配信26回目  それは突然の出来事だった。    ドンドン    「んぁ~……こんな時間にいったい誰ぇ」  俺が気持ち良く寝ていると扉を叩く音、少し驚いて薄目を開けると続いてピンポーンとインターホンが鳴る。    ピンポーンピンポーンピンポーンピポピポピポピポピポ――    いや鳴らし過ぎでしょ!うるさっ!今出るよ誰だ全く!  重たい体を引き摺るようにして玄関に行き鍵を開ける。いったい何なんだ。  「ふぁ~い、あ、犀さんどうしました?」  そこにいたのは着替えた犀さんだった、俺を見るなりにやにやしてへへへと笑い股間を揉んでくる。ひゃっ!と声を上げてすぐさま手を軽く叩き払いのける、パンツ姿で朝ということもあり生理現象が起きてつい感じて……じゃない!この人は俺になら何してもいいと思ってるんじゃないか?親しき中にも礼儀ありというだろやれやれ。  「やっと来たか虎、眠そうだな」  「無理やり起こされましたから。何時だと思ってるんですか」  「あ?昼だろ、むしろ今までずっと寝てたのかお前」  「え」  体を傾けて横から後ろを見れば清々しいまでの晴れ空、あれぇまだ朝早いかと思ってたのに。犀さんは頭をぺしぺしと軽く叩くと寝ぼけてるんじゃねえぞって。いてて。  「それで何か用なんです?今日仕事休みだからゆっくりしようとしてたのに」  「おぉお前に良い場所連れてってやろうと思ってな」  この人が言ういい場所って言ったら……ほんのり頬を開けて少し腰を引く。ジトっとした目を向けると犀さんは分かってないのか頭にハテナを浮かべている。いやいやだって、犀さんだし。  「どこへ連れて行こうとしてるんですかこんな時間から!スケベ!ドスケベ!」  「おい何考えてやがる、ワシが年がら年中エロイこと考えてると思ってるのか?」  「思ってます」  「へぇ?まぁそれでもいいけどよ、そんじゃぁそういう方向で行っちまおうか?」  「わぁっま、待って!冗談です!やめてー!」  今度はパンツの中に躊躇もなく手を突っ込んでくるから慌ててそれを止めさせる、っていうか違うのか。俺はてっきりそういう卑猥な場所に連れていかれると思ったんだけど。  「違うに決まってんだろ、まぁ行ってからの楽しみだ、ほれ準備しろ。あ、それとお前ノートパソコンとウェブカメラにヘッドセット外に持っていけるよな?」  「え?まぁ持って行っても大丈夫ですけど。あんまり人が多い所とか危ない場所でなければ」  「よし、ならそれも持っていけ、中々見れないと思うから配信のネタをくれてやる」  なんだろうへへへと笑うばかり、教えてくれてもいいのに。顔に出ていたのか俺が口をとがらせるとまぁまぁ楽しみは取っておいた方がいいだろって、くそー気になるなぁ。そうされると俺も徐々に興味が湧いてきてその気になってくる。まぁ断るなんて選択肢はくれないんだろうけど。  少し待っててくださいって言うとおぉと言いながら玄関の中に入って立ってるって、だからトイレに行ったり顔を軽く洗ったりして用意をするのだがその間犀さんは何度も角を触ったり先端をつついたりしていた。何してんだろう?    「お待たせしましたー」  「おぉ、それじゃぁ行こうぜ」    バタン    配信機材を入れたリュックを背負ったまま犀さんについていく、路地を抜けて大通りを歩くと少し人が多く感じた。ぶつからないようにして歩くこと数十分、犀さんはここだと言って立ち止まり指を差す。どれどれ、そこはビルや大きな店に挟まれてなんかこじんまりと小さく見える……これは店という認識でいいのか?  「えっと……角切り、角削り、角やすり、角のお手入れ……角ドラ屋?」  何のなにがなんだって?ぽかんとしてると犀さんがお前鈍いなって。いやいやだってこれで分かるわけないでしょ!強いて言うなら角?あっ!  「角って、アパート出る前に触ってた犀さんのその角ですか?」  へへっと笑うと頷く、看板を見る限りは角に何かする場所なのだろうか。それにしても角ドラってなんだ。  「さぁ入ろうぜ」  「あぁちょっと!」  腕を引っ張られると扉を開き中へと一緒に入っていった。    チリン    あ、風鈴だ。店を開けると可愛らしい音が鳴った。中は横に少し広く目の前にカウンターが見える。右側奥には扉と椅子が何個か置いてあり、その手前や今いるすぐ左には何だろう、装飾品?何か色々置いてあった。  「おーい来たぞ」  声を上げる犀さん、する遠くからのしのしと音を立てて歩いてきたのは、うわぁ大きい。  「来たのか犀よ」  「ちょいと久しぶりだな」  「定期的に来いと言うとる」  カウンターの向こうに現れたのは大きな緑色の竜人だった、黒い甚平を着ているのだが顎や見える胸元など表面は白くなってる場所も多い、鼻の下には二本の細長い髭でいいのかな、触覚みたいなのが生えてるし、顎にはもっさりと白い髭が上まで伸びている。頭には二本の大きな茶色い角が生えててその間に白髪が生えて後ろまで流しているようだ。目つきが鋭く声も低いし体はごついしでなんかこう壁という印象だった。  驚いていると犀さんがほれ来いって。ついていくと恐る恐る見上げる、俺より頭一つ二つ背が高い。  「そやつは」  「ワシの知り合いだ、こういう場所には縁がねえだろうし連れてきてやった」  「遊びに来る場所ではないぞ」  「そう言うなって」  や、やっぱり俺お邪魔じゃないのか?びくびくしてると犀さんが肩をポンと叩く、恥ずかしながらとても驚いて大げさに飛び上がってしまいましたえぇ。  「お前緊張しすぎだ、悪い奴じゃねえぞ」  「いやその、だ、だって――」  「ゴホン、吾輩はここで角を持つ獣人を専門に仕事をしている者だ、以後お見知りおきを。虎獣人は角がない故、馴染みないと思うが」  「ど、どうも」  差し出された手は大きくて見た目はごつごつしてたが案外柔らかくて優しかった、顔を上げて目が合うとニコッと笑ってくれた。あれ、思ったより堅くないのかな、少しだけ気が緩んできたかも。  それでえっと角を持つ獣人を専門ってことだけど、外の看板を見るにやっぱりそういうことなのだろうか?  「角というのは持つ獣人にとっては誇りであり、雄としての象徴だと思っている、だから大事にするべきだと思っているのだ。吾輩は竜ではあるが角があるのでな、そういう輩の気持ちは分かるつもりだ」  なるほど、確かに角ってあると格好良いなぁって思うしこういうのが折れたり何かあったらやっぱりショックだろうなと思う。犀さんがここに来たってのは角をどうしてもらうんだろう。  「おぉよ、ここで角を短くしてもらってるんだ」  「え、立派なのに削っちゃうんですか?」  すると竜さんはうむと頷いた。  「角というのは種族によって変わるが成長すると徐々に先端が尖ってくる、それが危ないから削ったり切ったりする必要があるのだ。それに現在では角に関して短く処置しなければならない法はないが、その角でもし誰かを傷つけた場合その相手が警察を呼んだならそれは殺傷事件として扱われることもある。それに角が育ちすぎると重さも増え、場所によっては重くて動きづらいということもあるのだ。まぁ分かりやすく言えば色々後で問題が起こる可能性もあるからある程度短くしたり先端を研磨しておく方が無難ということよ」  なるほどぉ、全然考えたことなかったけど確かに言われてみれば納得できて頷けることばかりだ。角は見た目は格好良いけどあんまり鋭利すぎると自分にも相手にも危ないだろうし。それで事故が起きたら不利になったりあらぬ疑いをかけられたりするならやっぱりお手入れはしておいた方がいいんだろうなぁ。大変だなぁ角持ち獣人って。  「だから犀さんは角を気にしてたんですね、確かに言われてみれば先端少し尖って見えますね」  「あぁちくっとしてきたからな、そろそろかと思ってよ」  「もっととっくの前に来るべきだ犀よ、そうなる前にちゃんとしろとあれほど――」  「わぁったわぁったって。竜爺さんはうるせぇなぁ」  ははは、結構甲斐甲斐しいタイプなのかもしれない、二人は前から知り合いなのかな?仲が良さそうに見える。竜さんは横の扉を指差して入れって。えっと、角はないけど俺もいいのだろうか?すると強引に腕を掴まれて拉致されてしまう。ご、ごめんなさいこの人、いやこの犀がー!  「構わない、ただ施術中は危ないので少し離れて見てるように」  「は、はい!」  「……良い子ではないか、こんな子がなぜこうも助平でどうしようもない犀親父と知り合うんだか」  「おい!一緒のアパートで知り合ったんだ!ワシが悪さしたみたいに言うな!」  子って言われてしまった……自分ではもう十分おじさんだと思ってるけどこの竜さんから見たら俺はまだそんな感じなのだろうか。    バタン    中は少し広めの部屋だった、目の前には椅子と横には机が何個か置いてある、その上には本や何だろう、何に使うのか分からない道具もちらほら。ベッドがあったり観葉植物なんてものも置いてあって、思ったより凄い施術室!っていう堅苦しい雰囲気はなかった。  「おぉそうだ忘れる所だった!竜爺さん、これ配信していいか?」  「配信?」  あっとそうだった、え、いや待ってでもこんな専門的なちゃんとした施術を配信しちゃっていいのだろうか?いやダメだろダメに決まってる!それに気が散っちゃうだろうし、遊びでやるとはわけが違うし!持ってくるんじゃなかった……ただの無駄な荷物だこれ。  「そうだ、後ろのこいつぁ配信者でな――」  あっやばい、待って。待って?ちょっと待って!?!?  「自分のオナニーやワシらとのセックスをよく配信してんだよ」  だぁぁぁぁ!!!!!  「もぉぉー犀ー!なんでそういつも毎回どこでも誰にでもぽんぽん言っちゃんですかー!色々侵害!貴方にはモラルもデリカシーもマナーも配慮もないんですかー!!」  「お、おいなんだよ、怒るなよ嘘つくよりいいだろうが、それにこの竜爺さんは信頼してるから言っちまったんわけで……」  「うるさーい!俺だって隠しておきたいことはあるのに!もう知りません!ぷん!」  「なんだよ小せぇやつだな、そうかっかするなっての。後で何か奢ってやるから、機嫌直せよ、な?」  ふんだ、俺の心情なんてこれぽっちも考えてないくせに!もうぷんぷんのかんかんだ!ぜっったい引かれた、軽蔑された!    「くふっがっはっは!」  暴れていると突然竜さんは大声で笑いだす、え、なんで、今笑う所でしたか?俺の心真逆の大噴火なんですけど。  「ほんに面白い虎っ子だ、なに驚きはしたもののその程度で蔑む程狭い心ではないつもりだ。自分の好きなことをして同士が互いの趣味の共有で楽しんでいるのであろう?別に誰かに迷惑をかけているわけでもあるまい、良いではないか」  「りゅ、竜さん……!」  「むしろお前だ犀、この子の気持ちも考えず知っているからと言ってべらべら口に出すんじゃない、そういう相手を慮る気持ちがないから色々問題を起こすのだぞ」  「んだよ、ワシが何で説教されてるんだよ。わぁった!謝る、悪かった、これでいいだろ」  なぜか犀さんはちょっとだけ不貞腐れてるけど俺と目が合うとばつが悪そうにポンと頭を軽く叩かれ撫でられる、許してくれねぇか?って。まぁ犀さんの性格も知ってるし今まで色々仲良くしてもらってるし。それにアパート仲間であり友人だと思ってる。  「特別ですよ」  「おぉ、次は気を付ける」  「うむうむ、一件落着かな。それでえぇと、配信だったな?この施術を映したいのか?」  どうしようか考えたけど一応俺の意見を言ってみるか。  「まぁその、恥ずかしながら犀さんの言った通りの事をやっちゃってるんです、毎回そういう流れに行きついて正直ネタ探しというのはしてたんですけど、今一何か目新しい事っていうのも思いつかなくて何かないかなぁとは思ってました」  これを配信出来たらかなり見どころある面白い配信になると思うけど、正直プロの真面目に仕事してる姿をその場所で配信するってのはあまりにも気が引けるというか失礼というか、やっぱだめだよなぁ。  「ふむ、まぁしたいというのであれば許可は出来よう、ただこちらも施術中は集中したい故、騒いだり大きな声で話したりしないという条件付きではあるが。普通の今みたいな声なら別に構わない、吾輩も長いことやっているし元々一度集中すればある程度周りに気が散るというのは少ない方だ」  「え?いいんですか?その、知らない不特定多数に顔とか体やこの場所映っちゃいますけど」  腕を組むとふんと鼻から息を出す竜さん。  「どれ、やってみようではないか。吾輩の知らない世界を見てみるのも一興だ」  「ほらな?結構柔軟なんだよ」  えぇ……結構どころじゃないでしょ、こっちはド変態セックス配信してるの知って仕事とか場所や自分映るって分かったうえでそれでもゲストとして参加してくれるなんて。最初話した時から良い人なんだろうなとは思ったけどちょっと寛大すぎる。  「分かりました、あ!でも途中でここまでとかこの部分は隠したいとかあったら何でも言ってください!すぐに中断して止めますんで」  「おいおいそんな硬くなるなって、ワシがいいって言ってんだからいいんだよ」  「はぁ、まぁよっぽどのことがない限りは大丈夫だ」  偉そうにふんぞり返る犀さんに俺達は呆れながら配信の準備をすることにした、リュックから慎重に取り出して、えっと……あ、ここの机使っていいんですね、それじゃぁここに置かせてもらってと。カメラの位置も高さ的に丁度いいかな。横から犀さんや竜さんの姿が映るようにしてと。やる場所が角の部分だからそこを中心としてやってみよう。後はヘッドセットを装着してっと。  「それじゃぁ始めますね~」    ポチッ    『あーあー、音量調整中、お!来たな、こんにちは』  配信を開始するとすぐに人が集まってくる、コメントはいつもと違う場所や雰囲気に興奮気味のようだ。何となくコメント的に。  〔どこだここ!だれだその人!〕  〔でっかい渋い竜がいるー〕  〔犀さんがいる、ってことは!〕  『おいおい変に勘ぐってる奴がいるなぁ、今回は特別も特別だぞ!えぇっと、犀さんの角をプロの人が今から削ったり切ったり?するからな、ちゃんとした施術だぞー』  二人を見ると犀さんは慣れたように手を振り、竜さんはすこぉしだけ緊張したような面持ちで手を挙げていた、そんな緊張しなくていいんですよと笑うと犀さんもおぉいつもエロイ配信してるんだから硬くなる必要ないぞって。硬くするのは後でいいって。はぁ……。  『ここはちゃんとしたお店で角を専門にやってくれる場所だ、竜さんも体大きくて見た目は結構強面だけど話すと気さくで優しいし安心して任せられるから角持ちの人は来てみるといいかもな』  「ふむ、ではやっていくぞ」  「あ、はいおねがいしま……あっとカメラとかパソコンの位置大丈夫ですか?邪魔にならないです?」  「うむ平気だ、まぁだがいつもやってることを映すだけで地味かもしれないが」  「ははは、そこは大丈夫ですよ、普段見ないことを見れてる今の時点で大盛り上がりですから」  嘘ではない、コメントの流れも速く見れば楽しいとかドキドキするとか好感触なのが多いからつまらないということにはならないだろう、それを見るとどこか安心したように眉を下げて笑っていた。配信の事も考えてくれるんだから本当に良い人だ。    「ほれ犀、ゴーグル」  「おぉ、ワシぁいらねぇと思うんだが」  「何かあったらでは遅いのだ、一応聞くがマスクは」  「そっちは息苦しいからやだ」  「やれやれ」  削ったり切ったりした時の粒子や破片が目とかに飛ばないようにということらしい、口の中も後でうがいすればいいのだがじゃりじゃりしたりして気持ち悪いだろうからとマスクを勧めているみたいだけど犀さんは面倒だの一点張りで嫌がるらしい。  透明なゴーグルを装着した犀さんはリラックスした状態でその場に座っている、すると竜さんは先っぽに細長い鉄かな?棒状の物が付いたドリルみたいなのを机の上から取る。  「まずは穴をあける、これは角ピアスなどをしたい場合に使うことも多いが、切る場合にも使用する。そのまま切っていくより穴を空けて空洞部分を作った方が速く切れるのだ」  『なるほど、いいかお前ら、こんな話滅多に聞けないぞ』  〔うわ、凄い本格的〕  〔いやマジもんのやつだこれ〕  〔虎さんの配信でやっていいもんじゃない過ぎる……いつもセックスしてる配信なのに〕  『お、おいおいそこは、いいだろたまには!少しくらい見栄えある配信作らせてくれよ』  コメントとやり取りしてると竜さんはハハハと笑ってくれた、スイッチを入れると音がして犀さんの角に当てようとする。  「おぉそうだ犀よ、いつもやっていたから聞くのを忘れたが長さはどの程度だ」  「前と同じか少し短くでもいいか、お前に任せるぜ竜爺、ワシはそこまで長さに拘らねえからな。完全に無くすようなことはするなよ」  「分かっている」    ギギギギ    角に当てると衝撃音というか破壊音というか聞こえてくる、そこまで大きな音じゃなく耳をふさぐようなものではない。俺は後ろだから見るのは画面越しだ、そこには真剣な竜さんと動かないようにしてでも緊張はしていない犀さんの顔が見れた。さっきの明るい顔が一変してプロの顔。  『凄いな、本当に本格的だ……今俺達はプロの技を見ているんだぞ』  小さな声でこっそり話す、出来る限り集中を削がないようにしたいが黙りこくっても配信としてはどうなのかと思って……邪魔しちゃってなければいいが。    少しして角に穴が貫通する、ドリルを止めるとそれを机の上に置き、違う道具を持ってきた。  「これは小さな円ノコを先端に取り付けた物だ、向きを変えて固定できるからなかなか便利だし円ノコも外してアタッチメントように角の大きさに分けて大きいまたは小さい物に変えることができる。あまりに大きな角の場合はまた別の道具を使用することになる」  「へぇ~、え!?触ってみてもいいんですか?」  手招きをされて持って見るかって。勿論スイッチは入れられないけど、そのプロ仕様の本物を触れるということで俺はかなり興奮していた。  「あ、本当だ!先っぽの方はガチャガチャ回せて向きを変えられるんですね、思ったより軽い気がしますね」  「うむ、昔はもう少し重かったのだが徐々に改良され重さが軽減されていったのだ。施術中に重くてぶれたり落としたりしたら大変だろう?軽いに越したことはない、まぁ今度は軽すぎてブレるという懸念があるから、ある程度の重みは残しておこうという話を聞いたことがある」  「うわぁ道具一つでも色々考えられてるんですね、言われないと全然意識しないようなことばかりです」  「おぉい早くしてくれ、座ってるとケツが痛くなっちまう」  も~普段絶対できないようなことを体験出来て盛り上がってるのにー!まぁ犀さんらしいけどさ、それでもこの道具を見せるというだけでコメントの反応はとてもいいようだ。  〔これが本場の道具か~〕  〔お店でも興味ないし見に行ったりしないから初めて見た〕  〔虎さんの配信なのにエロがない……だと?〕  『ありがとうございました!あのなぁお前ら、言っておくが今日はエロイことはしないからな!覚悟しろよ!』  「ははは、虎っ子の視聴者さんは面白い人ばかりだな」  正直失礼かなと思ったが竜さんは笑って許してくれるばかりだ、っていうか虎っ子って言い方気に入ったんですか。まぁ悪い気はしないけども。  「うむ、ではやっていくぞ、これは少し音が大きくなる場合があるから意識しておくといい、いきなりで驚くだろうからな」  はーいと返事すると頷いて円ノコを回し始める、音がしてゆっくり角に当てるとギィィと音が鳴りだした。確かに少し大きいが驚くほどじゃないかな、歯医者のあの嫌なキィィンという音に比べれば全然だ。    ギギギッギィィ    「ふぅぅー」  『ど、どうだお前ら……凄いな、本当にこんなの、普通は絶対見れないぞ』  〔これテレビとかで撮影する奴だ〕  〔普通に配信に映していいのレベル〕  〔凄いこっちまでドキドキソワソワする〕  ゆっくりゆっくり慎重に、少しずつ押し当てて切っていく、様子を見るためなのか一度少し離してまた入れてって感じ。時には一度離れて違う角度から少し切り込みを入れたりしていた。  「……」  何だろう思わず拳を握っちゃう、画面で見る竜さんの目つき、滅茶苦茶鋭くて汗を流しながら仕事を行う竜さんは本当にただひたすらに格好良かった、なんだろう少しドキドキする。    「ふー、よし、後は」  円ノコを止めると今度は薄く平べったい鉄が付いた道具を取り出した、先端が尖っていていわば包丁みたいな感じだ、これは四角いけど。  「あと少しで切れるから残りはこれで軽く叩きながら切り落とす、場所が顔の近くだからそのままだと飛び跳ねる可能性があるからな、刺さったりしたら大変だ」  そう言って竜さんはギリギリくっ付いているだろう角の残り部分を手で掴みながらトントンって、徐々に角が持ち上がり、数回叩くとすっと角が切り離される。わぁ取れたー。  「よぉし、これで切断は終わりだ、後は研磨に入る。そのままだと切れたかどの部分がまだ鋭利で危ないからここを丸く触っても怪我しないようにしていく」  取れた角を一度机に置くと別の道具を持ってくる、今度は先端が少し細長くて何だろう、耳栓みたいなものが付いてる。  「触ってみるか虎っ子よ、この部分は柔らかくなっていてな、これを高速回転させてなだらかにしていく。言うてもスポンジ程柔らかくはないが」  見せてくれたから触ってみると確かにぷにっとしている、ただ確かに指でちょっと強く押さないと凹まないから耳栓よりは硬いかなぁ。  スイッチを入れるとそれが回転しだし、角に当てていく、これは切れたりするような物じゃないから竜さんも少し力を抜いて軽い感じで滑るように研磨していってるみたいだ。    作業すること1時間、は経ってないかな?こっちもドキドキで知らないプロの世界を見てたからあっという間だった。全てが終わると竜さんはふ~と息を吐いて道具を置いて頷いた。  「もういいぞ犀よ、後ろに蛇口と洗面器があるからそこでうがいや顔を洗ってきなさい」  「おぉ待ちくたびれたぜ、ありがとな」  振り返ると席を立って少し待ってろよと犀さんは後ろの横にあった蛇口で顔を洗っているようだ。  「虎っ子よ、こっちへ来なさい。作業が終わったから気になる物でも触ってみるといい」  「え?いいんですか?じゃぁちょっとだけ」  近づいて色々自分の手で持って見たり少しだけスイッチを入れさせてもらったりした。意外と振動がきたり他にも違う大きさの円ノコや研磨の替えを見せてもらった。へ~本当に色々な種類があるんだなぁ。  『凄いぞ、見てるだけで楽しい。これ、かなり貴重だからな、今後もう見れないかもしれないから興味なくてもよく見てろよ』  〔ある意味では永久保存版かもしれない〕  〔ちょっと触ってみたさあるな……〕  〔体験コーナーないんですか!〕  『ははは、すまんな、流石に体験させることはできなんだ』  顔を洗った犀さんが戻ってくると椅子に座る。  「ほら虎、角触ってみろよ、研磨したての角はちょっと凄いぜ」  ほれほれと顔を近づけてくるから失礼して指を、わっ!ツルツル!見た目も綺麗!  「だろ?結構気分が良いもんだ」  つるんと滑るような角は断面部分もそのかどもちくっとは来ないし見たも凹凸がなくてピカピカだ、さっきの研磨用道具で磨いたらしい。こんな風に均等にかつ綺麗に磨けるのはプロの技って感じだ。  「その切った角やるよ、お守りとして持っとけよ」  「え~犀さんの角をー?なんか不幸な目に合ったらやじゃないですか」  「んだと?最近調子乗ってんなぁお前!」  「わっやめてー!」  ヘッドロックをされて頭をわしゃわしゃされる、だって犀さんの角ってだけでちょっと怪しいじゃないですかー不幸な成分入ってたら怖いし!  「許さん顔上げろ」  「え?んんっ!」    ふざけてると思ってたらいきなり両手で顔掴まれてキスされてしまう、しかもそのまま……舌まで入れてきた、竜さんがいるのに。  〔お?始まったか?〕  〔ずっと我慢してたのかもしれない〕  〔これを待っていた!〕  『っぷは!いきなり何するんですか犀さん!お前らも期待するな!もう終わり!仕事終わったから配信終わり!』  俺がそう言うと否定のコメントがばっと流れる。ふざけるなーもっとやれー早くエロイ事しろー。いや今日は竜さんの角の処置を見に来ただけだし!  「虎の配信はこれがないとだろうがよ、なぁ竜爺、お前もそう思うよな?」  「吾輩にはよう分らんが、いつもこう……唐突なのか?」  少し頬を赤くしている竜さん、いや待って違うんです。  「これは犀さんがいつも無理やりであって別にしょっちゅう唐突にエロイ事してるわけじゃないですよ!」  「嘘つけ無理やりな流れでエロに持ってくくせによ、なぁ竜爺さんよ、あんたもエロイ事嫌いわけじゃないだろ?」  そう言いながら犀さんは竜さんの横に立つと手の平でぺしぺしと胸を叩いている。むぅと唸って返答に迷っているように見えた。  「やってくれた礼だ、あんたを気持ち良くさせてやるよ」  「普通に金をくれればそれで――」  「それじゃ味気ねえっていってんだよ、いいからエロイことしろ、配信中だぞ?サービスしろっての」  いやあの……嫌ならというか普通に断ってもいいんですよ?今日初めて会っていきなりそんなエッチなことするなんて普通は考えないですし。  ちらっと俺を見て困ったなと苦笑して頭をかいていたが俺に近寄ってくるとうむと頷いた。  「こうなってはあの犀は止まらん、しかしお主がやる配信ではどんなことを?」  あ~それ聞いちゃうんだぁ、正直めっちゃ説明したくないんだけど。  「まぁその、さっきみたいなキスとか体触られたり触ったり……うぅ、あぁまぁ、あれですね。乳首とかチンコとかキンタマとかお尻とかもうあちこちやりたい放題、セックスしまくりですはい。えぇそうです」  途中で自棄になってもうぶちまけるように言っちゃった、少しだけ竜さんは驚いたがはははと笑うと甚平の紐を解き始める。  「なるほど、ここで出会ったのも何かの縁、配信に協力しようではないか」    バサッ    「え、その、い、いいんですか?」  途端に顔が赤くなる、上半身を裸にした竜さん頷いた。  「なんでも好きにするといい、親睦を深めようではないか」  「そうこなくちゃな!ほれこっちだ、ベッド使うぞ」    三人でベッドに横に並んで座る、竜さんを真ん中に左右に俺と犀さん、恐る恐る片手で胸やお腹を触ると思ったよりもずっと柔らかくて驚いた。  「わぁ、竜の肌ってもっとこうガチガチに硬いのかと思ってました」  「うむ、表面とでもいえばいいか、白くなっている部分はそうだ。ほれ、この緑色の方も触ってみるといい」  「それでは失礼して……あっほんとだ!こっちは結構硬い」  へ~お腹側と背中側でこうも違うもんなのかぁ、その後も興味津々で触っているとふいに手に突起物が当たりその刺激で喘ぐ。  「あ、すみません」  「いやいい、むしろそういう配信であろう?遠慮せんとほれ、気になっていたのだろう」  片手を掴んで自分の胸に当てる、ちらりと顔を見ると赤くなりながら笑ってくれた、なので顔を近づけると竜さんのほんのりピンク色の乳首を舌で舐め上げる。  「んっはぁ」  〔こんな大きな竜が喘いどる……〕  〔竜にも乳首ってあるんだなぁ〕  〔いいぞーもっと攻めろ!〕  だんだんと調子に乗ってきた俺は少しずつ欲望をさらけ出す、空いている方も指で弄くり転がしながらもう一つを口先でちゅぱちゅぱ、吸い付いて舐めまわす。あぁなんか、いつも通りになってきたな……でもこうなるともう俺も止められないんだ。  「よぅし、じゃぁワシは帰るぞ」  「んっ!え、帰っちゃうんですか?」  「あぁそうだ、ワシだって空気くらい読むことはできる、お前たち二人きりにしてやるからワシが家に帰っても続けてろよ、こんな流れになるよう誘導したワシに感謝するんだな。仲良くエッチするんだぞ?竜爺、金はカウンターに置いておくぞ」  そう言って人の話も聞かず出ていこうとする、呆れた竜さんは頭を横に振っていた、行動が全く読めんといって。    バタン    二人きりになっちゃった……互いに沈黙だったが先に声を発したのは竜さんだった。  「あの犀の面倒ごとに付き合ってくれてありがとうな」  「い、いえ俺もさっきの角の処置とか見れて凄く楽しかったですし」  「こうなってしまっては仕方あるまい、それにそのままでは帰れんだろ?」  股間を指差される、えぇまぁその、普通に勃起しちゃってます。  「でも誰か来たら――」  「今日は休みなのだ、外に看板が掛かっていたのだが見なかったのか?」  「え、そうだったんですか?いや大して見れずに無理やり腕引っ張られちゃって」  「ははは、あやつらしいな、まぁつまり今日は誰もやってこないのだ、あの犀から連絡があって昔からの仲だからと特別にな。言っても聞かぬからやってやった方が早い」  あぁなるほど、竜さんは犀さんの扱い方をよく知っているようだ。苦笑するとぽんと肩を叩いて立ち上がる。  「どれ、鍵を閉めてくる、その間に脱いでいなさい、続きをしようではないか」  「いいんですか?」  「二人きりの親睦会だ、珍しく気を遣った犀のこの機会を存分に楽しませてもらおうじゃないか」  そのまま一度扉から出ていった、竜さんが困ってないならと俺は服を脱いで全裸になる、少しして戻ってくると裸を見られて俺は思わず視線をそらしてしまう。やっぱりそりゃぁまだまだ互いの事知らないし良い人とは分かっててもアパート仲間の皆とは時間が違うわけで……めっちゃ恥ずかしいんだって!  「良い体をしてるではないか、吾輩も久しぶりに滾ってこよう」  言うと竜さんもズボンを脱ぎパンツを脱ぐと全裸になった。  「うわぁなんか、か……格好良いです竜さん」  「そうか?」  背が高いからかな、体も凄い筋肉質なんだ、普通に俺よりも筋肉あると思う、さすがに馬さんほどではないけど。あの人は筋肉そのものに重点を置いてやってるからまぁそりゃ誰しも勝てない気がするけど、それでもそれに近いくらいまでにはある気がして凄く格好良く見えたんだ。それになんか、エロイ。  「折角なので体をじっくり映していいですか?」  「あぁ、構わんよ」  許可をいただいたのでウェブカメラの近くに移動し、それを持つと舐めまわすように映していく、まるで鑑賞会だ。  『凄いな、がっちがちの筋肉に滑らかな肌、白さが筋肉で反射して輝いているようだ。緑の鱗の部分は若干ごつごつしてる所もあってそれも格好良いし。この胸の白い毛とか似合ってて雄らしさあるし、いやぁ背が高くてまるでモデルみたいだ」  竜さんは顔を赤くすると俯いて頬を描いていた、少し面映ゆいなって。  〔めっちゃスタイル良くて普通に格好良い〕  〔これだけで十分エロすぎる……〕  〔早く虎さん抱かれてほしい〕  『まぁ待てって、ってか俺が抱かれる側なのかよ』  そんな突っ込みを入れながら一度振り返ってもらう、背中側も凄い筋肉質だ、それに表と違って上から下まで緑色!このギャップがまた楽しくてセクシーだ。あ、白い髪の毛は肩甲骨過ぎたあたりまでで止まってるみたい。太い尻尾があってその先端の少し手前から先っぽに掛けてまた白い毛が生えている、この尻尾も格好良いなぁ。  「はい、ありがとうございます。いやぁちょっとしたモデル撮影みたいな感じで楽しいです」  「そうか?吾輩には分からんが」  「ははは、俺の配信にはこういう渋くて格好良い人が大好きな奴がいっぱい集まってるんですよ、勿論俺も凄く素敵だと思うしその、好みです」  「面と言われると少し恥じらいを感じるが、悪い気はしない。どれ、こっちへ来て続きをしようではないか」  誘われるがままにベッドへ移動し、お互い上に乗ると向き合って体を触りあう、片手を頭に添えてくるとそっと引き寄せて胸に頭を置かせてくる。目の前にはもっさりとした白い胸毛、そこに顔を突っ込むと息を吸う。  「あ、汗臭くないか?」  「いえいえ!むしろ竜さんの男らしい雄らしい香り……素敵です、ケホ、まぁその一つ言うなら、歳をとってるんですよね?」  「わはは!加齢臭でもしたか?まぁすでに爺とはいえよう」  慌てて顔を横に振る、臭くないですよ!その加齢臭だってちょっと独特というか竜の体臭ということで!と言い訳時見た説明になってしまった、でも嫌な匂いじゃないし臭いとは本当に思ってないんだ。むしろちょっと興奮する。  そのまま見つめあっていると顔を近づけてくる竜さん、接吻をしてもいいか?と。頷くとそっと顔を傾けて口を合わせる。あまり踏み込んでいけない俺がいるからこうして竜さんからやってきてくれるのは有難かった。    チュプッジュプッ    「んっんん」  両手で優しく抱きしめてきてキスも舌を互いに入れて交わわせ唾液を拭いあう。長い舌を何度か俺の舌にぐるりと巻きつけ擦ってきてちょっとこそばゆかったがその度にぐちゅぐちゅ音が鳴り唾液が擦れてめちゃくちゃ興奮する、あぁこんな逞しいおじさん、いやおじいさんとキスしちゃってるって思うと欲望がどんどん止まらなくなってくる。  「っぷは、竜さん俺、も、もっと深いことしたいです……」  「はぁはぁ、よいぞ虎っ子よ、随分久しぶりの感覚だ、吾輩も今は虎っ子しか見えん」  半目になって呆けた竜さんはそのままベッドに横になる、体が大きいから俺は一度下に降りると竜さんの足の間に入り込むように移動する。竜さんの股間はいわゆるスリットタイプでそこから……うわぁ凄い。  「お、おっきいです竜さん、根元から先まで真っ赤だ」  「むぅ、この歳こんな風にまじまじ見られるとは思わなんだ」  照れてる竜さん可愛いなぁ、ドキドキしながら片手で掴むとビクンと震える、全体的にうっすら濡れていて軽く動かせばぬちゅりと音が鳴り泡立つ、すでに先走りも溜めているようだ。  「竜さん俺、しゃぶりたいです」  「す、好きにするといい、あまり聞かんでくれ」  「ははは、可愛いですね」  「ぅ……ぅぅ」  目を瞑り腕で目元を隠してしまった、そんな仕草に俺は鼻息を荒くする。我慢できず口を大きく開くと一気に根元まで何とかしゃぶることできた。息ができないけど。    ジュブッジュブッ    「あっくぅ!あぁぁ!」  〔うわぁヤバ……〕  〔あんなデカい物を汁塗れでしゃぶってるのエロすぎ〕  〔竜さんめっちゃタイプだわ、もっと喘いでほしい〕  口腔鼻腔に充満する匂いや味、粘液まみれのチンコは少し青臭さがあって他の人よりもちょっとだけ味が違うような気がした、その独特の味に俺は夢中になってしまう。唾液と一緒に竜さんの体で分泌した粘液を飲み込む、その行為がまるで媚薬みたいに思えてくる。体がかっかと熱くなり、片手を伸ばすと竜さんの乳首を弄りながらもう一つの手で自分のチンコをしごく。    ジュブッグチュッヌチュッ    「がぁ!と、虎っ子よ!そんなに激しくされてはすぐに……あぁもう果ててしまう!」  思ったより早いな……先走りの量やチンコが震えるのを感じて舌を巻きつけると口先を根元にぐっと押し付けそのまま口を窄めて吸い取るように動く。舌の先端もちょっとだけスリットに入るおまけつきだ。  「あぁぁ!ま、待てそんなっむ、無理だイクッイクッぁっがぁぁぁぁぁぁ!!!」    ゴプッゴプッゴプッビュルッビュルルル!    「んぐっんんっ!」  射精すると口の中が一瞬で満杯になる、必死で飲み込むが元々大きいし呼吸困難に陥りそうで慌てて口を離した、それでもまだずっとビュルビュルと出てて凄い見た目だ、大きいチンコから精液がドバドバ出てる……エロ、鼻血出そう。  「はぁ……ぜぇ……」  『めっちゃエロいな、うん、味?いやまぁ精液の味なんて皆同じ、って思うだろ?そうだなぁめっちゃ濃い、後ちょっとなんだろう、青臭さというかなんか潮臭さというか』  「か、解説せんでくれ、恥ずかしゅうてかなわん」  参ってしまってる竜さんは頭に手を置くとちらりとこっちを見た、はははすみません配信なので今回だけ許してください。はっとした竜さんは配信中の事を忘れていたようだ。うぅぅと唸って目を瞑ってしまった。    「お疲れですか?」  「あぁ歳にはかなわんよ、しかしこれで終わりでは視聴者も肩透かしだろう、メインはお主だろう虎っ子よ、ほらこっちへ」  「え、うわっと」  片手を取られると俺を持ち上げて自分の体の上に乗せてくる、お腹にべちゃりと精液が付くがそれを気にする暇もなくキスをされる。少しして見つめあうと互いに肩の上に頭を乗せた。  「若いのに色々頑張っているな、偉いぞ」  「りゅ、竜さん」  抱きしめられ頭をよしよしされる、なんだろう凄い抱擁感あるというか、竜さんからパパ感を感じる、頼れるお父さんみたいな。あぁなんか安心するなぁ。  「他に何かしたいことはあるのか?」  「えっとその、俺一つしてほしいことが」  「何でも言ってみなさい」  ちょっと恥ずかしかったがどうせ後で分かるしここまでやってるし。  「お、俺竜さんに抱かれたいです、視聴者もそれを望んでるし」  「吾輩が抱く側でいいのか?」  「はい、今回はそれで」  「ほう今回はか、すでに次があると考えているのだな」  「え!?いやそのそれは!あ、あんまり問い詰められると困るというかその……!」  「がはは!すまんな、虎っ子が可愛く見えたのでな、なに、今回で終わりにするつもりはないぞ、お主が望んでいるのならな」  凄い手玉に取られてる感、これが大人か……!  一度二人で起きると場所を交換して今度は俺がベッドに横になり自分から足を持ち上げると肛門を見せつける、すると両手で尻を掴んで横に広げられた、そのまま顔を下げると口を当ててくる、あぁ、舌が入ってくるぅぅ。    チャプッチュプッ    「ふっんん」  しばらくして舌を引き抜くと今度は指を当ててくる、解していくと言って指を入れると女々しい声で喘いでしまう。  「むっ?痛くないか?」  「い、一本くらいなら大丈夫です、まぁその……今まで何度もセックスしてきてるんで広がってきてるのかも」  「はははそうか、なに、痛む時間が少なく済むならそれに越したことはない」  そう言って二本目も入れてくる、あれ、あんまり痛くない、もしかして俺気づかないうちに相当開発されちゃってる?指を入れられかき混ぜられるとただただ快感がどっと押し寄せてくるんだ、気持ちいい、指でこれなのにあんな大きい竜人チンコ入れられたらどうなってしまうのか、心臓の鼓動が速くなっていく、はぁはぁ。  「りゅ、竜さんもう大丈夫です、俺我慢できない」  「そうか、いや真面目そうな見た目でここまで淫乱とはな」  「ぅぅ、そんな言わないでくださいぃ」  「わはは、冗談だ、むしろ今この状況においては吾輩も変わるまい、その方が楽しめるというものだ、安心しなさい」  はいと頷くと竜さんはそれでは入れるぞと穴に押し当ててくる。    ズブブ……    「ぁぁぁっぅぅ、やっぱり太いぃ」  「おぉぉ、素晴らしい締まりだ、気持ち良いぞ、包み込まれる」  根元まで入ると圧迫感がかなり強めだ、だが思ったよりも痛みは全然なくてただただ気持ち良い、ぐっと腰を押し当てると竜さんはベッドに両手を置いて見下ろしてくる。汗だくで息を荒くする竜さんは少し目を光らせてまるで狩人みたいな顔で見つめてくる。  「動くぞ、今はお主が魅力的でたまらん」  「お、お願いします、俺も竜さんが好きです」  「誘惑しよって……んん」  顔を下ろすとキスをされる、そのまま腰を動かし始めた、途端に口の中でくぐもった喘ぎが空洞に響き渡る、ぬちゃぬちゃやらしい音や息、声が施術室に木霊する。    ジュボッジュボッ   グチュッグチュッ    〔セックス始また!エッチな雰囲気でいいねぇ〕  〔まるで恋人同士みたいなこういう穏やかなエッチもいいね〕  〔これ虎さんもう虜にされちゃってない?〕  「っぷは、痛くないか?辛かったらいつでも言うのだぞ」  「はい、大丈夫ですっんっぁ、き、気持ち良いです」  「そうか、吾輩もだ、もう少し速くしていいか?」  こくんと頷くと竜さんは俺の肩に頭を置くと抱きしめてくる、そのままがつがつと力強く腰を打ち付けてきたんだ、擦れる度に目の前がちかちかする、頭の中で花火がドーンと上がるみたいだった。気持ち良くて、心地良くて。  「あっあぁっ竜さんっ」  思わず呼んでしまう、手は握られ指を組み、尻尾に絡んでくる感触、多分竜さんは俺の尻尾を自分の尻尾で弄くっているのだろう、だからつい俺もその太い尻尾にぐるぐる巻きつけちゃう、離れないように。    ジュブッジュブッ   パンパンパン    「そ、そろそろイキそうだ、中に出していいか?」  「はぁはぁ!はい、出してください!俺の竜さんの精液欲しい!」  「助平な虎っ子め!それなら……くれてやる!」  体を離すと両手で腰を掴んでくる、途端に体ががくがく揺れる、激しくて、あまりに雄々しい腰振り、さっきの甘い刺激とは比べ物にならないくらいの圧倒的な快楽が俺を支配してくる、それもこれも一瞬で、あっという間に海の底に引きずり込まれる。  「ぐぅぅ!イクぞ!出すぞ虎っ子よ!イクッイクッイグゥゥゥ!!!!」  「あぁっあああぁぁっんあぁああああああ!!!!」    ゴポッゴポッゴポッ    叫び声が混じりながら二人同時に射精する、背を逸らした竜さんは腸の中で凄い勢いで吐精しているのが分かった、下半身が熱くて重い、中で何度も膨れ上がってる。それを感じるとより一層興奮して気持ち良くて、俺の射精に拍車をかける。やばい、止まらない……!  「はぁ……はぁ……」  「ぜぇ……ぜぇ……」  全て吐き出すと竜さんは倒れて俺の上に覆いかぶさってくる、俺が手を伸ばして抱きしめると竜さんも抱きしめてくれた。  「き、気持ち良かったです、凄く」  「吾輩もだ、こんなに興奮して吐き出したのはいつ振りか」  体を起こして見つめあうと短くキス、その後にまた頭を撫でられる、あぁなんて優しい顔をするんだ竜さん、甘えたくなってしまうじゃないか。  「視聴者にサービスをしてやるか」  「え?」  片手を伸ばすとウェブカメラを掴んでまだ繋がってる場所を上から見せる、近くまで寄せるとゆっくり腰を引いていった、小さく喘ぐとヌポンと音を立ててチンコが引き抜かれる、すると途端にドバドバと俺の穴から精液が決壊したダムのごとく漏れ出ていた。パソコンの画面で確認できるけど今の俺のってそんな感じなのか……いやこれ皆に見られてるわけだよね、めっちゃ恥ずかしいんだけど。  〔うぉぉエロ過ぎ!こっちもイクって!〕  〔凄い量出てくる、いや竜さん出し過ぎ〕  〔完全に心奪われた虎さんであった〕  『はぁはぁ、だ、だって仕方ないだろ、めっちゃ気持ち良かったし竜さん凄い優しくて甘やかしてくるし……お、お前らだって好きなるっての!』  画面には俺のヒクヒクした穴やまだ硬い精液塗れの竜さんのチンコがドアップで映っていた……。    『ふー、いやぁ皆お疲れさん、今日はしないつもりだったのになぁんでこうなるかなぁ、まぁ俺も竜さんも満足してるし終わり良ければって奴か』  竜さんの方を見て頭を下げた。  『改めて竜さん今日は色々有難うございました、施術中のあの技、凄かったです!貴重な体験でした!それにその、竜さんの体も凄かったです……色々と。えぇッとお前ら!お前らからもお礼言え!ほら早く!』  〔竜さんありがとー楽しかった!〕  〔お疲れ様ーまたゲストで出てほしい〕  〔恥じらって俺達に振ってくる虎さんはさぁ……〕  『うるさーい!つべこべ言うなー!』  「がっはっは!本当に面白い虎っ子だ、いやいや、吾輩も随分楽しませてもらったし滅多にない経験だった、自分で配信しようとは思わないからな。また機会があればこちらからも出させてほしい」  『わぁ!竜さんから言ってくれると助かります!ありがとうございますーそうさせてもらいますね!それじゃぁ今日の配信はここまでだ!今回のゲストは帰っちゃったけど犀さんと、この竜さんでした!それじゃぁまたな~』  『さようなら』    ポチッ    「終わりましたーお疲れさまでした」  配信を終えると機材を片付ける、服はどうしようかなぁ、タオル借りられるかな。  「あぁそれなら風呂場で洗っていくといい」  「え?そこまでさせてもらっていいんですか?」  「もう一線は超えたであろう?」  にやにやされて思わず頬を赤らめる、まぁいいというなら。そうして俺達は一緒に風呂場に行って体を洗ったんだ。背中とか洗ってくれちゃったりシャワーで流してくれたりなんか至れり尽くせりだった。    綺麗にすると俺はお店のカウンターの客側へと戻る、最初に犀さんと入ってきた場所だ。  「この後はどうするのだ?」  「えっと、犀さんに呼ばれて一緒に来たんですけど正直何にも考えてなかったんですよねぇ」    ぐぅ~    あっと、そういえば俺、昼起きてそのまま支度して慌てて出てきたものだから何も食べてなかったっけ。しかもあんな激しい運動したからペコペコだ。  「ははは、それならこれから一緒に食事に行かぬか?」  「いいですね!あ、でもお金は割り勘でお願いしますね?なんか奢ってくれそうだったし」  「むぅ、見透かされていたか」  こういう仕事してるしさっきも色々気を遣ってくれたし、相手に何かするのが好きなんだろうと思う、だから言ってみたけどやっぱりだった。さすがにこれ以上甘えるわけにも行かないから後は二人で同じ様にって。気を許したら本当にずぶずぶと竜さんに甘えまくってパパと認識してしまいそうだし。いかんいかん!  「いつか暇な時にでもアパートに遊びに来てください、皆個性的で素敵な人ばかりなので」  「うむ、そうさせてもらおう、あの犀が住んでる場所だからどれほど危険かと思ったのだが、お主みたいな真面目で優しい虎っ子がいるなら大丈夫そうだ」  「絶対ですよ!楽しみにしてますね」  「うむ、吾輩も楽しみにしているぞ」  約束して扉を開けると外へ出たんだ、まだまだ親睦会は終わってない、今日はとことんこの竜さんと仲良くなるぞ!そう思いながら扉を閉めたんだ。    チリン     完