スリットを触らせて。俺がそう言うとハイくんは赤面して固まった。 「バ、バカじゃねぇのか!? 急にナニ言いやがる!?」  触りたい時は先に許可を取れば無下にはしないと言ったのはハイくんだ。そう言うと、彼は頭を抱えた。 「あのなぁ。流石に、んなとこを触りたいなんて言い出すのは想像してねぇよ……」  じゃあダメなのかと問うと、ハイくんは少し唸った後に俺の手を取って歩き始めた。  彼に手を引かれて辿り着いたのは路地裏。辺りに人の気配は無い。 「……触りたいなら触れよ」  ハイくんは自ら股間部のジッパーを下ろした後、そっぽを向いた。  露わになったピンク色のスリット。そこは透明な粘液でじっとりと濡れていた。 「うあっ……!」  半ば無意識に右手を伸ばした俺は、人差し指と中指でスリットに触れた。その瞬間、ぐちゅりと湿った音が鳴る。その音が、俺の理性を消し飛ばした。 「やっ、ちょ、待て……んっ、ううっ……!」  右手を上下に動かして二本の指でスリットを激しく擦ると、ハイくんは全身をびくびくと震わせながら艶やかな声を漏らした。  彼が身体を震わせる度に、スリットからは潮吹きしているかのように愛液がどぴゅどぴゅと溢れ出る。  他の竜人も、指だけでこんなに感じるのだろうか。ふと、そんな疑問を抱いてしまった。だが、恐らく違う。ハイくんがあまりにも敏感なだけなのだろう。 「あっ……クソッ、拡げんな……っ!」  両手でスリットを左右に押し拡げると、愛液で妖しく光るピンクの肉襞がひくひくと蠢いているのが見えた。  目を凝らすと、奥に収納されている肉棒の先端も視認できる。  さらによく観察すると、ぷっくりと開いた鈴口から我慢汁が流れ、スリットから分泌されている愛液と混じり合っているのが分かった。もうこれは、俺の肉棒をスムーズに受け入れるための潤滑剤としか思えない。  ハイくんの耳元で、俺のおちんちんが欲しいかと尋ねてみた。すると、先程以上にハイくんの顔が赤くなる。  顔を背けて黙り込んでしまったハイくんに、おちんちんが欲しいと言わないと挿れてあげないと言ってみた。 「ん、んな事、言えるかよ!」  それなら、言いたくなるようにしてやろう。そう思った俺はズボンを下ろして限界まで硬くなった肉棒を取り出し、ハイくんの湿ったスリットに先端を宛てがった。そしてそのまま、ゆるゆると腰を振ってスリットを擦る。 「うあっ……」  ハイくんの口から、切なげな声が漏れた。俺のちんぽを挿れられたくてたまらないといった様子だ。  俺はもう一度、おちんちんが欲しいかと尋ねてみた。 「……欲しい」  何が、と尋ねてさらに追い打ちをかける。すると、 「お前のちんぽが欲しいって言ってんだ! 早くしろよ!」  ハイくんは怒りと羞恥がないまぜになったような表情を浮かべて、そう叫んだ。  流石にやりすぎたと思ったので、俺は謝りつつゆっくりとハイくんを石畳の上に押し倒した。本当ならベッドの上でやるべきなんだろうけれど、仕方ないよね。お互いに、もう我慢できないんだから。  俺はスリットに肉棒を宛てがった状態で、体重をかけながらゆっくりと腰を前に突き出した。 「うおおぉっ……!」  淫靡な水音を立てながら、俺の肉棒がハイくんの中にゆっくりと沈み込む。  愛液と我慢汁にまみれたスリットは、俺の肉棒を容易く根元まで受け入れてくれた。 「すげっ、ふと……!」  ハイくんは口の端から涎を垂らして、俺の肉棒を堪能している様子だ。俺は俺で、ねっとりと締め付けてくるスリットの感触を楽しんでいる。気を抜くと、あっという間に精液を搾り取られてしまいそうだ。けれど、俺にもプライドがある。敏感なハイくんより先に射精したくはない。絶対、先にイかせてやる。 「んおっ、あっ、く、ああぁっ!」  腰を引き、肉棒が引き抜ける寸前で再び腰を前に突き出す。その繰り返し。単純だが、多大な快感を得られる動作だ。  最奥まで肉棒を捩じ込むと、中に収納されているハイくんの肉棒と擦れる。それがまた、脳が痺れると錯覚する程に気持ち良い。 「うあああぁっ!!」  ハイくんが大きな叫び声を上げたのと同時に、肉穴が強く収縮した。同時に、俺の肉棒がじわじわと熱くなる。どうやら、ハイくんがスリットの中で熱い精を噴出したようだ。 「あっ、ああぁっ……」  ハイくんの身体が小刻みに震え、結合部から白濁液がどろりと流れ出る。  先にイかせる事に成功したから、もう遠慮しなくていい。そう思った俺はハイくんの腰を掴みながら、全力で腰を振った。 「おごっ、まっ、激し……っ!!」  抉る。ひたすらに、俺自身を刻みつけるように。  肉襞が捲れる感触、精液の熱、肉棒同士が擦れる感触――何もかもが、俺を昂らせる。 「ぐっ……ああああっ!!」  全体重をかけて肉棒を最奥まで挿入した状態で、俺は果てた。  ハイくんの中で、自分の肉棒がびくびくと跳ねているのが分かる。スリットの中で、俺と彼の欲望の証が混ざり合う。 「ぐっ、出しすぎだろ……!」  結合部から白濁液が勢いよく噴出し、むわりとした雄の臭いが鼻を衝く。 「あっ、やべっ、があああっ!!」  再び、ハイくんの身体がびくびくと小刻みに震えた。直後、白濁液が結合部から噴出する勢いが増す。どうやら、中出しされながら彼は二度目の絶頂を迎えたようだ。  ……ハイくんの中で、俺の肉棒は硬さを保ったまま。まだまだ、交尾は続けられる。  このまま抜かずにピストン運動を続けたら、ハイくんはどうなってしまうのだろうか。気になるなあ。  ……うん、気になってしまったからには仕方ないよね。 「う、嘘だろ、また……あっ、んううっ!!」  再び、腰を振る。  何度か射精しないと、俺の肉棒は萎えないだろう。それまでにハイくんは何度射精するのだろうか。 「んおおおおっ!!」  ハイくんは仰け反り、身体をガクガクと震わせた。早くも、三度目の絶頂を迎えたみたいだ。でも、まだまだイけるはず。    安心してね。ハイくんが貯め込んでいた精液が空になるまで、頑張るからさ。だから、ハイくんも頑張って。俺が貯め込んでいた精液が空になるまで、ね――。 【了】