歩道を歩く時、対向者が来る時にどのような行動をするだろうか
多くは互いが譲り合うように端に移動し、互いが通りやすくすることがほとんどだろう
もし自らが自転車に乗っていて、対向者がお年寄りや歩行者であるなら徐行をしつつ歩行者を優先するように通るはずだ

辛気臭いションボリ顔をしながら歩道をポテポテと歩くたぬきも同様であった
というのもたぬきの身長は成体まで育っても精々30cmほどでしかなく、成人した人間で言えば精々膝下程度だ
そのため人間の歩行者が近くにいれば蹴飛ばされたり、踏み潰される事も珍しいことではない
幸いモチモチとした成体のたぬきなら軽く蹴飛ばされてもジタバタするだけで怪我一つもないのだが

なので先に対向の歩行者がいたのを気づいたから、自分から端に寄って避けようとした。ただそれだけの話だった
しかし大事なことなので改めて言うが、たぬきの大きさは30cmほどで、普通に歩いていると人間からすれば目立たない大きさだ
ましてや街路樹のある端に寄られると色合いが混ざってよほど注意深く、下のほうを見ながら歩かないと分からなくなってしまう

「だぬぅ！？」ﾍﾞﾁｬ 
「あ、すまん」ﾁﾘﾝﾁﾘﾝ

歩行者の後ろから追い抜くように現れた自転車を走らせる青年
追い抜く際にたぬきがいる端の歩道を走らせた結果、自転車のペダルと靴が丁度よくたぬきの頭を打ち抜いた
柔らかだが確かな衝撃は心地よく、見えなかったとはいえすまないことをしたなという気持ち
でもたぬきだし別にいいかという気持ちの結果、青年はそのまま自転車を走らせた

後に残ったたぬきはペダル直撃で顔が赤く腫れ、まるで全身の血が集まったかのように更に赤くしていき、最大限のダヌージタバタをし始める
人の歩く道に置いて、たぬきは小さすぎるようであった