ちゃっぽん…。

雅史 :いい湯だね〜、浩之。
浩之 :ああ、そうだなぁ。
別荘の近くにこんな温泉があったとはな…。
執事のじいさんも昨日教えてくれりゃぁよかったのによぉ。
雅史 :近いと言ってもここまで結構歩くだろ?
昨日はなんやかんやでみんな疲れてたからね、気を使ってくれたん
だよ…、それに別荘のお風呂だって結構すごかったよ?
浩之 :まぁ、そうだけどな…。
しかし明日はもう帰るのかぁ〜。
二泊三日て〜のも結構短いよな…。
雅史 :そうだね…。
でも来栖川の事情だからしょうがないよ…。
それに何日も居ると、こういう所はやることがなくなって暇になっちゃ
うもんだよ。
浩之 :まあな…。
たしかにヒマはしなかったな。
それに最後に温泉っていうのも乙でいいか…。
…しかし絶景のパノラマだな!
湯加減もいいし最高だぜ!
雅史 :混浴だったらもっと良かったのにね?
浩之 :…。
雅史 :どうしたの浩之?
浩之 :…いやお前、琴音ちゃんと付き合うようになってから変わったよな
?
雅史 :そ、そうかな?
浩之 :人間臭くなったって言うかエロくなったっていうか…。
雅史 :いやだなぁ〜浩之。
僕は昔からこうだったよ?
浩之 :う〜ん、そうか〜? 少なくとも昔のお前じゃ、混浴だったら良いな
んて絶対言わなかったぞ?
雅史 :言わなくても思ってはいたよ…。
浩之 :ただのムッツリじゃん…。
雅史 :そうとも言うね。
浩之 :まぁいいか、その変貌は親友としては嬉しい限りだ。
雅史 :そう?
浩之 :前のお前よりは断然いい。
バキッ!! ドガッ!!
:ぎゃっ!!
あかりん:わ〜、見て志保〜誰もいないよ〜!!
私達の貸し切りみたい〜。
志保 :う、うわぁ〜ホント!! やったねあかりぃ!!
琴音 :素敵ですねぇ〜。
雅史 :あかりちゃん達も来たみたいだね?
浩之 :いや、それよりも今女湯から変な悲鳴が聞こえなかったか?
雅史 :…そう?
浩之 :まぁ、いいか…。
雅史 :向こうはあかりちゃん達以外誰も居ないみたいだね?
浩之 :そうだな…こっちはオレ達とあっちで女湯に向かって絶叫してる親
子と…、

浩之 :あと…、

浩之 :……。
どわ!!
ま、マルチ!?
マルチ:浩之さんお邪魔します。
セリオ:いいお湯ですね…。
浩之 :お、お前達なんでこっちにいんだよ!!
こっち男湯だぞ!!
マルチ:ハイ! 知ってます。
遊びに来ました!!
浩之 :遊びに来たって…お前なぁ…。
雅史 :何を慌ててるんだい? 浩之。
浩之 :何って、女が男湯に居るんだぞ!
雅史 :女ってロボットだよ?
裸のお人形さんに向かって欲情するほど僕は変態じゃないよ。
浩之、君ももう少し落ち着いたらどうだい?
浩之 :セリオ、スキャン!!
セリオ:ハイ。
……雅史さんの下腹部に高温反応および肥大物が確認されます。
雅史 :…てへっ。
セリオ:…てへっ、じゃねえつうの…。
浩之 :……こいつも変わったな…。
マルチ:あっセリオさん! おじいさんも来てるみたいですよ!!
セリオ:ハイ、感知しています。
浩之 :おじいさん?
マルチ:おじいさん〜!!

セバス:お〜、マルチにセリオかぁ。
浩之 :おわっ、執事のじいさん…。
あんたマルチ達に自分の事そんな風に呼ばせてるのか?
セバス:ふん、わしが呼ばせてる訳ではないわい!!
息子がそうしつけたんじゃ!
マルチ:はい! 主任はわたし達のお父さんですから主任のお父さんであ
る長瀬さんはわたし達のおじいさんです。
セバス:ふん、自分が親孝行出来んもんだから、こんなロボットに代わりを
させおって…。
セリオ:おじいさんお背中お流しします。
セバス:おぉ悪いなセリオ…。
では頼もうか。
マルチ:わ、わたしも流します〜。
セバス:ははは、わしの背中は広いからな二人で流せばよいわい!
マルチ:ハイ!!
浩之 :なんかいい話だな…。
雅史 :なんか新手の風俗みたいだね?
浩之 :雅史、その考えは人格疑うぞ?
マルチ:わぁ〜、相変わらず立派な龍さんですねぇ〜。

浩之 :…。
雅史 :浩之…今度からはお年寄りはもうちょっと大事に扱った方がよさそ
うだね…。
浩之 :そうだな…。
綾香 :わぁ〜、ここに来るのも久しぶりねぇ、姉さん。
芹香 :……。
あかりん:あ、芹香先輩に綾香さん! いらっしゃい!!
遅かったね〜。
綾香 :はろ〜あかり。
(夕食に一服盛ったでしょあんた…)
姉さん:(なんのことぉ〜?)
綾香 :まぁいいわ…あなたらしくて…。
あかりん:えへへ〜。
綾香 :ところでここのお湯ってこんなに赤かったっけ?
あかりん:きっと鉄分が多いいんだね!
雅史 :あれ、来栖川さん達って今着いたんだ?
浩之 :あぁ、そうみたいだな…。
それより、なんか向こうの親子がまた騒ぎ出したんだけど、なんかあ
ったんかな?

雅史 :思い出し騒ぎじゃない?
浩之 :なんじゃそりゃ…。
綾香 :それでは温泉では恒例の皆さんの成長度チェックで〜す。
琴音 :な、何ですかそれは…!?
綾香 :う〜ん? なんて言うの女の子同士お風呂に入った場合の宿命と
でも言うのかしら?
んじゃ、まずは〜。
姉さんからチェックしちゃおうかな〜!
芹香 :あ、あやか…ちょっと…あっ…。
浩之 :ナ、ナイスだぁ!! 綾香ぁぁぁぁ!!
雅史 :(う〜ん、さすがは綾香だな…、体型では姉さんはかなり不利!!
姉さんの弱点を上手く付いてきたね…。
敵ながらあっぱれ!! て、いうかナイス!!)
セリオ:……。
マルチ:セリオさんどうしたんですか?
セリオ:二人の下腹部に高温反応及び肥大物確認。
マルチ:それはもういいです…。
雅史 :行くか…。
浩之 :はぁ? 行くって何処にだよ?
雅史 :わかんねぇ〜野郎だなぁ女湯に決まってんだろうが!!
浩之 :の、覗くのか!?
雅史 :あったりめ〜だろ!!
男が女湯覗かねえで何覗くんだよ!! ボケかてめ〜!!
浩之 :お前また性格変わってんぞ…。
雅史 :こんな時だそりゃ性格も変わるわ!!
温泉の巻なのに今まで一枚も女湯のCGがないんじゃぁ!!
そんなんで読者が納得するかぁ〜!!
読者が今晩のおかずを手に入れられるかどうかは俺達の活躍
にかかってんじゃい!!
行くのか行かねえのか!! どっちだ!! くおらぁ!!
浩之 :ゆ〜じゃねえか! 雅史!!
行くに決まってんだろ!!
雅史 :お〜し!! それでこそ浩之だ!!
浩之 :しかしどうする?
女湯までの塀は軽く5mは越えてんぞ?
雅史 :登る!!
今の俺達のエロパワーならなんだって出来るぜ!!
浩之 :そ、そうだな!!
なんか初めてお前を頼もしいって思ったぜ!!

キラン!!
セバス:おい、小僧…。
浩之 :ビクッ!!
(しまったぁ〜、そういやこいつが居たんだぁ〜!!)
雅史 :じいさん邪魔する気か?
邪魔するならこっちも容赦しねえぜ…。
浩之 :おいおい、雅史…。
セバス:ふっ…、持ってけ…。
雅史 :なんだこれは?
セバス:松脂(まつやに)だ、それを手足に塗れば滑り止めになる…。
塀を登るのに役に立つじゃろう…。
浩之 :と、止めねえのか?
セバス:覗きは……、
漢之浪漫じゃからな!!

雅史 :あんたは行かないのか?
セバス:ふ…、もうそんな年じゃないわい。
…行け…。
雅史 :ふ…、じゃあな!!
浩之 :お前らキャラ変わり過ぎだって…。
雅史 :行くぜ!! 浩之!!
浩之 :おう!!

マルチ:おじいさんそれじゃわたし達は女湯に戻りますね!
セバス:うむ、ありがとう、お前達…。
セリオ:失礼します。

浩之 :おわっ!!
雅史 :大丈夫か!! 浩之!!
浩之 :すまねえ、雅史!!
雅史 :なに言ってんだよ浩之…。
俺達友達だろ!!

マルチ:浩之さ〜ん! 何だか解らないけどがんばってくださいねぇ〜。
浩之 :おう!! まかせとけ〜!!
セリオ:浩之さん雅史さんそれでは失礼します。
雅史 :浩之あとちょっとだ!!
浩之 :おう!!
マルチ:あかりさ〜んただいま〜!!
あかりん:おかえりマルチちゃん、どうだったそっちは?

セバス:若いな…。
むさ苦しくてすみません!!
次の日帰郷…。
つづく!!
|