子供が贈り物の包みを破るように――けれど、それは無垢さからは余りに懸け離れていた。 知れずと垂れた唾液は、男の醜い内心をそのまま示すように泡立っていたし、 つられてこぼれる声は、鼻先にいる女にすら向けてはいない。相手を罵る言葉というのに。 男はただ、自分の狭い世界の中に突如降りてきたものに、夢中になっているだけである。 彼女の名も知らぬ。何故にここに繋がれて――自分に与えられたのかも知らぬ。 けれど、他者への抵抗力を失った雌が雄の眼前に晒されたなら、起きることは一つだった。 彼はこの狭い牢内に囚われて久しく、女体の――否、他者の肉体に触れていなかった。 その事実は、己の肉体の外にある温もりへの希求、抑えきれぬ衝動を生む。 まして相手が、自分と同じ地球人種の若い雌ときている。髪はさらりと金に美しく、 全身を包む青い服、あるいは肌着の裂け目から覗く白は、目に毒な程に透き通って見える。 碧い瞳で睨んだとて――彼の嗜虐心を満たしこそすれ、何の威圧も成さぬのである。 そしてまた、指先に返る柔らかな肉の感触――掌に余る乳房の重みと言ったら。 たとえ彼が“正気”を保っているうちに会えていたとして、その誘惑を跳ね除けられたかどうか。 女の肌には――それに加えて衣服には、あちこちに無数の切り傷や焦げ跡、打撲傷があり、 男の指がそこを撫でると、彼女はその凛々しい顔を、苦痛を噛み殺したように歪める。 虫を押し潰すように、あるいは蛙でもいたぶるように。男の嗜虐心は止まることなく、 ただ彼の鬱憤を晴らすためだけに、相手の人格も尊厳も顧みることなく奮われていた。 だが素手でできることは知れている。それに、自分のものになった雌をわざわざ殺すこともない。 既に服としての機能――身体の保護、大きすぎる乳房を縛り付けておく拘束具、 それらを果たせなくなったものを、端切れに変えてやること――そこに至ったのは必然である。 蛞蝓のように、白い肌に舌を這わせ、泡立った唾液を塗り込んでいく―― 下顎を強引に掴んで唇を奪い、舌を無理やりにねじ込んで彼女自身の唾液を啜る。 そんなことを繰り返しながら、贈り物の包み紙は次第に石畳の上にまき散らされて、 後は両腕を鎖にて天井の金具に拘束された女が一人、そこに残るだけである。 無論すぐにぶち込んでしまうような野暮はしない――男はその太っちょな指で、 彼女の胸をお手玉でもするかのごとくにぽんぽんと転がしながら重みと張りを楽しんだし、 その突端の、ぷっくりと膨れた――まだ本来の使い道を経験していないであろう――桜色を、 つねり、引っかき、乳輪との境に爪をがつがつ当てたりしながら、時に口を添えて吸いもした。 女の言葉は、始めは怒りと彼からの罵倒に正比例した強い言葉だったが、 抵抗もできぬまま身体を弄くり回される時間が伸びていくにつれ――それを自覚するにつれ、 次第に低い、間延びしたような、うんざりしきった声色へと変わっていった。 一方で男は、彼女のそのような変化に気付いているのかいないのか、 よりねちっこい指使いで胸――だけでなく、丸みのある尻肉も、腰回りの締まった輪郭も、 はたまたほとんど使い込まれてもいない膣口、尻穴のひだに至るまでを検めていく。 それは夢にまで見た超合金の玩具を、片時も手放さずに宙に泳がせるのと全く同じ様である。 すっかり裸に剥き終えた女の身体のあちこちを堪能しきった彼は、 今度はその指を彼女の膣口に添え、二本横に揃えた状態で、くぷくぷと何度も出入りさせた。 どれだけ罵倒の言葉を掛けられても意に介さず、指先の湿りが増すのを愉しみながら、 刺激から逃げることを許さないように、もう一方の手で、腰を捕まえて固定させる。 天井に向けて、女ががたがたと手枷を軋ませて抵抗の意思を見せたとて、 男に痛い目を見せる実際的な力の生じない今、それは虚しい行為に過ぎない。 結局、彼女の息が浅く荒くなり――声色が上ずり、水の音も否定できないぐらいに高くなると、 そのまま、身体が痙攣してしまうほどの絶頂に追い込まれてしまうのは避けられなかった。 そして息を整えている最中だと言うのに、男は休ませてもくれない。指をくちくち動かして、 ずん、と重くなったままの身体に、また不要な刺激を与えてきては、にたつく。 そうしてほぐされた身体は――すんなりと、彼を受け入れてしまう。 ずぶずぶと、彼のものが奥へ奥へと進んでいく。それに、絡みつかせてしまう。 一度達した身体は、完全に交尾の体勢に切り替わっていて、快楽への抵抗力を失っている。 彼女の脳裏には、彼の形がくっきりと、わかってしまうようであった。 出っ張った傘の部分が、引っ掛かって――抜けかけて、奥を擦りながらまた戻って―― その時に、自分の中の“いい”ところが擦られた瞬間が、わかってしまう。 自分でも出した覚えのないような、締まりのない、情けない、浮ついた声―― それを何度か聞いていれば、自然、男もその場所を覚えてしまう。 次第に――男は彼女の声が甘く蕩ける箇所を重点的に責めるようになり始めた。 銀河に最強と称された賞金稼ぎ――いくつもの星系を救った救世主――そんな過去は、 今まさに行われている粘膜と粘膜の擦り合いには、何の助けにもならなかった。 むしろ、それを思い返して一切に耐えようと試みればその分だけ、 不覚を取り、無力化された状態でどこぞの女日照りに充てがわれた現状が無様になるだけだ。 まして今は、生まれついた女の肉体を――散々に刺激され、弄り尽くされている最中、 自分でも笑ってしまうぐらいに緩んだ声で凄んで見せたところで、一体何になろう? そして男は、彼女の逡巡などお構いなしに、ねちっこく腰を振り、 時に、突かれてばるんばるんと跳ね回る乳房の先端部を強くつまんで、 荒くごしごしと擦り――中に流れるべきそれを、気の早いうちに搾り出そうとしてくる。 胎の中に爆ぜる熱。出された、というのを、言葉より何よりも鋭敏に感じる。 そのうえ男は、自分が出したばかりの精を、それの垂れてくる結合部から指ですくい取り、 彼女の肌に――臍の下、子宮の直上に塗り込むように円を描いてなすりつけ、 この牢内に避妊の概念の存在しないことを、やはり一語も用いずに告げるのであった。 女は呻くように拒絶の言葉を吐いたが、挿入されたまま、すぐさま半勃起に戻った彼のものを、 意思に反して咥え込んだままの己の膣肉の浅ましさに、涙さえも出るのであった。 汗と雌臭のしみ込んだ男の指がそれを拭い――尻肉に、ばちん。 波打つ安産型の尻たぶは、準備万端であることをひくつきながら知らせる。 するとそれに応えるようにして、男はまた腰をねちっこく動かし始めるのだ―― 女は手の鎖のせいで、彼を己の遠くに押しやることはできない。 睡眠の時であってさえ、男は抱き枕のように彼女の身体を懐深くに抱き抱え、 その肌を――特に、自分の種の宿るべきその上を、一層ねちっこく撫でながら眠る。 もしくは、彼女がうとうとと微睡んでいようがお構いなしに、性器を後ろから挿入して、 不愉快な刺激の波を、断続的に与えてきたりもする――乳房や尻肉については言わずもがな。 彼の手垢のしみ込んでくるかのように、乳首や陰唇は――色濃く、黒く育てられていく。 与えられる刺激に敏感に反応し、脳へ虹色の波を送ってくるようにされてしまう。 もう既に、男が乳首に触れることすらせず、指先をくり、くり、と動かしながら、 摘まれているかのような動作を見せつけるだけで――先走った脳が、本当に搾られたと錯覚し、 彼女の脳内に火花を散らす。白い雫が幾筋か、ぷぴゅうと牢内の淀んだ空気の中に舞う―― そんなだから、直接吸われたり、噛まれたりすればもう耐えられるわけがない。 牛でもあるまいに、乳汁をびゅうびゅう吹いて喉を枯らしながら吠え、喘ぐ。 乳房が跳ね飛んだ雫にびちゃびちゃになっていれば、当然、股間はそれ以上だ。 そこもまた、男の指先がかき回し――声を上げさせる。快楽に、彼女の魂を沈めていく。 尻の方も、胎の膨れが目立ってからは入念に仕込まれた――彼女の意思とは無関係に。 男は与えられた玩具を、すっかり自分専用の雌に仕立て上げてしまったのだ。 だが彼女の心まではまだ奪えていない。睨まれて、拒絶の言葉を吐かれて―― それを、指と性器とでめちゃくちゃに蕩かして、無実なものにしてやる。 囚われの身である自分よりも、哀れで無力な存在のいることが、心を満たしてくれるのだ。 この小さな王国の主として民草を虐げる心地よさが、心身の苦痛を和らげてくれる―― 予定日を迎えてさえ、彼女への責め苦は変わらない。両乳を好き勝手に搾られながら、 激しく尻肉を打たれる。叩きつけられる腰の形までも覚えてしまっている。 産みたくない――そう思っているのに、この男は穂先を器用に使って、弱点を刺激してくる。 腰から力が抜け、脚ががくがくと震える――きゅっ、と産道を締めれば締めるほど、 それは彼の性器に自ら絡みつけるのと同じであり――相手を喜ばせ、より苛烈な責めを呼ぶ。 次第に女は――自分の膣内にて、何かが自然に彼を押し返していることに気付いた。 胎の張りによって。圧迫感、焦燥感、そんなものが込み上げてきている。 やめろ――自然に漏れたその言葉は、どちらの意味であったのだろうか? 今や彼女は、自分からいきみ始めていた。それ以上産むのを延ばすことは不可能であったし、 少しでも早く我が子を外気に触れさせねば、という母体としての本能もそこにあろう。 男の突き方が浅くなるにつれ――その空間を埋めるように、ずる、ずる、と塊が出てくる。 そして男が性器を引き抜いた瞬間には――栓の抜けたように、すっかり押し拡げられた膣肉は、 そのまま滑らかに、赤子の頭を覗かせた――もう、止めようったって仕方がない。 産んでいる最中も、男は彼女の胸を弄び、赤子の吸うべき初乳を啜り回っていた。 あるいは、乳腺の中の全てを枯らさんばかりに、ひたすら強く搾り上げてもいた。 どこまでいっても、自分はこの男の玩具でしかないのだと――赤子を肩までひり出しながら、 女は無力感に囚われるのだった。何か大切なものが、崩れていくような音がした―― 檻の外では、戯れに番わされた地球人種の雌雄一体の有様を、悪党たちが嗤っている。 最も原始的な力関係に自ら帰っていった愚かな猿に、ありったけの罵倒を投げている。 そして女の、心の折れかかった貌に――自らのつまらぬ自尊心を、充足させるのである。