第十一話
ぬくもりの瞳


                                             
志保 :いやぁ〜、あかりさんホントにお疲れさまでした。
    モミモミ
雅史 :こんなに靴が汚れてますよ。
    ぺろぺろ
姉さん:………おい、二週間じゃなかったのか?
志保 :はい?
姉さん:お前最初二週間だけのテスト運転だって言ったよな?
志保 :……はい。
姉さん:まだ居るじゃねええかあああああ!!!
    ドガッ!!
志保 :げふん!!
姉さん:ったくよ〜、いい加減なこと教えんじゃねーよ!!
    私はあの背後から”とりゃ〜〜〜〜!!”って声を聞いた時。
    あの時ほど背筋が寒くなった事はないぞ!
志保 :あ、あれはホントに当初は二週間だったんですよぉ。
    あ、そうだ!!
    怒るならセリオですよ!!
    奴がテストでマルチに勝たなかったらあいつは帰ってこなかったんで
    すから!!
    どが!!
志保 :ぐは!!
セリオ:ムカツク。
姉さん:こいつは一本取られたな志保! ひゃひゃひゃひゃひゃ!!
志保 :(ちくしょ〜)
雅史 :しかし姉さん。
姉さん:ん?
雅史 :随分マルチとは親しく接していたけどあれでよかったんですか?
姉さん:ナンだぁ、雅史ぃ私のやることに口出しすんのか?
雅史 :い、いやそんなつもりじゃ…。
姉さん:ふん、志保! 今の浩之の私に対する感情は?
志保 :え!? あ、はい!
    え〜〜と…、えぇ!?
    そ、そばに居ると安心する、空気みたいな存在。
    あかりさんの母性的な部分に好意を持っています!!
姉さん:ふん、そういうことだ雅史。
雅史 :???でもなんで突然?
志保 :マルチを利用したんですね…。
姉さん:ほぅ、志保ぉ解ってきたじゃない。
志保 :今回、あかりさんはマルチをダシに初デートを成功させてます。
    それは端から見れば、まるで仲のよい親子。
    うまくそういうシチュエーションに持っていき、ヒロの気持ちをその雰
    囲気に酔わせ、うまくあかりさん方向に持っていったんですね?
姉さん:まぁね。
    しょせんマルチもコロンブスのたまご、
    やり方次第でなんとでもなるってことよ。

    ガチャ!!
マルチ:あの〜こちらに神岸さんがいらっしゃると思うんですけど…。
姉さん:あ、マルチちゃん! どうしたの?
みんな:(はや!!)
マルチ:あ、あかりさん!! 浩之さんがお探ししていましたよ!
姉さん:うん、わかった! すぐ行くって知らせといて!
マルチ:あ、はい!! わかりました!!
姉さん:うん! ありがとう!
マルチ:あれ? セリオさん? どうしてここに?
セリオ:マルチさんを迎えに来ました。
マルチ:あぁ、そうなんですか! それはすみません!!
    それじゃ、一緒に帰りましょう!!
セリオ:はい。それではあかりさんまた…。
マルチ:それじゃ、わたしも失礼します。
    あかりさん今度またお料理教えてくださいね?
姉さん:うん! 私で良かったらいつでも声をかけて!!
マルチ:わぁ、ありがとうございます!! それじゃ失礼します!!
     バタン!
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姉さん:ふん、せいぜい利用させてもらうわ・・・。
志保 :切り替え早過ぎ…。
    ドカ!!
志保 :ぎゃ!!
姉さん:おめーもこれぐらいマスターしとけ! ダボが!!
    新人のセリオだってマスターしてんだぞ!
志保 :あいつはロボットですし…。
姉さん:お前最近口答えおおすぎ…。
志保 :す、すみません!!
姉さん:ふん!! まあいい。
    志保!! 来週の情報を言え!
志保 !?…え〜と、ら、来週の情報は…まだ入ってきてなくて…。
姉さん:あ〜ん? お前最近マジ使えね〜なぁ。
    ま、いいや。お〜い琴音!!
    シ〜〜〜ン
姉さん:あれ? 雅史、琴音は?
雅史 :えっと…、琴音ちゃんは病院にいってます……。
姉さん:うん? なんか悪いのか?
雅史 :い、いや。そういうわけじゃないんですけど…。
姉さん:なんだよ、しかたねーな。
    ま、どうせ来週と再来週の二話構成で私の巻だろ?
    今のうちに体休めておくか!!
    それじゃ、私は先に上がるぞ!! じゃあな!!
志保 :お疲れさまです。
雅史 :お気をつけて…。

志保 :…………。


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