…ごくっ、ごくっ、ごくっ。 「ふぅ~やっぱり風呂あがりには珈琲牛乳ですね!ブライアン先輩!」 「ああ、そうだな。それに無人浴場も悪くないな」 番頭のいない公衆浴場の脱衣所で、風呂からあがった二人のウマ娘が瓶の珈琲牛乳を飲んでいた。鼻にテープを貼った三冠ウマ娘のナリタブライアンと、 片目を髪で隠したウマ娘、ヴィクトリアマイルにて蹂躙とすら言える快勝を果たしたウオッカであった。 「……でも青椒肉絲のピーマンゴミ箱に吹き捨ててたらそりゃ怒られもしますって……」 「スカーレットと四六時中ケンカしてるオマエが言うのか……今回だってそうだったろう」 ナリタブライアンは姉のビワハヤヒデと、ウオッカは同室のダイワスカーレットとちょっとした諍いを起こして別々に学園を飛び出し、たまたま外で出会い郊外の無人公衆浴場でお湯に浸かりながら諍いの内容を話し合い、気分を落ち着けていた。 「スカーレットも頭が冷えた頃合いだろうから、そろそろ戻って一言謝ろうかと思います。俺にも非がないわけじゃないし」 「……流石に口に含んだものを捨てるのは行儀が悪かったか。私も姉貴のところへ戻るつもりだ」 番頭も他の客もいない二人だけの入浴で心も落ち着いたか、二人は喧嘩した相手の所へ戻る気になったようで、いそいそと帰り支度を始める。 「……あれブライアン先輩、髪乾かさないんですか? 「必要ない。勝手に乾く。」 「ドライヤーも置いてあるんだから乾かしといたほうがいいですよ?俺、先輩の分の空瓶も片付けてきますから。」さ そう言って去っていくウオッカを尻目にブライアンは渋々ドレッサーの前に腰を降ろす。 「ウオッカのやついらんことを……いつもカッケーカッケー言うわりに妙に世話焼きなんだよな……姉貴っぽいというか、母親みたいな……」 ブライアンは髪を乾かしながら一人ごちり、ふと考える。 「アイツも、姉貴も、いつかは母になるのか?どんな男と結ばれる?……その時私は……?」 子供と接する二人を空想して、すぐに頭を振るってそれを打ち切る。 「……くだらん。私らしくもない。」 そう短く吐き捨てると、まだ乾ききっていない髪を髪紐で結んで立ち上がる。 「ウオッカはまだ戻らないか。ゴミ捨てにそこまで時間かけるか?」 扇風機にでもあたっているのかなどと考えながらウオッカを迎えにいくブライアン。ところが、入り口近くの角を曲がったブライアンの目に飛び込んできたものは───── 「うわぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」 壁にあいた裂け目から生えてきた赤紫色のイソギンチャクの腕のような大小さまざまな触手がウオッカを絡めとり、裂け目に引き摺りこもうとしている光景だった。 「なっ……なんであんなモノが!!?」 入ったときは何もなかったところに突如出現した化け物に驚きながらも、ブライアンはすぐにウオッカに駆け寄り触手から引き剥がそうと彼女に掴みかかる。だが、重量数百kgのベンチプレスをこなすナリタブライアンの力をもってしても、触手はびくともしないどころか、逆にブライアンは引き摺られていく。 「ブライアン先ぷムグううううう!?」 ブライアンに何か叫ぼうとするウオッカの口を触手は塞いでしまう。 「ウオッカ!!今すぐ助けだすからな!!」 ブライアンはいっそう力を入れながらウオッカに叫びかける。だがついに裂け目に二人は飲み込まれていく。 「ヒビに入っていく!?バカな……!このままだと……」 ここで手を放すべきだ、と本能が告げたが、それをしたらウオッカは帰ってこない……そんな気がしたブライアンは一抹の不安を抱えながらもその選択をすることができなかった。 「な……なぜ入る……あんな裂け目に……うおおおおおっ!!」 2mないはずの壁の亀裂にウオッカの姿は消え、ブライアンの身体も引っ掛かることなく吸い込まれていく。力を振り絞って片足を壁にだして踏ん張るも、すぐに引きこまれてしまった。 あとには、ウオッカの機械めいたアクセサリーだけが残された。 「う……ここは……?」 気がつくと、ナリタブライアンは一面タイル張りの空間にいた。どこかの洞窟なのか地下室なのか……しかしどこからか光が差しているのか、電気系統が生きているのか、不思議と真っ暗ではなく仄かな明るさがあった。 「裂け目が……ない!一体どういう……」 後ろの壁を見やっても、あれだけの触手とウマ娘二人が出入りしたはずなのに、ひび一つなかった。まわりを見渡しても、ウオッカの姿はない。壁の中に分かれ道があって、ウオッカは別の場所に出たのだろうか? 「……とにかく、ウオッカを探さないとな……生きていてくれよ……」 昔テレビかなにかで見たクラゲが魚を捕食する映像を思いだしてブライアンは身震いする。後輩の無事を祈りつつ、ブライアンは薄暗い洞窟に踏み入っていった。 「やめろー!放せーっ!!」 触手に捕まりブライアンと引き離された場所に引きずり込まれたウオッカは、四肢を拘束された状態で仰向けの体勢で吊り上げられていた。 「畜生!なんでこんなのが日本にいるんだよ!ゲームかなんかじゃねーんだぞ!?」 目を見開き歯を剥いて必死に暴れようとするウオッカ。しかし柔らかいのに強固な触手はびくともせず、より小さな触手がウオッカの体を這いまわり、粘液で汚していく。「やめろっ!どこ触ってんだこの変タ……えっ!?」 ウオッカの服装に異変がおこる。粘液に触れた布地が溶けて、すでに長ズボンはいつも着用するブルマのようになっていた。 「なななっ!?なんで服が~~!??」 ウオッカはかつて床屋で読んだ漫画を思い出していた。その漫画では悪党に囚われた娘が見世物として服だけを溶かす怪物をけしかけられるという内容だった。みるみるうちにあられもない姿になっていく娘の姿を見て順番待ちの途中で盛大に鼻血を吹き出して一悶着あったのだが、今まさにフィクションだと思っていた光景が現実となろうとしている。 「やめろー!!溶かすなー!!」 数分後の自分の姿が脳裏に浮かび、ウオッカは鼻血を吹き出しながらさらになりふり構わず抵抗する。しかし、それはかえって服の溶解を早めるだけだった。すでにお気に入りの竜巻の意匠のシャツは布切れになって散らばりだしている。ブラも穴が空き始め、ホックも外れかけている。 「~~~!こんなの…恥ずかしすぎるだろ…!!」 顔を真っ赤にしながらうわずった呻きをあげるウオッカ。だがもっと恐ろしいことが彼女を襲う。一本の薄桃色の触手がウオッカの胸の谷間に飛びかかり、複数の毒針を突き刺す。 「痛っ!俺に何を……なっ!?胸が苦しく……があっ!?あっああ……!」 ハンコ注射をうたれたような痛みに一瞬顔を歪ませるも、すぐにより激しい胸の痛みに襲われる。こむら返りでも起こしたような、まるで胸が自分の体でなくなったような感覚に苦しんでいたウオッカだが、目に見える形で変化が訪れた。 「ん……?……なにか……来!?」 ぼるんっ!!ぶるんっ!! ウオッカの、他の同身長のトレセン生徒の中でも小さかった乳房が、まるで水風船を握ったように膨れあがった。仰向けで暴れていたウオッカの視界に急激に大きくなった己の胸が飛び込んでくる。溶け破れ申し訳程度に胸にかかっていたぼろぼろのブラはその勢いで弾かれ、胸が丸出しになってしまう。 「わわあっ!?胸がぁ!?デッカく……あんっ、なんだ……!?」 膨れあがり、剥き出しになった自分の胸を見てウオッカは更に顔を赤く染める。 さっきまでの激痛が嘘のように引いたと思った直後、反対に甘い疼きが彼女を蝕み、やがて全身から力が抜けていく。防水を謳った腕時計といえどウォーターカッターには切断されるように、毒に強いウマ娘といえど、手術用の麻酔は受け付けるように、触手の粘液による媚毒の効果は着実にウオッカを蝕んでいた。 「はん……あたま……ぼーっとして……もう……やめ……」 ズボンは完全に溶け、飾り気のないパンツも破けていった。一本の触手が拭うような動きで彼女最後の砦を剥ぎ取り、ついにウオッカは一糸纏わぬ姿にされてしまった。溢れる鼻血が逆流しないようかろうじて頭に角度をつけることが精一杯で、媚毒のまわった身体を好き勝手に弄ぶ触手になすがままにされている。 「はぁ……はぁ……いや♥️や……やめろぉ……♥️」 ウオッカの口から、いつもの彼女からは考えられないほどの甘い喘ぎ声が発せられる。 (今の声……本当に俺の声なのか……?嘘だろ?俺からこんな声出るなんて……信じらんねぇ……) 彼女自身、驚いていた。自分の口からあんな色っぽい声が出たことが認められなくて、でも抑えられなくて……その間に触手の責めはさらに加熱する。 新しく、ムカデメリベのような触手が出現する。まるで品定めするかのようにうねうねと伸縮したと思ったら、突然ウオッカのに同時に襲いかかった。その吸盤のような口で吸いつかれた両胸は、重量に逆らって持ちあがる。 「わひぃ!?吸うのヤッ♥️ヤメェ……んっ♥️」 大きくなりたてで敏感になった乳を刺激されてウオッカはなすすべなく短い悲鳴をあげながら仰け反る。そして何度も胸を弄ばれるうちに彼女に更なる変化が訪れる。吸われた乳首から母乳が吹き出し、触手の中をまるで麺のような線になって流れていく。 「えっ……?母乳でてる……なんで……?」 自分から出た母乳の行方をウオッカは目で追いかける。既に息は荒く弾み、口は半開きになっている。 新しい触手が天井から垂れ下がってくる。触手の先端の穴からアリクイのそれのような長い舌がウオッカから流れる鼻血を舐め取りだす。 「んんっ~っ、にゅるにゅる、が、触れてぇ……」 鼻、口元、喉、そして谷間……にゅるにゅると舌が暴れるたびにウオッカは身悶えする。 出来上がっていくウオッカに特段長い、円筒状の黒とピンクのマーブルカラーの触手が姿を現す。触手はゆっくりと、既に透明な粘液が滲みだしているウオッカの股に迫る。 「まさか……これって…ちょっ……そこだけはやめっ」 ウオッカは自分でもわからない恐怖と羞恥、そして僅かの期待から拒絶の言葉を発するも、触手に開かされた両足を閉じることはできなかった。 触手はウオッカまで迫ると、ついにその先端を彼女の大事な割れ目にあてがい、そのまま潜りこんでいった。 「うあぁぁぁっ♥️すげぇ♥️の♥️なかにっ♥️」 ウオッカの乙女の証はあっさりと破られるも、媚毒のまわった身体は痛みも薄くし、痺れとなって彼女を更に鳴かせる。 「太いのがぁっ♥️奥でビクビクしてぇ♥️」 挿入された触手が伸縮するたびにウオッカは震える声で喚き、腰も触手の動きにあわせて反応してしまう。 「にゅるにゅるにぃ♥️はだかにされてぇ♥️だせぇのにぃ♥️はずいのにぃ♥️♥️」 人間ですらないような怪物に裸にされる恥ずかしさと情けなさでウオッカは嘆くも、なすすべなく全身で快楽を受け入れてしまう。 そして触手から生暖かい粘液が放出される。それと同時にウオッカも絶頂を迎える。 「ああああん!あああああん♥️きもひいいっ♥️♥️」 胸に、陰唇に……生まれて初めて浴びる甘く激しい刺激に翻弄され、ウオッカは嬌声をあげるのだった─── 「……しかし、広いな……ウオッカはどこだ?」 ウオッカが触手に蹂躙されている頃、ナリタブライアンは暗闇を彷徨っていた。左手を壁につけ、後輩と出口を探し歩く。 「……なんだあのウネウネは……そういえば姉貴が言っていたな。とある無人島の近海で巨大烏賊が発見されたと……」 すこし前にビワハヤヒデがそんなことを言っていたことをふと思い出す。そんなデカいものが存在する以上、生きていて目にする可能性は0ではなく、ましては現に遭遇したのだからと、ブライアンは起こったことを現実だと認識する。 「……しかしどうやってウオッカを救出しよう。私の力でもびくともしなかったのだから……」突然の出来事を振り返りブライアンは思考を巡らせる。 ぐじゅり。 「ひぃ!?」 不意に、ブライアンは尻を撫でられたような感覚に陥り、声をあげる。これまでトレーナーに身体を触れられたことは幾度もあれど、それとは比較にならない嫌悪感であった。思わず振り返るも、そこに痴漢はいるはずもなく、その隙に突然右手を拘束されてしまう。ウオッカがそうだったように、ブライアンも触手に襲われたのだった。 「しまった!いつの間に!!クソっ!!」 絡みついた触手を引き剥がそうとするブライアンだったが、腕まで巻きつく触手と格闘している間に両足にも新しい触手がまとわりつく。気がつけば辺りには床や壁の裂け目から次々と触手は増え、ついにブライアンは立った姿勢のまま四肢を拘束されてしまう。 「クソ!!離れろ!!……なんだ?尻のあたりがスースーして……ハッ!?」 さっき撫でられた部分のズボンの布地が溶けてサイズ85の尻が露出する。ブライアンは触手が邪魔では直接は見えなかったが、空気に触れる感覚で何が起きたかは想像できた。 「なぜだ……!?さっきは触っても溶けたりしなかったのに……!なっ!?動きが変わって……!?」 まるで触手は洗面所で洗った手をタオルでふくように、ブライアンの服に粘液をなすりつけた。ブライアンの白い洋服は粘液を吸って濡れたティッシュペーパーのように崩壊しだし、濃い紫のブラジャーが顔をだす。 そのブラにも触手が絡みつき、引き千切ろうと蠢く。 「やめろ、それは───」 ブライアンはこのブラを買った日を思い出していた。この下着は彼女が自分で選んだのではない。あの日は、穴が空いてぼろぼろになったブラを気にせずに付けていたブライアンを見かねた姉とその友人と当事者の4人でショッピングモールにある洋服屋へ行ったのだ。 「アタシはねー!!下着にはちょっとうるさいんだー!!!」 (うるさいのはいつもだろう) ビワハヤヒデの友人、ウイニングチケットは下着には人一倍気をつかう性分で、これがビワハヤヒデが彼女を誘った一番の要因だった。 「タイシン、君には少々退屈だろう。ゲームコーナーに遊びに行ってていいぞ?2~3クレジットあれば足りるか?」 「……別にいい。買い物、付き合うから」 100円玉を数枚渡そうとするハヤヒデをタイシンは止める。実際のところゲームコーナーのほうに興味があるのだが、なんだか子供扱いされたような感じと誘っておいて仲間外れにされたような感じが気にいらなかったのである。 「あったあったー!こっちだよ!!」 チケットはブライアンの手をひいて女性用下着コーナーに連れていくと、レースのついた紫のブラジャーを手に取った。 「これこれ!これなんかいいよ!コットンでできてるから蒸れないしかぶれないし肌触りもいいんだ!!」 (・・・・・・) 真剣におすすめ商品のよさを語るチケットにブライアンは内心感心する。友達の妹でありながらまるで自分のことのように向き合うその姿勢はぶっきらぼうなブライアンにも感じ入るところがあった。しかし…… 「でもコットン素材は伸縮性がイマイチだから気持ち大きめにしておこう!ブライアンのバストはたしかきゅーじ」 「わわわわっ!!やめろバカ!黙れ!!」 突然自分のスリーサイズを爆音で言おうとするチケットを目を白黒させたブライアンは慌てて止める。 (いくらトレセン公式HPでスリーサイズが公表されているからって人がいる店で言うことじゃないだろ!) ところが、ハヤヒデはむしろチケットに味方するように妹を咎める。 「こらブライアン、チケットはお前のために選んでくれているのに、バカとか黙れなんて失礼じゃないか!?それに彼女は先輩ダービーウマ娘なんだからそのことをもう少し……」 「え……?姉貴………?」 自分ではなく友人を庇うような発言をする姉に、ブライアンは軽い目眩をおこしたような感覚に陥る。 (おいおい……あともう少しで妹のスリーサイズを大声で暴露されるところだったんだぞ……!?) 信じられないといった表情をするブライアン。一方チケットは発言を遮られ黙れなどと言われたことに驚きはしたものの、すぐに気をとりなおして別の下着に手を伸ばす。 「そっか……じゃあこっちはどう!?これはワイヤーが入っていないタイプで……!!」 「だから声がデカいって……!」 「誰の頭がデカいって!!?」 また大声で下着を説明しだすチケットを再びブライアンは止めようとするが、頭の大きさを気にしているハヤヒデがデカいの言葉に反応し鼻息も荒く感情的になる。 「……ゴメン、やっぱりアタシゲームコーナー行ってくる……って聞こえてないか……」 店内でわにゃわにゃと騒ぎたてる3人に対しナリタタイシンはげんなりした表情を浮かべる。一応声はかけたものの反応がないことを確認するとLANEにゲームコーナーに行ってくるというメッセージを残してふらりと服屋から抜けだしていった……。 結局チケットのすすめる通りの下着を購入したブライアン。下着に造詣の深いチケットが選んだだけあってそのブラジャーの着心地は良好でブライアンのお気に入りとなっていた。帰りにモールにあったレストランで同じピザを4人で分けて食べたことも含めて、なんだかんだ楽しい思い出となっていた。 その思い出まで穢されたような気がしてブライアンは今まで以上に怒りの念が湧きあがるのを感じた。 「もう許さん!!いい加減にしろ!!!」 恐怖と怒りが混ざり感情を押さえられなくなったブライアンは身体を拘束し口元まで伸びてきた触手に思い切り噛みついた。人体なら一噛みで食い千切れる恐ろしい咬合力で歯を突き立てるブライアンだったが、触手はまるでとんでもなく皮の分厚いソーセージのような、ガチガチに凍ったポリエチレン詰清涼飲料水のような固さで、びくともしなかった。 「プッ!固いな……だが歯形はついた……次で噛み千切るっ!」 口に入った粘液を吐きだし、一旦噛みつきをやめ呼吸を整えもう一度より強く噛みつくブライアン。 しかし再び歯をたてた瞬間、触手はまるでわざと噛み千切らせるかのように、急にその強度をなくした。先ほどの弾力を想定した噛みつきは容易く触手を噛み破り、勢い余って歯同士が凄まじい速度でぶつかって軋み、所々欠けてしまった。 「ああああ!痛だあああい!苦い苦い!おえっ!」 流石のブライアンも激痛に耐えられず痛がる。触手の粘液はほとんど無味だったが、その中身は粉末漢方薬をまぶしたケールのようなむごたらしいほどの苦味がした。痛みと苦味の二重苦の前には、三冠ウマ娘だろうと打ちのめされずにはいられなかった。 ブライアンが脱力したところを触手は逃さなかった。ブライアンは完全に身動きがとれなくなり、ついにブラジャーはストラップもセンターも千切られ、地面に落ちて溶けて消えていった。下半身も穴が空いた部分からどんどん布地が消え、股下の部分がずり落ちてしまった。ウオッカ同様、ナリタブライアンもまた触手によって生まれたままの姿にされてしまった。 「クソ……!裸に……!よくも……!」 ブライアンは顔を真っ赤にしながらそれでも拘束を外そうとするも、動きらしい動きといえば、その大きな胸を揺らすことが精々だった。 いつの間にか桃色の、ウオッカの胸をミルクの出る巨乳に変えたあの触手がブライアンの丁度同じ場所に注射をしたが、歯の痛みに注意がいっているブライアンは気がつかず、また毒の効果もすぐには現れなかった。 「ひゃんっ!オイ、や、やめろ……んん……」 触手はブライアンの胸に、まるで海に浮かぶブイの保護網のように絡みついた。 「コイツ……ムネばかり執拗に責めて……あっ!?」 ブライアンの豊満な胸を締めては緩めたり、乳首をつねり上げたり、伸縮し谷間に挟ませたり……胸への執拗な責めの前に、ブライアンも顔を赤らめ、羞恥と気色悪さに小さく悲鳴をあげてしまう。そして、文字通りもみくちゃにされる胸にばかり意識が向いていたがために、背後から現れた、あのウオッカを犯した触手に気がつかなかった。 「クソッ!人の胸をオモチャみたいに……んひゅうう!?」 不意に蟻を戸渡りをなぞられた感触に、ブライアンは情けない悲鳴をあげ、背筋が勝手に伸びあがった。脚に絡みつく触手も数を増やし、ブライアンの股を開かせていく。ブライアンも触手の狙いを察すし、非難の声を言い募りだした。 「待て、やめろ!オイ!クソ!広げるな!ダメだ、コラ、離せ、いやだ………!」 だが触手がそんな言葉を聞き入れるはずもなく、無情にも触手がブライアンに挿入され、アソコからは血が流れだす。 「いだあぁぁぁ……!!……ああ……ああ……」 ブライアンは“初めて”を奪われたショックと破瓜の痛みで、見開かれた目から涙がこぼれだす。「そんな……こんなヤツに……私の……嘘だ……」 ブライアンの脳裏に、所属チームのトレーナーの顔が浮かぶ。 (いつもアロハシャツとサングラスを着用し、にやけた笑みを浮かべていた男。私の頬をムニムニしてくる変態。姉貴にいらんこと言いにいく煽り屋……それでも。オマエはいつも私のことを考えてくれていた……菊花賞で、もういいやめてくれ!と叫んでたらしいな。姉貴と走ってたときみたいにやればいい、とアドバイスしたことをずっと後悔していたんだって?どうすればキミに幸せな道を歩ませられる?って独り言言っていなかったか?……そんなオマエを、嫌えるわけないじゅないか。バッジを返却しろって言ったっけ?流石に酷かったかもな……) トレーナーへの想いが、朧げに流れていく。 「こんなことなら、私の“初めて”、オマエにでもくれてやるべきだった……こんなやつなんかに……どうせ始めは嫌がるだろうが、最後は受け入れてくれたはずだ……」 そんなことを呟いても、触手の責めは終わらなかった。新しく生えてきた象の鼻のような形状の触手は、ブライアンの尻を、まるでご利益のある石像に対するように捏ねまわしだした。 「んひぃぃ!……この……やめんんっ!!」 喚くのを遮るかのように、ブライアンの口に触手がねじこまれる。ブライアンの抵抗する力も、服を着ていたときよりずっと弱々しくなり、恥ずかしい所を散々弄ばれ、限界が近づいてくる。そして股に差し込まれた触手から白濁した粘液が放出される。 「んんーーー!!んんーーーーっ!!」 ブライアンの声にならない悲鳴が、洞窟に延々と響き続けるのだった。 「あん♥️あん♥️そこはぁ♥️ん♥️」 ウオッカは触手によって甘い鳴き声をあげ続けていた。触手に触れられるたびに、ウオッカの身体ははねあがり、いやらしく反応してしまう。ウオッカはかつてない程の快楽を浴びて、微睡みのなかに溺れていた。もうこの快楽がずっと続くんじゃないかとさえ思い始めていた。しかし──── 「あへぇ♥️あ……あれぇ?」 突如、触手たちの動きが止まった。間もなく触手たちは地面に、壁の隙間に引っ込んでいった。支えを失ったウオッカは投げ出されるも、地面は柔らかい苔であったがために痛みはなかった。 「え?おわり?なんで……?なんで……なんて……」 突然打ち捨てられ、ウオッカは唖然とするも、徐々に思考が巡りだし…… 「なんて俺はカッコわりぃんだ……」 瞳には理性の光が戻っていった。 「はぁ……一体どうなってるんだ……」 ほどなくして、媚毒の抜けた身体を起こしウオッカは歩きだしていた。右手で胸を隠し、左手で割れ目を隠しながら進んでいく。媚毒は抜けたとはいえ未だに敏感になった恥ずかしい所は、触れるだけでもイってしまいそうで、少し両手を浮かして隠していた。ウオッカは自分の姿を脳内で確認する。今のウオッカは髪留めが溶けて降りたロングヘアーとなり、触手によって大きくされた胸は20cmも増量され、Bにして96に達していた。不安気な表情で巨乳を半端に隠してさ迷うその姿は、雄を悦ばせる魅力に溢れていた。 「くっそぉ……俺の整ったスレンダーなプロポーションが……」 宿敵の豊満な胸に思うところが無いわけではなかったが、自分のプロポーションには別種のカッコよさがあるということをカッコよさを自覚していた。それがまさかこんな形で崩されるとは……そう思った。 「畜生……こんなどこだか分かんねー場所でマッパにされて……」 ウオッカは自分の身におきたことを振り返り、今の自分の開発された体を振り返り、猫背になって触手に怯える態度を省み…… 「……ダセェ」 ただそれだけ呟いた。最早鼻血も出なかった。 「しっかしどうすっかな、脚も、まだ思うようにならないし……こんな、母乳がでる身体じゃレースも出れるか怪しいし……胸も、でかくされて勝負服のサイズも合わないから採寸しなきゃだし……保健室で治んねーかな?最悪あの不審者に……」 口数も多く、ウオッカは一人ごちる。そうしていなければ恥ずかしさと不安でどうにかなってしまいそうだったから。 「トレーナーは……走れない俺をどう思う?興味をなくす?いや、まさか、そんな……」 ウオッカの脳裏に、所属チームのトレーナーの顔が浮かぶ。 (いつも飴をなめてて、ウマ娘の脚を撫でまわす変態で……これが女じゃなかったら、とっく学園にいられなかっただろうな。金欠でいつも他のチームのトレーナーにたかってたし、突然トライアスロンするよ!なんて言い出す変なヤツだったけど……俺の美学を理解してくれた。カッコよさを認めてくれた。お互いの良いところだっていくらでも言える……!) 言いながら、ウオッカは思い直す。そんなトレーナーが、俺を見捨てるわけがないと。すぐに戻って、今後の段取りを組まなくては……と。 「身体が弱ってるから、ネガティブな思考が流れこむんだ!しっかりしろ俺!」 気合いを入れ直すために、ウオッカは裸を隠すのやめ、両手でを頬を叩く。しかし…… 「んんん!??」 頬を叩く動作の際に肘が乳房に触れ、その衝撃によって胸は揺れながら母乳を流し、股を隠していた手で触れた左頬には、割れ目から垂れていた透明な粘液が付着して…… 「~~~!」 ウオッカは、すぐにさっきまでの姿勢に逆戻りしてしまった。 ウオッカはそれから30分は歩いただろうか。いつしか床は古くなった木の皮のようになっていた。 「しっかし……無人銭湯に行こうってどっちが言いだしたんだっけ……ともかくブライアン先輩を見つけないと……」 引き離されたナリタブライアンのことを考えながら歩いていたウオッカ。しかし…… 「ん?今なんかミシッって……う、うわああああ!?」 脆くなっていた床が抜け、ウオッカはそのまま4mほど落下した。 「わあああぁ!ってあれ?痛くな……ハッ!?」 ずいぶんな高さから落下したというのに、ウオッカは怪我どころか痛みすらなかった。柔らかいものがクッションになり、衝撃を吸収したのだ。そう…… 柔らかい、触手が。 床には無数の触手が敷き詰められ、そしてウオッカの眼前には、先程とは比較にもならないほどの大量の触手が蠢いていた。 (あ、そうか……) あまりに現実離れした光景に骨の髄まで硬直するウオッカだったが、我に帰った瞬間に、まるでパソコン作業中にうたた寝し書き込み画面が英小文字に埋めつくされるように、脳に思考が流れこんできた。 (こいつらは人襲って肉体改造して養分をすすったり繁殖する生物でさっきのは子供だったんだだから満腹になって俺を解放したし繁殖もうまくいかなかったんだだけどこいつは大人で一度捕まったら多分逃がしてはくれないだろうな子供相手に俺はあんなに乱れちまったんだああもう戻れないな──) 触手はウオッカの存在に気付き彼女に近づいてくる。襲われる、と思ったウオッカ自身、乳首が硬くなるような感覚と下腹部に熱を帯びる感覚を覚える。もう帰れないと悟る。 (もうダメだ父ちゃん母ちゃん親不孝な娘でごめんなさいトレーナー許してくれスカーレットせめてお前と仲直りしたかったギム先輩アンタに顔向けなんてできねー──) 親しい人々が脳裏に浮かび、それぞれに謝罪の言葉を並べるウオッカ。 (先輩……そうだブライアン先輩!こっちに来たらダメだって伝わなきゃ……でもなんて言う?名前呼んだら助け求めてると思わせちまうし来るなって言っても触手に対して言ってると思わせてしまう……なんていえば……あっ来た来た来たキタキタキタ) ナリタブライアンへどう警告するか思案するウオッカだったが、迫る触手を前にして彼女が発することができたのは。 「ウワアァーーーーーーーーッ!!!!」 ……なんの意味もなさない絶叫だけだった。 「はぁ……はぁ……クソ……どこだここは?」 洞窟の中で、ナリタブライアンはさ迷い続けていた。ウオッカ同様、ブライアンもまた触手から解放されていた。 「態々テープまで溶かしたな……落ち着かん……」 ブライアンは鼻腔テープを溶かされたことを気にしていた。別に圧倒的な連対率を誇るもマスクがないと弱々しくなるエルコンドルパサー程ではないが、鼻に何か貼りつけていないと落ち着かないのだった。その落ち着かなさをを解消するために歯を舐めると、欠けた歯がまるでプラスチック処理をしたかのように修復されていた。 触手によって生まれたままの姿にされてしまったブライアンは、ウオッカとは対照的に丸出しになった胸も股も隠すことなく歩いていた。ただ、その黄色い瞳は常に泳ぎ、耳は2秒と同じ方向を向くことはなくせわしなく動き続けていた。いつものナリタブライアンとは明らかに違う、怯えを孕んだ様相だった。 「どうして私がこんな目に……ルドルフ、エアグルーヴ……助」 不安から口にした生徒会の会長と副会長への助けを求めをブライアンは噛み切る。 「……ムシが良すぎるな、生徒会活動をサボってばかりだったのに、こんなときに都合よく助けてなんて……」 そう言うブライアンだったが、二人を巻き添えにしたくないというのが本心だった。一瞬だけとはいえ自分と同じ目にあうシンボリルドルフとエアグルーヴの姿を想像してしまい顔がひきつる。 そんなことを考えながら十字路にさしかかった時。 「ウワアァーーーーーーーーッ!!!!」 突如として悲鳴が鳴り響く。触手に襲われるウオッカの声だった。 「ひいっ!!?う……ウオッカ……そんな……」 不意の叫び声に全身の毛を逆立ててすくみあがるブライアンだったが、すぐその声の主がウオッカだと気付く。だが、それと同時に反射的に声がした方向の反対を向いてしまう。 「ウオッカ……でも……助けに行ったところで私まで……もうあんな思いは……」 また触手に襲われるかもしれないという恐怖から、声のした方向へ行くことへ行くことを躊躇い、また一歩遠ざかってしまう。しかし、三歩進んだところで、二人のウマ娘の顔が脳裏をよぎる。ビワハヤヒデと、ナリタブライアンのルームメートであるタニノギムレットである。 (…………もしこのまま逃げ帰ることができたとして、アイツらはなんと言う?) ブライアンは脳内で二人の反応をシミュレーションする。 (ブライアン!無事だったか!よかった!ああ可哀想に……ひとまず休んでくれ!休みたいだけ休んで……もしお前が落ち着いたなら……できればでいいから聴取をうけてくれ。それがをウオッカ君を助ける手立てになるかもしれないからな…ともかく、帰ってきてくれて本当によかった……) ブライアンは思う。 (姉貴は優しい。ウオッカを置き去りにしたところで私を咎めはしないだろう。だが……もし姉貴が私と同じことになったら?一緒に引き摺りこまれたのが私だろうがbnwの二人だろうが特に関わりのないウマ娘、いや男や老人だろうが見つけるまで探すだろう……一人で逃げだすなんて発想すら浮かばないかもしれない……それなのに、姉貴の妹である私が、私を慕っている後輩を見捨てるなんて……許されはしないだろう……!) ブライアンは考える。 (ギムレット……オマエは「なぜウオッカを見捨ててきた!」とか「オマエがいながらなんでこんなことに!」とか言うだろうか?……いや、ない。ギムレットは優しい……例え頭ではそう思ったとしても、私を非難したり、私の腕を掴んで爪をたてたりはしないだろう。それでも、ウオッカが帰ってこなければ、ギムレットは何日平静を保っていられる?私に心配ないとか言いながら夜な夜なすすり泣くことになるかもしれん……彼女をそんなにして、罪悪感を抱かずにいられるのか?いや、私を尋問してでも場所を割り出そうとして、ウオッカを助けにいくかもしれん。ギムレットまで、私のような目にあわせていいのか?いいわけないだろ!) ブライアンに、選択肢などなかった。 「い……いかなきゃ……」 震える声で呟き、 「ウオッカを……助けなくては……」 そう言って道を引き返し、ウオッカの声がした方へと歩みだした。 「……どこだ……ウオッカ………?」 ナリタブライアンは不安でいっぱいになりながら、洞窟の細道を進んでいた。この行いが自分から竜の口に飛び込むような所業だという自覚と一糸纏わぬ姿が、彼女を極限までナーバスにしていた。 「クソ……さっきから身体の調子まで……」 おまけに、いつからかべったりとした倦怠感が……ジャパンカップで惨敗したときの以上に身体が重くなった感覚がブライアンを悩ましだしていた。触手の媚毒が遅れて効いてきたのだ。 それでもブライアンが歩き続けると、やがて道は開け、マイクロバスが2台入るほどのホールめいた空間が現れ、夕方の窓ひとつない密室のようなそこはかとない明るさもあった。奥の方に分かれ道があることにブライアンは気付く。ウオッカはどっちにいるんだ……などと考えていたブライアンだが…… 「!!!うおぉぉ!!!?」 突然視界に飛び込んできた白黒の影にブライアンは凄まじい悲鳴をあげて飛び退こうとしてバランスを崩し転んでしまう。最早ブライアンの精神は、ぬいぐるみがないと眠れなかった頃ほどに弱っていた。 「……」 その影は、大きめのマンホールほどの大きさの水溜まりに映る自分の姿だった。覗きこめば怯えた顔をしたウマ娘……ナリタブライアンが見つめかえしている。 「…チッ………クソッ!!!」 恐怖と恥ずかしさと情けなさを紛らわすために、ブライアンは水溜まりの影を踏みつけにする。しかし……それがいけなかった。 「うわ……!?なんだなんだ!?」 踏みつけにした水溜まりが突然青い水柱となって水しぶきとともにブライアンに襲いかかる。水溜まりの正体は、獲物を待ち構えるスライムだった。ブライアンの身体はなす術なくスライムにまみれ、身動きがとれなくなっていく。やがてブライアンの半身は、立体的な塊になったスライムにビーズソファーに寄りかかったように沈んでしまった。 「オイ!離せ!クソッ!やめろ!」 ブライアンはスライムから逃れようと必死にもがくが、触手以上に掴みどころのないスライムを引き剥がすことはできなかった。そんな様子を嘲笑うかのようにスライムは流動し、ブライアンに粘液を刷り込んでいく。服だけ溶かす性質を持つ粘液だがブライアンは既に裸。ところがすぐに粘液のもうひとつの効果が現れる。 「……ハァ……ハァ……なんだ……?身体が熱く……股が疼いて……あぁ……」 この粘液には媚薬効果もあり、触手から盛られたものとの相乗効果によってブライアンの身体は熱を帯びていき、頬の色も赤みがかっていく。 困惑の表情が滲むブライアンをスライムは更に責めたてる。ブライアンの胸を包みこんで揉みしだく。薄青色のスライムの中でブライアンのB91の巨乳はくにゃくにゃと形を変える。 「ひゃいい!??やめっ!どいつもこいつも人のムネを……んくぅ!?」 スライムからの刺激に感じてしまうブライアン。しかし更なる異変が彼女を襲う。スライムがブライアンの乳首を吸い上げると、母乳が溢れてきた。効くのが遅かった触手の母乳効果は、スライムの責めによって進行し発現したのだった。 「嘘だろ……なんで出るんだ?私の身体……どうなって……やめ……吸うな……あん!」 ブライアンから出たミルクは、スライムと混ざって消えていく。乳を飲まれているという屈辱と羞恥がブライアンから抵抗する力を奪っていく。股からは愛液が滲みだし、水に浮く油のようになっていく。ブライアンが再度の涙を流し始めた頃に、スライムは体内でラムネのビー玉より一回り小さな赤い塊……種のようなものを形成する。その粘つく半透明の塊はスライムの中を通りブライアンの陰部にへばりついた。 「あ!そこはっ♥️ダメっ♥️へんになるぅ♥️」 強烈な快楽によってブライアンはスライムに埋もれながら跳ねる。そして塊は再び液体となってクレバスから侵入した。 「もう嫌!!ゆるしてぇぇ♥️らめぇぇ!!」 ついにナリタブライアンはスライムの責めに屈し、スライムに許しを乞いながら絶頂した…… 朧気な意識の中で、ブライアンはぬるぬるが自分から離れていくのを感じた。ブライアンを散々犯したスライムは、どこへともなく去っていった。 「……うう……ひどい……こんな……」 立ち上がろうとするブライアンだったが、身体は持ち上がらない。洞窟の床にブライアンの見事な裸体が転がる。 「……ねーちゃん…………」 焦点の合わない目をしながらただそれだけ呟き、ブライアンの意識は闇に沈んでいった…… 「─────ブライアン……ブライアン!!」 ナリタブライアンが目を開けると、そこには姉、ビワハヤヒデの大きな頭があった。心配そうに妹の顔を覗きこんでいる。ほどなくしてブライアンは彼女に膝枕をされていることに気がついた。ゆっくり起き上がると、そこはトレセン学園の敷地内だった。ふと視線をおろすと、学園の制服を着ていた。 「姉貴、私は……」 ブライアンが記憶を手繰ろうとすると、ハヤヒデは慌てたようにそれを遮る。 「いや、何も思いださなくていい!発見された時のお前の姿を見たら、何があったのか想像に難くないのだから……」 その言葉を聞いてブライアンの表情は曇る。 (ああ、やはりあれは夢ではなかったのか……) 夢ではないと暗に知らされ、彼女は背筋が冷たくなるのを感じた。 「ああすまない!嫌なことを思い出させたようだな……!辛かったろう……恥ずかしかったろう……気持ち悪かったろう……!でも私は……お前が帰ってきてくれてよかった……戻ってきてくれて嬉しい……ありがとう……!」 ハヤヒデは自分の言葉が逆効果だったことを詫びながらブライアンを抱きしめた。いつものブライアンならオイ、の一言で振り払うところだが、今はこうして姉に抱きしめられることに安堵と多幸感を感じずにはいられなかった。 「姉貴……今日の晩ごはんだが……」 「お腹も空いているだろう?すぐ作ってやるからな!大丈夫だ肉を大盛りにしてちゃんと野菜は抜いておくか……」 「いや、いい……」 また妹と食卓を囲める嬉しさを噛み締めながら話すハヤヒデをブライアンは止める。 「野菜、食べてやらんこともない……だから……」 「ブライアン、お前……」 ハヤヒデは驚愕したような顔をしたが、すぐにその目に涙をため始める。次の一瞬、ハヤヒデはとめどなく涙を流しながらいっそう強くブライアンを抱きしめる。 「ああ……いくら怖かったからって無理しなくてもいいんだぞ?それとも……ついに分かってくれたのか?……それとも私に気を遣ってくれているのか?なんにしても……私は嬉しいぞ!お前みたいなよくできた妹をもった私はなんて幸せ者なんだ!偉いぞ……ブライアン!」 感涙の極みに至る姉をみてブライアンは大袈裟だと肩をすくめるも、よりしっかりと抱きしめ返す。 (そうだ……私が謝れば姉貴はなんでも許してくれるし、私が頑張れば姉貴はなんでも褒めてくれる。私が好きだといえば大好きだと返してくれる。強くて優しい、理想の姉貴。世界一の、自慢の姉貴。姉貴の妹に生まれてこれて、本当によかった……。) ブライアンは触手やスライムに犯された絶望を姉の温もりで埋めるように彼女の愛を受け止める。それがとても心地よくて、このままずっと抱きしめられていたい、とすら思った。そこに───── 「せんぱーい……ブライアン先輩ー!」 どこからかウオッカの声が響きわたる。その声にブライアンがはっとするとハヤヒデは彼女を抱きしめるのやめ、優しく両腕を掴み妹に向き直る。 「さ、行っておいでブライアン。ウオッカ君はお前から離れたところで発見されたんだが、意識が戻ってからずっとお前のことを心配していたんだ。お前の顔を見せて、安心させてあげよう」 ブライアンはその言葉を聞き終えると、ゆっくり立ち上がった。 「わかった。すぐ戻る。ちょっと待っててくれ」 「ああ、いくらでも待つさ。また一緒にご飯を食べて、一緒に走ろう!」 何気ない会話を交わし、ブライアンは走りだそうとして、数歩踏み出してすぐ振り返り 「姉貴……これからも私の姉でいてくれるよな?」と問う。 「当然だろう?私こそお前が妹で本当に良かった!これからもずっと一緒にいてくれ!」 姉から返ってきた言葉を噛み締めながら、ブライアンは声のする方向へ再び走りだすのだった───── 「ブライアン先輩……ブライアン先輩……」 「ブライアン先輩♥️」 ナリタブライアンが目を開けると、そこにはウオッカの顔があった。 「ん……ウオッカ……無事だった……ん!?」 言いかけて、ブライアンの顔が強張る。 いやらしく歪んだ、ウオッカの顔がそこにあった。 「ひっ!?」 ブライアンの視界にウオッカの裸体が飛び込んでくる。その胸は最後に風呂で見た時よりずっと大きくなっていた。そしてそれ以上にブライアンにショックを与えたことは、彼女の身体に無数の触手とスライムがまとわりついていたことだった。 「ま、まさか……」 ブライアンは上体を起こして視線を落とし、自分の格好を確認する。そこには、丸出しになったままの胸が揺れていた。 結果は分かりきっていたが、信じたくはなかった。あの優しい姉貴の笑顔が夢で、この悪夢のような光景が現実なのだと。 「そんな……う……嘘だろ…………」 文字通り夢見心地から地獄に突き落とされ、ブライアンの耳は完全にへたれてしまっていた。 「お……オマエ……本当にウオッカなのか……?」 無意識に胸と股を手で隠して、尻餅をついたような格好で後退る。もはや立ち上がることも満足にできなかった。 「うふふ~どっからどうみても俺は俺じゃないですか~♥️ブライアン先輩こそなんで逃げるんですか?先輩逃げ苦手でしたよね~?というか俺を探してくれてたんじゃないんですか~?」 青ざめてずるずる後退するブライアンを見下ろしてウオッカが問いかける。 ウオッカの身長はもとよりナリタブライアンよりも高い。その上で乳の大きさも抜かされ、好色的な目で近よってくる彼女の姿は、ブライアンにはもはや恐怖の対象でしかなかった。 「く……来るな!……オマエがウオッカなものか!……だって……ムネが大きいし………それになにより…今のオマエ……全然カッコよくないぞ!」 目に涙を湛え、ブライアンは叫ぶ。目の前のウマ娘があのウオッカだと認識したくなかった。あの、いつもカッケーカッケーと目を輝かせていた可愛い後輩だと。その疑念と恐怖からの逃避からこのような言葉が口から飛び出してきたのだ。 「ん……なんでそんなひどいこというんですか?……あとなんで先輩は裸を隠してるんですか~?ウマ娘同士……っていうかさっきまで温泉でお互い散々見ましたよね♥️」 アイデンティティを否定され一瞬真顔になるもすぐに惚けた表情を浮かべるウオッカを見て、ブライアンは理解する。ああ、こいつはやっぱりウオッカ本人なのだと。何かの擬態ではない、さっきまでの記憶も残っている。そして彼女は変わった、変えられてしまったんだと。 「あん♥️こ、こら♥️ちょっと待てって♥️」 ウオッカにはりついていた触手が動きだし、胸に巻きつく。その感触にウオッカは短く悲鳴をあげるが、声には嫌悪感などは一切なかった。触手を完全に受け入れてなすがままになっているウオッカからブライアンは目をそらすことができず、歯を鳴らしながらその光景を直視するのだった。 (嫌だ……ああはなりたくない……) 首を横に振りながら後退し続けるブライアン。 「うっ!?うわぁ!?」 だが突然身体が動かなくなる。どこからか現れた触手が太股にふくらはぎに絡みついてきたのだ。逃げられなくなったブライアンに、呼吸を荒くしたウオッカが迫る。 「先輩も好きでしょ~♥️にゅるにゅる♥️もっと気持ちよくなりましょうよ~♥️俺と♥️一緒にぃ♥️」 いつの間にかブライアンの背後からも触手が現れ、ブライアンに襲いかかる。 両腕を絡めとられ、恥部を隠せなくなったブライアンは追い詰められていく。 そして───── 「来るな…………こ……こないで…………」 ナリタブライアンの精神はついに決壊した。 「…や…やだ…………」 短く呟いた次の瞬間。 「やだあああああ!!こんなのやだあああああ!!!こわいいいい!!こわいよぉ!!ねーちゃあああん!!たすけてぇ!!!たすけてよぉ!!!ねーちゃああああああんんんん!!!!」 三冠ウマ娘としてのプライドも。 誉れ高き怪物の名も。 生徒会副会長の立場も。 孤高の一匹狼という仮面も。 全て投げ捨ててブライアンは泣き叫ぶ。 大好きな姉の名を、届きもしないのに大声で呼んで助けを乞う。 だがその悲鳴は逆に触手達を興奮させるだけだった。前から後ろから触手が殺到し、天井からもスライムがブライアンめがけて滴り落ちる。 「いっ……………………………………いやあああああああああああああああああっ!!!!!!」 ブライアンの悲痛な叫び声が洞窟内に響きわたる。 しかし、その悲鳴も、すぐに。 「あっ!?あっ…………!ああああああああああ♥️♥️♥️♥️♥️♥️♥️♥️♥️♥️♥️」 ……甘く染まっていった。 「ブライアアアン!!ブライアアアアン!!!」 ナリタブライアンとウオッカの失踪翌日のトレセン学園に、ビワハヤヒデの叫び声が響きわたる。 時間は昨日まで遡る。口論の末に自分を置いていった妹を、一旦は呼び止めようとしたもののすぐに見失しない、またしばらくしたら帰ってくるだろうとブライアンを迎える準備をしていた。しかし、まてど暮らせど妹は戻らず、不安になった彼女は学園に連絡したのだった。時を同じくして門限になっても戻ってこないルームメートが心配になったダイワスカーレットもまた寮長に連絡し、2人の捜索が始まった。そして夜が明けると学園のウマ娘たちも加わり、捜索は大規模になっていった。ハヤヒデとスカーレットも心配でろくに眠れない身体をおして参加したが、二人の行方は知れなかった。日も傾いたころになって、あるウマ娘によって町外れの「廃墟」からブライアンとウオッカの貴重品が発見されたのだった。そのことはすぐに学園に広がり、多くの者の心を打ちのめした。 「悪かった!!私が悪かったから!!もう無理に野菜を食べろなんて言わないから!!!それともなんだ?何が欲しい?併走か?いいぞいいぞお前の好きなだけ走ってやる!!故障してもうターフに戻れないようなダメな脚でよければ何百回何メートルだって走るから!!だから……!!帰ってきてくれぇぇぇ!!!ブライアアアアン!!!!!」 自責の念と疲労と後悔も相まって半狂乱と化したビワハヤヒデを、彼女の友人、ウイニングチケットとナリタタイシンが二人がかりで押さえこむ。 「ハヤヒデェ!!!!落ち着いてぇ!!!!」 「ブライアンが戻ってこないって決まったわけじゃないでしょ!?」 普段は温厚なハヤヒデとは思えないほどに凄まじい力で取り乱す彼女をなだめることに二人は必死だった。その光景すら全く目に入らず、ダイワスカーレットは一人うわごとを呟いていた。 「アタシのせいだ……ウオッカが帰ってこないの……だからアタシが探さなきゃ……アタシが見つけなきゃ……アタシが……アタシが…………」 顔を蒼白とさせふらふらと捜索を再開しようとする彼女を先輩アグネスタキオンが抱き止め、引き留めようとする。 「まぁ待ちたまえスカーレット君……そんな不安定な状態で外に出れば見つかるものも見つからないさ……まだ開けてないペットボトルの紅茶があるからそれでも飲んでひとまず落ち着いてから……」 そう言葉をかけるタキオンだったがスカーレットは上の空で 「でも……ウオッカが……ウオッカを……」 とただ繰り返すだけであった。 その悲報はすぐに学園を離れて彼女を捜索していた二人のトレーナーの知るところとなった。二人のトレーナーはお互いの担当ウマ娘の失踪から夜通しで組んで教え子を探していたのだった。 「こんなことになるなんて……そんな……」 ナリタブライアンのトレーナーはショックでサングラスを落としてしまう。 「結局……キミを幸せにできなかった……俺のせいだ……すまない……許してくれ……」 サングラスが落ちたことも気付かずに、ブライアンのトレーナーは膝から崩れる。サングラスが粉々に砕けることも認識できず、ただその場にうずくまり、今回の彼に落ち度もないのに、ただ謝罪の言葉を繰り返す。 その光景を横目で見ながら、ウオッカのトレーナーも独り言を言いだす。 「嘘だよね……?ウオッカ。信じられない、こんなの認められないよ……だって……カッコいいウマ娘になるんでしょ?こんなの……」 ウオッカのトレーナーは背骨が氷柱になってしまったかのような重さと冷たさに苛まれる。 「探さなきゃ……は、はやく……」 頭ではウオッカを探そうとするが、身体が強張ってしまう。自分を落ち着けるためにいつものように棒つき飴を口に咥えるが、無意識のうちに歯ぎしりするために、白い棒は噛み千切られて地面に落ちたのだった。 ────そしてウオッカとナリタブライアンの失踪に心を痛めていたウマ娘がもう一人いた。タニノギムレットである。彼女は4日前から外出しており、今日の午後に帰ってくるなり完全に寝耳に水の状態でこの事件を知らされ、計り知れないショックを受けたのだった。 「…………何故だ…………なんでなんだ…………」栗東寮の一室に、ギムレットの嗚咽が響く。ルームメートのいない自室に鍵をかけて閉じこもり、彼女はただただすすり泣く。 「どうして俺から奪う……?何故ワタシから取り上げる……?」 既にベッドのシーツは涙と鼻水でぐしゃぐしゃになり、眼帯までずぶ濡れになっても、ギムレットの悲しみはおさまらなかった。 「ウオッカ……オマエはワタシの全てだった……特別な存在なんだ……オマエほどワタシが愛を注いだウマ娘はいない……俺が一線を退いたときのオマエの泣きながら強くなろうと誓う姿は誰よりも美しかった……ウオッカ…我が運命……俺の夢……ワタシの希望……そしてブライアン…………オマエが最愛の姉と戦うという夢が潰えたとき……俺はオマエになにをしてやれた……?姉の幻影を追いかけて苦しむオマエに……なにができた?」 泣きながらギムレットの脳裏に、知らない記憶が流れこむ。 「何だ……これは?」 それは年の離れた「兄」が持病を拗らせて早くに亡くなったことであり……花嫁修行のため海外にいった「娘」が遺髪になって帰ってきたことであった。 「これは……平行世界であった事柄なのか?知らないだけで同じようなことがあったのか?いや、そんなことはいい……」 知らない記憶にギムレットは苛まれるも絆を育んだウマ娘二人がいないことに彼女は改めて打ちのめされた。 「あの二人が……あんなに強く美しくそれでいて優しくて愛らしい二人が……なんで……二人が……何をしたというんだ……俺は……何を……」 出かける前にブライアンの分まで綺麗に整頓されたままの部屋で、ギムレットの涙は未だ枯れずにいた。 学園中に悲痛な空気が漂うなか、ナリタブライアンとウオッカはどうなってしまったのか?答えは───── 「あん♥️やぁん♥️」「んっ……♥️はぁ……♥️」 ────ナリタブライアンとウオッカが触手によって壁の裂け目に引き込まれてからおよそ200時間ほどが経っただろうか。二人は全方位を触手に囲まれた異様な空間で快楽を貪っていた。触手によってブライアンのバストはウオッカを追い抜いて3桁に達し、もはや学園の生徒にこれほど胸の大きなウマ娘はいないほどだった。全裸で粘液にまみれながら触手に媚びる二人のウマ娘の姿は、例え既に担当と3年間を過ごした身持ちの固いトレーナーだろうと、男性ならば股関が反応しないことなどあり得ないほどに魅惑的なものだった。二人は既に触手もスライムも出産を経験し、尚も快楽を求めていた。 「ひゃうううん♥️」「そこっ……♥️んにゃあ♥️」 ソロ曲のCatch the victory、シャドーロールの誓い、BLAZE、そしてド定番うまぴょい伝説……その4曲だけでも組んでゲリラライブをしようものなら会場が大混乱するほど歌声をもつ二人。その素晴らしい喉も今となっては触手への情けない喘ぎ声を発する喇叭になり下がっていた。 「はぁっ♥️ブライアン先輩ってばはしたな……にゅふぅぅん♥️」 「オイ……オマエだって人のこと言えないだろ?」 「だって気持ち気持ちいいんだから仕方な……あっ♥️」 「……それもそうだな……だって……私も……」 触手と戯れながらそんな会話を交わすなか、突然ブライアンは立ち上がり大きく伸びをする。豊満な胸を惜しげもなく震わせながら、彼女は笑顔でウオッカに振り向く。 「今はすごく気分がいいんだ!長きにわたって皮膚を焦がし、喉を干上がらせ、身体を蝕み、苦しめ、突き動かしてきたあの忌々しい渇きが癒されていく!その感覚がここまで心地よいなんて……なんて素晴らしいんだろう!」 ブライアンは思う。これが一番いいのだと。ここにいれば、もう野菜を無理に食べさせられることなどなく、叶わぬ約束に泣くこともなく、脚の痛みに苦しむ必要もなければ、トレーナーやねーちゃんの悲しい顔も見なくてすむのだと。瞳を潤ませ歓喜にうち震えるブライアンの姿を見ても、ウオッカはさしたる感心を示さなかった。自他をカッケーと目を輝かす感覚……ウオッカというウマ娘にとって背骨、根幹ともいえる感覚も、次第に薄らぎつつある。 「へーそうなん……きゃあああ♥️」 触手でできた壁にもたれかかりそう生返事するウオッカに、突然触手が絡みつく。ダービーウマ娘の強靭な肉体は、触手を何度もひきつけて止まない。 「あっ♥️こらぁ♥️」 ブライアンにも、スライムが降りかかる。二人から産み落とされた幼体が母乳を求めておっぱいにはりつく。 「あはは♥️ブライアン先輩♥️甘えんぼ赤ちゃんいっぱい♥️甘えんぼうなのは母ちゃんに似たのかな?」 「オイ……誰が甘えんぼうだ……ひゃ♥️」 「だってハヤヒデ先輩にねーちゃんねーちゃん言ってたじゃないで……あん♥️ちくび♥️吸っちゃ♥️」 「それは……忘れろ……というかお前だって触手にもスライムにもモテモテで……やんっ♥️」 全裸で蹂躙されているというのに姉への呼び方の方を気にして照れるブライアン、そして触手に乳を吸われて多幸感に包まれるウオッカの態度から、二人から倫理や常識が失われていったことは明白であった。いつしかブライアンにも触手が、ウオッカにもスライムが襲いかかり、その動きも激しさを増していく。 「先輩♥️一緒にっ♥️」 「ウオッカ♥️私もっ♥️」 足腰たたなくなってへたりこむブライアンの手をウオッカが絡めとり、恋人つなぎにする。ウマ娘同士で繋がっていると一層ドキドキしてくるのだ。ブライアンも握り返し、二人の興奮は最高潮に達する。 「もっとぉ!!私を思いっきり滅茶苦茶に気持ちよくしてぇ♥️♥️♥️」 「俺をっ!!もっともっとお母さんにしてぇ♥️♥️♥️」 思い思いの言葉を叫びながら、上半身はスライムに、下半身は触手に責められ、二人は何度目かの絶頂を迎える。 「「きゃああああああ♥️♥️♥️♥️♥️♥️」」 どこともしれぬ空間に、二人のダービーウマ娘の甘やかな悲鳴が、止むことなく木霊するのだった─────。 (おしまい)