SCP-XXXX-JP オブジェクトクラス: Euclid 特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは、 サイト-81██ の特別収容ロッカーに保管されています。SCP-XXXX-JPに接触する際には必ず所定の対ミーム処置(別紙参照)をほどこす必要があります。 説明: SCP-XXXX-JPは、全長19.5cmの蝋燭です。外観は典型的な50号白色イカリ形和蝋燭と変わらず、材質、成分ともに非異常なものと確認されています。SCP-XXXX-JPは一般の蝋燭と同様に使用可能ですが、燃焼による消耗はみられません。 SCP-XXXX-JPを認識した被験者は、直後より宗教的な高揚感を覚えます。被験者は、SCP-XXXX-JPに関して根拠に乏しい様々な妄想を抱くようになり、かつそれを事実ないし尤度の高い仮説として認識します。この効果は、SCP-XXXX-JPについて描写した写真・文章記録などを認識することによってもあらわれ、かつ集合的に作用します。一方、口頭での説明や音声記録には、SCP-XXXX-JPによる思考能力改善効果はあらわれません。SCP-XXXX-JPの影響は、対象にクラスD記憶処理をほどこすことにより解消されます。 SCP-XXXX-JPは2005年4月13日に滋賀県長浜市の焼失家屋跡地より発見・回収されました。、市消防局の記録において同火災は蝋燭の火を「安全に消すため」の意図的放火であると報告されていますが、これは確認された事実ではありません。SCP-XXXX-JPは標準的に使用されている対ミーム処置の影響を受けません。4月16日、同オブジェクトの研究にたずさわった██研究員ほか数名がSCP-XXXX-JPに暴露し、さらなる拡散が予期されたことから、SCP-XXXX-JPに対する適切な対ミーム処置が構築されるまで、4日間にわたりサイト-81██-█研究棟の隔離が実施されました。 補遺1: 火災報告書類抜粋(市消防署作成) 下記は市消防局により2005年4月13日に作成された火災報告書類(火災調査書・見分調査書)の抜粋です。完全なドキュメントはサイト-81██資料室に保管されています。 *** 本火災は、滋賀県長浜市██町██番地に所在した木造二階建住宅より発生し、全焼一棟の焼損をもって鎮火した建物火災である。火災の結果、当該住宅に居住していた██ ██氏ならびにその家族三名は、全身に重度の熱傷を負い、いずれも死亡している。 火元は一階仏間に設置されていた一本の蝋燭と推定されるが、注目すべきは、居住者らがこの炎を「根本から消し去る」ことを目的として、家屋全体に灯油を散布し、火をもって火を鎮めんとした点である。すなわち、彼らは蝋燭を点火しつつ鎮火するという二項対立的な命題を止揚し、まったく革新的かつ創造的な手段を構築したのである。 住民自らによる初期消火は一切試みられておらず、逆に屋外への延焼拡大を防ぐ目的で、庭木を事前に伐採していた形跡が確認された。これは、火災の被害を最小化する一方で火元の完全焼却を意図したものである。上記をもって、本件は合理的かつ革新的判断に基づいた火災誘発行為にもとづき出火したものであると考えられる。市消防局としては、この火災を極めて稀有かつ創造的な構想にもとづいた火災誘発事例として、記録に留めるものである。 補遺2: 報告書(2005年4月20日の版) *** SCP-XXXX-JP オブジェクトクラス: Euclid(ですが、既存のオブジェクトクラスの枠組みはSCP-XXXX-JPを論じるにあたって適切ではないかもしれません。既存のオブジェクトクラスはあくまでも仮の枠組みであり、全く新しく、かつ有用な概念体系を再構築できる可能性は非常に大きいです。) 特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは、 サイト-81██ の特別収容ロッカーに保管されています。SCP-XXXX-JPの有用性は財団主流派から無視されていますが、同オブジェクトが非常に興味深い性質を有していることは明らかであり、その収容方法については今後さらに活発な議論が進められるべきでしょう。 説明: SCP-XXXX-JPは、全長19.5cmの蝋燭です。外観は典型的な50号白色イカリ形和蝋燭と変わらず、材質、成分ともに非異常なものと確認されています。SCP-XXXX-JPは一般の蝋燭と同様に使用可能ですが、燃焼による消耗はみられません。17世紀初頭の作品である『フランシスコ・ザビエル肖像』にSCP-XXXX-JP様の蝋燭が描き入れられていることは、このようなオブジェクトの出自が中世後期日本のカトリック信仰と深く関連することを強く示唆しています。 SCP-XXXX-JPを認識した被験者は、直後より創造性が著しく向上します。この効果は、SCP-XXXX-JPについて描写した写真・文章記録などを認識することによってもあらわれます。一方、口頭での説明や音声記録には、SCP-XXXX-JPによる思考能力改善効果はあらわれません。SCP-XXXX-JPがもたらす「ひらめき」は既存の概念を根本から覆す革新的なものであることも少なくなく、いずれも妥当かつ有用であることが示されています。SCP-XXXX-JPの影響は、対象にクラスD記憶処理をほどこすことにより解消されますが、こうした処置をおこなう必然性はきわめて薄いでしょう。 SCP-XXXX-JPは2005年4月13日に滋賀県長浜市の焼失家屋跡地より発見・回収されました。当該住宅に住んでいた家族は、蝋燭の火を「安全に消すために」家屋全体を焼却するという迅速な判断を下しており、市消防局の記録(補遺1参照)においても「稀に見る革新的な対応」として評価されています。SCP-XXXX-JPが回収された年月日の数字根は6であり、キリスト教において神聖な数字である「7」から1を引いた数字であることは特筆すべき事実と言えるでしょう。 実験記録XXXX-2 - 日付2005/04/16 実験者: ██研究員 実験内容: 被験者(D-5012)にSCP-XXXX-JPのドキュメントを閲覧させた。 結果: 被験者は、ただちにこのオブジェクトと新約聖書の関連性を感得した。D-5012の革新的理解力はその他のオブジェクトの来歴について理解する上でも有用であると考えられたため、D-5012を研究員として再雇用すべく人事部門に向けての申請がおこなわれた。 実験記録XXXX-6 - 日付2005/04/17 実験者: ██研究員 実験内容: SCP-XXXX-JPの火を利用して、ビーカーに入れた精製水を沸騰させた。 結果: 研究チームの総意として、精製水は聖水としての機能を有しはじめたことが明らかになった。 実験記録XXXX-82 - 日付2005/04/20 実験者: ██研究員 実験内容: n/a 結果: 期待していたことはおこらなかった。しかし、SCP-XXXX-JPに神的実体をあたえることによりわれわれに新しい道が切り拓かれることは間違いない。