「ふむそうだな、これと……これも買おうか」      敬老の日、お年寄りを敬う日であり今日みたいな日はいつも世話になっている誰かに恩返しをすべきだと思った。そこでふと頭に浮かんだのがイツァムナーだった。携帯を取り電話をかけると一度の着信音の後、電話が繋がる。  『もしもし、おぉサモナー殿か。どのような要件かな?』  穏やかな口調で訪ねてくるイツァムナーに訳を話す。なんてことはないんだけど、今日はそういう日だからと。するとイツァムナーの嬉しそうな声が耳に残る。  『ははは、そうであったか。なに、その時に儂を思い出してくれるとは些か面映ゆいが嬉しく思うぞ』  喜んでいる顔を想像するとなんだか楽しい、それで普段仲良くしてくれるし何かできることはないかな?聞いてみるとふむと数秒の沈黙の後に声が帰ってくる。  『では一つ頼まれてはくれぬか?』    約束をし準備をすると待ち合わせの指定場所へ行く。今日はお互い学校も休みで絵を教えている美術教室の方も休みらしく若干暇を持て余していたらしい。  「おぉサモナー殿、よく来てくれた」  イツァムナーは嬉しそうに笑うと近寄ってくる。待ったかどうか聞くと数分だけと言われ謝るとわははと笑いだす。  「冗談だサモナー殿、ほぼぴったりで儂も先ほど到着したばかりだ。それではさっそく行こうではないか」  電話ではイツァムナーはどうやら画材店へと行きたかったようだ、そこで自分に荷物持ちをしてもらえるかと聞いてきた。歳を取って重たい物を持つのは辛くなってしまってなとまるで言い訳のように言うイツァムナーは少しおかしかった。  いつも行っているらしい店に入ると籠を持ち一つ一つを見ながら手に取る。綺麗な液体が入った物や筆、中には何に使うか予想が難しい画材まであった。  一通り店内を見て回ると自分に何か欲しい物はあるかと聞いてくる。しかし残念ながら絵を描くということは少し苦手でどれもこれも自分には必要のない物だった。苦笑しながら縁のない物ばかりと言うとそのうち必要になる時が来れば良いなと笑っていた。    会計を済ますと外へ出る、この後の予定は特に電話ではしていなかったが、どうしようか?  「ふむ、今買った物の使い心地を試したく思っておる、そこでだ、普段儂が教師として教えている美術教室があるのだが、そこで絵のモデルになってくれぬか?今日は休みで誰も居らぬから儂以外に見られて恥ずかしく思う必要もない」  なるほど、それくらいなら自分も役に立てそうだ。なによりイツァムナーからの頼みとあれば断れない。もちろんいいですよ先生。そう言うとイツァムナーは頬を赤くし嬉しそうにする。  「先生か……ふふ、ならば先生の言うことはちゃんと守るのだぞ?わはは」  調子が良さそうなイツァムナーを見ると自然とこっちも笑顔にされる、買った物を持ちながら二人並んでその教室を目指した。    *    ガララ    「ふぅ到着だ。今準備をするから好きな所に座って待っていてくれ」  教室に入ると色々な香りがした。恐らく絵具などなのだろうあまり嗅ぎ慣れなれない香りだが嫌ではなかった。並ぶ机や椅子を見て適当に決めるととりあえず座る。自分が普段いる学校以外の教室、少しドキドキだ。  数分してイツァムナーはイーゼルやキャンバスを持ってくる。指示されて立ち上がると机や椅子を横にどけてスペースを作り、真ん中に椅子を置くとそこに座った。  「よしよし、そのままで居てくれ。サモナー殿がモデルになってくれると心なしか儂の筆も乗ってきそうな気がするのだよ」  またまた、お上手なんですから。照れながら言い楽しそうにするイツァムナーとの会話が心地良い。最初は少し話をしたが、その後はイツァムナーは真剣に筆を動かし始めた。当然こんなことはやったことなくて何だが緊張する。  「表情が硬いぞ?ここには二人しかいない故、そのように緊張する必要もない」  そうは言われてもなかなか難しいですよ先生。モデルになって初めて分かる緊張感だった。十数分だろうか、イツァムナーは立ち上がるともう良いぞと言ってくる。もうなの?絵ってもっとこう……何時間も何日もかかるものだと思っていたから少し拍子抜けだった。  「勿論それだけ時間をかけるものもあるが、今回は筆慣らしみたいなものだ。まだ毛先が硬いからそれを解すのと、後はまぁ練習みたいなものよ」  近寄ってキャンバスを見ると驚く、そこにはしっかりと自分の座った姿が描かれていた。絵具で描かれたそれはリアル過ぎずまさに芸術と呼べる逸品だ、部屋に飾ったらさぞかしお洒落になるだろう、こんな短時間でこれほどまでに描き込める、さすが先生といったところか。  「ははは、斯様に褒めちぎっても何もでぬぞ?」  頬を赤くしてまんざらでもないイツァムナー、一度キャンバスを退かすと新たに追加して真っ白なそれをイーゼルに立てかける。もう少し付き合ってくれぬか?その言葉に頷く。次はどういうポーズにしますか先生?なんでもしますよ。その言葉を受けたイツァムナー少し考え、ちらりとこっちを見てくる。  「本当にどんなポーズでもしてくれるのだな?」  はいと言うとどこか妖しく笑うような気がしたが……気のせいだっただろうか?    *    机を用意し、その上に座った。その時からもう顔が真っ赤になっていた。ちらりとイツァムナーを見るとにこりと笑う、なんて清々しい笑みなんだ。諦めて徐にズボンを下げるとパンツ姿になる。そしてパンツに手をかけるとイツァムナーを見た。  「ほれほれ、どうした?儂しかいないから大丈夫だぞ。それともいっそ上まで脱いでくれるのかね?」  慌てて下だけでお願いしますと。なぜかノリノリなイツァムナーは急かように言ってくる。まさかこのイツァムナー先生にこんな顔があったなんて……熱くなった手でパンツを下げると足を通して落とし下半身を露出する。  「いい眺めだぞサモナー殿。そのままでな」  そう言って描き始める。教室にはお互いの息遣いや筆の動かす音だけが木霊した。  どれくらい時間が経っただろうか?もはや気にする余裕すらなかった。イツァムナーは立ち上がるとイーゼルとキャンバスをもって近づいてくる。どうしたのだろうか?  「いや、細かい部分は近寄らないと見えなくてな。そのままで良いぞ」  いやあの、さすがに近すぎません?手を伸ばせば届きそうなくらいにいるんですけど。だがやると言ってしまったのは自分だ、それに絵の知識なんてないからもしかしたらこれが正しいのかも。今やることはじっとこの状態を維持していることだ    「……んん?おぉ、これはこれは」  何度も顔を横から出して覗かれ、もの凄く一部分を凝視されて体がかっかと熱くなる。見られていると思うと余計に緊張し、自分の中で変な興奮が生まれてしまっていた。その結果、自分はイツァムナーに硬く勃起したそれを見せつけるという状況になってしまう。大変恥ずかしく思いますこれ。  「変化があったな、この部分を少し描き直す必要があるな……」  いや近い近い近い!立ち上がって足の間に入ると顔を近づけて舐めまわすように見てくる……いや舌出さないでください。  「ほほぉ、サモナー殿は良い竿を持っているようだ。しっかり観察せねばな」  なんでそんなに楽しそうなのか。にんまりと頬を赤らめながら戻ると再び描き出す。いやちょっと待ってよくよく考えれば自分のこの姿が絵に残るってことでは?え、それ保存するの?廃棄してほしいんだけど。  「ここはもう少しリアリティを出すか。後はそうだな……より雰囲気を出すためには」  再び近づいてくると驚いたことに舌を出し顔を股間に埋めてきた、柔らかく肉厚な蜥蜴の舌に巻きつかれ体を震わせて声を上げてしまう。  「何って、絵をより良いものにするための準備であるが?こうして濡れていた方が良いだろう。そのまま動く出ないぞ」  言いながら何度も舌をぐるぐると触手のように巻き付けてくる。竿がすっぽり舌に埋もれると回しながら舐め回されていた。初めての感覚と刺激は想像を絶する快感を生む、すぐにでも後ろに着いていた手や足は震え、息が荒くなっていく。予想していなかった事態に脳は軽くパニックになりつつも、なぜかこの状況を受け入れようとしていた。だって今日はほら……敬老の日だし。  「んっはぁ、なかなか良い味だ。やはり実物を触って確認してこそだ。先ほどよりもずっと良い絵になりそうだ」  解放されて一息つくとイツァムナーは興奮しながら腕を動かす。さっきよりもずっと速い……波に乗ったイツァムナーはその後数分して描き終わると満足そうに息を吐いた。  「よしできた。我ながら傑作になったな」  終わりですか?聞くといやと言う。だって今できたって……思っていると近づいて再び顔を股間に近づける。  「今もう少し描きたくなった。そのままで居るのだぞ」  無理やりな言い訳を言うと片手で玉を掴み揉みながら完全に竿を咥えてくる。もう画材の一つも持ってなくて行為をするために近づいてきたようなものだった。マッサージするように手の平で両の玉を揉んで中身を動かしながら、口内では先ほどのように舌を巻きつけてくる、それでいて口の肉壁を窄め、竿を根元まで埋めつくしながら頭を上下して貪ってきた。  もはや我慢なんて出来なかった。断続的に送られる刺激と快感に震えながら嬌声を上げちらし、体中から汗をかきながら搾り取られようとしている。いつしか頭の中に自分もこの状況を楽しめという思考が生まれ、徐々に溶けて染められていく。  「っぷは、こんなにも赤く腫らして。さぞかし溜まっているのだろう、遠慮することはないぞサモナー殿、ほれ、手ほどきしてやろう」  ぱくりと咥えると先ほどよりも激しく頭を動かす、玉を揉んでいた手を離すとその指はつつっと下へと動き、穴の入り口を撫でまわす。時々指の先端が中へと入っては内側から刺激された。こうなってくるともう自分もおかしくなってしまうわけで……ただでさえ耐え難った物はより強烈となり、自分を絶頂の淵へと急接近させる。    ドプッドプッドプッ    「んっ?んぐっんん」  たまらず果てるとイツァムナーは一瞬驚いた後、半目に鳴りながら喉を鳴らす。ごくりごくり、音を立てると出なくなった竿を綺麗に舐め口を離す。もう息も絶え絶えだ。  「ふぅ、沢山出たなサモナー殿。それほどに儂の口に満足したのかね?」  赤くなりながら頷……きそうになって慌ててなにやってるんですかと。わははと笑うとまるで気にしていない様子に少し呆れてしまった。  「さて、今日は敬老の日なのであろう?儂にできることがしたいと言っていたな」  うっ!と顔が歪む、イツァムナーの目はまだ妖しいままだ。もしかしてまだ……?机に手を置くとそっと手の甲に乗せて握ってくる。  「先生の言うことは聞くものだぞ?んん」  有無を言わせない突然の接吻、あの長い舌が口の中を蹂躙し、こすり合わせて唾液を拭い取られる。そして送られる唾液は自然と喉奥へと流れていった。  「次はそうだな、こういうポーズはどうであろうか?」    *    机の上で仰向けにされ、屈むと両手で尻をもって穴を舐められていた。中に入ってくると蛇のように腸壁を押しながらずぼずぼと出し入れを繰り返す。ちゅぽんと舌を抜くと指を入れられ解されていく。  「ゆっくり、そうその調子で力を抜くのだぞ」  胸や腹を撫でられながら穴の広げらていく、玉のような汗をかきながらも必死で力を脱いで身をゆだねた。ここまでくるともう何でとか教室なのにとかそういう思考は消えていた。快感に飲まれた脳は目の前の大きな蜥蜴の先生を欲してしまう。  しっかり解された穴は広がり指を何本か咥えこむ程になっていた。そろそろだろうとイツァムナーは自分のスリットから興奮して飛び出ていた竿を穴にぴたりと当てる。それだけでイツァムナーのがどれだけ大きいのかが分かってしまった。ほんとに入るのかな……。  「ではゆくぞサモナー殿、ぬっぅぅ」    ズブブ    ゆっくりと中へと侵入してくるイツァムナー、それは熱くとても大きく、腸を通して太い血管が浮き出ているのさえ分かるほどだった。根元まで入ると股間がぴたりと当たり体を倒してくる。  「おぉぉ、素晴らしい締まりだ。柔らかくとても気持ち良い……さぁサモナー殿、儂をしっかり敬うのだぞ?」    ギシギシ    腰を振りだすと机が揺れる。両足を肩に乗せながらイツァムナーは好色そうな顔つきでひたすらピストンを繰り返す。抜いては入れる、単純な動作ではあるがゆっくりだったり激しくしたりと単調にはしない。この行為を全身で楽しんでいるようだった。そんな先生に抱かれて自分もまた喜んでいた。内側からくる直接の強い快感は全身を飲み込み深みへと落とし、底は計り知れない。やがて快楽へと変わり思考は目の前の大蜥蜴へと塗り替えられていく。気持ち良い……気持ち良い……もっとイツァムナー先生のがほしいと。    ジュブッジュブッ    「はぁはぁ、感じておるか?良い顔をする、そのような表情をされた儂の理性が飛んでしまうではないか。はっふぅっ」  両手で腰を掴むとさらに速く激しくなる。大きな竿が素早く出入りし穴からは混じった液体が漏れて机を汚してく。ぬちょぬちょといやらしい水音は部屋に響き、見下ろしてくるイツァムナーとの吐息が交わっていく。  舌を出したイツァムナーを見て口を開けた、割れた舌先の先端からつつっと唾液が糸を作りながらこっちの口内へと落ちていく。それを辿るように舌が伸び、やがて口の中へと入りこんでいった。  「んぶっんんっ!」  完全に上半身を倒して押しつぶしてくると片手で頭を支えてくる、しっかり抱きながら長い接吻を繰り返す。穴を掘られながら片手でこっちの勃起を掴み、激しく擦りながら口も犯される。同時にあらゆる場所を刺激され耐えられない衝動はやがて限界をあっさりと越える。    ドプッドプッドプッ    射精中でもイツァムナーは止まらなかった。締まる穴に気持ち良さそうに呻きながら行為を続ける。上も下も解放されずだんだんと酔いしれていき思考を放棄し目の前がくらくらしてくる。  「っぷは、儂もイクぞサモナー殿!おぉぉっイクッイクッ!ううううぅぅ!!」    ゴポッゴポッゴポッ    雄々しい咆哮の後、体を逸らすとイツァムナーの特製絵具で中を白く塗りつぶされる。それはあまりにも量が多く、余すことなく隅々まで行き渡っていった。中で液体が動き、どこまで来ているのかが何となく分かるくらいだった。  十秒くらいだろうか、長い射精が終わるとぜぇぜぇと荒く呼吸しながら見下ろしてくる。  「はぁ、とても良いものだったぞサモナー殿。今日は良い日だな」  いくら敬老の日だからと言ってもこんなことをするのは自分たちだけではないだろうか?何やってんだかと思いつつも割と満足してしまっている自分もいてなんだか悔しい。  「さて、まだ時間はあるな?今日は終わっていないのだぞ、敬うのであれば従うべきであろう?儂は動くなといったのだ」  え?と聞くと抜けそうになっていた竿を再び差し込んでくる。喘ぐとふいに体が宙に浮く感覚がした。どうやら両手で抱きかかえられたらしい。  「さぁ行こう、もうしばらく儂のデッサンに付き合ってもらうぞサモナー殿」  赤い顔でにやりと笑うと繋がったまま歩き出す。どうやらこの教室は準備室があり、教師が休む個室もあるようだ。つまりはだ……。  「ふふふ、愛しているぞサモナー殿……んんっ」  今日は帰るのが相当遅くなりそうだ。そう思いながら歩く振動に声を上げていた……。    パタン      終わり