【現パロ 大学生クリスト&マーリン】 「「………」」  クリストとマーリンが、真剣な顔で相手の手札と顔を交互に凝視している。お互い手札は2枚。 (どっちだ…?)クリストの手がマーリンの手に握られし2枚の札の上を交互に移動する。まるで蝶が自分の止まる花を探すかのように………。  右側の札に僅かにクリストの指が近づいたその時、マーリンの目に微かに微笑んだのをクリストの目は見逃さなかった。 (馬鹿め!)即座にクリストの手が逆の──マーリンの左側の札を掴む。動揺の色を浮かべるマーリンの姿に勝利を確信しながら、勢いよく札を引き抜いた。 【JOKER】 「……はあああああああ!!!???」 「だぁぁぁぁぁっっはっはっは!!見事に引っかかってやんのー!!」 「腹いてー!」と腹を抑えて笑いこけるマーリンを横目にクリストは屈辱に打ち震える。  これで奴とのババ抜きは6戦6敗。いよいよ負のラッキーセブンが間近に迫ってきた。 「もうやめですやめっ!」  耐え切れずクリストはトランプを放り投げベッドに倒れ込んだ。「オレのベットだぞてめえっ」という声が聞こえたが全力で無視する。というか…。 「なんで僕と貴方が二人で1時間もトランプしてなきゃならないんですか!!」 「しかたねえだろ。スプドラート先輩が急なバイトが入っちまったんだから」  マーリンの返事に不機嫌気な顔でクリストも押し黙る。そう、二人に加えてスプドラートの3人でドライブを計画してたのだが、まさか当日、クリストがマーリンの寮室に集まり、あとは彼の到着を待つだけという状況になったところで、バイトの急のヘルプに入るからキャンセルで。という丁重な詫びが彼から魔LINEが入ってきたのだった。この中で車を持っているのは彼だけだったためドライブは必然的に中止。そして現在に至る。男二人、寂しいトランプ大会の開催である。 「あ゛ーー彼女ほしーーー!!」 「むっ、そういう下心満々で恋愛をしようとは感心しませんね。そもそも交際というものは…」 「うっせー!」 クリスト──恋心大学法学部1年生、マーリン──恋心大学理学部1年生