■■朝の連続ドラマ『NTRとは闘争也』■■ ジャンル:不条理ホラー -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■プロローグ『NTRビデオレター』■  薄暗いアパートの部屋で、俺、木村剛はソファに沈み込んでいた。目の前には古びたテレビ。画面に映るのは、俺の心を抉る光景 だ。ビデオレター。封筒に無機質に書かれた「木村剛様」って文字が、まるで嘲笑うように俺の記憶にこびりついてる。ポロシャツ の襟が汗で湿って、張り付く感触が不快だ。スニーカーを脱ぎ捨てた足の裏が、冷たいフローリングに触れてるけど、そんなことど うでもいい。  画面の中の美咲は、俺の知ってる美咲じゃなかった。いつもブレザーの制服をきっちり着て、笑顔で俺の名前を呼んでたあの美咲 じゃない。彼女の制服は乱暴に脱がされ、床に投げ捨てられている。白いブラウスはボタンが弾け飛び、紺のスカートは無残に丸め られて隅に転がってる。彼女の肌は、蛍光灯の冷たい光に晒されて、まるで陶器みたいに白く輝いてた。胸の柔らかな曲線は、息遣 いごとに揺れ、豊満なその輪郭が俺の目を焼く。お尻の丸みは、彼女が動くたびに誘うように震えて、視線を絡め取る。 美咲「剛…ごめんね…」  美咲の声が、掠れて画面から漏れる。でも、その声はすぐに別の音に掻き消された。彼女の唇から零れる、甘く濡れた喘ぎ声。あ あ、なんて声だ。まるで心臓を直接握り潰されるみたいに、俺の胸が締め付けられる。 美咲「んっ…あぁ…♡」  美咲の声は、最初は控えめだった。まるで自分の身体が裏切っていくことに戸惑ってるみたいに。でも、画面が進むにつれて、そ の声はどんどん淫らに、熱を帯びていく。 美咲「んんっ…はぁ…ッ!」  彼女の嬌声は、まるで蜜を滴らせる果実みたいに濃厚で、俺の耳に絡みついて離れない。  水無瀬蓮。あの男がそこにいた。黒いマスクを外し、センターパートの黒髪を揺らしながら、まるで王様みたいに美咲を見下ろし てる。ブレザーの制服は脱ぎ捨てられ、引き締まった身体が露わになってる。その目は、獲物を弄ぶ獣のようだ。美咲の肌に指を這 わせ、彼女の胸の頂をそっと撫でると、美咲の身体がビクンと跳ねた。 美咲「あぁッ…やっ…♡」  彼女の声が、鋭く部屋に響く。蓮の指が、彼女の柔らかな膨らみをゆっくりと揉みしだくたびに、美咲の唇から溢れる音は、どん どん熱を帯びていく。  俺の拳が、膝の上で固く握られる。爪が掌に食い込んで、血が滲むかもしれない。でも、そんな痛みなんて感じない。画面の中の 美咲は、蓮の手によって少しずつ変わっていく。彼女の身体は、まるで花が開くみたいに反応し始めてる。最初は抵抗するように震 えてた手が、今は蓮の腕に絡みつき、まるで縋るように掴んでる。 蓮「ほら、美咲。もっと声を出せよ。木村に聞かせてやろうぜ」  蓮の声は、冷たくて、でもどこか甘ったるい。美咲の耳元で囁くその言葉は、まるで毒を注ぎ込むみたいだ。美咲の頬が、羞恥と 快感で赤く染まる。 美咲「んんぅ…ッ! やぁ…だっ…♡」  彼女の声は、まるで壊れた楽器みたいに震えて、でもその震えが、俺の心をさらに抉る。  蓮の手が、美咲のお尻に滑り込む。彼女の丸みを帯びたその部分を、まるで自分のものだと主張するように強く掴む。美咲の身体 が、びくんと跳ねる。 美咲「あぁぁッ! んんッ…♡♡」  彼女の嬌声は、まるで熱い吐息そのものになって、画面越しに俺の肌を焦がす。蓮の指が、彼女の肌を這うたびに、美咲の声はも っと高く、もっと淫らに響く。 美咲「はぁ…ッ! あぁんッ…♡」  彼女の唇が震え、瞳が潤んで、まるで快楽の海に溺れてるみたいだ。  俺の喉から、呻き声が漏れる。悔しさと、怒りと、でもどこかで湧き上がるどうしようもない感情が、俺の胸を締め付ける。美咲 の胸は、蓮の手によって形を変え、柔らかく揺れるたびに、俺の視線を絡め取る。彼女のお尻は、蓮の動きに合わせて誘うように揺 れ、まるで俺を嘲笑ってるみたいだ。 美咲「剛…見てる…?」  美咲の声が、突然画面から響いた。彼女の瞳が、カメラを、俺を、じっと見つめてる。まるで俺の心を直接抉るみたいに。 美咲「ごめん…ね…でも…あぁッ! んんぅッ…♡♡」  彼女の言葉は、嬌声に掻き消される。蓮が彼女の身体をさらに強く抱き寄せ、彼女の肌に唇を這わせる。美咲の声が、まるで絶頂 の波に飲み込まれるみたいに、どんどん高まっていく。 美咲「あぁぁッ! はぁッ! んんんッ…♡♡♡」  画面の中の美咲は、俺の知ってる美咲じゃない。彼女の身体は、蓮の手によって完全に開花して、まるで別の生き物みたいになっ てる。彼女の胸は、蓮の動きに合わせて揺れ、豊満な曲線が俺の目を焼く。お尻の丸みは、まるで誘うように震えて、俺の心を掻き 乱す。彼女の嬌声は、まるで音楽みたいに部屋に響き、俺の耳を、頭を、心を、支配する。 剛「美咲…お前…」  俺の声は、掠れてほとんど聞こえない。画面の中の美咲は、蓮の腕の中で喘ぎ、まるで快楽の虜になってる。蓮の目が、カメラ越 しに俺を嘲笑う。 蓮「木村、ちゃんと見てろよ。これが、お前の女の真実だ」  その言葉が、俺の胸に突き刺さる。  ビデオはまだ続く。美咲の声は、どんどん淫らに、熱狂的に、響き続ける。 美咲「あぁぁッ! んんぅッ! はぁぁッ…♡♡♡」  彼女の身体は、蓮の手によって完全に支配され、まるで快楽の奴隷みたいになってる。俺の拳が、膝の上で震える。悔しさと、怒 りと、でもどこかで抑えきれない感情が、俺の心を焼き尽くす。  画面が暗転する瞬間まで、俺は目を逸らせなかった。美咲の嬌声が、俺の耳に、頭に、心に、刻み込まれる。ビデオレターは終わ った。でも、俺の胸に燃える炎は、消えることなく燃え続けていた。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■第01週目A『ぬこえもん登場』■  テレビの画面が暗転した後も、俺、木村剛の頭の中には美咲の嬌声がこだましてた。あの甘く震えた声、まるで俺の心をナイフで 切り刻むみたいに響き続ける。ソファに沈み込んだまま、ポロシャツの裾を握り潰して、俺はただ呆然と天井を見つめてた。アパー トの薄い壁越しに、隣の部屋のテレビの音がぼんやり聞こえる。こんな夜に、こんな気分で、こんな現実を突きつけられて、どうす りゃいいんだよ。  突然、ガタッと音がした。俺の視線が、部屋の隅にある古ぼけた机に吸い寄せられる。引き出しの一つが、勝手にスライドして開 いてる。いや、開いたってレベルじゃねえ。まるで何か生き物が中から這い出てくるみたいに、ギイッと軋みながらゆっくり動いて る。  俺の背筋に冷たいものが走った。 剛「なんだよ、これ…」  掠れた声が、喉から漏れる。  次の瞬間、引き出しから青い影が飛び出した。デカい、丸い、ふわっとした何か。そいつは俺の目の前で宙に浮かんで、ニヤリと 笑った。 ぬこえもん「やあ、ホモサピエンス君! 絶望のどん底で会えて嬉しいんぬ!」  その声は、妙に明るくて、どこか子供向けアニメのキャラみたいな軽快さがあった。青い狸。いや、狸ってか、なんつーか…ドラ えもんのパチモンみたいな見た目だ。丸い目に、でっかい鈴が首にぶら下がってて、ふわふわの尻尾がゆらゆら揺れてる。 剛「な、なんだお前!?」  俺はソファから飛び上がって、壁に背中を押し付けた。スニーカーを履き忘れた足が、冷たいフローリングに滑りそうになる。 剛「泥棒か!? いや、狸!? いや、なんだよこれ!?」  心臓がバクバク鳴って、頭が混乱でぐちゃぐちゃだ。  青い狸は、ふわっと宙を漂いながら、両手を広げて大仰にポーズを取った。 ぬこえもん「僕の名前はぬこえもん! 多元世界観測体にして、キミの復讐のサポーターなんぬ! よろしくなんぬ!」  まるで舞台俳優みたいに胸を張って、鈴をチリンと鳴らした。 ぬこえもん「キミ、木村剛だろ? 彼女を水無瀬蓮に寝取られて、悔しくてたまらないんだろ? ふふ、僕、その顔が見たくてここ       に来たんぬ!」 剛「は!? お前、なんでそれ知ってんだよ!?」  俺の声が裏返る。ビデオレターのこと、美咲のこと、蓮のこと…なんでこいつが知ってる? 頭がパニックで爆発しそうだった。 剛「てか、復讐ってなんだよ! お前、ふざけてんのか!?」  ぬこえもんは、ニヤニヤしたまま俺に近づいてきた。その目が、まるで底なしの闇みたいにキラリと光る。 ぬこえもん「ふざけてないぬ。キミの心の叫び、僕にはバッチリ聞こえたんぬ。美咲ちゃんを取り戻したいだろ? あのイヤらしい       ビデオレターをなかったことにしたいだろ? だったら、僕に任せるんぬ!」  ふわっと宙で一回転して、まるで子供が遊んでるみたいに笑った。 剛「取り戻す…? そんなことできるのかよ…」  俺の声が、震える。美咲の顔が、頭にチラつく。あのビデオの中で、蓮に抱かれて喘いでた美咲。俺の胸が、ギュッと締め付けら れる。 剛「いや、でも…どうやって…?」  ぬこえもんは、急に真剣な顔になった。いや、真剣っつっても、狸の顔だからどこかふざけて見えるんだけど。 ぬこえもん「簡単なんぬ。時間を操作して、美咲ちゃんが寝取られる前の時間軸に移動するんぬ! そこで、キミが水無瀬蓮をぶっ       潰せばいいんぬ!」  ポケットみたいな腹の部分から、キラキラ光る何かを取り出した。小さな、時計みたいな機械だ。ボタンがいくつか付いてて、画 面がチカチカ光ってる。 ぬこえもん「これを使うんぬ!」 剛「時間操作!? ハァ!? お前、頭おかしいだろ!?」  俺は思わず叫んだ。こんな漫画みたいな話、信じられるわけねえ。なのに、ぬこえもんは平然とその機械を弄りながら、ニヤリと 笑う。 ぬこえもん「ホモサピエンス君、疑うのはいいけど、時間は待ってくれないんぬ。ほら、行くんぬ!」  ぬこえもんが機械のボタンを押した瞬間、部屋がぐにゃりと歪んだ。まるで世界がゼリーみたいに揺れて、俺の視界が一気に暗く なる。 剛「うわっ! なんだこれ!?」  俺の叫び声が、どこかに吸い込まれる。  気がつくと、俺はまだ自分のアパートの部屋にいた。でも、なんか…空気が違う。窓の外の街灯の光が、いつもより柔らかく見え る。机の上のカレンダーが、昨日までの日付から一ヶ月前に戻ってる。 剛「…マジかよ」  俺の声が、震える。ぬこえもんは、ふわっと俺の横に浮かんで、得意げに鼻を鳴らした。 ぬこえもん「どうなんぬ? バッチリ美咲ちゃんが寝取られる前の時間軸に移動したんぬ! これで、キミの復讐劇の幕開けなんぬ       !」  まるでゲームの解説者みたいに楽しそうに喋る。 ぬこえもん「で、これをキミに渡すぬ。復讐アイテム、『同位体情報上書き機』ぬ!」  ぬこえもんが差し出したのは、さっきの時計みたいな機械だった。手のひらサイズで、表面にわけわかんねえ記号がビカビカ光っ てる。 剛「同位体…なんちゃら? なんだそれ?」  俺は機械を受け取りながら、眉をひそめた。 ぬこえもん「ふふ、簡単なんぬ! この『同位体情報上書き機』は、相手の構成情報に並行同位体のコピー情報を連結して、改変す       る道具なんぬ! つまり、キミが水無瀬蓮の情報をちょいと書き換えちゃえば、アイツを完璧にわからせることもでき       るんぬ!」  ぬこえもんは、まるで回転焼きを自慢するみたいに胸を張った。 剛「…は? わけわかんねえよ!」  俺は思わず叫んだ。構成情報? 並行同位体? そんなSFみたいな話、俺の頭じゃ処理しきれねえ。 剛「もっと簡単に言えよ!」 ぬこえもん「むぅ、ホモサピエンス君、頭固いんぬ。まあ、要するに、こいつを使えば蓮をギャフンと言わせられるってことなんぬ!       細かいことは気にしないんぬ!」  ぬこえもんは、ふてくされたみたいに頬を膨らませた。 ぬこえもん「とにかく、これで復讐スタートなんぬ! 僕、クローゼットで寝るから、続きは明日考えるんぬ!」 剛「待て、ちょっと!」  俺が叫ぶ前に、ぬこえもんはふわっとクローゼットに飛び込んで、ドアをバタンと閉めた。 ぬこえもん「おやすみなんぬ! 回転焼きあったら置いといてなんぬ!」  クローゼットから、くぐもったな声が聞こえる。 剛「…マジかよ」  俺は、呆然と『同位体情報上書き機』を握りしめた。頭がぐちゃぐちゃで、何が何だか分からない。美咲を取り戻す。蓮をわから せる。時間軸を移動した? こんなバカみたいな話、信じられるわけねえ。でも、胸の奥で燃える怒りと、ビデオレターの記憶が、 俺を突き動かす。  とりあえず、ベッドに倒れ込んだ。ポロシャツが汗で湿ってるのも、スニーカーが脱ぎっぱなしなのも、どうでもいい。目をつぶ ると、美咲の顔が浮かぶ。まだ、俺の美咲だった頃の、笑顔の美咲。絶対、取り戻してやる。蓮、お前を絶対に許さねえ。 ■第01週目B『反撃の狼煙』■  朝、目が覚めた瞬間、頭の中に昨夜のバカみたいな出来事がよみがえった。青い狸。ぬこえもん。時間移動。復讐。ビデオレター の美咲の声が、チラッと脳裏をよぎるけど、俺、木村剛はそれを振り払うようにベッドから飛び起きた。パジャマのTシャツが汗で 背中に張り付いて、ちょっと気持ち悪い。窓の外は、いつも通りの朝の光。カーテンの隙間から差し込む陽射しが、床にまだらな影 を作る。 ぬこえもん「ホモサピエンス君、おはようなんぬ! 復讐の朝は気持ちいいんぬ!」  突然、クローゼットのドアがバンッと開いて、ぬこえもんがふわっと浮かび上がってきた。青い毛並みが朝日でキラキラ光って、 まるでCGみたいだ。その首の鈴がチリンと鳴るたびに、俺の頭が現実に戻される。 剛「うるせえよ、朝から…」  俺は頭を掻きながら、キッチンのテーブルにどっかり座った。冷蔵庫から取り出した牛乳を直飲みして、ぬこえもんを睨む。 剛「で? どうすりゃいいんだよ、復讐って。蓮をぶん殴ればいいのか?」  ぬこえもんは、テーブルにふわっと着地して、回転焼きをどこからか取り出してムシャムシャ食い始めた。 ぬこえもん「殴るのは効率悪いんぬ。まずは、水無瀬蓮と二人きりになる状況をセッティングするぬん! そこで『同位体情報上書       き機』を使って、アイツをギャフンと言わせるぬ!」  回転焼きのカスをテーブルにポロポロ落としながら、ニヤリと笑った。 剛「二人きり? そんな簡単じゃねえだろ。あいつ、いつもクールぶってて、近づきにくいんだよ」  俺は牛乳の紙パックを握り潰しそうになりながら、眉をひそめた。蓮のあの皮肉っぽい笑顔を思い出すだけで、腹が煮えくり返る。 ぬこえもん「根性で何とかするんぬ! ホモサピエンス君のサッカー魂、見せてみるぬ!」  ぬこえもんは、まるで応援団みたいに拳を振り上げた。鈴がチリンと鳴って、なんか妙に励まされてる気分になる。くそ、こんな 狸にペース握られてる場合じゃねえ。  仕方なく、ブレザーの制服に着替えた。鏡の前でツーブロックの髪を軽く整えて、ネクタイを適当に締める。スニーカーを履いて、 鞄を肩に掛けたら、なんかいつも通りの朝なのに、胸の奥がザワザワしてる。ぬこえもんは「がんばるぬ!」とか言って、クローゼ ットにまた消えた。ほんと、気まぐれな狸だな。  アパートを出て、いつもの通学路を歩く。朝の空気がひんやりして、ポロシャツの代わりに着た制服のブレザーが少し重い。道端 の桜の木が、春の陽気に揺れてる。そしたら、角を曲がったところで、バッタリ美咲と会った。紺のブレザーに白いブラウス、プリ ーツスカートが風に揺れてる。彼女の髪が、朝日でキラキラ光って、まるで天使みたいだ。 美咲「剛、おはよ!」  美咲が笑顔で手を振ってきた。その声、ビデオレターのあの淫らな喘ぎ声とは全然違う。俺の美咲だ。まだ、蓮に汚されてない美 咲。胸の奥が、ギュッと締め付けられるような安堵が広がる。 剛「お、おう、おはよ…」  俺はちょっと照れながら、笑顔を返した。彼女の笑顔が、俺の心を軽くする。まだ間に合う。絶対、守ってみせる。  学校に着いて、一限目の授業が終わった。休憩時間、教室の窓際で美咲が友達と喋ってるのを見ながら、俺は教科書をパラパラめ くってた。そしたら、教室のドアから水無瀬蓮が入ってきた。センターパートの黒髪、黒いマスクを顎まで下げて、ブレザーをだら っと着崩してる。その目が、まるで獲物を値踏みするみたいに教室を一瞥する。美咲に近づいて、なんか馴れ馴れしく話しかけてる のが見えた。 蓮「美咲、昨日のアニメ見た? あのシーン、最高だったろ」  蓮の声が、わざとらしく明るい。美咲がクスクス笑って、「うん、めっちゃ良かった!」なんて答えてる。俺の胸が、ズキンと痛 む。くそ、なんであんなやつと楽しそうに…。我慢できなくて、立ち上がって蓮に声をかけた。 剛「おい、蓮。ちょっと話あるんだけど」  蓮が振り返って、俺をチラッと見た。その瞳は、まるで俺を値踏みするみたいに冷たい。 蓮「へえ、木村か。何? 忙しいんだけど」  その塩っ辛い態度に、俺の拳が自然と握られる。でも、ここでキレたらダメだ。 剛「いや、別に大したことじゃねえよ。後でいいからさ」  俺は無理やり笑顔を作って、なんとか平静を装った。蓮は「ふーん」とか言って、興味なさそうに美咲との話に戻った。くそ、ム カつく。  昼休み、俺は弁当を持って、わざと蓮の隣に座った。食堂の喧騒の中で、蓮はイヤホンでなんか聞いてて、弁当をちまちま食って る。俺は深呼吸して、切り出した。 剛「なあ、蓮。放課後、ちょっと中庭で話せねえ? サッカー部のことで相談したいんだ」  嘘だ。サッカー部なんて関係ねえ。ただ、二人きりになるチャンスが必要だった。  蓮はイヤホンを片方外して、俺をジロッと見た。 蓮「サッカー? 俺、興味ねえよ」  その声には、いつもの皮肉が滲んでる。でも、俺は食い下がった。 剛「いや、ちょっとだけだからさ。頼むよ」  俺が頭を下げると、蓮はため息をついて、「まー、いいけど。めんどくせえな」と呟いた。よし、決まった。心の中でガッツポー ズだ。  放課後、教室のざわめきが静まる中、俺はブレザーのポケットに『同位体情報上書き機』を握りしめた。冷たい金属の感触が、掌 に食い込む。どんな道具か、ぶっちゃけまだわかんねえ。でも、ぬこえもんが言うには、これで蓮をやっつけられるらしい。美咲を 守るためなら、なんだってやる。制服のネクタイを軽く緩めて、俺は中庭に向かって歩き出した。夕陽が校舎の窓に反射して、眩し い。胸の奥で、怒りと覚悟がぐるぐる渦巻いてる。 ■第01週目C『未確認彼女』■  中庭の空気は、夕陽のオレンジ色に染まってた。校舎の影が芝生に長く伸びて、どこか静かな緊張感が漂ってる。俺、木村剛は、 ブレザーのポケットの中で『同位体情報上書き機』を握りしめてた。冷たい金属の感触が、掌にじんわり汗を滲ませる。蓮は、向か いのベンチにだらっと座って、黒いマスクを顎まで下げてスマホを弄ってる。センターパートの黒髪が、夕風に軽く揺れて、ムカつ くくらい絵になってる。 蓮「で? サッカー部の話って何?」  蓮が面倒くさそうに顔を上げて、俺をチラッと見た。毎度毎度、値踏みするみたいな目で見やがって。俺は喉に詰まった言葉を無 理やり押し出した。 剛「いや、ほら…部活のフォーメーションとか、ちょっと意見聞きたくてさ」  適当だ。どえらい適当。サッカーなんてどうでもいい。ただ、こいつと二人きりになるために言い訳が必要だっただけ。  蓮は「ふーん」と鼻で笑って、スマホに視線を戻した。 蓮「木村、意外と真面目なんだな。まあ、興味ねえけど」  その皮肉っぽい口調に、俺の胸がカッと熱くなる。くそ、こいつのこの態度、ビデオレターのあの嘲笑う声と重なる。もう我慢で きねえ。 剛「なあ、蓮」  俺はポケットから『同位体情報上書き機』をそっと取り出した。手のひらサイズの機械は、ボタンがチカチカ光ってて、なんかS F映画の小道具みたいだ。ぬこえもんの「相手の構成情報を書き換える」って説明は、ぶっちゃけさっぱりわかんねえ。でも、こい つをギャフンと言わせるなら、なんでもいい。俺は蓮の隙を伺いながら、適当に話を続けた。 剛「お前、いつもそんなクールぶってんじゃん。なんか…裏の顔とかあんのか?」  蓮が眉を上げて、俺をジロッと見た。 蓮「裏の顔? 何だよ、急に。探偵ごっこでもすんのか?」  かすかに笑いが混じる。今だ。俺は親指でボタンを押した。機械が小さくビープ音を立てて、緑色の光が一瞬だけ蓮を包んだ。 蓮「…ん?」  蓮が怪訝そうに顔を上げた瞬間、ピカッと眩しい光が中庭を覆った。 剛「うわっ!?」  俺は思わず目を覆った。光が収まった瞬間、ベンチに座ってた蓮の姿が…消えてた。いや、違う。そこにいたのは、蓮じゃなかっ た。ツインテールの黒髪に、ピンクのインナーカラーがチラチラ覗く女の子。ベストの上にジャージを羽織って、プリーツスカート がふわっと広がってる。顔は…やべぇ可愛い。地雷系メイクの美少女って感じで、ぱっちりした目が俺をじっと見つめてる。チョー カーが首に巻かれてて、黒いマスクが顎に引っかかってる。 剛「…は!? な、なんだこれ!?」  俺は後ずさりながら、声を上げた。『同位体情報上書き機』を握った手が震える。こいつ…蓮じゃねえ! いや、でも、なんか面 影が…!?  女の子が、キョトンとした顔で首を傾げた。 恋「どしたの、彼氏君? 急にそんなビックリした顔して」  その声は、甘ったるくて、まるでハチミツみたいに耳に絡みつく。彼女がベンチから立ち上がると、ジャージの隙間から覗くベス トが、豊満な胸のラインを強調してる。スカートの下から伸びる脚は、ソックスに包まれて細くて、なのに妙に色っぽい。 剛「彼氏君!?」  俺の声が裏返った。なんだその呼び方!? 恋「えー、なになに? 交際二年も経つのに、初対面みたいな顔しないでよー!」  女の子がムッと頬を膨らませて、俺に一歩近づいてきた。ツインテールが揺れて、ピンクのインナーカラーが夕陽でキラキラ光る。 恋「恋、寂しくなっちゃうじゃん! ね、彼氏君、どしたの? なんか用?」  彼女の目が、ちょっと潤んで、まるで子犬みたいに俺を見つめてくる。 剛「恋…? 交際二年!? ハァ!?」  俺の頭がパニックで爆発しそうだった。こいつ、水無瀬恋って名前なのか? 蓮が…女に!? しかも、俺の彼女だと!? 『同 位体情報上書き機』の効果って、こんなバカみたいなことになるのかよ!? ぬこえもん、てめえ、なんつー道具渡しやがった!  俺は機械をポケットに突っ込んで、頭を抱えた。  恋が、ますます不思議そうな顔で俺に近づいてきた。 恋「彼氏君、ほんっと変だよ? いつもなら、恋のことぎゅってしてくれるのに…」  彼女の手が、俺のブレザーの袖をそっと掴む。その指先の柔らかさに、俺の心臓がドクンと跳ねた。くそ、なんか可愛いんだけど! でも、こいつ、蓮だろ!? いや、蓮の…なんだ!? 並行世界の蓮!? 頭ぐちゃぐちゃだ! 剛「と、とにかく…!」  俺は自分に言い聞かせるように声を張った。わからせるんだ。蓮を…いや、恋をわからせる! それしかねえ! 美咲を守るため、 こいつをどうにかしなきゃ! 剛「恋、ちょっと…保健室行こうぜ。なんか…話したいことあんだ」  俺は適当に理由をでっち上げて、恋の手を掴んだ。彼女の肌、柔らかい。やばい、意識すんな、俺! 恋「え、保健室? ふぁ、彼氏君、急に積極的~! 恋、ドキドキしちゃうよ♡」  恋がクスクス笑って、俺の腕に絡みつくみたいにくっついてきた。彼女の胸が、ジャージ越しに俺の腕に軽く当たって、俺の頭が 一瞬真っ白になる。くそ、なんだこの状況! 恋の甘い声と、ツインテールの揺れが、俺の心を掻き乱す。  俺は恋の手を引いて、校舎の方へ歩き出した。夕陽が背中に熱くて、ブレザーの下で汗が滲む。ポケットの中の『同位体情報上書 き機』が、ずっしり重い。保健室に行ったら…どうすりゃいいんだ? わからせるって、具体的に何だよ? 頭の中がぐるぐる回る けど、とにかく進むしかねえ。恋の柔らかい手と、彼女の「彼氏君♡」って声が、俺の耳にまとわりついて離れない。 ■第01週目D『さよなら童貞』■  保健室のドアを勢いよく閉めた瞬間、静寂が俺、木村剛を包み込んだ。カーテンが夕陽を遮って、薄暗い部屋に白いベッドが無機 質に並んでる。誰もいない。たまたま、こんなタイミングで保健室が無人なんて、まるで運命が俺を後押ししてるみたいだ。水無瀬 恋が、俺の腕に絡みつくようにくっついて、ツインテールのピンクのインナーカラーが薄光の中で揺れてる。 恋「彼氏君、保健室って…なんかドキドキするね♡」  彼女の甘ったるい声が、俺の耳に絡みつく。くそ、可愛いけど、こいつは蓮の…なんだ!? 並行世界の蓮だろ! わからせるん だ、俺は美咲を守るためにこいつをわからせる! 剛「恋、ちょっと…ここ座れよ」  俺は恋の手を引いて、ベッドの端に押しやるように座らせた。彼女のジャージがずれて、ベスト越しに胸の柔らかな曲線がチラッ と見える。スカートの裾が少し上がって、ソックスに包まれた細い脚が無防備に揺れる。俺の心臓がドクドクうるさい。 恋「彼氏君? なんか…真剣な顔してるよ?」  恋が首を傾げて、ぱっちりした地雷系メイクの目で俺を見つめてくる。チョーカーが首に食い込んで、なんか妙に色っぽい。 剛「いいから、ちょっと黙ってろ!」  俺は勢いに任せて、恋の肩を掴んでベッドに押し倒した。マットがギシッと軋む音が、静かな保健室に響く。恋のツインテールが シーツに広がって、彼女の目が一瞬驚きで大きくなる。 恋「ふぁっ! 彼氏君、急に…!?」  彼女の声が、さっきまでの甘えたトーンから、ちょっと震えたものに変わる。俺の頭はぐちゃぐちゃだ。わからせるって何だよ? でも、ビデオレターの蓮の嘲笑う顔、美咲の嬌声が脳裏を焼き付けて、俺を突き動かす。  なのに、恋は急にしおらしくなった。ベッドに仰向けのまま、潤んだ目で俺を見上げて、囁くように言った。 恋「剛くん…私、初めてだから…。剛くんを満足させられないかも…ごめんね…」  その声が、とても小さくて、まるで壊れそうなガラス細工みたいだ。ツインテールがシーツに乱れて、ジャージの隙間から覗く胸 の膨らみが、彼女の震えに合わせて微かに揺れる。 剛「…は!? 初めて!? 剛くん!?」  俺の頭が、真っ白になった。なんだこの状況!? こいつ、蓮だろ!? なのに、こんな…純情な反応!? 混乱が頂点に達して、 俺の思考がバグる。 剛「と、とにかく…!」  俺は自分に言い聞かせるように、恋のジャージを脱がせ始めた。彼女の腕が小さく震えて、でも抵抗しない。ベストを剥ぎ取ると、 白いブラウスが現れて、ボタンを外すたびに、フリルリボンのブラがチラチラ覗く。恋の肌は、まるで絹みたいに滑らかで、夕陽の 薄光に白く輝いてる。ブラウスを脱がせ、ブラのホックを外すと、彼女の胸が解放されて、柔らかく揺れた。豊満なその曲線が、俺 の目を絡め取る。スカートを下ろすと、フリルリボンのショーツが現れ、ソックスに包まれた脚が無防備に開く。俺もブレザーを投 げ捨て、シャツを脱ぎ、ズボンを下ろして全裸になった。恋の目が、俺の身体をチラチラ見ながら、頬を赤らめる。 恋「剛くん…恥ずかしいよ…」  恋が小さな声で呟く。俺は彼女の胸に手を伸ばした。柔らかくて、掌に吸い付くような感触。指先で頂をそっと撫でると、恋の身 体がビクッと跳ねた。 恋「んっ…くすぐったい…!」  彼女の声は、まるでくすぐられた子猫みたいに震える。俺はさらに手を滑らせ、彼女の股間に指を這わせた。ショーツ越しに、温 かい感触。恋が「ひゃっ…!」と小さく声を上げて、脚を閉じようとするけど、俺の手がそれを許さない。 恋「やっ…剛くん、なんか…変な感じ…」  彼女の声が、だんだん熱を帯びてくる。くすぐったがってた反応が、徐々に喘ぎに変わっていく。 恋「んん…っ…あ…」  恋の唇から漏れる音が、俺の耳を焦がす。  保健室の空気が、なんか甘ったるくて重い。恋の胸を揉みながら、俺の指が彼女のショーツを下ろす。彼女のお尻が、シーツに沈 むたびに丸みを帯びて揺れる。俺のちんこが、痛いくらいに勃起してる。もう、後戻りできねえ。 剛「恋…行くぞ」  俺は彼女の脚を開き、正常位の体勢で身体を重ねた。恋の目が、ちょっと怖がってるみたいに潤んでる。 恋「剛くん…私、初めてだから…優しくしてね…」  彼女の声が、俺の心をチクッと刺す。くそ、なんでこんな純粋な反応なんだよ!  俺はゆっくり腰を進めた。恋の身体が、キツく締め付けてくる。彼女の顔が、痛みに歪む。 恋「んっ…痛い…っ!」  恋の声が響く。でも、彼女の手が俺の背中にしがみついて、まるで縋るみたいに掴んでくる。俺はさらに奥へ進む。処女喪失の瞬 間、恋が「ひっ…!」と小さく叫んだ。彼女の目から、涙が一筋こぼれる。 恋「剛くん…私の初めて…剛くんに捧げられて、よかった…♡」  その言葉が、まるで爆弾みたいに俺の頭を吹っ飛ばした。なんだよ、それ!? こいつ、蓮の並行世界の存在なのに、こんな…!? 剛「わからせる…これはわからせだ!」  俺は自分に言い聞かせるように、腰を動かし始めた。恋の身体が、俺の動きに合わせて揺れる。彼女の胸が、柔らかく波打つたび に、俺の目を絡め取る。お尻の丸みが、シーツに擦れるたびに誘うように震える。 恋「ん…っ…剛くん…っ…」  恋の声が、痛みと混じりながら、だんだん甘いものに変わっていく。俺の動きが速くなるたびに、彼女の喘ぎが少しずつ大きくな る。 恋「あ…っ…んん…っ…」  まだ未開発な身体だから、嬌声ってほどじゃねえ。でも、その控えめな反応が、逆に俺の劣情を煽る。  保健室のベッドが、ギシギシ軋む。恋のツインテールが、シーツに乱れて、ピンクのインナーカラーが汗で濡れて光る。俺の頭は、 快楽と混乱でぐちゃぐちゃだ。美咲を守るため、蓮をわからせるため…でも、目の前の恋の純粋な反応が、俺の心を揺さぶる。もう、 考えるのやめた。俺は一気に動きを加速させて、恋の奥で果てた。熱いものが、彼女の中に吐き出される。 恋「んっ…剛くん…っ…」  恋の声が、俺の耳に響く。  行為が終わって、俺たちはしばらく息を整えた。保健室の空気が、汗と甘い匂いで重い。恋が、ゆっくり身体を起こして、シーツ で胸を隠しながら服を着始めた。俺もブレザーを拾って、シャツを着込む。恋の指が、フリルリボンのブラをそっと着けるたびに、 彼女の胸の曲線がチラッと見えて、俺の心臓がまたドクンと跳ねる。 恋「剛くん…なんか、夢みたいだった…」  恋が、恥ずかしそうに微笑む。その笑顔が可愛くて、俺の頭がまたバグる。  突然、恋の身体がふらっと揺れた。 恋「え…? なんか…変な…」  彼女が呟いた瞬間、ピカッと眩しい光が保健室を包んだ。 剛「うわっ!?」  俺は目を覆った。光が収まった瞬間、ベッドの上にいたのは…水無瀬蓮だった。ツインテールの恋じゃなく、センターパートの黒 髪、黒いマスクを顎に下げた、元の蓮。ブレザーをだらっと着崩して、怪訝そうな顔で俺を見てる。 蓮「…木村? なんでここに…?」  その声が、いつもの皮肉っぽいトーンに戻ってる。 剛「…!?」  頭が、完全にフリーズした。恋が…蓮に戻った!? どうやら記憶は…地続きじゃねえみたいだ。蓮の目は、相変わらず俺を値踏 みするみたいに冷たい。くそ、こいつ、恋として俺と…! でも、今のこいつはそれを知らねえ! 剛「ヤベー…ヤベーことになった…」  俺は呟きながら、ブレザーのポケットに『同位体情報上書き機』を握りしめた。この道具、とんでもなくヤバいぞ、ぬこえもん! 蓮「木村、なんか変な顔してるけど…?」  蓮が眉を上げて、俺に近づいてくる。まずい、まずい! 俺は慌てて保健室のドアに飛びついた。 剛「なんでもねえ! じゃあな!」  叫びながら、俺は廊下に飛び出して、全速力で逃げ出した。夕陽が校舎の窓に反射して、眩しい。頭の中は、恋の甘い声と、蓮の 冷たい目でぐちゃぐちゃだ。とにかく、逃げるしかねえ! ■第01週目E『ぐだぐだ反省会』■  夕陽がアパートの窓から差し込んで、薄汚れたカーテンにオレンジの光が滲んでた。俺、木村剛は、玄関のドアをバタンと閉めて、 スニーカーを脱ぎ捨てた。ブレザーはもう汗でぐしょぐしょで、ネクタイは適当に緩めたまま。頭の中は、保健室での水無瀬恋の甘 い声と、突然戻った蓮の冷たい目でぐちゃぐちゃだ。ポケットの中の『同位体情報上書き機』が、ずっしり重い。くそ、なんだった んだ、あの状況。 ぬこえもん「ホモサピエンス君、おかえりなんぬ! 復讐の第一幕、どうだったんぬ?」  クローゼットのドアがガラッと開いて、ぬこえもんがふわっと浮かび上がってきた。青い毛並みが夕陽でキラキラ光って、首の鈴 がチリンと鳴る。どこからか取り出した回転焼きをムシャムシャ食いながら、ニヤニヤしてる。俺はソファにドサッと座り込んで、 頭を抱えた。 剛「どうだったって…ヤバいことになったんだよ!」  ぬこえもんが、ふわっと俺の隣に浮かんで、回転焼きのカスをテーブルにポロポロ落とした。 ぬこえもん「ほほう、詳しく聞かせてみるぬ! 水無瀬蓮、ギャフンと言ったぬ?」  まるで子供が悪戯を企むみたいにキラキラしてる。俺はイライラしながら、保健室での出来事を吐き出した。蓮が恋って女に変わ って、俺の彼女だとか言い出して、んで…その…行為して、そしたら急に蓮に戻ったって話。話してる間、俺の顔が熱くなって、な んか恥ずかしくなってくる。 ぬこえもん「ふむふむ、なかなかドラマチックなんぬ!」  ぬこえもんは、回転焼きを食い終えて、満足げに鼻を鳴らした。 ぬこえもん「あの『同位体情報上書き機』、並行世界の水無瀬恋を一時的に召喚したわけなんぬ。で、恋ちゃんはホモサピエンス君       と交際二年目の設定だったから、あんな甘々モードだったんぬ。性病リスクとか、警察に通報されるリスクを考慮して、       僕がバッチリセレクトしたんぬ!」 剛「は!? 性病!? 通報!? なんだそれ!?」  俺はソファから飛び上がって、ぬこえもんを睨んだ。 剛「お前、んな大事なこと先に言えよ! つーか、交際二年目って設定、混乱したんだからな! 恋が『剛くん』とか『初めて』と   か言い出して、頭バグったぞ!」  俺の声が、部屋に響く。胸の奥で、恋の潤んだ目と、蓮の冷たい目がチラチラよみがえって、なんかモヤモヤする。  ぬこえもんは、ふわっと宙で一回転して、まるで気まずさを誤魔化すみたいに笑った。 ぬこえもん「まあまあ、細かいことは気にしないんぬ! ホモサピエンス君、ちゃんと恋ちゃんをわからせたんだろ? それでいい       んぬ! 大事なのは、美咲ちゃんを守ることなんぬ! 蓮をギャフンと言わせて、美咲ちゃんを取り戻すんぬ!」  その声が、妙に明るくて、なんか適当に流されてる気分になる。 剛「納得いかねえよ…」  俺はソファに沈み込んで、項垂れた。恋の甘い声が、頭にこびりついて離れねえ。あれ、ほんとに蓮の並行世界の姿なのか? で も、蓮に戻った瞬間、なんの記憶もなさそうだった。くそ、わけわかんねえ。美咲の笑顔を思い出すと、胸がギュッと締め付けられ る。 剛「美咲を守る…それだけは、絶対だ」  俺は小さく呟いた。 ぬこえもん「その意気なんぬ! 明日も頑張るんぬ!」  ぬこえもんが、拳を振り上げて応援団みたいに叫ぶ。鈴がチリンと鳴って、なんか妙に励まされる。 ぬこえもん「ほら、夕飯食って、風呂入って、寝るんぬ! 復讐は体力勝負なんぬ!」  ふわっとクローゼットに飛び込んで、ドアをバタンと閉めた。 ぬこえもん「回転焼きあったら置いといてなんぬ!」  くぐもった声が聞こえる。 剛「…頑張るのか、俺」  俺は項垂れたまま、キッチンに向かった。冷蔵庫から適当にレトルトカレーとご飯を出して、レンジでチン。カレーのスパイシー な匂いが部屋に広がるけど、頭はまだぐちゃぐちゃだ。飯を掻き込んで、風呂で汗を流した。シャワーの熱い湯が、保健室での恋の 感触を洗い流そうとするけど、なんか逆に鮮明に思い出される。パジャマのTシャツに着替えて、ベッドに倒れ込んだ。窓の外は、 もう真っ暗。美咲の笑顔と、恋の甘い声が、頭の中でぐるぐる回る。 剛「明日も…頑張るか」  俺は小さく呟いて、目を閉じた。胸の奥で、怒りと覚悟と困惑が静かに燃えてる。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■水無瀬蓮の日記1■  今日もいつも通りの一日だった、はずなんだが、なんか妙な違和感が残ってる。アパートの自室、薄暗い蛍光灯の下で、俺、水無 瀬蓮はペンを握ってノートに書きなぐってる。センターパートの髪が額に落ちてきて、ちょっと鬱陶しい。黒いマスクは机の隅に放 り投げて、ブレザーはハンガーに引っかけたまま。部屋にはアニメのポスターとフィギュアが並んでて、いつもの俺の城だ。なのに、 なんでこんな落ち着かねえ気分なんだ?  朝、いつものように学校に行った。教室に入ると、美咲が友達と笑いながら話してて、なんか無性に目がそっちに吸い寄せられた。 彼女の笑顔、なんか妙に眩しくて、俺の心臓が一瞬ドクッとした。いや、別に深い意味はねえ。ただ、木村剛の彼女ってだけで、ち ょっと気になるだけだ。美咲に話しかけて、アニメの話題で軽く盛り上がった。あいつの反応、素直で可愛いんだよな。木村なんか に勿体ねえ、なんて一瞬思ったけど、まあ、どうでもいい。  一限目の休憩時間、木村が急に話しかけてきた。あいつのツーブロックの髪と、ブレザーを着崩した感じ、なんかムカつくほど典 型的サッカー部って雰囲気だ。「ちょっと話あるんだけど」とか言ってきたけど、適当な態度で返してやった。忙しいんだよ、って な。実際、別に忙しくねえけど、木村の真剣な顔がなんかウザかった。美咲のこと、意識してるのがバレバレなんだよな。あいつ、 俺が美咲と話すの、気に入らねえんだろ。ふん、面白い。  昼休み、食堂でイヤホンで音楽聴きながら弁当食ってたら、また木村が絡んできた。わざわざ隣に座ってきて、「放課後、中庭で 話せねえ?」とか言い出した。サッカー部の相談とか、嘘くさい理由だったけど、なんか断るのも面倒で、「まー、いいけど」って 流してやった。あいつの目、なんか妙にギラギラしてて、ちょっと気になった。なに企んでんだ、木村。  放課後、中庭で木村と会った。夕陽が眩しくて、芝生の匂いが鼻につく。木村がなんかモゴモゴ話してたけど、内容が全然頭に入 ってこねえ。サッカーのフォーメーション? そんな話、興味ねえよ。で、急に木村がポケットから変な機械取り出して、なんか光 った気がした。そこから…なんか記憶が飛んでる。気づいたら、保健室のベッドに座ってて、木村が慌てた顔で俺を見てた。「なん でここに…?」って聞いたら、アイツ、挙動不審で「なんでもねえ!」とか叫んで逃げ出しやがった。なんだ、あのバカ。  保健室での記憶、なんかボヤッとしてる。木村と何か話したっけ? いや、話す前にアイツが逃げたんだよな。なのに、なんでこ んな…身体が妙に熱いんだ? なんか、胸の奥がザワザワして、落ち着かねえ。木村の焦った顔、なんか引っかかる。あいつ、絶対 なんか企んでる。美咲のこと、関係あるのか? いや、まさかな。俺が美咲にちょっかい出す前なのに、木村がそんな警戒するわけ ねえか。  帰宅して、アパートの部屋で缶コーヒー飲みながらアニメの新作チェックした。いつもなら没頭できるのに、なんか集中できねえ。 木村のギラギラした目と、美咲の笑顔がチラチラ頭に浮かぶ。くそ、なんなんだ、このモヤモヤ。明日、木村の様子、ちょっと探っ てみるか。あいつ、なんか隠してる気がする。まあ、俺には関係ねえけどな。美咲の笑顔、ちょっとだけ…いや、なんでもねえ。  とりあえず、シャワー浴びて寝るか。明日はもっと面白いこと起きねえかな。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■第02週目A『地獄の一丁目』■  朝、目が覚めた瞬間、頭の中に甘ったるい声が響いてた。 恋「剛くん、恋、すごく幸せだよ♡」  水無瀬恋のツインテールが夕陽で揺れて、彼女の柔らかい胸が俺の腕に押し付けられて…って、うわっ! 俺、木村剛はベッドか ら飛び起きて、汗だくのパジャマTシャツを握り潰した。夢だ。くそ、リアル過ぎる悪夢だよ! 恋の地雷系メイクの顔と、保健室 でのあの感触が頭にこびりついて、胸がザワザワする。 ぬこえもん「プーッ! ホモサピエン君、恋ちゃんとのラブラブデート夢見てたんぬ! 赤い顔してるんぬ!」  クローゼットのドアがガラッと開いて、ぬこえもんがふわっと浮かび上がってきた。青い毛並みが朝日でキラキラ光って、首の鈴 がチリンと鳴る。回転焼きをムシャムシャ食いながら、ニヤニヤ笑ってる。 剛「待て、ホモサピエン君!? 昨日までホモサピエンス君じゃなかったか!?」  俺は思わず突っ込んだ。こんな大事な時に、なんで呼び方変わってんだよ、この狸! ぬこえもんは、ふわっと宙で一回転して、 まるで気まずさを誤魔化すみたいに笑った。 ぬこえもん「おっと、細かいことは気にしないんぬ! ホモサピエン君の方が響きがいいんぬ! で、恋ちゃんの夢、どうだったん       ぬ? ふふ、復讐のモチベーション上がったんぬ?」 剛「上がるか! 混乱しただけだ!」  俺は頭を掻きながら、キッチンのテーブルにドサッと座った。冷蔵庫から牛乳を取り出して直飲みして、ぬこえもんを睨む。 剛「あの『同位体情報上書き機』、やっぱヤバいだろ。蓮が恋になって、俺の彼女とか言い出して…くそ、頭ぐちゃぐちゃだよ!」  恋の甘い声と、蓮の冷たい目がチラチラよみがえって、なんかモヤモヤする。 ぬこえもん「まあまあ、ホモサピエン君、細かいことは忘れるんぬ! 大事なのは、美咲ちゃんを守って、蓮をギャフンと言わせる       ことなんぬ! 今日も頑張るんぬ!」  ぬこえもんが、回転焼きのカスをテーブルにポロポロ落としながら、拳を振り上げる。鈴がチリンと鳴って、なんか適当に丸め込 まれた気分だ。くそ、こいつのペースに乗せられてる。  仕方なく、ブレザーの制服に着替えた。鏡の前でツーブロックの髪を軽く整えて、ネクタイを適当に締める。スニーカーを履いて、 鞄を肩に掛けたら、なんか昨日と同じ朝なのに、胸の奥が燃えるみたいに熱い。美咲を守る。蓮をわからせる。それだけだ。ぬこえ もんは「がんばるぬ!」とか言って、クローゼットに消えた。ほんと、気まぐれな狸だ。  通学路を歩く。朝の空気がひんやりして、桜の花びらが道端に散ってる。そしたら、校門近くで美咲と蓮が話してるのを見ちまっ た。美咲の紺のブレザーが風に揺れて、彼女の笑顔が朝日でキラキラ光ってる。蓮は黒いマスクを顎に下げて、センターパートの髪 を揺らしながら、なんかアニメの話で盛り上がってる。 蓮「美咲、あのキャラの新コス、最高だったろ?」  蓮の声が、わざとらしく明るい。美咲が「うん、めっちゃ可愛かった!」なんて笑ってるの見て、俺の胸がギュッと締め付けられ た。くそ、なんであんなやつと…! ビデオレターの蓮の嘲笑う顔がよみがえって、憎しみがドロドロと湧き上がる。蓮、てめえ、 絶対許さねえ!  学校に着いて、三限目の体育の時間。サッカー部の練習試合だ。グラウンドで、俺はゴールキーパーとして全力でボールを弾き飛 ばした。汗がジャージの下で滝みたいに流れて、ツーブロックの髪が額に張り付く。美咲が教室の窓から見てるかも、なんて一瞬思 ったけど、すぐにハッとした。美咲、サッカーあんま興味ねえんだよな…。前に「剛の試合、かっこいいけど、ルールわかんないや」 なんて笑ってたの、思い出した。くそ、なんか虚しくなってきた。でも、蓮に負けるわけにはいかねえ。俺はゴールに飛び込んで、 仲間から「ナイスセーブ!」って声をもらった。胸の奥で、憎しみパワーがさらにチャージされるわこれ。  昼休み、食堂で弁当を広げながら、頭をフル回転させた。やっぱ、『同位体情報上書き機』を使うしかねえ。昨日みたいに、蓮を 恋に変えて、わからせる。いや、でも、昨日は蓮に戻っちまって…くそ、考えるのやめだ! とにかく、蓮と二人きりになるチャン スを作らなきゃ。蓮はいつものようにイヤホンで音楽聴きながら、弁当をちまちま食ってる。俺は深呼吸して、隣に座った。 剛「なあ、蓮。放課後、中庭でちょっと話せねえ? 昨日、話途中で終わったじゃん」  蓮がイヤホンを片方外して、俺をジロッと見た。 蓮「またかよ、木村。めんどくせえな。昨日、なんか変だったよな?」  その声に、かすかに疑いが混じる。くそ、保健室のことを覚えてねえはずなのに、なんか勘づいてる? 俺は無理やり笑顔を作り 頭を下げる。 剛「いや、なんでもねえよ。ちょっとサッカーの話、続きしたくてさ。な、頼むよ」 蓮「まー、いいけど。ほんと、しつこいな」  蓮はため息をつきつつ了承した。よし、決まった!  放課後、教室のざわめきが静まる中、俺はブレザーのポケットに『同位体情報上書き機』を握りしめた。冷たい金属の感触が、掌 に食い込む。昨日、恋になった蓮の甘い声がチラッとよみがえるけど、俺は首を振ってそれを振り払った。美咲を守るためだ。蓮を わからせる。それだけを考えろ。ネクタイを軽く緩めて、俺は自分を奮い立たせた。 剛「よし、行くぞ、俺!」  小さく呟いて、中庭に向かって歩き出した。夕陽が校舎の窓に反射して、眩しい。胸の奥で、怒りと覚悟がゴウゴウと燃えてる。 ■第02週目B『合わせる系彼女』■  中庭の芝生が、夕陽のオレンジに染まってた。校舎の窓に反射する光が眩しくて、俺、木村剛はブレザーのポケットで『同位体情 報上書き機』を握りしめてた。掌に冷たい金属が食い込んで、汗でちょっと滑る。水無瀬蓮は、ベンチにだらっと座って、黒いマス クを顎まで下げてる。センターパートの黒髪が夕風に揺れて、いつも通りムカつくくらいカッコつけてる。でも、今日はなんか違う。 蓮の目が、俺をチラチラ見て、まるで探るみたいに鋭い。 蓮「昨日、なんか変だったよな、木村」  いつもより警戒心が滲んでる。 剛「は? 変って何だよ。普通に話しただけじゃん」  俺はわざと肩をすくめて、適当に笑ってみせた。心臓がドクドクうるさい。蓮の疑ってる目つき、プレッシャー掛けやがって。く そ、なんとか隙を作らなきゃ。 剛「ほら、サッカーの話、ちゃんと聞きたかっただけだって。ゴールキーパーのポジション、蓮ならどうすっかなーって」  笑っちゃうくらい適当だ。サッカーなんて蓮、興味ねえの知ってる。でも、こいつを油断させるには、こんなくだらねえ会話でい いんだ。  蓮が鼻で笑って、スマホを弄りながら言った。 蓮「ゴールキーパー? 木村、ほんと真面目だな。俺、そういうの面倒くせえよ」  その目が、スマホに落ちる瞬間、チャンスだ。俺はポケットから『同位体情報上書き機』をそっと取り出した。ボタンがチカチカ 光って、なんか不気味な輝きだ。ぬこえもんの「並行世界の情報を上書き」って言葉が頭にチラつくけど、考えるのやめだ。俺は親 指でボタンを押した。ビープ音が小さく響いて、緑色の光が蓮を包む。 蓮「…ん? 何だ?」  蓮が顔を上げた瞬間、ピカッと眩しい光が中庭を覆った。 剛「うわっ!」  俺は目を覆った。光が収まると、ベンチにいたのは…やっぱり、蓮じゃなかった。ツインテールの黒髪、ピンクのインナーカラー が夕陽でキラキラ光る。水無瀬恋だ。ベストの上にジャージを羽織って、プリーツスカートがふわっと広がってる。地雷系メイクの ぱっちりした目が、俺をじっと見つめて、チョーカーが首に食い込んでる。彼女がベンチから立ち上がると、ジャージの隙間から胸 の豊かな曲線がチラッと覗く。ソックスに包まれた脚が、細くて色っぽい。 剛「…またかよ!」  俺は思わず呟いた。昨日と同じ、恋だ。でも、なんか…恋の頬が、俺と目が合った瞬間、ポッと赤くなった。 恋「ふ、ふぁっ! 剛くん…!」  彼女の声が、甘ったるくて、でもちょっと震えてる。恋が両手で頬を押さえて、ツインテールを揺らしながらモジモジしてる。 恋「な、なんで…こんな、急に…ドキドキするの…♡」  その純粋な反応に、俺の頭が一瞬バグる。 剛「お、お前、なんで赤くなってんだ!?」  俺は困惑しながら、半歩後ずさった。くそ、こいつ、蓮の並行世界の姿なのに、なんでこんな…!  恋が、急に目をキラキラさせて、俺に一歩近づいてきた。 恋「剛くん、今日の体育、すっごくかっこよかったよ! サッカーのゴール、ビュンって守ってたの、ドキドキしたんだから!♡」  彼女の声が、まるでハチミツみたいに甘くて、俺の耳に絡みつく。ツインテールが揺れるたびに、ピンクのインナーカラーが光る。 剛「…は!? 体育!? お前、見てたのか!?」  俺の声が裏返った。恋、体育の時間、どこにいたんだよ!? 蓮の記憶、引き継いでんのか!? 恋「うん、だって…剛くん、いつも頑張ってるから、恋、ちゃんと見てたんだよ!」  恋が、恥ずかしそうに目を伏せて、指をモジモジ絡ませる。 恋「交際する前までは、サッカーとか全然知らなかったけど…剛くんのおかげで、ヨーロッパリーグの試合とか見るようになったの!   リバプール対バルセロナのあの試合、覚えてる? 剛くんと一緒に叫んだの、楽しかったな…♡」  彼女の目が、なんか懐かしそうに細まって、俺の胸がギュッと締め付けられる。 剛「ヨーロッパリーグ!? 交際!? なんだそれ!?」  俺の頭が、完全にパニックだ。こいつ、蓮の記憶をおぼろげに持ってるのか? いや、でも、交際二年目って設定は昨日も…!  くそ、ぬこえもん、てめえ、どんな道具作ったんだ! 恋の純粋な笑顔と、蓮の冷たい目が頭でごっちゃになって、俺の思考がぐち ゃぐちゃ。美咲の笑顔がチラッとよみがえるけど、目の前の恋の甘い声に掻き消される。 剛「もう…どうにでもなれ!」  俺は自分に言い聞かせるように声を張った。わからせるんだ。蓮を…いや、恋をわからせる! 美咲を守るため、こいつをどうに かしなきゃ! 剛「恋、ちょっと…保健室行こうぜ。話したいことあんだ」  俺は適当に理由をでっち上げて、恋の手を掴んだ。彼女の肌、すげぇ柔らかくて、俺の心臓がドクンと跳ねる。 恋「ふぁっ! 剛くん、急に…! でも、うん、行く!♡」  恋がクスクス笑って、俺の腕に絡みつくみたいにくっついてきた。彼女の胸が、ジャージ越しに俺の腕に軽く当たって、俺の頭が また真っ白になる。  俺は恋の手を引いて、校舎の方へ歩き出した。夕陽が背中に熱くて、ブレザーの下で汗が滲む。ポケットの中の『同位体情報上書 き機』が、ずっしり重い。保健室に行ったら…また昨日みたいになるのか? わからせるって、具体的に何だよ? 頭の中がぐるぐ る回るけど、とにかく進むしかねえ。恋の柔らかい手と、彼女の「剛くん♡」って声が、俺の耳にまとわりついて離れない。 ■第02週目C『恋をわからせろ』■  保健室のドアをバタンと閉めた瞬間、静寂が俺、木村剛を飲み込んだ。夕陽がカーテンの隙間から漏れて、白いベッドに淡いオレ ンジの光を投げかけてる。誰もいない。昨日と同じ、こんなタイミングで保健室が無人なんて、まるで何かに導かれてるみたいだ。 水無瀬恋が、俺の腕にしがみつくようにくっついて、ツインテールのピンクのインナーカラーが薄暗い部屋で揺れてる。 恋「剛くん…保健室、なんか…ドキドキするね♡」  彼女の甘ったるい声が、俺の耳に絡みつく。くそ、可愛いけど、こいつは蓮の並行世界の姿だ。わからせるんだ。美咲を守るため に、俺はこいつをわからせる! 剛「恋、ちょっと…ここ座れ」  俺は恋の手を引いて、ベッドの端に押しやるように座らせた。彼女のジャージがずれて、ベスト越しに胸の柔らかな曲線がチラッ と見える。スカートの裾が少し上がって、ソックスに包まれた細い脚が無防備に揺れる。心臓がドクドクうるさい。昨日、恋の純粋 な反応に頭バグった記憶がよみがえる。くそ、なんでこんな…! 恋「剛くん? なんか…怖い顔してる…」  恋が首を傾げて、地雷系メイクのぱっちりした目で俺を見つめてくる。チョーカーが首に食い込んで、妙に色っぽい。 剛「黙ってろ!」  俺は勢いに任せて、恋の肩を掴んでベッドに押し倒した。マットがギシッと軋む音が、静かな保健室に響く。恋のツインテールが シーツに広がり、彼女の目が驚きで大きくなる。 恋「ふぁっ! 剛くん、強引すぎ…!」  彼女の声が、甘えたトーンからちょっと不満げなものに変わる。でも、抵抗しない。むくれてるみたいに唇を尖らせながら、俺を 見上げてくる。 恋「剛くん、いつもこんな急じゃないのに…でも…嫌いじゃないよ…♡」  その言葉、まるで俺の心をぐちゃぐちゃにする爆弾だ。くそ、なんでこんな受け入れてくれてんだ!? 混乱が頭を支配して、思 考がぐるぐる回る。 剛「とにかく…!」  俺は自分に言い聞かせるように、恋のジャージを脱がせ始めた。彼女の腕が小さく震えて、でも拒まない。ベストを剥ぎ取り、ブ ラウスを乱暴に脱がせると、フリルリボンのブラが現れる。ホックを外すと、彼女の胸が解放されて、柔らかく揺れた。豊満な曲線 が、薄光に照らされて俺の目を焼く。スカートを下ろし、フリルリボンのショーツを剥ぐと、ソックスに包まれた脚が無防備に開く。 俺もブレザーを投げ捨て、シャツとズボンを脱ぎ、全裸になった。恋の目が、俺の身体をチラチラ見ながら、頬を赤らめる。 恋「剛くん…恥ずかしい…」  彼女の声が響く。  俺は恋の胸に手を伸ばした。掌に吸い付くような柔らかさ。指先で頂をそっと撫でると、恋の身体がビクッと跳ねた。 恋「んっ…くすぐったい…!」  彼女の声は、まるで子猫がじゃれるみたいに震える。俺はさらに手を滑らせ、彼女の股間に指を這わせた。温かくて、微かに湿っ た感触。恋が「ひゃっ…!」と小さく声を上げて、脚を閉じようとするけど、俺の指がそれを許さない。クリトリスをそっと刺激す ると、恋の身体がビクンと跳ねた。 恋「やっ…剛くん、なんか…変…!」  彼女の声が、くすぐったさから少しずつ熱を帯びていく。 恋「ん…っ…あ…」  喘ぎが、控えめだけど確かに漏れ始める。まだ未開発な身体だから、嬌声ってほどじゃねえ。でも、その反応が俺の劣情を煽る。  保健室の空気が、甘くて重い。恋の胸を揉みながら、俺の指が彼女の敏感な部分を執拗に弄る。彼女のお尻が、シーツに沈むたび に丸みを帯びて揺れる。 恋「んん…っ…剛くん…っ…」  恋の喘ぎが、昨日より少し大きく、感じてる様子がハッキリしてる。なのに、突然、ビデオレターの美咲の嬌声が頭にフラッシ ュバックした。あの淫らな声、蓮の嘲笑う顔。胸の奥で、憎しみがドロドロと湧き上がる。 剛「蓮…てめえ…!」  わからせる。こいつを、蓮を、絶対にわからせる! 剛「後背位だ!」  俺は急に恋の身体をひっくり返した。彼女を四つん這いにさせて、お尻の柔らかな曲線が目の前に突き出される。 恋「えっ…剛くん、怖いよ…!」  怯えたように震える。ツインテールがシーツに乱れて、ピンクのインナーカラーが汗で濡れて光る。でも、俺は無視した。罪悪感? んなもんねえ! これはわからせだ! 俺は恋の腰を掴んで、ちんこを一気に押し込んだ。彼女の身体が、キツく締め付けてくる。 恋「ひっ…痛い…っ!」  恋の声が響く。痛みに耐える彼女の背中が、小さく震える。  俺は腰を動かし始めた。ベッドがギシギシ軋む音が、保健室に響く。恋のお尻が、俺の動きに合わせて揺れるたびに、俺の目を絡 め取る。胸がシーツに擦れて、柔らかく波打つ。 恋「ん…っ…剛くん…っ…」  恋の声が、痛みと混じりながら、だんだん甘いものに変わっていく。俺の動きが速くなるたびに、彼女の喘ぎが少しずつ大きくな る。 恋「あ…っ…んん…っ…」  まだ嬌声には程遠いけど、その控えめな反応が、逆に俺の憎しみを煽る。美咲の顔がチラつく。蓮の嘲笑が耳に響く。俺は一気に 動きを加速させて、恋の奥で果てた。熱いものが、彼女の中に吐き出される。 恋「んっ…剛くん…っ…」  恋の声が、俺の耳に響く。  行為が終わって、恋がシーツに崩れ落ちた。彼女の目から、ポロポロと涙がこぼれる。 恋「剛くん…なんで…こんな…」  彼女の声が、震えて途切れる。俺の胸が、チクッと痛む。くそ、なんで泣いてんだよ! わからせるためだろ! なのに、なんで こんな…! 剛「…悪かった、泣くなよ」  俺はぎこちなく恋の頭を撫でた。彼女が小さく頷いて、涙を拭う。 恋「剛くん…嫌いじゃないよ…でも…ちょっと怖かった…」  その言葉が、俺の心をさらにぐちゃぐちゃにする。  お互い服を着始めた。恋がフリルリボンのブラを着けるたびに、胸の曲線がチラッと見えて、俺の心臓がドクンと跳ねる。俺もブ レザーを着込んで、ネクタイを適当に締める。恋が、ふらっと立ち上がった瞬間、彼女の身体が揺れた。 恋「え…? なんか…変…」  彼女が呟いた次の瞬間、ピカッと眩しい光が保健室を包んだ。 剛「うわっ!?」俺は目を覆った。光が収まると、ベッドの上にいたのは…水無瀬蓮。ツインテールの恋じゃなく、センターパート の黒髪、黒いマスクを顎に下げた、元の蓮だ。 蓮「木村…!?」  蓮が俺を見た瞬間、顔が真っ青になった。その目が、なんか…夢でも見たみたいに揺れてる。 蓮「うっ…なんだ、これ…!」  突然口を押さえて、ベッドから飛び降りた。 蓮「くそ…吐きそう…!」  蓮が保健室のドアを蹴り開けて、トイレに向かってダッシュで走り出した。恋との記憶が、蓮の中で夢としてフラッシュバックし てるみたいだ。くそ、めちゃくちゃヤバい反応だよ! 剛「…ヤベー…更にヤベーことになった…!」  俺は呟きながら、ブレザーのポケットに『同位体情報上書き機』を握りしめた。この道具、ほんと何なんだよ、ぬこえもん! 蓮 の慌てた背中が廊下の角に消えるのを見ながら、俺は保健室のドアに飛びついた。 剛「どうすりゃいんだよ!?」  叫びながら、俺は全速力で廊下を駆け出した。夕陽が校舎の窓に反射して、眩しい。頭の中は、恋の涙と蓮の吐きそうな顔でぐち ゃぐちゃだ。 ■第02週目D『問い詰め反省会』■  アパートのドアを勢いよく閉めた瞬間、夕陽の残光がカーテンの隙間から漏れて、部屋に赤っぽい影を落としてた。俺、木村剛は、 スニーカーを脱ぎ捨てて、ブレザーをソファに投げつけた。汗で湿ったネクタイを乱暴に外して、頭をガシガシ掻く。保健室での水 無瀬恋の涙、蓮が吐きそうになってトイレにダッシュした顔が、頭の中でぐるぐる回ってる。ポケットの『同位体情報上書き機』が、 まるで罪の証みたいに重い。くそ、なんなんだよ、この状況! ぬこえもん「ホモサピエン君、おかえりなんぬ! 今日も復讐の火花バッチバチだったんぬ?」  クローゼットのドアがガラッと開いて、ぬこえもんがふわっと浮かび上がってきた。青い毛並みが薄暗い部屋でキラキラ光って、 首の鈴がチリンと鳴る。回転焼きをムシャムシャ食いながら、ニヤニヤしてる。俺はソファにドサッと座り込んで、ぬこえもんを睨 みつけた。 剛「お前! この『同位体情報上書き機』、マジで何なんだよ! 恋が泣いて、蓮が吐きそうになって…更にヤバいことになってん   だぞ!」  ぬこえもんが、ふわっと俺の隣に浮かんで、回転焼きのカスをテーブルにポロポロ落とした。 ぬこえもん「おっと、ホモサピエン君、なかなか激しい展開だったんぬね? ふむふむ、詳しく聞かせてみるんぬ!」  まるで悪戯っ子みたいにキラキラしてる。俺はイライラしながら、保健室での出来事を吐き出した。蓮がまた恋に変わって、俺が …その…強引に押し倒して、恋が泣き出して、そしたら蓮に戻って吐きそうになって逃げ出したって話。話してる間、恋の涙と甘い 声がよみがえって、胸がなんかモヤモヤする。 ぬこえもん「ふふ、面白いぬ! あの『同位体情報上書き機』、蓮の構成情報に恋ちゃんって情報を追記したんだけど、どうやら相       互干渉が始まったみたいぬ!」  ぬこえもんが、回転焼きを食い終えて、得意げに鼻を鳴らした。 ぬこえもん「相互干渉、つまり、蓮と恋の情報がちょっとずつ混ざり合ってるぬ。なかなかドラマチックな副作用ぬ!」 剛「は!? 相互干渉!? なんだそれ!?」  俺はソファから飛び上がって、ぬこえもんを指さした。 剛「お前、んな大事なこと先に言えよ! 蓮が恋になって、泣いたり吐いたり…わけわかんねえんだよ!」  恋の潤んだ目、蓮の青ざめた顔がチラチラ頭に浮かんで、頭がぐちゃぐちゃだ。胸の奥で、なんか…罪悪感みたいなものがチクチ クしてる。くそ、なんでだよ! ぬこえもん「むぅ、ホモサピエン君、難しい話は苦手なんぬ? 簡単に言うと、蓮が恋に変身してた期間の情報、蓮の脳が夢として       処理してるだけなんぬ! だから、蓮はちょっと混乱してるけど、気にしないんぬ!」  ぬこえもんが、ふわっと宙で一回転して、まるで適当に誤魔化すみたいに笑った。 ぬこえもん「大事なのは、ホモサピエン君が美咲ちゃんを守るために蓮をギャフンと言わせることなんぬ! 恋ちゃんの涙も、復讐       のスパイスなんぬ!」 剛「スパイスじゃねえよ! 納得いかねえ!」  俺はテーブルをバンと叩いた。恋の泣き顔が、頭にこびりついて離れねえ。あの純粋な反応、俺を「剛くん」って呼ぶ甘い声…。  蓮の並行世界の姿なのに、なんでこんな罪悪感が湧いてくんだよ! でもビデオレターの美咲の嬌声、蓮の嘲笑う顔を思い出して、 憎しみを無理やり掻き立てる。 剛「美咲を守る…それだけだ。蓮をわからせる」  俺は小さく呟いたけど、声がなんか弱々しい。 ぬこえもん「その意気なんぬ! ホモサピエン君、罪悪感なんて捨てるんぬ! 蓮をぶっ潰して、美咲ちゃんを取り戻すんぬ!」  ぬこえもんが、拳を振り上げて応援団みたいに叫ぶ。鈴がチリンと鳴って、なんか適当に丸め込まれた気分だ。 ぬこえもん「ほら、夕飯食って、風呂入って、寝るぬ! 復讐は持久戦なんぬ!」  ふわっとクローゼットに飛び込んで、ドアをバタンと閉めた。 ぬこえもん「回転焼きあったら置いといてぬ!」  お約束のくぐもったな声が聞こえる。 剛「…明日も頑張るしかねえのか」  俺は項垂れたまま、キッチンに向かった。冷蔵庫から豚キムチ炒めのレトルトとご飯を取り出して、フライパンで炒めた。キムチ のピリッとした匂いが部屋に広がるけど、頭はまだぐちゃぐちゃだ。飯を掻き込んで、風呂で汗とモヤモヤを洗い流そうとした。シ ャワーの熱い湯が、恋の感触や涙を思い出させて、なんか逆に鮮明になる。パジャマのTシャツに着替えて、ベッドに倒れ込んだ。 窓の外は真っ暗。美咲の笑顔と、恋の泣き顔が、頭の中でぐるぐる回る。 剛「頑張ろう…頑張るしかねえ」  俺は小さく呟いて、目を閉じた。胸の奥で、怒りと罪悪感と困惑がごちゃ混ぜになって、静かに燃えてる。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■水無瀬蓮の日記2■  アパートの部屋、蛍光灯の白い光がなんか妙に冷たく感じる。俺、水無瀬蓮は、机に突っ伏すようにしてノートにペンを走らせて る。センターパートの髪が額に落ちてきて、黒いマスクは椅子の背に引っかけたまま。ブレザーは床に放り投げて、フィギュアとア ニメのポスターに囲まれたこの空間が、いつもなら落ち着くのに、今日はずっと胸の奥がザワザワしてる。昨日からなんかおかしい。 木村剛のせいだ、絶対。  朝、いつものように学校に行った。校門近くで美咲と会って、昨夜のアニメの新エピソードの話でちょっと盛り上がった。美咲の 笑顔、なんか無防備で、つい目が吸い寄せられる。木村の彼女だってのに、なんでこんな気になるんだ? いや、別に深い意味はね え。ただ、木村がムカつくから、美咲にちょっかい出してやりたいだけだ。美咲が「蓮くん、ほんとアニメ詳しいね」なんて笑うか ら、つい調子に乗って喋っちまった。木村が遠くからジロッと見てた気がするけど、知らねえよ。  三限目の体育、グラウンドでサッカー部の練習試合やってた。木村がゴールキーパーで、なんかやたら気合い入ってボール弾き飛 ばしてた。汗だくで、ツーブロックの髪が額に張り付いて、必死な顔。美咲、教室から見てたのかな? いや、別に興味ねえけど、 木村のあのガムシャラな感じ、なんかムカつく。あいつ、俺のこと意識してんだろ。美咲の前でカッコつけたいだけだ、ふん。  昼休み、食堂でいつものようにイヤホンで音楽聴きながら弁当食ってたら、また木村が絡んできた。「放課後、中庭で話せねえ?」 って、昨日と同じようなこと言いやがる。サッカーの話とか、嘘くさい理由だったけど、なんかアイツの目がギラギラしてて、昨日 みたいに変なことになる予感がした。「またかよ、めんどくせえな」って言ったけど、断るのも面倒で、渋々OKしてやった。木村、 絶対なんか企んでる。昨日、保健室で急に逃げ出したのも、なんか怪しいんだよな。  放課後、中庭で木村と会った。夕陽が眩しくて、芝生の匂いが鼻につく。木村が「ゴールキーパーのポジション、蓮ならどうすっ かなー」とか、適当な話振ってきた。昨日も似たようなこと言ってたし、明らかに時間稼ぎだろ。アイツ、ポケットでなんかゴソゴ ソやってたし、目がチラチラ俺の方見て、挙動不審。俺、警戒して「木村、昨日みたいに変なことすんなよ」って釘刺したけど、ア イツ、笑って誤魔化しやがった。そしたら、急に変な光が…。そこから、記憶がまたボヤッとしてる。  気づいたら、保健室にいた。ベッドに座ってて、なんか身体が妙に熱い。木村が目の前にいて、俺を見るなり青ざめた顔で「まず い!」とか叫んで逃げ出しやがった。なんだ、あのバカ! でも、もっとヤバいのは…俺の頭に浮かぶ変な夢だ。ツインテールの女、 ピンクのインナーカラーの髪、甘ったるい声で「剛くん」って呼んでくる。保健室で、そいつが…俺が…木村に押し倒されて…!  うっ、思い出しただけで吐き気がする! 実際、保健室で急に気持ち悪くなって、トイレにダッシュして吐きそうになった。くそ、 なんだあの夢!? 木村のせいだ、絶対!  帰宅して、アパートでシャワー浴びて、缶コーヒー飲みながらアニメ見ようとしたけど、なんか集中できねえ。頭の中で、木村の ギラギラした目と、夢の中の女の声がぐるぐる回る。あの女、なんか…俺に似てる気がする。いや、まさかな。そんなわけねえ。木 村、絶対なんか変なこと企んでる。美咲のこと、関係あるのか? いや、でも、俺が美咲に本気でちょっかい出す前なのに、木村が こんな警戒するわけ…? わかんねえ。胸の奥が、なんかモヤモヤして、落ち着かねえ。 明日、木村の動き、もっと注意深く見てやる。あいつ、俺をハメようとしてるなら、絶対許さねえ。美咲の笑顔、ちょっとだけ頭に チラつくけど…いや、なんでもねえ。寝るか。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■第03週目A『アプローチを食い止めろ』■  朝、目を開けた瞬間、頭の中に水無瀬恋の涙がドアップでよみがえった。「剛くん…なんで…」って震える声、ツインテールが乱 れてシーツに広がる姿。次の瞬間、閻魔大王のド迫力な顔が「木村剛、罪深き魂よ!」とか叫びながら、俺を地獄の釜に放り込んで …! うわっ! 俺、木村剛はベッドから飛び起きて、汗だくのパジャマTシャツを握り締めた。悪夢だ。くそ、恋の泣き顔が頭に こびりついて、胸が罪悪感でモリモリだ。 ぬこえもん「プーッ! ホモサピエ君、閻魔裁き受けてたんぬ! 味わい深い顔してるんぬ!」  クローゼットのドアがガラッと開いて、ぬこえもんがふわっと浮かび上がってきた。青い毛並みが朝日でキラキラ光って、首の鈴 がチリンと鳴る。回転焼きをムシャムシャ食いながら、ニヤニヤ笑ってる。 剛「待て、ホモサピエ君!? 昨日までホモサピエン君だっただろ!?」  俺は思わず突っ込んだ。こんな大事な時に、なんでまた呼び方変わってんだよ、この狸! ぬこえもんは、ふわっと宙で一回転し て、まるで誤魔化すみたいに笑った。 ぬこえもん「おっと、ホモサピエ君の方がもっと短くてカッコいいんぬ! 細かいことは気にしないんぬ! で、恋ちゃんの涙で罪       悪感モリモリな夢、どうだったんぬ? 復讐のスパイス効いてるんぬ?」 剛「スパイスじゃねえ! 胸クソ悪かったんだよ!」  俺は頭をガシガシ掻きながら、キッチンのテーブルにドサッと座った。冷蔵庫からオレンジジュースを取り出して直飲みして、ぬ こえもんを睨む。 剛「あの『同位体情報上書き機』、恋を泣かせちまって、蓮が吐きそうになって…俺、なんか…悪いことしてる気分だ」  恋の潤んだ目、蓮の青ざめた顔がチラつく。美咲を守るためなのに、なんでこんな罪悪感が…! ぬこえもん「まあまあ、ホモサピエ君、罪悪感なんて復讐の燃料に変えるんぬ! 蓮をギャフンと言わせて、美咲ちゃんを守るぬ!       今日もバッチリ行くぬ!」  ぬこえもんが、回転焼きのカスをテーブルにポロポロ落としながら、拳を振り上げる。鈴がチリンと鳴って、なんか適当に丸め込 まれた気分だ。くそ、こいつのペースに乗せられてるけど、確かに美咲を守るためだ。俺は気を取り直して、ブレザーの制服に着替 えた。鏡でツーブロックの髪を軽く整えて、ネクタイを適当に締める。スニーカーを履いて、鞄を肩に掛けた。胸の奥で、罪悪感と 憎しみがゴチャゴチャに混ざってる。  通学路を歩く。朝の空気がひんやりして、道端の桜の花びらが風に舞ってる。そしたら、校門近くで水無瀬蓮が急に話しかけてき た。黒いマスクを顎に下げて、センターパートの髪が朝日で光ってる。 蓮「よお、木村。昨日、なんか変だったよな? お前、俺に何か企んでねえ?」  その目が、まるで探るみたいに鋭い。くそ、今まで以上に警戒されてる! 心臓がドクンと跳ねたけど、俺はわざと肩をすくめて 笑った。 剛「は? 企むって何だよ。サッカーの話したかっただけだって」  適当に誤魔化しながら、足を速めた。 剛「悪い、遅れそうだから!」  ダッシュで校門をくぐった。蓮の視線が背中に刺さるけど、振り向かねえ。  学校に着いて、二限目の国語の授業。黒板の漢字が頭に入らねえ。隣の席から、折り畳まれた紙が回ってきた。開くと、蓮の字だ。 「木村、放課後、校舎裏に来い。美咲の件で話がある。逃げんなよ」って、直球な宣戦布告。くそ、美咲を奪うつもりか! 紙を握 り潰して、チラッと蓮を見た。教室の後ろで、蓮がスマホ弄りながら、冷たい目で俺を一瞥。胸の奥で、憎しみがドロドロと湧き上 がる。ビデオレターの蓮の嘲笑う顔がよみがえって、俺の拳が震える。  昼休み、食堂で弁当を広げながら、頭をフル回転させた。蓮の宣戦布告、乗るしかねえ。やっぱ、『同位体情報上書き機』で恋に 変えて、わからせる。恋の泣き顔がチラッと頭に浮かぶ。胸がチクッと痛むけど、俺は首を振ってそれを振り払った。美咲の笑顔を 思い出す。あの笑顔を守るためだ。罪悪感なんかに負けてられるか! 剛「校舎裏、行くぞ」  俺は小さく呟いて、弁当をガツガツ掻き込んだ。蓮の冷たい目と、恋の涙が頭でごっちゃになるけど、挫けねえ。  放課後、教室のざわめきが遠ざかる中、俺はブレザーのポケットに『同位体情報上書き機』を握りしめた。冷たい金属の感触が、 掌に食い込む。昨日、恋が泣いたこと、蓮が吐きそうになったことが頭をよぎる。罪悪感が胸を締め付けるけど、俺は歯を食いしば った。美咲を守る。蓮をわからせる。それだけだ。ネクタイを緩めて、俺は自分を奮い立たせた。 剛「行くぞ、俺!」  小さく呟いて、校舎裏に向かって歩き出した。夕陽が校舎の壁に赤く映って、なんか不気味だ。胸の奥で、罪悪感と憎しみがゴウ ゴウと渦巻いてるはずなんだが。 ■第03週目B『お家デートは突然に』■  校舎裏の空気は、夕陽の赤に染まって重かった。コンクリの壁に苔が薄く生えて、雑草が地面から顔を出してる。俺、木村剛は、 ブレザーのポケットで『同位体情報上書き機』を握りしめてた。掌に冷たい金属が食い込んで、汗で滑る。水無瀬蓮は、壁に寄りか かって、黒いマスクを顎まで下げてる。センターパートの黒髪が夕風に揺れて、いつものクールぶった目が俺をじっと見つめてる。 蓮「木村、来たんだな。逃げねえとは、意外と根性あんじゃん」  皮肉っぽくて、かなりムカつく。 剛「お前が呼んだんだろ! なんだよ、美咲の件って!」  俺は一歩踏み出して、蓮を睨みつけた。昼休みに回ってきた手紙、「木村、放課後、校舎裏に来い。美咲の件で話がある。逃げん なよ」って言葉が、頭でガンガン響いてる。美咲の名前を出された瞬間、ビデオレターの蓮の嘲笑う顔、美咲の嬌声がよみがえって、 はらわたが煮えくり返った。 剛「美咲に何企んでんだ、蓮! ハッキリ言えよ!」  蓮が鼻で笑って、スマホを弄りながら言った。 蓮「企む? 俺が? 木村、なんか焦ってんじゃん。美咲が俺と話すの、気になってしょうがねえんだろ?」  そいつの目が、まるで俺の心を抉るみたいに鋭い。美咲の笑顔を、蓮が汚すイメージが頭に浮かんで、俺の拳が震える。 剛「てめえ、ふざけんな! 美咲に近づくなって言ってんだ!」  俺の声が、校舎裏に響く。蓮が一瞬眉を上げて、「へえ、ずいぶん熱くなってんじゃん。木村、なんか隠してねえ?」って、さら に煽ってきた。 剛「隠してんのはお前だろ!」  俺は我慢できなくて、蓮の胸ぐらを掴んだ。ブレザーの生地が手に食い込む。蓮が「っ、離せよ!」って手を振り払おうとしたけ ど、俺の怒りは止まらねえ。美咲を守るためだ。こいつをわからせる! ポケットの『同位体情報上書き機』が、まるで俺を急かす みたいに重い。 剛「もういい!」  俺は蓮を突き放して、機械を掏り出した。ボタンがチカチカ光る、SFみたいな道具。蓮が「何だ、それ!?」って叫んだ瞬間、 俺は親指でボタンを押した。ビープ音が響いて、緑色の光が蓮を包む。 蓮「うっ…!」  蓮が目を覆った次の瞬間、ピカッと眩しい光が校舎裏を覆った。 剛「くっ!」  俺は目を細めた。光が収まると、蓮の姿は消えてた。代わりに、水無瀬恋がそこに立ってた。ツインテールの黒髪、ピンクのイン ナーカラーが夕陽でキラキラ光る。ベストの上にジャージ、プリーツスカートがふわっと広がってる。地雷系メイクのぱっちりした 目が、俺をじっと見て、チョーカーが首に食い込んでる。彼女の胸の豊かな曲線が、ジャージの隙間からチラッと覗く。ソックスに 包まれた脚が、細くて色っぽい。 剛「…よ、よお」  俺は思わず呟いた。昨日、一昨日と同じ、恋だ。 恋「剛くん…! ご、ごめんね…!」  恋が、急に狼狽えた声で叫んだ。彼女の目が潤んで、ツインテールが揺れる。 恋「さっき、ひどいこと言っちゃって…美咲さんのこと、変に話して…剛くん、怒ってるよね…?」  彼女が両手で顔を覆って、モジモジしながら俺に近づいてくる。 剛「…は!? 謝ってる!? 何で!?」  俺の頭が、完全にバグった。こいつ、蓮の言い争いの記憶、引き継いでんのか!? でも、なんでこんな…純粋に謝ってくんだよ! 恋「剛くん…」  恋が、潤んだ目で俺を見上げて、声を震わせた。 恋「剛くんは…恋の知ってる剛くんなの? ねえ、確認したい…剛くんの部屋、連れてって…!」  彼女の真剣な目が、まるで俺の心を貫くみたいだ。ツインテールが夕風に揺れて、ピンクのインナーカラーが光る。 剛「部屋!? なんで!?」  俺は困惑しながら、半歩後ずさった。こいつの真剣な表情、なんか…胸に刺さる。恋の泣き顔がチラッとよみがえって、罪悪感が グサッとくる。くそ、なんでこんな…! 恋「お願い、剛くん…! 恋、確かめたいの…!」  恋が、俺のブレザーの袖をそっと掴んだ。彼女の指先の柔らかさに、俺の心臓がドクンと跳ねる。くそ、なんでこんな純粋なんだ よ! 蓮の並行世界の姿なのに! 俺は歯を食いしばって、恋の目を見た。彼女の真剣な表情に、なんか…圧される。 剛「…わかった。行くぞ」  俺は渋々頷いて、恋の手を掴んだ。彼女の肌が柔らかくて、頭が一瞬真っ白になっちまう。  校舎裏から出て、俺は恋を連れてアパートに向かった。夕陽が背中に熱くて、ブレザーの下で汗が滲む。恋が俺の隣で、ツインテ ールを揺らしながら歩く。 恋「剛くん、ありがとう…♡」  彼女の甘い声が、俺の耳に絡みつく。ポケットの『同位体情報上書き機』が、ずっしり重い。美咲の笑顔、恋の涙、蓮の冷たい目 が頭でごっちゃになって、胸がぐちゃぐちゃだ。アパートの階段を上って、ドアを開けた。薄暗い部屋に、いつもの散らかったソフ ァと机。恋が部屋を見回して、小さく呟いた。 恋「やっぱり…違うね…」 ■第03週目C『仮初の彼女』■  アパートの部屋は、夕陽の薄光がカーテンの隙間から漏れて、薄暗い影を床に落としてた。俺、木村剛は、ソファの端に座って、 ブレザーのネクタイを緩めたまま、水無瀬恋をチラチラ見てた。ツインテールの黒髪、ピンクのインナーカラーが揺れて、ベストの 上に羽織ったジャージが少しずれて、胸の柔らかな曲線がチラッと覗く。プリーツスカートがふわっと広がり、ソックスに包まれた 脚が細くて色っぽい。恋が部屋を見回して、「やっぱり…違うね…」って呟いた瞬間、俺の胸がなんかザワッとした。くそ、なんで こんな…! 恋「剛くん…」  恋が、潤んだ目で俺を見上げて、声を震わせた。 恋「恋の知ってる剛くん、プロサッカー選手を目指してたよ。Grok体育大学に合格するために、毎日練習して…部屋の壁にはク   ルトワ選手のポスター貼ってあって、トロフィーもキラキラ飾ってあった…」  彼女の声が、まるで遠い記憶をたどるみたいに震える。ツインテールが揺れて、ピンクのインナーカラーが夕陽で光る。 恋「剛くん、いつも笑顔で…恋、剛くんのサッカー見て、ドキドキしてた…♡」 剛「…は!? プロ!? クルトワ!?」  俺の頭が、ガツンと殴られたみたいに揺れた。恋の知ってる俺…そんな俺、いたのか? でも、なんか…胸の奥で、昔の記憶がチ ラッとよみがえる。美咲と付き合う前、高校一年の頃。サッカーに命かけてた。プロ目指して、毎朝ランニングして、ゴールキーパ ーのテクニック磨いて…。でも、実家の家業が傾いて、親父が借金でボロボロになって、俺、サッカーに本腰入れられなくなった。 あの頃の夢、どこかに置き去りにしたまま、美咲と過ごす時間が俺の全てになった。恋の言葉が、なんか…心の古傷をグサッと抉る。 恋「剛くん…この部屋、恋の知ってる剛くんの部屋じゃない…。剛くん、変わっちゃったの…?」  恋の目が、不安そうに揺れて、彼女の指がジャージの裾をぎゅっと握る。チョーカーが首に食い込んで、なんか壊れそうな雰囲気 だ。俺の胸が、ギュッと締め付けられる。ビデオレターの蓮の嘲笑う顔、美咲の嬌声が頭にチラつくけど、目の前の恋の震える姿に、 憎悪以外の…なんか、別の衝動が湧き上がる。 剛「…恋」  俺は、気がついたら恋をぎゅっと抱きしめてた。彼女の身体は柔らかくて、甘い匂いが鼻をくすぐる。 恋「剛くん…!?」  恋の声が、驚きで震える。 剛「悪い…なんか…わかんねえけど…」  俺は恋を離さず、彼女をベッドに押し倒した。マットがギシッと軋む音が、静かな部屋に響く。恋のツインテールがシーツに広が り、彼女の目が潤んで俺を見上げる。 恋「剛くん…急に…♡」  彼女の声が、甘くて、でもちょっと緊張してる。俺は恋のジャージを脱がせ始めた。ベストを剥ぎ取り、ブラウスを乱暴に外すと、 フリルリボンのブラが現れる。ホックを外すと、彼女の胸が解放されて、柔らかく揺れた。豊満な曲線が、薄光に照らされて俺の目 を焼く。スカートを下ろし、ショーツを剥ぐと、ソックスに包まれた脚が無防備に開く。俺もブレザーを投げ捨て、シャツとズボン を脱ぎ、全裸になった。 恋「剛くん…ドキドキする…♡」  恋の震える声が響く。俺は彼女の胸に手を伸ばした。掌に吸い付くような柔らかさ。指先で頂を弄ると、恋の身体がビクッと跳ね た。 恋「んっ…! あ…♡」  彼女の声が、くすぐったさから少し熱を帯びる。少し開発が進んだ身体は、昨日より反応が鋭い。俺の手が股間に滑り、クリトリ スをそっと刺激すると、恋が「ひゃっ…! んんっ…♡」と小さく嬌声を上げた。まだ控えめだけど、その甘い音が俺の劣情を煽る。 彼女のお尻が、シーツに沈むたびに丸みを帯びて揺れる。 剛「恋…行くぞ」  俺は恋の脚を開き、正常位で身体を重ねた。彼女の目が、ちょっと怖がってるみたいに潤んでる。 恋「剛くん…優しく…ね…♡」  彼女の声が、俺の心をチクッと刺す。俺はゆっくり腰を進めた。彼女の身体が、キツく締め付けてくる。 恋「んっ…! あ…♡」  恋の声が、痛みと混じりながら、甘い嬌声に変わる。俺は動きを速めた。ベッドがギシギシ軋む。恋の胸が、俺の動きに合わせて 波打つ。お尻が、シーツに擦れるたびに誘うように震える。 恋「んん…! 剛くん…っ…♡」  恋の嬌声が、部屋に響く。昨日より少し大きく、熱を帯びてる。  美咲の笑顔がチラつく。蓮の嘲笑が耳に響く。でも、目の前の恋の純粋な反応が、俺の心をぐちゃぐちゃにする。俺は一気に動き を加速させて、恋の奥で果てた。熱いものが、彼女の中に吐き出される。 恋「んっ…! 剛くん…っ…♡」  恋の声が俺の耳に響く。行為が終わって、俺たちはしばらく息を整えた。部屋の空気が、汗と甘い匂いで重い。  恋が、ゆっくり身体を起こして、シーツで胸を隠しながら服を着始めた。フリルリボンのブラを着けるたびに、胸の曲線がチラッ と見えて、俺の心臓がドクンと跳ねる。俺もブレザーを着込んで、ネクタイを適当に締める。恋が、ツインテールを整えながら、俺 を見上げた。 恋「剛くん…この部屋、違うけど…剛くんのサッカー、頑張る姿だけは、変わらないよね。恋、それ…大好きだよ…♡」  彼女の目が、キラキラ光って、俺の胸をグサッと刺す。くそ、なんでこんな…! 剛「恋…」  俺が何か言う前に、彼女が小さく微笑んだ。 恋「剛くん、そろそろ…蓮が目覚める時間だから、帰るね」  恋が、静かに立ち上がって、ドアに向かった。ツインテールが揺れて、ピンクのインナーカラーが薄光で光る。 恋「剛くん…またね…♡」  ドアが静かに閉まる音が、部屋に響いた。俺はソファに崩れ落ちた。恋の笑顔、涙、嬌声が頭にこびりついて、罪悪感と困惑が胸 を締め付ける。でも、なんか…もっと別の、名前もわかんねえ感情が、胸の奥で芽生えてる。  美咲の笑顔がチラつくけど、恋の「大好き」が、なんか…重い。 ■第03週目D『夕飯反省会』■  アパートの部屋に夕陽の赤が薄れて、蛍光灯の白い光が冷たく床を照らしてた。俺、木村剛は、キッチンのテーブルにどっかり座 って、コンビニのハンバーグ弁当を箸でつついてた。ブレザーはソファに投げっぱなしで、ネクタイはもうグチャグチャ。頭の中は、 水無瀬恋の「剛くんのサッカー、大好きだよ…♡」って声と、彼女がドアを出ていく後ろ姿でぐちゃぐちゃだ。  罪悪感と、なんか…名前もわかんねえ感情が胸でドロドロ混ざってる。美咲の笑顔がチラつくけど、恋の潤んだ目がそれをかき消 しやがる。 ぬこえもん「ホモサピエ君、なかなか濃厚な一日だったんぬ! 恋ちゃんとのラブロマンス、進展したみたいでよかったんぬ」  クローゼットのドアがガラッと開いて、ぬこえもんがふわっと浮かび上がってきた。青い毛並みが蛍光灯でキラキラ光って、首の 鈴がチリンと鳴る。回転焼きをムシャムシャ食いながら、ニヤニヤしてる。俺は箸を止めて、ぬこえもんを睨んだ。 剛「ラブロマンスじゃねえよ! 恋が…なんか、俺のサッカーのこととか、プロ目指してた頃のこと話してきて…くそ、すげぇ混乱   したんだよ!」  ぬこえもんが、ふわっとテーブルの上に浮かんで、回転焼きのカスをポロポロ落とした。 ぬこえもん「ふむふむ、恋ちゃん、いい感じにホモサピエ君の心を掴んでるんぬ! あの『同位体情報上書き機』で、蓮と恋の記憶       が地続きになり始めてるから、参照先の並行世界のデータと実データの齟齬が恋ちゃんを混乱させてるぬ。でも、いず       れこっち側のデータに調整されて、恋側で統合されるんぬ!」  まるで科学者みたいにキラキラしてる。 剛「…は!? 齟齬!? 統合!? 何だそれ!?」  俺は弁当のハンバーグを箸で突き刺しながら、叫んだ。 剛「お前、いつもわけわかんねえこと言って誤魔化すな! 恋が俺のこと、プロ目指してたとか、クルトワのポスターとか、まるで   本当に見たくらいリアルに話してきて…頭バグったぞ!」  恋のキラキラした目、ツインテールの揺れ、甘い声がよみがえって、胸がチクチクする。罪悪感がグサッとくる。くそ、なんでだ よ! ぬこえもん「むぅ、ホモサピエ君、この程度の話も苦手なんぬ? 簡単に言うと、蓮と恋の記憶が混ざってきてるけど、今まで通り       恋ちゃんに接してれば、なんとかなるんぬ! 恋ちゃんの告白、ロマンチックだったろ? ふふ、復讐のスパイス効い       てるんぬ!」  ぬこえもんが、ふわっと宙で一回転して、適当に笑った。回転焼きをもう一個取り出して、ムシャムシャ食い始める。 剛「スパイスじゃねえ…」  俺は項垂れて、弁当をガツガツ掻き込んだ。恋の「剛くんのサッカー、大好きだよ」って言葉が、頭にこびりついて離れねえ。あ の真剣な目、俺のサッカーを応援する姿…。蓮を上書きして、恋にするの、ほんとに正しいのか? 恋の純粋な気持ちが、なんか… 俺の心をぐちゃぐちゃにする。胸の奥で、罪悪感がドロドロと渦巻く。俺、蓮をわからせるためにやってるのに、なんでこんな…!  でも、ビデオレターの映像が、頭にフラッシュバックした。美咲の淫らな嬌声、蓮の嘲笑う顔。「剛、ちゃんと見てろよ」って冷 たい声。胸の奥で、憎しみが一気に爆発する。「…くそ、蓮、てめえ…!」俺は箸をテーブルに叩きつけた。罪悪感? んなもん、 関係ねえ! 美咲を守る。蓮をわからせる。それだけだ! 恋の顔がチラつくけど、俺は首を振ってそれを振り払った。 ぬこえもん「その意気なんぬ! ホモサピエ君、憎しみパワー全開なんぬ! 蓮をギャフンと言わせて、美咲ちゃんを取り戻すんぬ       !」  ぬこえもんが、拳を振り上げて応援団みたいに叫ぶ。鈴がチリンと鳴って、なんかまた丸め込まれた気分だ。 ぬこえもん「ほら、さっさと夕飯食って、風呂入って、寝るんぬ! 復讐は明日も続くぬ!」  ふわっとクローゼットに飛び込んで、ドアをバタンと閉めた。 ぬこえもん「回転焼き置いといてぬ!」  いつもの文句が聞こえてくる。 剛「…明日も頑張るしかねえ」  俺は項垂れたまま、弁当を食い終えた。ハンバーグの脂っこい味が、なんか胸に重い。シンクで皿を洗って、風呂に入った。シャ ワーの熱い湯が、恋の感触や告白を洗い流そうとするけど、逆に鮮明に思い出される。パジャマのTシャツに着替えて、ベッドに倒 れ込んだ。窓の外は真っ暗。美咲の笑顔、恋の「大好き」が頭でぐるぐる回る。 剛「恋…サッカー、か」  俺は小さく呟いた。昔の夢、プロを目指してた頃の俺。恋の言葉が、なんか…胸の奥で小さな火を灯す。 剛「サッカーも、頑張ろう」  そう呟いて、目を閉じた。胸の奥で、憎しみと罪悪感と、なんか新しい決意がごちゃ混ぜになって、静かに燃えてる。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■水無瀬蓮の日記3■  アパートの部屋、蛍光灯の光がなんかチカチカして落ち着かねえ。俺、水無瀬蓮は、机に突っ伏してノートにペンを走らせてる。 黒いマスクは床に落ちて、ブレザーはハンガーに引っかけたまま。アニメのフィギュアが棚でこっち見てるけど、頭の中は木村剛の ムカつく顔でいっぱいだ。昨日から変な夢が続いて、胸の奥がザワザワする。絶対、木村のせいだ。  朝、校門で木村に話しかけた。「昨日、なんか変だったよな?」って探りを入れたら、アイツ、誤魔化してダッシュで逃げやがっ た。挙動不審すぎる。国語の授業中、木村に手紙を回した。「放課後、校舎裏に来い。美咲の件で話がある。逃げんなよ」って書い た。美咲の名前出せば、アイツの反応見れると思った。案の定、放課後、校舎裏に来やがった。  校舎裏で、木村とガチで言い争った。美咲の話振ったら、アイツ、急にキレて胸ぐら掴んできた。「美咲に近づくな!」とか、め っちゃ熱くなってた。俺も煽り返したけど、木村が変な機械取り出して、光った瞬間、記憶が…また飛んだ。気づいたら、なんかフ ラフラしてた。木村の部屋? いや、違う、夢だ。ツインテールの女が「剛くん、剛くん」って甘ったるい声で絡んできて…! う っ、思い出すと吐き気がする。あの女、俺に似てる気が…いや、まさか。木村、絶対なんか企んでる。美咲のこと、ほんとに絡んで んのか? 明日、もっとアイツの動き探る。 ■コメント欄■  蓮、ねえ、なんでそんな意地悪なことするの…? 剛くんのこと、わざと怒らせて、探ったりするの、恋、嫌いだよ…。剛くん、 頑張ってるのに、蓮がそんなことするから、剛くん、傷ついてるよ…。美咲さんのこと、蓮が変な風に話すの、恋、悲しくなる…。 蓮、もっと優しくなってよ…。剛くんのサッカー、応援してあげてよ…。恋、蓮がそんなことするの、見てられないよ…。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■第04週目A『侵食される日常』■  朝、目が覚めた瞬間、なんか胸の奥がスッキリしてた。恋の「剛くんのサッカー、大好きだよ」って声が、頭にチラッと響いて、 俺、木村剛はベッドから飛び起きた。まだ暗い窓の外を見ながら、急に思った。サッカー、久々に本気で走ってみよう。パジャマを 脱ぎ捨て、ジャージに着替えて、ツーブロックの髪を軽く整えただけでアパートを飛び出した。早朝の空気がひんやりして、桜の花 びらが道端に散ってる。ランニングコースを全力で駆け抜けた。汗が額を流れて、肺がキリキリするけど、なんか…気持ちいい。昔、 プロ目指してた頃の俺が、ちょっとだけ戻ってきた気がした。  アパートに帰ると、汗でジャージがびしょびしょ。 ぬこえもん「ホモサピ君、朝からランニングお疲れ様なんぬ! 爽やかになったんぬ!」  クローゼットのドアがガラッと開いて、ぬこえもんがふわっと浮かび上がってきた。青い毛並みが朝日でキラキラ光って、首の鈴 がチリンと鳴る。回転焼きをムシャムシャ食いながら、ニヤニヤしてる。 剛「待て、ホモサピ君!? 昨日までホモサピエ君だっただろ! ホモサピエンス君からホモサピエン君、ホモサピエ君、そして今   ホモサピ君!? お前、どんだけ呼び方変えるんだよ! いい加減にしろ、この狸!」  俺はタオルで汗を拭きながら、全力で突っ込んだ。こんな大事な時に、なんで毎回呼び方弄ってくるんだ! ぬこえもんは、ふわ っと宙で二回転して、まるで悪戯っ子みたいに笑った。 ぬこえもん「おっと、ホモサピ君、短くてカッコいい名前なんぬ! 細かいことは気にしないんぬ! で、朝ランでサッカー魂燃え       てきたんぬ? 恋ちゃんの告白、効いてるんぬ?」 剛「告白とか関係ねえ! ただ、なんか走りたかっただけだ!」  俺はムキになって叫びながら、キッチンのテーブルに座った。冷蔵庫からスポーツドリンクをガブ飲みして、ぬこえもんを睨む。 剛「恋のことが頭から離れねえ。なんか…変だぞ」  恋の潤んだ目、甘い声、蓮の冷たい目がごっちゃになって、胸がモヤモヤする。 ぬこえもん「ふふ、ホモサピ君、恋ちゃんの魅力にハマってるんぬ! 復讐も恋も両方楽しむんぬ! 今日もバッチリ行くんぬ!」  ぬこえもんが、回転焼きのカスをテーブルにポロポロ落としながら、拳を振り上げる。鈴がチリンと鳴って、なんか毎度毎度適当 に丸め込まれてる気分がする。くそ、こいつのペースに乗せられてるけど、美咲を守るためだ。俺はブレザーの制服に着替えた。鏡 で髪を整えて、ネクタイを適当に締め、スニーカーを履いて鞄を肩に掛けた。胸の奥で、憎しみと恋への変な感情がゴチャゴチャだ。  通学路を歩く。朝の空気がまだ冷たくて、校門近くで美咲とバッタリ会った。紺のブレザー、プリーツスカートが風に揺れて、髪 が朝日でキラキラ光ってる。 美咲「剛、おはよ!」  美咲が笑顔で手を振ってきたけど、俺、なんか…気まずい。ビデオレターの嬌声、恋の告白が頭にチラついて、言葉が詰まる。 剛「お、おう、おはよ…」  俺はぎこちなく笑って、会話が全然跳ねねえ。美咲が「剛、なんか元気ない?」って心配そうに首傾げたけど、「いや、なんでも ねえ!」って誤魔化して、急いで学園に到着した。くそ、なんでこんな…!  一限目の休憩時間、教室のざわめきの中で、俺は教科書をパラパラめくってた。そしたら、突然、ツインテールの女が俺の机に近 づいてきた。水無瀬恋だ。ジャージ羽織ったベスト、プリーツスカート、チョーカーが首に食い込んで、胸の曲線がジャージの隙間 からチラッと覗く。 恋「剛くん、おはよ! ね、昨日のこと…覚えててくれると、恋、嬉しいな…♡」  彼女の甘い声に、俺の心臓がドクンと跳ねた。 剛「…は!? 恋!? 俺、今日『同位体情報上書き機』使ってねえぞ!?」  俺は慌てて立ち上がって、困惑で声が裏返る。なんで恋がここに!?  でも、もっとヤバいのは、周りの反応だ。クラスメイトが恋を見て、「お、恋、今日も可愛いな!」とか「恋、木村と仲いいね!」 とか、まるで恋が当たり前のクラスメイトみたいに話しかけてくる。蓮じゃなく、恋が普通に存在してる!? 「お前ら、蓮は!?」 って叫びそうになったけど、誰も蓮のことなんか知らねえみたいだ。 恋「剛くん、変な顔してるよ? ね、放課後、また話そうね…♡」  恋がクスクス笑って、ツインテールを揺らして席に戻った。俺の頭、完全にバグってる。くそ、なんなんだ、この状況!?  昼休み、食堂で弁当を広げた。恋はいなくなって、蓮が戻ってた。黒いマスクを顎に下げて、イヤホンで音楽聴きながら弁当食っ てる。なのに、クラスメイトは誰も恋のことなんか覚えてねえ。さっきまで恋がいたのに、まるでそんな事実がなかったみたいに普 通に話してる。「おい、蓮、さっきまで…!」って言いかけたけど、蓮が冷たい目で俺を一瞥。 蓮「木村、さっきまで何だ? 放課後、屋上来いよ。話がある」  挑発的で、なんか…美咲を寝取るって匂わせるニュアンスがチラつく。 蓮「美咲のこと、木村が守れるかな?」  ニヤリと笑った瞬間、俺のはらわたが煮えくり返った。ビデオレターの蓮の嘲笑う声がよみがえる。くそ、てめえ…! 剛「屋上、行くぞ!」  俺は弁当をガツガツ掻き込んで、決意した。恋の告白、潤んだ目がチラッと頭に浮かぶけど、俺は首を振ってそれを振り払った。 美咲を守る。蓮をわからせる。それだけだ。なのに、胸の奥で、恋への変な感情がグサグサ刺さる。くそ、なんでこんな…!  放課後、教室のざわめきが遠ざかる中、俺はブレザーのポケットに『同位体情報上書き機』を握りしめた。冷たい金属の感触が、 掌に食い込む。蓮の挑発、恋の告白、美咲の笑顔が頭でごっちゃになって、憎しみと別の感情がゴチャゴチャに混ざる。ネクタイを 緩めて、俺は自分を奮い立たせた。 剛「やるぞ、俺! やるだ俺!」  小さく呟いて、屋上に向かって歩き出した。夕陽が校舎の階段を赤く染めて、なんか不気味だ。胸の奥で、憎しみと恋への何か、 罪悪感がゴウゴウと渦巻いてる。 ■第04週目B『青春キックオフ』■  屋上のコンクリートが、夕陽の赤に染まってた。錆びたフェンスが風に揺れて、キーキーって音が響く。俺、木村剛は、ブレザー のポケットで『同位体情報上書き機』を握りしめてた。掌に冷たい金属が食い込んで、汗でベタベタだ。水無瀬蓮は、フェンスに寄 りかかって、黒いマスクを顎まで下げてる。センターパートの黒髪が夕風に揺れて、目がまるで俺を刺すみたいに鋭い。 蓮「木村、てめえ、最近おかしな態度取りすぎだろ。何企んでんだ?」  蓮の声が、低くて、なんかヤバい雰囲気だ。 剛「おかしな態度って何だよ! お前が美咲に近づくからだろ!」  俺は一歩踏み出して、蓮を睨みつけた。ビデオレターの蓮の嘲笑う声、美咲の嬌声が頭にフラッシュバックして、胸が煮えくり返 る。でも、恋の「剛くんのサッカー、大好きだよ」って声もチラついて、なんか心がぐちゃぐちゃだ。蓮が急に声を荒げて、俺に詰 め寄ってきた。 蓮「お前が変な態度取り始めてから、俺、毎晩変な夢見てんだよ! ツインテールの女が『剛くん』とか絡んできて、気持ち悪くて   吐きそうになる! それだけじゃねえ! 俺の日記、勝手に知らねえ女のコメントが追記されてんだ! 『蓮、優しくしろ』と   か、ふざけんな! てめえ、絶対なんか仕掛けてるだろ!」  蓮の目がギラギラ光って、唾が飛ぶくらいキレてる。 剛「…日記!? コメント!?」  俺の頭が、ガツンと殴られたみたいに揺れた。恋のコメント!? 蓮、恋の記憶を夢として処理してるって、ぬこえもん言ってた けど、こんなリアルに…!? この剣幕ヤバいぞ、俺に掴みかかりそうな勢いだ。くそ、身の危険感じる! 蓮「木村、吐けよ! 何してんだ!?」  蓮が一歩詰めてきた瞬間、俺はポケットから『同位体情報上書き機』を掏り出した。ボタンがチカチカ光る、SFみたいな道具。 剛「ああ、もう!」  俺は叫んで、親指でボタンを押した。ビープ音が響いて、緑色の光が蓮を包む。 蓮「何だ!?」  蓮が目を覆った次の瞬間、ピカッと眩しい光が屋上を覆った。 剛「うっ!」  俺は目を細めた。光が収まると、蓮の姿は消えてた。代わりに、水無瀬恋がそこに立ってた。ツインテールの黒髪、ピンクのイン ナーカラーが夕陽でキラキラ光る。ベストの上にジャージ、プリーツスカートがふわっと広がってる。地雷系メイクのぱっちりした 目が俺を見て、チョーカーが首に食い込んでる。胸の豊かな曲線がジャージの隙間からチラッと覗く。ソックスに包まれた脚が、細 くて色っぽい。 剛「よ…よお」  俺は呟いた。もう何度目だよ、恋! 恋「彼氏君! また会えた! でも…部活、行かなくて大丈夫なの?」  恋が、開口一番、心配そうな声で言ってきた。ツインテールを揺らして、俺に近づいてくる。 恋「サッカー、剛くん、頑張ってるのに、恋、ちょっと心配…」  彼女の目が、キラキラ光って、なんか…純粋過ぎて罪悪感が。 剛「…は!? 部活!? サッカー!?」  俺の頭が、完全にバグった。恋、なんでサッカーのこと知ってんだ!? 昨日、俺の部屋でサッカーの話したからか!? でも、 なんでこんな自然に…!  恋の潤んだ目、昨日の「剛くんのサッカー、大好きだよ」って告白が頭にフラッシュバックして、胸がチクッと痛む。罪悪感がグ サッとくるけど、なんか…別の衝動が湧き上がる。 剛「恋…そうだ、サッカー部、久々に参加するか!」  俺は急に叫んだ。恋の言葉が、昔のサッカー魂に火をつけた。美咲を守るため、蓮をわからせるため…でも、恋の応援が、なんか 俺を突き動かす。 恋「え! 剛くん、部活!? やった、恋、応援するよ!」  恋がパッと笑顔になって、俺の手をぎゅっと握った。彼女の柔らかい感触に、俺の心臓がドクンと跳ねる。  俺は恋を連れて、グラウンドに直行した。部室でジャージに着替えて、スパイクを履いた。ツーブロックの髪が汗で額に張り付く。 グラウンドに出ると、夕陽が芝生を赤く染めてる。サッカー部の仲間が「木村、久々じゃん!」って声かけてきた。俺はゴールキー パーとして、キャッチングとセービングに全力を出した。ボールが飛んでくるたび、身体が勝手に動く。 恋「剛くん、かっこいい! がんばれ♡!」  恋がグラウンドの端で手を振ってる。ツインテールが風に揺れて、ピンクのインナーカラーがキラキラ光る。彼女の声が、俺の胸 にガンガン響く。汗が滝みたいに流れて、肺がキリキリするけど、なんか…楽しいよ畜生。  部活が終わって、俺はへとへとで芝生に倒れ込んだ。ジャージが汗でぐしょぐしょ。 恋「剛くん、すっごかったよ! 恋、ドキドキした♡!」  恋が駆け寄って来て、笑顔で言ってくる。彼女の目が、キラキラ光って、俺の胸がなんか…温かくなる。くそ、なんでこんな…! 剛「恋、ありがとな」  俺は照れながら呟いて、立ち上がった。 剛「じゃ、帰るか。俺の部屋、行くか?」 恋「うん! 行く!♡」  クスクス笑って、俺の腕に絡みつくみたいにくっついてきた。  俺は恋を連れて、アパートに帰った。階段を上って、ドアを開ける。薄暗い部屋に、散らかったソファと机。夕陽の残光がカーテ ンから漏れて、なんか静かな雰囲気だ。 恋「剛くんの部屋…なんか、落ち着くね…♡」  部屋に入って、ツインテールを揺らしながら呟いた。俺の胸が、ドクンと跳ねる。恋の笑顔、応援してくれた声が、頭にこびりつ いて離れねえ。 ■第04週目C『深まる想い』■  アパートの部屋は、夕陽の薄光がカーテンの隙間から漏れて、散らかったソファと机に淡い赤を投げかけてた。俺、木村剛は、ブ レザーをソファに投げて、ネクタイを緩めたまま、水無瀬恋と向き合ってた。ツインテールの黒髪、ピンクのインナーカラーが揺れ て、ベストの上に羽織ったジャージが少しずれて、胸の柔らかな曲線がチラッと覗く。プリーツスカートがふわっと広がり、ソック スに包まれた脚が色っぽい。恋が「剛くんの部屋…なんか、落ち着くね…」って呟いた瞬間、グラウンドで応援してくれた彼女の笑 顔がよみがえって、胸がなんか熱くなった。 剛「恋…サッカー、楽しかったよ」  俺は、ソファにドサッと座って、つい話し始めてしまった。昔、プロ目指してた頃のこと。朝練で汗だくになって、クルトワの動 画何度も見て、ゴールキーパーのテクニック磨いた日々。実家の家業が傾いて、サッカーを諦めたあの頃。美咲と付き合って、彼女 の笑顔が俺の全てになったけど、どこかでサッカーの火が燻ってた。 剛「今日、グラウンドで、なんか…あの頃の俺、戻ってきた気がした」  俺の声が、なんか熱くなって、恋をチラッと見た。 恋の目が、キラキラ光って、急に立ち上がった。 恋「剛くん…! 恋、剛くんのサッカー、ほんとに大好きだよ…! 今日の剛くん、かっこよかった…♡」  彼女が、俺に飛びつくみたいに抱きしめてきた。柔らかい胸が俺の胸に押し付けられて、甘い匂いが鼻をくすぐる。 恋「剛くん、恋の剛くん、ちゃんとここにいる…。大好き…もう一度、言うね…剛くん、だいすき…♡」  彼女の声が、震えて、俺の耳に絡みつく。ツインテールが揺れて、ピンクのインナーカラーが夕陽で光る。 剛「恋…!」  俺の胸が、ドクンと跳ねた。彼女の純粋な告白、潤んだ目が、なんか…ムードに流される。俺は、恋の顔を引き寄せて、唇を重ね た。彼女の唇が柔らかくて、甘い。 恋「んっ…♡」  小さく声を漏らして、俺の首に腕を回してきた。キスの熱に、頭が真っ白になる。美咲の笑顔、蓮の嘲笑がチラつくけど、恋の温 もりがそれを掻き消す。 恋「剛くん…♡」  恋の声が響く。  俺は恋をベッドに押し倒した。マットがギシッと軋む。彼女のジャージを脱がせ、ベストを剥ぎ取り、ブラウスを乱暴に外す。フ リルリボンのブラを外すと、豊満な胸が解放されて、柔らかく揺れる。スカートを下ろし、ショーツを剥ぐと、ソックスに包まれた 脚が無防備に開く。俺もブレザーを投げ捨て、シャツとズボンを脱ぎ、全裸になった。恋の目が、俺の身体をチラチラ見て、頬がポ ッと赤くなる。 恋「剛くん…恥ずかしい…♡」  彼女の声が、甘くて熱い。  俺は恋の胸に手を伸ばした。掌に吸い付くような柔らかさ。頂を指で弄ると、恋の身体がビクッと跳ねた。 恋「んっ…! あぁ…♡」  彼女の声が、開発が進んだ分、甘い嬌声になる。俺の手が股間に滑り、濡れた感触を確かめる。指で探るうちに、恋のGスポット を見つけた。そこを重点的に責める。 恋「ひゃっ…! んんっ…♡!」  切なげな嬌声を上げた。彼女のお尻が、シーツに沈むたびに丸みを帯びて揺れる。 恋「剛くん…そこ、だめっ…♡」  恋の声が、熱を帯びて響く。 剛「恋…行くぞ」  俺は恋の脚を開き、正常位で身体を重ねた。彼女の目が、潤んで俺を見上げる。 恋「剛くん…大好き…♡」  彼女の声が、俺の心をグサッと刺す。俺はゆっくり腰を進めた。彼女の身体が、キツく締め付けてくる。Gスポットを意識しなが ら、奥深くを刺激する。 恋「んっ…! あぁっ…♡!」  恋の嬌声が、切羽詰まったものに変わる。ベッドがギシギシ軋む。彼女の胸が、俺の動きに合わせて波打つ。お尻が、シーツに擦 れるたびに誘うように震える。 恋「剛くん…! んんっ…♡!」  大きく、熱い嬌声。恋の身体がビクンと跳ねて、彼女が絶頂に達した。 恋「あぁっ…! 剛くん…っ…♡!」  俺も一気に動きを加速させて、恋の奥で果てた。熱いものが、彼女の中に吐き出される。行為が終わって、俺たちはしばらく息を 整えた。部屋の空気が、汗と甘い匂いで重い。  恋が、シーツで胸を隠しながら、ゆっくり身体を起こした。 恋「剛くん…恋、初めて…イカせてもらえて…嬉しかったよ…♡」  彼女の目が、キラキラ光って、俺の胸に爆弾を落とす。 剛「…は!? 嬉しかった!?」  俺の頭が、完全に大困惑で爆発した。くそ、なんでこんな…!  恋「剛くん、変な顔してるよ…♡」  恋がクスクス笑って、ツインテールを整えた。  恋がフリルリボンのブラを着けるたびに、胸の曲線がチラッと見えて、俺の心臓がドクンと跳ねる。俺もブレザーを着込んで、ネ クタイを適当に締める。恋が、ドアに向かいながら、寂しげに呟いた。 恋「剛くん…もっと長く会えたら、デートとか…できたのにね…」  ツインテールが揺れて、ピンクのインナーカラーが薄光で光る。 剛「恋…」  俺は、なんか胸が締め付けられて、恋を近所のバス停まで見送った。夕闇の中、バス停の薄い光が恋の顔を照らす。 恋「剛くん、ありがと…またね…♡」  恋が小さく手を振って、バスに乗った。彼女の後ろ姿が遠ざかるのを見ながら、俺はハッとした。恋の存在、俺の中で…とても大 きくなってる。美咲の笑顔、蓮の嘲笑がチラつくけど、恋の「大好き」が、なんか…心の奥に根を張ってる。くそ、なんなんだ、こ の気持ち…! ■第04週目D『夜ラン反省会』■  闇が町を包み始めて、街灯の薄い光がアスファルトに揺れてた。俺、木村剛は、ジャージのままランニングを続けてた。汗が額を 流れて、ツーブロックの髪が張り付く。バス停で水無瀬恋を見送った後、なんか胸の奥がモヤモヤして、走らずにはいられなかった。 恋の「剛くん、だいすき…♡」って声、彼女のキラキラした目、バスに乗る後ろ姿が頭にこびりついて離れねえ。  美咲の笑顔、蓮の嘲笑もチラつくけど、恋の存在が、なんか…俺の中でデカくなりすぎてる。 ぬこえもん「ホモサピ君、恋ちゃんの見送りでしんみりランニングなんぬ! なかなかロマンチックな反省会なんぬ!」  突然、ぬこえもんがふわっと隣に浮かび上がってきた。青い毛並みが街灯でキラキラ光って、首の鈴がチリンと鳴る。回転焼きを ムシャムシャ食いながら、ニヤニヤしてる。くそ、こいつ、こっそり付いてきてたのか! 剛「お前、いつからそこに!? てか、反省会って何だよ!」  俺は息を切らしながら、ぬこえもんを睨んだ。足は止めねえ。町内の道をガシガシ走る。 ぬこえもん「ふふ、ホモサピ君、恋ちゃんとのラブラブ展開、進んでるんぬ! あの『同位体情報上書き機』、使わなくても恋ちゃ       んが現れるようになったのは、統合の過程で蓮と恋の比重が変動してるからなんぬ。恋ちゃんが優位になりつつあるっ       てわけなんぬ!」  ぬこえもんが、回転焼きのカスをポロポロ落としながら、得意げに説明した。鈴がチリンと鳴って、なんか科学者ぶってる。 剛「比重!? 変動!? ってことは…蓮、消えつつあんのか?」  俺はハッとして、足を少し緩めた。蓮のキレた顔、屋上で「日記に変なコメントが!」って叫んでた剣幕がよみがえる。なんか、 蓮が…消える? 胸の奥で、変なモヤモヤが広がる。ぬこえもんが、ふわっと宙で一回転して、適当に笑った。 ぬこえもん「消えるってわけじゃないんぬ! 蓮が恋ちゃんとしてこの世界に適用されてるだけなんぬ! ホモサピ君、難しいこと       考えなくていいんぬ。恋ちゃんの愛、情熱的だろ? それに乗っかるんぬ!」 剛「適用って…くそ、わけわかんねえよ」  俺は息を吐きながら、走るペースを戻した。アスファルトを蹴る音が、夜の町に響く。蓮の剣幕、確かに怖かった。日記に恋のコ メント、夢で恋の記憶に悩まされて、吐きそうになってた蓮。あの状況、そりゃ怖えよな。なんか、ちょっとだけ同情しちまう。で も、恋の「剛くん、だいすき」って告白、彼女のキラキラした目が頭に焼き付いて、胸が熱くなる。 剛「でもよ…恋の想い、知っちまった以上…蓮に同情するの、なんか嫌だな」  俺は呟いた。蓮は今、間男じゃねえかもしれないけど、ビデオレターのあの嘲笑、将来的に美咲を寝取ろうとしてるやつだ。んな やつに、優しくしたくねえ! ぬこえもん「ふふ、その気持ちなんぬ! ホモサピ君、恋ちゃんへの想いと蓮への復讐、両方ガンガン突き進むんぬ! 美咲ちゃん       を守りつつ、恋ちゃんの愛も受け止めるんぬ! 最高のシナリオなんぬ!」  ぬこえもんが、拳を振り上げて応援団みたいに叫ぶ。回転焼きをもう一個取り出して、ムシャムシャ食いながら、ふわっと俺の前 を浮かぶ。 ぬこえも「ホモサピ君、恋ちゃんの嬌声、効いただろ? ふふ、復讐のスパイスなんぬ!」 剛「スパイスじゃねえよ!」  俺はムキになって叫びながら、走る速度を上げた。恋の嬌声、彼女の「イカせて貰えて、嬉しかった」って爆弾発言がよみがえっ て、顔が熱くなる。くそ、なんでこんな…! でも、恋の想い、俺の中でデカくなってるのは事実だ。美咲を守る。蓮をわからせる。 そして、恋…。頭がぐちゃぐちゃだけど、走ってる間は、なんかスッキリする。 剛「とりあえず、町内一周して帰るか!」  俺は叫んで、アスファルトをガンガン蹴った。 ぬこえもん「それでいいんぬ! ホモサピ君、走れ走れ! 恋ちゃんもサッカー魂も応援してるぬ! ふふ、でも汗くさいから近づ       かないぬ!」  ぬこえもんが、ふわっと少し離れて、冷やかし半分、応援半分で笑ってる。鈴がチリンと鳴って、夜の町に響く。俺は息を切らし ながら、町の灯りを追いかけて走り続けた。胸の奥で、憎しみ、恋への想い、サッカーの火がゴウゴウと燃えてる。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■水無瀬蓮の日記4■  アパートの部屋、蛍光灯の光がなんかギラギラして頭痛い。俺、水無瀬蓮は、机に突っ伏してノートにペンを走らせてる。黒いマ スクは床に投げて、ブレザーはハンガーに引っかけたまま。アニメのフィギュアが棚でこっち見てるけど、頭の中は木村剛のムカつ く顔と変な夢でぐちゃぐちゃだ。なんか、最近、記憶が…おかしい。夢と現実が混ざってるみたいで、胸がザワザワする。木村、絶 対なんかやってる。  朝、校門で美咲と軽く話した。アニメの話で笑ってたけど、木村が気まずそうな顔で美咲と話してたのチラ見して、なんかムカつ いた。アイツ、美咲のことガチで守ろうとしてるけど、俺がちょっかい出すと焦る顔、ちょっと面白い。一限目の休憩時間、なんか …変だった。木村の周りにいた女、ツインテールのやつ、急に話しかけてた気がするけど…いや、覚えてねえ。夢か? でも、クラ スメイトがその女を普通に受け入れてた気がして、頭バグった。  昼休み、食堂で木村に屋上に来いって言った。「美咲のこと、守れるかな?」って煽ったら、アイツ、笑えるくらいキレた目して た。屋上で木村を問い詰めた。変な夢、日記に勝手に追記される女のコメント、全部木村のせいだろってキレたら、アイツ、急に変 な機械取り出して光った。そこから…また記憶が飛んだ。気づいたら、グラウンドにいた。木村がサッカーやってて、俺…応援して た? いや、夢だ。ツインテールの女が「剛くん、かっこいい!」とか叫んで、俺…木村の部屋にいた? 気持ち悪い…吐きそう。  帰宅したら、もっとヤバいことになってた。俺の大事な寝取られ二次創作同人誌、勝手に燃えるゴミに出されてた! 絶対あの女 だ! 夢の中で、ツインテールのやつが「蓮、こんなのダメだよ」ってゴミ袋に入れてた! くそ、なんなんだ! 木村、てめえ、 俺の人生めちゃくちゃにしてんじゃねえ! 明日、絶対アイツをハメてやる。美咲のこと、もっと煽って、木村の弱点探る。 ■コメント欄■  蓮、ねえ、なんでそんなひどいことするの…? 剛くんのこと、わざと怒らせて、美咲さんのこと変に話すの、恋、ほんとに嫌い だよ…。剛くん、サッカー頑張ってるのに、蓮がそんな意地悪するから、剛くん、傷ついてるよ…。あの同人誌、恋、捨てちゃった …。だって、蓮がそんな汚いもの持ってるの、恋、悲しくなるから…。蓮、もっと優しくなってよ…。剛くんのサッカー、応援して あげて…。恋、蓮がそんなことするの、見てられないよ…。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------