「ん、んんっ……！ぁー……あーっ」

軽く喉の調子を確かめ、髪を触る。

……悪くない、いつも通りの少し高めの音。普段通りの声が出ている……と、自分では思

う。

茶色い自分の髪の調子も、部屋を出る時に確認した通り。普段と変わらず、……いや普

段より少し気合が入ったままで、調子は悪くない。

「こほんっ！｜来兎《らいと》ー！いるー？入るわよー！」

簡素な扉。

刑務所の囚人部屋の扉を思わせる金属製の扉越しに、私は声をかけ、戸を叩く。

普段ならば、部屋の前を巡回している警邏の人間もいるのだが、一仕事を終えたのを理

由に、無理を言って暫く時間を作って貰った。

暫くは、この部屋には誰もやってこない……二人きりの時間、という訳だ。

「おう、｜呉香《くれか》か？開けられるんだろ、入って来いよ」

「んっ……」

中から帰ってきた声に、私は預かっていた鍵を扉に差し込み、鍵を回す。

ガチャリと、軽い音を立てて扉のロックはあっさりと外れてしまった。

あっけない、あまりにも簡単に出来てしまったソレが、逆に私の戸惑いを高めるようで

……自分でも訝しみたくなるほど、ドキドキした気持ちで、取っ手を回し、扉を開く。

「よう……どうしたんだよ？面会の時間って訳でもないだろ？」

「ま、ね。ちょっと特別に時間作って貰ったのよ……元気してる？」

「ハッ……元気もクソもあるかよ。UGN の狗やって、あとは囚人生活だぞ？ ……お前の顔

でも見なけりゃ、元気の一つも湧きゃしないさ」

ベッドの上に寝転んでいた、尖った金髪をした男。｜羽場見来兎《はばみらいと》は、

私が顔を覗かせると、身体を横向きにし、暇そうにしていた顔から一転、少し皮肉さを交

えながらも強気な態度で笑ってみせた。

……どうやら、理不尽な目になどは合っていないらしい。そのことに私は安堵しつつも

、彼の皮肉に正論を返していく。

「文句言ってんじゃないわよ！本来なら、処理班に“処理”されるなり、冷凍刑にされ

るなりだった所を、保護観察処分扱いでチルドレンとして様子見して貰えてるだけで儲け

物なのよ？ ……そんだけやらかした自覚くらい、あるでしょ」

「分かってるさ。だからこうして、甘んじて罰を受けてるんだろ。……少しでも救われる

チルドレンが増えるのならって、前提の上でだけどな」

「……私も、アンタが教官にしたこと、忘れたつもりもないし。……ほんと、今の処分で感

謝しときなさいよ」

「そう、だな……。ヨギのことは……いや、いい。分かってる……あぁ、言葉で反省したつも

りになる気はない。……背負うべき、罪なのは自覚してるさ」

一瞬、気まずい沈黙が私たちの間に流れる。

ミサイル強奪、自衛官の殺害、教官の……UGN エージェントの殺害。

大きな物だけでも３つ、これでよくこの処分で収まったものだと、私ですら思う。

……私が泣きついてお願いしたことが、この結果に繋がったと思うのは傲慢かもしれな

いが、その一部ではあるのかもしれない。

教官のことは今でも複雑だし、自衛官の殺害に関しても……ジャームになっていたとは

いえ許せるものではないが。

それでも……私の中に感謝の思いが湧いてしまうのは、私が愚かな女だからだろう。

本来ならば UGN では決して許されない彼が、ここに……チルドレンとして、再び私の前

にいるという。この現実が……信じられなくて、何度も疑いそうになる。

そして、疑うたびに彼の存在を確認して……どうしても、感謝と安堵の思いが、湧いて

しまうのだ。

「あー……それで、今日は何しに来たんだよ？俺に会うのは、決まった時間とかだけの

はずだろ？」

「あ、えっと。……ちょっと、一仕事終わったからね。報酬を兼ねて、アンタに……その……

」

気まずさを誤魔化すためか、来兎の目が私に向き、問いかけてくる。

その目の強さに、どうして来たのかを見透かされてしまっているような気がして、ドキ

リと私の胸が高鳴った。

思わず、しどろもどろに言葉を返してみせたが、段々と声は小さくなっていき……。

「報酬で……俺に？」

「……そ。……会えないかなって、ちょっと、交渉したら……時間貰えて、だから」

どうして来たのかの答えを言わされていくと、途端に羞恥が顔に昇ってくる。

自分の頬が熱くなり、赤くなっていっているのを自覚しながら、つい顔を逸らしぽつぽ

つと告げていくと……ギシ、っという音がベッドから鳴ったのが聞こえた。

驚いて視線を戻せば、すぐ目の前に彼が……来兎が立っていた。

「…………ったく！」

「きゃっ！？も、ちょ、いきなり何っ！？ちょっと、抱きしめないでって！」

「無茶言うな！そんな可愛いこと言われて、呉香を。惚れた女を抱きしめずにいられる

かよっ！」

ぎゅうと、強い力で彼の腕が私の背中に周る。

厚い胸板に、私の顔が押し付けられ……彼の匂いが、呼吸をするだけで感じられた。

少しだけ汗っぽい、けれど不快ではない……彼の匂いと、“人間”のような熱さをしてい

る彼の体温を。

「んっ、むっ、バカっ！馬鹿力で抱きしめるんじゃないって……あぁもう、ちょっと放

して！苦しいっ！」

「ハハ！悪い悪い！嬉しくて、ついな！どれ、これくらいでいいか？」

「む……。まぁ、これくらいなら」

背中に周った腕の力が緩められ、押し付けられる顔に彼の顔を見上げる余裕が出来る。

出来た隙間からそうして彼の顔を見ていると、子供のようなキラキラとした瞳が私を見

下ろしていた。

「……喜びすぎ、バカ。……にしても、すごいわね UGN。まさかアンタの身体、ここまで治

すなんて」

「あぁ。それに関してだけは俺も感謝してる……。ま、中身は殆ど機械なのは変わらない

けどな？ ……培養した人造パーツで、人としての機能を取り戻せるとは、思わなかった

」

彼の温もりを間近で感じながら、改めて UGN の技術力……特にレネゲイドに関しての技

術には感心させられる。

機械として身体の殆どを失っていた彼を、僅かに残っていた細胞から最低限の臓器を修

復。

殆ど機械なのは変わらないとはいえ、それを入れ替えることで人としての感覚を取り戻

せる所まで状態を安定化させるとは、流石に夢にも思わなかった。

「前の身体じゃ、呉香に触れててもあまり感触も分からなかったしな。……こうして触れ

合えてるのをはっきり感じられる。これだけでも戻ってきた価値はあったと思うぜ」

「……調子乗り過ぎ。どんだけ私に依存してんのよ、ったく」

彼の軽口に、苦笑をしてみせる。

すると、見上げる彼の口元が、きゅっと強く結ばれた。

「……冗談だと思うか？」

「え……？」

ふいに落とされる問い掛け。

見つめてくる瞳は、何処までも真剣そのもので……そんな目で見られていると、いやで

も胸の鼓動が高まるのを感じてしまう。

「俺に会いに来てくれたってことは……自惚れだなんて、思わなくてもいいよな？なぁ

、呉香……」

「来兎？ちょ……ぁ……まっ、んっ！」

彼の顔がゆっくりと下りてくる。

拒否するのならば、拒否しろ……そうするだけの時間は与えると、そう言外に言ってい

るようであった。

私は、その近づいてくる彼の瞳と唇を、視界いっぱいに広げながら文句を言おうとして

口を上に向け……結局言わずに、そのまま閉じて、彼を待つ。……瞳も、一緒に閉じながら

。

ちゅ……。

小さな、水音が響いた。

「……良かった、嫌がらないんだな」

「……バカ、もっとムード作りなさいよ。アンタは……っ」

唇を触れ合わせるだけの、淡いキス。

ざらりという彼の唇の感触が消えてから目を開くと、悪戯に成功したことを喜ぶような

、子供の笑みがそこに広がっていた。

それが、なんだか無性悔しくて……恥ずかしくて、つい悪態をついてしまう。

「おい、これでも精一杯ムード作ってるんだぜ？」

「何処がよ……無理矢理キスしてきたようにしか見えないわよ？ ……ほら、んっ！」

「なんだよ、文句の割りには……いや、何でもない。おう、んっ」

文句を言いながらも、今度は私から唇を差し出す。

何やら言いたげにしていた来兎は、苦笑をしてからそれを打ち消すように、また私の顔

へと唇を落としてきて。

ちゅ……、ぴちゃ、くちゅ……。

触れ合わせた唇に、今度は舌を絡める。

唇を舐め、彼のガサつきを取るように湿らせると、今度はお互いの舌が触れ合う。

ぬるりという感触……。

私の舌を巻きとるように絡み付いてくる、彼の舌。

ぴちゃり、くちゅりと雫が糸を引いてお互いの口を出入りするのを感じながら、ゆっく

り舌伝いに彼の口の中へと、私の舌を差し込んでいく。

「んんっ……らい、とぉ」

「むっ、ちゅ……くれ、は……んぅ」

口の中を舐るようにして、お互いを柔らかな肉が伝い合う。

私が彼の歯を、歯茎を、舌の裏をと舌を這わせれば、彼もまた同じように私の口の中を

舐めてくれる。

「はぁ……じゅる、ちゅ……れ、ちゅ。んぅ……っ！」

「ちゅぅ、ぢゅる……ふぅっ、んっ！はぁ……、くれは……！」

暫くそうして口を合わせ続けてから、ゆっくりと舌を抜いた。お互いの唾液の糸が、口

の端から零れて地面に落ちる。

……彼の目が、熱く私を見つめている。

私の目も、彼を見つめて……潤んでいるような気がした。

「……いいな？」

「んっ……」

彼の胸の前で小さく頷けば、ジャケットを脱がされ、横に置かれる。

整えてきた髪に手を当てられ、顔を寄せられ……すん、と匂いを嗅がれるのが分かった

。

「ちょ、バカ……やめてよ！」

「なんでだ？いい匂いだぞ。……俺の好きな、呉香の香りだ」

こいつが女慣れしてただなんてのは、絶対嘘だなと今なら分かる。

だって、女心の一つも分からないんだから……例え好きな匂いだなんて言われたって、

恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。

恥ずかしさから身を捩った私を、また腕に力を込めて逃がさないようにして、彼は私の

お尻に手を回し、横抱きに抱き上げた。

「きゃっ……！？」

「ふっ……暴れるなよ、お姫様？」

悪戯っぽく笑う彼の顔を間近で見ながら、そんなことを言われて顔が熱くなる私。

……くそ、こんな少女趣味。持ってたつもりないのになっ！

心の中で悔しがってみせても、現実の私の身体は碌に抵抗もしないで、大人しくベッド

に横たえられていく。

とさり……。

彼の使う安っぽいシーツの感触を背中に感じる。

同時に、むわりと包まれるように広がる彼の……来兎の匂い。

「……良いシーツ使ってないわね」

「当たり前だろ？囚人みたいなもんだぜ、俺は。でもよ……すんっ」

「あっ、バカ！だから匂い嗅がないでって……んぅっ！」

苦笑いを浮かべながらそう言って、来兎が私の身体に顔を寄せてくる。

薄いシャツ越しに身体の匂いを嗅がれて、押しのけようと、思わず彼の顔に手を当てる

。

けれど、私のそんな抵抗を気にした様子もなく、彼は鼻を押し付け深く呼吸をすると

……ニヤリと、笑ってみせた。

「今日から、高級シーツだな。お前の匂いが着いてくれるなら、よく眠れそうだ」

「……絶対ヤダ。アンタ、洗いなさいよ！絶対よ、絶対だからね！？」

恥ずかしいことを平気な顔をして言ってくるコイツに、顔が真っ赤になってしまうのが

自分で分かった。

そんな風にベッドの上でもみ合っていたら、気付けばシャツを捲り上げられ、気付けば

胸まで彼の目に入ってしまっていて……。

「んっ、バカぁ……！」

「いいじゃないか、可愛くて俺は好きだぜ。呉香の胸」

「っっっっ！！！！」

……教えないけれど、今日のために準備してた。

レースの付いた、黒のブラジャーの上から彼の唇が私の胸にキスをする。

私は、なんだかもう恥ずかしくてどうしようもなくなってしまって……何も言えなくな

る。

そうして動けずにいると、また腕が後ろに周り……かちゃりと、ブラジャーのホックが

外されてしまった。

気付けば、ちょっとずらせばもう……私の胸が、彼の目に晒される、その寸前になって

いた。

「……あ、ぅ。来兎……」

「……呉香」

言葉にせず、いいよな……っと視線で問いかけてくる、彼。

私は、羞恥で熱い顔を、戸惑いながら……小さく、こくりと上下に動かす。

する……っという、軽い音と共に、レースのブラジャーはあっさりと肌を滑って落ちて

いった。

もう彼の目を遮るものは何もない。

私の、隠すモノない……人より控えめな胸が、彼の視線の中にあった。

「有恵とかと比べて……小さいとか言ったら、ぶっとばすから」

「言わねぇよ。どれだけ信用ないんだよ、俺」

恥ずかしさでまともに目も見れない私。

それでも、彼が困ったように……少し面白がるように笑ったのは、空気で分かった。

そうして、ぎゅっと目を瞑っていると……。

胸に、ちゅく……っという音と共に、柔らかくて、湿り気のあるナニかが触れるのを……

感じた。

「あ……ぅっ」

「ちゅ……れろ、んっ。言ったろ？可愛い胸で、俺は好きだ……って。は、むっ」

「んんぅっ！？らい、とぉ……っ」

ぴちゃり、くちゅり……。

胸を……その先端。乳首の先をぴちゃぴちゃという水音と共に、柔らかで自由に動くモ

ノが、触り、掬い上げ、何度も吸いついてくるのが分かる。

ビリビリと、電気でも流されてるのかと思うような甘く淡い刺激。

その刺激に思わず私は……上擦った、変な声を出してしまう。

「……ぷっ！あは……何それ、アンタ？マジな顔して……あんっ！ふふ、私の胸、吸い

ついてる……っ」

「ぢゅる……ちゅぷっ、はぁ。なんだよ呉香。笑うなって……！」

「だって、ふふ。なんか、必死に吸い付てるの見たら……んっ、ふぁっ！？あぅ……ふふ

、おかしくって……ふふふ、んんっっ！」

ブラックドッグの力で変なことでもしてるんじゃないかと思って薄っすらと目を開ける

と、そこには……私の胸に、真面目な顔で吸いつく来兎がいた。

大事なモノに触るみたいに、私の乳首を必死に舐っている来兎。

悪気はないのだけれど、なんだかその必死さが少しだけおかしくって、つい笑ってしま

った。

「お前なぁ……ムードだ何だって言う癖に、自分から壊してどうすんだよ」

「ごめ、ごめんって！でも、だって……」

「そういう悪い奴には、こう……だ！」

「んぁっ！？きゅっ、ふぁ、ぅ……んんぅっ！ちょ、やめ……舐めながら、弄るのはナ

シだ、って！んっ、ぁ……っっ！！」

笑ったことで期限を損ねたのか、眉を寄せる来兎。

それがまた何だか微笑ましく思えて笑みを浮かべると、ため息交じりに言葉を吐き出さ

れる。

そうして何か思いついた様子で口元を歪ませた来兎は、今度は私の胸に吸いつくと同時

に空いていたもう片方の乳首を指でこね回し始める。

「んっ、ふ……ぁ、くっ……！だめ、だって……そんな風にされる、と……っ！」

自分で弄ったこともないような触り方で、乳首を摘まれ、くりくりとこねられ、それか

らゆっくりと乳房の形を確かめるように撫でられた。

ちゅぱちゅぱと、水音を立てて涎塗れになっていく私の胸。

こねられ擦られ、どんどん快楽を高められていくもう片方の胸。

いやがうえにも、私の吐息は跳ね、呼吸が乱れてしまう。

「は、ぁ……来兎ぉ……。も、ほんと……それ、やめ……ちょっと、まず……ぃ、か……らぁっ」

「ちゅぷ、ぢゅる……何が、まずいって？笑えるくらい、余裕あるんだろ？んっ、れ

ろ、ちゅぷ……！」

「は、ぁぅ……んんぅっ！？も、もぉ、笑ったのはあやまる、からっ！だから、いっ

たん、おちつ……ぃ……っっ！？や、ぁ……だ……めっっ！？」

お腹の奥がムズムズとしてきて、まずいと思った私が一旦待って欲しいとお願いした所

で、来兎の手が動いた。

私のズボンのボタンを外すと、おもむろに中に手を入れて来たのだ。

そこには、胸を……乳首を弄られ、当然のように湿り気を帯びてしまっている私のショ

ーツと……その奥にある、私の……場所が、ある訳で。

湿り気によって、ショーツ越しでもはっきりと分かるようにピンと立ってしまっている

モノ。

……クリトリスを、容赦なく、彼は触り……きゅっと、抓った。

「っっっっ！！ぁっ……らい、ら……ぃ、と……だめぇっ！？て、はなして……でちゃ……

で、ちゃっ！？」

「ちゅぅ……出せよ、呉香。恥ずかしい所、俺だけに見せてくれよ……な？あ、むっ！」

「ふ、ぁ……っっっっ！バ、…………かぁぁっっ！！？？」

本当に止まって欲しくて懇願すれば、むしろそれをおねだりとでも取ったのか。

来兎は止まる様子も見せず、むしろ動きを激しくさせてくる。

私は、胸とクリトリスを弄り回され、胸からも、アソコからもにちゃにちゃとした音を

響かせるハメになった。

そうして耐えるのに必死で、身動きすら碌に出来なくなっていると……当然、すぐに限

界はやってきて。

「く、ぁ……らい……とぉぉぉぉっっっっ！！？？」

「んっ、いいぞ呉香。……俺の、呉香……っっ！！」

彼の指に私のアソコを……クリトリスを、押し付けるようにして、ビクリと私は身体を

震わせた。

ぢゅるるると胸も吸い上げられ、同時に乳首とクリトリスも、きゅぅと抓られ、撫でら

れ、こねまわされて……私の腰は何度も跳ねて、ビクビクと痙攣をした。

「あっ、あっ、あっ、……ぁああああっっ！！」

「ちゅ……ぷはぁっ！ふ……触ってると、お前がイったのよく分かるな。……気持ちよかっ

たか？」

「くっ……ぅ……んんぅっ！？ ……聞く、な……バカぁ」

痙攣する私の場所。

膣口からは、ぴゅっ、ぴゅっ、という水が何度も飛び出る感触がああった。

……どうやら、潮を吹いたらしい。

それが来兎の、彼の指に当たっているのは、押し当てられた指の感触から、はっきりと

分かってしまう。

こんな状態で、どう誤魔化せというのだ……あぁ、ちくしょう……恥ずかしいっ！！

顔を真っ赤にして伏せる私に、来兎は屈託のない……。

いや、むしろこの状況で向けてくるには腹立たしいような顔を向けてくる。

なんでこの男、女をこんな目に合わせておいて、さも自分は良いことやりましたみたい

な顔出来るんだろう……腹立つなぁっ！？

「……来兎、ちょっと手ぇ抜いて……脱ぐから」

「え？あ、おう……」

彼の思う通りにイかされたことと、何だか向けられたその顔にムカムカ来て、私はクリ

トリスを撫でていた来兎の手を引っこ抜く。

そうして、すっかり水気を吸って重くなってしまったズボンを脱ぎ捨て、肌に張り付く

ような感触になった……これも、言わないが今日のための黒いショーツを脱ぎ去り。

ついでに、胸の上に残っていたシャツを脱いでしまって、すっかりと産まれたままの姿

になってみせる。

「……思い切りいいな、呉香」

「お陰様でね……こうなりゃもう、ヤケよ！ほら、来兎！アンタも脱いで！」

突然、服を脱ぎだした私に目を丸くする彼に、次はアンタの番だと軽く睨んで言う。

そうすると苦笑を浮かべた彼が、シャツを捲り上げるようにして脱ぎ捨て、そのままズ

ボンも放り出すように……パンツと一緒に脱いで、ベッドの横へと放ってしまう。

「……結構いい体してるわよね、アンタ」

「ふっ、機械の見せ掛けの身体だけどな。……呉香の方こそ、綺麗だぞ？」

「……っ！いいから、今、そういうの言わなくてっ！ …………ありがと」

筋肉が程よく付いた均整の取れた男らしい身体。

思わず、ちょっと目を惹かれてしまうと、またそうやって……私の恥ずかしさを上増し

させようとしてくる。

……まぁ、でも、言われて……悪い気は、しないけど。

「……選手交代、次は私の番だから」

「ん？呉香、それはどういう……」

「っ！だーかーらぁーっ！！」

彼をベッドに横にさせ、その上からまたがるように腰の上に乗る。

……お尻の下で、むくり起き上がっていたモノ。

彼のイチモツが、これから起きることに期待するように、動いたのが分かった。

「……散々弄ってくれたんだし、次は私が弄ってやるって、言ってんのっ！ ……覚悟、し

ときなさいよ？」

「……ハハハッ！ ……こんなに嬉しい、覚悟を決めるのは、初めてだな」

顔を赤くしながら言った私の言葉に、彼……来兎は。

ニコやかとも、ニヤつきともつかない……その両方が混じったような顔で、笑ってみせ

たのであった。

「ん……っ、おっき……。ちょっと、これ……アンタのすごい硬くなってきてるんだけど」

「好きな女の子がお尻押し付けてきてくれてるんだぜ？これで勃たなきゃ、男じゃねぇ

って」

くちゅりと、音を立てて私の場所と触れ合ってくる来兎の……モノ。

私が、お尻を前後に動かしてみせると、それに合わせてまだ少し柔らかかったソレが、

次第に硬く……それこそ機械なのかと思うほどガチガチになり、そそり立っていく。

「ふん……っ！お前を抱けないとか泣いてた癖に……！こんだけ硬くしてるのに良く言

えたもんだわ」

「ハハ……だからこそ、なおさら、だろ？」

潮を噴いた私のアソコ……秘部、おまんこ……まぁ、そう呼ぶところは、当然のようにぬ

めりを帯びていて。

硬くなって立ち上がってきた来兎の……ちんぽに、ぬちゃりと吸いつくように貼り付い

ていく。

「んっ……！」

「ぉ……っ！」

来兎のそそり立ったものに、擦り付けながら上下に身体を揺すると、膣口と……クリト

リスが擦られて、ビリリとした刺激が走る。

来兎も気持ちがいいのか、こうして擦ると眉を震わせて、小さく声を漏らした。

「……ん、ふ！悪く、なさそうじゃない……！アンタの、結構ぬるぬるしてるし……っ！

私の、ぬるぬるも合わせれば……かなり、濡れそう、ねっ！」

「呉香が喘いでるのみて、興奮しない訳ないだろ……っ！っ、ぉ……今も、こうして、お

前のを擦り付けられてて……正直、我慢するだけで手一杯だっての！」

はぁ、はぁと、息を荒げながら彼の先走りと、私の愛液を擦り込むようにして彼のちん

ぽを濡らしていく。

繰り返せば繰り返すほど、来兎も興奮していくのか。

跳ねるように動く私の姿を、睨むような……物欲しそうな、ゾクリとするような強い眼

差しで見つめながら、息を荒くしていっている。

「はぁ、ふぅ……こんなもの、かしら？」

暫くそうして、息を荒くしながらアソコを擦り合わせていると……少し離すだけで、に

ちゃりと音を立てて糸を引くまでに濡らすことが出来たのが分かった。

ここまで濡らせば、おそらく……もう十分だろう。

どうせ、私の方は……とっくに彼によって、湿らされているのだし。

「……来兎。そろそろ、ね？」

「あぁ。ゆっくりでいい、少しずつな？」

「ん……っ」

私は視線を来兎の瞳に向けると、次に進むと伝える。

彼はそれを受けて一つ頷くと、私の腰に手をあて、支えるようにして力を入れる。

その腕の力に甘えながら、私は腰を持ち上げ……そして、自分のアソコを、彼のモノの

先端に、ぴたりと……押し当てた。

すると、にちゃ……くちゅり……、と。

お互いに準備は整っていると、ソコは水音で応えを返してきた。

「ふぅ……流石に緊張するわね。……言っておくけど、ハジメテなんだからね？感謝しな

さいよ」

「分かってるさ。俺以外に、呉香のを奪う奴がいてたまるか。……いたら、正気でいられ

たか、自信ないぜ」

「ぷっ……！あんだけ女慣れしましたって態度取ってた癖に、何言ってんのよ！ ……バ

カね。ほんと、アンタ変わんない。変わってない……大バカだわ」

「おい笑うなって！ ……割と、マジなんだからよ」

彼の言葉に思わず吹き出してしまう。

すると、彼が子供みたいな顔で文句を言うものだから、余計におかしくてくすくすと笑

みが零れていく。

お互いに裸で、いざコトに及ぼうとする直前に何をしているのやらと思うけれど……そ

れでも、彼の変わらなさが、何故かたまらない程愛おしく思えた。

「はいはい、悪かったわよ！ ……じゃ、いくわよ。ん……っ！」

苦笑まじりに答えてから、ようやく気持ちが落ち着いてきて覚悟が決まった。

ゆっくり、お尻を……私のアソコを、おまんこを。

そそり立っている彼の先端に、沈めていく。

「んぁ、くっ……んっ！」

「っ！くれ、か……っ」

ずぷずぷ、くちゅくちゅと、鈍い水音を立てながら彼のモノを飲み込んでいく私の身体

。

やがてそれがほんの僅かな抵抗感を覚える引っかかりに出会い……私はそこを勢い良く

腰を押し込んで乗り越えた。

すると、つぷん、と。

身体の奥で何かが切れるような感覚がして、来兎のモノが一気にずるりと私の奥へと入

り込む。

「んくっ！？んっ……っ、はぁ……っ！」

「おい、呉香！？無茶しなくて……！」

「何言ってんのよ。これくらい、普段の仕事に比べたら余裕よ……余裕っ！」

実際僅かに痛みを覚えなくはないが、任務で傷付くのに比べたらどうということはない

痛みだ。

ただ、痛みを感じて痙攣しているからか……私のアソコが来兎のを締め付けるように纏

わりついてしまっていて。

それが彼のカタチを私に、身体の奥から分からせてくるようでむしろそちらの方が……

気になった。

「ん、ぅ……。ヤバ、アンタの本当にガチガチ過ぎ。私の中で、すごい膨らんでるの分か

るんだけど」

「こんなになって萎れられる程枯れちゃいねぇよ！ ……本当に大丈夫なんだな？」

「うん、平気。むしろアンタの形が分かる圧迫感の方が、なんかこう……すごいくらい」

「そうか……。俺のの方が、すごいか……」

何でか知らないが私が彼のが分かると伝えると、噛み締めるような顔を来兎はした。

……ひょっとして喜んでるんだろうか？

だとしたら、何というか……すごく気恥ずかしくて、妙にこそばゆく……嬉しい。

「何、変な顔してんのよ……っ。ここからでしょ……んっ！ ……動く、わよっ！」

恥ずかしさを誤魔化す意味もあって、私は彼のモノを収めながら、腰を上下に振り始め

る。

ぷくりと、私の中で膨らんでいる彼が、引き抜かれていき……そして腰を落とすとまた

入りこんでくる。

「ん、ぁ……は、ぁ……んっ、んんぅっ！」

「くれ、か……っ！」

私の中、膣の中で作られる隙間と、それを埋めてくる硬い肉の杭。

交互に繰り返されるその連鎖に、思わず声が漏れていく。

気持ちいいのかは、正直……よく分からない。身体の中に太いモノが入ってるという違

和感の方がまだ強い。

でも……。

「ど、ぉ……らい、とぉっ。きもち……ぃぃ？」

「あ、ぁ……っ！呉香のが、ぎゅっと締め付けてきて……いい、具合だっ」

「あ、は……っ！そう、じゃあ……んっ！もっと、シた、げるっ！」

彼が、気持ち良さそうに、眉をピクピクさせて堪える姿が……すごく、心地良い。

だから私は、もっと……もっと、彼に気持ちよくなって欲しくて、腰を振る。

腰を上下させながら、時に前に体重をかけ、膣のヒダでぞりぞりと彼のモノを擦り上げ

る。

お腹に力を込めて、きゅっと彼のを膣で咥え込みながら、私の腰を彼の腰まで落として

、ぐりぐり、ぐりぐりと捻じりながら擦ってみせ。

そうしていると、私の中からもとろとろと蜜が溢れ出てきて、彼のモノにしっとり絡み

付き始めて……。

「んっ、ぁっ……！なんだか、わたし、も……きぶん、でて、きた……かもっ！」

「っっ！ ……すげぇ、いい。マジで、最高の……気分、だっ」

「あ、は……うれ、しっ！らいとぉ、ね？キス……キスして、んっ！」

「おぅ……！んっ！」

腰を上下左右へと動かしてみせながら、昂った気持ちのままに身体を倒して来兎にキス

をする。

彼もまたそれに応えてくれて、舌を絡め、唇を吸い合い、腰を動かしながらの唇の奪い

合い。

手は自然とお互いを求めて動き、ぎゅっと……所謂恋人握りの形をとっていた。

「んちゅ、ちゅっ、ちゅるぅっ！ ……んんぅっ！らいとぉ……らいとぉっ！」

「くれか……おれのっ、くれか……っ！！」

ぱん、ぱん、ぱん。

ちゅぅ、ぢゅる……ちゅぅっ。

生々しいケダモノみたいな音を響かせて、私と彼は交わり続ける。

そうして、腰を振っていると……段々と私の中の彼のモノがビクビクと震えはじめ。

それが、どんな意味なのかは……自然と、分かった。

「らい、と……でる？んっ！でそう、なのっ？」

「あぁ、出る……っ！くれかの中に、全部……出すっ！！」

「……っ！！ ……ばぁーかっ！」

あぁそうだ、そういえば避妊……コンドーム、してなかった。

今更そんなことを思い出したけれど、でも、まぁ……いいか、と思ってしまった。

それはきっと、私を必死に求める彼の姿が……あまりに、愛おしすぎたせいかもしれな

い。

「いいわ……だして、だして、らいとぉっ！ぜんぶ、ぜんぶうけとめて……あげるっ！！

」

「っっっっ！！くれかぁあああっっっっ！！！！」

「んっ！？ぁ……んんぁあああああっっ！！？？」

私が彼に、受け入れると告げた瞬間。彼のモノが大きく膨らんだ。

腰を思い切り押し付けられ、私のお腹の一番奥。

子宮に、ぶつけるような勢いで彼のモノが押し付けられる。

そして……。

どくっ……どぴゅっ！どくっ、どくっ、どくっ、どくっ！！

「ふ、ぁ……ぁっ、ぁ……く……ん、ぁ……ぁあああっ！」

熱い、とろとろとした液体が、私の中に注ぎ込まれるのを、確かに感じた。

お腹の中が、ビクビク跳ねる彼のモノから出る、どろどろの液で満たされていく。

そんな訳はないけれど、お腹が彼の液でぽっこりと膨らんだかのような幻想。

そんな感覚さえ抱きながら、私は彼の熱に溺れるように喘ぎ声をあげた。

「あっ……ぁっ、はぁ……あぁぁ……は、ぁ……んんぅっ」

「っ！！ふぅー……はぁー……すげぇ、でる……っ」

「ば、か……だし、すぎ……よっ。んんぅっ……！」

いまだに収まらず、お腹が、膣が、びゅーびゅーと液と震えに揺すられているのを感じ

ながら、彼の手を握る。

彼もまた、腰を合わせながら、私の手を握り返してくれた。

そうして、暫くしていると……ようやく彼のモノも落ち着いてきて……。

ずる……ぼ、びゅっ！

……私の膣から、まぬけな音を立てて彼のモノが外れて、注がれた白濁の液が逆流した

のが分かった。

「……思いっきり出してくれちゃって、……どうすんのよ。子供とか出来たら」

「なんだ……産んでくれないのか？」

「なっ！？ば、バカっ！！まだ早いって、そういうこと言ってんのっ！！」

「ハハ……“まだ”、か。そいつは、嬉しいな……！」

「……ったく、何笑ってんのよ。もう……っ！」

ちょっとまずいことをしたというのに、まるで気にしてない様子の来兎に私は呆れてし

まう。

……でも、なんだかそれで力が抜けたというか。

意識し過ぎるのも変なのかもしれないと思えて来て……、気怠い満足感に浸るように、

彼の身体の上に身を横たえることにした。

「はぁー……もういいわ。……どう、スッキリした？」

「おぅ……まぁ、ヤって欲しけりゃ、まだ出来るけどな！」

「バカ……っ！ちょっと疲れたんだから休ませないよ！ ……えっち」

彼の胸を枕にするようにして横になると、ニヤついた来兎の顔が近くに見えた。

まったく、たっぷり出したくせにまだ出したりないのか、この男……。

ジト目を向けつつも、恥ずかしさがこみ上げて来て、また顔が熱くなるのが分かる。

ただ……私も相当だなと思う。

文句も不満もあるのに、こうして悪くなかったって態度で示されると……続きをしてあ

げてもいいかも、なんて考えてしまうんだから。

「ふん……兎に角、休憩っ！ ……アンタの胸を枕に寝かせてよ」

「ふっ、そんな可愛いお願いされちゃな……嫌とは言えねぇや」

くしゃりと、彼の手が私の頭を撫でた。

頭を撫でて、顔を撫でて、私の顎を撫でてくる……まるで猫でもあやすみたいに。

「んっ、もう……猫扱い？ちょっと酷いんじゃないの？アンタのために頑張ってあげ

た、彼女に対してさ」

「……ハッ。呉香が猫なら、それはそれでいいんだけどな。俺が世界で一番愛する、可愛

い子猫だ」

「むっ……誰が、猫……よっ！はむっ！」

「んぉ、ちょ、おい……ハハ！呉香、お前なぁ！」

そう言って、行為の後の気怠さの中、私の頬を撫でる彼。

頬がくすぐったい。

彼のざらっとした感触の指が触れてくると、なんだかムズムズしてくる。

私は、その指をかぷりっと、甘噛みをしてやった。

ちょうど、彼が私を猫扱いした、そのお返しのように。

「ん、むっ……人を、猫扱いするから、よ！」

「それで噛んできてどうすんだよ。それだと本当に猫みたいだぞ、ったく」

苦笑をしてくるが、手を引っ込める気はない様子の来兎。

だから私は、彼が指を私の口に持ってきている間、カプカプと甘噛みを繰り返してやっ

た。

汗を流し、アソコから男女の交わりの液を流しながら……昔の、小さい頃にふざけあっ

た、あの頃みたいに。

「……なぁ、呉香」

「んぁ、なにほ？」

「……俺は、お前の味方だからな」

突然、来兎がそんなことを言ってきた。

私は驚いて、噛んでいた指を放す。

すると、不思議な程真剣な顔をした彼が……じっと、私を見ていた。

「突然何よ、来兎。そんなこと、分かってるわよ……」

「……そっか。それならいいんだ！」

壊れものを扱うみたいに、また私の頬に手を当てる、来兎。

……なんだか、その様子に落ち着かない気分になって、私は思わず彼の手を掴んでしま

う。

「どうしたのよ、急に変よ？何かあったの？」

「いや、なんでもない。ただ……」

突然、私が掴んだ彼の手が私の背に周る。

ぎゅっと……強く、抱きしめられた。

放したくないとばかりに、傷つけないようにしながらも、ただ、強く。

「ただ……俺は、ずっとお前の――」

「来兎？ちょっと……ねぇ、どうしたのって！何かあったんなら、話を聞くから、ね

ぇ！？らい」

――ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ……ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ……ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ

突然、遠くで電子音が鳴ったのが聞こえた。

すると急に世界が暗転して、私の目の前から部屋が、ベッドが、全てが消えていく。

残るのは抱きしめている来兎の姿、それだけで……それも、段々と薄くなっていき。

「なにこれ！？来兎！？ちょっと、来兎……！」

叫ぶ私に対し、何も言わず彼はまた私を強く抱きしめた。

そして、顔を寄せ……消える前に、また私にキスをした。

――ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ……ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ……ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ

「来兎……らいっ！！」

ガバリと、身を起こす。

寝間着にしているシャツは汗まみれになっていて、ベッドの上で私は荒い息を吐いてい

た。

横を見れば、目覚まし時計が起床の時間を示し、無情にベルを鳴らしていた。

「…………夢、か」

少しの間、呆然としてから、私は状況を把握し始める。

どうやら、とんだ夢をみていたらしい。

あまりにもあんまりな夢の内容に、思わず苦虫を噛み潰したような顔をしてしまう。

「まったく……人の身体に入ったからって、こんな夢見せる？ ……ったく、バカ来兎」

そう言って、つい先日……。

機械の身体になってしまった彼が残したパーツを組み込んだ、私の腕と肌を、抱きしめ

る。

すると、そこに彼の意思が宿っているはずなどないのだが、どくんと一つ脈打つものが

あるように感じた。

「……はぁ。他人に話せやしないわね、こんな夢見たなんて。欲求不満なのかと思われそ

う」

私は寝汗を拭うために、洗面所に向かうと顔を洗う。

今日は、私の教官としての初日となる日だ。

とんだ夢を見させれたが、これで調子を崩して、将来のチルドレンたちに舐められる訳

にはいかない。

寝汗を拭き、身体も軽く拭きとると、私は気合を入れるため、両手で頬をパンっと叩く

。

「よっし！ねぇ……ずっと、一緒なんでしょ？だったら……」

気合を入れ終えると、用意しておいた着替えに手早く着替え、教官用のジャケットに袖

を通す。

そして、外に向かうべく扉へと向かい。もう１度だけ、彼が入った腕と肌に語り掛けた

。

「私たちの夢、チルドレンが……救われる世界へ進むため。さぁ、行くわよ！来兎！！

」

そして、私は扉を開ける。

未来のチルドレンたちが待つ、その場所へ向かうために。