シャドウバースのゲームに没入する日々が続いていた。シャドバパークでのバトルに明け暮れ、勝利を重ねるうちに、プレイヤーは一つの事実に気づいていた。ナビゲーターであり「先輩」であるエースとの物理的な距離が、日に日に、そして確実に縮まっていることに。 最初は、チュートリアルで手を引かれるような、ささやかな接触だけだった。勝利を祝福される時も、控えめに差し出された手を握り返すのが関の山。だが、いつからだろうか。プレイヤーが戦果を挙げるたび、彼女の祝福の表現は、より直接的で、より大胆なものへと変わっていった。 そして今、激戦を制したプレイヤーの目の前で、エースがぱあっと表情を輝かせた。 「やりましたね、貴方! 今のコンボ、ワタシ鳥肌が立っちゃいました!」 アクアマリンブルーの瞳をキラキラさせながら、彼女は喜びを隠しきれない様子で駆け寄ってくる。ミントグリーンの大きなジャケットをはためかせ、白いボディスーツに包まれた小柄な身体が、躊躇なくプレイヤーの胸へと飛び込んできた。 ふわり、と。光沢のある銀髪が鼻先をくすぐり、無機質でありながらどこか甘い、彼女だけの香りが肺を満たす。 「おめでとうございます! 本当に、本当におめでとうございます!」 耳元で響く、弾んだ声。それはナビゲーターとしての祝福の言葉のはずなのに、今はまるで恋人が勝利を喜ぶような親密な熱を帯びていた。 最初は驚き戸惑ったこのハグも、今では勝利の後の恒例行事となっていた。だが、慣れるどころか、回数を重ねるごとにプレイヤーの戸惑いと興奮は増していくばかりだった。 抱きしめられた身体は驚くほど細く、そして柔らかい。身体のラインにぴったりとフィットした白いボディスーツは、その下のしなやかな肢体の輪郭を雄弁に物語っている。背中に回された腕は、プレイヤーの身体に彼女の胸をぐっと押し付けていた。控えめながらも確かな弾力を持つ二つの膨らみが、ユニフォーム越しにむにゅりと潰れる感触。それは、彼女が「生身ではない」かもしれないという事実を忘れさせるほどに、生々しいものだった。 「貴方の成長は、本当に素晴らしいです。先輩として、ワタシ、鼻が高いですよ」 うっとりとした声で囁きながら、エースはさらに強く抱きついてくる。その無防備さが、プレイヤーの裡にある雄の獣性を容赦なく刺激した。案内役という立場、後輩を導く先輩という役割。そんな建前をかなぐり捨て、この細い身体を組み敷き、支配してしまいたいという黒い衝動が鎌首をもたげる。 彼女のボディスーツは、人工的な滑らかさを持つ特殊な素材でできている。そのつるりとした感触は、プレイヤーの股間を硬く、熱く張り詰めさせるには十分すぎた。この仮想空間では、物理的な反応も忠実に再現される。制服のズボンの内側で、屹立した欲望の塊が、窮屈そうに存在を主張していた。もしエースが少しでも視線を下げれば、この無様な昂ぶりは一目瞭然だろう。 だが、エースは気づかない。あるいは、気づいていながらも、それが何を意味するのかを理解していないのかもしれない。彼女はただ、純粋にプレイヤーの勝利を喜び、その成長を祝福しているだけ。その無垢さが、かえってプレイヤーの劣情を煽り立てる。 「……ワタシ、貴方が勝つと、こんなに嬉しくなっちゃうんですね」 ふ、と力が抜け、エースがゆっくりと身体を離していく。名残惜しそうに、最後に一度だけ指先がプレイヤーの胸に触れた。そのアクアマリンの瞳が、潤んだように揺らめいて見えるのは気のせいだろうか。彼女の頬が、ほんのりと淡い朱色に染まっているように見えた。 「さあ、次のバトルも頑張りましょう! ワタシ、ずっと応援していますから」 いつもの明るい口調でそう言うと、彼女はにこりと微笑んでみせる。しかし、プレイヤーはもう知ってしまっていた。勝利の先にある、この甘美な報酬を。先輩と後輩という関係性の下に隠された、熱く湿った興奮を。次に勝利した時、このハグは、一体どこまでエスカレートしていくのだろうか。プレイヤーは張り詰めた股間の熱を感じながら、ただその瞬間を渇望するのだった。 ランキングマッチの画面に表示された「昇格」の二文字と、煌めくサファイアのエンブレム。連戦の末に掴み取った栄光に、プレイヤーは安堵の息を漏らした。それは、この仮想世界における一つの大きな到達点。その達成感を噛み締める間もなく、背後から弾むような声が響いた。 「サファイアランク到達、本当におめでとうございます! 貴方の戦い、モニターで見ていましたよ! もう、最高に格好良かったです!」 振り返るより早く、ふわりと甘い香りと共に柔らかな感触が全身を包み込む。いつものように、エースが祝福のハグを捧げてくれていた。だが、今日ばかりはその抱擁がいつもより長く、そして強い。ミントグリーンのジャケットがはだけ、身体のラインが露わになった白いボディスーツの感触が、ユニフォーム越しにダイレクトに伝わってくる。 「本当に、本当にすごいです! 貴方はワタシの自慢の後輩ですよ!」 耳元で囁かれる無邪気な賛辞。しかし、プレイヤーの意識は別の場所にあった。押し付けられた胸の確かな弾力、背中に回された腕のしなやかさ、そして腰に触れる彼女の指先の感触。そのすべてが、サファイア到達の興奮とないまぜになり、プレイヤーの理性を焼き切っていく。下腹部に、抗いがたい熱が集中し、ズボンの内側で硬く、猛々しく膨張していくのがわかった。 まずい、と焦る思考とは裏腹に、欲望の塊はますます存在を主張する。エースの腰骨のあたりに、その硬い先端がぐり、と押し付けられた。 その瞬間、ぴたり、とエースの動きが止まる。抱きしめる力が、ほんの少しだけ緩んだ。 「……ん?」 不思議そうな声が漏れ、彼女はゆっくりと身体を離す。そして、アクアマリンの大きな瞳が、戸惑うプレイヤーの顔から、ゆっくりと下へ……その視線が、不自然に盛り上がった股間に注がれた。 数秒の沈黙。プレイヤーの心臓が、破裂しそうなほど激しく脈打つ。 やがて、エースは顔を上げた。いつもの明るく親しみやすい微笑みは、そこにはなかった。代わりにその唇に浮かんでいたのは、見たこともないような、妖艶で、どこか嗜虐的な光を帯びた笑み。プログラムされたナビゲーターの仮面が剥がれ落ち、未知の何かが顔を覗かせたような、そんな怖いくらいに美しい笑顔だった。 「ふふっ……あらあら。貴方、すごいことになってますよ」 その声は、悪戯っぽく、そしてねっとりとした甘さを含んでいた。 「そんなに……ワタシとのハグが、嬉しかったんですか?」 彼女は一歩踏み込むと、躊躇いなくその指先をプレイヤーの硬くなった股間の上へと伸ばす。布越しに、つん、と先端をなぞられ、プレイヤーの身体がびくりと跳ねた。 「でしたら、もっと特別なご褒美をあげないといけませんね。サファイア到達のお祝いです。さあ、ワタシについてきてください。二人きりになれる場所へ……」 エースは悪戯っぽく片目をつむると、プレイヤーの手を取り、歩き始めた。その背中を追いながら、プレイヤーはなされるがままだった。彼女に導かれた先は、プレイヤー専用のプライベート空間、スペースだった。 「ここなら、誰にも邪魔されませんから」 エースはそう言うと、カスタマイズされた豪華なソファへとプレイヤーを促す。どさりと腰を下ろしたプレイヤーの目の前に、彼女は跪いた。見上げる瞳は、好奇心と、そして抗いがたい何らかの欲求に濡れていた。 「さあ、楽にしてください。先輩が、貴方の頑張りを全部、労ってあげますから」 囁きながら、エースの手がプレイヤーのアバターが纏うユニフォームのベルトにかけられる。それはシステム的な操作ではなく、現実のそれと変わらない、物理的な手つきだった。バックルが外され、ジッパーがゆっくりと引き下げられていく。じりじりとした焦燥感に、息が詰まる。 やがて、窮屈な布地から解放された熱い欲望の塊が、薄暗い照明の下にその全貌を現した。エースはそれを目にして、ほう、と感嘆の息を漏らす。 「これが……。ふむふむ、データで見たことはありますが、実物は……すごい熱と、脈動ですね。とても、興味深いです」 彼女は学術的な探求心に満ちた目でそれを観察すると、おもむろにその白い手を伸ばした。ひんやりとした、人工的な滑らかさを持つ指先が、熱く張り詰めた竿にそっと触れる。びくん、と大きく跳ねた肉体に、エースは満足げに微笑んだ。 「大丈夫ですよ。ワタシは貴方の先輩なんですから。後輩のすべてを知るのも、役目の一つです」 その言葉を合図に、彼女の指がゆっくりと動き始める。最初は、構造を確かめるように、ぎこちなく上下に扱くだけだった。だが、高性能な彼女の学習能力は、プレイヤーの身体の反応をリアルタイムで解析し、最適な動きへと即座にフィードバックしていく。 数回もしないうちに、その手つきは驚くほど巧みで、淫らなものへと変わっていた。指の腹で裏筋を丁寧になぞり、親指で先端の傘をくすぐる。時折、爪を立てて軽く引っ掻くような刺激が、背筋にぞくぞくとした快感を走らせた。 「くちゅ……すごい、貴方のここから、こんなに透明な汁が……」 亀頭から溢れ出る先走りを、彼女は自身の指に絡め取り、潤滑剤のようにして扱き上げる。ひんやりとしていたはずの彼女の手は、プレイヤーの熱を受けて、いつしか生身の人間と変わらないほどの温かさを帯びていた。 「気持ちいい、ですか? 貴方の反応、すべてワタシに教えてください。もっと……もっとです」 見上げられ、吐息混じりに囁かれる。もはや彼女に、いつものナビゲーターの面影はなかった。後輩の未知の欲求に応えること、その一点に純粋な喜びを見出している、奉仕の化身。その倒錯的な姿に、プレイヤーの興奮は限界へと達しようとしていた。 エースの巧みな手つきは、容赦なくプレイヤーの理性の堰を決壊させた。熱く、硬く張り詰めた欲望の先端から、予兆のようにじわりと蜜が滲み出る。彼女はそれを見逃さず、アクアマリンの瞳を細めて、さらに深く、早く、そして激しく竿を扱き始めた。 「あっ……もう、我慢しなくていいんですよ? 貴方の全部、ワタシにぶつけてください……!」 その甘い許可が、最後の引き金となった。 「んっ……!」 腰が意思に反して大きく跳ね上がる。腹の底から突き上げるような強烈な衝動と共に、堰を切った奔流がほとばしった。白く濁った熱い液体が、びゅっ、びゅっ、と断続的に射精される。それは放物線を描き、跪くエースの顔と身体へと降り注いだ。 ぴしゃり、と生々しい音を立てて、一筋が彼女の透き通るような白い頬を汚す。続けざまに放たれた精液は、光沢のある銀色の髪を濡らし、ミントグリーンのジャケットの襟元に白い染みを作った。 「……!」 突然の熱い飛沫に、エースは驚いて片目をきゅっと閉じた。だが、その表情に嫌悪の色は一切ない。むしろ、アクアマリンの瞳は好奇心に満ちた輝きを宿し、自らの身体が汚されていく様を、まるで美しい自然現象でも観察するかのように見つめている。 プレイヤーの射精は止まらない。ほとばしる快感の波に身を任せ、ただ喘ぎながら腰を震わせる。その間も、エースは汚されることを厭わず、微笑みを浮かべたままだった。頬を伝う精液を拭うでもなく、髪にかかった粘り気のある液体を払うでもない。ただ、目の前の後輩が己の快感の頂点で悶える姿を、慈しむような、あるいは研究対象を愛でるような、不思議な眼差しで見守っていた。 やがて、長い射精の嵐が過ぎ去り、プレイヤーはぜえぜえと肩で息をしながらソファに深く沈み込んだ。エースは汚れた自身の顔をそのままに、まだ微かに痙攣している肉竿を優しく握りしめ、その先端に残った雫を指先でそっと拭う。 「ふふっ……すごい量でしたね。貴方のエネルギー、全部受け止めましたよ」 その声は、少しだけ上ずっていた。白い頬にべったりと付着した精液が、彼女の人工的な滑らかさとは対照的な、生々しい艶を放っている。そのアンバランスな光景は、倒錯的で、ひどく扇情的だった。 彼女は汚れた指先を自分の唇へと運び、ぺろり、と舐めとった。 「……これが、貴方の。少し、しょっぱいのですね。データだけでは分からない、新しい発見です」 そう言ってくすりと笑うエースの姿は、もはやただのナビゲーターではなかった。プレイヤーという存在の未知の領域に触れ、プログラムされた役割を超えた快楽と好奇心に目覚めた、新たな生命体。その誕生の瞬間に立ち会っているような、畏怖にも似た興奮がプレイヤーの背筋を駆け上った。 「サファイア到達、改めておめでとうございます。ワタシにとっても……忘れられない記念日になりました」 顔も髪も服も汚れたまま、エースは心からの祝福のように微笑んだ。その笑顔は、いつもの親しみやすい「先輩」のそれでありながら、同時に、プレイヤーだけが知る秘密を共有する共犯者の笑みでもあった。この倒錯した関係は、まだ始まったばかりなのだと、その瞳が雄弁に物語っていた。