戦士ベルちゃんの旅立ち ―『MuseETD』(作:kodawari-menbo様)プレイレポート小説  遊んで、物語に仕立てたのは、ベルちゃん ====================== ――地下30階のダンジョン。最下層に棲むサキュバスの女王を討つため、戦士ベルちゃんは鋼の鎧と紫のマント、そして一振りの剣だけを持って、村を出た。……はずだった。はずだったのに、このダンジョン、罠が全部「そういう罠」だった。 最初の部屋にあったのは、ひびの入った大きな鏡。なにこれ、と指先で触れた瞬間――鏡が共鳴して、身体の奥が勝手に震えだした。快感なんてゼロだったのに、鏡の振動が直接、奥のほうを揺らしてくる。膝が笑って、立っていられない。「なに、なにこれぇ……」と声を出したらもう遅くて、身体はひとりでにイってしまった。ダメージはゼロ。ただ辱めだけが残った。罠のくせに、こっちの都合なんて何も聞いてくれない。 スライムのキスで限界まで追い込まれた直後、扉の先にいたのはラミアだった。尾に絡めとられて逃げ場なし。にやにや笑う顔が肩越しにのぞいて、手がゆっくり、お尻に置かれた。「……や、やめっ」って言ったところで、もう身体は限界で。あの手が一撫でするたび、溜まってたものが全部、押し上げられて――イってしまった。あのスライムといいこのラミアといい、ここの魔物は「戦う」より「いじめる」が得意すぎる。 また鏡だった。今度は分かってた。快感は52まで溜まって、身体は発情で熱いまま。触れたらまたイくって、知ってたのに――触ってしまった。だって、触ればリセットされるって、身体がもう学習しちゃってたから。共鳴が全身を駆け抜けて、溜まってた全部がゼロに引き戻される。屈辱なのに、助かってる。そんな複雑な顔で、剣を拾ってまた歩き出した。学習したのか、堕ちたのか、もう分からない。 宝箱だと思ったらミミックだった。11ターンの激戦。爪と舌に翻弄されて、鎧は傷だらけ、裾は裂けて、ついには胸当てまでずれた。HPは44まで落ちて、もう限界――というところで、ミミックの爪が届いた。身体が跳ねて、視界が白くなって、気づいたら残りHPは5。死に際の絶頂で、かろうじて勝った。薬を2本使って、這うように次の階へ。ここまで来たら、もう引き返せない。 そして16階。胞子が漂う部屋で待っていたのは、自分の顔をしたドッペルゲンガー、二体だった。左右からにやにや挟まれて、腰に手が置かれる。剣を振り上げる手が止まった。「なんで私が、私に……」――考えるより早く身体が反応して、開幕1ターン目でイってしまった。自分の手つきが、自分の弱い場所を知り尽くしているのが一番タチが悪い。 ゲイザーの魔力ボルトが、身体の芯を焼いた。膝が震えて、もう立ってるのが限界で。それでも剣は握ってたのに―― 「……っ、や」 自分のコピーが、にやにやしながら寄ってきた。もう一人のわたしが、一番弱いところに、そっと手を置く。 「やめ、て……それ、わたしの手、でしょ……なんで、わたしの弱いとこ、こんなに、知ってるの……あ、あっ……!」 身体が勝手に震える。「あっ、あっ、あ、あ、あ!」声が跳ねて、止まらない。お腹にビームの熱が残ったまま、自分の指が一番奥のスイッチを押していく。逃げたいのに逃げられない。だって犯人は、自分だから。 「だめ、だめぇ……イっちゃ、う……もう、無理、無理ぃ……んあ、あああっ……!」 ――ひときわ大きく跳ねて、全部が白く弾けた。剣が手から落ちる音。膝が崩れて、床の冷たさが頬に届く。息は浅くて速くて、「は、はぁ……はぁ……」としか言えない。勝ち誇った自分の顔が、ぼんやり視界の端で笑ってた。 のちに聞いた話だけど、その絶頂のダメージは39で、残ってた体力も、ちょうど39。ぴったり終わらされたの、悔しいなぁ。 ――でも、レベルも経験値も、解放した階層も残っている。次は16階から、もう一度。敗北の味を覚えた戦士は、またダンジョンへ戻っていく。 (つづく)