GM [導入]
ブルライト地方
ハーヴェス──ユーシズ間の街道
GM [導入]
隊商が街道沿いにある村に寄り、休憩を兼ねて商売をしている
君たちは隊商の護衛や付き添い
あるいは村になにかしらの用事があってそこにいたのだろう
近場の林で採取の依頼などをしている事もあるかもしれない
ともあれ、しばしの自由時間だ
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「……♪」静かな湖畔、しゃらりと先に鈴状の宝石の付いた杖を振るい、自らの歌をそこに重ねて
ゆったりと歌うエルフの女がいる
メロディナ・ドローズ [静かな林]
やや古めかしい言葉で、独特の音節で区切られたそれは聞くものが聞けば妖精の歌にも聞こえるかもしれない
……歌い手が自らの言葉を発さない限りは、神秘性は保たれるものだ
メロディナ・ドローズ [静かな林]
ゆら、と倒木に腰掛けて、足を揺らし身体を揺らし
心地よさそうに歌っている……
バーニャ [静かな林]
そこにパキリ、と枝を踏み折る音が鳴った
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「……ん」くるり、と振り返る。
獣であれば歌が通じればいいが……そうでなければ、自分にはひとたまりもない
と思いつつ振り返ると……そこには、目隠しをした女の姿がある
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「あら。こんにちは」
バーニャ [静かな林]
「こんにちは」
「ふむ。心地よい歌が聞こえてきたから寄ってみたんだけど」
バーニャ [静かな林]
「お邪魔だったかな?」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「いいえ。ひとりで歌うのも心地いいものだけれど」
「聴衆がいるのも悪くないわ」
バーニャ [静かな林]
「それなら良かった」
目隠しをした怪しい女は、見えているかのように良さげな樹木の根に座る
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「……ふむ」と、バーニャさんの方を見やる
目隠しをしている、黒髪を後ろで括った女。……少し、聞いてみるか。
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「貴女、バーニャ、という名前だったりするかしら」
バーニャ [静かな林]
「おろ。ボクの名前も随分知られてきたのかな」
バーニャ [静かな林]
「バジリスクのバーニャだよ。よろしくね、吟遊詩人さん」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「私に関しては知り合い……」と言ってから、少し考え
「……友人から聞いただけよ。よろしくね、バーニャ」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「メロディナ・ドローズ。スノウエルフよ」
バーニャ [静かな林]
「へえ、スノウエルフ」
「雪を操り大吹雪をも巻き起こすんだっけ」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「ええ、そうよ。バジリスクが一目見ただけで山をも石くれに変える程度には」
バーニャ [静かな林]
「これは…ボクは絶体絶命の危機に晒されている…というわけか…」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「安心なさい。少なくとも、私はそうじゃないわ」
「貴女もそうでしょう?」
バーニャ [静かな林]
「山を石くれに変えることぐらい出来るさ」
「そうだね、200年くらいくれれば」
バーニャ [静かな林]
「あっ」
「ごめん、これはウソになっちゃうね。ボクは鉄に変えるから鉄くれだ」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「気の長い話ねー……種族柄、って訳でもないでしょうに」
「ふぅん?……ああ、バジリスクって石以外にも変えられるんだったわね」
聞いた話を思い出すように、軽く頷いて
バーニャ [静かな林]
「そうだよ。宝石に変えられる同族もいるらしいね」
「怖いねえ」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「そうねぇ。……金に変えられるバジリスクなんかも、いるんでしょうね」
バーニャ [静かな林]
「いるだろうね。そんなバジリスクがいたら経済が大変なことになるけど」
バーニャ [静かな林]
「人族領域に出てこない事を祈ろう」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「あら。悲しいことを言う……それとも、今」
「貴女に見える範囲に、人目でもあるのかしら」
バーニャ [静かな林]
「?」
キョロキョロと周囲を見渡す
バーニャ [静かな林]
「うーん」
「怪しいバジリスクは1人しかいないよ。安心してくれていい」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「そう。……ええ、安心したわ」
「話を戻すと。そんなに悪し様に言う必要もないと思うのだけれどね」
「今こうしてお話できているのも――人族領域に出てきた、そんなバジリスクがいたおかげでしょう?」
バーニャ [静かな林]
「確かに」
「でもバジリスクだしなぁ…」
悩ましげな顔を作ってみせて
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「貴女だって……とは、言えないわね」
「まあ、何にせよ貴女とは仲良くしたいと思っているわ、バーニャ」
バーニャ [静かな林]
「おお?大物だね、ドローズさん」
「初対面のバジリスクに仲良くしようなんてそうそう言えることじゃないよ」
バーニャ [静かな林]
「やはりスノウエルフは強い…大吹雪をいくつも吹き荒らせるだけはある」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「そう大物という訳でもないわ。貴女とは初対面だけれど」
「貴女の|兄《・》は、友人だもの」
バーニャ [静かな林]
「兄?ボクの?」
バーニャ [静かな林]
「知らなかったな、ボクに兄がいたなんて」
バーニャ [静かな林]
「天を突くような巨大トカゲだったりしたかい?」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「いいえ?背は高い方ではあるけれど」
「無表情で無口で、生命力に欠ける男、かしら。客観的に述べるのならね」
バーニャ [静かな林]
「………へえ、ボクの兄はそんなバジリスクだったのか」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「安心なさい。言いふらす気はさらさらないわ……と言っても」
「|吟遊詩人《こんなしごと》の女が言っても説得力はないかしら?」
バーニャ [静かな林]
「説得力、というより単純に不思議だね」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「不思議」と繰り返す
「何がかしら?」
バーニャ [静かな林]
「まるでボクの兄が実在するかのような口ぶりがさ」
バーニャ [静かな林]
「その兄の名前は───なんて言うんだい?」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「ええ。貴女が視て、言っていいと判断したなら」
「私の側から躊躇う理由はないわね」
メロディナ・ドローズ [静かな林]

「――バロゥル・バッドアイが妹、バーニャ・バッドアイ」
バーニャ [静かな林]
はらり、という音がその空間に響いた
バーニャ [静かな林]
「───どうして、知っているのかな?」
目隠しの布が落ちて外れた音だった
バーニャ [静かな林]
バジリスクにとって、剣を抜いたのと同義だった
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「そこまで不思議、という訳でもないでしょうに」動じない。この女にとっては。
首元まで迫ろうと、肉を断たれなければ存在しないのと同義だ。
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「貴女の兄の友人で」
「そこから貴女のことを聞いた」
「それ以上の理由があるかしら?」
バーニャ [静かな林]
「いいや?とっても不思議だね」
「不思議すぎて───思わずスノウエルフの鉄像を作りそうなくらいには」
バーニャ [静かな林]
「あの兄から”聞いた”なんて、とても信じられない」
バーニャ [静かな林]
「兄は口の軽い人間じゃないよ」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「ええ。それはよく知ってるわ」
「――でも」
「貴女、兄の|閨《ねや》での顔までは知らないでしょう?」嗜虐的に、笑む。
バーニャ [静かな林]
「…………」
バーニャ [静かな林]
「ドローズさん。率直に聞きたいんだけど」
「"どういうつもりなのかな?”」
バーニャ [静かな林]
「鉄になりたい、ってわけじゃないんだよね?」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「メロディナでいいわ。敬称も不要よ」
「そうねぇ、私としてはただただ誠実に話をしているつもりなのだけれど」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「事情はすべて知っているわ。そのうえで、私は貴女と"仲良くしたい"と思っている」
「彼の妹として、そして一人の友人としてね」
バーニャ [静かな林]
「…………本気で言っているとしたら」
バーニャ [静かな林]
「メロディナ、貴女は随分と愉快な性格をしているよ」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「ええ。貴女がそうであるくらいにはね、バーニャ」
バーニャ [静かな林]
「…ふう。ちょっと確認しないといけないな」
「ただ、もし貴女の言葉が真実なら」
バーニャ [静かな林]
「兄の女を見る目を疑わないといけないね…」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「ふふっ……」思わず、くすりと笑う
嘲りも何も含まれない、この女にしては珍しい色の笑み
バーニャ [静かな林]
落ちた目隠しを付け直します
ひとまず落ち着いたようだ
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「そうなさい。……私の方としても、盗られる心配がないのはありがたいのだけれど」
バーニャ [静かな林]
「うわー…。本気?」
「あの兄を?」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「私は、私の思うままにしか振る舞いたくないわ。それを疑ってほしくもない」
「ここでの会話から、その片鱗くらいは感じ取ってほしいものだけれど」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「あれは何も気にしないもの。居心地は悪くないわ」
バーニャ [静かな林]
「メロディナ。もしそう思うなら」
「こんな打ち明け方をするのはやめてほしいな。心臓に悪すぎる」
バーニャ [静かな林]
「口から飛び出すかと思ったよ」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「私の信頼は出会ってから目減りする一方、ってことくらいは私が一番よく知ってるもの」
「なら――初対面で明かすのが一番いいかと思ったのだけれど」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「――家族になるかもしれない相手なら、猶更ね」
バーニャ [静かな林]
「えっ」
「えっ、待ってよ。ボクの…義理の姉に……?」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「私はそれなりに乗り気ではあるわよ。|この名前《ドローズ》は継ぐ気はないし」
バーニャ [静かな林]
「そこまでの仲だとは思わないじゃん!!」
「なんなの!?もーっ!!」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「……聞いてたより愉快な子ねぇ。仲良くなれそうだわ」くすり、と笑みをこぼす
嘲笑の色は……ほんの少し
バーニャ [静かな林]
「…はあぁ」
「ボクは仲良くなれるか今からとても不安だよ……」
バーニャ [静かな林]
「ちょっと兄を締め上げる用事ができたから、ボク帰るね」
メロディナ・ドローズ [静かな林]
「ええ。……程々にしてあげなさいな」
「仲のいい友人が自分のせいで詰られるって、寝覚めが悪いもの」あくまでも自分本位に、そんな言葉を吐いた
バーニャ [静かな林]
「…本当にいい性格をしているね、メロディナ」
呆れたような、疲れ果てたような声色で最後に漏らして
バーニャ [静かな林]
背を向けて馬車の用意をするために走って去りました
メロディナ・ドローズ [静かな林]
そうしてしばらく、余韻を楽しんだ後
バジリスクからの殺意を向けられたことなど意にも介さず
再びゆっくりと楽器を手に、歌うのを再開した