とある正午、カフェテリアのあるテーブルを3人のウマ娘が占めて食事をしていた。 学園でも有名な3姉妹、エピファネイア・リオンディーズ・サートゥルナーリアだった。 三人そろって良く言えば明るく元気、悪く言えば少し乱暴なキャラクターで知られている。 そのためか、周囲のウマ娘たちも心なしか距離を取っているが、彼女たちはお構いなしであった。 「でさぁ、この前新しい店行ったときに…」 「あっ気になってたとこ!いいの置いてた?」 リオンとサトルの二人が仲良く話し込む中、エピファは1人スマホをやたら気にしていた。 「…まだかな」 「どしたの?エピ姉ちゃんさっきからスマホ見て」 リオンが顔を寄せて画面を覗き込もうとすると、エピファは慌てて引っ込める。 「コラ!勝手に見んなバカリオン」 「えーいいじゃん!見せてよ」 「リオン姉ちゃん、食べないならこれもらうよ」 「あー待って!ハンバーグ取るなー!」 二人が掴み合ってじゃれ合ったその瞬間、エピファのスマホに振動が走る。即座に身体で隠しながら画面を見る。 『上がりました 部屋で待ってます』 簡素なウマインのメッセージを見た途端にエピファは立ち上がり、ほぼ食べ終わった皿をトレーに載せた。 「ごちそうさまっ!」 「え!姉ちゃんもう食べたの!?」 「…最近エピファ姉ちゃん、食べるの早いよね」 「あんたらが遅いの!先上がるね」 言うが早いがそそくさとトレーを返却口に出し、足早に食堂の出口へと歩いて行った。 その背中を見つつ、二人の妹たちは残った食事を平らげていった。 寮の玄関を通ると、階段を上がり3階まで向かう。通路の奥へ行くときには、ほとんど走っていた。 【エピファネイア/コントレイル】と書かれたプレートのかかったドアの前に立つと、荒い息のままノックする。 はい、と答える声がしてドアの鍵が外れると、エピファは吸い込まれるように中に入った。 鍵のかかる音が、誰もいない廊下に響いた。 「ごめんコンちゃん!ご飯食べててちょっと遅れちゃった…」 ドアを後ろ手に閉めたエピファは、息を整える間もなく申し訳なさそうに言う。 室内は白いカーテンが閉められており、正午にしては薄暗かった。二つあるベッドの片方に、彼女は座っていた。 コントレイル。エピファネイアのルームメイトであり、少し年の離れた後輩にあたる中等部の生徒。 そしてこの度栄えあるクラシック三冠レースを制した三冠ウマ娘でもある。 普段は快活で健気なイメージで一般に知られる彼女だが、もしファンが今の彼女を見れば必ず首をかしげるだろう。 にっこりとほほ笑んだその顔は、天真爛漫というより妖艶という言葉を使いたくなるものだった。脚をゆっくり組み替える。 「大丈夫ですよ、エピファネイアさん。呼びつけてしまって御免なさい」 笑みを崩さないコントレイルに、エピファネイアはそそくさと近づきその横に座った。二人はほとんど密着していた。 「いいの!私がコンちゃんのことが好きなんだから…」 コントレイルの手はいつの間にか動いていて、隣のエピファネイアの脚に触れていた。 撫でる。手はやがて肌の表面を滑り、スカートに触れてさらに上に上がろうとしている。 その動作一つ一つに身体を小さく震わせ、エピファは顔を真っ赤にしながら手の行方を見つめている。 「エピファネイアさん」 ふと耳元で聞こえた囁き声に身体を震わせながら顔を上げると、目の前にコントレイルの顔があった。 唇が合わさる。じっとりと湿った水音が、薄暗い室内に漂う。舌が交わり、舐り合う。 その間も太ももに添えられた手は止まらず、短めに折られたスカートを器用にたくし上げ、その中へと手を伸ばす。 やがて態勢が変わる。エピファネイアが少しづつ身体を倒されていき、ベッドに背中を預けた。 それでもキスは止まらない。完全に上を取ってもなお唇を貪りながら脚を愛撫し続ける。 ついに唇が離れた時、エピファネイアは完全に蕩けていた。視線はうつろで、身体から力が抜けている。 はぁー、はぁー、とさっきまでとは違う息遣いが聞こえる中、コントレイルは手慣れた様子でその服を剥ぐ。 やがて二人とも下着姿になると、横たわる豊かな身体に細くしなやかな身体が伸し掛かり、絡み付いた。 ベッドの軋む音と水音、そして小さく押し殺した嬌声だけが部屋を満たしていく。 「そういや姉ちゃんのルームメイトって誰だっけ」 「コントレイルちゃんだよ!前言ってたでしょ」 「ああそうだっけ…最近すごく仲いい気がしてさ」 「そーだね!いいことじゃん、姉ちゃん気難しいし」 「うん…」 「サトル、なんか気になるの?」 「…いや、別に」