失敗作と失敗した者



私の尻尾からちびたぬきがリポップしたたぬきを育てて半年たつけど辛くなってきたし…
未だに動くときはハイハイだし普通に歩かせようとチビを起こすと
ばぶーし！はぶーし！の泣き叫んで嫌がるし…
生まれたての頃はｷｭｰ♪と愛らしかったのに最近はこんな感じだし…

同じくらいの年齢の他のちびたぬき達は「ママー！お手伝いするしー！」とか普通に喋って一人で歩いているし…
うちのちびは成長が遅くてイライラしてきたし…


「ばぶーし！ばぶーし！」
「なんだし！うるさいし！」
モチィとちびの頬っぺたをひっぱたいてやったし
「ばぶーしばぶーし！ばぶーしぃ！」
「なんなんし！ちゃんと言葉にして伝えろし！」
まだばぶーしなんて言うもんだから今度は力を込めてバチィと殴ってやったし
「！ばぶーち！ばぶーち！！！」

チッ　怒りすぎると今度はばぶーちなんて言い出すし…
…なんか臭いし！まさか！
ちびおむつを取ると案の定うんちしてたし…！！
「おまえ！うんちするときは早く言えとあれほど言ってたし！こいつ！こいつ！」
両頬をバチバチ殴ったらばぶーちを言い出したので無視したし
ちびを全裸にさせて外に放り投げてやったし
ばぶーし泣きながらジタバタしてるけど無視して洗面器に水を汲んでくるし…

さて、ちびに向かって洗面器を思いっ切り振りかぶってバシャバシャ水をかけてうんちの汚れを落としてやったし
いきなり水を掛けられて「ばぶーち！ばぶーち！！」と泣いているけどいちいち構う必要はないし
全身が濡れてプルプル震えている所をちびの足をもってブンブン振り回すし…
これで全身の水気を飛ばすんだし…まだ泣きわめいてるけどこれは罰だし
最後に泣きじゃくるチビを殴って黙らせた後に服とおむつをつけたし

…ってああそうか、最初のばぶーしはうんち出そうって意味だったのかし…
「ったく！だったら分かりやすく言えし！」
今度は額をバチンと殴ってやったし
またばぶーちが出たので徹底的に無視するし


「ばぶーし！ばぶーし！」
「だから何なんし…分かりやすく言えし」
「ばぶーし！ばぶーし！」
「ああご飯かし…これでも食えし」
とパンの耳をくれてやったし
「ぶぶぶ…ばぶーし！ばぶーし！」
首を振りながらジタバタしてるし…飯が食えるだけありがたいと思えし
「文句言わず食えし！」
眉間を思いっきりバチンと殴ってやったし
ちゃんと食べるまで殴り続けるし…
「あむ…あむ…ばぶーしばぶーし…」
今度はおとなしく食べるようになったし


「ばぶーし…ばぶーし…」
「はぁ！今度はなんなんし！」
「ばぶぅし…」
「チッ！」
両頬を思いっきり引っ張って黙らせてやったし
「………」
おっ黙ったし
ふふふ…教育の結果が出たし
こんな出来損ないじゃなかったらもっと賢い子に育ったのに…親不孝な子を持つと苦労するし‥‥



「ばぶーし！ばぶーし！」
気持ちよく寝ているところを起こされたし…ふざけるなし！
寝ながらバチン！とほほを殴って後は無視したし…夜中に泣くとは近所迷惑な奴だし…

…ﾌﾞﾘﾌﾞﾘﾌﾞﾘ…
「…ばぶーし…」


朝が来たのでちびに飯をやろうと近づくと…臭いし！
「おまえ！またうんち出てるのに言わなかったし」
両頬をモチモチと叩き寝ているちびを起こすし
「ばぁぁ…ばぶーし！ばぶーし！」
言うのが遅いしこいつ…
乱暴に服を脱がせ放り投げたところに水を何回もぶっかけて綺麗にするし
「ばぶし！ばぶーし！」
面倒くさいので喋っているのもう無視するし
今度は首をもってブンブンふりまわして水けを取るし
今度はキツイお仕置きだし
「…ばぶーし…」
よしよしおとなしくなったし


最近チビがおとなしいし
私の教育が良いせいか静かな子に育ったし
これで喋って歩けばいいのにし…ハァやっぱこいつ出来損ないだし
飯を渡せば黙々と食うし小さくばぶーし言うとうんちしっこの合図だし
よしよしし


ちびが喋らなくなったし…
珍しい事もあるもんだしと触ってみるととても熱いし！
「ねつでてるし！」
たぬきのお医者さんにすぐに連れて行ったし…あぶねーし　
流石私直ぐに気づけたし



「…あと一歩遅れていたら死んでいましたし…どうやら結構前から熱が出ていたようですし」
たぬきのお医者さんが苦い顔で言って来たし
「なんでこんなに放っておいたのですか？子供のなら危険のサインを出してくるはずですがし…？」
「あぁ、最近おとなしかったから気付かなかったし」
「…どういうことですかし？」
お医者さんに今までの経緯、教育の仕方を話したし

「…なのでおとなしい子に育ったし！流石私だし！」
するとお医者さんが怖い顔で怒鳴り始めたし…
「何言ってるし！おとなしく育ったのではありませんし！子だぬきちゃんがこうなったのはあなたが原因ですし！」
「ええし！？なんでし！ばぶーしと泣かずにおとなしくなったし！！」

「それはですねし！赤ちゃんが泣くのをあきらめたんですし！いいですかし！
　[ばぶーし]と言うのは子供の振りをする言葉と思われがちですが、この子のように親から愛情がもらえない子が口にする言葉でもあるのですし！
　親から愛情がもらえないから赤ちゃんの振りをして甘えようとするのですし！」
「そんなのただの甘えだし…」
「子供だから甘えて当然です！何を言っても母親であるあなたが何もしないからこの子は泣くのをあきらめたんですし！
　感情がない…心が壊れている状態です！」
…そんな…私そんなつもりじゃ…


うちのちびは一命をとりとめたけど母親である私から愛情がもらえないと思い…生きる気力を無くしてしまっている状態だったし
1週間後…
「…ば…ぶ…しぃ…」
ちびはしんだし


「ご愁傷様ですし」
冷たい顔でお医者さんが言った来たし
「お子様はいかがなされますし？」
「死んだならもういいし…そっちに任せるし…ハァ…」
出来損ないでも子育て勲章をくれるならと思ってたのにこんな最期ってないし…本当に役立たずちびだったし

「かしこまりました。こちらでこの子の亡骸は無縁塚に埋葬しますし」
「あーはい、おねがいしますし」
「ああ、最後によろしいでしょうか？」
「はいし、どうぞし」
さっさと帰ってご飯食べたいし…話半分で受け答えをしていたら強く両肩を掴まれて言われたし


「あなたは二度と子供に近づかないでください…子供を育てる資格はありません」



終


補足
このちびたぬきはたしかに成長の遅い個体でした
でも根気よく育てていれば普通の子に育つはずでした

失敗した親たぬきは虐待で子供を死なせたうわさが広まり誰も近寄らなくなりました
誰ともモチモチできずションボリとした孤独な一生を過ごし誰からも看取られず涙を流しながら土に還りました