「これは私ので…これは…初音の制服ですわね」 クリーニングに出していた衣類を仕分けていた祥子は花咲川の制服を手にしていた。 月ノ森から羽丘に転校した祥子には他2校の制服は覚えがあるものの花咲川の制服は縁が無かった。 初音はまだ帰ってきていない、少しだけ着てみましょう、少しだけ… 姿見の前で袖を通すと、自分よりも身長の高い初音の制服は全体的にやはり大きいく、スカートは足首に届くかというほどで、袖も指先が出るほどになってしまい、中等部の子が初めて制服を着たかのようにぶかぶかだった。 いつもこれを着て行っている初音が自分を包んでいているような感触。 叶わぬ事ではあるが、もしともに同じ学舎に通えていたら… 並んで歩く自分と初音を想像する…また違った思い出や関係ができていたかもしれない。 「まあでも…立希や海鈴と同級生はやっていける気がしませんわね…」 スカートを摘まみ上げてそのままくるっと回ってみる。 後ろに初音がいた。 「祥ちゃん…」 「違いますの、これは、違いますのよ」 「祥ちゃはぁあんん💛💛💛💛」 「待って!止まれ!ステイ!あっ初音ぇ…💙」