「あっ、たぬきのうんちがあるし…」

散歩中に同行してきた見知らぬたぬきがそう呟いたのが聞こえた
しばらく平坦に続く山に繋がる道だが茂みの先には確かに何かの糞らしきものが置かれている
丁寧に掘られているようでさながら自然のトイレである

「たぬきもウンコするんだな…」
「正確にはこれは縄張りの主張をしてると思うし…」

たぬきが野生に生きてる野良がいるのは知ってたがそういうこともするんだな
しかし縄張りと言うことはこの辺にたぬきがいるってことだろうか

「縄張りねぇ…この辺は俺らのものだってか？」
「さすがにそこまで強いものじゃないし…精々ここにたぬきたちがいますよ程度だし…」

要するに近くに住んでいない他所のたぬきに対する看板みたいなものらしい
しかしたぬきが縄張りを意識するものなのか…俺の中ではションボリ顔でのほほんとした不思議生物だと思っていたが…

たぬきがウンコで縄張りを主張するという新たな情報に俺は少しだけ興味が出た
もしもその縄張りウンコを別のウンコに書き換えたらどういう反応をするかという部分だ
その日のトイレ(大)は我慢して人も出歩かない夜中に決行を移す
朝に見かけたたぬきの縄張りウンコまで出向くと俺はさっそくズボンを下ろして腹の痛みからの解放を行う
茂みで隠れているとはいえ野糞をする解放感も相まって一日溜まっていた大量の人間ウンコはいとも簡単にたぬきウンコを覆い隠した

「というかくせぇ！俺のウンコくせぇ！」

量もさることながら臭いも完全にたぬきウンコをかき消したと見ても良いだろう
後は急いで立ち去って何日かの様子を見てみることにする

…⌚…

数日後
俺は日課の散歩でそういやたぬきの縄張りウンコはどうなったのかと思い出して現場に向かった
臭いこそさすがに消えているが俺のウンコはどうやらまだ無事らしい。まぁ雨も降ってないしな
しかしよく見ると俺のウンコの上には小さいウンコが覆い隠そうとするように散りばめられていた

「しかしたぬきのウンコじゃいつまでかかるかねぇ」

縄張りを荒らされたと分かっているのか現地のたぬきたちも頑張って俺のウンコの上にウンコをしてたようだ
しかし悲しいかな人間とたぬきではウンコの質量が違いすぎる
これではここ一帯の縄張りは俺のもののままだ。たぬきも見知らぬウンコの存在に戦々恐々してるかもしれない

…⌚…

更に数日後
たぬきたちの涙ぐましい努力のお陰か俺のウンコはたぬきウンコの前に隠れ去った
不自然なぐらいに山盛りなたぬきウンコには執念すら感じられる
ここまで来たら俺も本気を出さざる得ないだろう
ここのところあえて散歩を減らして運動せずにお腹にウンコを貯め込むことで縄張り争いに終止符を討つ
もちろん人の目に入らないように夜中に決行するわけだが数日分のウンコを貯め込んだ解放感は思ったより凄かった
プリプリプリとモノを出していく音は中々途切れる事はなく、気づけば俺の山盛りウンコはたぬきたちの努力を無碍にするほどだった

「うわ、すげぇ。写真撮ったろ」

自分も気づいてなかったがその山盛りウンコは漫画みたいにとぐろを巻いていた
量、形、臭いが全てにおいてパーフェクトすぎたために思わず自分のウンコを撮ってしまうほどだ
思わず満足してしまったが次はたぬきの反応である
一旦帰ってから夜が明けての早朝に再び出向くと何と朝早くから縄張りで暮らしてただろうたぬきが何匹が集まっていたのだ
こいつら、というか野良のたぬきって結構朝早いんだなと感心してしまう

「また変なうんちがあるしぃぃぃぃいいい！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ
「なんなんし！？こんなデカいうんちをするなんてもどきでも近くにいるのかし！？」
「苦労して変なうんちを隠したのにまたやり直しだし…というか臭いし…」

どうやらたぬきたちは俺の出した特大ウンコの前にジタバタするしかないようだ
そんな期待通りの反応をされるとこっちも嬉しくなるのだがたぬきも思ったより切り替えも早いようだった

「しゃーないし…またうんちで埋めていくし…」
「ここはたぬきの住処だし…余所者かもどきか知らんけど好きにさせないし…」
「臭いし…何食えばこんな臭うし…」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

少しばかり俺は野良のたぬきというのを侮ってたかもしれない
未知なるウンコを前にしても負けずに縄張りの主張のためにウンコで対抗しようとするその姿
根競べしてどちらが根をあげるか勝負と行こうじゃないか！