キリノ・マーテル
[浴場3]
空気の冷たい脱衣所の扉を開け、温かな湯気を招き入れる
そうやって冷たい身体を少しづつお風呂場の温度に慣らす
すぅ…と小猫の足のようにしずかに軽やかに、浴室に滑り込み、扉を締める
キリノ・マーテル
[浴場3]
豊かな髪は少し大雑把に頭上にまとめられ、湯気で湿った肌にほつれ毛が張り付く
湯船の横にしゃがみ込み、手にしたタコの人形を浮かべると、ぷかぷか揺れる様に微笑みが漏れる
空いた手を湯船につけ、じんわりと温度が浸透していくのを感じ
すくって足先にかけると冷えた末端の温度の変化に少しドキリと胸が跳ねる
キリノ・マーテル
[浴場3]
300歳を超えてから少しづつ老い始め、200年を過ぎる今では人間で言えば全盛期を折り返した13歳程度の乳房が柔らかく揺れる
そっとつま先を湯船にひたし、ゆっくりと身体を沈めていく
キリノ・マーテル
[浴場3]
水面は何事もないようにしずかにしずかに波打ち、ゆっくりとタコの玩具が泳ぐ
時間をかけて温度に慣らした身体に緑色の湯の温度が染み込んでいく
ヘリに作られた段差に腰掛けると、小さな体は顎まで湯が到達し、呼吸のために顔を上に向けた
キリノ・マーテル
[浴場3]
(普通のエルフならこのまま潜ってしまうのだろうけど……)
みなも近くの濃い湯気は息を吸うと肺の中から体を温めるようで「ふぅ…」吐息を漏らす
透き通るような白い肌と淡い金髪は湯気に溶け込み、残り香のように儚い
景色に同化するようにリラックスしているが、薄く開いた青い瞳だけが煌々と油断なく輝く
キリノ・マーテル
[浴場3]
旅の途中、湯治に寄ったが正解だった
蓄積された疲労が骨から滲み出ていくようだ
キリノ・マーテル
[浴場3]
「はぁ~……」
もう長い事入浴を人任せにしてきたのでついお風呂ではボーッとしてしまう
キリノ・マーテル
[浴場3]
「まぁいいか……」
キリノ・マーテル
[浴場3]
元々大して汚れていない
体を洗ったり髪を洗ったりはまた今度で