者。グッズが作られる存在なのだ 観測気球的にブロマイドなどが量産され、これで手応えありと見れば本格的な各種アイテムへと広がっていく 素直な気持ちを吐露するなら、あなたは面倒であった。あなたは人気者になりたくて出世した訳ではない 「有名になれば持て囃されるんだもの、グッズがなくても同じよ」 経験者は語る。S級冒険者ネーサ・マオはサカエトルを中心に様々なファンアイテムが全国に流通している あなたもネーサを目で追うようになってからは、グッズを集め始めたし。今では重篤なマニアだ …いつかあなたに対しても、そういった人達が出てくるのだろうか 「どうかしら…少なくとも私はファンだけど」 さらりと言い放つから質が悪い。あなたは赤面し、視線をネーサから逸らした 好き合う相手から、元々は認められたかった人からファンだなどと言われて、動揺せずにいられる程あなたの心は固くない 今も変わらず面倒だが、言葉ひとつでやる気がグッと出てしまうから現金なものであった 「とりあえずブロマイドは額に入れて飾りましょうね!」 ネーサ?あなたは訝しんだ 26/04/14(火)22:55:16No.1420432154 なんだかS級冒険者が増えた気がすると、あなたはネーサに感じたままを伝えた 「そうかしら?前から今と同じ人数いたと思うけど」 そうだろうか?そうかもしれない。何せ当のS級冒険者ネーサが言う事なのだ 成り上がり者の所感より正確なのは間違いない。あなたは頷き引き下がった しかし世界は広いものである。ネーサと同格の冒険者が両手の指より多いのだから 「私なんてまだまだよ…あの人達と比べたら、自分の小ささが際立ってしまうわ」 ネーサは虚空を見上げる。かのS級達を見上げる立場にいるという、内心の現れに違いない 同時に、ネーサ・マオは地位の頂点に収まった今も変わらず、挑戦者であり続けている 偉大な者達へ、功績へ。未知に、既知の裏側に。飛び出し挑み続ける 全身から活力が溢れ出さんばかりの姿が、しみじみと美しい。あなたは眩しさに目を細めた 「行きましょう、一緒に!」 冒険へ飛び出す時、共に行こうと誘われる。この喜びをなんと言葉にすれば良いのか 陳腐に過ぎる、幸せという一言に思いを詰めて、あなたはネーサの手を取って駆け出した 26/04/14(火)22:58:26No.1420433281 いけない私ったらマメイジーさんとドラシーナさんのことを忘れるだなんて失礼な 彼女たちはずっと昔から尊敬する友であり冒険者という絆で繋がった仲間だったじゃない! 26/04/14(火)23:04:02No.1420435165 >いけない私ったらマメイジーさんとドラシーナさんのことを忘れるだなんて失礼な >彼女たちはずっと昔から尊敬する友であり冒険者という絆で繋がった仲間だったじゃない! 何かが…何かがおかしい気がする… しかしお姉様の大切な客人である、疑うわけにはいかない クラックラはドラム缶一杯のたまごスープを二つ(※注釈するまでもないが一つはドラシーナに、もう一つはネーサ・マオに出す、マメイジーには普通に紅茶を出す)用意しながら眉間に皺を寄せた 26/04/14(火)23:14:02No.1420438595 マメイジー・ミチは地味で地道で真面目な冒険者である ともすればなぜこのような特徴のない冒険者がS級に?と思われかねない 今日マメイジーはドラシーナと共に冒険者仲間のネーサ・マオに招かれ、S級お茶会のひと時を過ごしている ドラシーナの好物はたまごスープ ネーサの妹分たちは抜かりなく用意し、ドラム缶に並々注がれたそれをドラシーナとネーサに供していた 「いやおかしいだろ」 ドラゴンと共に同サイズのスープをメイルシュトロームのごとく吸い込んでいく女性を見れば、大抵の者はそう言うだろう マメイジーは地味で地道で真面目な冒険者である その光景を前に同席し、真面目で純粋さと礼儀正しさの入り混じった言葉を交わし、談笑する もしかしたら彼女の特異性とは、何を前にしても地味で地道で真面目であり続けるということなのかもしれない 26/04/15(水)21:32:46No.1420695287 あなたは斧を振り上げ、振り下ろした。薪割りである この作業に冒険者もランクも何もない。薪は今も必要なものなのだ 振り上げるや否や薪が添えられ、断ち割れば素早く避けられていく。ネーサの手際だ 「はいっ!ほっ!はいっ!ほっ!」 機械の正確さと人ならではの息を合わせてくれる柔軟さが兼ね備わっている あなたもまた機械の如くネーサの合いの手へ動きを寄せていく。今この時全身が単純運動に躍動する 斧を振る。斧を振る。斧を振る。斧を振る。まだ、まだ、もっと、もっと!血潮が唸り汗は沸き立つ 「すごいっ、速さ!私が、追う側、なんて!」 調子は上がる一方で、あなたとネーサは色の付いた風に見える程加速していた であるから、先に道具の方がへたるのは必然だったのだ 「あらっ…ストップストップ!斧が溶けてるわ!」 大気との摩擦熱でとろけてしまった、水飴のような斧があなたの手の中にあった 楽しくなってきてつい…あなたは斧を弁償したのだった もう割る薪が残っていなかったのは幸いと言うべきか。残っていればチョップで割る気だったのだが 26/04/16(木)23:04:56No.1421012236 げっ財務!あなたは怯み、1ターン行動不能になった 「人の顔を見るなり随分な態度じゃないか。大体君という奴はネーサさんの交際相手としてだな…」 ネーサの取り巻き達の中で、ある意味最も強い女。財務のカネヤだ 冒険者の地位を駆け上がって、代償に色々疎かなままのあなたは、道理で引っ叩いてくる相手が苦手だ 「話を聞いているのかい、まったく…」 「まあまあ、そこまでにしてあげて」 ネーサの助け舟!慈悲深い者が垂らした糸の如く、あなたを救ってくれる 「しかしネーサさん。時には耳に痛い事を言葉とするのも、愛の形ではないでしょうか」 「愛……そ、そうかしら?そうかもね…」 いけない!あなたはカネヤの舌鋒を止めようとしたが、既に機を失している 助け舟は沈み、あなたへと覆い被さって一層深い海底に押し込んでくる 打つ手を失い、双方向からの責めに耐える以外なくなってしまった… 「ネーサさんのグッズを多々買いするのやめたそうじゃないか。覚悟が足りないんじゃないのかい?」 「それは私が咎めたからなんだけど…」 26/04/16(木)23:32:11No.1421020760 我々ネーサ派閥も大所帯だ、必然支出は多いから内容ごとに把握しておく必要があるね まず装備代、消耗するものだし当然だが高品質を求めると高くつく けど冒険者がここをケチるのは本末転倒、多人数の利を活かして共用品を使えるのがウチの福利厚生のようなものだね アイテム代…傷薬もマナポーションも一つで命を左右する、備蓄を疎かにはできないね 遠征費も考えておかないと、クエスト依頼も未知の探索先も世界中にある 移動するだけで費用が発生するのは当然、現地に合わせた用意も必要だね そしてお姉様の食費、お姉様自身稼ぎがS級だからいいんだけど部門ごとに整理するとここも出費上位部門常連なんだよねぇさすがお姉様 ──とある財務担当B級冒険者の一幕 26/04/17(金)21:52:21No.1421276243 冒険の過程で幅広く足を伸ばすネーサには、行く先々に顔馴染みがいる そこで一泊を取れば、友交を暖めるのは自然な流れ。ネーサはしばらく語らいに身を任せた… 「手紙には書いてあったけど、本当に彼氏出来たんだ…」 「ええ…この話になると皆ビックリするのよね」 S級冒険者ネーサ・マオが交際を始めたというのは、実態を見ずに信じる事がいささか難しい それだけ冒険に邁進していた彼女である。現に彼氏連れの姿を見て、ようやく腑に落ちるのだ 肘で脇腹をつつかれながら、ネーサは頬を朱に染める 「彼のどこが良かったのよ?んん?言ってみ?」 「ええっと……とっても私の事を好きでいてくれて…それに…私と同じ世界を見てくれるの…」 うっとりとした声。姿形を思い浮かべているのか、虚空へ向かう視線 あのネーサが。以前のネーサ・マオを知っていればいる程に、ギャップで受け付けが遅れる 恋をしているのだと、伝わってくる。聞き手の方こそため息をついた 「はぁぁ~……変われば変わるものねぇ」 「そ、そうかしら?あんまり変わった気はしないんだけど」 26/04/18(土)21:29:51No.1421604017 あなたはたまらずネーサに覆い被さった 「きゃあ!?ちょっと…だめよぉ…」 可愛すぎ美しすぎるにも限度があるというものだ。あなたの欲情は留まる所を知らず、シーツを被り暗闇に閉じ込める 薄く透ける照明の光が、ぼんやりと美貌の輪郭を映し出す。恋人を完全に独占してやった 気分が良くなって、あなたはネーサを思い切り抱き締める 「んぅ……っ、あったか…ドキドキしちゃう…」 触れ合って満足する所はあるが、却って飢えるような気持ちも同時にある もっと欲しい、もっとネーサが欲しいと本能が訴えを起こす。今なら何か邪魔が入る事もない あなたは頬を擦り付け、両腕を強く巻き付け、ネーサの細い身体を全身で感じにかかる とても幸せだ。抱き着く分だけネーサも抱き返してくれるのが、こんなにも嬉しい 胸の内に収めきれない恋情を口から吐き出しつつ、あなたは更にシーツの暗闇の中でモゾモゾし始めた 「や、ぁ……はふ…っ!好きって、言いすぎなのよ…!お返しが追い付かないでしょっ!」 この後反撃の告白ラッシュを浴びて、あなたは骨抜きになった 26/04/19(日)21:38:16No.1421987123 あなたとネーサはサカエトルスタジアムを訪れていた。今日はサッカーの試合をやるそうだ 普段観戦はしないが、ちょうどオフの日にチケットを手に入れた。いい機会である 「すごい熱気…試合が始まる前から盛り上がってるわ!」 ムッとするような熱が立ち込めている。観客達は既に興奮状態のようだ チームの一方はサカエトルをホームとするそうで、目を血走らせた人がいるのもそのためだろうか とにかく、試合が始まる。熱量は一気に選手達の方へと流れ込んだ 「そこっ、そこ!あー惜しい!」 ネーサも手振りを交えて、歓声を飛ばしている あなたがそっと水を差し入れると、ストローから勢い良く給水した後、応援へと戻る しかし接戦である。ボールが左右に激しく行き来し、幾人もの選手がシュートの威力に吹き飛ばされている 果たして勝敗の天秤はどちらへ傾くか…あなたが残り一個となったホットドッグを片付けていると、芝を削り取るようなシュートが決まった 「やった!勝った!勝ったわよ!」 ホームチームが激闘を制し、あなたはネーサに抱き着かれた。ありがたく抱き返した 26/04/20(月)21:35:10No.1422286782 あなたはモソモソと行動食をかじった 冒険の最中、獲物を仕留められなければ、手持ちの食料を消費していく事になる 危険な冒険の地には危険なモンスターがはびこるもの。あなたやネーサであっても、百戦百勝とはいかない それにしても、この行動食は… 「美味しいわよね、これ」 口の中から水気を持っていくが、そこさえ目をつぶればかなり良い味だ 気を抜くと余分に食べてしまいそうになる…節約しなければならない 一個でB級(戦闘力換算)冒険者が一日行動できるくらいのカロリーが詰まっている、貴重な糧なのだ 「昔はもっとずっと美味しくなかったって、たまに聞くけど…本当なのかしら」 あなたも先輩方から何度か聞いた話だ。不味さのあまり泣きながらかじっていたとか ギルドに押し寄せて味の改善を嘆願したとかなんとか。逆に一度食べてみたくなってくる 「当時品は期限切れで全部今のものと入れ替わったし…わざわざ美味しくないものを作ってもらうのもね」 気が引ける。責任を持って食べるつもりだが、作る側も不味いものを作るのは気分が良くないだろう 26/04/21(火)21:42:50No.1422576809 あなたは負傷した。中々の出血量に顔が青くなる 幸いにも傷を負わされた相手は仕留め、落ち着いて処置が出来る状態にある。ネーサがバッグの中から回復薬を取り出す 「これで大丈夫よ」 傷口へ回復薬がかけられると、なんとも痛痒い感覚が生まれる 液体は速やかにゲル化し、傷口を塞ぐ。そして時間経過と共に、血肉に置き換わるのだ 仕組みは良くわからないが、とにかくすごいものである。高級なものは臓器すら補うという話だ 「流石に内蔵が傷付いたら、補うより死ぬ方が早いんじゃないかしら」 違いない。あなたは身体をゆっくり動かしながら、ネーサの言に同意する 異物が身体の一部へ変わっていく感覚は、どうにも落ち着かない。あなたは忙しげに息をつく 「落ち着いて…私がついてるから」 子供を諭すようなネーサの物言いに、あなたの心は若干傷付いたが。先程までの振る舞いは子供そのものだったので口をつぐむ 腰を落ち着け、ネーサが患部の周りを撫でてくれるのに任せた 「はやく良くなりますように…」 ネーサが触れてくれていると、治りも早いような気がするのだった 26/04/22(水)21:44:29No.1422874556 S級バトルスーツ!と聞いてあなたとネーサは興味津々に試運転会場へ飛び込んだのだ 着ればたちまち戦闘力S級との謳い文句に心が踊る…しかし具体的に何のS級かは記されていないのがミソだろうか 期待外れならそれはそれ。あなたは人混みの中ではぐれないよう、ネーサと手を繋いで会場の中心を見守る 「すごい…これまでの似たようなスーツよりずっと洗練されてるわ」 身体にフィットしそうなタイツ状。動力機関を背中にまとめて、余分な出っ張りが少ない あれなら手で通常と同じ装備をする事も可能だろう。ネーサが唸るのも頷ける 以前話題になったバトルスーツと言ったら、樽か箱かという形だった 「かなりのパワーとスピードだわ。右、左、上…三次元移動もお手の物なのね」 ネーサの手に力が籠る。興奮してきているようだ。あなたも同様に熱視線を注いでいる 機敏な移動と跳躍に、観客の多くは動体視力が追いついていない S級冒険者のネーサ程ではないが。このスーツが量産されれば世の中は大きく変わるかもしれない 「ただ…着るのはちょっと、恥ずかしいかも」 新型バトルスーツは、ボディラインが丸出しなのだった。上着とか着ても大丈夫だろうか… 26/04/23(木)21:52:27No.1423169398 手裏剣だ。他にもチャクラムやらクナイやら投げナイフやら手斧やら マオ邸は冒険者の家らしく、投擲物を大量に備えている。消耗品はあればある程良い とはいえ武器は手入れしなければ価値を損なってしまう。時折並べてはネーサと一緒に面倒を見てやるのだ 「う~ん…いい仕上がり」 キラリと光る刃に己の顔を映し、ネーサが満足気にしている 手入れされた刃物の美しさはあなたも好きだが、見惚れていると時間が足りない あなたは次の一本をネーサへ投げ渡した。呆けていても、パスされたものを掴み損ねるネーサではない 「っと、いけない。まだ沢山あるものね」 邪悪な形のアフリカ投げナイフを磨きつつ、あなたは頷き返す まだまだ得物は残っているのだ。ひっくり返したら小山のようになった投擲武器が これらの状態が生死を分ける瞬間がある。そこに見解の相違はなく、あなたもネーサも真剣に取り組んでいる 一本をキラリと光る姿に仕上げては、また一本 「…………ふふっ」 時折上げた視線がネーサと重なり、あなたも微笑みを返した 26/04/24(金)21:26:56No.1423449041 「お姉っ様!そういうのやめてもらえますか!」 「そういうのって…どういうのかしら?」 またオトーが突っかかってきた。それだけなら日常茶飯事なのだが、珍しく矛先がネーサだ 隕石でも降ってくるかと、あなたは天井を見上げた。ここは冒険者ギルド、人の行き交う所だ 「手ですよ手!いつまでもそこの間男と繋いだままでっ!!」 「手くらいはいいじゃない…ねぇ?」 ネーサの言葉にあなたも同意する。所構わず抱き合って触れ合っていたいのが好きというもので 世間の目がある所では自制をしている。社会の一員として持つべき配慮だ それでも手を繋ぐくらいはいいだろうと、余裕があればすぐに手と手を重ねているのだ 「き…キイイイィィィ~ッ!勝ち誇ってからにこんの間男めぇ~!!!!!!!」 「オトー、あまり大声を出してはダメよ」 ネーサが配慮を見せているのに、その取り巻きが公共の場で大声を撒き散らすとは あなたは殊更に呆れ顔を作った。たまにやりこめられる分の意趣返しである 「~~~~~~ッ!」 他ならぬネーサに咎められたため、オトーは静かに叫んでいた 26/04/25(土)21:19:13No.1423783491 あなたは遅くに目が覚めた。夜闇は深く、日の光が差し込むまで長い時間を要するだろう 空腹や便意によるものではない。特に理由なく意識が浮上したため、ベッドから抜け出す気にならない 仕方がないので…と前置きをしてから、あなたは隣で眠るネーサを観賞しにかかった 恋人の熟睡姿は見たいに決まっているではないか。こんな機会そうそうないのだ 「すぅ………………ふぅ……」 小さく胸を上下させ、慎ましい寝息を立てている。寝る前に色々としたので、あちこちがクタクタだが。そんな程度でネーサの美しさは損なわれない 間近にいて、感じて、好きなだけ見つめていられる。静かな時間にとびきりの贅沢を、あなたは噛み締めている 暗闇の中だというのに、輪郭がまるで光を放つような錯覚を見ている。それだけの綺麗さだ 「んぁ……はぁ…………」 寝返りを打つと、ネーサの際どい部分がシーツから覗きそうになる あなたも上位冒険者の一員、見ようとすれば闇に潜むものを視認する事が出来る つい鼻息を荒くしながら、あなたは悶々とした夜を過ごした 26/04/26(日)21:54:47No.1424165134 「ふーんだ!」 あなたとネーサは喧嘩した。S級冒険者のS級性について議論する中で、熱くなりすぎてしまったのだ 口論から手が出て、頬を引っ張り腕をつねり、引くに引けなくなって今へ至る 一方が折れるまで、この戦いが終わる事は無いのだった 「……それで…その…どうしてお二人は抱き合って…いえ、マオさんは抱っこされているんですか?」 クラックラの言はごもっとも。しかしこれには深い訳がある S級冒険者ネーサ・マオともあろう者が、公衆の面前で異性に抱っこされていて良い訳がない これは面子を丸つぶれにする所業であり、謝ったら許してやっても良いというあなたの恐るべき責めなのだ 「それはこっちのセリフよ!面子丸つぶれになるのはそっちでしょ!」 ネーサはあなたの胸板へ頬を擦り付け、これでもかと甘えた姿を見せている しかし誤解がある。成り上がり者のあなたに守るべき面子など、それほどない。この勝負ネーサの不利だ 「…………はぁ。犬にでも食べさせておいてください…」 クラックラはため息をこぼすと、眉間を抑えながら去っていった 26/04/27(月)21:17:46No.1424438265 「今まで…お世話になりましたぁ゛……っ!」 「私の方こそ。たくさん助けてもらったわね…」 新たに冒険者デビューする者がいるように、冒険者を引退する者もまた現れる ネーサの取り巻きをやっている彼女も、この辺りが限界だと引退を決意したのだという ボロ泣きしながらネーサと抱き合い、過去を振り返ってはまた泣いている 「また…会いましょうね…っ!きっとよ…!」 「はい゛ぃ゛…っ!」 取り巻きの娘が鼻水混じりに大泣きしているのと比べればおとなしいが、ネーサも涙を流していた あなたはそれを少し冷めた目で見ざるを得ない。いや当人同士が心から悲しんでいるのは分かっているのだが… 「それじゃあ、これからはマオさん後援会の一員として、よろしく頼むよ」 「はい…はいっ!す゛こしでも力になれるよう、がんばりますぅ゛~っ!」 冒険者を引退し、ネーサの傍からも離れる。と見せかけて、後援会に席を移動するだけではないのかと、あなたは訝しんだ そこで訝しんでしまう所が、あなたが取り巻きの輪の一員ではない証なのだろうが カネヤ財務に連れられていく元取り巻きを、ネーサは涙ながらに見送っていた… 26/04/28(火)21:20:41No.1424742966 目は冒険者の命なのだ。言ったら手も足も耳も鼻も、どこもかしこも命なのだが とにかく身体の調子を保つのは、欠かせない事である。そんな中、ネーサの目にゴミが入ったのだった 「うう、チクチクするわ…」 冒険の最中であれば、砂塵に塗れたって構わず突き抜けるネーサだが。平時にまでそんな無理を押す必要はない あなたは目薬を持ち、ネーサの大きく美しい瞳目掛けて液を点眼しようとしている しかし、こんな時に限ってネーサの落ち着きがない 「んんぅ…もっとしっかり支えて…ねっ」 あなたは請われるままネーサの頭部を腕と身体とでホールドし、震えひとつ起こせないよう圧をかける 変則的なヘッドロックのような構えとなり、常人なら頭蓋骨が軋みそうだが、ネーサにはささやかな締めでしかない 「ふぅ……くっつくの、いい……それじゃお願い」 目薬一滴点すのに、妙な手間がかかってしまったと思いつつ、あなたもネーサを捕まえる行為自体は楽しんでいた ポタリと一雫。狙い過たず宝石のような輝きを一層潤したのだった 26/04/28(火)22:28:41No.1424773208 ゴールデンウィーク!黄金の週間とはすなわち、掘り出し物市の祭りだ 少なくともあなたにとってはそうで、ネーサ達にとっても同じようであった ネーサ達。今日のネーサは取り巻き達と一団になって、市を練り歩いている 「お姉様見てくださいこれ!こんな作りの良いダガー中々ないですよ!」 「……いいですね、いくらですか。ん……もう少し負けてもらっても?」 「祭りとはいえ、散財は程々にしておくように。後で泣きを見たって知らないよ」 賑わいがすごい。同行したは良いものの、あなたの入る隙間はなさそうだ 市を冷やかしながら、取り巻き塊の後ろを歩く 寂しい、とあなたは思った。しかしこの寂しさは、耐えられないものではない 耐えられないものではないから、あなたは特に主張をしない…そこに、手が差し伸べられた 「もっと楽しみましょう!一緒に!ねっ!」 ネーサが伸ばした手を、あなたはガッチリと握る 不満そうな顔、歓迎する様子、さまざまな感情に取り囲まれるが、ネーサと手を繋いだあなたは無敵なのだった 26/04/29(水)21:28:47No.1425080286 バタフライナイフというものがある。刃をグリップに収納出来るギミックナイフだ その構造ゆえに、(少なくとも一般販売分は)冒険者が常用する武器ではない 偶然にも入手したあなたは、バタフライナイフを羽ばたかせて遊んでいた。チャキチャキと硬質な音が鳴る 「…………やっ!」 グリップに指を通す穴が空いていて、あなたが展開収納遊びに興じていた所に、ネーサの指が差し込まれる あなたとネーサの遊びだ。上手くグリップの穴を制されたなら、ナイフ弄りの役を交代する あなたはバタフライナイフを渡し、ネーサの手遊びを見守る側になる 「ふっ、ほっ、はっ」 目にも止まらぬ、とはこの事か。キラキラチャリチャリとナイフが閃き、あなたの視線を惑わせる あなたは小さく息を吐いて、ナイフを制する瞬間に狙い澄ます。今か、今か、今行くか… 今!あなたの小指が風を切り裂き、バタフライナイフの穴を制した 「やるわねっ…さあ、今度は私が取る番よ!」 実にノリノリのネーサであり、あなたもかなり遊びに入れ込んでいるのだった 26/04/30(木)21:38:28No.1425406456 「はい、あーん」 ネーサ手作りのサンドイッチだ。美味い、あまりにも美味い。手ずから食べさせてくれる体験と合わせて、天にも上る気持ちだ 麗らかな陽気に誘われて、ピクニックに誘って本当に良かったと、あなたは思った あなたはお返しにウインナーを差し出す。出来合いのものだが、焦げ目を付けるひと手間が加わった品だ 「あー、んっ…むぐむぐ…おいしっ!」 ネーサもご機嫌だ。シートに腰を下ろし日差しを浴びる姿は、どこをどう切り取っても芸術のよう 美しい。それでいて愛らしい。ウインナー一本に喜色満面を見せる所も最高だ 弁当を作った甲斐があった つまり、あなたとネーサは互いのための弁当を手作りしてから出かけたのだ。そして今食べさせ合っている とても楽しい 「今度はチキンナゲットよ。はいどうぞ」 好きな人にあーんしてもらえる人生は最高だ。あなたは美味と共に幸福を噛みしめる 過ごしやすい気候に、程良く静かな草むら。そして隣にはネーサ。これ以上望むものはないと、あなたは思った そしてネーサに卵焼きを差し出した 「あーんっ……これも美味しいわ!」 26/05/01(金)21:48:07No.1425718114 買いすぎとネーサ本人に叱られてから、あなたのネーサグッズ収集は大分規模を小さくした とはいえ全く買わない訳ではなく、あなたは以前買ったネーサグッズと向き合っている プラスチックモデル。フルアクションネーサ・マオ(1/12)だ 「変な感じ…私の前で私が作られてる…」 モデルその人が見ている所で組み立てる。あなたは不思議な汗をかいている パーツをランナーから切り離し、ヤスリをかけて、組み立てて。手のひらがビッショリと濡れている 股間周り…スパッツだが…を組み立てる時など、もう 「ふぅん。プラの私の下半身をそんなに触って…ふぅん」 どうしたものか。決していかがわしい気持ちではなく、などと言い訳しても白々しい 何せあなたは下半身を作っている時、実際のネーサと重ね合わせて、ちょっと興奮してしまったからだ あなたの呼吸が落ち着きを失っていく。そんな中、ついにネーサ・マオが完成した 「あら。素敵じゃない」 ネーサの声が冷たいような気がする。しかし錯覚のような気もする あなたが罪悪感を覚えているから感じ方が変わっているのか、本当に冷ややかなのか、確かめるには勇気を要した… 26/05/02(土)21:17:18No.1426034652 腕力が冒険者の全てでない事は事実だが、腕力が冒険者の間で尊ばれるのもまた事実 ネーサの取り巻きの一人であるカネヤや、S級冒険者のミチ氏などは少数派なのだ そんな業界で成り上がりを狙う時、手段を選ばない前提において最も早い手といえば 「ネーサ・マオ!覚悟ぉーっ!」 強い同業者を倒して名を上げる、である。ギルドから重いペナルティを課されたとしても、余りある実績を掴み取れる 冒険者資格を剥奪されてさえ、傭兵他で食っていくのに効き目抜群の勲章だ…成し遂げられればだが 「大丈夫、私が相手をするわ」 あなたが割って入ろうとしたのを制して、ネーサが凶刃に向き合う 常識的な感覚で言えば、既にネーサ側は打つ手がない。刃との間に差し込む一手が存在しない つまりS級冒険者ネーサ・マオであれば、対処が間に合う状況という事。一歩の踏み込みで、振り下ろす一撃の内側へ飛び込んでいた 「ぅぐへ!?」 「功を焦りすぎね。鍛え直すのをお勧めするわ」 肩から入る体当たりによって、あっけなく撃退は済んだ あなたは縄を取り出すと、敗者を縛り上げてギルドへ持ち運ぶのだった 26/05/03(日)21:45:36No.1426423545 あなたはネーサの取り巻きではないが、ネーサ経済圏の一員である ネーサ経済圏とは、ネーサのギルドハウスを中心に用いられる通貨、ネーサコインの所持者を指す ネーサコインを用いる事で、特別な商品やサービスを購入する事が出来るのだ 「私の顔が描かれたコインを作ってるのは、ちょっとどうかと思うけど…」 微妙な顔を見せつつも、ネーサに止める様子はない カネヤ含む財務が鉱物を買い、クラックラ他の術師が加工して生産される。管理責任者にオトーの名が連なる 取り巻き間でしか流通しないネーサグッズを手に入れるには、このコインが必要なのだ 製造ナンバーが彫られているネーサコインは、それ自体がファングッズでもある 「変な誤解されないといいんだけど」 通貨の顔になるのは、決まって偉人である 後世にネーサコインが見つかれば、S級冒険者さえ越えた偉人として扱われるかもしれない 現在においては一般貨幣価値を持たない、狭い効果のコインでしかないが 「私は冒険者で十分なの!」 26/05/04(月)21:42:50No.1426745604 「これなんて、どうかしら…」 似合っている。ありきたりな言葉だが、あなたにはそれしか言う事が出来ない ネーサがアクセサリーを身に着ける度に、同じ言葉を発している…しかしこれはネーサも悪いのだとあなたは弁明したかった 静謐さを湛えた青の色を持ちつつ、内からは活動的な動の気が溢れ出ている 派手なものも地味なものも、いずれもネーサには似合うのだ 「うーん…それじゃあ、こっちは?」 やはり似合っている。根本的に美人であるネーサが身に着ければ、派手な金のネックレスも引き立て役になる あなたはネーサが新しい小物を仮止めする度に、顔を真っ赤に染めている 「反応が良いから、逆に困っちゃうわ…どれにしようかしら」 全部買ってしまえばと言い出さない奥ゆかしさにも惹かれてしまう あなたは改めて、ネーサに惚れ込んでいると感じた 何気ない仕草ひとつにさえ視線が釣られ、離す事が出来なくなってしまうのだ いつまでだって眺めていたかった… 「ぼーっとしないでっ。見るだけじゃなくて、話もして、一緒にいてくれなきゃ嫌よ」 あなたは我に返ると、視覚以外もネーサへ集中させた 26/05/04(月)23:52:55No.1426800294 あれは私がただのアインスとしてサカエトルに潜入していた時の事だ… 空腹を覚え定食屋に寄った所随分な量の定食を平らげている女性がいてな 後で知ったが冒険者の頂点の一角ネーサ・マオだったらしい…S級の凄まじさを見せつけられたような気持ちになった 私がお昼を食べてる所に来たお客さんがものすごい勢いで食べ始めてビックリしたの 大食いって感じの体型じゃなかったのに…食欲に限界なんてなさそうにしてたわ 次々とお皿を積み上げていって私お箸が止まっちゃった 26/05/05(火)21:29:26No.1427060415 あなたとネーサが何気なく距離を詰めようとした、その時であった 「シャーッ!」 オトーが間に挟まりネーサを独占しようと図ったのだった。素早い踏み込みが襲いかかる しかし泥棒猫の好きにさせてばかりではない。あなたは割って入る動きに割って入り、オトーをブロックする それを回り込もうとするオトーだったが、今度はネーサが軽やかに回避する 「ぬっ、ヌアーッ!お姉様!!!!!」 「オトーのする事なら何でも許すって訳じゃないのよ?」 ネーサに躱されて変なスイッチが入ったのか、オトーのステップが加速する あなたもギアをひとつ上げて、ネーサの手を取り踊るように割り込みを躱し続ける ネーサはあなたの恋人なのだ。姉妹のように親密な相手であっても、譲れない時がある 他でもないネーサの合意がある限りにおいて、あなたは強硬な態度を崩さない 「おのれ…おのれ間男めぇ……っ!呪ってやるぅーっ!!」 「もう、オトーったらわんぱくなんだから…」 わんぱくで済ませていいのだろうか 26/05/06(水)21:23:58No.1427385587 あなたは目隠しをしている。何か変な趣味に目覚めたのではない 視覚に制限を受けた状態で立ち回る必要が、冒険者にはしばしばある。これは訓練だ 手を彷徨わせるような不格好はしない。残る四感で周囲を感じ取って動く 「私を捕まえられるかしら!」 時折声を上げてくれるが、足音無く俊敏に駆けるネーサを追う ネーサが掻き分けた空気の感触や、肌から香る匂いなどを導としてあなたも地を蹴る 流石に見えないというのは大きなハンデで、あなたの足は普段より蹴り足が鈍っている 「よっと!今のは危なかったわね」 捕まえようとした腕を掻い潜られ、あなたはネーサを取り逃す 状況は厳しく、半端な事でネーサは捕まえられない。あなたは集中の強度を上げ、全身に力漲らせる 向きを合わせ、小さく息を吸い、飛び込む! ほとんど体当たりの衝撃が受け止められる。すなわち、あなたはネーサを腕の中へ閉じ込める事に成功した 「きゃあっ!してやられたわ…」 訓練を達成したご褒美という事で、あなたはしばらくネーサに抱き留められて頭を撫でられた 26/05/07(木)21:36:42No.1427690970 冒険者同士が出先でかち合う事は珍しくない。例えそれが冒険のために冒険する、S級冒険者であってもだ 「あら!あなた達は確か、C級の~」 あなたとネーサが旅の噂を当てに探索していた所、偶然その地へ依頼で訪れた冒険者パーティーと出くわしたのだった 冒険好きのネーサが当然とばかりに顔と名前を覚えていて、スムーズなやり取りを出来たのはとても良かった あらぬ誤解から流血沙汰。冒険者同士なら珍しくもないが、避けられるなら避けたい事態だ 「ほら、最近名前を上げてきてるのよ!Bo'sで見た事あるでしょ?」 ネーサに記憶を刺激されて、あなたも思い出すに至る。若手の有望株というやつだ そつがない挨拶を交わし、行き先が分かれるまでの間を共にする そのパーティーは礼儀正しく、意欲に溢れ、パーティー間も和やかであった …欲望でランクを駆け上がったあなたは、なんだか恥ずかしくなった 「いいパーティーね…でも私達だって負けていないわよ!ねっ!」 ネーサに腕を抱かれ、あなたは別の意味で赤面した 26/05/08(金)21:31:22No.1427993456 「この所暑くなってきたわね…」 あなたは別に暑さが好きな訳ではないが、最近は気候の変化を歓迎する傾向にある ネーサの格好が厚くなったり薄くなったりするからだ。今日なんてドルフィンパンツだ! 生脚を大胆に曝け出した、健康的な色香!あなたは鼻息を荒くした 「…………正直、悪い気はしないんだけど」 そう言いつつネーサは頬を染め、身を捩って恥じらった。最高だ! 見られて恥ずかしく思っていながら、同時に見せてくれている。この喜びに涙さえ零れそうだ あなたはネーサが許してくれるのを良い事に、堂々と生脚に視線を巡らせる 美脚だ…むっちりとした太さを持ちながら、だらしなさを感じさせない曲線美だ 何度見ても飽きやしない、毎日見たって興奮が収まらなくなる、最高の脚だ 「褒めすぎ……でも、嬉しいの…っ」 少しずつネーサの脚が、見てもらうためのポーズに変わっていく 感謝の念と欲情する衝動の抑えが利かなくなり、あなたはとうとうケダモノと化した 素早くネーサを抱え上げると、ベッドに飛び込んでいく 「あぁ……っ!」 26/05/09(土)21:28:51No.1428319727 時には珍妙な依頼が張り出されるもので、興味本位に受けようかどうか、譲り合いとも牽制合戦ともつかない空気が流れる 誰も取らないという事は、誰かが取っても良いという事。颯爽と張り出しを剥がす手あり 「肉串3本!入りまーす!!」 そういう訳であなたとネーサは、屋台の店員をやっていた。これもある種の冒険だ 素早く串に肉を打ち、焼きながらタレを塗る。袋に詰めて出来上がり 正確に反復する。客入りは多く、あなたの手は高速に動き回る 単調作業だが、結構楽しい。簡素な服に袖を通したネーサが応対をしていて、眼福でもある 「ありがとうございますーっ!いらっしゃいませーっ!」 張りがあって、良く通る声だ。ネーサは所作も声も美しく、横目で覗いているだけでも幸せになる 焼いて、焼いて、焼いて。あなたとネーサの連携は加速していく 変装したネーサの前に変装したネーサの取り巻き達が列を成したって、停滞などさせないのだった 「なんだか二人で第二の人生を始めたみたいよねっ」 お互いまだまだ冒険者をやめる気はないが、そういう未来もあるのかもしれない 26/05/10(日)21:17:55No.1428663398 「あらこれ…クラックラが好きそうね」「これなんかオトーが気に入りそう」「あっちはカネヤが目の色変えそうだわ」「これはあの子が~」「あの子にきっと~」 ネーサはS級とはいえいち冒険者なのだが、取り巻き達の事をよく観察している あなたは感心した。きっとあなたであれば、それだけの人数の好悪は覚えていられないだろう 「そんなに難しくないわよ。好きな子達の事は知りたいし覚えていたいじゃない」 取り巻き達は幸せ者だ。これほどの人格者にして実力者であるネーサに好かれている そしてネーサも幸せ者だ。惹き寄せた人達にこれだけ慕われ続けている者はそういない だからこそ大きな組織になるまで人と力が集まって、それが破綻せずに機能しているのだろう 「そうかしら…そうかも…そうね!」 頷いたネーサであった。それから何故かあなたの方へ近付き、寄り添ってくる 幸せな気持ちになるが、急にどうしたのだろう。あなたが不思議に思っていると 「だって、好きな人の事をもっと知りたくて、覚えていたいもの…いいでしょ?」 良いに決まっている。あなたはネーサが求める全てに答えた 26/05/11(月)21:07:46No.1428942875 穏やかなコーヒータイムだ あなたもネーサも冒険者として、食事は大量に摂っているが、いつも大食いをしている訳ではない 落ち着いてコーヒー受けをつまみながら、ゆったりと時間の流れを感じる事だってある 「ん…おいし…いいスコーンね」 食べ応えがあって甘味が嬉しいスコーンは、食べると口の中がパサパサする。そこにコーヒーが加わる事で至福の時間へ至るのだ あなたも一口かじってはコーヒーを含む。互いを引き立て合う、素晴らしい組み合わせだ 冒険とはかけ離れた、和やかな空気。空は爽やかに晴れて、香る風も心地良い 「とっても綺麗…空が一枚の絵みたいね」 空の青さと雲の濃淡は、なるほど確かに絵画のような美しさだ それでいて一つ所に留まらず、形を変え続けている。芸術に収まらない自然の美だ あなたは視線を下げて、空を見つめるネーサを見る。表情をコロコロと変える彼女もまた美しい 同じ時間を過ごす幸せに、あなたは胸がいっぱいになって息を零した 「ため息なんてついて、幸せが逃げちゃうわよ?」 もし逃げてしまったら、また掴んでみせるとあなたは答えた 26/05/12(火)21:04:51No.1429228738 あなたとネーサは断崖絶壁に取り付いている。この切り立つ壁の上に、遺跡があるとかなんとか 山屋も好まないだろう道を行く。風は強く吹き上がるように身体を舐めて、あなたとネーサを引っ剥がそうと企んでいる まだまだ先は長く、ここで一度休憩しようとあなたが言えば、ネーサも応じて進路変更する 「ふぅ~っ。風が気持ち良い!」 人二人が腰掛けられそうな出っ張りで、呼吸を落ち着ける。下を見るとキリがなく、上を見ても果てが見えない あなたはタオルを取り出し、汗を拭う。アタック前にこしらえてきた携行食を取り出し、補給にかかる ネーサの口元へ携行食を寄せると、素早く食いついた 「もぐ……んぐんぐ……おいし…はい、お返しっ」 あなたもネーサの差し出す携行食に齧りつき、次いで水分を摂る 風はごうごうと鳴り、雲が足の下を流れていく。異世界に飛び込んだような光景が広がっている 過酷な世界だ 「楽しくなってきたわね!」 全くだ。あなたはネーサに頷き返した 26/05/12(火)22:28:53No.1429260529 「今日はチャーハンの気分だから、チャーハンを作るわ!」 ネーサが大鍋を構える。あなたはネーサの作業中におかず他を作る事にした バカでっかい釜からバカでっかい大鍋へと米が叩き込まれる。スケール感がすごい 何もかもでかいため、このままだとどう鍋を煽ったって美味しいチャーハンは作れない 「はぁぁ~~~~っ、はっ!」 魔法の渦、そして魔法の火炎だ!バカでっかい大鍋の上で、米と卵と諸々が竜巻の如く渦巻いている! そこに魔法の火炎が絡み付いて、満遍なく熱していく!流石の技量と言う他にない ガゴンとバカでっかい皿に乗っかったチャーハンは、米粒一つまで黄金の輝きを放っていた 「神と国と人と、糧なるものに感謝を込めて…いただきます!召し上がれ!」 一口含めば極上、噛めば天上、飲み込んで至上。食感の快なる事この上なし あなたは絶賛し、勢い良くチャーハンをかき込んだ 「ん~~っ!我ながら上出来!」 ネーサにとっても会心の出来のようだった 26/05/13(水)21:12:34No.1429531334 「似合ってるかしら…ご主人様っ」 あなたは感涙に打ち震え膝から崩れ落ちた。ネーサがメイド服を身に着けたならば、至宝なのだ あまりにも神々しい…その輝きは天上にも届き神さえ驚嘆するだろう。見なよ…美しすぎるネーサ・マオを… 「泣かなくったっていいじゃない…そんなに似合ってる?」 涙がこみ上げてきて、言葉に詰まるのが悔しいくらい似合っている あなたは思いつく限りの称賛ハンドサインでネーサを称える。可愛らしくて愛おしい最高のメイドさんだ かくも美貌のメイドに奉仕されたなら、生涯の自慢になる事間違いなしだ 「もう、鼻水まで垂らしちゃって…ほらご主人様、これで鼻かんで」 優しさで満ち溢れている…あなたは感謝感激にますます泣き濡れながら、鼻をズビズビ鳴らす たかが衣装、されど衣装。買って正解だったメイド服。着てもらえて良かったメイド服 ようやく喋れるようになったあなたは、ネーサへの感謝と格好が似合ってる絶賛を浴びせかけた 「そ、そこまで?やだ、照れちゃうわ…っ」 スカートをふわりと翻して恥じらう所まで至高なのだった 26/05/14(木)21:01:34No.1429819477 ネーサの1/1アクリルスタンドが完成した デカい。実に存在感がある。捻りの効いたポーズはほんのり色香を漂わせつつも、活力を感じさせる これは一般販売される予定がないらしい。財務カネヤ曰く、各地でネーサ関連の宣伝に使われるのだとか 「なんだか私より大きくないかしら?」 忠実にサイズを再現すると、なんだか小さく感じるものである ポーズを取っている分、気持ち大きめにした方が自然に感じられる。あなたは知った風な事を言った 「詳しいのね。もしかして…作るの手伝った?」 少々は。監修を頼まれたので、僅かに口出しさせてもらった 結果あなたも納得のいく出来栄えになって、とても嬉しい。ネーサ本人と並んでも、魅力が色褪せない あなたが腕を組みウムウムと頷いていると、ネーサが横から大きなものを引っ張り出した アクリルスタンドだ。あなたのアクリルスタンドだ! 「うんうん。アクリルの私だって、隣に立ってほしい人がいるわよね」 ネーサがしみじみと頷いた 後で聞いたが、あなたのスタンドはネーサが自費で作らせた私物だそうだ。一品物だ 26/05/15(金)21:12:35No.1430131217 上等な酒を贈られたという事で、あなたとネーサは飲み交わしているのだった 重みがあるもののしつこくない。酒だけで満足させるような力強さだ。飲み込むともう一杯欲しくなる 「う~~……ん、もう一口っ!」 胃の中を酒だけで満たしてしまいそうになる。あなたは慌ててつまみを齧った くらりと視界が揺れて、杯を呷るネーサの姿がブレる。中々に強烈な酒精のパンチを浴びている ネーサはと言えば、顔を赤くしながらも目の輝きは保たれている 「ふぅ~……っ、はぁ~~…………っ」 訂正、大分気持ち良さそうに深い呼吸をしている。ああいう態度は結構効いている人がするものだ あなたがつまみを差し出すと、雛鳥が餌付けされるように、ネーサの口が受け取っていく 食べて、飲んで、食べて、飲んで。ご機嫌な時間だ 「ふあぁ……酔ってきちゃったみたぁい」 ネーサがあなたへ身を寄せるばかりか、思い切り身体を擦り付けてくる 熱を帯びた恋人の肌はひどく魅力的で、あなたもタガの外れた感情任せに腕の中へ閉じ込める 頬を擦り合わせ、額を重ねながら、甘ったるい息を零し合った 「んふ…………ぅ、もっとぉ……」 26/05/16(土)01:27:29No.1430226007 「このっ!おとなしくしなさい!」 オトーは激しく飛びかかり、男の身体を押さえ込んだ。 敬愛するお姉様に不埒な視線を向けるこの男。これ以上野放しにしてはおけない。 今日仕置きするとオトーは決意したのだ。 「もう私しか目に入らない身体にしてやります…!」 大体お姉様より自分の方がずっと多く、一緒に冒険をしてきたのに。オトーの中で思い出が渦巻いている。 あの冒険も、その日常も、幾度も同じ時を過ごしたのに。男はまだお姉様を意識している。 グツグツとした感情は噴火し、怒りに似た独占欲となってオトーを突き動かす。 「ん…………ぷはっ!私の初めてです。返品は効きませんから」 覆い被さり、男の唇を奪った。オトーの所業に男の目が大きく開かれる。 一瞬力んだ男の身体が、跳ね除けようとしたのか抱き締めようとしたのか、もう分からない。 伸し掛かったオトーの柔らかさを感じると、男は急速に脱力していった。 血液が一箇所に集まってしまったからだ。 「ふふ…忘れられない夜にしてあげます」 そのようになった。 26/05/16(土)21:23:36No.1430484828そうだねx6 文明の利器洗濯機が誕生してから、洗濯は随分楽になった あなたは服を洗濯機へと放り込み、起動スイッチを押す。後は全自動で汚れが落ちていくのだからすごい 手洗いだと大変な仕事なのは言うまでもなく、更に傷みやすい あと、異性の服が混ざっている時に、気まずい思いをしなくて済む 「そう、ね…ええ…」 意識すると恥ずかしくなってきたのか、ネーサの頬が赤くなっている あなたが洗濯機へ放り込んだのだ。ネーサの服も下着も、まとめて洗濯機へ放り込んだのだ 既に何もかも曝け出した間柄だとしても、恥ずかしいものは恥ずかしい。あなたにもその気持ちはわかる あなたもネーサに脱ぎ捨てたものをまじまじ見られているかもしれないと考えただけで、羞恥心が湧き上がってきてしまう 「み…見たの…?私の…その……」 凝視はしていないが、間違いなく見た。ネーサの肌を守っていたあれもこれも、確かに覚えている 「そ、そう……まあ、いいんだけど…うぅ~っ!」 愛らしい恥じらい仕草をされると、その下に放り込んだものと同じような下着を想像してしまう あなたも身悶えしてしまった 26/05/18(月)21:55:21No.1431199585 「マオ様!これを!」 乱痴気騒ぎを制圧しようと身を乗り出したネーサ目掛けて、ネーサファンの娘が何かを投げ渡したのだ その手にしかと掴んだものは… 「オトー柄のうちわ?まあいいわ、それっ!」 渡された以上は使って良いものだろうと割り切り、ネーサは思い切りうちわを振り抜いた 一扇ぎで面が裂け骨が折れる!破損の代償に生み出された強風は、暴漢達を高く打ち上げたのだった 鎮圧完了、悪は倒れた 「ありがとう、おかげで安全に取り押さえられたわ」 「いいんですっ!マオ様のお力になれたなら、それで十分なんです!!」 出る幕のなかったあなたは、改めてネーサの人気ぶりを感じている。一般人が不意の事態に協力しようと動くには、強い動機が必要だ ネーサの力になれるなら。その気持ちがただのファンを突き動かしたのだ それだけ人徳があるという事で、あなたは恋人の素晴らしさに鼻が高くなった 「サインしてきちゃった…うちわの埋め合わせになれば良いんだけど」 十分すぎるだろう。現にファンの娘は感涙の余り崩れ落ちている 26/05/19(火)21:14:35No.1431488705 草相撲という遊びがある。雑草の葉を一本ずつ持ち、絡ませてから引き合う。草の切れた方が負けだ なんとなく始めたこの遊びに、あなたもネーサも集中していた 「むむむ…これでどうかしら」 一本の草を抜き、交差させる。あなたとネーサの目は交点を凝視している 特に合図はない。先んずれば有利になる戦いではないからだ。機を伺い、ゆっくりと息を吸ってから 力を発揮する 「せっ!う、ぬ、ぬ、ぬぅ……!」 力を込めすぎてはいけない。雑草が耐え切れず裂けてしまう。力を緩めすぎてはいけない。相手の雑草に断ち切られてしまう 絶妙なテンションで張り詰めた葉と葉が、くの字に歪んでいる 相打ちでは困る。あなたもネーサも対手を出し抜くための情報を、五感で収集していき… 「あんな所に陛下がっ」 小さく呟く声。あなたはギョッとして、ネーサのよそ見する方向を追った ……女王陛下いないじゃないか! 「せやぁっ!」 その隙をついたネーサに、あなたの草は切り裂かれたのだった 26/05/19(火)23:30:08No.1431540340 もうお姉様には近付かせませんから! 鼻息荒く男の腕を抱き締めるオトー…男はその好意を振り払う事が出来なかった 柔らかな膨らみが腕に押し付けられると男という生き物は何も考えられなくなってしまうのだ それにオトーは美しく共闘を重ねて激しさの内に秘めた優しさや思いやりも知っている そういう女性に好かれて喜ばない程男は枯れていなかった 半ば強引に肌を重ねられた記憶も度々湧き上がってはオトーへの好意を強めていく… 男はすっかりオトーにやられてしまっていた 完 26/05/19(火)23:58:19No.1431549002 「いやぁ…君の冒険譚はいつ聞いてもいくつ聞いても飽きないね」 カネヤと語らうようになって数ヶ月が経った 冒険の土産話を届ける代わりに一般冒険者の弱点である財務を教わる WIN-WINの関係であり合間に他愛ない雑談を交わすのも楽しい とても居心地が良いと思った 「取り巻きの娘達からも…ネーサさんからも数多の冒険譚を貰ってきたのにね…君の話はやけに私の心をくすぐるよ」 カネヤがふと浮かべた微笑みに心臓が高鳴る 話し相手という体を守っているつもりなのに突然美人である事を意識させられると困る しかも整った顔から目を逸らすと次に吸引力が強いのは大きな胸だ 正直に釣られていく視線をどうにか抑え込んでから両手で顔を伏せた 「ふふ…君と私の仲じゃないか…もう少し正直になってくれても構わないよ」 カネヤは僅かに胸元をくつろげて見せた 26/05/20(水)00:34:38No.1431559184 「これが…私の秘密です…」 クラックラが時折連絡付かなくなるのを不審に思い調査した結果…ついに彼女の秘密へと辿り着いた 対魔王軍秘密工作員…冒険者は表向きの隠れ蓑に過ぎなかったのだ 連絡出来る訳がなかった… 「さて…貴方だから…打ち明ける事にしたんですよ」 クラックラがゆらりともたれかかってきて…受け止めた瞬間腹に固いものが触れるのを感じた 短剣の切先が当たっている…全く警戒心を抱けなかった…敵意が少しも感じられなかった 攻撃性を発揮しないまま殺傷出来る女性だと今初めて知った 「言っておきますけど…秘密を知った人は逃がしませんから…」 刃の感触はそのままにクラックラの柔らかさも預けられる 生殺与奪を握られているのに密着している喜びの方が勝ってしまう 秘密を探らずにいられないくらい入れ込んでいる以上とっくに勝敗は明らかだった… 「離しませんから…離さないでくださいね…」 26/05/20(水)21:10:54No.1431790927 「これなんかどうかしら…」 ネーサが初夏の衣装カタログを開いて見せてくれている。オフショルダー!肩が丸出しになるやつ! あなたの脳内で大胆にも肩を曝け出したネーサ像が組み立てられる…美しい!そして色っぽい! 「まだ着てないのに…これも注文しちゃおうかしら…ううん、でも頼みすぎは良くないし…」 新しい服は多い程良い。しかしそれにも限度がある。服を置くスペースは有限だからだ もっと言えば沢山並べた結果、一度も着ないままの服が生まれても困るのだ あなただってネーサの愛らしい装いは無限に見たい。それでも現実との妥協をしなければならない 「これと…こっち…どっちを残したら良いと思う?」 あなたは苦渋の決断を迫られた。タイトなパンツルックはネーサの美脚を引き立てるし、ロングスカートは秘する事で美しさを想像させる力がある どちらも捨て難く、どちらだって選びたい逸材同士だ。あなたは脂汗を垂らした 「そこまで必死に考えなくても…ううん、私の事で必死になってくれてるのよね…嬉しいっ」 瞼に流れ込みそうな汗を、ネーサがハンカチで拭いてくれた 26/05/20(水)21:17:24[5月20日はガチ勢の日1/2]No.1431793438 「お姉様ガチ勢…ですか…?」 あなたから言われた言葉にオトー・コギラウィンは首をかしげる。確かにネーサ・マオへの敬慕なら、世界の誰にも負けない自信はある。だが、現在ネーサをめぐる最大のライバルであるあなたの意図が読めなかった。 あなたは手を振って説明をした。今日、5/20はガチ勢の日で、様々なガチ勢を応援する日らしい。 「なるほど…ようやくあなたがここに連れてきた意図が読めました」 二人がいる場所はサカエトルでも若い人の間で人気な喫茶店。店一番人気のチョコケーキを口に運びながらオトーは何度も頷く。 「つまり…、あなたはとうとう私への敗北を悟り、お姉さまへの毒牙を納める決意をしたのですね!」 バーンッ、と擬音が舞いそうな勢いで得意満面に指を向けるオトー、ズルッとあなたは椅子から滑り落ちかけた。 「違うのですか!?はっ、まさか…私を篭絡してお姉さま攻略への足掛かりするつもりですね!」 "違う"と堪らずあなたは叫んだ。店内の店員や客からの視線が痛いが最早気にする余裕はなかった。 「ネーサガチ勢のオトーを応援しようと…?そ、それはどうも…」 頬を赤らめたオトーがコホンと可愛らしい咳をした 26/05/20(水)21:17:47[5月20日はガチ勢の日2/2]No.1431793584 「では、あなたに私がどれだけお姉さまを敬愛してるか、今日はご教授してあげましょうか!」 店員に紅茶と菓子のお代わりを注文すると、オトーは勢いよくネーサの想いをまくしたて始める。それはネーサとの出会い(誇張あり)から始まり、ネーサの強さ、活躍、人望と話題はとめどなく続いていく。 それにしてもなんとも表情豊かな顔だろうと、あなたはコーヒーを飲みながら思った。ネーサが強敵と対峙した時を語るオトーの緊迫感に溢れた顔はこちらも緊張感を覚えるし、ネーサの無双を語る時は目がキラキラ輝いてるよう。妹分たちへの気配りを語る時の感極まった顔も何とも可愛らしい。 そんなことを考えてたあなたは、ふとオトーが頬を膨らませていることに気づいた。 「ちょっとぉ…ちゃんと聞いてます?今まさにお姉さまがS級に昇格した時の激エモエピソードに入ったんですが」 あなたは慌てて頭を下げ、ネーサを語る時のオトーの顔が何とも表情豊かで、見とれてしまってたことを告げ、詫びる。 すると途端にオトーの顔が真っ赤に染まっていった。 「ああ、怒らせてしまったか」と、心中で嘆息するあなたであった。 26/05/20(水)21:38:27No.1431802208 ガチ勢の日と聞いてオトーより私を選ぶとは目利きが優れているじゃないか ネーサさんへの敬愛では負けていないと自負しているよ…そうあれは肥大化していく取り巻き達に管理を取り入れるしかないと決めたネーサさんへ私が近付いた所から始まる~ ~(熱弁中)~ ~ふぅ…という訳で私はネーサさんの取り巻き達を派閥として纏め上げるのに尽力したのさ 君と一緒にあの日をもう一度体験する事は出来ないけれど…君に伝える事で私の気持ちを少しでも共有出来たなら嬉しいね 私の特別を君の中にも住まわせて欲しいんだ…私にとって君が特別であるようにね… 26/05/21(木)00:25:54No.1431863517 「なるほど…?マオさんの話をわたしに聞きたいと…いえ…わたしでいいのなら…」 警戒心が強く中々会話する機会がなかったクラックラ…だがマオさんの話となれば食いつきが違う 対面に腰を下ろし受け取った茶で唇を湿らせてから…彼女はゆっくりとその口を開いた 「わたしとマオさんの間に特別な事なんてないんですよ…ただ…わたしがこの通りですから…マオさんは根気良く相手をしてくれて…」 冒険者同士の話とは思えないくらいありふれた日常の情景が語られる クラックラにとってマオさんとの関係はとても穏やかで…平穏に時が進んでいくのをとても大切に思っているのが伝わってきた そしてマオさんがいたから平穏があるのだと思っている事も 「最近は…わたしが距離を置いても関わるのをやめてくれない人が…増えましたけどね」 チラリと視線を送られる 彼女にとって迷惑でない…穏やかな時間を作れているのなら嬉しく感じられた 26/05/21(木)01:09:48No.1431873951 「最近変な夢を見るの…」 あなたの胸板に頬を寄せたネーサが、少し不安気な声を上げる 寝付きの良いネーサが夢にうなされているとは初耳で、あなたは続きを促した 「オトーや、クラックラ…それにカネヤまで…私の大切な人をさらっていこうとする夢…」 えらい事だ。あのネーサ第一主義の女達が、ネーサを害する夢だなんて とても眠れたものではない筈だ。あなたはネーサの頭をゆっくりと撫でた …しかし、あなたはネーサがうなされている所を見た事がない。苦しむ声で起こされた事もない 一体どういう事だろうか 「それはね、夢の中まで助けに来てくれる人がいるの」 ネーサの視線はあなたへと注がれている…どうやらあなたは想い人の悪夢を打ち払う事が出来ていたらしい 自覚はないが、鼻が高くなった 「ありがと…大好きっ」 あなたもネーサに大好きだと伝え、肌を触れ合わせながら少しずつ眠りに落ちていった… そして夢の中のあなたは、ネーサを苦しめるこの世界のものではない妹分達を吹き飛ばしたのだった 26/05/22(金)21:16:47No.1432388884 「それじゃあ、撮りますよ…」 クラックラが構え、あなたとネーサが並び立つ。ツーショットの写真を撮ってくれるという事なので、喜んで撮られる所だ さて、肩を抱こうか腰を抱こうか、あるいは手を繋ごうかとあなたが考えていた時。びいんと突き刺さる殺気! オトーだ!あなたとネーサの間に割って入って、ツーショットを台無しにしつつネーサの隣を独占する気なのだ! 「はい、アンマ──」 シャッターを切るまでの極小時間。飛び込むオトーをあなたが迎撃する 殴る、蹴る、はたく、噛みつく、引っ掻く、頭突く。激しい攻防 あなたはオトーの首をがっしと掴み、上方へ力強くぶん投げた。そして全力で姿勢を正す 「──ナイン。ってうわ、風が…!?」 激闘が巻き起こした風によって、カメラがグラついた それに舞い上がった埃もひどい。写真は見れたものではないだろう… 「もう、はしゃぎすぎよ。一回オトーも混ぜてあげれば良かったじゃない」 ネーサの言う事に言い返せない… 「オトーが満足してからでも、二人で撮るのは遅くないんだから」 26/05/23(土)21:26:36No.1432740709 「ほっ…中々、バランスが…よっ、はっ」 大太刀であった。ネーサの身の丈に迫ろうかという、長くて反った刀であった 鞘から抜くにも工夫を要し、斬りつけるのさえ容易くない。殺傷力と引き換えに扱いが難しい刃だ そしてあなたの手にも大太刀。幾度か振るって重さの要点を掴む 「それじゃあ…いくわよっ!そぉれ!」 ごうと風を孕み、ネーサの太刀筋があなたの膝を吹き飛ばしにかかる。あなたは飛びざま返しの太刀 振り下ろしの衝撃波が地に太刀痕を刻み、暴風域の空が立てるような音が鳴る あなたとネーサの太刀が入り乱れ、しかし刃金の弾く音はなし 打ち合いはせず、身のこなしだけでやり取りすると、事前に決めていた 「えいっ!やっ!たぁ!」 ネーサの大太刀三段突きをくぐり抜け、あなたは回避の勢いを攻撃に転用して連続で薙ぎ払う 高い跳躍で太刀の生む衝撃波ごとやり過ごしたネーサが、改めて構えを取る 「ふぅ……楽しくなってきたわね!」 同感だと、あなたは首肯して切先を突き付けた 26/05/24(日)21:21:05No.1433123103 チートデイというものがある。体作りに用いられる用語で、肉体が省エネ構造にならないよう時々栄養を大量摂取する日だ 転じて、何かずるい事をする時の口実として使われる言葉でもある 今日のあなたはネーサチートデイなのだ 「んぅ……絶対に離してくれそうにないわね…」 あなたの両腕脚はネーサを完全に捕獲し、ほんの少しも離れる事を許さない 密着を強要し、身体いっぱいにネーサを感じ続けたい。そういう日があなたにはある 何時触れても何度密着しても、感動は全く損なわれない。腕の中に収まったネーサの柔らかさに、脳が溶けていく 「甘えん坊さんなんだから…私もくっつきたかったから、丁度いいけど」 ネーサの方からあなたへ身を寄せてきて、滑らかな髪からふわりと良い匂いがする 恋人の抱き心地は最高だ。五感全てをネーサでいっぱいにする。恋人だから出来る事だ 「ふ、ぁ……ちょっと?抱き合う以上の事をしたくなってない?」 好きでたまらない相手と触れ合っているのだから、一部が収まらなくなるのも当然なのだった チートデイなので、当然抱き合う以上の事になった 26/05/25(月)21:20:33No.1433430318 行けっブリリアントネーサ!差せブレイブリーネーサ!行け行け行け~!!!!! 好走を見せるもブリリアントネーサは5着、ブレイブリーネーサは8着に終わった… お察しの通り、ネーサ冠の馬はネーサ派と縁深い 「私と同じ名前の馬が走ってるのは、不思議な気分ね」 ネーサに鼻面を撫でられて、ブリリアントネーサがうっとりしている。繊細な技巧を持つ手にかかれば、馬の触覚は蕩けるような気持ち良さを味わうのだ 一方あなたが近寄ると、ブレイブリーネーサは耳を絞って(警戒・怒りのサイン)後退する ネーサ本人でもないのに、無理して撫でようとは思わない。あなたは距離を置いて、両馬とネーサの触れ合いを眺める事にした 「よしよし、よくがんばったわね」 二頭はとても幸せそうだ。勝ったり負けたりしているので、これからも競馬場で活躍してくれるだろう 賢い馬達は、勝てば一層ネーサが褒めてくれる事を知っている。次のレースが楽しみだ 「ん~いい子いい子。いっぱい食べていっぱい休むのよ」 顔をベロベロと舐められているネーサのために、あなたは水とタオルを用意する事にした 26/05/25(月)23:16:55[5/25はホゴネコの日]No.1433475855 「死ねぇぇぇぇぇ!!お姉さまの敵ぃぃぃ!!」 オトーの飛び蹴りをあなたはイナバウアーで華麗に躱した。地面に着地したオトーが振り向くと即座にあなたの背に貫手を叩きこむ。身を捻って躱したあなたがオトーの腕を掴んだ。 至近距離であなたとオトーが睨みあう。一瞬、お互いの吐く息が交差した。 「今まで手加減していましたがもう容赦しません!今日があなたの命日です!」 "今まで手加減してたのか。道理で弱かったわけだ"とあなたが鼻で笑うと、ぎりっとオトーが歯ぎしりした。 二人同時に飛び退くと、オトーは愛用のナイフを、あなたは剣を構えた。睨みあうこと数秒。同時に両者は駆け出しお互いの獲物がぶつかり合う。 二振りのナイフと剣が激しくぶつかり合い、そのたびに火花が散り、焦げた匂いが立ち上る。 知らず知らずのうちにあなたの口に笑みが浮かぶ。一方のオトーの口からも、楽し気な笑い声が漏れる。 「腕を上げましたね!お姉さまには遠く及びませんが!」 「"お前も、強くなったな"…?お、大きなお世話です!」 「…クラックラ、あの二人はどうしてこうなってるの?」 「今日がホゴネコの日だからとあの人がオトーを揶揄いまして」 26/05/25(月)23:55:08No.1433489925 『偉大なるネーサ・マオ伝説』(著:オトー・コギラウィン)によればネーサ・マオはネーサビームという光線が撃てる サカエトルの子供達が無邪気にビームをねだってきたからさあ大変 どうやって出すのか?どこから出すのが正解なのか?分からないままお姉様は挑戦する! 「ね…ネーサビームっ!!」 指先に集中した力は掛け声と共に解き放たれ王都上空の雲を貫いたのだった 伝説に偽りなし…ネーサ・マオの名声は一層高まった 26/05/26(火)21:14:14No.1433770406 今、ネーサの美しい瞳目掛けて水滴が放たれようとしている… 「…………きゃっ!」 また外れた。目薬を差して欲しいという事で、あなたは点眼しようとしているのだが。これで三回連続失敗だ ネーサ程の冒険者が水滴に怯む訳もない。つまり、じゃれてきている 可愛らしい事ではあるものの、こう何度も失敗するとあなたも意地になってくる。何としてもネーサの目を潤してみせる 「ちょ…そ、そんなにジッと見なくても…」 あなたはネーサの目を凝視し、瞬きひとつせず補足し続ける。愛らしい恋人の顔立ちにクラリといきそうになるが、ぐっと堪える 一度、二度、フェイントを入れて。ネーサの身体が硬直した一瞬を捉えた。雫が瞳に落ちる 「んっ……目がスッキリする…」 してやったりと言った気分のあなた。この調子で逆の目にも点眼しようと構えるが ネーサの纏う空気が違う。ガチで躱しにきているやつだと、あなたには分かってしまう そんな真剣にならなくてもと思い、同時にネーサが本気ならこちらも本気で下してやるとも、あなたは思った 「そう簡単にはやらせないんだから…!」 一体何の戦いだろうとか、考えてもしょうがない 26/05/27(水)21:19:32No.1434132284 今月の優秀冒険者が発表された 名声に飢えた冒険者は多く、毎月優秀冒険者に名を連ねたい一心で依頼を重ねる者もいるくらいだ 冒険者広報誌に、ギルドの掲示板に、それなりの数の名前が並ぶ そこにはネーサ・マオの名もあった 「毎月載ってて、誇らしいけど…ちょっと恥ずかしいわ…」 まるでネーサが目立ちたがりみたいだ。好きで冒険やって、同じ調子で依頼もこなしているだけなのに 優秀冒険者とはネーサを指すとまで言われんばかりに、広報誌のバックナンバーを開くと延々名前が載っている 「まあ、今は私だけじゃないから、少し恥ずかしくなくなったけど」 ネーサの隣にあなたの名前も記載されている。あなたこそ、ネーサに置いていかれまいとがむしゃらに走っているだけなのだが ギルドの評価とあなた自身の評価が不一致した時、ギルド側が優先されるのは言うまでもない 「うんうん。一緒に並べてくれるの、ありがたいわね」 ネーサの指が、繰り返し隣り合う名前をなぞる ただの文字の並びが、夫婦か恋人かを想像させてきて、あなたはなんだかむず痒くなった 26/05/28(木)21:24:30No.1434471415 冷やし中華を始めたのだった。巷でも続々と取り扱う店が増えてきた中、あなたとネーサも冷やし中華をすると決めたのだ 大量の麺を中央にドン!と盛り、具とツユ入りの器へ取っていくスタイル さあ支度は整った、後は麺をたぐるだけである。あなたとネーサはごっそりと麺束を持っていき、勢い良くすすった 「ん~っ!美味しい!このちょっと酸っぱい感じが良いのよね!」 一息にすすりとっては、素早く噛み締めていく。ハムやきゅうりも良い感じのアクセントになっている あなたの一口は大きく、麺を取る量はもっと多いが、湯がいた量はそれより更に多い それでも麺の山は標高を下げていき、向かいにいたネーサの姿が見えてくる ネーサはとても幸せそうだ。口いっぱいに頬張って高速で咀嚼する、プライベート限定のはしたない食べ方を見せてくれる 「カラシも付けて…っくぅ~!味変するともっと食べたくなっちゃう!」 食べ進める程に腹が減るような感覚。美味いものを食べるとそう感じる 悲しいかな麺は有限であり、あなたとネーサの手によって、ついに山は開発し終えてしまった 「あぁ……なくなっちゃった」 満足したのに、ちょっぴり寂しいのだった 26/05/29(金)21:14:25No.1434760810 『冒険者100人に聞きました!あなたの恋愛譚!』 世の中他人の恋バナに興味津々な人間は多く、こうして特集を組まれる事もしばしばある 無名の頃とは訳が違う。あなたもとうとう世間へ語って聞かせる側の人間になったのだ あなたは恥じらいにつっかえながら、出会いと進展を少しずつ語っていった 「~~~~~~~~っ!!!」 それを間近で聞いて赤面しているのはネーサである。あなたがネーサへ好意を抱いてから、どれだけ魅力的に感じるようになったかをぶつけられている 仕草ひとつにさえ視線を奪われ、四六時中ネーサの事で頭がいっぱいになったのだと、ネーサ本人の前で公開されている 美しい顔を両手で覆い、耳まで赤くしてしゃがみこんだネーサ 「私だって……私だって好きなんだからっ!」 膨張した感情は爆発し、あなたを遮ってネーサの語りが始まった。二人で破局の呪いを跳ね除けた喜びを、そして結ばれた幸福を、身振り手振りと共に熱く打ち明ける 大波のような思いの丈が押し寄せてきて、今度はあなたがしゃがむ事になった 「今日だって朝から髪にキスしてきて綺麗だねって…寝起きでくしゃくしゃだったのに…もうーっ!!」 26/05/30(土)02:18:23No.1434860160 「今更隠す事なんて何もありませんから…」 クラックラの脱ぎっぷりと言ったら大胆そのものだった。素肌が一気に曝け出される。 彼女の秘密を共有する事になってから、急速に距離が近付き、とうとう寝所を共にするまで至ってしまった。 しまったと言っても、不服ではない。心の準備が済んでいないだけだ。 そこに裸体が叩き込まれる。 「……何か言ってくれませんか」 美しかった。陳腐な言葉しか出て来なかった。 艷やかな肌に滑らかな曲線。薄くもハッキリと膨らんだ乳房に、大きく広がった腰部。 それに羞恥で赤く染まった、性を意識しているクラックラの表情。 満足な言葉など繰り出せない。ただ綺麗だと呟き、その後好きだと重ねる。 「ん……わたしも…貴方の事は…その…好きですから…」 勢い肌を晒す度胸と、脱いでから恥じらうギャップが効く。 そして相思相愛だと互いに認識する。後はもう、する事をするだけだ。 「優しく…お願いします……ね…」 26/05/30(土)21:14:19No.1435112591No.1435112591 ngそうだねx7× 土の子だ!土の中に身を潜め、タケノコと間違えて掘り返そうとした者を襲う、潜伏性の魔物! 近隣に大量発生が確認され、官民問わず手の空いていれば戦いに駆り出されていく たまたま呑気していたあなたとネーサも例外ではなく、シャベル片手に山地入りを果たした 「また一匹、そぉれ!」 ネーサ目掛けて飛び出した土の子が、また一匹脳天にシャベルを食らって昏倒する 奇襲があると分かっていれば、そうそう当たるものではない。何も知らずに襲われる一般タケノコ採り人のための活動だ あなたも飛び出してきた土の子を手掴みにして、地面に叩きつける 膨らんだ胴体から推進ガスが漏れ出し、徐々にしなびていった後には、短寸の蛇のような姿が残った 「ふぅ!本当にたくさんいるのね…あちこちで戦ってるわ」 山の形が変わるのではと危惧するくらい、そこら中で土が掘り返されている そして掘り返した数だけ土の子が現れているのだ。とんでもない数だ あなたは首にかけたタオルで汗を拭った 「はい、来る途中で軽食買っておいたの。一休みしましょう」 二人の受け持ち範囲に、もう土の子の気配はない。休憩を取る事にした 26/05/30(土)21:34:49No.1435121880 「君の気持ち…君の熱…確かに受け取ったよ」 カネヤと寝床を共にした…ただの話し相手だったのに、気付いた時には肌を重ねる相手になっていた。 何故?どうして?考えても仕方ない。分かっているのは、好意で繋がっている事だけだ 「ふふ。なんだい?視線を彷徨わせて」 シーツ一枚きりを羽織ったカネヤの肢体は、欲求を出し尽くしたつもりの雄をもう一度焚き付ける色香がある。 豊かな膨らみが作る深い谷間や、モノクルを外した紅潮した表情。汗の浮いた肌も生唾を飲み込む魅力がある。 「何か思った事があるなら、言葉にして欲しいな。行為だけの関係になるのは嫌だよ。君の声、君の喋り、君の息遣いを…これからも感じさせて」 カネヤの人差し指が、そっと唇をなぞってくる。 言葉を待っているカネヤのために、小さく息を吸って、唇を開いた… 26/05/31(日)21:53:01No.1435507197 「はっ!ほっ!」 あなたの繰り出す槍を、ネーサが華麗に避けている あなたはネーサを愛しているし、刃を向けるなど考えたくない。しかし今、真剣に殺意を込めて槍で突いている 愛する人を刺さねばならない時はある。殺さなければならない時も。それが冒険者という残酷な職業なのだから 来て欲しくない日に備えて、あなたの槍は鋭く閃く。穂先に鈍りもブレもない 「くぅ…っ!流石ね、いい突きだわ」 一方で、戦闘力向上のための訓練も兼ねていた。本来のネーサであれば大小の剣で弾く所を、いいように突かれ続けている 服のあちこちが裂け、僅かに血を垂らしているが、その機動力と闘志は燃え猛っている あなたという強大な仮想敵を、回避のみで制するある種の冒険に、ネーサの瞳は煌々と輝いている 繰り出した槍は致死の速度であったが 「ふやあっ!!!」 柄を踏み制されていた。完全な見切りだ。あなたは脱帽し、降参の意を表す 「やった!私の勝ち!それじゃ今度は私が突く番ねっ」 あなたは槍をネーサに渡す。やられてばかりはいられないと気炎を漲らせる。ネーサも攻めに回りギラリと鋭い視線を見せた 26/06/01(月)21:25:29No.1435792398 あなたは乳が好きだ この場合、女性の乳房の事ではない。乳房は好きだが、畜獣のミルクの話である 乳製品は身体を作る栄養があり、その上美味である。冒険に際してもチーズの形で持ち歩く事は多い 「んくっ、んくっ、んく……ぷはぁ!」 ネーサも朝一でミルクを呷る派の人だ。あなたと合わせて消費量は結構なものである S級の冒険を支える原動力と言っても過言ではないかもしれない。一口ごとに身体が強くなっているような気がしてくる 「そうね!私達の成長は止まらないんだから!」 ネーサが細腕に力こぶを作って見せる。一見すると華奢な作りの中に、乳を糧とした強靭な肉体が詰まっている あなたも力こぶを作って応じる。あなたの身体は強さ相応に太く隆起している。性差とは不思議なものである サイズ差と力の差が全く一致しない。同じものを食べて、同じ乳を飲んでいるから、同じ力なのは納得がいくのだが 「んー…もう一杯いっておこうかしら」 ネーサがおかわりを飲もうか逡巡する間に、あなたは朝食の支度を始めるのだった 26/06/02(火)21:27:47No.1436073746 あなたは咄嗟に止めに入った。皿には玉ねぎを使った料理が盛られている 猫は玉ねぎを食べたら死ぬと聞いている。オトーがそれに口をつけて平気なのか 「食べられないもの頼む訳ないでしょうがバカにしてるんですかこのバカ男」 「猫の獣人の時点で、食性はかなり人間に近いのよ。オトーはハーフだからもう人間と同じものが食べられると思っていいわ」 ネーサの解説にあなたは胸を下ろした。オトーは気に入らない相手だが、目の前で中毒に苦しんで欲しいとまでは思わない あなたは腰を落ち着け、自身の分の食事を片付けにかかる。そこへオトーが嫌らしい笑みを浮かべて腰を浮かせた 「そんなに私が心配なら、この玉ねぎ片付けてもらってもいいんですよぉ?」 フォークに刺した玉ねぎが口元へ寄せられる。あなたの額に血管が浮かび上がった ちょっと心配してやればこのアマは!あなたは怒りを込めたナイフとフォークとで玉ねぎを迎撃する 「ぐぬ、このっ、生意気な食器捌きして!」 やり合っている間、あなたは食事が進まないのだが 「はいあーんっ」 ネーサの高速あーんによって食べ続ける事が可能なのだった 「ああーっ!私にもあーん!あーんしてお姉様っ!」 26/06/02(火)23:50:01[6/2は裏切りの日]No.1436126379 クソよ...あのクソ女... お姉さまのためだの吠えてた奴が... この間の彼とのお出かけ...あれ...すっごい気合入れておめかししてたわね... あなた相当に卑しいでしょ...私をダシにしてデートとは呆れを通り越して畏敬すら覚えるわ... オトーは本当に優秀たわ… どんな時でも敵からアイテムを盗み出して...ダンジョンでも宝の位置とか直ぐ察知してくれて... 私もオトーに相応しい姉貴分にならなきゃ...とか思ってたっけ... ねぇオトー 今あなたがどんな顔して左手薬指の指輪見てるのか知らないけどあなた本当に裏切り泥棒猫よ… 多分...旅のPT史上こんなに悪いことした奴はいないわ… 消臭スプレー吹かなきゃ...この匂いはPTに気づかれちゃいけない匂いよ 一体何回ヤッてたの?本当に気持ち悪いわ あなたの私への敬愛心に溢れたあの面構えを思い出すだけで...吐き気がしてくるのよ... このでけぇ発情猫が 私が今から保健所送りにしてやる 26/06/03(水)22:13:14No.1436402160 「ふぅ…暑いわね…」 あなたに流し目を決めながら、タオル一枚のみを身に着けて風呂から上がったネーサなのだった たまには別々に入ろうという事でそうした結果、あなたは強烈な一撃を食らったのだった 湯上がりのしっとりした髪も、汗と残り湯が浮いた肌も、上気して色っぽい表情もだ。どれも扇情的だ あなたは鼻息を荒くした 「……お風呂入らなくていいの?」 ネーサだってあなたが理性を失う事は分かっているのに、つれないような事を言ってくる 風呂なんて後で入れば良い。あなたの欲求はネーサを捕まえてあれやこれや致すピンク色でいっぱいだ あなたはネーサを姫抱きにして走り出し、途中よく冷えた水を回収した 湯上がりの後、それから運動の後に水分補給は欠かせないからだ 「準備万端ね……ん、やぁ…タオルはだけちゃダメぇ…」 本来の実力からは考えられない、ひどく弱々しい抵抗を振り解いて、あなたはネーサの素肌を暴く 風呂上がりの火照り以上に熱くなった裸体を見て、あなたは言葉も失い一匹のケダモノになった 「きゃぁ……っ!」 そしてすぐ、ケダモノは二匹になった 26/06/03(水)23:51:41[何もしない日便乗]No.1436435937 「ああ…君か…今ちょっと目を休めていてね…」 オープンテラスでぐったりとしたカネヤを見かけた。一瞬開いた目を閉じて、苦しげに呻いている… 「毎日数字と戦っていると、頭が痛くなるんだ…頭の痛みは目から来るものだから、目を宥めているのさ…」 楽にしている表情には見えないが…ネーサ・マオモデルのモノクルまで外している。 これで本当に休めているのだろうか? 「顔が辛そうだって?逆だよ…目の周り、それから頭、更に肩の筋肉を引っ張ってるんだ…私も冒険者だからね、筋肉の使い方は勉強したんだ」 カネヤ曰く、目の周りを緩めると顔は張り詰めたような形になるらしい。 これがリラックスしている状態というのか。 「……良かったらちょっと話していかないかい?一杯奢るからさ…君の声を聞いていたいんだ…」 辛そうな相手に頼まれると、無下には出来なかった。 26/06/04(木)00:44:33[ある冒険者による考察]No.1436449574 ネーサ・マオはあなたという恋人ができた途端色恋にかまける色ボケになってしまった 今までの優秀だった才女はもうどこにもいない――口さがない者はそう言うが、 実際によくよくデータを取ってみるとむしろ恋人が出来てからの方が成績が上がっている事が分かる もちろん恋人であるあなたが優秀な冒険者というのもあるだろうが…恋人とイチャイチャするという楽しみが増えたことでより冒険や任務に熱が入るようになったようにも見える しかも、恋人との色恋にかまけつつ冒険にもより力を入れるだけでなく、妹分達との交流も続けているのだ あれもこれも何もかも、やりたい事もやるべきことも全部全力でやる強欲さ――思うに、マオさんの能力の本質はそこにあるのではないか だからこその無尽蔵の胃袋なのではないか? 26/06/04(木)21:20:38No.1436674072 「みんな!ただいま!」 「お帰りなさいませお姉様ああああ!!!!」「お帰りなさい、マオさん」「お帰りネーサさん。無事で何よりだ」 ギルドハウスに主人が帰還して、息を吹き返したように静けさが破られた ネーサがいない時は大変おとなしい空気をしていると、あなたは覗き込む度思う そしてあなたは普段ならば足を踏み入れないギルドハウスに入場する。大荷物を背負ったまま 「お土産を持ってきたわ!一人一個あるから順番に受け取ってね!」 ゾロゾロと整列した取り巻き達に、あなたが荷物から取り出したものを渡していく 大きくて重たくて、丸いものだ。中には重たさによろめく者もいる 「お姉様、これ何です?」 「メガトンサラマンダーの卵!栄養満点よ!」 バカでっかい火吹きトカゲのバカでっかい卵である。養殖地からダース単位で買ってきたのだ 昔は食べれば寿命が伸びる霊薬の一種扱いされていた程の品である。今でも肌艶が戻るとか毛根が蘇るとか逸話がある 「あ、ありがとう…ございます…マオさん…」「…私だと二食に分けないと食べきれないかもな」 「味は保証するわ!」 実際美味であった。あなたもネーサも出先で舌鼓を打ったものだ 26/06/05(金)21:32:29No.1436981649 朝から街が賑わっている。上級冒険者が凱旋しているのだ ネーサやその取り巻きばかりが冒険者ではない。サカエトルで人気の冒険者パーティーがチヤホヤされる日はままある 強力な魔族を下したとか、大きな迷宮を攻略しただとか、人気に相応しい活躍を見せたのだろう 「わぁ!見てっアレ!大きな尻尾…かなりの大物を討ったんだわ!」 どうやら竜狩りを成したらしい。遠目からでもハッキリ見えるくらいの太くて長い尻尾だ あなたとネーサは遠くの屋根上から、こっそりと凱旋を覗いている。野次馬の列にS級冒険者が混ざっていたら、面倒事が起こりかねない 本日の主役の邪魔をしたくないのだ 「うぅん…それにしても、立派な隊よね…騎馬まで揃えちゃって」 騎兵が先頭で列を成す様は、ちょっとした軍隊じみている。冒険者の在り方も随分違うものだ 身ひとつでどこにだって飛び込む、ネーサのやり方とは合致しないだろう 「ああいうの、やってみたかったりする?」 ネーサに水を向けられ、あなたは否定する。あなたもまた、二本の足で駆けていく側だ ネーサの速度に合わせるのが、あなたのやり方なのだ 26/06/06(土)21:06:27No.1437333668 酒場に響くのは冒険者の一生の歌だ 酔っ払った冒険者は決まってこの歌を歌う。明るくて歌いやすくて好評だ しかしその歌詞たるや…一日目に冒険者になり七日目に死ぬ、昔の冒険者のあっけなさ全開である 「歌ってる時は楽しいんだけど…聞く側に回ると、ねぇ?」 ネーサは微妙な顔をしている。ギリギリ社会の一員、割と賊みたいな冒険者像とは決別した側であるからか あなたにとってはそれほど忌避感を覚えない。ネーサと出会わなければ、のし上がる事もなく終わっていただろう身だ 荒くれた歌の懐かしさに浸っていると、ネーサがあなたの肩を揺すった 「ダメよ…私を置いていかないでね」 言うまでもない事を、あなたは敢えて言葉にする。ネーサと決別なんてする筈がない あなたはネーサの肩を抱いて、酒を一杯煽ってから合唱に混ざった オーウオーウ!俺は今日から冒険者~! 「お、オーウオーウ!薬草ちぎって食いつなぎ~!」 酒場の騒がしさは増す一方であった 26/06/07(日)21:21:26No.1437721267 「やだ、雨だわ…」 洞窟の探索を終えて、そろそろ脱出しようかという所に、雨が行く手を塞いだのだった 今回の冒険目標は達成していて、急ぐ理由がない。あなたとネーサは雨宿りの構えを取った ざあざあと、空が曲を奏でている。雲の指揮棒は余程調子がいいらしい 「道の途中で降ってくれば、気にならないんだけど…」 あなたもネーサも雨晒しには慣れている。備えだって十分に出来ている しかし、好きで濡れに行く程酔狂ではない。一日くらいは待っても構わないのだ 携帯火器で火を起こし、お茶を淹れてちょっと一服。落ち着いて雨粒を眺めている…合間に、あなたはネーサをチラ見する ネーサもあなたをチラ見していて、視線がかち合った 「あはは……足止めされて、良かったかなー…なんて」 あなたはそっとネーサの方に寄り、ネーサもあなたの方に少し距離を詰める 肌寒い風が吹き込んでくる中、触れ合う二人の間は暖かかった …他人に言えないような進展をしてしまいそうになったが、流石に堪えた 26/06/08(月)21:24:48No.1438028039 気温が上がってきた。気の早い者が川や湖で水浴びをし始めている 平和な光景である。あなたは目を細めて、きらきらと水しぶき輝く世界を眺めている ここに水着姿のネーサが…いたら最高だったのだが。あなたの隣で静かに水浴びを見つめている これはこれで最高だ 「楽しそうね。でもまだ肌寒いんじゃないかしら」 初物という概念がある。何事もいの一番に味わわなければ気が済まない様だ 冒険者が未開拓の地に吸い寄せられるのと似ているだろうか 「ああー…そういう感じなのね」 ぱしゃりぱしゃりと川の水が蹴り上げられ、楽しげな声が響いている 何をするでもなく、あなたとネーサは水遊びを見ている。特に考えがあったりはしない 冒険者にも、冒険しない日はある。今日はリラックスして、ゆっくり呼吸をする日だ 「ふぅ……ん…お腹空いてきちゃった」 そろそろ食事にしようとあなたは腰を上げ、ネーサに手を差し伸べる ネーサはあなたの手を取り、引き上げられた後も繋いだまま、川辺を後にした 26/06/08(月)21:55:51No.1438040218 >酒場を爆破されたくなければお姉様の水着を早く実装しなさい >私は本気です 「これも似合うんじゃないですか!こっちも!さあさあお姉様!」 「ちょっとオトー、そんなすぐ着替えられないわ!」 女の園のやる事である。あなたは入る事が出来ない キャイキャイと楽しげな声を上げる泥棒猫に、あなたは怒り額や首に青筋を浮かび上がらせた アレで最低限の配慮はしているのか、更衣室内に同行まではしていないらしいが… やがて好き放題水着を選びネーサへ渡した、肌ツヤツヤのオトーが出てくる あなたに勝ち誇った笑みを浮かべ…それから不機嫌極まる表情に転落した ネーサが誰のために水着を選んだか、という所を、あなたの顔を見て思い出してしまったのだ 顰め面でいがみ合う二人の前に、可憐極まる女性が姿を現した 「えっと…どう…かしら…?」 ネーサの水着は(検閲されました。続きを読みたい方はお姉様最高と唱えてください) 26/06/09(火)21:04:14No.1438315914 あなたは成長した パワーが入りすぎて破壊現象を起こす事度々であったあなただが、落ち着いていればそんなヘマはしない 玩具であるとか、遊戯であるとか。そういうものを普通に楽しむあなたに変わったのだ 「失敗したらゴリラ確定ですからね~!」 「オトー!もう…頑張ってー!」 あなたの成長を疑い嘲笑するオトーによって、試験の場が設けられた 使うものは極東の食器、ハシ。これでもって豆を取り皿から皿へ移し替えて見せよという 容易い問題である。あなたは余裕の表情でハシを手に持ち、素早く繰り出した 豆の重心を素早く捉え、先端で刺す!皿には毛程の傷もつけず、次々と刺した豆を転がしていく 「……いやいや、いやいやいや!摘む所でしょうそこは!」 「豆の取り方を指定しなかったオトーの負けよ。あっほら、全部移し替えたわ!さすが!」 あなたは一息つくと、ネーサに向けてガッツポーズを見せた。ネーサも小さく手を振り返してくれる それからドヤ顔を浮かべ、ハシでオトーを指した(とても失礼な仕草らしいので、わざとやっている) 26/06/10(水)21:45:37No.1438699007 家事は分担。ルールという程ではない、あなたとネーサの間でぼんやりと定まっている決まり事だ なので今、あなたは乾かした服を畳んでいる。ネーサは掃除をしていて、互いの位置は気配と物音で感じ取れる テキパキと自らの服を片付けたあなたは、続けてネーサの服に取り掛かった 取り掛かったのに、早速あなたの手が止まる。大きな障害が目の前に現れた 下着だ。あなたが愛するネーサ・マオの下着だ。上下でデザインが揃った、レース生地の下着だ あなたは心の中で下着を連呼してしまった。もう何度も見たものなのに、心臓が飛び跳ねそうなくらい激しく脈打っている それでも、やり遂げてみせる。あなたは覚悟を持って、薄衣にそっと手を添えた 動作はぎこちなくなり、もたつく分だけ下着を凝視してしまう 「あら…………ふふっ。私抜きの下着に夢中だなんて、妬けちゃうわ」 ハッとしてあなたは振り向いた。ネーサがすぐ後ろにいるではないか あなたが興奮している隙に、わざわざ気配を消して近付いてきていたのだ 「私が穿いてる下着を見てほしいんだけどなぁ~」 あなたはそっと下着を下ろし、それから手で顔を覆った 26/06/11(木)21:45:44No.143899807 特に理由もなく、あなたはネーサへ好きだと言った 好きな人に好きと伝えるのは、両想いの特権である 「んっ…!びっくりしちゃった…急に言うんだから、もう」 ネーサはたちまち頬を赤く染めて、動揺から視線をさまよわせている。当たり前の告白でここまで喜んでもらえると、男冥利に尽きる あなたはネーサの美しさを讃え、好意を重ねて言葉にし、交際中にも関わらず付き合って欲しいとまで言った 恋人同士だから交際の申し込みが出来ないなんて、不自由な話ではないか。冒険者のあなたは囚われない 「んんっ!んぐ、うっ……!い、言いすぎよ…ドキドキしちゃうでしょ…!」 咎めるように口を尖らせるが、ネーサの瞳が物欲しそうにしているのを、あなたは確かに捉えている あなたは距離を詰めて、ネーサの手を取って、至近距離で更に愛の言葉を囁いた 次第に力が抜けていくネーサの身体を受け止めて、ますます好きな気持ちを言葉にしてぶつける 「くふ……ぅ……ん…っ!わ、私も…好き…好きよ…ずっと一緒にいたいの…!」 あなたとネーサは身を寄せ合って、ひたすらに好きだと囁き合った 26/06/12(金)21:20:56No.1439286460 今日はあなたとネーサの二人で一軒の店を貸し切っている ネーサは言うまでもなく、あなたも猛烈に食べるため、一度で満足しようと思えば貸し切るしかない 普段は店を渡り歩く形で満足しているのだが、たまの贅沢だ 「オトーもクラックラもだし、皆して全然食べないのよね…身体を酷使する仕事なのに、大丈夫なのかしら」 ネーサは取り巻き達を心配している。あなたも共感出来る気持ちだ 海を超え山を超え、怪物と戦い人と戦う。身体を使うし頭も使う職業だ。あんな少食で回復しきれるのだろうか カネヤは例外である。彼女は一般冒険者ほど身体を使わない。頭脳労働で火を吹きそうにしてる姿は見かけるが 「でしょ?もっと食べたらって言っても断るんだから…すいませーんおかわりー!」 食べては喋り喋っては食べる。あなたとネーサの食は猛進し、美味を次々平らげていく 美味い飯と語らう相手が揃った時、そこは極楽に等しい 「ん~美味しい!食べた分だけお腹が空いちゃうみたい!」 ネーサの言葉にあなたも同意する。どれだけでも食べたくなってくるのだから、貸し切って正解だった 26/06/13(土)21:20:06No.1439613182 ネーサの派閥で管理する家には、ドデカイプールが備え付けられている 他に注文を付けなかったネーサが、唯一カネヤに必要性をこんこんと説いて作らせた、特注のプールだ ちょっと引くくらいの波を生み出す事が出来る構造で、水練に最適である 「訓練の内に苦しんだ方が幸せよ!さあ流れに逆らって泳ぐ!!」 ヒイヒイ言って喘ぐ取り巻き達を、ネーサが次々とプールに投げ落としていく 冒険は厳しく苦しい。訓練の内にうんと酷い目を味わっておかなければ、ただ辛いだけの仕事になるだろう 未知に目を向け、冒険を楽しく感じるには、体力と危険への慣れが必要不可欠だ 「まだまだ!上手に泳がないと魔物に襲われるわよ!」 ところであなたが何処にいるかと言うと、水中で獲物を待ち構えている 比較的波の影響が弱い水底で待機し、鈍臭い泳ぎの者を引きずり込む役だ 取り巻き達の水着姿を下から拝む形になって若干気まずいが、ネーサの采配に容赦は無い たるんでる輩に狙いを定め、あなたはプールの底へ案内しようと企む 「ひやああああああ!!!!」 「そう!底力を振り絞って!!」 あなたは合間にネーサの競泳水着姿を捉えながら、水練に付き合った 26/06/14(日)21:15:50No.1439982053 健康に気を使うのは冒険者の基本であり、あなたとネーサも最新の衛生理論を獲得する事に余念がない 帰宅後は手洗いうがいを行った方が良いと、近年医療機関から強く発信されている衛生情報に基づいて、二人してうがいを行っている 「ガラガラガラガラ…んぺっ」 うがい液を捨て、続けて手を洗いにかかる。石鹸を手に取ったネーサは、細指に水を纏わせて泡立てていく 十分に泡が立つと石鹸を置いて…ネーサの手があなたの手を包み込む 石鹸塗れの手が、乾いた手に絡み付いて泡を塗りたくっていく 「ん……綺麗にしないと、いけないから…隅々まで…」 一人のやる事では、洗い残しが発生しがちである。手を取り合って互いに洗い合う事で、隙の無い手洗いが行える あなたとネーサの手指が絡み合い、泡がニチニチと粘液質な音を立てる 指の間、手のひらのくぼみ、手首まで泡を塗り拡げて。シワの一つも見逃さず、指の腹で洗っていく 「ふ……は…ぁ……どう、かしら…綺麗になった…?」 目に見えない菌類も、十分洗えたように思う。あなたはそう思ったが、まだ洗い残しがあるという事にして、手と手を絡め続けた 26/06/15(月)21:21:25No.1440296971 ソロ、パーティーを良しとするのが冒険者ならば、派閥の一員に収まるのもまた冒険者である 派閥という大樹に寄り掛かる中で、自然と自身の所属する派閥こそ一番だと、もしくは一番にしたいと考えるようになる であるから、派閥間対立が起こるのは必然と言えた ギルドの集会場から怒号が響く。その声のうちの一つに、あなたは聞き覚えがあった 「もう…ウチの娘は血の気が多いんだから」 いずれネーサ派など超えてやると勢い付く他派閥と、木っ端など相手にならぬと鼻息荒いネーサ派の娘 激しくがなり立て、掴み合いになっている。男女の絡みだが気配りはない。冒険者は平等に敵を傷付けるのだ 決着は当人同士で着ければ良い。だがギルドに迷惑だ。あなたとネーサは素早く両者を引き離した 武闘派の上位冒険者が連携すれば、取っ組み合いを片付けるなど容易い 「ケンカなら向こうの訓練場でやりなさい!いいわね?」 ネーサ派にとって神にも等しいネーサ本人に言われて、娘は素直に頷いた 一方あなたが遠ざけた男は激しく抵抗を続けたため、アイアンクローで静かにさせた ケンカを再開する前に回復してやれば良いだろう 26/06/15(月)21:26:24No.1440298743 派閥争いなんて不毛なのに… 「ええ…お姉様がいる以上私たちが全世界ナンバーワンであることは許すがないのですから」 「理解度が低い冒険者には困りますね」 「まったく、無益ないがみ合いに付き合いたくないものだね」 もう!煽らないのって言ってるでしょ! 26/06/16(火)21:26:09No.1440589439 「う~ん…夜風が気持ち良い!」 夜更けの出発であった。次の冒険の地への到着頃を昼にしたいため、あなたとネーサは星々しか見ていない頃に家を出た 点々と照明が灯っている。完全な夜闇は、悪辣な人種に都合が良すぎるためだ 旅立ちを祝福するかのような灯りのレールを辿り、あなたとネーサは歩みを進める 「星が綺麗だわ…あっ!見て!ウァリトヒロイ六芒星!」 星と星に線を引いて絵を描く営み。この時期大きく瞬く星を結んで、夜空に大きな六芒星を見た あなたも空を見上げて、ネーサが指差す先の六芒星を捉える。満天の輝きは海の煌めきを見ているようだ 旅の導きの星や、空に描く絵について語り合う。寝静まった街を驚かさないよう、小さな声で 囁き声に合わせて、自然と距離が縮まり、気付けばあなたとネーサは身を寄せ合って歩いていた 「ん…………誰も見てないし、ね?」 腕がネーサに抱き締められ、あなたは幸せな気持ちになった 衛兵に見つかるまでは、このままでいても良いだろうと、あなたは思った 26/06/16(火)21:26:09No.1440589439 「う~ん…夜風が気持ち良い!」 夜更けの出発であった。次の冒険の地への到着頃を昼にしたいため、あなたとネーサは星々しか見ていない頃に家を出た 点々と照明が灯っている。完全な夜闇は、悪辣な人種に都合が良すぎるためだ 旅立ちを祝福するかのような灯りのレールを辿り、あなたとネーサは歩みを進める 「星が綺麗だわ…あっ!見て!ウァリトヒロイ六芒星!」 星と星に線を引いて絵を描く営み。この時期大きく瞬く星を結んで、夜空に大きな六芒星を見た あなたも空を見上げて、ネーサが指差す先の六芒星を捉える。満天の輝きは海の煌めきを見ているようだ 旅の導きの星や、空に描く絵について語り合う。寝静まった街を驚かさないよう、小さな声で 囁き声に合わせて、自然と距離が縮まり、気付けばあなたとネーサは身を寄せ合って歩いていた 「ん…………誰も見てないし、ね?」 腕がネーサに抱き締められ、あなたは幸せな気持ちになった 衛兵に見つかるまでは、このままでいても良いだろうと、あなたは思った 26/06/16(火)21:26:09No.1440589439 「う~ん…夜風が気持ち良い!」 夜更けの出発であった。次の冒険の地への到着頃を昼にしたいため、あなたとネーサは星々しか見ていない頃に家を出た 点々と照明が灯っている。完全な夜闇は、悪辣な人種に都合が良すぎるためだ 旅立ちを祝福するかのような灯りのレールを辿り、あなたとネーサは歩みを進める 「星が綺麗だわ…あっ!見て!ウァリトヒロイ六芒星!」 星と星に線を引いて絵を描く営み。この時期大きく瞬く星を結んで、夜空に大きな六芒星を見た あなたも空を見上げて、ネーサが指差す先の六芒星を捉える。満天の輝きは海の煌めきを見ているようだ 旅の導きの星や、空に描く絵について語り合う。寝静まった街を驚かさないよう、小さな声で 囁き声に合わせて、自然と距離が縮まり、気付けばあなたとネーサは身を寄せ合って歩いていた 「ん…………誰も見てないし、ね?」 腕がネーサに抱き締められ、あなたは幸せな気持ちになった 衛兵に見つかるまでは、このままでいても良いだろうと、あなたは思った 26/06/17(水)21:20:49No.1440879014 ジャーン!【梅雨空の冒険】ネーサ・マオを引き当てた! ワァオー!あなたは快哉を上げ飛び跳ねた。最高レアが一発で当たるなど、滅多に起こる事ではない 蛍光色のレインコートに身を包んだ、普段より幼い印象を受けるネーサの姿。その視線には力があり、同時に稚気を感じる 可愛い!とても!あなたは心から引けて良かったと思った 「ふぅん……良かったわね、私が引けて」 数秒、あなたの時が止まった。背後から画面を覗き込む実在のネーサ。あなたの時がゆっくりと再始動する どっと汗が吹き出し、緊張から身体が硬直する。何も悪い事はしていない筈なのだ、なのにどうして 「レインコートね…私もこういうの着た方がいい?」 耳元で囁かれて、あなたは想像してしまった 童女的カラーリングのコートに身を包み、恥ずかしそうに頬を赤く染めるネーサを 甘美な誘惑であった。しかし、あなたはネーサに真似事をしてもらうために召喚をしている訳では… 「そっちの私より、私を見て欲しいもの…」 あなたは即座に伏してレインコートを着てもらうよう頼み込んだ ネーサに寂しい思いをさせるくらいなら、直前までの思考など投げ捨て上等だ 26/06/18(木)21:34:23No.1441170942 スリが発生した。あなたとネーサの方に、騒がしい声が近付いてくる 捕まえてくれだとか、逃げ足が速いだとか。その声が届くのと同じ頃、既にあなたの間近まで犯人が迫っていた 当然、あなたは拘束しようと動く。相手も躱そうと動く 一瞬の交差。強くなったという自負があるあなたの手を、スリの現行犯はすり抜けた。在野には稀にとんでもない人材がいるものである 「すごい身のこなしね…えいっ!」 犯人にとっての不幸は、あなたの手を躱した先にネーサが待ち受けていた事だ 回避運動を終えた所に二の矢が突き刺さる。あえなく犯人は御用となった スリの被害物も無事返却され、丸く収まったのだった 「なんだか悔しそうね」 不意の遭遇とはいえ、あなたは掴みを躱されたのが少し堪えている 助け合うのも冒険者の在り方には違いない。しかしネーサのフォローなくして成り立たない存在ではいたくない あなたは冒険者としても、ネーサと対等であり続けたいのだ 「帰ったら特訓しましょ!私を捕まえる特訓!」 そういう事になり、あなたとネーサは帰路についた 26/06/20(土)21:19:22No.1441823818 冒険者は蛮族ではない。力で全てを捻じ伏せるのでは冒険者失格となる あなたとネーサは悪党を追い詰めにかかったが、決定的な証拠の不足故に手を出せずにいた もう殴って終わりにしようかとあなたが考え始めた頃、ネーサが勢い良く振り返った 「カネヤ!来てくれたのね!」 「待たせたねネーサさん!ここからは私達のターンだ!」 カネヤ財務、いや、ネーサ派の財務団だ!資金の動きから不正を暴き、悪党の悪党たる証拠を突き付けていく 道理の枷を解除されたあなたとネーサは素早く飛びかかり、あっという間にコテンパンにした 悪は去った。良い事である 「私は探偵や警察ではないけどね、金銭を追うのは大得意なのさ」 カネヤ財務は決め台詞を吐き、ネーサは気配を消してまで見せ場の紙吹雪を撒いている ネーサも取り巻き達の事をとても好いているのだと、あなたは改めて思い知った 「……あー、ネーサさん、もう紙吹雪はいいから」 「そう?みんなもっと輝いていいのに」 敬愛するネーサに讃えられるとくすぐったいのだろう、カネヤ財務達は微妙な顔をしていた 26/06/20(土)23:18:58[一度は俺も書いてみたかったお姉様たちの怪文書]No.1441873121 「なあオトー、猫は常に足を下にして着地するって言うよな?」 「そういう説もありますが猫は身体能力が高いのでちゃんとした姿勢で着地できるんですよ、大体は」 唐突にあなたに問われ、真意を掴みかねたオトーは怪訝に応えた 「そこでここにバタートーストがある、これは落とすと必ずバターを塗った面が下になるんだ」 「…………。で?」 「オトーがこのトーストを背中にはっつけてジャンプしたら、着地は」 オトーの怪訝な顔がどんどん眉を寄せ、盛大にため息を吐いてあなたの話を遮った 「ハァ~~~っ…、どうしてそんなバカらしい実験に私が…」 そこまで言ってオトーは気づく、ネーサ・マオ、敬愛するお姉様がこちらを見ていることに ワクワクして自分を見ていることに すんっごく期待に満ちた目で自分を見ていることに 26/06/20(土)23:19:12No.1441873212 かくしてオトーはあなたからトーストをひったくり、背中に括って手頃な魔物の群れにジャンプで飛び込んだ 着地の間際、オトーの手足とトーストのバター面のどちらが下になるかでムージュンが発生 空中高速回転を始めたオトーから全方位に放たれた大量の暗器が魔物の群れを一掃する あなたとネーサはオトーにぱちぱちと拍手を送り、パンを取り外すまで666秒間ほど猫は空中高速回転を続け、大量の討伐報酬と魔物素材でちょっとした臨時収入を計上できるとカネヤが機嫌良さそうに算盤を弾いていた 26/06/21(日)21:19:21No.1442225748 あなたとネーサは計画を立てている 何をと言えば家族が増える事に対してであり、いずれは増やしたいと思っているが、今はまだ早いとしている 二人共冒険者であり、家族が増えるのはある種の冒険ではあるものの、それで増やしたのでは人の心がない 「いつかは、ね……」 そう、いつかの話だ。いつかはしばらく落ち着いて暮らさなければならない 思わせぶりなネーサの視線にあなたはドキドキしながらも、進展を急ぐべきではないと、二人の思想は一致を見ている 父の日はまだまだ縁遠い話であった 「ねえ……できちゃったって言ったら、どうする?」 あなたは言葉を失った ネーサに騙し討ちされたかもしれないという驚きであり、突然父の日が自身と密接な存在となった驚きであり しかし、けれど、やはり、そうだろう。ネーサとあなたの新しい家族を授かったのならば。嬉しい 嬉しい。そうだ。あなたはジワジワと喜びが込み上げてきて、両手を天高く突き上げた 「あっ、いやっ、その、あくまでたらればの話って言うか…ああっごめんなさい!!」 喜びが激しい分、あなたはしょんぼりと萎れてしまい、一日かけてネーサが慰めにかかったのだった 26/06/22(月)21:46:51No.1442539718 アハハハーウフフフー 「そぉれ捕まえてあげるー!」 浜辺には良からぬ者が潜みがちであり、気温が上がるにつれ訪れる善良な一般人を傷付ける 冒険者に依頼が来る程ではないが、波打ち際のちょっとした困り事。冒険の帰りに立ち寄ったネーサとあなたは、自主的に解決を図った 「一人、二人、またひとりっ!やぁっ!!」 いるわいるわ、不当に小銭を巻き上げようとする悪党が。砂浜の上にネーサが投げ飛ばした人の小山が出来ている この連中は、放って置いても掃除されただろう。しかし片付けるのが早いに越した事はない 巷の美観を守るのは気持ちが良い。あなたも逃げようとする輩を捕まえて、頭から砂へ埋めていく 「すごいわね、立ち入り禁止区域みたい」 ずらりと並んだ逆さ人間が列を成している。空間を隔てているかのようだ 連行が済むまで浜辺には立ち入れたものではないので、都合が良いのではないだろうか 「ふぅ……綺麗になったわ!」 高く上った日差しと波の音が、あなたとネーサを称賛しているようであった 26/06/23(火)21:15:37No.1442821199 ネーサがうっすらと涙を流している 今ドラマが盛り上がっている所なのだ。悲しいすれ違いの果てに別れてしまう男女…そして来週に続く 溜め回とはいえ、辛い所で話が留まってしまうのは見ていて歯がゆい 「あぁ~……来週はどうなっちゃうのかしら…ぐすっ」 零れそうになるネーサの涙を、あなたがハンカチで掬い取る 焦れったい内容で、あなたの心には響かなかったが、ネーサの楽しみを邪魔するような気はない 「悲しい…とっても悲しいの…でも見ちゃう!」 ネーサは他所の恋愛模様を見るのが好きなのだ。交際前は知らなかった嗜好である 恋愛小説や漫画も嗜んでおり、時折古本屋に溜め込んだ分を放流しに行っている 女性冒険者の恋愛相談に乗ったり、応援をするのも好きなようだった 「いつか、私達もあんな風になったら……ああっ!」 掬った端から涙を追加し、ネーサがあなたの胸に飛び込んでくる 実際誤解やすれ違いから距離が遠ざかってしまったら、あなたも耐えられそうにない 想像するだけで悲しくなり、あなたもネーサを強く抱き締めた 26/06/24(水)01:41:11No.1442900050 「秘密を口外しないでもらうのに、対価なしでは筋が通りませんから…」 クラックラはそう言うと、野暮ったい…その実砂礫迷彩用途の…服を脱ぎ捨てていった 想像以上に引き締まっていて、腰の広さが際立つ下着姿 僅かな布地の奥に、生まれたままのクラックラがいる……鼻血が漏れ出しそうだ 対価という事であれば、遠慮なく…頭ではそう思っているのに、身体はあと少しで触れる所から動いてくれない。とても緊張している 呼吸ばかり荒くなって、手が何もない空間をさまよい続ける 「……驚きました。そんなに興奮してくれているなんて…」 クラックラは激しい鼻息にも、震える手にも怯まず、その小さな手を重ねて触れ合いを始める 手のひら同士が接触するだけで、心臓が飛び出しそうだ。クラックラの体温が伝わってくる… 「とても、ドキドキしてますね…わたしも同じ気持ちなの、伝わってますか…?」 伏し目がちに見つめてくるクラックラの美しさが、心のタガを外した 26/06/24(水)21:19:41No.1443118263 「つ、疲れたぁ……酷い目に遭ったわ」 冒険には予期せぬ事態がつきものであり、あなたもネーサも取れる限りの備えをしている しかし、備えには限度がある。どれだけ用意をしても、気を張っても、現実はその上を超えていくものだ あなたとネーサが足を踏み入れた地には、パワードニンジンが大量発生していた 仕留めた動物を養分にして数を増やす、大型で凶暴なニンジンである。遭遇してしまえば、まず逃げられない 「ニンジンの匂いも、ここまで充満するとキツイわね…」 必死に戦った。あなたとネーサは押し寄せるパワードニンジンを斬って斬って斬りまくった 躯が20を超えた辺りで、割に合わぬと見たのかニンジン達は退いていった…恐ろしい遭遇戦であった 「引き返しましょ…これ以上進むのは無理だわ…」 ネーサはヘトヘトになっており、あなたも疲労の余り腰を下ろした まだ気合いを入れれば戦い続けられるが…出来れば消耗は避けたい状態。あなたは急ぎ補給するため、ニンジンの亡骸にかじりついた 「うわ、甘くって歯ごたえ強くて、すごく美味しい…」 ニンジンで回復出来たのは、不幸中の幸いだった 26/06/25(木)21:28:42No.1443406300 『話を伺ってみましょう。すいませんそこの方ー!』 「ええと…私ですか?」 あなたとネーサは突然カメラを向けられていた。街頭インタビューの類らしい 偶然S級冒険者を見かけたらとりあえず接触を狙うだろう。あなたがメディアの人間ならそうする。話題性は商売の命だからだ 飯の種にされる側の事も少しは考えて欲しいものだが、とあなたは若干面白くなかった 『交際について見解をお伺いしているんですが…』 「!一体何を聞きたいのかしら!私で良ければ喜んで!」 恋バナ好きにはご馳走のような話題であった。ネーサはたちまち敬語も吹き飛んで興奮する 若干インタビュアーも引いてる中、ネーサはマイクへと語り始める… …あなたは赤面した。耳をふさぎたくなったが、どうにか堪えた 「二人でいる時間ってとってもあったかくて!出会えて良かった、一緒になれて良かったって気持ちになるの!毎日が輝いて見えるんだから!」 『アッ、アッ、ありがとうございます、その辺りで…』 インタビュアーも、周囲で聞き耳を立てている連中まで、顔を赤くしていたのだった 26/06/25(木)23:18:01[プリンの日便乗]No.1443443016 「お姉様に相応しいのは私行きつけのデラアマ特製プリンに決まってますが?」 とんでもない、こちらのシターガ・トロケールの予約限定プリンこそネーサに相応しいに決まっている 視線が激突し額も激突する。あなたとオトーはネーサが食べるデザートでバッティングを起こし、物理的にもバッティングしていた 「引き下がれ、ってんですよ、このっ、間男がぁ!」 頭蓋骨が衝突する鈍い音を響かせて、あなたとオトーのプリン争いが激しさを増す 大きく後方へ勢いを付けてから、思い切り頭をぶつけ合う。視界に火花が散り、あなたは数歩よろめく 気合で堪らえようとしたオトーも、膝が笑ってテーブルに手を着いてしまう 「ぐぐっ…ぐ…痛ぁ…!けれどこの戦い、負ける訳にはぁ…!」 「ねぇ…私、片方しか食べちゃダメなの?」 ネーサにしてみれば、何故片方の思いやりと甘味は取りこぼさなければならないのかという話であった オトーのプリンもあなたのプリンも、仲良くネーサの口の中へ消えた 「……私のプリンの方がお姉様に喜んでもらえましたね」 あなたの額に血管が浮かんだ 26/06/26(金)21:26:34No.1443721491 「うぅっわ……すごい臭いだわ」 貰い物の納豆であった。あなたが依頼を果たすと、依頼人から報酬と合わせて贈られたものだった 東洋では好んで食べるというそれを、あなたは紐解いて…悪臭に襲われている あなたは顔を強烈にしかめ、ネーサも眉をハの字に曲げる。ひどい臭いが部屋を満たしていく 「食べられるのよね…?随分糸を引いてるけど…」 腐ったものにありがちな糸が伸びていて、見た目にも不安を煽る まさか毒物を贈られたとは考えたくないが…あなたは用意していたコメに納豆を組み合わせる 飯のお供に最適だと、贈り主は言っていたのだ 「……どう?美味しい?」 あなたは…しばらく微妙な顔をし…咀嚼を繰り返す内に首を縦へ振るようになり…飲み込むと次の納豆を食べた 癖は強いが悪くない。臭いに慣れてくると中々の味わいをしている あなたは冒険者であり、泣きたくなる程不味いものも口にしてきた。納豆は十分食べられるし、十二分の旨味がある 「そんなに。それじゃ私も一口…んんっ…………ん……ん!」 炊いた分のコメは、納豆と共にあなたとネーサの口の中に消えていった 26/06/27(土)21:26:26No.1444059579 冒険者広報誌Bo'sにメリケンサックが付属していたのだった あなたが指を通してみると、明らかに作りが安い。無いよりはマシといった感触であった まさに、こんなものでも所持していれば役に立つ瞬間があるかもしれない。その程度の存在だ 「貸して貸して!あんまりこういう拳武器って使わないのよね」 ネーサは嬉々としてメリケンサックを身に着け、シュシュとジャブを放っている 裸拳で殴った方が絶対に強いのだが。面白そうは大抵の問題に勝る ジャブ、ジャブ、ストレート。スウェイ、フック、ボディボディ、アッパー。激しいラッシュがメリケンサックを追い詰める 「しぇあっ!あ、あら…」 鋭く打ち込まれたストレートに、とうとう安物が断末魔の悲鳴を上げる 何一つ壊す事なく、的に打ち込まれる事さえなく、哀れメリケンサックはその形を失ってしまった 「あ、あはは…やっちゃった」 壊れて惜しいものではないので、ネーサが気まずそうな顔をしなくてもいい しかしネーサが力加減を誤るのは珍しいので、あなたはその点からかっておく事にした 「もうっ!いじわるなんだからっ!」 顔を赤くするネーサも愛らしいのだった 26/06/28(日)21:17:09No.1444431966 「ありがとうございます…マオさん」 「いいのよクラックラ」 仲の良い事である。今日はネーサとクラックラの距離が近い あなたから見ても、オトーと違っていちいち悪罵を吐きかけてこないし、ネーサの独占を図ったりもしないので、安心して見ていられる 趣味がアレなのを加味しても…クラックラは自らの手で砕いた鉱物を掃除し、ネーサがそれを手伝っている 「つい興奮してしまって…助かります」 「私達の仲じゃない。申し訳なさそうにしないの」 クラックラは整ったものを壊す行為に興奮を覚える性質である。ネーサは当然把握しているし、壊すものを定期的に与えてもいる ネーサにとって拒んだり不気味に感じたりする癖ではないのだ あなたは…好悪を論ずる程親密な相手ではない。ただネーサが親しくしていて、一緒にいると楽しそうである。それだけが重要だ 後入りした分際だが、これからもネーサと仲良しのままでいてくれればいいと、あなたは思っている 「……なんだか保護者気取りの視線が」 C級冒険者にしては勘がいいとも、あなたは思っている 26/06/29(月)21:22:06No.1444728794 好き合っているからといって、四六時中触れ合っている訳にはいかない あなたとネーサは強く互いを突き放して、渋々と距離を取ったのだった 「ううぅ……とっても寂しい……っ」 ネーサがちょっと泣いているのを見て、あなたも悲しみが込み上げてくる 取り出したハンカチでネーサの涙を拭いつつ、それ以上踏み込まないようあなたは両足に力を込める 油断すると、すぐさま抱き締めてしまう。好きな人が目の前にいて、触っても良い関係にあるのだから… 「だ、だめ…ダメよ…落ち着いて私…ゆっくりと距離を取るの…!!」 ネーサは歯を食いしばり、少しずつ後ずさっていく。あなたも駆け寄りたい思いを縛り付け、ジリジリと後退している 額に汗が浮かび、呼吸も荒くなっていく。ネーサの温もりと匂いが離れていく苦しみは、例えようがない ああ、もう、密着したまま何事も出来たらどんなに良いか! 「私は出来る、私は出来る、私は出来る……っ!よし!!!!!今日も一日冒険よっ!!!!!!!!」 強靭な意志でネーサが堪え切り、あなたも負けじと意識を切り替え切ったのだった 26/06/30(火)22:02:21No.1445039563 しかし、あなたやネーサが訪れては、商売を台無しにしてしまうのだ 何の話かと言えば、毎月1日魔る製麺半額セールである。いかなる人間も半額には惹かれる その引力に吸い寄せられてしまえばおしまいだ。在庫切れで店じまい待ったなしである 「うどん…食べたいわよねぇ…」 そう、良くない事なのだ…分かっていても、うどんの口になってしまった思いは中々止められない 仕方がないので、あなたとネーサは冒険に出た。行く先は魔境・ウドンケーン。水源にうどんが流れる異常空間である 下流がうどんで詰まるくらいの量であり、自然にとっても放置は都合が悪い。あなたとネーサには大義がある 「これは自然維持!これは自然維持!!うーん美味しい!」 あなたとネーサは次々とうどんを啜っていく。この太麺ときたら実に美味だ 川を流れて毎秒水浸しとは思えないコシがある。持ち込んだツユに浸して食べると格別 薬味で味変をしつつ、あなたとネーサはしばし舌鼓を打った 「はぁぁ~……おいしかったぁ」 良い事をした上に満腹。とても幸せな日であった 26/07/01(水)22:15:25No.1445319305 あなたはプールの掃除をしている ちょうど暇していた時に、ギルドで依頼を見かけたので引き受けたのだ。誰も取らなかったようなので丁度いい 普通一人で掃除するような面積ではないのだが、あなたは上位冒険者である。容易いものだ ブラシが唸り汚れをこそいでいく。照りつける太陽の下、軽く汗を拭う 「調子はどう?差し入れ持ってきたわよ」 ヌッとネーサが顔を覗かせた。共同で受けた依頼ではないため、顔と手だけを壁の上に出している あなたはプールの底からサイドまでひとっ飛びして、ありがたく差し入れを受け取る 清掃は順調で、問題も発生していない。そう時間を置かず片がつくだろう 「じゃあ待ってて良い?一緒に帰りましょ」 あなたは発奮した。仕事上がり、待たせていた恋人と一緒に帰宅なんて、最高のシチュエーションなのだ しかしあなたは呼吸を整えた。掃除とは力任せで行ってはならない。プールを綺麗にするのが仕事である。傷つけてはいけない 「わっ、すごい気迫…素敵な仕事が見られそうね」 ネーサの視線を浴びながら、あなたは差し入れを勢いかき込む 補給を済ませ、再びブラシを握った 26/07/02(木)22:04:47No.1445591375 トスを上げる。あなたはビーチバレーのビーチ抜きに興じていた 柔らかいボールが高々と上がり、やがて僅かに風で流されながら、ネーサの側に落ちていく 一対一でやる競技、ないし遊びでない事は言うまでもない 「えいっ、それ!せーっの!」 ネーサは柔らかくボールをレシーブし、具合の良い所へトスを上げ、追って高く跳躍する 一人で全アクションをこなすのが、あなたとネーサの遊びである あなたが捕球体勢に入ると、ネーサは空中で無数のフェイントをかけてくる 「…………っ、やぁ!」 視線、挙動を駆使したS級の弾道線。あなたは大いに意識を釣られた しかし、本命に食らいつく。あなたは地を蹴り、豪速球をソフトに空へ弾く 瞬発力を振り絞った身体に再び溜めを作り、逆襲のためのトスを上げにかかる この一球よネーサを打ち破れと気迫を込めて、高く舞い上がったボールを追う 「来なさいっ!全部止めてみせるわ!」 あなたは大きく振りかぶって、渾身のスパイクを打ち下ろした 26/07/03(金)21:13:22No.1445856851 あなたとネーサは素早く、サカエトル冒険者ギルド所属の高位冒険者であると名乗った 火災現場である。消火力では消防のプロに敵わないが、冒険者の腕力と突破力が必要な時はある 「隊員が火炎魔と交戦、足止めされている。速やかに排除してくれ!」 「分かりました。行くわよ!」 ネーサが駆け出し、あなたが背を追って縦列を作る 消防隊員の辿った進路を進む。力づくのショートカットは、火災を悪化させかねないので慎む 階段を駆け上がった先、耐火服の一団と魔物の姿が見えると、あなたとネーサは素早く踏み込む 「つぇあっ!!!」 ネーサの飛び蹴りによって火炎魔が弾け飛び、あなたの飛び込み突きで火炎魔がグシャグシャに潰れる 火事場の火炎魔はかなりしぶとい筈。流石プロ、加勢せずとも勝利を掴んでいたのだろう だが必要なのは勝利ではない。あなたとネーサが稼いだ一秒だ アイコンタクト。隊員達は速やかに作業へ復帰する そうして火災は無事鎮火。逃げ遅れた人々は消防隊員の手によって、全員救助されたのだった 「助けになれて良かったぁ……」 あなたとネーサは脱出先で、煤混じりの汗を拭った 26/07/04(土)21:23:50No.1446185932 「わあ!夢みたい!!」 遠洋漁船ほどに育ったクルーザーエビと遭遇し、あなたとネーサはそれを倒したのだった これはいい。あなたは持ち帰ったエビをクソデカい鍋で揚げて、クソデカい海老天を作った まさに、夢にまで見たようなデカさ。生まれて一度は考える、抱えきれないサイズの美味に齧り付きたい欲 「た、食べて…いいのよね!?」 もちろん。あなただってもう我慢出来ない。食前の祈りを捧げると、勢い良く飛びかかる 芳醇!デカい衣に負けない、いや勝るエビの身の味わい深さ!下味の塩すら余計だったかもしれない! 齧る、噛む、飲み込む。どの段階にも幸せがある。ネーサも目を輝かせながら高速で咀嚼している 「ん~~~~っ!んぅ~~~~~~!!!」 ネーサが言葉にならない声を上げて、太腿をバンバンと叩いている。あなたも身体が勝手にガッツポーズしている 美味い、美味すぎる。こんなに美味いだけに、モリモリと身を小さくしていく海老天の姿が、少し悲しい 「あ……もうなくなっちゃう……」 あなたとネーサは少ししょんぼりした。感情の落差で凍えそうだった 26/07/05(日)21:22:56No.1446539042 女王陛下即位n周年を記念して、切手とコインが販売される事となった ネーサグッズほどの執着ではないが、あなたもサカエトルの民として、記念品は入手しておきたい気持ちがある あなたはネーサと共に列へ並んだ。列は長く盛況である 「広告で見たけど、中々素敵なデザインだったわよね。実物が楽しみ!」 手にする時を楽しみにするネーサと、少しずつ前へ進んでいく あなたが列の前後を見やると、著名なあの人やその人が混ざっている。陛下の人望が伺えるというものだ その人望故か、列の進みは遅い。仕方がない事だが、暇になりそうだとあなたは思った 「ん……ねぇ、ちょっと」 列が視線を遮っているのを良い事に、ネーサがあなたの手を握ってくる 人前ではどうかと思う気持ちも、一度触れ合ってしまえば吹き飛んでしまう。あなただって、叶うなら毎秒ネーサに触れていたいのだ 時間を持て余すからとか、眠気に負けないためとか、脳内で理論武装を終えると、あなたはネーサと指を絡めて手を繋いだ 「えへへ……今日は良い事がいっぱいね」 26/07/06(月)21:35:58No.1446841452 夏。夏でなくても高温気味の時期が近付いている 皆浮かれ気分になって、薄着で外へ出かける頃だ。あなたもテンションが上がっている 「来たわね…特訓の時期が!」 ネーサが吠えると、あなたも深く頷いた。暑さと寒さは冒険者を練り上げるのに有効だ 天候と戦うのも仕事の内であり、あなたもネーサも幾度となく厳しい自然に晒されてきた この機に苦しんでおくか否かで、冒険者の将来的ランクが決まると言っても過言ではない 「海辺にいい宿があるの。ちょっとくらいなら無理を聞いてくれて、すごいのよ」 ネーサが言う無理とは。あなたは思い描いてワクワクしてきた。これもひとつの冒険だ そして海。苦しんだ後に楽しみが待っているのも見逃せない。あなたはネーサの水着姿が見たいし、一緒に海ではしゃいだり泳いだりもしたい 「ええ…一緒に…どうしよう今からドキドキしてきちゃったぁ!」 あなたと同じくらいドキドキしているネーサを見て、あなたは更にドキドキを加速させてしまうのだった 26/07/07(火)21:15:44No.1447107873 夜空にかかる星海の向こうでは、仲を引き裂かれた男女が年に一度だけ再会出来るのだという 「まだ空の向こうまで依頼を受けにはいけないのよね…」 なるほど、確かに。冒険者として年一と言わず会えるようにしてくれと依頼されれば、あなたも力を尽くす所存だ 流石はネーサ、発想のスケールがデカいとあなたは思った しかし考えものでもある。逸話によれば、彼方の男女は恋愛にうつつを抜かすあまり引き裂かれたのだとか 「そう、ね…仲良くしてるだけじゃ、良くないわよね…」 ネーサは思案を始める。今考えた所で夜空に手は届かないが、生きている内に機会が無いとも言い切れない 今から計画を立てておいたって構わない筈だ。果たして如何に問題を解決するべきか 「ひらめいたわ!私達みたいに、触れ合っていても仕事が出来るようになれば良いのよ!」 あなたは名案だと頷いた。恋情を力に変える術さえあれば、悩みは解消されるに違いない ネーサの考えはまだ効果が無いが、いずれ星々の輝きさえ取り戻すようになる 26/07/08(水)21:26:49No.1447394242 守護者が膝を着いた。激闘を制したのはあなたとネーサである 「いい戦いだったわ。先に進んでも?」 道を譲られ、あなたとネーサは奥へと歩を進める。ここはコーフン(古墳)、古の権力者が建てたとされる墓所だ 中の機構は今も生きており、侵入者を罠と守護者が迎え撃つ。弱者と愚者はたちまち屍を晒すだろう あなたとネーサはここまで無数の罠を掻い潜り、また守護者を打ち破っている 「こんな大きなお墓、何のために建てたか考えた事はある?」 ネーサに問われ、あなたはしばし思考する。あなたの中では、権力の誇示という定説が主張している 実際ここまで厳重に防備するのは、弔われる者が尊い身分である事を表しているのではないだろうか 「私の考えはこうよ。未来で戦う人達へ向けたタイムカプセルなの!」 斬新な主張だった。あなたはネーサに根拠を問う 「これまで調査に同行したコーフンでは、もれなく強力な装備が発見されたわ。財宝でも壁画でも、死出の旅への供でもないの」 実際に見てきた者の見解であった。であれば、道を阻むのは試練なのか 「そういう事!」 26/07/09(木)21:21:46No.1447665135 「見て!今日は綺麗に晴れてる!」 この所曇りや雨が多かったので、久しぶりの快晴だ。あなたはネーサと共に青空の下へ飛び出した ……暑い。気温と日光の熱が一気に上がって、たちまち汗が吹き出してきた しかしあなたは怯まない。日差しを浴びるのは健康に良いからだ。冒険者は健康第一である 「ん~~っ!気持ち良い!身体の中から元気が湧き上がってくるみたい!」 上はTシャツ一枚のラフな格好をしたネーサが、伸びをしたり上体を反らしたりとはしゃいでいる とても眼福だ。元気一杯に動き回ると、うっすら清楚な色の下着が透けて見える あなたも身体を動かしつつ、横目でネーサの姿を覗いている すると、ネーサの頬が運動ではない色付きを始めていくではないか 「…………嫌じゃないんだけど、その…一応外だから…ね?」 ネーサは両腕で身体を掻き抱き、あなたの視線から遮ってしまった 若干申し訳なく思うが、同時にあなたはもっと見たい気持ちが湧き上がってきた ネーサの手を取ると、足早に庭から家へUターンをするのだった 「あっ……もう、せっかく晴れてるのに…着替え用意しなくっちゃ…」 26/07/10(金)21:38:35No.1447957759 「間男、間男。ちょっと私の事扇ぎなさい」 あなたは額に青筋を浮かせながら、言われるまま扇を手に取った 舐めた口叩いたやつをこのままで済ますつもりはない。あなたは暑さで垂れたオトーに見えないようハンドサインを送る 一方にあなたが立ち、もう一方に扇を持ったネーサが立つ。オトーを挟む形だ そして同時に、強い力を込めて、扇いでやった 「おっ風が…っううぇぇっどわあぁぁぁ!?!?!?」 強風同士がオトーという一点で衝突し、形は崩れ乱気流を生み出す 不規則的スイングの中で空中に放り出され、泥棒猫が上になったり下になったりする 大分高くまで舞い上がった後、姿勢を制御し軽やかに着地する。この辺り流石はA級冒険者と言った所か 「どうだったオトー?涼しくなれたかしら!」 「え、ええ……お姉様のおかげで、大分スッキリしました…」 ネーサのやる事には強く出られないオトーである。ビックリしたとか言えば良いのにと、あなたは思った 眦吊り上がったオトーの100連脛蹴りをブロックしつつ、あなたはネーサとハイタッチした 涼しくしてやった後は気分が良い 26/07/11(土)22:00:40No.1448271088 「ダメよカネヤ!スタイル良いんだから、もったいないじゃない!」 「しかしだね…私にも好みがあるから…」 珍しくネーサが圧をかけている。カネヤの水着選びに難航しているようだ もっともカネヤ自身はもう結論を出しているようだが… ネーサから見ても、あなたから見てもスタイル抜群である。大胆な水着で浜辺の視線を独占せよと言いたくなる気持ちはわかる 「理解者面で頷いてないで、ネーサさんを止めてくれないか!」 「止めないで!カネヤにはビキニが必要なのよ!!」 あなたは止めない。ネーサの意向に従う気持ちもあるのだが カネヤ選択の競泳水着だって、結構際どいじゃないかという気持ちに依る所が大きい 男の目で見れば、どちらを選んでも大胆なのだ。であれば口を挟む事などない 女同士で納得行くまで討論すれば良いのではないだろうか。あなたは静かに見守った 「くっ!たまにはネーサさんのアクセルばかりかけないでブレーキを踏んでくれてもいいだろう!」 「ほらカネヤ!レイヤードすれば布面積を増やせるんだから!恥ずかしさ紛れるわよ!」 26/07/12(日)21:15:10No.1448606755 あなたはウンザリした。ザリガニバルカンが用水路にたくさん湧いているせいだ 両手の鋏から高速魔法弾を連射するザリガニバルカンは、人間社会運営のために生かしておけない相手である しかし刺激しなければ温厚なので、ギルドから捕獲方法を定められているのだ 「これで34匹目…そっちはどう?」 ネーサに問われ確認すると、あなたは40匹を釣り上げていた ザリガニバルカンの捕獲方法は、ザリガニ釣りである 用水路と近隣住民の安全を守るためには致し方ない。しかし絵面があまりにも田舎の少年少女なのだった 「楽に釣れるのは良いけど、緊張するのよね。バルカン砲撃たれたらたまらないもの」 あなたは同意する。流れ弾を防ぐとなれば、あなたもネーサも大慌てだ 緊張を切らせないのは、負荷が大きい。バケツの中では呑気にザリガニ達がはしゃいでいる あなたは水筒の蓋を開けると、良く冷えた麦茶をネーサに差し出した 「ごくっ、ごくっ…はぁぁ…ありがと。暑いわねぇ…」 あなたとネーサは、強い日差しの中釣り糸を垂らし続けた 26/07/13(月)21:36:25No.1448894817 しばしの間シーツの擦れる音が立っていたが、やがて静かになった 万端を期すべく、更に数分の間を置いた後に、得物を握った男達が歩を詰めていく いかな手練れた冒険者とはいえ、睡眠薬を確実に摂食した後では、意識を保っていられない筈である 念には念を入れて、泊まるよう勧めた家の扉を静かに開く。消すのも忘れられた灯火の下、寝落ちした男女が転がって… 「残念ね。本当に残念だわ」 …いない!いや、いる!敵意の籠った眼差しを向ける男女が、迎撃の構えを取っている! しかし何故…間違いなく睡眠薬を体内に取り込んだ。眠っていなければおかしい あのネーサ・マオと言えど、耐えられる訳が 「残念だったわね。私達に睡眠薬なんて効かないのよ!」 絶望的な宣言と、眠気を一切見せない切先の鋭さが向けられる。これほどの超人だったとは、見誤った…… 「普段から毒を飲んで耐性を付けている、なんて敵に教えてあげる訳ないわよね」 捕物を終えて帰宅する中、ネーサは村ぐるみの賊達が連れて行かれた方角へネタバラシをした 今頃牢か処刑かに晒されている連中に届く事はないだろう あなたは欠伸をかいた。薬のせいではなく、遅くに捕物をしたせいだ 26/07/14(火)21:15:12No.1449162546 水鉄砲だ。無数の水鉄砲から水流が放たれている ネーサ派のレクリエーションという事で、取り巻き達が集まって撃ち合いに興じている。華やかな光景だ あなたはネーサと交際しているが、厳密にはネーサ派の人間ではない。なので参加していない 「私が混ざると、つい熱くなっちゃうのよね…」 本気で撃ち合いを始めてしまいかねないため、ネーサも体育座りでビーチチェアーに腰掛けている 派閥の人間は皆ネーサが大好きなので、最初は残念そうにしていたが。取り巻き同士も仲が良いため、今では楽しく水をかけあっている カネヤ率いる財務チームが、一際活き活きしている。冒険苦手勢でも楽しめる運動というものは、気持ちが良いのだろう 「うーん、見てるだけって言うのも……えいっ!」 ネーサは持つだけ持っていた水鉄砲を、あなた目掛けて発砲し。あなたは寸での所で回避する 行動範囲はチェアーの上だけ、水はある分だけ。アイコンタクトで組み立てた変則ルールマッチが始まったのだった 「えいっ!この!きゃあぁ!!っと、簡単には当たらないんだから!」 26/07/15(水)21:41:26No.1449439895 「おはよぉ……」 寝起きのネーサを見られるのは、恋人であるあなたの特権だ…と言いたい所なのだが オトーは言うに及ばず、クラックラにカネヤ、他にも取り巻き連中がご覧になった事のある姿なのだった 悔しさ…悲しみ…あなたの中で独占欲が渦巻いていた 「んぅ…なぁに?朝から怖い顔しちゃってぇ…」 寝起きの視線定まらないネーサが、緩い手つきであなたを手繰り寄せて、そのまま抱擁された 柔らかくて、とても良い匂いがする。寝汗とその他諸々にまみれていても、全く不快感を覚えない 子供をあやすように、優しく頭を撫でられている。あなたはささくれ立った心が落ち着いていくのを感じた 「よしよし…何も悪い事なんてないんだから…ね…よしよし…」 独占欲に効くのは言うまでもないだろう。二人だけの秘密の時間なのだ あなたは深く呼吸し、ネーサの胸に縋り付いた 「意識がハッキリしてくると、なんだか恥ずかしくなってきたんだけど…まだくっついてた方がいいかしら…?」 あなたは名残り惜しく、もう少しだけと駄々をこねた 26/07/16(木)21:13:35No.1449698256 あなたは全身に強い負荷がかかっている S級冒険者養成ギプスだ。身体中くまなく動作を阻害し、生半可な鍛え方では歩く事もままならない そんな状態のあなたを、クラックラ、オトー、そしてネーサの3人が一斉に攻撃してくる 「遠慮なくと言ったのは、そちらですから…!」 「オラーッ!この機に!事故を装って亡き者にーっ!!」 「反撃しないと、本当に死んじゃうかもしれないわよ!」 あなたは不自由な身体に力をみなぎらせ、必死に攻防を繰り広げている 疲れた時、怪我をした時、阻害術を受けた時。冒険者には辛くても戦わなければならない時が、山程ある ギプスで疑似体験出来るのなら、体験しておくべきなのだ 理屈はそうだが。あなたは疲労困憊で転がり、身動きが取れなくなっていた 「お疲れ様…とってもかっこよかったわよ」 頭も持ち上げられないあなたを、ネーサが膝枕してくれる。身体は鉛のように重たく動けないが、天にも上るような心地だ 「チッ!仕留めきれませんでしたか…」 「聞こえるように言わなくたって良いでしょうに…」 ぼやく声は無視する事にした。今のあなたにはやり返す力も無いのだから 26/07/17(金)21:39:28No.1449983107 ネーサ派の全員に行き渡る程のスイカが届いたのだった とんでもない量である。一人一抱えしていた光景は、様々見慣れたつもりのあなたでも驚きの光景だ それを自宅に持ち帰ったのが、あなたとネーサという事だ 「丸々として、すっごい肉厚な感じね…食べ応えありそう」 一玉などペロリではあるが、ネーサとネーサ派への贈り物なのだ。感謝を込めて、美味しくいただくのが礼儀というもの まずは一玉。あなたが包丁を走らせれば、たちまち大玉は真っ二つに割れる 「見返りが欲しくてやっているんじゃないんだけど…それでも、お礼を形にされると嬉しいものね」 ネーサが多くの依頼をこなし、時には新人の手伝いなどしてきた成果が、スイカとして返ってきている 匙を手に取り、思いやりを一口分すくう。そっと口に含めば、爽快な歯ごたえと甘みが広がる 大変美味い。良いものを選んでくれたのだろう。感謝の念が絶えない 「瑞々しくって、口の中が幸せになる…今度会ったらお礼言わなくっちゃ」 あなたのネーサの匙は進み、皮まで綺麗に片付いた 26/07/18(土)21:22:46No.1450274930 外気は大分暑さを増してきたが、家の中は冷却魔法で涼しく保たれている 時には自宅でゴロゴロしていたくなる。あなたとネーサは昼間からシーツにくるまりのんびりしていた 「んんぅ~っ…落ち着くぅ~」 涼しいと温もりが欲しくなる。ネーサはあなたに肌を寄せて、あなたもネーサを両腕で抱き締めている とても心地良い。幸せで胸がいっぱいになり、鼓動と体温を通じて互いに幸せを感じている事が分かる 吐息と衣擦れの音しかしない空間。あなたとネーサはベッドの上でゴロゴロと転がった 「ん、ぁ……はぁ…あったかくて、素敵…」 何もしないという贅沢は、荒波のように弾み生き急がせる心をなだめてくれる 冒険や訓練ばかりではバランスが悪い。こうして心身を休める時間は確保していきたい ネーサがあなたの首筋に額を擦り付け、マーキングしてくる。あなたは艷やかなネーサの髪へ口付けて応戦する 「やぁ…ぁっ、くぅ……キス、だめぇ…」 ダメと言いつつ抵抗しないネーサへ、あなたは口付け攻勢を強めていった 26/07/19(日)21:33:55No.1450630365 あなたとネーサは高ランクの冒険者であり、将来有望な冒険者達を迂闊に手伝う訳にはいかない 経験のない実績を積ませるような事になれば、やがて手伝った相手が死の経験を積む事になるだろう ネーサは手伝いとしての冒険も好んでいるが、成長の芽を摘むような悪辣さは持ち合わせていない 「う~ん…あの子達は…今協力すると悪い影響がありそうね…」 そういう訳で、ネーサは冒険者達を良く観察しているのであった 自身の背中を見せる事で、より発奮してくれそうな相手を。ネーサ・マオの名に気後れしない相手を 冒険者という組織と職業の未来を考えているのだ あなたはその辺りあまり展望が無いので、ぼんやりと見守っている 「そこのあなた達!私も混ぜてもらえないかしら」 あなたがぼんやりとしている内に、ネーサは声をかけ始めていた このネーサの行いに、あなたは同行しない。寂しいが、高ランクの冒険者が二人は本格的にキャリー行為だ とても寂しいが、四六時中一緒にいるばかりが恋人ではない。あなたはそっと手を振って、ネーサを送り出した ネーサも小さく手を振り返すと、冒険へ出発していった 26/07/19(日)23:40:39No.1450679126 シヴァリーは物理的に束縛が強いのだった。あなたの手首も今縛られている 力比べをしてもいいのだが、相手も上位冒険者。厳しい争いになるだろう 「いや、心配だし。今の所上手くいってるみたいだけど、他の女に鼻伸ばしてるんじゃないかって」 あなたはちょっとキレた。彼女にとって友人であるネーサの心配をする気持ちは分かるが、それであなたの好意を疑われてはたまらない 当てでもあって言っているのかと、あなたは逆に追求した。カネヤか、クラックラか、他の取り巻きか。まさかと思うがあの泥棒猫か?誰との仲を危惧すると言うのか 「その泥棒猫の事言ってんだけど」 あなたは大分キレた。ネーサの友人とてちょっとボコらなければ収まらない。あなたはネーサが好きで、好きな女を攫おうとする奴は嫌いなのだ 腕に力が籠もり、あなたとシヴァリーの中間で縄が張り詰める 「そのムキになる所が怪しいんじゃん!」 怒りを通り越して、あなたは泣いて崩れ落ちた。こんな酷いレッテルはない 名誉を守るため怒れば逆効果なら、どうしろと言うのか。あなたはさめざめと泣いた 「いや、泣かなくても……ごめんて」 26/07/20(月)21:19:48No.1450962722 海だ!水着だ!あなたはネーサと共に海水浴へ…と行ければ良かったのだが 取り巻き一同からガチめに苦情が来たので、今回ネーサ派一同で海辺にやってきたのだった テメー彼氏だからってネーサ独占し続けていいと思ってんのか、と言われると、あなたは強く出にくい 一旦下手に出ておいた方が後々有効だろうという下心もあった 「ア゜ッ!」 「オトーが死にました…!」 「ネーサさんの水着姿は刺激が強すぎたんだ…だからいきなり直視するなと言っておいたのに」 「その辺の木に縛っとこうか?」 ゾロゾロと姿を表す取り巻き達。うち一人は既に死んでいるが、放っておいても自力で蘇生するだろう それよりもと、あなたは視線を巡らせる。本命が中々視界に収まらない…気配!あなたは前方に飛び出しつつ振り返った 「気付かれちゃった…だーれだってやりたかったのにぃ」 本気で隠形をするから、あなたも過剰に反応してしまった。ネーサがいつの間にか迫っていたのだ 美しい。よく似合ってる。綺麗だ。あなたは感じるままネーサを褒め称えた 「えへへ…ありがとっ!」 26/07/21(火)21:23:58No.1451245433 明日の天気を、蹴っ飛ばした靴がどの向きかで占う遊びがあった 全国メジャーかは知らないが、あなたは昔やった事がある。今はもうやらない 力ある者の占いは、時に天候を左右するからだ。出た目で突然豪雨となってはたまらない 「やってはいけない事を、やりたくなる時が…私にだってあるもの!」 ネーサも天気占いの経験者であり、今いたずら心に火が着いている 本日の冒険先であるこの地は日照り続きで、急に雨が降っても困る者はいない筈である まず普段使いのロングブーツを脱ぐと、サンダルを足につっかけて、ネーサは勢い良く蹴り上げた 「明日天気になあれ…えいやっ!」 一回転、二回転、三回転…くるくると宙を舞うサンダル。あなたの目は進路を予測し…ネーサを伴い急いで木陰へ飛び込んだ サンダルは木の枝に引っかかり、なんとも言えない角度になった 直後、雹 「あ、あはは……やっちゃった」 がらんがらんと礫同士がぶつかる音の中で、ネーサは気不味そうに笑った 26/07/22(水)21:46:54No.1451528449 この巨大森は人間どころか魔族、魔物でさえも住み着かない 超巨木群は切り倒せば多大な木材資源となるにも関わらずだ あなたとネーサは調査依頼を受けて、割と決死の覚悟で足を踏み入れたのだった 「みぃぃんみんみんみんみんみんみぃぃん!!!!!!!!!!」 「────っ、────!!──!」 ネーサが何か言っているが、あなたの耳には全く届かない。超巨大セミの鳴き声がでかすぎて、他の音は聞こえないのだ ハンドサインで意思疎通を行いながら、鳴き声という名の衝撃波を木々で遮りながら進む 音は振動だという事を、ここに来れば体感出来るだろう。実感を持ち帰れずに死ぬ可能性の方が高いが 「つくつくぼおおおおし!!!!!!つくつくぼおおおおおおおし!!!!!!!!!」 「──!────!!─っ──!」 もう耳を塞いだからどうこうという規模ではなく、音の爆撃に耐えられる生命だけが存在できる空間 前年と環境に変わりなし。しかとメモに記し終えると、あなたとネーサは足早に退散したのだった 「はぁ…はぁ…頭がガンガンするぅ…」 安全圏にたどり着くなりネーサはへたりこみ、あなたも額を抑えてうずくまった 26/07/23(木)21:12:09No.1451785505 金魚すくいは屋台の華だという。金魚の持つ何かが人を惹きつけるのだ すくってやらねば夏は終わらないと豪語する者まで現れる有様。とにかく熱いのだった そういう訳で、あなたは今ポイ…金魚をすくう道具片手に水面とにらめっこしている 「がんばって!!」 後ろからネーサが応援してくれている。これでいい所を見せたくならなければ男じゃない あなたは浮上してきた金魚へと、静かにポイを滑らせ── 直後、首を大きく捻った。あなた目掛けて金魚が水鉄砲を放ったのだ 「攻めっ気を読まれてるみたい。もっとゆっくり、確実に待ち構えましょ!」 金魚が撃ってくるのかと言えば、そりゃ当然撃ってくる。ポイもあっさり破るし、すくわれる気など全くない そういう相手をすくい上げるから、この屋台は盛り上がるのだ。あなたは一度額の汗を拭い、再び構え直す 「……いい集中。これならいけるわ」 ネーサに太鼓判を押されながら、細く長く息をついて。喧騒の中に静寂を作り上げてから、あなたはポイを振り抜いた 水切り音と共に、何をされたか理解出来てない金魚が宙を舞った 26/07/23(木)21:47:50No.1451798125 ネーサが大胆にも着崩しているのだった シャツのボタンを大きく空けて、中のキャミソールが丸出しになってしまっている ちょっと冷房を切って換気の時間を設けたらすぐこれである。あなたは目を血走らせながら、一応ネーサを咎めた 「あら!それはこっちのセリフよ!肌面積少ないランニングシャツ一枚きりなんて、誘っているのかしら!?」 あなたは逆に咎められてしまった。暑いからやむを得ないと言い訳していたが、アウトな格好と言われたら確かにそうだ であるから、上に着なくてはならないのだが…あなたは顔をしかめた。暑いのだ そろそろ冷房を入れ直すのだと、あなたは着ない選択をする。ネーサの視線が突き刺さっていても、着ないったら着ない 「そう…気持ちはよく分かったわ。覚悟しなさいっ!」 冷房が入るや否や、あなたはネーサに飛びかかられた 取っ組み合う中でお互いあられもない姿になっていく こうなってしまえば、後はもう涼しい空間で触れ合いをするしかないのだった 「誘ったのが悪いんだから…」 ネーサはあなたに責任転嫁した 26/07/24(金)21:49:10No.1452075765 ビーム剣だ!中々出回らないビーム剣だ!振るとウォンウォン唸り、斬り結べばバチリと弾けるビーム剣だ! 「すごい!こんなレア物が眠ってるなんて、これだから古物巡りはやめられないのよね!」 ネーサは快哉を上げ喜びの舞に浸っている 今年の運を使い果たしたと考えてもいいくらいの巡り会いだ。あなたもガッツポーズを取った 恐る恐るスイッチを入れる。グリップから伸びるビーム剣!大気を焼く独特の臭いが鼻にかかる! 「あっ!ずるいずるい!私にもやらせてっ!」 こればかりはネーサにだって譲れない。あなたはゆっくりと剣を振るい、虚空に剣閃を刻む 光の軌跡が目に眩しい…楽しすぎる!ウォンウォンと刃を唸らせ、あなたは興奮から額に浮いた汗を拭い取る それからビームを収め、手汗をよく拭き取ってからネーサに渡す。あなたの手は汗でびっしょりだった 「それじゃあ…スイッチオン!きゃああーっ!ホントにビームだわっ!!」 あなたとネーサは交代でビーム剣を振るった チャンバラは出来ない。入手出来たのは一振りだけだからだ 26/07/25(土)21:21:55No.1452371604 秘密のネーサ大型船建造計画が、ネーサにバレたのだった あなたはこめかみに手を当てて呻いた。流石に無断でやるには話がデカすぎるというものだ 「ですがお姉様!これはお姉様の偉大さを大海へ広めるのに必要な」 「ダメでーす。計画書は全部出しなさい」 出るわ出るわ、分厚い紙束が。作るものがデカいだけに、書類も随分な数になっている まだ実際に資金が投入される段階ではなかったのが救いだろうか 「いくらなんでも専用の、しかも大型船だなんて!ウチにはいりませーん」 「ああっ!管理の目処も立ったのに!待ってくれネーサさん!ああっ!」 ネーサが素早く目を通した書類は、次々と直接いらないもの箱に放り込まれていく 苦しみがあったろう、絵図を広げる喜びもあったろう。いずれも無に帰していく ちなみにあなたはこの件にノータッチである。オトーとカネヤが興奮したんだろうなと、安全地帯から眺めている 目眩を覚えたのか、もたれかかってきたネーサをあなたは受け止める 「全くもう…ウチの娘達はこれだから…」 「あーっ!あーっ!何お姉様の頭ナデナデしてんですかこの間男ーっ!!!」 悪さをしないと良い事があるものだ 26/07/26(日)21:12:23No.1452750425 熱中症なりかけへの対策は、水風呂に放り込むのが最も良いのだという 全身を満遍なく冷やし、冷却が捗るそうな。暑さに汗をかいたあなたとネーサは、早速実践する事にした 何事も経験である。ただ一緒に水風呂へ入りたいがための口実などではない 「ふぁぁ~……冷たくって気持ち良いわ…」 肌の火照りが急激に抜けていくのを感じる。熱気が水へと溶け出していく あなたは長い息をついて、ネーサの身体を抱き締める。冷たさの中で、恋人の温もりが心地良い ネーサはあなたの肩に顎を預け、全身でもたれかかってくる。水も滴る髪と肌とで、あなたの視界が塞がる 「幸せ…お風呂でくっつくのって良いわよね…」 全くネーサの言う通りであり、あなたは水の中でゆったりとくつろぐ幸福感を味わっている 時々水をかけてみたり、水の中で手足をじゃれつかせてみたりすると、ネーサ側の反撃も行われる 「いたずら好きなんだからっ!このこの!」 ぱしゃぱしゃと水を顔面にかけられて、あなたは怯みながら笑い声を上げた 26/07/27(月)21:35:34 No.1453068721 雪原に咲く雪華からしか抽出できない薬効成分がある それを取ってこいと依頼があれば、いざクエストと旅立つのがネーサなのだった ああ…それにしても…寒い!同行者であるあなたは、ゴーグルの下で眉根にシワを寄せた 「寒いぃ〜…寒暖差でどうにかなっちゃいそうね…」 寒風が容赦なく吹き付け、防寒具越しに寒さを届けようと暴れている あなたもネーサも大変に鍛えているため、耐える事は出来る。しかし寒いものは寒いのだ。防寒具が絶対に欠かせない 固く足元を踏み締めながら、一歩ずつ進んでいく。視界は悪いし、身体も動かしにくい。だがこれこそは… 「冒険って感じが高まってきたわ!さあもう一息!」 熱く昂るものがある。ネーサの周りだけ温度が上がったようにさえ錯覚する 確実に目的地へと近付いていく。足跡を後に残して前へ、前へ。そうしていくと、景色が変わる 「あぁ、なんてこと。今年はここでシロクマモドキが群生地を構えてるのね…」 雪華を囲む巨獣の群れ。自然にあっては、あなたもネーサもその一員。力で押し通るのもまた野生の行いである 依頼人の利益のため、あなたとネーサは野生剥き出しで押し入った… [1/2] 26/07/27(月)23:08:32 No.1453107162 「お姉さまに近づく「あのひと」が、本当にしつこくて……」 マスターの店で。聖騎士イザベルはジョッキを傾けながら新しくできた友人、オトー・コギラウィンの愚痴に相槌を打っていた。 シーフというオトーに出会った当初は眉を顰めたイザベルだが、彼女の高い戦闘能力や技術、そして彼女が「お姉さま」と慕うネーサへの純粋な尊敬心を聞き、彼女への偏見を抱いた己を恥じた。 「シーフだからと穿った目で見てすまなかった」と詫びるイザベルに、笑ってオトーは手を差し伸べた。 「なら、本当の私を知ってもらったところで、改めてよろしくお願いしますね。イザベルさん」 「私が思うに、それはボーリャックの罠なのかもしれない…」 アルコールでとろんとした目を向けながらイザベルがひとつの推測を口にした。 「ボーリャック…?どういうことですか?」 ウーロンハイをチビチビ舐めながらオトーが尋ねる。うむ、と頷きながらイザベルは解説を始めた。 「ネーサのPTは女性たちで構成された極めて高いレベルのPTだ」 「はい、そうですね!」 「そこに、ネーサが「あなた」と呼ぶ異物が入った。」 「む…」 オトーが腕を組んでイザベルの話に聞き入る。 [2/2] 26/07/27(月)23:08:48 No.1453107272 「「あなた」が女同士なら問題はなかった。だが、男だった。ネーサと親密になれば、そこに仲間を超えて男女の仲になるという可能性が発生する」 「そうですっ!まさに私はそこを危惧してるのです!」 オトーががーっと吠えた。 「異性の「あなた」に興味を抱くネーサ。変わりゆくPTの空気、それはいつしかPTの不和を生み出す恐れに繋がる。…そこがボーリャックの狙いなのだ!S級冒険者のネーサの力を削ごうというあやつの!」 「おおっ!」 オトーがイザベルに尊敬の目を向けた。だが、何かに気づいたような顔をすると、慌ててオトーが弁解を始めた。 「で、でも、「あいつ」に限ってあり得ません。た、確かにラッキースケベまんだしすけこましだし息をするように女の人を口説きますけど超お人よしですし!」 「うむ、「あなた」が黒と断ずるのは早計だ。もしかしたら、「あなた」も知らないうちにボーリャックの掌で踊らされてる哀れなマリオネットの一人なのかもしれんな…」 「ボーリャック、恐るべし…」 ぶるるとオトーが身震いした。己ボーリャックの恐ろしさを改めて感じながらイザベルが口にした酒は、なぜか、普段よりも一段と苦く感じた。 26/07/28(火)21:21:40 No.1453356008 ケンカしていたあなたとオトーは、シヴァリーの横槍によって拘束されてしまったのだった 巧みな縄捌きによって、身動きが取れない。あなたは腹が立った。オトーがやらかすせいでこんな目に遭っているのだ 「何を言いやがりますかこの間男が!私こそ被害者ですがー!?」 「あー…めんどい。クラックラーやっちゃって」 ヌッと姿を現したクラックラが、あなたとオトーの装備品に手を伸ばす あなたは顔を青くし、オトーもどうにか逃れようと暴れ始めた 「待ってくださいホント、これ高かったんですから!大事な仕事道具で!!」 「だから…だから。高級な分だけ整った素晴らしい作りだから、壊したくなりますよね…!!」 碌に動かない手足で懸命にブロックするが、長くは持たない。クラックラの破壊癖は、あなたとオトーの装備を完全にロックオンしている 本当にヤバい。装備の魔術的抵抗力も永遠ではないのだ あなたが半泣きになったその時、救いの女神は現れた 「そこまで!流石にやりすぎよクラックラ、シヴァリー」 「まあ、ネーサがそういうなら」 「仕方ありませんね…チッ」 あなたは脱力し、床に転がった。しばらくケンカは避けようと誓った 26/07/29(水)21:16:29 No.1453635328 「久しぶりネーサ!顔見て安心したー!」 「会いたかったぁ!最後に話したの一年前かしら!」 レンハート王国からネーサの友人が訪れたのだった 世界を巡る冒険者であるネーサには、現地の縁が無数にある。友情を結ぶだけの交流になる事も珍しくない 当の友人は、勇者まんじゅうと勇者ファングッズをお土産として渡している。レンハートの民はこれが喜ばれると信じて疑わない 「ところで噂に聞いてたけど、ホントに彼氏できたんだねー」 「やだ、噂って…そんなに?」 ネーサと友人の視線があなたへと向けられる。改めて恋仲であると他者から言われるのは、なんともむず痒い話だ 「セーブナでも結構話題だったよ」 と嘴を差し込んできたのがシヴァリー セーブナ・ストリップの冒険者界隈でも、交際の件は大きく扱われているらしい 「そうなの…もう、何だか恥ずかしいわ…っ」 「おおー…恋は人を変えるって言うけど」 ネーサが両手で自身の頬を包み、身をよじる姿は、以前のネーサからは考えられないものだった シヴァリーもこれには呆れ顔を見せた 26/07/30(木)01:01:53 No.1453713921 1…2…3…4…5…1枚たりなぁぁい…! という訳で書類探しを手伝ってもらいたいんだ…依頼料は出すよ 頭の痛い事だけど、これでもウチは上等な方なんだ…荒事を引き受けがちな冒険者は、どうしたって頭に血が上る 些細と思ってる事は抜け落ちてしまう訳。そこへいくと我々ネーサ派は、必ず一度は財務に携わらせるからね 皆書類の重さを身をもって知っているんだ。だからと言って漏れがなくなる訳ではないのだけど この程度の事でネーサさんを煩わせる訳にはいかない。私カネヤの戦場といった所さ はぁ……私だってね、面倒だと思う事くらいあるさ… 君がこうして二つ返事で手伝ってくれていなければ、愚痴を肴に深酒してたかもしれないね ふむ。そうだ、手伝いついでに後で一緒に飲みへ行かないか?いい店を知ってるんだ 労をねぎらわせて欲しいな… 26/07/30(木)21:30:48 No.1453925609 ストレッチというものは、一人でおおよそ全身を伸ばせるように出来ている しかし二人で協力した方が、より効率良く柔軟出来るのだ 「ふぅぅ〜…………はぁ」 あなたはネーサの背中を押し、大きく開脚した脚の間へ上体を倒していく手伝いをしている 薄い運動着越しに伝わるネーサのぬくもりと柔らかさが、あなたを強く興奮させているが。欲情と運動は切り離しているつもりだ 「んぅ…はっ。それじゃあ交代ね!」 位置を入れ替え、今度はあなたがネーサに背中を押される あなたはよく鍛えた冒険者であるが、ネーサに比べるとやや身体が硬い。押されると途中から筋に痛みが走る 冒険者に柔軟性は必要だ。あなたは我慢し、我慢して、更に我慢する 「もうちょっと、頑張って…!えいっえいっ!」 繰り返し前へ前へ圧をかけていくと、次第に筋が根負けして伸びてくる あなたは長く息をついて、額に汗を浮かべながら、ゆっくりと前屈した 「すごい、背中が熱くなってきてる…あったかい…」 背中にネーサが覆い被さってくるのを感じて、あなたはちょっと困った 最大屈伸状態だと、ネーサを押し退けて元の姿勢に戻る力が出せないのだ 26/07/31(金)21:28:41No.1454204539 川が増水し濁流となっている 常人であればたちまち呑み込まれ漂流物とシェイクされる、恐るべき流れであるのだが あなたとネーサはボード一枚の上で流れを乗りこなしていた 「うわとと…結構危ないわね」 スポーツでやっているのではない。川の下流に用があるため、怒涛の勢いを利用させてもらっているだけだ 上下左右に激しく振り回されるものの、あなたとネーサの体幹と足腰ならば制する事が出来る 岩を避け、流木を飛び越えて、あなたとネーサは川下りを続ける 「いいペースね!予定より早く着きそう!」 唸る川の音量に負けないよう、掛け合う言葉は大声となる 時に怒鳴って知らせ、時に指差し、互いの流路上に危険物を知らせ合いながら進む そろそろ見えてくる筈だとあなたが思えば、ネーサが流れの先を指し示す。そこから先は断絶している すなわち滝だ 「そーっれ!」 あなたとネーサは同時に踏み切り、川と滝の境目で高く宙を舞った 眼下には広大な滝壺が広がっている。ここからが冒険の始まりだ 26/08/01(土)21:32:31No.1454524827 「ど…どうかしら…っ」 あなたからすれば至高の美であり、全局面において最も性的な存在である所のネーサだが しかしネーサ本人は、他者との身体的特徴を比較して、落ち込んだりする心がある そういう時あなたは付きっきりで、ネーサの性的な魅力を讃え回復してもらうのだ…滅茶苦茶役得である 「やっぱり…もう少し大きい方が…」 成長した結果豊かになるのであれば、それはネーサの新たな魅力であるが。無理に胸部を膨らませようなどと、言語道断だとあなたは言い切った あなたはネーサが好きだ。恋に落ちてから、ずっと好きだ。今目の前にいる、下着姿のネーサに対して、性欲が大変な事になっている ネーサがネーサである。その一点より大切なものはないのだと、あなたは胸を張ってネーサに告げた 「もう…そんなに言われちゃうと…私自惚れちゃうわよ…?」 多いに自惚れてもらって構わない。むしろネーサの魅力からすれば、自信が足りないくらいだ あなたは漲る欲求をネーサに押し付け、いかに素敵かを身体で分からせる段階へ移行した 「私のせいで、そんなになってるんだもの、ね……責任、とらなくっちゃ……」 26/08/01(土)21:56:59No.1454536040 まず謝罪の前に、ネーサ・マオ様及び、関係者の皆様にお知らせしたいことがございます。 この度、お姉様サイドに理解して頂きたいのは『私がここ1週間仕事が忙しく、お姉様粒子を摂取出来ていない』という事実であります。 そんな状態で私がパイオツカイデーのお姉様を見れば、完全にダッチお姉さまイフとカン違いしミーモーしたくなることは、不可抗力としか言いようがなく「あらあら、いいですね。」と、最終的にはおさわり1回ツェーマン(1万円)でなんとかなるかなと腹をくくった所存です。 その旨、何卒ご理解くださいますよう、この場を借りて切にお願い申し上げますと共に今回の一件は温かく見守って頂きますよう、重ねてお願い致します。 A級冒険者・世界のオトー 26/08/02(日)21:39:05No.1454901747 この時期、コスチュームが熱い! 嘘か真か、様々な有名人の格好をした人達が、あちこちで見かけられるのであった サカエトルはウァリトヒロイ王国女王の旅装を真似ている者までいる…ギリギリ不敬なのでは?とあなたは思わないでもなかった 「わぁ…私がいっぱいいるわ…」 一方ネーサは、微妙な顔色で人混みを眺めている ネーサ・マオなりきりガールが多いのだ。憧れられるのは慣れていても、ネーサの格好をした人達がズラリと並ぶと、流石に複雑らしい しかもそのなりきり一団は、無関係女子ばかりではないのだ 「お姉さ…ネーサ・マオです!」 「マオさ…ネーサ・マオです…」 「ネーサさ…ネーサ・マオだよ」 ネーサはこめかみに指を当て、ぐりぐりと揉みほぐした 取り巻き連中が何か悪い事をした訳ではない。よって叱るのも道理が通らない… あなたが指差し、蹴散らしてこようかと伺いを立てるが、ネーサは首を横に振った 「そこまで嫌って程じゃないの…」 ネーサがそれでいいのなら、あなたは放置する事にした 26/08/02(日)21:51:27No.1454907587 しばらく頭が痛そうにしていたネーサだったが、不意に吹っ切れると魔ンキへ駆け込み、戻ってきた その手には取り巻き達のやっすいコスセット 「何を悩んでいたのかしら。私も楽しんだらいいんだわ!!」 そこからはネーサ七変化。オトーに扮しクラックラに扮しカネヤに扮しシヴァリーに扮し…他にも取り巻きのあの娘やその娘に… 「結構楽しいわねこれ!」 堂々と巷を練り歩く仮装ネーサが目撃されたのだった 26/08/03(月)21:19:58No.1455176002 「や!」 ネーサが突然甘えん坊になってしまった。何をするにもイヤイヤ、トイレくらいしか自発的にしてくれない 突然の事にあなたは慌てたが…慣れてしまえばご褒美である。恋人が全力でああしてこうしてとおねだりしてくれるなんて あなたはネーサの傍で甲斐甲斐しく世話をした 「んん……っ」 一口ずつあーんして食べさせた夕食で満腹になったのか、ネーサは眠たそうにしている このまま熟睡してしまうのは良くないのだが、一度睡眠を取らせるなら構わないかと、あなたはネーサを抱きかかえる ベッドへと運ぶ最中、ネーサはあなたの胸に額を擦り付け、小さな声を漏らした 「……ありがとね」 派閥の長であり、S級冒険者でもあるネーサ・マオ。悩み苦しみが溜まる事だってあるだろう 発散先にあなたが選ばれて、誇らしさはあっても迷惑に感じる事はない これからも、何度だって甘えてくれたら嬉しい。あなたはネーサをベッドに寝かせると、その横で優しく背中を撫でつけた 「ん…はぁ……もう少しだけ、続けてほしいな…」 ネーサが元の調子に戻っても、二人は寄り添ったままでいた 26/08/04(火)21:21:30[1/2]No.14554593818 「お姉さま~~~!ここで働かせてくださいよぉ~~~!!」 新進気鋭のPT「キブリーズ」にトラブルが沸き起こった。一人は新入りのメンバー、ネーサ・マオ。パートナーの【あなた】と共に加入してきた超大物冒険者だ。その彼女が今、心底困り果てた顔をしながらキブリーズリーダーの「あなた」や、パートナーの【あなた】に救いを求める目をチラチラ向けている。 「ねぇさまぁぁぁぁぁ!!私もつれてってえええええええええええええ!!!」 そのネーサの足元には。彼女の妹分、オトー・コギラウィンが涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら、ネーサの足にしがみついていた。 PTのメンバー、それに【あなた】の「何とかしろよリーダー」という、無言の圧力に負けた「あなた」が渋々オトーとの面接に挑む。 オトーの主張は単純明快だった。 「お姉さまの居るところ即ち私の居る所!それに【あの人】とお姉さまを一緒にさせるわけにはいきません!」 その主張を聞いた「あなた」が【あなた】の方を向く。ネーサの隣の立つ彼が生暖かい目をオトーに向けているのを見た「あなた」は大体の事情を察した。 "さて、どうしたものか"と「あなた」は腕を組んで考える。 26/08/04(火)21:21:48[2/2]No.1455459488 シーフは既にフレイがいる。一方でフレイにはない彼女の高い戦闘力は魅力的だ。 「あなた」はチラリとネーサと【あなた】の方を見た。「あなた」は高い気ぶりを二人から感じ取っている。それ故に「あなた」はネーサ達を何日も口説いてスカウトしたのだ。 オトーのネーサへの執着からして、仮にオトーを雇うと二人のお邪魔虫として立ちはだかるのは目に見えていた。それを考慮するとここは断るべきである。 "だが…" 「あなた」はオトーにべろべろばーする【あなた】と、「ガルルルル…!」と【あなた】に威嚇するオトーを見比べる。 なぜか「あなた」はこの二人からも微かに気ぶりの気配を感じていた。だが、どう見ても二人の仲は険悪そのもの。これはいったいどういうことだろうか? 長い逡巡の後、「あなた」はオトーに首を縦に振った。 数年後、ウェディングドレスのネーサを右に、タキシードの【あなた】を左に、自身は間に挟まり満面の笑みでヴァージンロードを歩く、ウエディングドレス姿のオトーの姿があった。 "あの時の違和感はこういうことか…"と三人の誓いの言葉を聞きながら、一人頷く「あなた」なのであった。 26/08/04(火)21:38:44No.1455465819 「ウァリトヒロイ!いいところ!」 「「「ウァリトヒロイ!おいでませ!」」」 砂浜を駆ける女性陣の掛け声。ネーサの率いる合宿が始まっていた 他所の派閥からでも、意欲ある者はどんと来い。どいつもこいつも鍛えてさしあげると、大船を繰り出したネーサの元に、多くの冒険者が集った 男衆はあなたの後ろを走っている。平等がどうこう言っても、分けた方がいいものはあるのだ 「さあ元気よく!素振り6666本!」 「「「はいっ!」」」 初日は泣いて反吐を吐き散らしていた連中も、随分仕上がってきたものだ。わめこうが愚図ろうが、成し遂げるまで終わらない事に気付いたのだ 自ら踏み込んだ道である。更に苦労してもらおう。あなたも激を飛ばす 「向こうの島まで遠泳!朝ご飯は各々泳ぎながら獲ってくる事!」 「「「よろこんでー!!!」」」 ザブザブと海へ駆け込んでいく集団。あなたとネーサは後方から追い立てつつ脱落者がいないか見張る ネーサの瞳はキラキラと輝いている… 「皆とっても元気で、やる気いっぱいね!いい冒険者になるわ!」 26/08/05(水)21:24:10No.1455743364 「あははっ!そーれっ!」 「それは、お姉様!?ぶわーっ!!」 波打ち際でネーサとオトーが戯れている…戯れていた ネーサが一掻きで浴びせられる水量は、ちょっとした津波くらいある。哀れオトーは砂浜に打ち上げられた その隙をついて、他の取り巻きがネーサへと駆け寄っていく。オトーがとびきり目立つだけで、ネーサに友愛や親愛でない感情を向けている娘はそこそこいる 「いっぱい遊ぶわよーっ!捕まえてみなさいっ!」 海面を滑るその歩法。取り巻きの娘は結構本気で走っているのに、差が縮まらない やがて疲れ果てて、両手を肘についてうなだれる…次の娘がネーサへと近寄る 「えいえいっ!えいえいえいっ!」 手の中に水を溜めて、圧をかけて打ち出す簡易水鉄砲。しかしネーサがやれば、ちょっとした銃である 新たな取り巻きの娘も吹き飛んだ…まるでこれだとネーサが加減を知らないモンスターのようだが 取り巻き側こそ遠慮無用だと願い出たからこその惨状である あなたは腰を上げて、ネーサの相手をしに行った 26/08/06(木)21:34:27No.1456020739 「ん゛っ…!冷たくっておいしい!」 ネーサはソフトクリームを食べ、アイスクリーム頭痛を力で抑え込んだ。冷たいものを急いで食べると頭が痛むやつである 熱いから、冷たいから、そんな理由で食べるのを滞らせては冒険者ではない。もっとも、出店のアイスを食べ歩くのにそんな緊迫感は必要ない あなたはネーサのこめかみに指を添え、優しく撫で回した 「あったかい…もう少し続けてて…ありがと」 片手がネーサの手当てに塞がっているため、あなたは手に持ったソフトクリームを口に出来ない 舐めて食べても良いとはいえ、せっかく匙が付いているのである。想定される食べ方をしたい所だ そこへネーサの手が伸びると、匙を一すくい。あなたに一口分を向けてきた 「はい、あーん……どう?美味しい?」 あなたの口の中に甘みが広がり、それから幸せな気持ちが湧き上がってくる ネーサに食べさせてもらう事で、元々美味なアイスが百倍くらい良くなったように感じた 「すぐそういう事言うんだからぁ…私にもあーんしてっ」 あなたとネーサは交互にソフトクリームを食べさせ合った] 26/08/07(金)21:24:01No.1456308444 ウァリトヒロイ王国王都サカエトル。人々が行き交うこの街は、各国からの旅行先、観光スポットでもあった 娯楽、文化、歴史…多くに触れる事が出来る。食の充実ぶりも見逃せない そうして数多の人が訪れた後、最後に目を留めるのが、お土産である。サカエトルに足を運んだ証を買って買えるのだ 土産物としてそれほどメジャーではないが、買うと通ぶれるアイテムとして、こちらがある。ネーサ・マオペナントだ 「お土産屋さんにまで私の顔が並んでるって、不思議な感じなのよね」 ネーサは冒険者であるが、世界でもごく僅かにしかいないS級冒険者 しかもサカエトルに拠点を構え、動かす様子がない。これは観光資源にしなければ嘘というものだ ちなみにオトーのペナントもある。ネーサとオトーを合わせて買うか、単品を買うかで、その人の宗派がわかると言われている 「毎年新しく写真撮って、新デザイン売るのよ。カネヤがはしゃいでたわ」 土産物としてはそれほどだが、ネーサ推し達にとっては毎年新作が出る垂涎もののアイテムだ。そりゃもう売れる。財務は鼻が高かろう あなたも新作は購入済だ 26/08/08(土)01:06:01No.1456381581 「ウギャアーッ!」 オトーが飛び出してきた。詳しく理由を聞いてみると、自分ではない自分の体験が流れ込んできたのだという 「冒険者内でも、そういう症状はいくつか報告があるわ」 実在する病気。或いは何か能力の発現。いずれにせよ、オトーは正気であるらしい。あなたは暑さにやられたかと思っていたのは内緒だ 激しい動揺を見せる様子から、一体何を見たのか、聞き取りが行われる事となった 「なんて恐ろしい…私ともあろう者が!このっ!間男なんぞにぃーッ!!!」 つまりこうだ。あなたはネーサとオトーと重婚エンドした。そういう世界を見た 違う世界のあなたの決断に、この世界のあなたが何かを言う権利はないのだが。ネーサだけで良くない?と思った 一方ネーサは目の輝きが5割増になった。怖い 「オトー。」 「はい。」 「信じてるわよ。」 「はい。」 毎秒ハジケてるオトーがかなり怯えている。あまりの事にあなたは茶化す気も起きなかった 26/08/08(土)21:17:55No.1456625634 「そこで私は言ったのよ、あなたなら必ずやれるってね!」 取り巻きの娘らについて語る時のネーサは、大変誇らしげだ 取り巻き達がネーサを慕い愛するように、ネーサも取り巻き達を深く愛している。時に厳しい指導が飛ぶのは期待の表れだ 若干羨ましい気持ちがある。あなたはそういう期待とは無縁のまま、駆け上がった側だからだ 「あら?期待なら一番してるわよ。二人でならどんな困難も乗り越えられるってね!」 あなたは顔を真っ赤にし、唇を固く結んだ。恋人に真っ直ぐな信頼を向けられて、羞恥に染まっている とても嬉しい……あなたはネーサの手を取って、ネーサを信じ期待している事を言葉にして届けた ネーサにされて嬉しい事を、あなたは直ちに返したのだった 「そ、そう…?いざ言われる側になると、確かに恥ずかしいわね…っ」 あなたとネーサは手を繋いだまま、モジモジと恥じらった 伏せた視線をそろそろと持ち上げれば、丁度目が合って、真っ赤になってまた伏せるのを繰り返した 26/08/09(日)21:19:58No.1456994262 「短剣ですら少々重くてね、恥ずかしい話さ…」 あなたはカネヤに稽古をつけている。戦う人としての冒険者に憧れがあったらしい 一般向けの護身術程度なら身につけているものの、怪物や超人と戦う肉体はしていない。事務屋の手をしている 新人研修程度の事なら、あなたにも出来る範囲だ 「ネーサさん達に頼むと、親身になりすぎてね…君なら信用はしているし、適度に突き放してくれるだろう?」 仲が良いというもの、必ず良い結果に繋がるものではない カネヤの可能性を信じて扱きすぎたり、些細な怪我でもうろたえたり。これでは満足な指導にはならないだろう 素人よりマシレベルまで仕立てる。普通にやれば容易い事なのだ 「じーーーーっ……」 ネーサの熱視線が刺さっていなければ 「今日はここまでにしよう…ネーサさんによろしくない女だと思われては生きていけないからね!」 カネヤの声には切実さがあった。実際ネーサに嫌われたりしたら、自死を考えるくらいの一大事であろう あなたも浮気しているとは思われたくない。解散と同時にネーサへ駆け寄った 26/08/09(日)23:04:58No.1457037306 キスしないと出られない部屋にハマったのだった 正確に言うと、キス略部屋を見つけて、自主的に入ったのだった。普段なら被害者が出ないよう、取り壊す所だが… この部屋にはあなたとネーサしかいない。仕掛けた犯人が見ている可能性はあるか 「ふううーーっ……はあーーっ……!」 久しぶりの事に、ネーサは緊張している。誤解のないように言っておくが、キス自体は毎日やっている キスを義務化される空間で致すのが、随分久しぶりの話だ ネーサはあなたを見て、すぐに顔を逸らす。一方あなたも、視線を下に向け挙動不審になっている キスしなければならないという意識が、何とも恥ずかしい。しかしいつまでもこうしてはいられない 「それじゃ…その……しましょ!」 ネーサは覚悟を決めた風の声を上げるが、その顔は真っ赤に染まっており、身体も小さく震えている あなたはゆっくりと顔を上げ、互いにその瞬間を期待している事を認識し、わずかに後ずさる じりじりと開いた距離を詰め直して、慎重に顔を近づけていって…… 「…………」 あなたとネーサは無言で部屋を出た。出てから部屋を取り壊した 26/08/10(月)22:19:46No.1457332840 次々と花火が打ち上げられていく。満天の星空よりなお眩い閃光が、花を咲かせていく あなたは目を細め、色とりどりの花を見つめる。あなたは花火が好きだ 視界を空へ向ける中、それ以外の感覚は隣へ向けている。寄り添って花火を眺めるネーサの事を考えている 「綺麗ね……」 確かに花火は美しい。あなたは首肯しつつ、浴衣姿のネーサを脳裏に思い浮かべている 負けず劣らず、どころかこの世のいかなる美も道を譲る美しさであったが…それを口にするのは、後でいい 一緒に花火を見る時間を損ないたくなかった…そう思いつつも、鼻はどうしても匂いを嗅いでしまう 爽やかな石鹸の香りと、出店巡りの中でかいた汗の匂い。あなたの恋人の匂い、好きな匂いに意識が引っ張られる しかも浴衣越しに細い身体の線を感じ取れる。所構わず抱き締めたくなる柔らかさだって伝わってきている あなたが上位冒険者になるまで鍛えていなかったら、花火の事など吹き飛んでいただろう。思考の分割技術は便利だ 「来年も…一緒に見られたらいいわね…」 花火を眺めながら、あなたはネーサの肩を抱き寄せた 26/08/11(火)21:32:18No.1457640939 雨が降っても槍が降っても、突き進まなければいけない時が冒険者にはある あなたとネーサは豪雨の中、ぬかるむ地面を強く踏みしめて、一歩ずつ前へと進む 打ち付ける雨は雨具越しでも体温を奪い、少しずつ消耗を強いてくる 「ふぅ…ふぅ…ひどい天気ね…」 ネーサはうんざりとした顔で、空を見上げる。雲は分厚く光を遮り、夜空を思わせる暗い世界を生み出している 勘と経験、加えて事前調査がなかったら、歩いているだけで道に迷いそうな状況だった 拭っても取り切れない、汗とも雨ともつかないものを払い、あなたはネーサの様子を伺いつつ進行する 「休むにしても、まだ進んでおきたいわよね…ああもうっ、私だって疲れるんだから!」 ネーサの目も、あなたの具合を横目に捉えている パートナーが崩れやしないか、絶えずチェックするのが、二人組冒険の基本である 愚痴りつつもネーサの体力に余裕があるのを見て取り、あなたも小さくガッツポーズを返す 雨風にも、あなたとネーサの歩みは遮らせない 26/08/12(水)21:39:14No.1457972565 槌を振るう音がする。赤々と火の立つ音がする あなたとネーサは共同で、新たな剣を生み出そうとしている。二人共知識はあっても、剣づくりは初心者である ネーサ愛用の二振りには、並びようもない。では何故作るのか…やってみたかったからだ 「中々の重労働ね…汗がすごいわ」 ネーサは額の汗を拭い、あなたも目に流れ込みそうな汗を落とす 労に見合う傑作が生まれる事はないだろう。サカエトル武器屋のセール品にも劣るかもしれない それでも、この手を取り合って、打ち上げてみたかったのだ。好奇心と意欲とが、あなたとネーサの手を突き動かす 「えいやっ!えやっ!それっ!」 息を合わせて相槌を打つ。鉄の塊が、徐々に剣へと変わっていく 世に鍛冶師が絶えない理由というものを、あなたは肌で感じている。作り上げる工程は、辛くて楽しい 刃を磨き上げ、仕上がったものを二人で手に取る 「……ひどいわね!バランスが悪いわ!」 あなたとネーサは苦笑した。それから、完成した一振りを持ち帰り、家の剣棚に飾った 26/08/13(木)21:34:36No.1458289243 あなたとネーサは強く踏み込んで地を駆ける。一分一秒が惜しい事態だ 依頼遂行中に行方不明となった冒険者の捜索と救出。生存確率は、早く見つける程上がる。あなたもネーサも視線を絶えず巡らせつつ、走り続ける 血の臭いが鼻についた 「見つけた……ああっ」 見つけたそれには、捜索対象の面影が残っている。しかしもう…半分ほどは原型を留めていなかった あなたは一拍、目を閉じる。それから軽くなった対象を担ぎ上げる この世界において、死は断絶であるが。ただ死んだだけならば、まだ帰ってこれる可能性がある 「道は私が拓くわ。全速力で行きましょう」 途切れた糸を結び直せる可能性も、早く帰還するだけ上がる。この冒険者の魂が、今も肉体にしがみついている事を祈るしかない これ以上形が崩れないように、あなたは対象を布で包んだ後強く抱え込む 決意迸るネーサを前に、あらゆる者が退く。あなたはその後に続き、出せる限りの速さで走った 26/08/14(金)21:22:10No.1458620912 魔剣だ!魔剣は何本あっても良い。用途ごとに使い分けるのが賢い冒険者なのだ…という理論武装をしたかった そんなゲームじゃあるまいし、武器屋よろしく何本も管理するなど現実的ではない。それに持ち歩くと重くてかさばるのだ そういう訳で、あなたは金銭的に買えるかっこよくて強そうな魔剣を、見送らざるを得なかった 「ああ……っ!素敵な剣…でも、でもっ、絶対に持て余すし…っ!」 ネーサもあなたと揃ってショーケースにへばりつき、美しい輝きを未練がましく眺めている 欲しい。これ欲しい。これ買うの。と言えたらどんなに良いか!! 飾って楽しいコレクションにするのは本意ではないので、無駄買いは避けなければならない 十分に使いこなせる剣士の手元へ行き着く事を願うばかりだ… 「ちょっとだけ、ちょっとだけ素振りさせてもらうだけなら…!いいえ、ダメダメ、絶対買っちゃうやつだもの…」 これ以上見ていると、本当に買ってしまいそうになる あなたとネーサは泣く泣く一歩下がり、二歩下がり…未練がましく何度も振り返りながら、魔剣の下を去った… 26/08/15(土)21:26:02No.1458963153 冒険者向け漫画雑誌、冒険大王の発売日だ。あなたは毎月買っている 月刊という事で中々厚みがある。冒険者の実態をコミカルに切り出した漫画達は、中々面白く読み応えが高い 買って帰った大王をテーブルに置き、一先ず用を足そうとあなたはその場から離れる…しばらくするとそこには 「くふ…っ今月もどこかで聞いたみたいな話ね…っ」 あなたもまだページを開いていない大王に指をかけ、中身に目を通しているネーサの姿が! なんて事を…あなたは驚き、その後駆け寄った。これはあなたが買ってきた大王なのだ 「そんな固いこと言わなくてもいいじゃない…読む順番が変わっても内容は同じよ」 あなたが本気で怒っていないのを分かっているため、大変ふてぶてしい態度で応じるネーサ 実際あなたに怒りはないのだが。先を越された上開き直られるのはちょっと悔しい ネーサの両手が塞がっているのをいいことに 、あなたは仕返しする事にした 「んっ…ちょっと…ふひっ!やっ、やだ、くすぐりはっ!くっ、ひっ!はひっ!」 あなたの手に悶えながら、それでもネーサは大王を離さなかった 26/08/16(日)00:12:16No.1459025229 強さに限界なんてない。成長とは足を止めた時に止まるものなのだ あなたは一段飛ばしに駆け上がってきたが、ネーサはあなたに追い付かれてそのままだったか。そんな訳はない 肉体を振るい、技巧を尽くし、知識を取り入れ実践に試す。日々磨き上げ、また土台を大きく育てる 才能や潜在能力という言葉で片付けられるものを、ネーサは地道に鍛え上げてきた 「ふっ、やぁ!りゃりゃりゃ!」 その矛先に誰より早く晒されるのはあなたである。毎日少しずつ鋭さと速さを増す剣閃に、冷や汗をかきながら対応する 実に光栄な話だ。ネーサに対等なパートナーとして見てもらえる時、あなたの胸は幸福感が湧き上がる あなたもまた、ネーサに追い付き追い越さんと鍛え続けている。並んだに見えた差を広げるか、縮めて追い抜かすか、絶えず競い合っている 「んぐっ…!また重くなって!でも負けないんだからっ!」 剣戟がぶつかり合い、衝撃で大気が吹き飛ぶ。一瞬、真空状態の中でなお斬り合う 「    っ!」 声が声として届かないまま、構わず叫び激突する あなたとネーサの限界が上昇した! 26/08/16(日)21:17:15No.1459324123 店の中に入ると、外からは伝わらない熱気が立ちこめていた 卓の一角に人々が集い、何やら応援をしている…見れば縦に分厚く横に広いステーキを、せっせと切り分けて食べる者あり 大食いチャレンジ中のようだった。あなたとネーサは賑わいを眺めつつ席につく 「あのお肉、美味しそうね…」 ネーサの呟きにあなたも同意する。サイズに対して随分丁寧な仕事をしているようだった 生焼けはなく、焼き過ぎもなく、ナイフを通せば極上の食感を確信させる手応え。その程度の事は、あなたとネーサなら見ればわかる 期待を胸に店員に注文を飛ばす 「この4キロを二人前で」 店内がざわつく。しかし挑戦者のメニューに比べれば軽い方の筈である。というかそんな人の注文に意識を向けるものではない 沸き立つ気持ちに身を任せ、ナイフとフォークを構える。まだか、まだか、期待が腹を空かせる そうしてドンと並んだ二人前。あなたもネーサも勢い齧り付いた 「ん~~っ!とっても美味しい!」 大食いに挑戦などしない。あなたとネーサは今日、食と戦いに来たのではないからだ あまりの美味さにワッと食べ終え一服。未だ苦戦する挑戦者を、心の中で応援した 26/08/17(月)21:10:49No.1459627046 「フィールド!!」 ネーサフィールド(仮称)は、展開すると外部からの攻撃を軽減し、内部のネーサとネーサのパーティーメンバーに回復効果をもたらす 名前は良いものが出て来なかったため、暫定的にオトー案のものが付けられている。不採用群の中で、一番分かりやすい名前だったのだ このフィールドを張ったネーサは、普段の倍強いと思っていい 「てやぁーっ!!」 躍りかかるネーサに、あなたも続く。フィールドの恩恵を受けているため、ひどく戦いやすい 戦闘の趨勢を傾けるフィールドの用意くらい、武闘派の上位冒険者なら出来て当然。あなたも少しは心得がある 僅差を大差にする。敵のワンチャンをノーチャンにする。使えるだけ得であり、使わない理由がコレと言ってない 「ふっ!はっ!そっち、お願い!!」 ネーサが圧をかけ金床と化し、あなたが槌となって挟み砕く 余裕の勝利であった。余裕を保つためのフィールドであった。あなたはネーサと得物を軽くぶつけ、戦勝を称え合った 「ふぅ…お疲れ様!」 フィールド効果でキラキラと輝くネーサは、大変美しかった 26/08/18(火)01:21:55No.1459708345 マケフィ2だけはガチというのがやり込みプレイヤ達の共通見解である ネーサルート完遂のために避けて通れない復活マケフィ(以下マケフィ2)であるがその性能は多くのプレイヤを苦しめてきた 悲恋の呪いがネーサに決まるとその時点でバッドエンドに直行してしまう…問答無用の即死ぶりに無法だという声が上がったが…同時に楽勝だったとする報告も多く上がった 悲恋の呪いは操作キャラとネーサの親密度とネーサのレベルを参照した値のみで抵抗できる…つまり時間をかけてレベル上げと関係の進展を選んだ者は容易くマケフィ2を狩りプレイヤの技巧や装備で対策しようとした熟練者は討ち死にしていったのだ 26/08/18(火)21:39:14No.1459924381 普通下水道掃除など、S級冒険者はやらないのだが。どうも巨大なモンスターが住み着いたらしいという事で、あなたとネーサは調査兼退治をしに来ていた ひどい臭いがする。華やかな文明を保つには欠かせないものだが、当事者になるとたまったものではない 「懐かしい臭いだわ…うっぷ!」 ネーサとて生まれた時からS級ではない。下積み時代には下水に浸かりもしたのだろう 辛いな嫌だなと思いつつも、あなたとネーサの足は止まらない。進む事しばらくすると 「あちゃあ…瘴気溜まりが出来てたのね」 陰の気や負の気、瘴気と呼ばれるもの、穢れが一箇所に留まらないよう開発された下水道だが 何か大きなものが流れ着いたりすると、それを起点に結集してしまう 溜まり溜まった汚物は、やがて強力な魔物と化すのだ…遭遇戦という状況に限れば、腕自慢のA級でさえ危ういか 「綺麗さっぱり払ってあげる!たあっ!!」 もっとも今のように先手を取れる出会いであれば、C級でも容易い相手である たちまち中核となっていたものごと破砕され、下水の悩みは解決されたのだった 26/08/19(水)21:19:47No.1460213266 宝箱の開閉には危険が伴う。開けようとした瞬間罠に襲われ、生涯を終えた冒険者は数多くいる 危険があっても、宝箱には誘引力がある。吸い寄せられるように、あなたも見つけた宝箱へと近付く 中身は何だろうか、誰かのお手付きではないだろうか。考え事をしながらフラフラと…そこであなたの足が止まった 「ダメよ。」 ネーサの気当たりだ。あなたは瞬時に臨戦態勢へと入り、浮ついた気持ちが霧散していた あなたは反省し、ネーサに感謝を告げる。数多くの冒険者に同道する所だった しょうがないなと言いたげな顔のネーサだった…が、次第に足運びが浮ついたものになっていく 「でも…気になるわよね…宝箱って…あの中身何かしら……ハッ!?」 あなたは闘気をぶつけて、ネーサの意識を引き戻した これは職業病みたいなものであり、自らの意思で踏み止まる事は不可能ではない。ないが、強い心と時間を要する 冒険者が複数人で組む理由の一つと言えるだろう。餌に釣られていったら張り倒す訳である 「オトーもいないし、ここは力でいきましょう!」 遠くから箱をぶち壊す。罠の解除が不安な時は、これが正解なのだ 26/08/20(木)21:17:17No.1460498717 塩分水分タンパク質…他にも諸々取れる。つまり冒険の最中に作る料理とは、シチューやスープで良いのだ 現地調達した動物をいい感じに切り分け、いい感じに塩を振って、安全そうな草とまとめて煮込む ご馳走である。普段ならもう少し手を加えた方が良くない?と言いたくなる所だが、疲労の溜まった身体には強烈に染み渡る。ありがたみが半端ではない 「ん…いい味!できたわ!」 解体した動物の皮などを片付けているあなたに、ネーサが喜色の乗った声をかける 早速器を手に駆け寄れば、鍋の中でグツグツと見慣れない肉が良く煮えている。草からもなんか微妙な色が滲み出ている 盛られたそれに、あなたは手を合わせる 「神と国と人と、糧なるものに感謝を込めて。いただきます!むぐ……あぁ~お腹があったまる~」 カラカラになっていた胃袋に、何とも言えない味のシチューが流れ込んでくる。普段なら眉間にシワが寄る味だ しかし美味い。空腹は最高のスパイスだと、昔の人は評したそうだが、全く言う通りである 「おかわりもあるわよ!私はもうおかわりしてるわ!」 流石はネーサ、早業だと思いつつ、あなたも急ぎおかわりした 26/08/20(木)22:08:08No.1460516513 以前ザンテツさんがギルドに依頼を出していたことがあったのよ 料理本を作っているのでいろんな食材を集めて食べて情報提供してくれる人を募集するって お腹がすい…料理研究のお役に立てるならと私も依頼を受けたのよ でもクビになっちゃったの 「なんでも美味しく食べれすぎてかえって参考にならない」 ですって…ねえそんなことないわよね?私普通よね?オトー? 26/08/21(金)01:50:24[ザンテツ]No.1460580632 ネーサ・マオについて 己がギルドを去ってから加入しS級にまで登り詰めたという期待の新星 依頼で出していた研究用の動植物の料理の毒見役として来てもらった 結論から言えば被検者として成り立たないため論外であった だが彼女の非常に頑丈な体質は冒険者として非常に素晴らしいと言えるだろう 研究としては失敗ではあったが己が作った料理をああも旨そうに平らげてくれたのは料理人の端くれとして誇らしく思えた 追記:毒であった料理すら平気で平らげていたことが分かり後ほど解毒剤を届けたのだがけろりとしていた 己の研究の被検者として不適格極まりない冒険者であったなと心の内で驚愕した 26/08/21(金)21:19:11No.1460788706 道具は少ない程よい。道具はシンプルである程よい ありふれたナイフに十得以上の仕事をさせてこそ冒険者、装備重量を工夫で切り詰めるのは基本なのだ 見るがいい、磨き抜かれたネーサのナイフを。主武装にも見劣りしない格を持ちながら、薬草取りにまで使われる働き者だ 「よっ、と…いつ使ってもうっとりしちゃう…!」 切れ味は素晴らしいの一言。強度も凄まじく高く、仮に竜の爪牙と打ち合いになっても欠けないだろう 壁に突き立て足場となり、土を掘って資料を取り、鍵穴にねじ込み粉砕する。万能役者である あなたは自分なりにいい感じのナイフを忍ばせているから平気だが、そうでなければ涎を垂らして羨ましがってしまうだろう逸品だ 「やっぱりいい道具はいいわよねぇ…ところで、ちょっとでいいから交換してみない?ねっ?いいでしょ?」 あなたがネーサのナイフに欲をくすぐられるのと同じくらい、ネーサもあなたのナイフに執着心がムズついている 取らないから、本当に盗らないからと互いに固く約束をした上で、ちょっと使い心地を確かめ合ったのだった 26/08/22(土)00:10:42No.1460850638No.1460850638 ngそうだねx5 「オトーがね…その…すごいでしょ…?」 ネーサは美しく勇敢で、優れた所ばかりの女性であるが、人並みの感性も持ち合わせている 時には身体的特徴の大小を気にして、落ち込んだりもするのだ あなたにとっては一つの文句もない、美を極めたような肢体であるのだが。見て、触れて、どれだけの幸せを感じたか、思い出すだけで鼻から血が滴りそうである 「ちょっと、聞いてるの?」 勿論聞いている。しかしあなたは今、興奮を落ち着けるのに苦労している 今日のネーサは何やらバニースーツを身に着けているからだ。身体の線が鮮明であり、胸元に至っては何時曝け出されるかわからない、大胆な格好 何やらネーサ派の企画らしいのだが…細かい事はどうでもいい。あなたは網膜にバニーネーサを焼き付ける 男性として収まらなくなるものを、グッと抑えつつ話を聞き続ける 「聞いてもらえたら、少し楽になったわ…ありがとう」 そう言うとネーサは、あなたに身体を預けてくる。こうなると、胸元の奥が簡単に覗けてしまうではないか 「言葉の次は…行動でも…その…自信付けてもらえるかしら…」 ネーサに誘われるまま、あなたは手をスーツの中に潜り込ませた 26/08/22(土)01:17:25No.1460867492 これはあなたがネーサ派閥に加わって優秀な冒険者を目指す物語だ… ネーサ派の一員になり高ランク冒険者を目指そう! 個性的なメンバーの指導を受けてより強く賢くなろう! 仲良くなったキャラは依頼や自由冒険に誘えるかも!? 個人と派閥の交流に関わり物語を作ろう! そして…ネーサ・マオに挑む事も!S級冒険者を超えるのだって夢じゃない! 新作芸夢 ネーサのギルドへようこそ!~新人冒険者奮闘記~ 6666年8月27日発売! 26/08/22(土)21:11:43No.1461128393 ネーサ派はデカい派閥なのである。冒険者の集まりではいられず、組織としてまとまらなければならなくなったくらい大所帯なのである そんな多数の冒険者を率い、導いているネーサはまさしく傑物という他にない しかしカリスマ溢れるネーサであるため、その身体と心を狙う者もまた絶えない…交際相手であるあなたの悩みの種だ 「死ねーっ!間男死ねーっ!!」 「こらっやめなさい!オトーあなたは止める側でしょ!」 ネーサを狙う雌猫筆頭のオトーが、仲間を連れてあなたに襲い掛かってきている。全く血の気の多い事である 理屈で言えば、あなたが亡きものになればネーサはフリーとなるのだ。それで正面切って刃を向けるのはいかがなものかとか、そういう事を暴徒は考えない あなたは得物を抜き放ち、一息に跳ね飛ばした。人数が仇になる 「何をこの程度、ぐえーっ!?」 「ああっ!皆だんごになって飛んでいっちゃった」 オトー一人なら避けられただろうが、吹き飛ばされた仲間に巻き込まれる形でやられていった あなたは勝ち名乗りを上げた。愛と正義の勝利だ 「愛って…もうっ!」 頬を赤く染めるネーサが愛らしかった 26/08/23(日)21:20:00No.1461507086 極寒中華なる料理の存在を聞き、あなたとネーサは早速味を確かめに来たのだった 噂によると食べた瞬間強烈な冷気に襲われ、日差しの下でも凍える目に遭うのだという。実に冒険的な話ではないか 席についたあなたとネーサは、摂食の結果いかなる異常を受けても構わない旨サインをする 「極寒中華、2丁お待ちぃ!」 「来た来た!見た目からもう寒そう!」 黄色を主体にした冷やし中華と違って、透き通るような青白さが器を制している 見ているだけで冷気が漂ってくる…あなたは恐る恐るたぐり、口の中へ送り込む !!!!!ゾッとするような冷感!!内側から身体が強制的に冷却されていく! この暑い日の中で、低体温症になりそうだ!あなたは慌てて全身を強烈に震わせる 身体に発熱させながら、続けて麺と具を食べ進める 「さっ寒いぃ~!でもこれ美味し…でも寒いわ~っ!」 ネーサも歯の根を鳴らしながら、器の中身を減らしていく 食べ終わる頃には、寒くて仕方がないのに汗まみれだ ちょっと死ぬんじゃないかと思ったが、押して体験する価値のある料理だった… 「すごい料理だったわ…今年はちょっと遠慮したいけど、来年また来たいわね!」 26/08/24(月)21:14:53No.1461815716 依頼を受注したならば、どんな案件でもやってみせるのが冒険者 例えばこのブリキトカゲを数日預かって欲しいという依頼だって、ギルドの掲示板に貼られれば冒険者が引き受けるのだ 体長がなんと女性の身長二人分という、ペットにしてはデカすぎるブリキトカゲ 鱗がブリキのように鈍い輝きを放ち、ひどく頑丈である所から名付けられたこのトカゲは、大変獰猛である 「よーしよしよしいい子ねー」 あなたの腕へ牙を突き立てている間に、ネーサが鱗の手入れをしている 半端な冒険者であれば、肉を引き千切られ骨まで味わわれる所である。あなたはネーサに並ぶべく、大変鍛えているから全く問題にならない ギチギチと肉に牙が食い込む中、ネーサの素早い手付きが鱗を整えていく。流石はネーサか、トカゲの扱いも心得ている 歯が立たないと見たのか、ブリキトカゲは顎を解放して回れ右していく。あなたは歯型の付いた腕を洗った 「助かったわ、お疲れ様!傷になってない?」 ネーサの手が拭く前の腕に触れて、その感触がなんともくすぐったい ふと視線を向けると、ブリキトカゲが白けた目でこちらを見ているように見えた 26/08/25(火)21:31:03No.1462115728 銃だ。あなたは銃が好きだ。ギッチリと詰まった機構に美を感じる しかしあなたは銃を使わない。ネーサもそうだ。繰り返しになるがあなたは銃が好きだ この銃というものは、銃単体で威力を完結させている。それでは困る。あなたやネーサが求める破壊力に到達できない 「うーん…やっぱりダメね」 あなたが発砲した拳銃弾を、ネーサが生身で受け止めた。その肌は内出血すら起こしていない 更に攻撃力を高めようとすれば、より大型により複雑に、より重くなる そうなるともう、剣でいいじゃないかという話になってしまうのだ 「夢はあるんだけどね…技術の進歩待ちかしら」 ネーサは残念そうにリボルバーを弄んでいる。巧みなガンアクションは、結構な回数弄った経験を表している 冒険好きのネーサが、新兵器種に惹かれない訳がない。こうして威力検証会だってやるくらいだ あなたとネーサにとっては、まだまだ寝かせるべきジャンルであった…あるいは、横から信じられない威力の銃が飛び出してくれば 「出てこないかしら…出できたらいいのに…」 あなたとネーサは夢みたいな話をしてから、揃ってため息をついた 26/08/26(水)21:24:51No.1462416379 「今日は静かね…」 ネーサ派は大きな派閥であり、多数を擁している。しかし常に一丸となって活動する訳ではない オトーとシヴァリーはそれぞれ組んだ連合のリーダーとして大きな仕事をこなしに クラックラはまた別の冒険者達とパーティーを組んで出立。カネヤは財務としての会合に出席 ネーサ派の集う家は、本日大変人の気配が少なかった 「私達二人でいても、誰も騒ぎ出さない…」 ネーサは大きく伸びをし、それからあなたの肩に頭を預ける。広間に視線はなく、少ない取り巻き達もそれぞれ部屋で休んでいたり、自主練に励んでいたりする 実質的な占有状態と言えた。この空間と、ネーサの両方だ。あなたはネーサの肩を抱き寄せる 「皆いないのはちょっと寂しいけど…こういう時間もいいものね…」 和やかな時間が流れる 広間に何人かの取り巻きが入ってきて、あなたとネーサが身を寄せ合ってるのを目撃する 当然その気配には気付いているが、見られていないフリをして、あなたとネーサはしばらく触れ合いを続けるのだった 26/08/27(木)21:07:05No.1462694552 ネーサは大いなるS級冒険者であり、その発言力と牽引力は計り知れない 時に多くの冒険者を率い、一つの目的へ団結させる役割も担う 日々自らが先頭に立つ冒険者でありながら、集団の指揮も取れるのだ。すごい 「他人事みたいに言って…高位冒険者ならいつかはやらなきゃいけない事よ」 あなたは指揮経験がほとんどない。小規模なパーティーをなし崩しに先導したくらいだ ネーサに並ぶべく研鑽と冒険の日々に塗れていたのだから、高位冒険者に相応しい振る舞いはまだまだ抜けが多い 教わる事が多く、あなたはネーサに頭が上がらない 「そこまで申し訳なさそうにしなくてもいいわよ。私も教える事で復習になってるし」 談笑の合間も、ネーサの采配に曇りはない。あなたに手本を示し、意図の説明をする余裕さえある これは油断ではない。あなたの研修をしながらでも、必要な指示は不足なく飛ばせるという余裕があるのだ 腕っぷしでは後れを取る気のないあなたであるが、冒険者としての総合力ではまるで歯が立たないと思い知らされている… 26/08/28(金)21:09:05No.1462986175 “マキコ・ヨサノは何故ネーサ・マオを殺さなかったのか“二人の公開決闘、その結末を関係者への取材を下に紐解くノンフィクション本だ 当時実力派として名を上げていたマキコと、その競合相手と見られていたネーサ。対決は不可避のものであった 下馬評ではマキコ優勢の声が強かったが、勝者はネーサ。一体何があったのか… 「厳しい戦いだったわ…今でも思い出すと震えが来るの」 ネーサは当時を振り返り、あなたにそう語った。戦いを制するべく、マキコの戦略戦術を調べ尽くし、身体に対策を覚え込ませたのだという 実際の戦闘映像において、ネーサはマキコの戦法に合わせながら、ここ一番で相手の攻めを挫いている 余程の研究だったろう。眠れない夜もあったかもしれない 「マキコさんには、とても良くしてもらってたのよ……決闘が避けられないなら、せめて力を示すのが恩返しだと思って…」 ネーサに敗れると、そのままマキコは冒険者を廃業してしまった 作中曰く『敗者に口無し』恨み言さえ、勝者には与えられなかった 「どうするのが正解だったのかしら…」 後悔の滲むネーサを、あなたは抱き締めた… 26/08/29(土)21:11:58No.1463322661 「お土産買ってきたわよ!」 どかりと、ネーサ派のハウスに大きなものが積み上がる。あなたやネーサだから苦もなく運べたが、中々の重みだった それは丸くて、厚みがあって、甘い匂いを漂わせている 「お姉様、これは…?」 「大回転焼きですって。職人が周囲を回りながら焼いていくから、そう名付けられたそうよ」 ローカルな名前が無数にあるあの菓子を、そのままスケールアップしたものであった 製法が違う、サイズが違う事から、固有名として大回転焼きと名付けられている あなたとネーサが冒険の帰りに一つずつ食べたところ、大変美味であった 受け取ったオトーは自身の顔より大きな大回転焼きを持ち上げて、四方から観察している 「随分大きいですね…一つで何人前ですか?」 「一人一つよ!取り合いにならないよう、人数分あるから」 オトー他、取り巻き達の顔色が微妙に悪くなったのを、あなたは見逃さなかった 冒険者なのに食が細くて、よくやっていけるものだと、あなたもネーサも日々不思議がっている 皆もっと食べるべきなのだ 26/08/30(日)00:13:03No.1463390258 「条件を満たすまで永遠にループする構造…理屈は分かったわ」 奇妙な地下道に閉じ込められたネーサ・マオは、屈伸と伸脚をした後、手首足首を揺らし始めた。 「素直に条件を達成するのもいいけど…やっ!!」 駆け出すネーサ。その速度は一瞬にして衝撃波が発生する域へ。 ループ、ループ、ループ、ループ!ループ!! 「仮称仕掛人が新たなエリアを用意するより速く!突き抜けるっ!!!」 その駆け足は速かった。それはもう、速かった。 ネーサという個人が、帯状に伸びて見えるくらいの速さ。床に踏み砕かれたタイルが散らばる。 刻んだ足跡が消える、消える、消える…その時、前触れなくネーサは宙に放り出された。 「やった!たぶん脱出ぅっ!!」 走る速度が、仕掛人(人かどうかはともかく)の処理速度を超えたのだ。 唐突に通常空間へ現れた美女を見て、元々の地下道にいた人々は驚きたまげていた。 「ふぅー……汗かいちゃった…」 26/08/30(日)21:19:53No.1463695637 列車が運用されるようになって、長い時が流れている。しかし、線路の安全は約束されていないのがこの世界である 装甲を施し、武装を積み込み、更に戦闘員待機車両を組み込んである。乗客安全のため、欠かす事は出来ないのだ 「来たみたいね…迎え撃ちましょう!」 あなたとネーサは待機車両から腰を上げて、一躍外気の人となる 列車へと群がり来る魔物!迎撃に放たれる火砲!さながら戦場の様相 ネーサが早駆け、あなたも逆側へと繰り出す。車両と速度を合わせながらの交戦など、武闘派の冒険者なら出来て当然である 無数の襲撃者へと、あなたは次々攻撃を繰り出す 「はっ!せい!接近禁止よ!!」 ネーサも敵集団を鮮やかに切り崩し、支援射撃と併せて脅威が急速に弱まる 後はもう、放っておいても列車に追いつけはしない。あなたとネーサは駆け足で車両へ飛び移り、土埃をはたき落とした 「こほっこほ…うぇぇ、口の中に砂が入っちゃった…」 自然に口の中を見せてくるネーサ。あなたは戦闘の余韻ではない胸の高鳴りに、顔を赤くした 26/08/31(月)21:19:25No.1463997067 爽やかな風が肌を撫でていく。このところ涼しくて、過ごしやすい日が続いている あなたとネーサは、家の庭に出て風を浴びている。大きく息を吸って、熱の溜まった呼気と入れ替える 「風が気持ち良いわね…これから段々涼しくなってくのかしら」 そうなると、ネーサの薄着姿を見る機会が減る。あなたは邪な喪失感を覚えた しかしあなたは、ネーサの重ね着姿も好きである。邪な期待にあなたの胸は高鳴った 軽く足を運ぶと、少し頭を出した雑草が、庭先で揺れている。あなたは無言で摘み取った 「……二人暮らしには、少し大きいかしらね?」 マオ邸は大きく、あなたとネーサの二人で生活していると、目の届かない所が増えてくる しかも二人して冒険に行くこと度々なのだから、維持出来ているのはそれなりに頑張る面があった あなたとネーサは腰を落とし、目につく雑草を抜き始めた 「ふぅ…動くとまだまだ暑いのね…」 ネーサが汗を拭い、あなたも腕で乱暴に汗を払った 26/09/01(火)21:16:13No.1464282054 あなたとネーサは粉塵対策の装備をし、暑い中せっせとツルハシを振るっている 鉱石を持ち込むと、装備を安く作ってもらえるのだ。日々の冒険で資金は潤沢にあっても、節約する意識は必要である がつがつと鉱床を打ち、取れた鉱石はカバンに放り込む。汗は滝のように流れ、一呼吸ごとに胸が苦しい 「ふぁぁ~~…………とっってもあついわ…」 キリの良い所から、大分手前で切り上げる。余裕のある内にやめておかなければ、暑さで参ってしまう 上着を大胆に払い、僅かな布面積の上半身を外気に晒すネーサ。あなたは生唾を飲み込みつつ、飲み物を手渡す 「ありがと……んぐっんぐっ…………はふ、はふぅ…とけちゃいそう…」 汗に塗れ、身体を火照らせるネーサは、大変に扇情的だ。あなたは周囲に視線がない事を確認し、恋人の素肌を堪能する 艷やかで、実に美しい。ネーサの柔肌に、あなたは体温を上げ汗を滴らせた 「……そんな大胆な格好、私の前以外でしちゃダメよ?」 一方あなたも上半身を丸出しにしており、そこにネーサの熱視線が刺さっていた 26/09/02(水)21:19:02No.1464584415 あなたのココナッツクラッシュが炸裂し、オトーはノックアウトされたのだった 「ウギャアーッ!」 「流石にやりすぎよ!大丈夫?オトー」 あなたは勝利を手にしたが、ネーサに叱られてションボリした。あなたにだってオトーが悪いと言い分はあるのだが…ここでそれを言っても、立場は悪化する一方だ その頃ネーサの手に頭を撫でられているオトーは、痛みも忘れすっかりデレデレしていた 「うふふ…ぐへへ…おねえさまぁ…」 「ああっ口から涎まで垂らしちゃって!そんなに効いてたのかしら」 もちろんそこまでの重傷ではない。あなたはオトーを黙らせてやりたいが、本気で消してやろうとまでは考えていないのだ……嘘だそこそこ殺意もある。だが今回は加減をした あなたは歯噛みし、悔しさに震えた。オトーはあなたに勝ち誇る事さえせず、愛しのお姉様が触れてくれている今に没頭している 「ゴロゴロ…フニャア…」 「猫ちゃんになっちゃった…大丈夫なのよね?」 あなたは敗北感の余り涙を流した。今オトーの立場に成り代わりたいと本気で思った 26/09/03(木)21:18:44No.1464866637 なるべく傷をつけずに無力化する技術が、この世界には存在する シヴァリーの拘束術であり、急所を打つ事で仮死状態に陥れる術も指す しかし一般的冒険者にとって、無力化とは痛めつけて立てなくする事である。これは高位冒険者であっても例外ではない 「えいっや!」 「グゲェ!?」 あなたとネーサのダブル延髄蹴りが決まった。たまらず昏倒する怪物。完璧に入った証拠だ なるべく慎重に、などと依頼文がない場合において、冒険者のやり方はボコって戦闘不能にしてから縛り上げるのである これはネーサであっても変わりない。手加減というリスクは、実戦で意味なく負うべきでないのだ 「ふう…今のうちに縛っちゃいましょ」 あなたが両手足を掴み、ネーサが縄をかけて怪物の拘束を済ませる。666トンの荷重にも耐えるとされる、超強靭な縄に縛られ、無力化が完了する これなら安心して運べるというものだ。あなたが担ぎ上げ、ネーサは周囲を索敵する 「周りに敵はなし。うん、大丈夫そう」 あなたとネーサに襲われ、怪物は結構ボロボロだが、これで全く良いのだった 26/09/04(金)21:07:44No.1465162998 好きなら好きと言った方が良い。触れ合いは多くした方が良い。両想いであるならば、踏み込んだ関係を構築するのが望ましい 思うだけでは、どれだけ強い感情も伝わらないのだから。よってあなたは頻繁にネーサへ好きだと言うし、手を繋いだり抱き合ったりする 「もう…すぐくっついてくるんだから…私も好き…」 ネーサもあなたとの触れ合いを好み、好意の言葉を返してくれる するとますます相手の事が好きになり、更に欲する気持ちが強まる。逆に言わず触らずでいると、強い感情だって熱を失っていく あなたはネーサが好きだ。好きな気持ちが冷えていくのは、想像するだけでも怖い。恋人の温もりで胸を暖めるのは欠かせない 「ん……もっとぎゅってして…身体いっぱいに感じさせて…」 ネーサから抱き返されて、あなたの身も心も強く火照る ぎゅうぎゅうと、互いの身体でなければ壊れてしまいそうなくらいに力を込め合い、深く呼吸をする 「好きなにおいする…すぅ…………はぁぁ……」 思い切りあなたの匂いを嗅ぐネーサに負けじと、あなたもネーサの肌の香りを吸い込んだ 26/09/05(土)21:44:25No.1465517064 「クラックラ!もっと踏み込みを深く!」 「はいっ!」 ネーサは後進の指導も欠かさない。短剣使いのクラックラと、実戦形式で打ち合い技巧を磨かせている 流石はネーサの下に集った冒険者と言うべきか、クラックラの剣捌きは並のC級冒険者より大分上にある 見ていてヒヤリとするような刺突。それをネーサは打ち払い、今日三度目の武器喪失となった 「また上達したわね。今の突きは少し怖かったわ」 「弾き落としておいて言われても…ありがとうございます」 痺れているのか、しきりに手を振るクラックラ。ネーサの腕力は、手加減してもかなりの威力を持つ 痺れや痛みで済むだけ、よくやっている方だ。それに強い相手との戦いは、無二の財産になる あなたは指導を終えたネーサにタオルを渡し、飲み物も差し出す 「ありがと…それにしても、クラックラの当て勘って独特よね」 それは端から見ていたあなたも、時々思う事であった。彼女は疲れが滲んでくると、切っ先を当てる事に意識が傾いていく 毒短剣の使い手によくある癖だが… 「まあ、隠し事なんて誰にでもあるわよね」 話はそこで切り上げとなった 26/09/06(日)21:19:50No.1465893804 あなたのグッズが作られ、完成見本を提示されている あなたは名声のために上位冒険者となった訳ではない。それでもこうして自身の顔が商品になると、むず痒いものがある 一方、隣で難しい顔をして、ネーサが腕を組んでいる 「……もう少し、かっこよくできるんじゃないかしら?ここの彫りの深さとか…」 「いえいえ、焼き型ではこれが精一杯でして…」 商品とは、あなたの顔を模した形のまんじゅうである これはネーサとネーサ派の中で名を上げた冒険者は皆作られてきた、定番の一品だ ペアまんじゅうとして、ネーサとオトーまんじゅうだとか、ネーサとシヴァリーまんじゅうだとかも売り出されていた この度ネーサとあなたのペアまんじゅうが販売予定なのだ 「んー…でも、せっかくの立体化なんだから…」 「我々も希望にはお応えしたいのですが…」 当人であるあなたを蚊帳の外に、ネーサと商品担当がにらめっこをしている あなたは一度これで良くない?と口を挟んだが、ネーサに力強く振り払われたのだった 26/09/06(日)21:19:50No.1465893804 あなたのグッズが作られ、完成見本を提示されている あなたは名声のために上位冒険者となった訳ではない。それでもこうして自身の顔が商品になると、むず痒いものがある 一方、隣で難しい顔をして、ネーサが腕を組んでいる 「……もう少し、かっこよくできるんじゃないかしら?ここの彫りの深さとか…」 「いえいえ、焼き型ではこれが精一杯でして…」 商品とは、あなたの顔を模した形のまんじゅうである これはネーサとネーサ派の中で名を上げた冒険者は皆作られてきた、定番の一品だ ペアまんじゅうとして、ネーサとオトーまんじゅうだとか、ネーサとシヴァリーまんじゅうだとかも売り出されていた この度ネーサとあなたのペアまんじゅうが販売予定なのだ 「んー…でも、せっかくの立体化なんだから…」 「我々も希望にはお応えしたいのですが…」 当人であるあなたを蚊帳の外に、ネーサと商品担当がにらめっこをしている あなたは一度これで良くない?と口を挟んだが、ネーサに力強く振り払われたのだった 26/09/07(月)21:20:00No.1466188975 『本日未明、サカエトル郊外の廃ビルにて殺人事件が──』 「やだ、物騒ね…」 王都サカエトルはよく治安を守ろうと尽くしている。それでも闇を払い切る事は叶わず、日々物騒な事件が巷を賑わせる ネーサは強力な冒険者であり、凶刃など物ともしない。それは見知らぬ誰かの命が損なわれる事に、恐怖を感じないという事ではない 近所が血なまぐさい気配を漂わせると、忌避感を覚え血の気が引くような、人並みの一面があるのだ 「ううん…放ってはおけないわよね。今日はオフだし、買い出しの前に軽く見回りしましょ」 しかしネーサはS級冒険者である。治安の乱れとあらば立ち向かい、己が身に向かう凶刃ならば難なく食い止める あなたも一日の予定に一つ追加する。ネーサと共に暮らす街が穏やかであれと思うのは、ごく自然な事 出かけるための軽装に、冒険者然とした武装を加える 悪党よ、お前を見ている、探しているという示唆的装いでもって、外へ繰り出す 「これで犯罪なんて控えてくれれば…いえ、私に襲い掛かってくれた方が、話は早いかしら?」 抑止は大切である。ただ火種を取り押さえられるなら、その方が簡単だ 26/09/08(火)21:28:45No.1466477278 あなたはもうクタクタのヘトヘトであった。ネーサとの模擬戦に熱が入りすぎて、体力を使い果たしていた 辺り一帯は戦闘の痕でズタボロになっている。あなたが寝転がる地面も、潰れた雑草の汁と凸凹とでひどいものだ 視界の端でネーサがゆっくりと身を起こした。その服はあちこち破れていて、扇情的な事になっている 「疲れたぁ~!これから家に帰るのも一苦労だわ…」 あなたはネーサに肩を貸してやりたいし、肌を隠すためにタオルもかけてやりたい。しかし身体が重たくて、自身を起こすので精一杯だった 疲労が縦になった身体へ、ずっしりと伸し掛かってくる 「お疲れ様…お互いヘトヘトね…ふふっ」 何も笑えない事が、妙に笑えてくる瞬間がある。今がそれだ あなたはネーサと一緒になって、くすくすと笑い続けた それから重たい足取りで、荷物から補給食を取り出す。現場で常食されているという、冗談みたいにカロリーを凝縮したタルトだ ザクリ!大口を開けてかぶりつく。ゴクリ!追って飲み物で喉を潤す。爽快だ! 「ぷはぁ!身体にしみるぅ~……もう一個!」 あなたとネーサは次々タルトを平らげると、急速に栄養を回復し、みるみる元気になっていった 26/09/09(水)21:26:23No.1466787168 ネーサとて居眠りしてしまう時がある。あなたは寝息を立てるネーサの身体を受け止めて、冷えてしまわないよう包み込んでいる ところでこの場はネーサ派が集まっており、あなたは若干の外様感がある状況であった あなたとネーサの体勢を見れば、ヒートアップする女がいるのだ 「この間男がお姉様になに、っ………………!………!」 ネーサが飛び起きそうな怒声を阻止したのは、シヴァリーの縄術であった。身体から口までも一息に封じ、オトーを悶えるオブジェに作り替えた ありがたい事である。あなたは静かに目礼すれば、シヴァリーも静かに返す。プロ同士多くは語らない 「すぅ……ん……ふぅ……」 遮るものがなくなった事で、ネーサの寝息が良く聞こえる。なんと美しく愛らしい音色だろうか 伴走がオトーの悶える音でなければ、もっと良かったのだが…あなたはネーサの背中を擦り、ゆっくり優しく頭を撫でた 心地良さそうにするネーサを、より深い眠りへ誘った… 26/09/10(木)21:12:45No.1467104593 汗がすごい!冒険の帰りで、あなたとネーサは汗まみれになっている 帰路に川なり泉なりを見つけられなかったため、大分…アレな事になっている。あなたでさえ汗と泥、返り血や草の汁に顔をしかめるのだから、ネーサは一層つらいだろう 「冒険には慣れても、こればかりは慣れたらダメだって、私の中の理性が叫んでるの…」 水も滴る、などという言葉では到底誤魔化せない、仕事の汚れに塗れたネーサ それさえ美しいと感じるのは、あなたの贔屓目だろうか。だが、あなたから見て美しいかどうかで放って置いて良い状態ではない もう人里は間近なのだ。風呂屋が恋しくてならない 「替えの服は…うん、泥にやられてないわね。先にちょっと汚れを落とさせてもらえば、何とか…」 このまま浴場に押し入る訳にはいかない。とにかく水を使わせてもらいたいのだった 守衛があなたとネーサを呼び止め、その惨状に眉をひそめる 真っ先に公衆井戸を指し示してくれる親切が身に沁みた… 「水、水、お水…あぁ~やっとゴールだわ……」 26/09/11(金)21:30:34No.1467415675 「今の私はS級冒険者仮面!!」 「いや…お姉様ですよね?何してるんです?」 ネーサが正体不明のS級冒険者仮面になっていた あなたにはそういう気持ちがよくわかる。仮面を付けて、正体を隠した強者になりきりたくなる時がある 衝動的なもので、人はその気持ちと上手く折り合いをつけて生きている。しかし、我慢せずやってしまいたい時もあるのだ 「目線だけ隠しても、正体は隠せませんよ、マオさん…」 「そういう真っ当な指摘をされると困るわ…」 オトーもクラックラも少し引いている。そのせいでネーサの熱が冷めていっている。そんな悲しい事はない あなたは飛び出した。冒険者仮面2号見参! 「!来てくれたのね2号っ!」 「えぇ…何やってるんです…?」 あなたとネーサが並び立つ。もとい、冒険者仮面2号と1号が並び立つ 1人だと段々辛くなってくる事も、2人でやれば耐えられる 「季節の変わり目ですから、変な気になるんでしょうね…」 クラックラの一言は辛辣だったが、2人なので凌ぐ事が出来た 26/09/12(土)01:29:37No.1467503026 冒険者の大半は血の気が多い。世間体を気にするようになったし、報連相を重視するようになったが、それでもだ 美女を見れば手に入れたいと考えるし、力でそれを成せないか企むのを止められない 「がんばってー!!」 あなたは決闘を挑まれていた。あなたを倒す事で、ネーサを奪い取りたい邪な企みが透けて見える あなたとネーサの間にあるものは力だけではない。しかしそれが外野から伺えるものだろうか そういう訳で、あなたを力で退ければ、S級美女が手に入ると逸る者は現れるのだ 「いっけー!!そこ、そこよっ!!ボディボディ!アッパー!」 ネーサの声援を背に、あなたは挑戦者を打ちのめす。ネーサの隣に立つのはあなたであり、その立場は決して譲れない。強い意志に支えられた、強い力が振るわれる 力を測られる事など、交際前から見えていた事だ。あなたは退かないし、負けない 拳を突き上げて、勝ち鬨を上げる。ネーサが好きだーっ!! 「ちょっ、ちょっと!そんな、大声で言わなくっても…!」 慌てふためきながらも、顔を真っ赤に染めたネーサに、ますます恋情が昂ぶった 26/09/12(土)21:13:52No.1467743173 「あら…ちょっと!カネヤの事話してるわよ!」 この時間帯は、冒険者情報を扱うラジオが流れている。活躍目覚ましい者、期待の新人、一部のS級の動向など… カネヤと言えば、財政一本でB級まで登った冒険者。話の種にはもってこいだろう 「私の話をする時間でネーサさんの話をすればいいのに…」 「そう言わないの。私に需要があるんだから」 ゆったりとソファーに身を預け、ラジオの音声へ耳をそばだてるネーサ。相変わらず派閥の面々に対する感情が強い むず痒そうな顔をするカネヤに、あなたがコーヒーを差し出す。その流れでネーサにも、そした自分自身も一服 喉を潤しながら、トークの内容をぼんやりと聞く。財務の財務ぶりを称賛するMCの語りに、ネーサの笑みがにんまりと深まる 「やっぱり分かる人には分かるわよね…カネヤのすごさが!」 「そこまででは…ネーサさんに持ち上げられると恥ずかしいな…」 カネヤが称えるに値する活躍ぶりなのは、あなたも認めるところだ。そしてギルドにとっても、冒険者の活躍の幅を広げる存在として望ましいだろう ネーサに頬をつつかれて赤面するカネヤをコーヒー受けとして、あなたは一口煽った 26/09/13(日)21:25:10No.1468132886 「見て!大型の昆虫が集落を築いてたのよ!」 ネーサが指差す先には、土とも金属ともつかない質感の構造物が広く散らばっている 昆虫が分泌物を用いて作る巣穴が、こういう見た目になる。あなたもネーサと共に冒険を重ね、知識が豊富になってきた あなたは構造物のサンプルを採取し、ネーサと共に巣と思しき空間を調査する 「大きくなっても、ほとんどの昆虫の行動理念は血を繋ぐ事に終始してるのよね…」 次代を残す。昆虫達のやる事は常にそれだ。例外は少ない 歩き回れば、散らばった居住者と思しき残骸が目につく。甲殻に大型の顎で噛まれた跡が刻まれている 「多分…共食いしたんだわ。旅立つ集団のための栄養になった…壮絶ね…」 同胞に後を託したのか、システマチックに消費されたのか。屍から伺う事は出来ない 祈られる筋合いもないだろうが、あなたとネーサは軽く黙祷した。それから撮影し、スケッチとメモも取る 「ここからどこへ行ったのかしら…人里じゃないと良いけど」 大型で肉食の昆虫が人間の生息圏に触れたら、とても危険だ 互いに関わらないのが一番いいのだが…あなたやネーサの暴力の出番が来るかもしれなかった 26/09/14(月)21:17:44No.1468438994 広場へ行けば路上劇が見られる。栄えるままに舞台劇場が増えていくこの王都においても、その需要が絶える事はない ラジオが流行歌を流す一方で、吟遊詩人が伝承と歴史を歌う。それがこの街のリアル。時代の前後に風邪を引きそうだ 今は冒険者の伝説を演っており、あなたとネーサも足を止めて、観客の一員になっている 『おお~我ら命尽き果てる~とも~人々の平和~守り抜か~ん』 「伝説的冒険者チーム、ジェーネレイションの詩ね…最近の研究では実在していた可能性が高いと言われてるわ」 絵本の題材にもなった、古くから有名な冒険者達だ。古の頃から冒険者という職業があったのかは怪しい所だが 固唾を飲んで見守る者、遠巻きから囃し立てる者、暇潰しに眺めている者。多彩な色がここにある ネーサは…昂ぶった気配で変装越しに正体がバレそうなくらい、興奮して鑑賞している 『どうか我が妻に…この剣を…届け……て……うぐっ』 「…………っ!…………!!……ぐすっ、ひぐ」 涙、涙。あなたがそっとハンカチを差し出すと、ネーサは目元を繰り返し拭った 入れ込みように周囲の観客は少し引いていた 26/09/15(火)21:22:16No.1468742102 投げた石をぶつけ合わせる遊びが、巷で流行っている 当然ぶつければ割れるのだが、投げ方だとか石の強度だとかで、相手の石だけを粉砕するのが妙手になるらしい あなたは石を取り、ネーサも石を拾った。一つ、相手の身体に石を当ててはならない。一つ、石が割れたら負けを認めれけばならない ルールは以上 「それえっ!!!」 ネーサの渾身の力を込めた石が来る。あなたが思い切り力を込めた石で迎え撃つ バ、とか、ガッ、とか音がしたように思う。衝突した拍子に一帯の空気が爆裂し、互いの石は砂粒さえ残らず消えてなくなった 勝敗つかず。この遊びの難しい所を噛みしめる。強い力を無闇に振るえば、石が耐えられず引き分け以上の成果を出せない 「う~ん…加減が難しいわね。もう一回やりましょ!」 あなたは再戦に応じる。やるからには勝利で終わりたいのだ 石を吟味し、素振りで力を調整。相手の石だけを一方的に割るテクで、差をつけてやりたい 今度こそはと振り被り 「ちぇあっ!」 常人並みに加減された石と石は、何の成果も得られず弾き合った 26/09/16(水)21:25:22No.1469034026 ソンナナイン商店街には、長い歴史がある 王家傍流のソンナナイン家が興し、振興を促す事で発展を見せたのだ 途中で2度3度と名が変わり土地が変わり、古の面影はどこにも存在しないが、それでもソンナナイン商店街の看板は今も生きている あなたとネーサもよくこの賑わいをくぐっている身だ 「ヤスイヨヤスイヨー」「66年前から続くこの味!食べなきゃ損だ!」「損はソンナナインをお約束!」 「いつ来ても賑やかよね…あっ、お肉屋さんで揚げたてですって!」 ネーサが軽やかに肉屋の列へ加わる。あなたも早足で続き、香ばしい匂いに鼻を鳴らす あちこちで客を招き、また客同士で雑談に興じている。人の行き来が多いという事は、元気という事だ 誘惑が多いので、真っ直ぐ突き抜けるのは大変だ。今日はネーサが釣られたし、この前はあなたがまんまとお得に釣り上げられた おやつ代わりにコロッケを4つ。2人で分けて2つずつ。アツアツでホクホク、甘さを含みつつも強めに味のついた、おかずやツマミに使える味だ 「ん~っ!これがやめられないのよね…!」 美味しさにたちまち口の中へ消えてしまった 26/09/17(木)21:23:13No.1469328869 冒険者ギルド訓練場の一角に、パルクールコースが設置された。多彩な地形に対応する能力は、しばしば求められるものである 多くの冒険者が挑んだ。ドヤ顔でゴールに立つ者がいれば、転げ落ちて下に敷かれたマットに沈む者もいた あなたの番が回ってきた。先に余裕のゴールを決めたネーサには負けていられない 「私の記録を破れるかしら!」 ネーサの挑発に乗って、あなたは飛び出した。飛び降り乗り越え、上下に大きく行き来する コーナーがあれば壁を蹴って曲がり、狭い隙間にはヘッドスライディングで潜り込む。中々に激しい運動だ 連続跳躍で加速をつけて、ゴールテープ目掛けて飛び込みを図る その時、既に多くの冒険者が踏み切った足場が、ついに耐久の限界を迎えた 「あっ!?」 反射的にネーサがあなたへ手を伸ばすが、届くような距離ではない マットへ落下…するよりも早く、あなたはフックロープをゴールへ放っていた あなたはゴールを果たすも、ネーサの記録を抜かす事は出来なかった。負けは負けである 「無効試合でいいのに…意地っ張りなんだから」 ネーサの指があなたの脇腹をツンとつついた 26/09/18(金)20:35:42No.1469595808 あなたとネーサに縁が出来てから、一年が経ったのだという 早いと見るべきか、そんなバカなと言うべきか。あなたとネーサは一年ではきかないくらい、あちこち冒険して回った筈なのだが… しかし現に一年と言われれば、口を噤まざるを得ない。確かに今頃の話だった気がしてくるのだ 「そういえば、キスしないと出られない部屋に閉じ込められたのよね、私達」 初めて入ったその部屋で、あなたはネーサが力でこじ開けるのを待つしかなかった。苦い記憶だ 今ならネーサと同じように、不本意な監禁を力でねじ伏せる事が出来る ネーサと同じ視座を得る。それがあなた元々の意欲だった…それが気付けば親密になって、今や生活を共にしている 「何がきっかけになるか、分からないものね…」 ネーサが遠い目をし、あなたも過去を振り返る 後悔はない。あなたが突き進んだ道に、ひとつだって後悔はない ネーサに選ばれ、あなたもネーサを選んだ。今に続く道のどこに焦点を当てても、ああしていればという気持ちは湧いてこない あなたがネーサの手を取ると、ネーサもあなたに手指を絡ませてきた 「ふふ…とっても幸せね」 あなたも今幸せだと、ネーサに伝えた 26/09/18(金)20:35:42No.1469595808 あなたとネーサに縁が出来てから、一年が経ったのだという 早いと見るべきか、そんなバカなと言うべきか。あなたとネーサは一年ではきかないくらい、あちこち冒険して回った筈なのだが… しかし現に一年と言われれば、口を噤まざるを得ない。確かに今頃の話だった気がしてくるのだ 「そういえば、キスしないと出られない部屋に閉じ込められたのよね、私達」 初めて入ったその部屋で、あなたはネーサが力でこじ開けるのを待つしかなかった。苦い記憶だ 今ならネーサと同じように、不本意な監禁を力でねじ伏せる事が出来る ネーサと同じ視座を得る。それがあなた元々の意欲だった…それが気付けば親密になって、今や生活を共にしている 「何がきっかけになるか、分からないものね…」 ネーサが遠い目をし、あなたも過去を振り返る 後悔はない。あなたが突き進んだ道に、ひとつだって後悔はない ネーサに選ばれ、あなたもネーサを選んだ。今に続く道のどこに焦点を当てても、ああしていればという気持ちは湧いてこない あなたがネーサの手を取ると、ネーサもあなたに手指を絡ませてきた 「ふふ…とっても幸せね」 あなたも今幸せだと、ネーサに伝えた 26/09/18(金)21:59:55No.1469625834 「お前のような間男はお姉様に相応しくないと何度言ったら!!!」 いつものようにあなたはオトーの襲撃を受け、激しい攻防を繰り広げている 言動はアレだがA級冒険者は実質冒険者の天井、その刃は鋭く冷酷だ ガチでナイフ使ってる事をいちいち咎めたりはしない。あなたはネーサと普段使いの得物で斬り結ぶ事もしょっちゅうだからだ 「程々で切り上げるのよー」 「はいっ!お姉様っ!!!!仕方がないので早めに終わらせますよ死ねっ!!!!!!010」 突然興奮するオトーの嵐が如き刃の渦を、あなたは巧みに受け流す。当たると大変なので余裕は少ない ぎゃりぎゃりと火花の散る音。上、後、右、前…八方から襲い掛かる俊敏な影を、あなたの手が掴む ネーサへ視線をやって意識が緩んだ瞬間を狙い撃ちだ。大体、ネーサとの交際にオトーから承認を得る必要はない事を、身体に叩き込んでやる 怒りと共に細い腰を跳ね上げてやり、思い切り叩きつける。下は畳ではないため、オトーでなければ重傷待ったなし。オトーなので平気だろう 「ぐえー!!」ビターン 「勝負あり!もう、私ばっかり気にしちゃダメよオトー」 ネーサの宣告を受け、あなたは勝ち名乗りを上げた