恭介がラクモンに人払いをさせているからか夜の公園は静かで閑散としていた。だというのに鼓動は壊れるほどになっていた、簡単だ、異常な状況に興奮をもよおしている。  シースルーのワンピースとパンツしか着ていない自分が全裸の彼氏に首輪をつけて散歩している。恭介ば前を歩き、虎子がリードを持ちながら後方を歩く。何か言葉にできない違和感を感じるが今は無視した。  どこかズレた平等感からくる行為だが、非日常的な状況に脳みそがクラクラしてしまう。デジタルワールドという非日常に触れているはずなのにこの瞬間の方がよほどありえないことに思えた。  すでにまんこは大洪水になっている、粘っこい水音が泡立つようにこすれ、太ももを濡らしパンツのクロッチにシミを作る。歩くたびにムズついた感覚が子宮を焼きセックス欲を疼かせる。考えてみれば、と思考を過去から引っ張り出す、散々セックスしたのに青姦――野外セックスはしたことが無かった、学生であることが行動範囲を狭めていた、近隣住民に見つかうわけにはいかない。  だが今は好機だ、誰も寄り付かないというのならばシてもバレることはな い。 「なぁ…恭介ぇっ♡」 「どうした………言っておくがセックスは無しだぞ?」 「……何で分かったの?」 「簡単だ、多分僕と同じことを考えていると思ったからだ」  顔がにやけてしまう、表情が溶けるのを抑えられない。むにゅ♡とわざとらしくおっぱい歪ませながら背中に抱き着き前を見た、しっかりと勃起している恭介のちんぽは長さは16センチと少し、直径は6.5センチ程度ある。定義の上で言えば巨根と言えた、特に太さは平均の約2倍、そのうえセックスに溺れるまで自慰を殆どしなかったからは知らないがしっかりと亀頭が見える。  天然のズル剥け巨根だ、見てしまえば男でも女でもつい目で追わねばならないほどの立派さがあった。これを独占しているのだな、と虎子は思った。  見てるだけでも脳裏には快楽が思い浮かぶ。前戯でじゃれ合って存分に神経を鋭敏にした後、容赦なく膣肉をこすり倒されると腹側にちんぽが浮き出るほどだ、そうなれば多少痛みだってあるが同時に来る快感と合わさると脳神経がすべてショートし気持ちいいと感じる以外の神経が機能を果たさなくなる。 「あーあー可哀想な事なってんな、いつもならとっくに私のトロトロにされたまんこで気持ちよくなってんのに♡」 「うん、自分でも正直勿体ないことをしている自覚はあるよ」  その言葉につい腰も動いた、思った以上に太く硬い恭介の太腿にシースルーごと股を擦りつけている、薄い生地から染み出した虎子の汁がべったりと塗り付けられた、ヘコヘコとした腰の動きの度に今自分がいかにほかほかの使いやすい搾精穴かを教える興奮のアピール、いっそいじらしいまでの媚びムーブ、教え込まれた雌の動きは交尾の機会を逃がそうとしない。  ねばっこい汁で満たされたまんこ穴♡入ってきたら気持ち良いよ♡だから交尾しよ♡ね♡ね♡  言外だが確かに目で訴える。淫欲に塗れて制御のきかない本能を今すぐ満たしてくれと哀願する。  恭介は笑顔だった。 「虎子」 「あ♡」 「だぁめだ」  普段の、戦いならば、生徒会ならば、自分以外の誰かの前ならば、多くのならばで覆い隠された一面が露われる。虎子しか見れないサディスティックな部分、まとわりつくようにどこか陰湿さすら感じさせるのにどのように苛めてくれるかと想像しまた熱くなった。  どちらが今主導権を握っているか一切分からなくなる。リードを握り恭介のすべてを握っているのは此方だ、だというのに一切制御できる気がしない。どちらかと言えば首輪をつけた王様と何とかそれを握らせて頂かせている従僕といった有様。倒錯具合は計り知れない。  口を開く、また断られると分かっていて、あるいはバッサリと自分の言葉を切り捨てて欲しいという願いの元に。 「でも分かるだろ♡こんなにまんこネットリさせてる交尾待ちの女がここにいるのにっ♡据え膳食わぬは何とやらって言うだろ?♡」 「虎子」 「んだよぉ♡」 「僕はダメと言った、これで2回目だ……3回目、言わせる気かい?」  冷たい視線が虎子を射抜く。  やっぱり駄目だった、最初に手渡された時点で手加減してしまうという思いにとらわれた時点で無理だと分かっていた。  これが戦いならば、あるいはもっと性的なものが絡まない場での対話ならば虎子は一切の引けを取らずに反論なりあるいは時には手すら出して対面した、対等な相手と並び立つために。  しかし今はなんだ、男と女あるいはもっと根源的な雄と雌の関係だ、欲の絡む場だ。それは対等であることが良い事であるとは意味しない。  虎子が自ら持つリードを差し出し恭介の目の前に差し出す。 「どうした………?まだ散歩は終わってないぞ」  訝しげな顔をする恭介の手を強引に撮り、握らせる、代わりに首輪をひったくるように奪う。 「お……おい……何を?」 「恭介ぇ……やっぱり私……ダメだ♡」  虎子自ら目の前ではめて見せる。固定するための穴にピンを通さないようにして。 「り、リード握った時はさ……い、いろいろ考えたんだよ…確かに無茶苦茶されてるし…か、身体いっぱい恥ずかしい感じにされちゃったし♡」  言いながらシースルーのワンピースを投げ捨てた、靴で汚れるのも構わずパンツも雑に脱いだ、ゴムが伸びるのも構わない。流石に投げ捨てるわけにはいかないから手に握るが、いっそ雨にでも降られてたのかというほど濡れている。違うと教えるのはねばつく感触と雌の匂いが漂っていることだけだ。 「もうさ、自分で弄っても絶対にイケ無いんだ♡ち、乳首なんてビンビンだしっ♡クリだって皮に戻らないから薄いパンツだと盛り上がっちゃうし♡で、でも悦んじゃってんだ♡」  首元を見せて、願う。 「はめて♡……ねえ、私は…その…ひ、人としてだったらそりゃ対等の方がいいって思うよ…で、でも………」  人と人ならばきっとずっと対等だ、 「女の私は…お前の下がイイ♡」  男女としてはもう、きっと対等にはなりえない。吐息が聞こえる、何かを考える恭介が少しだけ悩む時間を取った、頭を抱えてうなり、意を決したように向き直る。  うつむいた角度だから目元が見えない。何を考えているかは分からない、しかし手は伸びてくる、首輪を少し強めに引き、しっかりとホールドしピンを穴に通す、少しだけ息苦しいが確かに嵌められたときに喜びを感じた。従属の。 「これでも僕はそれなりに色々考えてたんだがなぁ」  言いながら勢いよくリードが引っ張られる、首に力がかかると息苦しさが段違いにくる、一瞬酸欠になりかけしかし精神には脳を狂わす幸福感が良くない分泌物とともに満ち溢れてくる。どう考えても正常の扱いじゃない、はたから見ればペットの様、しかしそれよりも数段下をいく。ペットには、あるいは人を除く大半の生物に従属がどうのと言った感情はほぼない、あるのはもっとプリミティブな感情のみ。  虎子は明確な喜悦を感じている、従属する、愛する男のモノになるという幸福。明確にマゾヒズム的な感情の上に存在していた。あらゆるものを投げ捨て身を任せてしまうという快楽は何にも増して得難いものに思えていた、人ならば喜ばれぬ思考の停止、しかし自由、明確に組み伏せられる側として自らを縛り性の上で明確な弱者として振舞うことにこそ愛を見出した。  そもそも、と思い出す、もしも本当に雄を責め立てられるだけの熱情があるのならば最初から提案していた、開発することを。男ばかり女を良いようにするのはずるい、対等ならば同じようになるべきだと。  だが自らの身体を見れば恭介の数倍は開発しきられている、乳首の感度もクリの感度も、あるいは子宮の感度すら。  ここでふと思った、恭介は足りないと言っていた、もしかしたら自分も足りていないのではないのか、本当は口も肌も尻の穴すらもすべて開発され、恭介に触れられるだけで孕み頃になる身体になりたいと思っていた気すらする。 「悪い子だ」  髪のうちに潜む目が見えた、笑っていた、どうしようもなく。  理解する、支配者は恭介で、私は被支配者だ。  きっと身体の全部をささげて喜ばせるためだけになるんだ、乳首にピアスとかつけらえれちゃうのかな、入れ墨はだめって言ってたから所有物って名前を入れてはくれないんだろうな、そうだ、おむつも用意しないといけない、お尻も弄られるはずだから。  性に塗れた期待を込めて見上げる、自分より大きな身体、男の身体。女を壊す欲望を全て好みに吐き出させたい。 「来い」  引きずられるように引っ張れる。  向かう先は公園のベンチだった、恭介が座りその上に乗るように促される。最初は膝の上に尻を置こうとしてさえぎられる、腹を膝の上に置きベンチの恥から下半身が放られる体勢。 「きょうす――」 「悪い子だ」  破裂音がする、同時に痛み、ひっぱたかれた、尻を。 「ぉ゛♡」 「どうした虎子、尻を叩かれて喜んでいるのか」 「うんっ♡きょ、恭介からお仕置きされて、わ、私悦んでるぅっ♡」 「度し難いよ、君」 「え、あ、ごめ…」 「そんな虎子が人様の前で恥ずかしい真似をしないように僕が一生面倒を見てやる、嬉しいか」  瞬間、身体のすべてのスイッチが入った。綺麗なものから汚いものまですべて。  やっぱりレナモンには謝らないといけない、もう駄目だ、人としてはともかく雌としてはもう歯向かうきすら起きない、できてもせいぜいそれはわざとらしい挑発だ、尻を振って自らを犯させる 「う、嬉しいっ♡凄く嬉しいっ♡」 「何を悦んでるんだ、マゾ豚」  大きく振るわれた手がまた尻に来る、屈しきった身体は力が抜け、卑猥な音を立てて潮を吹き散らす。ほぼ尿だ、勢いの良いイキ潮は地面を濡らし恭介の足を濡らす。 「あ、ごめ」 「ダメだろう、君は良いご両親からちゃんとした教育を受けているのに人にアクメ潮ひっかけちゃダメだって教わらなかったのか?」 「そ、そんなの…教わってなぃ♡」 「じゃあ僕が叱ってやる…この変態娘…僕の身体にどれだけ匂いを染み込ませる気だ!」  ぶっ叩かれ尻が揺れる、たった3度なのにもう痛みが快楽に変わっている。痺れる痛みはそのままマゾ感に変換され、愛されているという実感に捏造される。あるいは愛により叱られてる以上これもまた愛なのかもしれない。 「ごめんなしゃいっ♡いきじるいっぱい出しちゃうまぞおんなでごめんにゃしゃいっ♡」 「本当だ!本物の豚の方がまだ慎みがある」 「ぶ、豚以下でごめんなしゃいぃっ♡と、虎子なんてっ、い、勇ましい名前なのにマゾ雌でごめん恭介ぇ♡」 「一々ケツを振って挑発する……芯までマゾか!僕のそばから離れるんじゃないぞ!君がマゾ発揮してそこらにしっかり躾けてやるからっ!!」 「はいっ♡わ、わたしきょうすけくんからはなれませんっ♡ぜーったいっ!♡」 「いいだろう……それで?」  なんだろうか、聞きたいことの想定ができない。 「えっと…?」 「反省したかい?」  呆れと性欲の混じった声、疼いた、立ち上がる。 「ん?」  少しだけ歩き、恭介に背中を向ける、中腰になり尻を突き出しして、振り向きながら見る。 「全然反省してねぇからぁ♡もっと、お仕置きして…恭介♡」 〇  ばちんっ!!!ばちんっ!!!ばちんっ!!!! 「ぉ゛っ♡ぉ゛っ♡し、しりっ♡しゅごっ♡い、痛いのにぃっ♡きもちいいっ♡」    ばちっ!ばちぃいいいいいんっ!!! 「ぉ゛♡ぉ゛っ――♡」  ぶしゅっ…ぶしゃぁ~~~~~っ♡ 「あっ♡ごめっ♡またかかっちゃったぁっ♡」  ばちんっ!ばちっ!べちんっ!!! 「あっ、ぅっ♡ごっ、ご、ごめんなしゃっ♡」  ばちんっ!!! 「は、はんしぇいっ、は、はんしぇっ、ぇ、し、してりゅからぁっ♡」  ばちっ!ばちんっ!!! 「だ、だったらっ、な、なんでよ、悦んでるってぇっ♡ら、らってっ、きょ、恭介が、し、してるから♡」  さすっ… 「んっ…お尻…くすぐったい…♡ふへ……♡で、でもぉ……な、なでなでされるの……け、結構好きかも……♡」  むにっ……♡ 「んっ♡そ、そんな触るんだったら…ま、まんこ弄って――」  ばちぃぃいぃんっ!!!」 「ひっ、ぎっ♡あ、え、ご、ごめっ♡」  べちんっ!べちんっ!!!!! 「ご、ごめっ♡ちゃ、ちゃんとぉっ♡は、はんせぇ、し、してるっ!してるからっ♡ぉ゛っ♡」  ぺちっっ!!!べちっ!!! 「え、えっちなこえっ、ら、らしてっ、ごめんっ♡で、でもぉっ♡きょ、恭介のお、お仕置きっ♡か、体喜んじゃうってぇっ♡」  ばちんっ!!!べちんっ!!!!! 「ぉ゛っ……ぉ゛♡ぉぉぉぉぉぉおっ♡」  ぶしゃっ…びちゃっ…びちゃっ♡ 「あ、あ、ま…またぁ、よ、汚しちゃってっ、ご、ごめんなさぁいっ♡」  ぎゅっ! 「やぁ♡お尻つねっちゃぁ、やぁのぉっ♡」  ぎゅぅっ…! 「え、ぁ、は、反省してるっ……な、内容……?え……と……?」  べちっ!!!! 「ひっ、ぎっ♡」  べちっ!!!べちっ…!!!べちっ!!! 「ぉ゛っ♡ご、ごめっ♡らめっ♡ま、また、色々っ、も、もれひゃぅっ♡」  ぶしゃ…じょろっ…ぶっしゅぅ~~~~~っ♡ 「ぉ゛っ♡はひっ…♡そぉれす♡とらこのからだぁ、ぜぇんぶきょうすけくんのらのにっ…えっちなおしる、公園にあげちゃってぇ…ごめんなしゃぁい♡」  さわっ…… 「あ……え、えへ…♡も、もっと…な、撫でてぇ♡」 〇  折檻という名の絡みが終わったのは結局夜中になる少し前だった。虎子がイキ散らしそれから立ち直るまで少し時間がかかってしまったからだ。 「はっ…!?」  何度も絶頂して意識が少し飛んでいたから膝を枕代わりにして眠らせていたが、ようやく起きる。もう少しばかりこうしていてもよかったと思うが起きた以上は仕方がない。 「おはよう、といっても数分だが」 「ん……恭介…んっ♡」 「どうした…?」 「あ……いや、まだなんか体に残ってる感じがする…うぅ…腹がムラムラして止まんねぇ…♡」 「君ねぇ……」 「い、いいだろ…♡恭介からだからさぁ♡……にしても」 「どうした?」 「……やっぱ恭介って結構鬼畜メガネだよな♡」  言いながら胸に寄りかかってくる。柔らかなおっぱいが胸板にくっつくと否が応でも心臓が高鳴る。何より丁度上目遣いの形だ、元不良とは思えないほどに整った顔立ちの虎子があざといほどの可愛さを見せてくると独占欲が沸く。 「……自分でも正直驚いてるよ」  さっき、何度も虎子の尻をひっぱたいた右手を見る。痺れは既に失せていた、だが余韻はまだある。  思い出せば驚くほどに手は滑らかに動いていた、両親から人に暴力はいけないと教育を受けていたし自分自身そう思っている。だというのに何のためらいもなく尻を叩いた。当然のように。 「なんと言うか……僕にもああいう面があったんだな」 「風紀委員の裏の顔はサドとか出来すぎだろ♡」  ニヤニヤとした顔を浮かべる虎子に股嗜虐心が沸く。 「ああ」  頬に手を添えるふりをして一気に右手の人差し指を口の中に突っ込む。 「んひっ!?」 「あまり調子に乗ってると…またイジメてあげるよ?」  言えば、虎子の瞳が潤んだ。うっとりしているとも形容できる。なかなかにそそられる顔。 「ひゃぃ……♡」  頷いたところで満足し、指を口から抜く、唾液でべっとりとした人差し指が蛍光灯で怪しく光る。 「……なあ」 「どうした」 「そのいじめっ子の顔…私以外に見せるなよ?」 「当たり前だ」  呆れたように言って見せる。同時にくぎを刺す。 「君もあの顔は他に見せるなよ」  言えばまた危険な雰囲気になりそうだから今は秘めて置く。あのそそられる顔、心を疼かせるあれは自分のものだと。 「……」  少しだけ黙ってから、背が伸びてくる。水音、舌が差し込まれ口の中が蹂躙され、虎子が思うままに楽しんでから分かれる。笑っていた、妖しく。 「わかってるよ♡」  どうも自分はいじめっ子の気質もあるのだと教えられた、だが薄皮ギリギリのところでそう思えない部分がある。  どうしてか知らないが、何もかもを支配しようとしているのは自分のはずなのに、なぜだか食われているのは自分の方に思えて仕方がない。  ならばきっと食い合っている。獣が2匹で。