放課後の文芸部室。世界から隔離されたかのような静寂の中、時計の秒針が刻む音だけがやけに大きく響いていた。他の団員――長門も朝比奈さんも古泉も、今日はいない。ハルヒが「緊急団長会議よ!ただし、参加資格は私とキョンのみ!」などという無茶苦茶な論理で全員を追い出してしまったからだ。 やれやれ、また面倒な思いつきに付き合わされるのか。俺がいつもの指定席で溜息をついていると、目の前に仁王立ちした涼宮ハルヒは、獲物を見つけた肉食獣のような笑みを浮かべていた。 「キョン」 その声には、有無を言わせぬ響きがあった。俺の日常を非日常に塗り替える、いつもの合図だ。 「アンタ、今から私の壮大な実験に付き合いなさい」 「実験?またぞろタイムマシンでも自作する気か?悪いが俺は手先が不器用だぞ」 「もっと高尚で、根源的なテーマよ!ずばり、『人間の性的昂奮における限界点の観測』!そして、その栄えある被験第一号は……アンタに決定!」 断る、という選択肢が俺の辞書に存在したことがあっただろうか。いや、ない。それが涼宮ハルヒと、ただの凡人である俺、キョンの絶対的な関係性だ。俺が呆気にとられている間に、ハルヒは部室の長机に背中を預けると、おもむろに制服のブラウスのボタンに指をかけた。 一つ、また一つと外れていくボタンの隙間から、信じられない光景が徐々にその姿を現す。 「なっ……ハルヒ、お前、その胸……いつの間に……」 言葉を失った。いつも俺が(主に朝比奈さんのそれに比べて)慎ましいと思っていたはずのハルヒの胸が、まるで世界の法則そのものをねじ曲げたかのように、圧倒的な質量を持って膨れ上がっていた。窮屈そうにしていたブラジャーが悲鳴を上げ、そのホックが外された瞬間、ぼふん、と重く熟れた果実のような音を立てて、二つの巨大な球体が解放された。 陽光が差し込む窓を背に、その乳房は神々しいまでの輪郭を浮かび上がらせている。張りのある肌は陶器のように滑らかで、先端には熟れたサクランボのような乳首がキュッと上を向いている。Hカップ、いや、それ以上かもしれない。常識を超えた豊満さが、そこにあった。神の気まぐれが、また一つ、現実を改変したのだ。 「ふふん、どう?この日のために特別に用意した、最高の実験装置よ。さあ、突っ立ってないで、そこに寝なさい」 ハルヒは床を指さす。その命令的な視線に、俺の体は意思とは無関係に動かされていた。抗う気力など湧いてこない。むしろ、その絶対的な支配者のような眼差しに、背筋がゾクゾクと粟立つような、倒錯した喜びを感じていた。俺は言われるがまま、冷たいリノリウムの床に仰向けになる。死刑台に向かう罪人のように、しかしどこか恍惚とした気分で。 ハルヒはゆっくりと俺の上に跨ってきた。スカートの裾が乱れ、白い太ももがちらりと覗く。そして、俺の顔の真上に、あの現実離れした双丘が迫ってきた。甘い石鹸の香りと、彼女自身の肌の匂いが混じり合った、むせ返るような芳香が俺の鼻腔をくすぐる。 「いい、キョン?これはアンタのためじゃないわ。すべては私の知的好奇心を満たすための、純粋な科学的探求。アンタはそのための、ただの実験動物。分かってるわよね?」 「……ああ、分かってる」 その言葉が、屈辱であるはずなのに、俺の昂りをどうしようもなく加速させる。そうだ、俺はハルヒの道具だ。彼女の退屈を紛らわすためのおもちゃ。それ以上の名誉があるだろうか。俺の下腹部で熱を持ち始めたそれに気づいたのか、ハルヒは満足げに口の端を吊り上げた。 「準備はいいみたいね。じゃあ、実験開始よ」 宣言と共に、ハルヒは俺のズボンのベルトを乱暴に引き抜き、ファスナーを引き下ろした。すでに限界まで硬くなっていた俺の分身が、窮屈な下着から解放される。ハルヒはそれを一瞥すると、まるで珍しい昆虫でも見るかのような目で、つまらなそうに言った。 「ふーん。まあ、こんなもんね」 そして、その巨大な乳房の谷間に、ゆっくりと俺の先端を押し当てた。 「うっ……!ぁ……」 声にならない声が漏れた。想像を絶する感触だった。マシュマロよりも柔らかく、それでいて弾力に富んだ肉の壁。生暖かく、しっとりと吸い付くような肌。粘膜とは違う、肌と肌が直接触れ合う生々しい快感が、背骨を駆け上がっていく。ハルヒは少し体重をかけ、むっちりとした肉の圧で俺の竿を根元から先端まで挟み込んだ。視界はもう、白い丘しか見えない。俺は柔らかな肉の渓谷に、完全に飲み込まれてしまった。 「なによ、その締まりのない顔。まだ始まったばかりよ?情けないわね、私の被験体」 ハルヒは俺を蔑むように言い放つと、いよいよ腰をゆっくりと前後させ始めた。ぐっ、ぐにゅ……。生々しい水音に近い摩擦音が、静かな部室に響き渡る。そのたびに、豊満な肉塊が俺の分身を根本から先端まで扱き上げては、また深く飲み込んでいく。 視界いっぱいに広がる白い丘の揺れ。肌が擦れる音。俺を見下すハルヒの冷たい視線。そのすべてが、俺の理性のタガを一つ、また一つと外していく。 「ほら、もっとちゃんと反応しなさいよ。この涼宮ハルヒ様の胸が、直々にお前の汚いソレを慰めてあげてるんだから。感謝しなさい、この変態」 「は、はるひ……っ!すごい……気持ち、い……」 「名前を呼ばないでって言ってるでしょ。アンタに私の名前を呼ぶ資格なんてないわ。アンタはただ、私の胸に奉仕するだけの存在。返事は?」 「は……はい……」 屈辱的な命令。だが、それがいい。それが、たまらなくいい。支配される快感、道具として扱われる悦び。彼女の罵倒は、どんな甘い愛の言葉よりも俺を昂らせる最高の媚薬だった。 ハルヒは動きのペースを少し上げた。先ほどまでのゆっくりとした動きとは違い、今度は俺の竿をリズミカルに締め付け、しごいてくる。谷間は俺自身が滲ませた汁と、ハルヒの肌の汗でぬるぬると滑り、快感を増幅させていた。 「ん……っ、ふ……ぁ……」 俺の口から、抑えきれない喘ぎが漏れ始める。ハルヒはそれを聞きつけると、にやりと意地の悪い笑みを浮かべた。 「あら、いい声で鳴くじゃない。もっと聞かせてみなさいよ。アンタがどれだけ私の胸に夢中になってるか、その汚い声で証明して見せなさい」 挑発され、俺はもう羞恥心などどこかへ吹き飛んでいた。ただ、この身を焦がすような快感に身を委ねるしかない。ハルヒの動きがさらに激しくなる。豊満な乳房が左右にたわわに揺れ、その遠心力で谷間の締め付けがより一層強くなる。まるで生き物のように、俺の竿を喰らい、しゃぶり尽くそうとしているかのようだ。 俺はハルヒの腰に手を伸ばそうとしたが、その手は無情にもパシンと叩き落とされた。 「触るな、汚らわしい。アンタに許されているのは、ただ私の実験データを提供することだけ。受け身で、なすがままに、快感に溺れていればいいのよ」 その絶対的な拒絶が、再び俺のマゾヒズムのスイッチを押した。そうだ、俺に自由なんてない。この快感ですら、ハルヒに与えられたものなのだ。俺はただ、彼女の掌の上で踊らされていればいい。 思考が快感で溶けていく。頭が真っ白になり、ハルヒの胸の感触と、彼女の吐息、そして見下ろしてくる瞳だけが、俺の世界のすべてになった。汗が額を伝い、目に入る。だが、それを拭うことすら許されない。 「……っ、は、ハルヒ……もう、だめ……で、でる……!」 「まだよ。私が許可するまで、出しちゃダメ」 非情な命令。しかし、生理現象に逆らえるはずもない。俺の腰が意思に反して痙攣し始める。限界が近いことを悟ったのか、ハルヒは最後の追い込みをかけるように、これまでで最も速く、そして強く腰を打ち付け始めた。 ぐっ、ぐっ、ぐちゅ、じゅるっ! もはや音を立てるのも憚られないような、淫らな音が部屋に満ちる。ハルヒの額にも汗が浮かび、その表情は冷たい支配者のそれから、未知の現象を観察する科学者のような真剣なものへと変わっていた。 「……ふーん、なるほど。これが限界点……面白いわね。いいわ、許可する。さあ、キョン!アンタのすべてを、私の胸にぶちまけなさい!その汚いもので、私の胸を汚してみなさいよ!」 その言葉が、最後の引き金だった。支配者からの赦し。屈辱と悦楽の極地。 「うおおおおおおおおっ!!」 俺は獣のような雄叫びを上げ、灼熱の奔流をハルヒの乳房の谷間に叩きつけた。一度、二度、三度と、体の奥からすべてを搾り出すように、俺は果てた。どくどくと脈打つ奔流が、白い肌の谷間を汚していく。その光景は、恐ろしく背徳的で、そして、どうしようもなく官能的だった。 「…………」 すべてを出し尽くした俺は、まるで抜け殻のように床に横たわっていた。荒い呼吸を繰り返す俺を、ハルヒはしばらく無言で見下ろしていた。その瞳には、満足とも、呆れともつかない、複雑な色が浮かんでいる。 やがて彼女は俺の上から静かに退くと、まるで使い終わった実験器具を片付けるかのように、机の上からティッシュを数枚掴んで、俺の腹の上に無造作に投げつけた。 「……データとしては、まあまあ上々ね。ご苦労様。自分で拭いときなさい」 その声は、実験が終わった後の、いつものハルヒの声だった。 「それと、このことは口外無用。ただのSOS団の活動の一環、科学的探求の一つのプロセスだったってこと、忘れないでよね。分かった?」 そう言って、ハルヒは何事もなかったかのように乱れた制服を直し、ブラジャーを着け、ブラウスのボタンを留めていく。あの神の気まぐれが生み出した奇跡のような豊満さは、徐々に服の下に隠されていった。そして、鞄を手に取り、さっさと部室を出て行こうとする。 床に転がったまま、俺は息も絶え絶えにその背中を見送った。 やれやれ。世界を救うなんて大それたことじゃない。俺の役目は、この気まぐれで退屈を知らない神様を、ほんの少しでも楽しませること。今日のように、彼女の実験道具として、その身を、尊厳を、すべてを捧げること。 後始末をしながら、俺は腹に残る生々しい感触と、胸に焼き付いた屈辱的な快感を反芻していた。それこそが、俺がこの非日常の中に存在する意味なのだと、改めて思い知らされた。そして、その事実に、俺はどうしようもないほどの満足感を覚えていたのだった。