『男の子と言葉足らずたぬき』


自分は公園に住んでいるたぬきだし…
正確に言えば住まわせてもらっている感じだし…

公園のたぬき達はみんな「公園から出ちゃいけない」っていう約束をしてるし…
その代わりとして公園を管理してる人間さんから住む場所とか食べ物とかを貰っているし…
めちゃくちゃ大きな公園だからあってないような約束だけどし…

どうしてこんなに親切にしてくれるのか聞いてみたことがあるし…
人間さん曰く「街中にいる野良たぬき達を保護するため」らしいし…

すごいし…優しいし…って思いながら話を聞いてたし…
だけど「ぶっちゃけ街中にスラム作られたくないだけなんだよね」って言ってきたし…

まぁ別にそれでもいいし…住まわせてもらっている事実は変わらないし…
街中でスラム暮らしするよりも公園の方がずっと安全だし…

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自己紹介してたら話が逸れまくったし…本題に移るし…

つい最近のことだし…フラフラと適当に散歩してたし…
そしたら公園の隅っこの方でたぬ木を見つけたんだし…

あまりにも隅っこすぎて公園の仲間たちは気づいてないっぽいし…
他にも何本かたぬ木があるから仕方ない気もするし…

これはチャンスだし…
ここでは「ちびを最初に拾ったたぬきがそのちびのママになる」っていうルールだし…
つまりこのままいけば確実にママになれるし…

そして今はそのたぬ木の下にいるし…
たぬ実が2つ実っているし…数は少ないけど良質だし…
もうすぐ落っこちてきて中からちびが生まれるはずだし…待ち遠しいし…

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しばらく待ってたけどたぬ実は落ちてこなかったし…早すぎたのかもしれないし…
あれだけパンパンに膨らんでいれば中からちびを取り出しても問題ないはずだし…
だけどたぬ実に手が届かないし…ジャンプしても無理だし…

どうしようか悩んでいたらいつの間にか後ろにいた男の子に声をかけられたし…
「なぁ、あの実が欲しいのか？採ってあげよっか？」
「そんな感じだし…取ってくれるとありがたいし…」

いきなり声をかけてきたのはビックリしたけど親切な男の子だったし…
ご厚意に甘えるとするし…とか思っている間に取ってくれたし…早いし…
「はいよっ！これでいいんだろう？」
「合ってるし…バッチリだし…」

ありがたいけどあまりにもあっさりだし…
人間とたぬきの種族としての差を見せつけられた気分だし…
何はともあれ感謝しなきゃだし…そう考えた瞬間のことだし…

「これ甘くて美味しいな！欲しくなる気持ち、すっげーわかる！」
男の子がたぬ実を食べ始めたし…

「ぁ……えっ……」
「おっとっと、ごめんごめん。独り占めしちゃダメだよな。ほらよっ！」
違うし…中にちびが入ってるんだし…食べないでし…
そう伝えようとしてもショックで声が出ないし…

「なんか中がモチモチしてて旨かった！ごちそうさま！じゃあな！」
そう言って男の子は去っていったし…

中にいたはずのちびは「なんか嚙み切れないな…」って吐き出された服しか残ってないし…
生まれるはずだったちびのことを考えると悲しくなるし…

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気持ちを切り替えるし…過ぎたことを悔いても何にもならないし…
まだたぬ実は残っているし…

それにしてもこれだけ立派なたぬ実は初めて見たし…
もしかしたら双子が入ってるかもしれないぐらい大きいし…ワクワクするし…

ちびを傷つけないように慎重にたぬ実を齧るし…
「パクパクし…モグモグし……ｷｭ～♪」
やっぱりたぬ実はとっても甘いし…ちびが羨ましくなってくるし…

普段だったらたぬ実を食べるのはちびの特権と言っても過言じゃないし…
生まれて初めて口にするのがこれだなんて贅沢なちびだし…生まれは選べないけどし…

……なんかおかしいし…食べても食べてもちびにたどり着かないし…
嫌な予感がしてきたし…そんなはずないし…もっと食べるし…

「………………ハズレの実だったし…」
中にちびはいなかったし…

途中から薄々気づいてたし…全部の実にちびが入ってるわけじゃないってのも知ってたし…
だけど見て見ぬふりをしてたんだし…

これはきっと罰だし…
男の子に「中にちびが入っているから食べないでほしいし…」って伝え忘れた罰なんだし…

実際にはそんな訳ないのはわかってるし…ただ単に運が悪かっただけだし…
けれどもそう思わないとやってらんないんだし…

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ジタバタする気力すら湧かないぐらいションボリとしながら住処に帰ったし…
そしたら見覚えの無いちび達がいたし…

「見るし…めっちゃ沢山ちびを拾えたし…！」
「お前以外みんなママになれたし…というかどこ行ってたんだし…？」
「ｷｭｰ！」「ﾀﾇｰ！」「ｷｯﾂｯﾈ♪ﾀｯﾇｯｷ♪」

自分から言えることはもう何も無いし…疲れたし…
だからこの話はこれでおしまいだし…

完