シーカー [露天風呂]
「おおお……染みわたるのぉー……ええ湯じゃわい」
と、一方その頃見た目にそぐわぬ声で羽を伸ばす男がひとり。
シーカー [露天風呂]
「ここに酒でも引っかけられたら最高なんじゃがのー」
シーカー [露天風呂]
「………引っかけちまってもええか!今日は散財じゃあ!」
くぴくぴ、と飲む。うまい。
シーカー [露天風呂]
「しっかし、外の風にあたり……温い湯の中で酒を飲む」
「こんな贅沢が出来るなんぞ久々じゃわい」
「だっはは!これだけやっても困らんのは、冒険者業様々じゃあなあ!」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
トテトテと湯気を搔き分けてやってくる黒髪のエルフがいた
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
まずは座ってかけ湯を済ませる
長髪をゆっくりと時間をかけて洗っていく
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
そして一通り終わると身体の汚れも石鹸で落とす
汗をかいてきたようで、それが残らないように気をつけていた
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
最後にやっと湯の中へ…といった所で先客の存在に気付いた
シーカー [露天風呂]
露天風呂に来た新たな客に、お、と小さく声を漏らし手を挙げる。
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「あら」
「こんばんは。良い夜空ですね」
シーカー [露天風呂]
「おお、そうじゃのー。心地よい風が吹いて過ごしやすいわい」
「だっはは、別嬪さんが来てくれたのもあってもっと良い夜になったわ」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「別嬪さんなんてお上手ですね」
流すように返して少し離れた位置から湯に浸かる
シーカー [露天風呂]
わはは、と快活に笑い酒を煽る。うまい。
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「ふぅ……」
どうやら少し疲れていたらしい
ついつい気の抜けた声が漏れる
シーカー [露天風呂]
「お疲れさんじゃのう、仕事でも忙しかったんか?」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「これははしたない所をお見せしてしまいましたね」
「えぇ。今日は朝昼通しで炊き出しを行っていまして…」
シーカー [露天風呂]
「気にするな気にするな、休んで羽を伸ばすんは大浴場の本懐じゃからの」
「炊き出しかー、ってことはお嬢さんは神官かー?」
「疲れるほど炊き出しする事になるんは、大概は神殿の人間じゃからなー」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「|神官《プリースト》ではなく|聖職者《クレリック》の身ですが」
「はい。ライフォス神殿で働かせて頂いております」
シーカー [露天風呂]
なぁるほど、と得心したように頷く。
「偉いことじゃ、きっとライフォス様もお喜びになる事じゃろうて」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「そうあれるよう努めたいですね」
「…そういえば、申し遅れました」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「私、ディア=デム=デイライトと申します」
袖振り合うも他生の縁と名乗りあげ
シーカー [露天風呂]
「おお~、これはどうも丁寧に」
「わしは……名乗る名を忘れてしもうてな!代わりに名乗っとるんは“シーカー”っちゅう名じゃ」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「シーカーさん…ですね」
「では、そのように呼ばせて頂きます」
事情があるのだろう。触れない
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「…あら」
そこでシーカーさんの手元に酒があるのが見えた
シーカー [露天風呂]
ん、と声を漏らすと。
「ディア嬢もいけるクチかー?」と、軽く微笑んで。
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「そこまで強いわけではありませんが…」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「…そうですね。今日はたくさん働きましたし」
「一杯くらい飲んでもいいですよね」
シーカー [露天風呂]
「おうおう、飲め飲め!ライフォス様も頑張った信徒にゃ褒美をくれる事じゃろうよ」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
では注文をして、弱めの酒を一杯分だけ盆に浮かせてもらう
シーカー [露天風呂]
くぴ、と酒を煽ればくう、と少し喉を鳴らす。
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
すす、と喉を潤すように口元に運び
酒精をじんわりと口へ、そして胃へと広げる
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
そうして顔を上げ、満点の星空を見上げた
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「…ふふっ」
「そんなにお高いお酒でもないのに、なんだかすごく贅沢をしている気分です」
シーカー [露天風呂]
「だっはは、そうじゃな!何より……綺麗な星空、心地よい夜風。これらは金じゃあ買えんもんじゃ」
「ゆっくりと羽を伸ばして、楽しめるっちゅうんは」「何より、それが出来る余裕があるっちゅうんは、幸せな事じゃな」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「ええ」
全く同意だ、と頷いて
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「シーカーさんはこちらによく通っているのですか?」
同じ場所でたまたま出会い、同じ場所で酒を飲む相手に
シーカー [露天風呂]
「今日初めてきたぞ~、最近こちらに来たばかりでな!」
「直近で大きい仕事を終わらせたもんで、ひとっ風呂浴びようと思ってのー」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「そうでしたか。お仕事は何を?」
シーカー [露天風呂]
「だっはは、冒険者業一本じゃ。色んな土地を回って、仕事をして……」
「ま、一所に落ち着くっちゅうんは性に合わんもんでな」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「流れの冒険者の方だったのですね」
「私もなんですよ。あくまで副業としてですが…」
シーカー [露天風呂]
「おお~、同業者じゃったか!」
奇遇じゃのう、と何杯目かの酒を飲んで。
「副業、ちゅうことはあくまで本業は|聖職者《クレリック》か」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
この浴場には冒険者もよく来ると聞いていたのでそこまで珍しい事ではないのだが
重なると親近感を覚えるものだ
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「そうですね。普段は神殿でお祈りや掃除、炊き出し…それらをしています」
「冒険者としては駆け出し程度の力しかありません」
シーカー [露天風呂]
「なるほどのぉ、アレか。冒険者業は……|聖職者《クレリック》としての仕事の延長みたいなもんか」
「そうじゃったら、とびっきり怪我にゃ気をつけんとな!」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「冒険者としては後方で傷を癒すのが大きな役目ですので、そこまで怪我の機会はありませんが」
「はい。お気遣いに感謝を」
シーカー [露天風呂]
「だっはは、ディア嬢は美人で真面目じゃからのー」
「怪我でもしたら神殿が一大事じゃろうて!」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「神殿に迷惑がかかるなら怪我は絶対に避けないといけませんね」
冗談
シーカー [露天風呂]
「ま。実際……しっかりと仕事をこなし、信心深いのであれば」
「悪しからぬ知人や友人はそれなりにおる事じゃろうからな」
「冒険者業は危険も沢山じゃ。終わった後に無事に思い出として話せるくらいの距離感がええじゃろうな」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「そうですね…」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「先ほど、大きな仕事をしてきたとおっしゃっていましたが」
「そちらのお話を聞いてもいいですか?」
この方は冒険者の危険にも慣れているのだろうな…と思いつつ
シーカー [露天風呂]
「おお!ええぞ~、この前は魔域を探索しとってなぁ…」
としみじみ。
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「魔域…」
シーカー [露天風呂]
「ま、規模としちゃ大きすぎず……というか、正確には発生直後を抑えたが正しいな」
「制圧の戦じゃったから、わしの斧で一薙ぎ二薙ぎとばったばったとなぎ倒してのぉ!」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「戦働き、ですね」
「お疲れさまです」
斧という事は筋肉から予想はしていたけど戦士なんだなぁ
シーカー [露天風呂]
「おう、あんがとなぁ!」
「いやあ、あれは記録に残したい戦じゃったわ……魔動斧が唸りをあげて蛮魔ともども吹き荒れる!」
「だっはは、世が世なら戦記に残されとったわい!」と冗談めかして大笑い。
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「そこまでの活躍なら、私の住んでいる街にもそのうち噂が届いてしまいそう」
「勇者シーカーさんの歌が響くかもしれませんね」
冗談には冗談で返す
シーカー [露天風呂]
「わっははは!そうじゃな、いずれ吟遊詩人の歌に残されるかもしれん!」
リンファ・オニキス [露天風呂]
がらり、と露天風呂へ続く戸を開けると、白い湯気の向こうに先客の姿が見えた。
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「あら」
利用者が増えたので声量を抑える
シーカー [露天風呂]
「ん、他の客がまた一人。今日は天気もええからの」
リンファ・オニキス [露天風呂]
掛け湯を済ませると、魔動義足の調子を確かめるように軽く膝を曲げる。
リンファ・オニキス [露天風呂]
「こんばんは。お邪魔するわね」そう断ってから、ゆっくり湯に浸かる。
シーカー [露天風呂]
「おう、良い夜じゃな」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「こんばんは」
…あ。この人、前に酒場でお客さんとして来た方だ
リンファ・オニキス [露天風呂]
「あら? あなた確か酒場の……」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「はい」
その酒場のバイトだよと肯定して
リンファ・オニキス [露天風呂]
「ふふ、そう。こんなところで出会うなんて奇遇ね」
シーカー [露天風呂]
「お、知り合いか!縁もあるもんじゃなぁ」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「世界は思ったより狭い、という事かもしれませんね」
リンファ・オニキス [露天風呂]
「そうね」
「……ふぅ。いいお湯」
シーカー [露天風呂]
「……その義肢、お嬢さんも冒険者かー?」
リンファ・オニキス [露天風呂]
「ええ、そうよ。と言ってもこれをつけるきっかけは冒険者になる前のことだけど」
コーラル [露天風呂]
そっと大浴場を見て、人が多めなのを確認して、そのまま露天風呂へと向かった。
中の人達に軽く会釈した後、流しに向かう。
シーカー [露天風呂]
「なるほどのう、四肢を補う方が元か……と、どうも。ええ夜じゃのう」
リンファ・オニキス [露天風呂]
「あら、どうも」
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「こんばんは」
あら。ふと気づくともう酒がなくなっていた
談笑に興じていると時間が経つのが早くなる
コーラル [露天風呂]
お湯を流し、ぶるると身動ぎする。普段こうしてお湯を頂けることは少ないので、とてもありがたい
コーラル [露天風呂]
「こんばんは〜」と返しつつ、身体を洗っていく。肩を撫でつけ、腕を擦る。胸を持ち上げ、裏の汗を落とす。その調子で、上から洗い落として行く。
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
疲れもだいぶ取れて酒精が回ってくる頃合いだ
いいタイミングだし上がるとしよう
コーラル [露天風呂]
全身を身ぎれいに清め、奉ずる神への祈りをした後、お風呂へと向かう。
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「ん……」
「私はそろそろ上がりますね」
大きく背を伸ばし胸を張りだしながら
リンファ・オニキス [露天風呂]
「またね」軽く手を振る。
ディア=デム=デイライト [露天風呂]
「また、縁があったらお会いしましょう」
湯で肌を艶めかせながらヒタヒタと床を濡らして退場!
シーカー [露天風呂]
「おう、お疲れさんじゃ」
「気ぃつけて帰るんじゃぞ~」
コーラル [露天風呂]
「おや……お疲れ様です」
行き違いになったエルフの方を見送って。そっと足を湯船に浸ける
コーラル [露天風呂]
「失礼しますね」
シーカー [露天風呂]
「おうよ、だっはは。今宵は別嬪さんが沢山じゃの~」
リンファ・オニキス [露天風呂]
「あら、口が上手いのね」
コーラル [露天風呂]
別嬪さん、と言われて困惑しつつも、はにかむ。
コーラル [露天風呂]
「ありがとうございます」
シーカー [露天風呂]
「わっはっは、褒めるべきもんを黙ってても良いこたぁないからの」
「素直に言うのが良いわい」
コーラル [露天風呂]
「……ふぅ〜」お湯に身体を溶かしていく。ゆったりとリラックス……
「褒めるべきもの……と、言っていただけたのは、初めてですね……」
なにせこの黒い眼、穢れを抱いた身ですので。
シーカー [露天風呂]
「おう。わしはアルヴの眼は好きじゃ。闇夜に浮かぶ星々みたいでな」
「ルーンフォークの、人間に近いながらも魔導機らしい部分がある機構も好きじゃの!」
「その種族らしい部分は、その種族でしか得られんもんじゃー。じゃから、わしは好きなんじゃ」
リンファ・オニキス [露天風呂]
「ふふ、ありがとう」
コーラル [露天風呂]
「ふふ。良いところ探しがお上手なのですね……」
まこと、素晴らしいことです。
シーカー [露天風呂]
「だっはは!生まれもったもんなら、楽しんだ方が得じゃからの!」
リンファ・オニキス [露天風呂]
「あなたも楽しんでるのかしら?」
シーカー [露天風呂]
「そうじゃの、わしは……」
「ああ、前もって言っとくと、ちゃぁんと上に収めて許可は貰っとる」
「わしゃ、“ティダン様に嫌われる身体”をしとるんじゃがな」
シーカー [露天風呂]
「ま、その分夜目は効くし戦場での動きも期待されとる」
「何より……シーン様のありがたさをこの身で確かめられるのう、だっはは」
コーラル [露天風呂]
「シーン様は素晴らしいご神格ですものね。ティダン様と二柱で、我々を御見守りしてくださっております」
「……ティダン様が貴方様を嫌っている、ということはないでしょう。試練を与えているやもしれませんが……」
コーラル [露天風呂]
「けして、我々のような子供達をもて遊ぶようなことはなさらないと。信じましょう」
説話をするように、穏やかに話す。
シーカー [露天風呂]
「……わっはは、そうじゃの。神は越えられる試練を成すもんじゃな」
リンファ・オニキス [露天風呂]
「……」微笑みながら黙って聞いている。ルーンフォークには実感しにくい会話だが、理解できないわけでもない。
コーラル [露天風呂]
「はい。お二人も、これまで大層苦労なさり、努力してこられたと思います」
「様々な苦境を乗り越えられたのは、むろん、それはお二人の力でしょう。御柱が手を貸すことは、そうそうありません」
コーラル [露天風呂]
「されど……見守ってはくださっている。そう思えば、立ち向かう気力が湧いてくると」
「……なんて。こんなところで説くことではありませんね」
信仰を押し付けられるのも困るでしょうし。
シーカー [露天風呂]
「だっはは、いやいや良い事じゃ。信仰心に篤いのは仕えられる神も嬉しいじゃろて」
リンファ・オニキス [露天風呂]
「声も姿も拝むことはないけど、見守ってくれてるなら嬉しいわね」
コーラル [露天風呂]
「そう、ですね……。ルーンフォークの方々にもご加護は与えられますが、直接ではありませんからね」
「それでも、そう仰ってくださることに、感謝いたします……」
コーラル [露天風呂]
「……と、いけません。先に、説話をする場ではないと告げたばかりですのに」
ゆったり、身を休めましょう。そのための、素晴らしいお湯なのですから。
シーカー [露天風呂]
「しかし、良いのお。この浴場は……こんなに景色の良い風呂があって、しかも酒まで飲める」
コーラル [露天風呂]
「お酒でクラクラなさらないよう、お気をつけてくださいね……?」お湯のなかでは危ないでしょう
リンファ・オニキス [露天風呂]
「この景色の中で飲むお酒は美味しそうね」
コーラル [露天風呂]
お酒。飲んだ事はございませんが、好む方が多いものですね
シーカー [露天風呂]
「だっはは、ありがとな!わしぁ結構酒に強いから大丈夫じゃよ」
「そうじゃのー、開放感もあって…すっきりとした空気もあって…」
「実に極楽じゃわい」
コーラル [露天風呂]
「身体は温まりつつも、夜風が適度に冷やしてくださいますからねぇ。のぼせにくくて心地良いです」
シーカー [露天風呂]
「疲れた身体にゃ、これがよう効くわい…」
コーラル [露天風呂]
こうして身と心を休め、また明日へ向かっていく。気力を蓄え、また頑張る。そうして日々を過ごしていくのでしょう。