ゴミカスは廃棄物(スクラップ)から衣服や強力な装備を創り出し、それらを自在に操る恐るべき魔王である。異形の巨人から魔王に相応しい衣装まで意のままに生み出すゴミカスは、数多の事物の構造を完全に理解していると言っても過言ではない。しかしそんなゴミカスにも本人でさえ知らなかった未知が眠る領域が存在した。  「うう…ごめんなさい…この服一人じゃ着られないみたいで…」  「べ、べ、別にこれぐらい気にするな!えっと…ここを引っ張ればいいのか…?」  女性の衣服の構造である。特にこの式典用らしい荘厳な礼服ともなると、日頃の研究を欠かしていないゴミカスにさえも何がどうなっているやら分からないのだ。  「ひゃっ!」  「へ、変な声を出すなっ…!」  しかも着るのを手伝わせている本人が頻繁に妙な声を出すものだから、そのたびに注意力を削がれて仕方がない。ヒトジティからは何だか良い匂いまでするし…いやいや!何を考えているんだ!ゴミカスが雑念を振り払うように視線を逸らすと、今度はヒトジティの豊満な胸が視界に…  その時、二人の間に割って入るように、空から巨大なサメが降って来た!  「我はゾンビ・”シグマ”スカイシャーク!」  地獄の底から響くような声がサメの口から発せられる。何ということだろう!何を隠そうこのサメはただの空飛ぶサメにあらず!不死身のゾンビスカイシャークだったのだ! 〜〜〜  嘘つき宰相 さんのレビュー。  ハリィ=ウッド監督の新作。大事な場面でニンジャを出すなと言っていたら、大事な場面でサメが出てきた。違う。そうじゃねえ。☆1。