
「こ…こんな私を買ってくれてありがとうございますし！」
5割引きで売られていたたぬきに礼を言われた
ケースの前で悲しそうな顔をしていてジタバタジタバタしてたぬきだ
ケースのこいつをじっと見つめているとジタバタをやめ「ｷｭｰｷｭｰ…」と媚びた声を出してきたのが飼う決め手になった
こいつは買われるためなら何でもする、捨てられないために多少理不尽なことをされても耐えるはずだと確信した
2割は自分に半端な自信を持っているから駄目だ、8割は躾もなっていないのが多いのと無気力なのが論外だ

車に乗せる際は助手席の扉を開けるのではなく運転席に座りそこからたぬきを抱えてチャイルドシート付の助手席に座らせる
これをやるだけで警戒心も解け懐いてくるようになるのだ
「わわっ…ありがとうございますし…優しい飼い主さんでよかったし」
優しくない飼い主には反対の事を言うのかな？と薄暗い考えをしつつ家へ向かった

「実は…君を買ったのには理由があるんだ」
「はい…」
少し顔色が暗くなった
酷いことをされるんだろうかという考えでもしているのだろう、当たらずとも遠からずだが
「うちでは既にペットを飼っていてね、仕事中に世話を出来ないから手伝ってほしいんだ。
　君は賢いし責任感もありそうだから頼めそうだと思ってね」
「！！…任せてくださいし！頑張りますし！」
さっきまでの暗い顔はどこへやら、ニコニコ笑顔で答えてくれた
「ふっふっふ～ん♪」
嬉しそうに鼻歌を歌っているので適当にノッて歌ってあげた
「ふんふふーん♪」

「さあ到着だ、降りるよー」
とシートベルトを外したぬきを抱え一緒に降りる
ｷﾞｭｰっとしがみついてくるたぬきが愛らしい
「…♥」ｽﾘｽﾘ
すっかり警戒心を解いたようだ
まずはうちに一緒に入りたぬきのベッド、トイレ、遊び場所を軽く案内する。
目を輝かせながらついて来るたぬきが「ﾜｧｰ…ｷﾚｲ…楽しそうだし！」とウキウキしていた
最後に面倒を見てもらうペットの場所へ案内する


「車の中で言っていたペットなんだけど外で飼っているんだ」
「ふんしふんし…」
「じゃあ呼ぶね…おーい！出ておいでー」
僕がそう呼ぶと小屋から四足歩行の肌色の生き物がノソノソと出てきた
その姿を見たたぬきは目を見開いて硬直した

「ぶひーし…ぶひーし」
「ぶひしーぶひしー」
「ﾌﾞｷｭｰ…」
出てきたのは顔面に豚鼻をくっ付けた醜く太った裸のたぬき親子だった
「ぶひーしぶひーし…ﾌｺﾞﾌｺﾞ」
「ぶひー！」
「ﾌﾞﾋﾟｰ」
鼻を鳴らしながらくるくる回っている
ただ首輪をつけているのでリードの範囲外は動けない

「か、飼い主さん！これは…」
「ぶたぬきだよ」
「ぶ…ぶたぬき？」
「そう、ぶたぬき。君には僕が仕事でいない間に昼ご飯をやるのと庭を散歩させてやってほしいんだ」
「で…でもこいつらってたぬ」
たぬきが何か言おうとしたので肩をガシッと、それでいて力をかけずに掴んで
「ぶたぬき。こいつらはぶたぬきだよ、たぬきじゃない。
　それに…たぬきってのは君みたいに可愛い生き物を指す言葉だよ。」
そう言いたぬきを抱き寄せ頭を撫でながら頬にキスをした
「ひゃう！…あ、ありがとうございますし…」
顔が赤くなっている
ショップで優しくしてくれる人間はいなかったのだろうか、すごい甘えてくる

「わ…わかりましたし…飼い主さんがいない間にぶたぬきのお世話をしますし…」
「ありがとう、朝と夜は僕がご飯を出すからね。」
「わかりましたし…」
たぬきを落ち着かせた後は縁側に乗せた

「さて…ほらぶたぬき達、餌だぞー」
っと三角コーナーに溜まったていた野菜くずや僅かに肉がこびりついた骨等をバァ！っと投げつけた
「ぶひぶひ！ご飯だブヒ！」
「ぶひーしーぶひぶひ」
「ﾌﾞﾋﾟﾌﾞﾋﾟｰ♪」
汚らしくﾓｼｬﾓｼｬと食べている
ご飯と言いながらほぼ残飯と生ごみだがぶたぬきにとっては唯一のご飯なので美味しそうに食べる
しかし…
「ｷﾞｭｰ…ﾍﾟｯﾍﾟｯ」
一番小さいちびぶたぬきはお気に召さないのか、少し腐っていた野菜くずを吐き捨てた
「ぶひ！？バカやめるし！」
親ぶたぬきがそう咎めるが既に遅かった
僕は野菜を吐き出したちびの前に立ち…

ｶﾞｽｯ!
顔面を蹴り上げた、ちびぶたぬきが死なない程度に

「ｷﾞｭﾌﾟｱ！」
「好き嫌いはだめでしょ…吐いたものを食べなさい」
「ｷﾞｭｰ…」
「ぶたぬきはブーが鳴き声だろ…」
ちびぶたぬきをつまみ上げ僕の胸くらいの高さで離してやった
「ﾌﾟﾋﾞｭ!」
落下したちびぶたぬきは悲鳴を上げ丸くなってしまった
「あーあしょうがない…親ぶたぬき、ちびぶたぬきが吐いた物ちゃんと食べるんだぞ」
「ぶっぶひーし！もぐもぐぶひひび！」
…よしよしちゃんと食べてるな
「30分したら戻るけど…残すなよ、食べ物を粗末にしたら許さないからね」
プルプル震えながら生ごみを食べるぶたぬき達を後ろに家に戻った


たぬきは泣きそうな顔をしている
それはそうだ、同族が豚の真似をさせられてごみを食わされているんだもの
このままだと精神を病みそうなので説明することにした
「実はね…あいつらは僕が利用しているゴミステでゴミをあさっている野良たぬき親子だったんだ」
「！！」
「見つけるたびに注意したんだけどね…あいつらは
　『食うものが無いから仕方がないし！だったら私たちに食べ物を恵めし！！』って言ってきてね…
　全員捕まえて飼うことにしたんだ」
「…その時にぶたぬきにしたし？」
「そう！最初は全員に豚の脂身ばかり食わせてぶくぶく太らせて今の太さにしたんだ
　太った瞬間にあいつらが来ていた服もはじけ飛んでね、裸になっちゃったんだ」

「そしてあいつらに豚として生きるように命令したんだ
　そうそう、本当は子たぬきがあと二匹いたんだけどね…その時に逆らったからその時に屠殺してやった」
「ふえぇし…」
「頬とか尻は食べたんだけどね…野良だからあんまり美味しくなかったんだよね
　だから残りはあのぶたぬき親子に食わせた」
「こどもを食べちゃったし…」
「親は泣きながら食べていたけどね…子供は少し頭が弱いのか知らないけど美味しそうに食べてたね」
「…」

ううむ引いてしまっている、少し緊張をほぐすか
「…心配しないで、君には絶対あんなことはしないよ」
「！」
「車の中でも言ったけど君は賢いし愛らしい、僕に嫌われないようにするために行動することも考えている」
「う…」
「普通のたぬきならひどい！とかあいつらをたぬきとして扱ってほしいというけど…君は僕を怒らせないように慎重に行動してくれた」
「ご…ごめんなさいし」
「身構えないで…それくらいしたたかなほうが僕の好みだから
　だからさ、今までの行動は嘘じゃないからね。君をちゃんと大事に育てて見せるから」
「！…ありがとうございますし！」
「良しじゃあご飯食べよっか。今日はお寿司を沢山頼んだからね
　好きなのを食べていいよ！」
「わーい！では穴子を…このツメがまたいい味だし！」
「ふふふ」


やはり僕の目には狂いはなかった、彼女は5割引きの中でも特に賢く慎重なたぬきだ
駄目なたぬきだったらぶたぬきの仲間入りだったけど…とても気に入った


次の日
たぬきには内緒にしているが有休を取っているが仕事に行くと伝え外に出た
「行ってきまーす、お昼はぶたぬき達のお世話宜しくねー」
「わかりましたし！いってらっしゃいませしー！！」

最終テストだ…疑いたくはないけどちゃんとお世話できるかのチェックをするためだ
とりあえず昼になるまで近くのたぬきショップで買い物だ
あのたぬきはテスト合格するだろうしプレゼント買ってこなきゃ…


お昼です
「さてとし…」
ぶたぬき用餌袋を持って庭に出るたぬき
「おーい！ぶたぬきさんたちー！ごはんですよしー！」
たぬきが声をかけると…
「ぶひーしぶひーし」
「ぶひーしーぶひしー」
「ぶぴーち」
ぶたぬき達がのそのそ出てきた
「ほーらご飯だしー」
ぶたぬき用のエサ入れ(膿盆)にパラパラと炒ったおからとドライフルーツを混ぜたものを入れていく
これはたぬきが与えられるように僕が作ったぶたぬき餌だ
健康的なご飯なのでたぬきも「これ結構おいしいですし！」と太鼓判だった

「ぶひぶひふごご！もしゃもしゃし！もぐもぐし！」
「あむあむし！ぶひしぶびし！」
「ぶぴーち!ｱﾓｱﾓ…ぶぴーち！」
美味しそうに食べている…まぁ初めてのまともな餌なのもあるのですごい勢いで減っていく
「「「ぶひひーし！」」」
「全部食べたし…よかったし」
笑顔のたぬきとぶたぬき達
さて、次は散歩の時間だ

「さあみんな！庭の中で自由に動くし～♪追っかけっこなら一緒に遊ぶし！」
ふむふむ、あくまでペット扱いは崩さずそれでいて一緒に遊ぼうとする…か
ちゃんとしてますねぇ
これなら会社を休まなくてもよかったかな…と見てるとぶたぬきが
「ぶひーし！ぶひーし！…ぶひーしー…おい、たぬき」
「！？」
話しかけてきた

「おいたぬき…聞いているかぶひし？」
「こらこら…ぶたぬきは喋ったら飼い主さんに怒られるし…ちびちゃんまた蹴られるし」
「どうせ今いないぶひし…いいから話を聞けぶひし」
「駄目だし」
「いいから聞けぶひし！私たちの首輪のカギ持ってるだろぶひ…それをよこせぶひし！」
「カギってなんだし、そんなの知らないし」
「うるさいぶひ！私たちはあのサイコ野郎から逃げたいんだぶひ！このままじゃいつか殺されるぶひし」
「！！飼い主さんを悪く言うなし！」
「ぶぶひ…もう怒ったぶひ！」
ぶたぬきは体重を乗せたパンチをたぬきに放つが

「遅いし…蚊が止まるパンチだし」
軽やかにパンチを避けて足払いをかます
4足歩行に慣れていた為、久々の二足歩行が上手にできず簡単転んだ
「ぶっひぃ！」
顔面から転んで汚らしい悲鳴を上げた
「ぶうぅ～！もう起こったし！ちび達！こいつを囲んで叩いてやるし！」
数で攻めようとしたのか、子供たちに指示を出すも
「ぶひーし…やめてし、後が怖いし」
上の子は親の言うことを無視して庭で遊んでいる
「ぶぴーち！」
下の子は乗り気のようでたぬきに向かって突進をした
「ﾌﾞﾋﾟｨ!」
体格差からたぬきを仰け反らせることも出来ずはじかれてそのままジタバタし始めた

「諦めるし、今なら許してやるし」
「ぶひ！こいつ上から目線で…！」
足元の石を持ち上げ投げつけた
「！武器はだめだし！」
ぽーんと石を投げるも当然回避され跳ね返った石がちびぶたぬきに当たった
「ﾌﾞﾋﾟﾁｨ！」
額に当たりそこから血が流れ始めた
「ああちび…おまえー！！ってあらら？浮いてるし…」
流石に流血沙汰は無視できないのでぶたぬきの首根っこをつかんで持ち上げた
「あっ…」


「おいぶたぬき！全部見てたぞ！！」
「ぶひ！？ぶひぶひぶーひ！ぶひひ！」
「今更豚の真似をしても…遅い！」
そのまま全力で地面に叩きつけた
今回は命の保証はしない投げ方だ
「ブキュ！ﾌﾞﾋｰﾌﾞﾋｰﾌﾞﾋｰ…」
情けない声を上げて仰向けでジタバタしている
「よくもたぬきに手を挙げたな…怪我したらどうするんだ！お前らとは違ってちゃんとしたたぬきなんだぞ！」
我ながら理不尽なセリフと思ったがぶたぬき相手だし適当でいいだろう

「ぶひぃ…ゆるしてしぃ…」
「ぶたぬきのくせに人間様の言葉を使うんじゃない！」
さっきは豚の真似するなと言ったけどね
顔面を2度ほど蹴り上げるとまた豚みたいな泣き声をし始めた
「ぶひぃ！いい加減にするしサイコ野郎！！」
「そんなひどいことを言うなよ…お前には罰が必要だな」
ちびぶたぬきを倒れている目の前に投げ捨てる
「ブヒ…？」
ちびぶたぬきに足をかけゆっくりと力を入れる
ぐにゅうと潰れていくが悲鳴を上げながらジタバタと反抗を始めた
「ｷﾞｭｰｷﾞｭｰ！ﾀﾞﾇｰﾀﾞﾇｰ！！」
「ぶひひ！」
這いずりながら親がちびぶたぬきに手を伸ばす
どうやら力を振り絞って何とか助けようとしているようだ
こいつは一番下の子を溺愛していたので当然だろう

ぶたぬき共の茶番に少しだけ腹が立ったので
「ぶたぬきがたぬきみたいな悲鳴を上げるな」
と言いながら踏みつぶした
ｷﾞｭﾁｬ!「ﾀﾞﾌﾞ!!」

ちびぶたぬきの色々な汁がぶたぬきの顔面にかかった
「…ちびが…一番かわいいちびが……ぶーぶー」
心が壊れたようだ、完全に豚になりきっている
「ぶぅぶぅ…ぶひー」
「あーあ…豚になりきれとは言っていないのに」
そう言いながらぶたぬきから豚になった生き物の顔面を踏み潰した

残った子ぶたぬきに
「お前はせめてぶたぬきのままでいるんだぞ…そうじゃなかったらこうなるぞ」
「ぶひしー…」
「あとこのゴミは明日までに全部食うんだぞ」
そう言い捨てたぬきを抱え家に戻った



「たぬきは怪我はないかい？」
「大丈夫ですし！私は無事ですし…」
「良かった！」
抱きしめて体中をモチモチする
「えへへ…」
「でも怖かったよね、今日も一緒に寝ようか？」
「！！私一緒に寝たいですし！」
貴重な休日はたぬきとイチャイチャしながら楽しく過ごした

「(しかしぶたぬきも残り1匹か…近くに生意気な野良が致しあいつらでも補充しようかな)」
次のターゲットをロックオンしながら



おわり




その他

飼い主
→若干サイコ寄りの人間、と自分を評価してい正真正銘サイコ野郎
　飼い始めたたぬきには深い愛情を注ぐが、ぶたぬきに対しては家畜以下の扱いをする
　今回死んでしまったぶたぬき一家は22匹目だった
　5割で初めてたぬきの可愛い面を見たのでぞっこんである

5割
→自分の立場を理解しているたぬきで他の5割引きよりもとても頭がよかった
　ぶたぬきを哀れに思うが自分の身が大切なので飼い主の意見に従う
　優秀なぶたぬきブリーダーになった
　10年後、飼い主と入籍することになる

ぶたぬき
→代々先代のぶたぬきを食わされ続ける飼い主の玩具生命
　餌を炒ったおからとドライフルーツに変えてから肉質がよくなったので食われる機会が多くなった

ゴミステ
→ゴミステーション
　ゴミ捨て場の事