レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「ドーモ、アレ、誰もいない」尻尾をパタパタと振りつつ洗い場で体を洗ってる
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
ざばーーー
そのまま流して露天風呂にじゃばん
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
ガラリと戸を開け、脱衣所から洗い場へ歩を進める男が一人
手慣れた手つきで桶に湯を汲み洗い場へ腰を下ろすと、鍛え上げられた体躯を肩から背中にかけてゆっくりと丁寧に洗っていく
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「ドーモ」ちゃぷちゃぷ
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
手足の先端まで体の汚れを拭い去ると、もう一度桶で全身に湯を掛け流し、そのまま湯気の向こうに広がる露天風呂へと足を進めた
「やっ、先客か」
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「イイ湯だね」
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
夜風が濡れた肌を撫でる。露天風呂に静かに腰を下ろし、湯の温もりで全身の筋肉を解きほぐしていく
「ん゛ん~、ああいいお湯だ」
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「オツカレ?」
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「少しな、仕事が忙しかったり……」
「だがそういう時も、湯に浸かって誰かと話しているだけで疲れが取れる」
「そちらは、よく来るのか?」
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「タマニ」
そう言いつつじーっと見て
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「……なんだ?」隠す様子もなく見られているため、僅かに身じろぎ
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「エラいひと?」
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「なっ、なにがだ?」
「あ、あ~冒険者ランクかな? はははっ、それなら結構高くなったぞ?」
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「ソーナノ?」
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「ソーダヨ?」
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「ランクナーニ?」
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「……なんと、始まりの剣級になったんだ!」
どうだ、すごいだろう。という空気を出す
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「そんなレジェンドなの!!!」
「冒険者のお店で武勇伝聞こっと」
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
よし、いい感じに誤魔化せたぞ! と思ったのも束の間、話が面倒な方向へ
「んん~、俺はあちこち旅をしているから、そんな武勇伝が聞けるかは……どうだろうなぁ」
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「ワッザ?」
「レジェンドアドベンチャークラスなら地方はおろか世界的なネームド」
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「そ、そういうものか、自分じゃわからないものだなぁ」
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「つまり冒険者の店のスタッフなら一度は耳にする」
「楽しみ♪」と尻尾を振ってる
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
どんな噂をされているか今から恐ろしく思うのであった……
「それより、そちらはどうなんだ? 見たところ冒険者の様だが」
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「オット!」
「ドーモ、レタロ・K・ファーウェイです。リカントのハーフだから耳尻尾はあるけど変身はできない。よってヒューマン」
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「どうも、レタロさん。俺は貧乏貴族の三男坊で、冒険者をやっているジュリオ・リーベルトというものだ」
「そうか、リカントとのハーフ。機敏そうに見えたのもそのせいかな」
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「貴族、ナルホド」
「己等は孤児。双子の弟とドージョーに捨てられてたよ」
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「それは……苦労しただろう。道場というのは?」
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「グラップラーのジム」
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「なるほど、どうりで身体が無駄なく引き締まっているわけだ」
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「ジュリオ=サンもすごいマッスル」
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「俺はファイターだからな、鍛えてないと装備に負けてしまう」
それでも全体的には細身のシルエットだ。190を越える長身のおかげでもある
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「ヘビィーアーマー?」
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「ああ、避けるのは得意じゃなくてな」
ポリポリと思わず頬をかく
「レタロはグラップラーだし、攻撃は華麗に避けるタイプだろう?」
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「避けないとサンズリバー」
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「はははっ、そりゃそうだ!」
「俺が同じような真似をしたら、ボコボコになってしまうなぁ」
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「でも傷跡全然ないね?」
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「むっ……いや、そんなじろじろ見られると照れるな……」
「怪我をしてもポーションや味方の魔法で念入りに治療しているからな。傷だらけだと、相手に余計な心配をかけてしまうだろう?」
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「スーパーリッチ?」レタロは訝しんだ
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「いやいや、そんなことは」
「そりゃあ、冒険者として稼いではいるけどな」
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「じゃあもうダイフゴー?」
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「はは、まさか! 装備や消耗品に金がかかるからな」
「レタロはどうなんだ。景気は?」
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
なんか怪しいなーって目で見つつ
「己等?ソレナリ」
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「それなりか……まっ、悪くないならいいことだ!」
怪しむようなレタロの視線を、苦笑いを浮かべながら手を前でひらひらと振って躱す
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「レジェンドアドベンチャークラスでも儲からないの?」
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「儲かると同時に、使わないといけないような戦いに駆り出されるというか……」
「鎧の防弾加工とかな、大変なんだよ」
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「ソンナニ?」
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「儲からないわけじゃないが、大富豪になれるほど貯めるにはまだ遠いかな……ん?」
「なんだ、大浴場から濁点交じりの声が……」
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「己等も聞こえた」
「行ってみよう」
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「えっ、行くのか?」
レタロ・K・ファーウェイ [露天風呂]
「聞き覚えのある声だった」
ざばっ
ジュリオ・リーベルト [露天風呂]
「知り合いか? うむ……何か事故でも起きていたら心配だし、行ってみるか」
ざばりと湯を割りながら立ち上がるのでした