2025年七夕怪文書二度打ち //////// 「織姫と彦星、ベガとアルタイルまではそれぞれ概ね25光年と16.7光年」 永い時の旅路の末か半ばか、わたしの世界に来たほむらちゃん 「25年、または16.7年ですか……」 彼女はただ、まどかちゃんと交わした約束のために繰り返し続けている。そのことに思いを馳せる度、わたしは何も言葉を紡げなくなってしまう /// 「まばゆさん、だなんて…私は鹿目さんに、そんなふうに呼ばれる資格はないんですけれど…」 ほむらさんの抱える想い。ただ鹿目さんをキュウべぇの魔の手から救いたいという、一点の曇りもない純粋で強い願い 「そもそも私は、ほむらさんにとって雨傘みたいなものなんですから」 私なんかが側にいて良いのか今でも自信が持てませんが、その行く先を少しでも照らせるのなら。そう思うたび、不思議とやれそうな気がしてくるから不思議です /// 「そんなほむらちゃんに『今度こそ後悔のない生き方を』というエゴを乗せてしまうわたしは、一体どれほど罪深いのでしょうね」 それでも、強い想いと願いを抱えるほむらちゃんなら、いつかはきっと本懐を遂げるはず。ならばわたしも……と思わざるを得ない自分は否定出来ません 「今は遠いほむらちゃんとまどかちゃん、それでも、いつかは……」 /// 「鹿目さんは、どの周でも契約をする理由は誰か他の人のためです。たとえそれが自信のなさから来るものだとしても、その選択を後悔しない強さは、きっと彼女の強さなんです」 だからこそ、無理だと分かっていても願わざるを得ません。 もしも、あなたがあの時のほむらさんとの約束をこの周でも覚えてくれていたら…と たった唯一、あなたが契約を…キュウべぇに騙されたことを後悔した、あの時のことを 「願ったところで、鹿目さんを見上げていたところで、ほむらさんの原点に思いを馳せたところで、結局それだけでは何も解決しないのですけれども…」 /// 「もしもわたしが本当に繰り返しを共有していれば、この切なさは軽くなったのでしょうか?それとも、却って耐えきれなかったのでしょうか……」 わたしが引き継ぐ約3年の内、ほむらちゃんたちと過ごせるのはたったの1ヶ月程度にしか過ぎない それでも、たとえ本質的にはほむらちゃんの願いに寄生しているだけなのだとしても、 「次のわたしも味方だって、約束しちゃいましたからね」 /// 「いつかほむらさんが満願叶って、また鹿目さんと一緒に過ごせるようになったとしたら、その時は…」 その時は、きっと私とは疎遠になることでしょう そう思うと、ちくり、となぜだか胸が痛みますが…それでも、その光景を何処かで見守れるのなら。それは私にとって、充分すぎるほどの報酬ですから 「鹿目さんだって、遠くから見守ることくらいは、きっと許してくれるでしょうし」 /// 「それでも、たとえ今回の『わたし』もダメだったとしても、ほむらちゃんはきっと諦めたりしないから」 大丈夫。わたしは確信しています ほむらちゃんとまどかちゃん、2人の距離は旅路のはじまりからは随分と離れてしまっていますが……それでも今回こそは、あるいはいつかはきっと 「必ず、そこに辿り着く」 /// 「私が心惹かれたほむらさんは、鹿目さんのために戦うほむらさんだから…」 私がほむらさんに心惹かれるように、ほむらさんは鹿目さんに最もその心を寄せています それでも、鹿目さんがほむらさんだけに心惹かれることは無くて、鹿目さんにとっては当然家族も友達も大切で、そしてだからこそほむらさんは鹿目さんを想う 決して交わることのない、残酷なすれ違いです 「ほむらさんはきっと、『どうして』なんて言わないんでしょうね…」 /////////////// わたし/私たちの他は、決して最初から変わらない、変わってくれないこの繰り返し。 それでもいつかは、2人があの頃の距離に戻れる時がくるはずですから 変わらないからこそ、ほむらちゃん/ほむらさんもまたあの頃のように振る舞える時が来れば、その時はまた… 「「それまでに、何度繰り返すのだとしても」」 /////////////// 「今日は七夕、ほむらちゃんはこの日を楽しみにしていたのですが」 「それでも、七夕まつりを脅かそうとする魔女がいると知れば、きっとほむらさんは戦うでしょうから」 「ベガとアルタイル(強く光る星)に願う。そんな素敵なイベントには、やっぱり参加してほしいですからね」 「鹿目さんは覚えていない…そもそも知りようがないのですが。それでも、今のところあの時の約束は成就し続けている…まどかさんは未契約のままなんです」 「かつては途方に暮れそうなくらい遠かった約束が、今は見上げるまでもなくそこにあるわけですし」 「ほむらさんと鹿目さんの距離は、あの頃の原点にまで戻っているわけですし」 「だから、そこな魔女さん?」 「このタイミングでやって来たことを後悔してくださいね」 「「なにせわたし/私たち、かなり強いもので」」 // 元ネタ:Action-ZERO 2010