ある町のある駅の隅っこに、ダンボールの上でうどんダンスを踊り続けるたぬきが居た。
「きっつっね♪たっぬきっ♪つっきっみ♪…」

「ふぅ…ふぅ…ありがとうございましたし！おひねり貰えると嬉しいですし！」
大きな声でそう伝えても、たぬき相手に一々足を止める人間は居ない。

それでもたぬきは、めげずに、休まずにずっと踊り続けていた。

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「う～今日も寒いなぁ…」
朝の8時。しがないOLである私は骨身に染みる様な北風に耐え、何とか駅まで辿り着く。
仕事は好きだけど通勤は苦手。瞬間移動できないかなぁ…なんて考えていると、どこからか小さな歌声が聞こえてくる。
音の方向に目を向けると、ダンボールの上で汗を流して踊り続けるたぬきが居た。

「…」
気になったのは一瞬。物乞いたぬきなんて珍しくもないな、と思い踵を返そうとする。が…
真っ青な顔でダンボールの上から糸が切れた人形の様に倒れたたぬきを、流石に放っては置けなかった。

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「うーんし…うーんし…ﾀﾇｯ！？」
「あ、起きた」
「大丈夫？踊り疲れちゃったのかな」

たぬきはすぐに目を覚ました。疲労が溜まっているのだろうか、体中が小刻みに痙攣している。
すぐそこのコンビニで買ってきたペットボトルの経口補水液を口に押し当ててあげると、一瞬驚いた表情をしたものすぐに勢い良く飲み始めた。

「ごくっごくっ…ふぅし…あ、ありがとうございますし！助かりましたし…」

生き返った、と言わんばかりに肌が瑞々しさを取り戻していく。軽い脱水症状だったのだろう。
「じゃあ私はこれで…それはあげるから頑張ってね」

まだ時間に余裕があるとは言え、いつまでも構ってはいられない。
そそくさと去ろうとすると、たぬきが両手両足で私の足にしがみつき顔を向けて言う。

「待ってくださいし…お礼にうどんダンス踊りますし…見てってくださいし」

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「…うっ♪うっ♪」
お尻を突き出し、最後にくるっと回って両腕を上げる決めポーズ。
必死に頼み込まれて見たうどんダンスは疲労しているだろうに、切れのある動きで見ていて退屈しなかった。
駅前で踊るだけの事はある。踊り終わった後には私もｽｲと拍手が出た。

「すごいすごい…なかなか良かったよ」
「てへへし…///」

褒めてあげると、照れくさそうに後頭部を掻いた。
先ほどから疑問に感じてはいたのだがこのたぬき、くたびれているとは言えそこそこ身なりがいい。
勝負服は質が良く、勲章も一つだけだが立派なものがついていた。
気になったので本人に聞いてみる事にする。

随分服がキレイだけど、飼いたぬきではないのか。飼い主にやらされているのか、嫌ではないのか…と。

するとたぬきは一瞬真顔になった後、ポロポロと大粒の涙を流し始めた。

「ごっごめんね！嫌な事言っちゃったかな…」
「いいんですし…ｸﾞｽｯ…あの、おねえさん…ちょっと聞いてほしいんですし…」
「踊ってるの、訳があるんですし…」

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自分は元々ペットショップのたぬきだったが、買ってくれた主人がいた事。
美味しいごはんに暖かい寝床があり、毎日ダンスを一緒に楽しみ、寝る前に絵本を読んでくれた事。
とても優しくて大好きな主人と、散歩中に突然はぐれてしまった事。
途方に暮れ彷徨って居る所に、はぐれ子だぬきと出会った事。
子だぬきは病を患わっており、おそらくそれが原因でスラムから捨てられたのではないだろうか、と言う事。

「だから、拾ったちびを食べさせてやるためにおかねが必要なんですし…」
「私は外でごはん探せなかったし…虫なんて怖くてさわれないし…」
「でもご主人が褒めてくれたうどんダンスなら…おかねが手に入るかと思ったんですし」
「ちょっとだけだけど貰えましたし…！」

下手くそな字で「ちびがいますし　おひねりくださいし」と書かれたアルミの箱を指さす。
1円や10円がまばらに入っているもの、大半は吐き捨てたガムやレシート等のゴミばかりだ。

「そ゛っ゛か゛…゛苦゛労゛し゛て゛る゛ん゛だ゛ね゛ぇ゛…」
「わわっ…おねーさん泣かないでくださいし…」

元々涙もろいタイプではあったが、このたぬきの話にすっかり胸を打たれてしまった。
テッシュで涙を拭い、落ち着く頃には私の腹は決まっていた。何となくでペット可の物件にして本当に良かった。

「分かった…その子だぬきも一緒に私の家に来ない？」
「えっ…ほ、ほんとですかし！？」
突然の宣言に口を大きく開け、心底驚いた表情をしたたぬきだが、すぐに元のションボリとした顔に戻る。

「で、でもおねーさんにごめいわくをお掛けしたく「気にしないでいいから！」」

発言をすぐに遮り、たぬきを諭す。あくまで主人が見つかるまでの仮住まいで、子だぬきの病気も病院に行かなければ良くならないだろう、と。
それだけ愛されていたなら主人もきっとたぬき捜索サイトに登録しておりすぐ見つかるはずだ、と。
そう熱心に語りかけていると、たぬきも何とか首を縦に振ってくれた。

「ありがとうございますし…！このごおんは必ずおかえししますし…！」
「気にしないでいいから…ね？」
「ｸﾞｽｯ…嬉しいですし……あっそうだし…」
「どうしたの？」
「おねーさん、ご主人とよく似た服着てますし…おしごと行かなくていいんですし？」
「…あっ」

時刻は8時半。始業は9時。ここから職場まで45分。完全に遅刻である。

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「親切なおねーさんにあえてよかったし…」
仕事が終わったら迎えに行くから夕方位にまたここに居て欲しい。
子だぬきにはとりあえずこれで何かを食べさせてあげて、と千円札をアルミの箱に入れ大急ぎで駅の構内に向かって駆けていった。
嵐の様に現れた救いの手に今いち現実味を感じられなかったが、箱に入った千円札がこれが現実である事を物語っている。

「千円だし…！すごいし…」

これを親切な人に渡せば代わりに食べ物を買ってきてくれる。そう考えていたたぬきの前に、3人の少年達が通りかかる。
丁度よかった。あの人達に頼もう！と箱の中から千円を取り出す。

「あ、あの…すみませんし…これでちびでも食べられるものを買ってくれませんかし…」
千円札を両手で持ち、頭を下げて頼み込む。少年達は当初その声に見向きもしなかったもの、差し出された千円札を見るとたぬきに近寄って来た。
「わ…ありがとうございまダヌッ！」
少年の内一人が千円札をひったくる様に掴み取ると、その勢いでたぬきが顔面から地面に突っ込む。
その様子に構う事もなく少年達は吐き捨てるように言葉を投げかけた。

「これで食いもん買ってくりゃいいの？」
「いだだっ…は、はいですし！」

ひりひりと痛む顔を抑えながら、こんな扱いは慣れっこだと言わんばかりにたぬきは返事をする。
変に相手の機嫌を損ねる位なら自分が我慢した方がいい。

「…わかった。買って来てやるよ。ちょっと待ってな」
「！ありがとうございますし…あ、ちゅうって吸えるゼリーは絶対買ってくださいし！」

ちょっとぶっきらぼうだけど優しい人達だ、声を掛けて正解だった…とたぬきは思ったが、すぐにこれが間違いだと気が付く事になった。

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数分もするとビニール袋を掲げた少年達が下品な笑い声を上げながらコンビニから出て来た。
「あっ、来たし！何買ってくれたんですし？」
期待を込めて少年達の足元に近寄って来たたぬきに、少年達はビニール袋を漁り始める。
そして取り出したのはよく分からないが、数センチ四方のキラキラと光る袋を取り出した。厚みはあまり無く、食料には見えないが…

「…何ですし？それ…食べ物ですかし？」
首を傾げて問うたぬきを無視し、少年達は袋を破る。中には数枚の紙きれが入っていた。その中身を確認し、少年は大声で悪態をついた。
「くっそー！またカスかよ！」「次の開けようぜ！」「出るって！レア出るって！」
他の少年達もビニール袋に手を突っ込み、同じような袋を開け始める。
「うぉぉ！ウ〇ス出た！」「マジで！…いーなぁ…」「俺のボ〇ジャックと交換してくれよー」

袋から取り出した紙の内容に一喜一憂する少年達を尻目に、たぬきは戸惑う事しか出来なかった。
「あ、あの…食べ物は…！」
精一杯の勇気を出して大声で少年達に問いかける。一瞥すると、少年達は袋から取り出した物をたぬきの足元に放り捨てた。
「ありが…なんだし、これ…」
たぬきの足元に放られたのは、「う〇い棒　チーズ味」と書かれたスナック菓子が一本だけ。
「あの、他には…」「いや、それだけ。うっし、行くべー」
呆然と立ち尽くすたぬきを気に掛ける事もなく、少年達は歩きだす。

だがすぐに平静さを取り戻し、たぬきは少年達に抗議する。
「だ…ダメですし！おかね返してくださいし！それ、どろぼうですし！」
怒りに眉を逆八の字にし、通せんぼするように両手を広げ道を塞ごうとするたぬき。
そんな様子を心底鬱陶しそうに見つめる少年達であったが、その内の一人がリーダー格の少年に耳打ちすると
先ほどの様子とは一転し笑顔でたぬきににじり寄る。

「冗談だって！冗談！本当は食べ物あるからさ…」
「その子だぬきの所に案内してくんない？」

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「ここだし…」
たぬきが案内したのは駅から少し離れた所にある路地裏だった。無造作に積み上げられたダンボールの一番下にたぬきがギリギリ入れる程の穴が開いている。
「ちび…今帰ったし…」
部屋の中心の辺りに落ち葉がこんもりと盛り上がっている以外に物は殆どない。置いてあるのは濁った水が入った瓶位だ。
たぬきの声に反応して落ち葉の山からもぞもぞと子だぬきが顔を出す。

「ｷｭｩｩｩﾝ…ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ…」
「ちび！無理しちゃだめだし…」
小さく咳き込む子だぬきの顔色は良くはない。ほっぺたのもちもち感と瑞々しさも大分失われている。
「おかあさん食べ物貰ってきたし…今食べさせてあげるし…」
優しく頭を撫で、子だぬきを落ち着かせる。子だぬきも「まま…ありがとう」と言いたげに母親の手にほっぺたを弱々しく擦り付ける。

「少し待つし…あの、人間さん、ごはんくだ…なっなんだし！？」
ダンボールハウスの入り口から少年の手が中に入り込み、たぬきを押し退ける。
手はそのまま落ち葉のベッドを漁り、子だぬきを掴んで引っ込んで行く。
「まっ…待ってし！ちびは体が弱いんですし！」
大急ぎでダンボールハウスの外に出ると、いやらしい笑みを浮かべながら手中の子だぬきを弄ぶ少年が居た。
「ｷｭｩｩﾝ…ﾀﾇｰ…ﾀﾇｰ…」
突然外に引きずり出された衝撃もあってか、子だぬきは息も絶え絶えになっている。

「ダメですし！もっとていねいに…」
ぞんざいな扱いに尻尾を逆立て激昂するたぬき。だが少年達は掴んだ子だぬきをそっと地面に降ろすと、袋から取り出したペットボトルを開け中身を蓋に注ぎ慎重に与え始めた。
「ほら、これコーラって言うんだよ…飲め」
「ｷｭ…ｷｭｳｯ！？……ｷｭｰ♪ｷｭｰ♪…ｹﾞﾌﾟｯ…」
初めて味わう筆舌に尽くし難い味わいに、子だぬきはうっとりとした表情で自分のほっぺをもちもち持ち上げる。
こんなおいしいのみものはじめて！と言わんばかりに何度もお代わりし、その度に顔色が良くなり、頬はもちもち感を取り戻していく。

「あっ…ありがとうございますし…」
そうだ。この人達はぶっきらぼうだけど優しいんだ。子だぬきもあんなに喜んでいるし、何にも心配する事はなかったんだ。
ほっと胸を撫で下ろし、しばしその風景を見つめていた。

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「ｷｭｰ…♪ｷｭｳｯ！ｷｭｯｷｭｷｭｰ…」
「ちび…うれしそうで私もうれしくなっちゃうし…」
ぽんぽんに膨らんだお腹を押さえ、地面に寝転ぶ子だぬき。久しぶりの栄養に満面の笑みを浮かべている。
「最後に…ほら、薬もやるよ」
少年がポケットから仄かに葡萄の香りがする1cm程の錠剤の様な物を取り出し、子だぬきの口に与えようとする。
「それ…薬なんですし？」
「そうそう、メ〇トスって風邪薬。丸呑みしないと効果ないからな」
「そうなんですかし…ほら、ちび…我慢して飲むし…」

薬と聞くと子だぬきは「ｷｭｳ…」と嫌そうに顔を背けるが、錠剤から漂う甘い匂いに抗えずそれをぱくりと口に含む。
中々飲み込めなかったようで口の中で悪戦苦闘していたが、ｺﾞｸﾝ、と生唾を飲む音と共に錠剤は嚥下された。
「薬まで分けてもらって…本当にありがとうございますし…」
「いやいや、お礼なんていいから！」

「だって、あいつもう死ぬもん」
「え…し…」
心底おかしそうな様子で笑いながら少年が言った言葉の意味を、たぬきは良く理解できなかった。
だがすぐにその言葉の意味を実感する事になった。

錠剤を飲み込んだ子だぬきの様子が妙だ。顔色は先程とは違い一転真っ青に、腹部を抑えてのたうち回り始める。
くるしい。まま…助けて…と言いたげに立ち上がり、親たぬき目掛けてよろよろと歩き始めたその直後。
「ｷﾞｭｷﾞｭｧｧｯ…ｷﾞｭｯｷﾞｭｯ…ﾀﾞﾇｳ…ﾀﾞｯ(ﾌﾞﾎﾞﾊﾞﾎﾞﾎﾞｯ！)」
子だぬきの口から、鼻から。山が噴火するかの様な凄まじい勢いで液体が噴出した。
親たぬきは吐き出された液体を避ける事も無く、呆然とした表情で受け止める。
「えっ…ち、ちび？」
子だぬきから返事はない。ﾁｮﾛ…ﾁｮﾛ…と吐き出す液体の勢いが弱まった頃、ゾンビの様な足取りで親たぬきに向かって数歩歩いた後にﾊﾞﾀﾝ、と顔面から地面に突っ伏した。
体は小刻みに痙攣し、下腹部から漏れ出た尿がじわじわと地面に広がっていく。
「ﾏ"ﾏ…」
微かに聞こえたその声を最後に、子だぬきは微動だにしなくなった。

「ギャッハハハハハ！見ろよ今の！撮った！？撮ったべ！？」
「ばっちり！これ後でアップすんぞ！」
「ひっくり返すと…うわ、見ろよこのきったねぇ面！」

この瞬間を待っていたと言わんばかりに少年達が一斉に笑い声を上げ始めた。
子だぬきの死体を足で何度も弄びながら、苦悶の死に顔を嘲笑う。

「いやーマジで傑作だったわ…」
「たぬきちゃーん、見てますかー？…ってこいつ…」
「様子おかしくない？」

天国から一転地獄に叩き落された親たぬき。子だぬきの余りにも無残な死に様に精神が耐えきれなかったのだろう。
直立不動の体制のまま、突然ｹﾀｹﾀと歯を鳴らしながら地団太を踏み始める。
白目を剥き、そのまま両腕を大きく振り回し…
「ダヌッーーーーーーーー！！！」
「ダヌダヌダヌダヌッーーーーーー！！！！ｵｹｹｹｹｹｹｹｹｹｹｹｹｹｹｹｹｹｹｹｹｹｹ！！！！」
奇声を上げながら凄まじい勢いで路地裏から走り出し、一瞬で少年達の眼前から消えてしまった。

「はっや…」
「今まで見たたぬきの中で一番早いわあれ」
「今の撮っておけばよかった…」

少年達は子だぬきを殺した事を悪びれる様子もなく、ただ眼前で起きた珍事をカメラに収めていなかった事だけを後悔する。

「まぁいいや、それよりこの汚ぇゴミで遊ぼうぜ」
「バラしてザリガニ釣りの餌にすっべw」
「拠点破壊！w拠点破壊！w」

親たぬきの心が。
子だぬきの命が。
懸命に組み立てた二人の家が。
少年と言う名の嵐によって粉々に蹂躙されていった。

ーーーーーーーーー

「来ないなぁ…」
ここで踊っていたたぬきと約束をしてから、早1週間が過ぎようとしていた。
最初の夕方になっても姿を現さなかったあの日から、毎日朝早くここに来ては遅刻寸前まで待ち、仕事が終わってからは夜遅くまで。
今日も朝6時からここで待ってみたが、たぬきは一向に姿を現さなかった。
「誰かに拾われちゃったのかなぁ…いい子そうだったし…」
何にも言って貰えなかったのは悲しいが、恐らくそうなのだろう。元飼いたぬきで言葉遣いも丁寧ならば引く手数多の筈である。
「そこからご主人の所まで戻れた…きっとそうだよね」
いつまでもウジウジとしては居られない。あの子が元気に暮らしているのならばそれでいい。とはいえ…
「…たぬき、飼おうかな」

向かいのペットショップをぼうっと眺めているとコンビニから出て来た少年達が大声を上げて騒いでいる。冬休みが羨ましい。
手元にあるのは子供向けのカードゲームだろうか？内容に一喜一憂しているようだ。
私も買ってもらってたなぁ、と思いながら見つめていると、少年達は地面に不要であろうカードを投げ捨てた。
うーん、流石にこれは見過ごせない。少年達まで歩いていき、声を張り上げる。

「こら！ポイ捨てしちゃダメでしょ！」
ビクッと体を震わせる少年達だが、少しの間俯くと素直にカードを拾い始めた。存外素直じゃないの。
「「「すいませんっしたｯｽ…」」」
「分かればいいよ…ほら、ちゃんと拾えたから1パック奢ったろう」

財布から150円を取り出し少年達に与えるとﾊﾟｱｯと表情を輝かせ、ｱｻﾞｯｼﾀー！と言いコンビニに入ろうとする。
その前に一つだけ聞いておきたい事があった。
「あのさ、君たち…ちょっと前に駅に居た…」
「…いや、何でもないや、ごめんね」
顔に？を浮かべていた少年達はすぐにコンビニへと踵を返していった。

どうせ何も知らないだろう。本当にただ聞いてみたくなっただけなのだ。
私もそろそろ仕事に行かないと…心の中でたぬきの無事を祈りつつ、駅へと歩いて行った。


その後

・悪ガキ達
　あの発狂を再び見たいが為に、地域の子持ちたぬきを無差別に襲い始める。
　最初は悪戯半分だった殺害手法はどんどんエスカレートしていった。
　子だぬき玉を橋から落として遊んでいる所を、橋から転落して死亡。
  残る二人も落ちた少年を助けようとして溺死。

・お姉さん
　あれから大分時間が経った今でも、出会った場所であのたぬきの姿を探している。

・親たぬき
　あの後すぐ車に轢かれて死んだ。