自分は町から田舎の方に移り住んだ系のたぬきだし…
移り住んだのにはのっぴきならない事情があるし…

あの日は雲一つない絶好の日向ぼっこ日和だったし…
だから公園でお昼寝してたんだし…
正確に言えば陽射しが気持ち良すぎて寝ちゃったんだし…

スラムに帰ってきたらみんなグチャグチャになってたし…
多分だけど悪い人間に踏み潰されたんだし…ひどいし…
「ヤバいし…どっかに逃げるし…」って感じでひたすら歩いたし…
みんなには申し訳ないけど死にたくなかったんだし…
そしていつの間にか田舎まで来てて今に至るし…

色々と大変だったけど悪いことばかりじゃなかったし…
町のスラムほどではないけど田舎にもたぬきがいたし…
ありがたいことに仲間に入れてくれたし…優しいし…
たぬ木があったからちびも拾えたし…
町の方にはたぬ木なんて無かったから初めて見たし…

それに加えて田舎の人間は優しいし…
たぬきを見つけても特に何もしてこないし…
理由を聞いてみたら「何もされなければ、こっちも何もしない」らしいし…

田舎の良いところはそれだけじゃないし…
何よりもご飯が美味しいし…
町にいた頃の主食は人間が捨てた食べ物だったし…
それなりの頻度で腐りきってたせいで仲間がそこそこ死んだし…

今はその辺に生えてる草が主食だし…
食べてみると意外と乙なものだし…
「苦いし…もう一本し…」みたいにいくらでも食べれるし…

しかもたまに贅沢な食事ができるし…
土がフカフカのところに行くと美味しい実が沢山あるし…
仲間たぬき曰くそこは畑って呼ぶらしいし…

畑にある実の中では赤くて酸っぱいやつが大好きだし…
これはきっとアレだし…町にいた頃の影響だし…
あの頃は腐りかけの酸っぱくなった食べ物も結構食べてたし…
だから酸っぱい味が懐かしいんだし…
だけど他のみんなは赤くて酸っぱいやつは割と苦手みたいだし…

そんなことを考えていたら畑まで来てたし…
今日もたっぷり実っているし…採り放題だし…
というよりは採りきれないから残っているんだし…
せっかくだから持って帰る前にここで一つ食べちゃうし…

「モグモグし…パクパクし…」
やっぱりこの赤いやつ美味しいし…
爽やかな酸味がたまらないし…腐った食べ物とは大違いだし…
これが苦手だなんて勿体ないし…

「やっぱりもう一個食べるし…ムシャムシャし…更にもう一個し…」
そんな風に食べ続けていたら後ろの方から足音が聞こえてきたし…
振り向くとそこには人間がいたし…
とりあえず話しかけてみるし…悪い人間じゃないかもしれないし…

「こんにちはだし…お兄さんも赤いやつ食べにきたし…？」
「昼ご飯用のを収穫しようとしてたから、まぁ合ってるかな」
自分と同じ目的らしいし…悪い人間じゃなさそうだし…

「トマト、美味しいかい？」
「これトマトって言うんだし？とっても美味しいし…」
「そうか、それは良かった！俺の自信作なんだよ！」
「自信作ってことは……これ育てたのお兄さんだし…？」
「うん。たぬきには何のことか分からないだろうけど、無農薬栽培だぜ！」
確かにムノーヤクサイバイとか言われてもさっぱりだし…
だけどお兄さんの態度からそれが凄そうなことは理解できるし…

「ところで……仲間はいるか？」
「沢山いるし…自分を含めて合計15匹いるし…ちびが10匹だし…」
「そんなにいるのか……よし！お前達に甘いものをプレゼントしてやろう！」
「マジだし？もしかして神様だし…？」
なんか一瞬だけ困ったような顔してたし…
でもそんなの関係ないし…久しぶりの甘い食べ物だし…！

「家から持ってくるから、ここで待ってろよ？」
「わかったし…待ってるし…」
待ってる間にお昼寝しようかと思っていたら意外とすぐに戻ってきたし…
「それじゃあ、お前達の住処に連れてってくれ」
「了解だし…甘いの楽しみだし…」
お兄さんは大きな箱を持ってたし…
あの中に甘いのが詰まっていると思うと嬉しすぎて踊ってしまいそうだし…

というわけでお兄さんを案内したし…
「ここが今の住処だし…そしてこれがたぬ木だし…」
「ようこそだし…こいつが連れて来たってことは悪い人間じゃなさそうだし…」
「見ての通りたぬ木ぐらいしか無いけどゆっくりしていくといいし…」
お兄さんが「マジでいたよ…」とか小声で言ってた気がするけど多分気のせいだし…
だって甘いのをくれる良い人だし…

「これが甘いやつ……ブランデーケーキだ！自家製だぞ？」
お兄さんが持ってた箱の中にはフワフワでカラフルなものが入ってたし…
こういうの町にいた頃に何回か見たことある気がするし…食べたことはないけどし…

「すごい良い香りだし…甘いだけじゃないし…例えるための言葉がわからないし…」
「もしかしてこれ食べていいんだし…？」
「失礼なことを聞くけど毒とか入ってないし…？」
そういえばみんなには全く説明せずに連れて来たから騒めいてるし…

「そんなこと言うなら毒味代わりに一個食べちゃうぞ？……うん、旨い！」
「疑ってすまなかったし…ありがたく頂くし……めっちゃ甘いし…！」
「ちびにも食べさせるし…」「ｷｭｰ♪」
すごいし…みんなションボリとは程遠い顔してるし…
無理もないし…間違いなく今まで食べたものの中で一番美味しいし…
しかもそれが食べ放題なんだし…精一杯堪能するし…

……食べ始めてからしばらく経ったし…
甘いやつはまだまだあるし…たっぷりだし…
食べているとおいしくてしあわせになるし…あたまもフワフワするし…
というかあたまがまわらないきがするし…これヤバくないし…？

なんとなくみんなはどうなってるか見てみたし…
みんなたおれてたし…ギリギリうごいてるのもいるけどちびはぜんめつだし…
「もしかして毒だったんだし…？」
いまさらきいてもムダだし…このふんいきだと自分ももうすぐ死ぬし…
だけどきいておきたかったんだし…

「うん。ブランデー……っていうかアルコールはたぬきには毒だ」
「どうしてこんなことしたんだし…？」
「そりゃあ……お前、俺の畑のトマト食べてただろ」
自分のせいだったし…自分のせいでみんな死んじゃったし…

「もうしわけないし…しらなかったんだし…」
「お前一匹だけだったら、猿とか猪と比べれば被害は少ないからギリギリ許したんだが…」
「かぞくがおおすぎたんだし…？」
「だってお前ら小さい割に沢山食べるじゃん…お前らに食われたら俺の分が無くなるじゃん…」
お兄さんもションボリしてるし…これもぜんぶ自分のせいだし…

「とは言え直接駆除するのは気持ち的に嫌だから、農業雑誌で見た方法を試してみようかなって…」
まずいし…そろそろげんかいみたいだし…
「偶然にも暇つぶしにブランデーケーキを作ってたんだけど、まさかここまで効くとは…」
おにーさんがなにいってるかわかんなくなってきたし…

「って、俺が言えた義理じゃないけど大丈夫か？」
「さいごのおねがいだし…たぬ木の実をたべてやってほしいし…」
「あれって確か、子たぬきが中に入っているんだろう？本当にいいのか？」
「おやがいないとすぐにしんじゃうし…だったらおいしくたべられたほうがしあわせだし…」
「そういうもんなのか？まぁ、たぬきが言うなら本当なんだろうな多分…」
「ほんとうのさいごに…かってにトマトたべて…ごめんなさい…し…………」

「後味の悪い死に方しやがってクソが…仕方ないからたぬ木の実食うか……旨っ!?栽培してみようかな…」

完