ヤチホちゃんへ 最初に出会った日のこと、改めてお礼を言わせてほしい……会ってからまだたった『半年』も経ってないからこんな事を言うのは大袈裟かもしれないけど、あの時から今日まで本当にボクはキミたちに感謝してます。ご飯をくれたりパートナーを探すのを手伝ってくれてありがとう。一緒に楽しい日を過ごしてくれてありがとう。 でももう、やらなきゃいけないことがあるからここでお別れだよ。 突然だけどこれからとても遠くへ行かなきゃいけないんだ。再会は約束できないけど、貴方たちのと出会いはかけがえのない時間だった。 ユキミボタモンのことを大切にしてあげてね。 ────────── 「マシロ」 「逃げてマシロ」 「あなたは生きてマシロ」 その世界で初めてデジモンと出逢った少年 【彼】が旅を終えた後に待ち受けていたのは、二つの種族に起きたほんの少しのすれ違いと大人たちの謀略と利権争い やがてそれは世界を巻き込んだ骨肉の争い───人とデジモンの絶滅戦争が始まる 現れた"機械のような紫のデジモン"が戦場を蹂躙し、人とデジモンの生活圏すらも脅かして。二つの世界は少年が大人となる前にその大半を焼き枯らしていった 家族を失った【彼/少年だった男】に悲嘆に暮れていられる時間はなかった 彼の後に現れた僅かな"選ばれし子供たち"は、彼と共にデジモンと手を取り人々とデジモンを護るため戦うことを選んだ 戦って、戦って、戦って 1人、また1人、また1人 散っていく仲間を見送った それでも足掻いたのはデジモンとの───大切な友との思い出を穢されたまま全てが終わりゆくこの世界を認めたくなかったから ……それでも世界は醜く変わらない。彼らには変えられない ただ大切に抱えたものだけが歪められていって、壊れこぼれ落ちてゆく ───悲劇の連鎖の果てに心砕かれたパートナーが《世界の終末を告げる存在》へと堕ちた時。彼等は次元の向こうから現れた『可能性』に触れた その力を得た彼等は再び選ばれしものとなった "彼の全て"を犠牲にして、"世界の全て"を変えられる『悪しき奇跡』がそこに宿った 「後は頼むよマシロ」 「ボクらの命を使ってマシロ」 「ごめんねマシロ───きっとキミとぼくが出会ったからこんな事になっちゃったんだよ」 運命を変える代償を払う時、仲間たちはみんな笑って彼の正義に託し命を差し出す───束ねられた無数の生贄たちだけじゃない、彼等の多次元の平衡同位体の命も無差別に吸い上げ消耗品として、この奇跡は起動する 未来を変える時、終末を告げる者へと堕ちた相棒は泣いて彼との出会いを詫びた そうして彼の力が"世界を書き換えた" 二つの世界は永遠に隔絶され、人とデジモンの絶滅戦争は幕を閉じた …違うよ。ボクに残されたのは正義なんじゃない そしてキミとの後悔なんてしてないし、これからもしたく無いだけなんだ。間違ってないとボクは言い続けたいんだよ ボクはただ、人とデジモンとが手を取り合う優しい世界が見たかっただけなんだ ちっぽけな祈りだけがボクを突き動かしていたんだ ───それが【彼=ボク】の終わりの始まりの記憶。この世界を見つける前にいたボクの世界のお話。何もできないまま全てが終わってしまった辛く残酷なボクらの世界のこと そんな事もあったな でも…… 「マシロさんっ」 「マシロくーん!」 「ようマシロ、腹減ってないか」 だけどボクが、今ここにいるボクが思い出すのはそれよりずっと短くて温かいあの人たちとの思い出 世界改変の果てに次元の狭間を彷徨い続けていた僕には人と直接話し触れ合うのはいつぶりだったのだろう。天羽生ヤチホを見つけた時、驚きと感動と孤独に冷え切った胸が震えたのを覚えてる あの異空間(きさらぎ駅)で出会って皆と過ごしてから半年もしてないや。リアルワールドでまた再会して、一緒に楽しい事を話したり美味しいものを食べたり、デジモンについて教えあったり共闘した事も何度もあった その全てが眩しくて暖かくて……けど現実世界にこのカラダを置くほどに、世界改変の代償を背負った僕の存在は崩壊し消滅に向かってしまうから。少しでも長く在るためにまた1人になると涙が出る事もあった …この世界はやっぱり素敵だな。あんな風に人とデジモンが手を取り合えるなんて 「わかってる。覚悟は決まったよ」 ………ああでも、やっぱりできるなら踵を返してしまいたい。ヤチホちゃんたちにまた会いたい。オーナーさんのお料理を食べたい。できることならば…彼らの戦いに最後まで仲間として共に、未来を切り開く手を貸してあげたい。やりたいこともこんなにあるのに 運命ってのは残酷だよね だから選ばなくちゃ そんな温かい居場所をくれたみんなのために、ボクがボクで在れる最後の時間を正しく使わなくちゃ 「貴様…ようやく尻尾を掴んだぞ。ワシのかわいいスカルトレイルモンを殺した連中の…!」 「此処に来れば会えると思ってました……勘付くのに時間がかかりましたね。アナタにはこちら側との時間の感覚にはズレがあるようだ。それとも単に老いて勘が鈍ってますか……まぁボクとしては悠長に待たせてもらいましたよ」 「何を飄々と……あの一件でスカルトレイルモンを倒した連中を調べようとしても何ひとつ情報が掴めぬのは貴様の仕業か?それにスカルトレイルモンがやられた場合に備えた自己崩壊プログラムで完全に潰えるはずだったココが何故残って……何者だ小僧」 「さぁどうでしょうね。それよりこの『きさらぎ駅だった異空間』は貴方に『与えられた能力』で張った罠でしたか。怪異に見せかけて実験体を拉致する──―足もつきにくいし古典的だけど細々と稼ぐには悪くない方法ですね」 赤く焼けた空の色に囲まれた虚空、崩壊した日のまま鉄道の残骸がまるで時が止まり空間に縫い付けられたようにフリーズしている スカルトレイルモンの亡骸に焦げた転車台の切れ端に腰掛けながら青年は"対峙する老人"に語りかける 「こんな周りくどいやり方をしてたのも、貴方の探究心を満たすためのただの児戯。…人とデジモンを弄ぶ実験ごっこは楽しかったですか?貴方の肩入れしたFE社はこちらの世界でまもなく悲願を果たそうとしてるんでしょう」 「ああそうだワシはこれから奴等の最終実験に立ち会わねばならぬ。面白いものが実るはずだ、貴様のような小童と遊んでる暇はないのでな」 「残念ですが立ち会う予定はキャンセルしていただきます。クオン・I・比良坂とバグラモンの目的が果たされてしまえばあの世界は壊れる。人とデジモンの明るい未来は二度と……二度と訪れなくなる。ボクはそれを否定します―――デジモンイレイザー【東雲 桃源】」 「貴様……ワシの名を!?」 「ボクはイレイザー」 ──"404番目のデジモンイレイザーだった男"だ 「貴様もデジモンイレイザーだと…!?」 「貴方にあの世界はこれ以上干渉させない。そのために貴方をここで止め……この世界の災禍の日を書き換える」 「フッ笑わせる。思い出したぞ……あの世界でワシらに歯向かっていたレジスタンスの男だな!フッ、ワシのギズモン軍団の前になすすべなく壊滅していった貴様らがたったひとりで我々を止められると?」 「できましたよ。あの世界はもう―――あなたが裏で必死に描き回してきたボクらの世界にはもうデジモンは存在しない。人とデジモンの絶滅戦争も存在しない。そんなもの初めから無かった……そういう風にボクが作り替えたんだから」 「バカな…!?」 「そして今日あなたも消えるんですよ。役割を果たす未来も必要も貴方にはもう無い―――人とデジモンの新たな世界にイレイザーは必要ないんですよ」 貴方も そしてボクもね ───おいで、《アポカリモン》 ・『デジモンイレイザー"404"』   ───暁月(あかつき)マシロ ・パートナー:スレイプモン(ロイヤルナイツ)→アポカリモン 彼の生まれた世界における『はじまりの選ばれし子供』であり、その後デジモンと人間の絶滅戦争を食い止めるべく戦った12人の戦士―――その世界において『最期のロイヤルナイツ』と呼ばれたレジスタンスのリーダー そして『役目を終えた"404番目"のデジモンイレイザー』 穏やかな笑みを称えた痩躯の青年。その人となりは温厚かつ柔和。デジモンが好きであり"愛している"ごく普通の少年だった。それは"今も変わらない" 希望の紋章・およびデジメンタルを所持する 偶然出会った天羽生ヤチホら・その後は鉄塚クロウらとも意気投合。仲間となりリアルワールドとデジタルワールドをまたにかけ共闘しながら自身の悲願の成就の機会を待つ 現実世界へ長時間リアライズするほどに『イレイザーの異能』の代償として自身の存在が崩壊・消滅し死に近づくため人間として残された時間は少ない。文字通り存在全てを賭して彼は最期の時間を絆を結んだかけがえない仲間たちとのために使う ───彼の世界は些細なすれ違いから人とデジモンが骨肉の争いを繰り広げ『絶滅戦争』にまで及んでしまった。その世界で"始まりの選ばれし子供"だった彼も戦禍とギズモン軍団に追われ、パートナーがアポカリモンへと進化した時に多次元と接触。偶然デジモンイレイザーの力を得た彼はその世界からデジモンとDWに関わる因果を『消した』ことで二つの世界を分ちデジモンを守る事となった その段階で仲間や友人のデジモンの命、パートナーのアポカリモンの自我と記憶は喪失し、残された命も僅かとなったまま次元の狭間へ放り出され彷徨う …だがイレイザーとしての役割を果たした彼は、デジモンを愛する者としてこのようなデジモンとの離別の末路を受け入れられなかった。そしてデジモンの存在そのものを全ての次元から消してしまう『他のイレイザー』と『デジモンイレイザーそのもの』へ危機感を覚えた そんな最中、自身の世界の裏で暗躍していたデジモンイレイザー【東雲 桃源】が関わりファイブエレメンツという企業を依代に大厄災を呼ぶ次元を見つけ覚悟を決める。デジモンたちを守るため、自らの世界と同じ過ちを繰り返させぬため、自らの復讐を果たすために、そしてデジモンイレイザーという因果を切るためにテイマーたちに力を貸すことを 多次元と触れ垣間見た未来の記憶の中で、やがて訪れるデジモンイレイザーとの戦いに勝つには朧巻タツミや伊那城優里のマーナガルルモンもまた必要なピースであり、その"幕開け"にはFE社の災禍無しでは果たされなかった 自分の最期の役割はイレイザーによって訪れる終焉の未来を塗り替えうる逆転の因子のみを取り出し、かつて自らの世界を書き換えたように人とデジモンのためFEの災禍を"なかったこと"にすること 全てが終わり滅んだFE社の悪事をイレイザーの力の残滓とアポカリモンの力、そしてマーナガルルモンから切り離されたホウライ・オブジェクトやオモイカネモンらと共に自らの命を対価に世界改変し、それをもってあまりある代償と罰に多次元から存在を抹消され塵となりゆく彼は言う 「いつか僕らを、イレイザーを終わらせてくれ」 ホウライオブジェクトは無限の生命を生み出す源泉なんかじゃない あれは"世界を書き換えて"無かったことにするだけだ。極めて強引で、ずさんで、野蛮で この世界に死は必要ない。死は存在しない。死は無価値だ そんな都合のいい与太話で粗雑に世界を塗りつぶし"致命的に破綻させる" デタラメなソースコード 致命的なバグ 神の願望器を気取る破滅の《世界改変プログラム》 アレはこの世界に在ってはいけない穢れだ ―――マシロに助力を申し出た"ある存在"はホウライオブジェクトをそう呼んだ ────────── エピローグ1 ────────── 墜落する天沼矛から御足労ありがとう。助かってよかったよ…と言っても"やったことのついで"にこんなところまでキミたちを呼び出したのは僕なんだけどね まず何から話そうか。そうだね…この果てしない白色が広がる無の空間は《次元崩壊の終点》であり再構築の始まりの地。すべてが真っ新なキャンバスといったところかな ここに過去の歴史をなぞりながら、改変した新たな世界を描くのが僕とオモイカネモンの仕事だ。もう修正された世界がこの空間のヒビ穴から見えてきただろう ―――あれがオノゴロ市、世界的製薬企業ファイブエレメンツのお膝元 先代社長『比良坂武満』…キミの祖父が数年前社長の任を降り、新たな社長の下でこの先も世界的製薬会社として回り続けている そうだクオン・I・比良坂、その新社長とはかつてそこに居座っていたキミのことじゃない『別の誰か』さ そういうふうにデジモンイレイザーとアポカリモン───"ボクら"がファイブエレメンツの存在を"書き換えた"。僕らの力の残滓と、君たちが追い求めた不老不死の禁忌―――世界改変プログラム《ホウライオブジェクト》を生贄にね 非人道的な実験の果てに生み出されてきた革新的な新薬も時間はかかるけど、やがて正しい道のりを経てこの世界に生まれ広まって大勢の人々を救うものとなるよ キミが社長となったFE社がデジタルワールドを悪用し行ってきた全ての罪はこの次元から認識できなくなった。だから先ほど君たちとマーナガルルモンとの戦い、そして天沼矛の開いたゲートを通じてダークエリアから侵喰してきた汚染に蹂躙されたはずのこの街は今も綺麗に佇んでいる。何事もなかったことになったから、僕らがそうさせたから 次に僕のことを話そうか 僕は"404番目"のデジモンイレイザー。そしてすでに"役目を終えた"デジモンイレイザーのひとり 僕はたまたまそれができるイレイザーとしての能力をもらった元選ばれし子供。僕らの世界の最初のテイマーであり残された最後の1人だよ ───人とデジモンの絶滅戦争 絶望の果てに進化したアポカリモンと共にイレイザーの力を得て、人類とDWの袂を永遠に別ったこと デジモンに触れ心通わせた大切な最愛の世界を救うにはこうするほか手がなかった パートナーのアポカリモンは世界改変の代償にその身が朽ちることも納得してくれたが、自身は後悔しかできなかったこと それでも尚『他のデジモンイレイザーたち』は全ての次元からデジモンを消そうとしていたこと それが気に食わなかったから、危険だと感じたから、最期の抵抗を決めたこと たまたま干渉できたこの世界でイレイザーのひとりを出し抜いてやろうと考えたこと ───そして、ホウライオブジェクトとその増幅器である天沼矛を利用し、もう一度数多の命を賭するはずの限定的な世界改変が起こせた事 だけど全ての死者は都合よく蘇らない。FE社が原因で亡くなった一般人とデジモンの命の大半は救えたと思う。でも"テイマーという楔"の存在に強く紐づいた人間は別のカタチで亡くなったまま世界は動いている。クオンさんのバグラモンや戦い散った五行も戻らない 上位者によって創られた数多の"箱庭のような世界"───その歴史に観測者たちが一等強く名を刻む者たちこそ人とデジモンの関係・因縁・宿命・絆……『テイマー』という存在 それは強い楔となり歴史の修正に抗う 例え世界を手中に収め闇に染める『大いなる混沌』が現れ彼等の存在を歴史の影に葬ろうと、命あるかぎり、存在証明を掲げ望むかぎり、世界に穿たれ根付いた楔を導にテイマーは再び現る。人とデジモンという繋がりを引き提げてその世界を守り戦うために その役割ゆえに楔となった人間は世界を書き換えてもほとんど揺るがない。楔が多いほど世界を綺麗に書き換えることは難しくなる。だから全ての人の死をなかったことにすることは出来なかった キミたちの仲間はダークエリアから放り出されてDWあるいはリアルワールドのどこかで無事にいるだろう。ただしこの騒動に巻き込まれたFEのクローンの子たちや、FE社に関わり倒れた君たちの知り合いがどうなったかは僕らからは観測できない、無事を祈るしかない それにこの世界にはDWに干渉する楔…テイマーが多すぎた、それぞれの因果が絡みついてて完全に整えることも書き換えることもできなかったからなんだ。再び謝らせてほしい ひとまず…改めて言わせてもらうよクオンさん、君たちの踏み躙った命への罪は消えない ただこの世界で、次元でそれを裁く法も人も、君たちの罪を知覚する術はなくなっただけだ。たとえこの世界が改変されたことを民衆に訴え自ら断頭台に上がろうとしても、それは多くの人にとっては荒唐無稽な話であり証明するための論理的な根拠は存在しないんだ いずれにせよクオンさんやジャスティナさんやルーナさんたちを咎める理由も、証拠も、その悪事のせいでデジモンと人とが憎しみの溝を深めることも歴史と因果から消えてなくなった。自由だ。命を断ち贖うのも生きて償うのもキミたち次第さ それより僕が用があるのはキミたちのほうなんだ。朧巻タツミ、伊名城優里。そしてレジェンドアームズのバディさんも無事でよかった。厳しい戦いを超えてくれてありがと………えっ一緒にされるのが嫌?ええーっ…ご、ごめんそんな怒らなくても。ええと話を戻すね オホン。僕らがギリギリまでこの世界を改変するのを躊躇った理由は2つ。一つは歴史と因果を書き換えるためには危険と代償が伴うこと。僕らは僕らの世界を書き換えるために多くの人とデジモン両方の命を差し出した……僕らの大切な仲間やデジモンたちは皆自ら望んで僕に差し出したんだ。すべて終わらせるためにね もう一つはイレイザーとの最終決着にはいくつもの欠けてはいけないピースがあって、その中にタツミさんと優里くんの『幕開け』…覚醒が必要不可欠だった 残念なニュースは、東雲桃源の実験成果は他のイレイザーにフィードバックされる可能性がある この先の戦いとキミたち選ばれし子供の行方に大きな影を落とすことになると思う。戦力は万全ではなくなってしまったかもしれない それでも今尚、デジモンイレイザーに立ち向かうために大勢の子供や大人たちが力を合わせてはじめている。多次元を巻き込んだ大きな渦に立ち向かおうとしてる …僕らにはできなかったことだ。尊敬するよ ……ここまでがデジモンイレイザーとしての僕の言うべきことだ だからここからはボク自身、マシロという人間として言わせてくれ 結果的に君たちにつけ入って本当に薄情な真似をした。すまないクロウくん、影太郎さん、タツミさん それでもボクはこの世界で出会ったみんなをボクなりに守りたかった。ボクの正体をイレイザーと知りがっかりしようと軽蔑しようと恨もうと言い返す資格はボクにはない 希望を繋ぐにはこんなにも醜いやり方でしかなかった そして今度はキチンと怒られる前にキミたちの前から逃げるみたいに消えてしまう卑怯者さ 本当にごめんなさい 大きな世界改変には大きな代償が伴う、それを二度もやった僕らは全ての次元から存在が消えるだろう 本当は役目を終えた後に数多のイレイザーを殺し回ってるクティーラモンに消されるのも悪くないなと思ってた けど、最後に決めてよかった 人とデジモンが手を取り合って一生懸命生きている世界を見られたから 君たちからすれば何もかも手前勝手すぎただろうね そして特に―――ヤチホちゃんにはどれだけ頭を下げても足りない でも僕は結局デジモンイレイザーだから。たとえどれほど取り繕おうと身勝手で、理不尽で、もう善人じゃないんだ だからこれは悪役としての命令であり、ただ1人のデジモンを愛した人間としての不躾なお願いさ どうか"僕らすべて"を いつか"デジモンイレイザー"を終わらせてくれ ────────── エピローグ2→