〜前回のあらすじ〜
浩之が駅前のデパートでバイトをしていると知り、お弁当を作って応援に
行く事にしたあかりだったが詳しい場所まではわからない…。
そこでセリオのセンサーを使い浩之の居場所を特定。
あかりはセリオの言葉に従い後に付いていったのだが、着いた場所はヒー
ローショーの会場だった!!

あかり:セリオちゃん、セリオちゃん!!
浩之ちゃんの所に連れてってくれるんじゃなかったの?
セリオ:がんばってください!! ライダー!!
あかり:あの…、セリオちゃん?
マルチ:あ、あかりさん。
今のセリオさんに何を言っても無駄です…。
あかり:え?
マルチ:セリオさんはヒーローショーに目がないんです!!
セリオ:そこですぅ!! キックです!!
あかり:目がないって…なんで?
マルチ:ハイ。理由はさっぱり解らないんですが何故かそうなんです。
志保 :何それ?
んじゃ、あたしたちはどうすればいいわけぇ?
マルチ:とりあえずはショーが終わるのを待つしか…。
志保 :そんなの待ってられないわよ〜!!
あかり:志保、とりあえず浩之ちゃんの居場所を知ってるのはセリオちゃん
だけなんだからしょうがないよ。
待とう?
志保 :う〜ッ!!
アナウンス:みんなの応援のおかげで悪のピ○チュウは退治されました!
ありがとうライダー!! がんばれライダー!!
さよ〜なら〜!!
子供達:わ〜!!わ〜!!
セリオ:ありがとうございます〜!! ライダ〜!!
あかり:セリオちゃん! それで浩之ちゃんは何処なの?
セリオ:浩之さんですか? さっきの悪のピ○チュウさんが浩之さんです。
マルチ:はわぁ〜?
あかり:えぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ?
あれが浩之ちゃんだったの!? それじゃあ、今は何処にいるの?
セリオ:舞台裏に居ます。
志保 :舞台裏ねん! ほらあかり行くわよ!!
あかり:あ、しほぉ!!
〜舞台裏〜

あかり:も、もしかして浩之ちゃん?
浩之 :お!? あかりか? なんでこんな所に?

理緒 :か、神岸さん!?
あかり:えぇぇぇぇッ!!
ひ、雛山さん!? それ二人が入ってたの?
浩之 :ビックサイズだからな、この着ぐるみ。
それでお前はなんでここにいんだ?
あかり:え!? あ、私は志保達と買い物に来てその途中でセリオちゃんが
ヒーローショー見たいって言うからその付き添い…、ね!
セリオ:ハイ、そうです。
浩之 :はぁ? セリオがねぇ…、意外な趣味持ってんなセリオ?
セリオ:オフィシャルですから。
志保 :(まったく何嘘ついてんのよ! あんたは!!)
あかり:(だって…)
理緒 :……。
あ、あの神岸さん…、ちょっといいですか?
あかり:え? なに雛山さん?
理緒 :えっと、ここではチョット…。
出来れば二人でお話しをしたいんですけど…、いいですか?
あかり:う、うん。いいけど…。
浩之ちゃん! 私チョット行って来るね!!
浩之 :お、おう! …。
あかり:…それでお話ってなにかな? 雛山さん。
理緒 :あ、あの…、今日神岸さんはやっぱり藤田くんに会いにここへ来た
んですよね?
あかり:え? そ、そんな事ないよ!
さっきも言った通りホントに偶然だよ!
理緒 :いえ、解ってるんです。 隠さないでください。
神岸さんが藤田くんの事好きなのも…、私薄々感づいてました。
神岸さんいつも藤田くんの側に居るし、藤田君の側に居ようと努力し
てるし…。
あかり:………。
理緒 :でも、わたし…、私…。
私も、

あかり:ッ!!………。

理緒 :藤田くんには、もう私の気持ちは伝えてあります。
あかり:……。
理緒 :…神岸さんにはちゃんと言っておこうって思いました。
なんか…、そうしなくちゃいけないような気がして…。
あははは…、ごめんなさいこんな事言って…。
それじゃ、私戻りますね!!
タッタッタッタッ…。
あかり:雛山さん…。
…私って、卑怯だな…。
あかり:浩之ちゃん…、あ!!

葵 :まさかこんな所で先輩に会えるなんて思いませんでした!!
浩之 :オレもだぜ! しかしなんでこんなトコにいんだ?
葵 :あ、綾香さんの付き添いで!!
浩之 :あ、綾香!? 居んのか? ここに。
葵 :ハイ! あッ! 来ました!
綾香 :おまた〜、葵ぃ!
って浩之!? 何やってんのこんな所で?

浩之 :何って、お前だったのか!? さっきのライダー。
綾香 :ええ、そうよ〜友達の代理で、今日だけのバイトだけどね!
浩之 :バイトって、ホント庶民的なお嬢様だな? お前って…。
それにしても蹴り入れるときはもうチョット手加減しろよな!! ショ
ーなんだからよ!
綾香 :あれ? ひょっとしてさっきのピ○チュウって浩之だったの?
確かあいさつしたのは小柄な女の子だと思ったけど?
理緒 :あ、それ私です!
綾香 :そうそう、あなた。
浩之 :あの着ぐるみは二人用なんだよ!! デカイだろアレ?
綾香 :やだッ! 全然知らなかったわよ〜! そうならそうと言ってよ!
浩之 :お前な、オレじゃなくても手加減はしろ!!
綾香 :ん? と言うことはあなたあの着ぐるみの中ずっと浩之と密着状態
だったわけ?
理緒 :は、はぁ…。
綾香 :チョット! それは許せないわ!! 浩之は私の彼氏なのよ!!
私の断りなくそんな、羨ま恥ずかしい事…。
理緒 :え!?
葵 :あ、綾香さん! そ、そうだったんですか!?
浩之 :こら待てぃ!! 綾香! 変な嘘バラまくな!!

あかり:………浩之ちゃん…。
志保 :あ、あかり?。
姉さん:うん…。ダメだね私…。
ダッ!!
志保 :あ、あかりぃ!!
綾香 :浩之ぃ〜、今度の日曜二人で遊園地行こ〜!
理緒 :だ、ダメです。 藤田君はその日私とバイトするんです!!
葵 :そ、その日は格闘技同好会に顔を出してくれるって…、先輩…。
浩之 :ああああああああ…。

浩之 :……。
志保 :バカヒロ…。

浩之 :あかり…。

あかり:…ふぅ…。
なにやってんのかな…私…。
…お弁当…。
結局渡せなかったな…。
意味…なくなっちゃったね。えへへ…。
浩之 :ヨッ!
あかり:え!?

浩之 :まったく…、何やってんだ? こんな所で…。
あかり:ひ、浩之ちゃん!!
どうして?
浩之 :どうして? じゃ、ね〜って、お前の行動パターンは単純なんだよ!
あかり:…いいの? みんなは…。
浩之 :ん? はは…、適当な理由付けて逃げて来た。
あかり:もう、自分で種まいといて無責任だなぁ。
浩之 :それは言うなって…、こりゃ性分だからな…。
あかり:……もう。
浩之 :………。
…所でよ、オレさっきからスッゲー腹減ってんだよな。
そのさっきから持ってる誰に作ってきたかしんね〜弁当…、
オレが食ってもいいか?
あかり:え!?
あ! こ、コレ?
浩之 :それ以外何があんだよ?
あかり:そ、そうだね。う、うん!!
…はい。
浩之 :サンキュ!
あかり:今お茶も入れるね!
浩之 :おう!
………。

あかり:…おいしい?
浩之 :あぁ…、モシャモシャ。
しかし…誰に作ってきたかしんねぇけど、オレの好物ばっか入ってん
な?
あかり:…うん、偶然だね。
浩之 :たく、しょうがねえ奴だなお前って…。
あかり:うん…、しょうがないね…。
ふふ…。
浩之ちゃんは優しい…、私はいつもそんな浩之ちゃんの優しさに甘えてい
るのかもしれない…。この二人の時間に甘えているのかもしれない。
今までの私は恋をしていたのではなく。今までの関係を守ろうとしていただ
けなのかもしれない…。
…私は今日、恋をしようと思った…。
つづく
|