ニャアン人妻概念前史、エグザべくんとのなれそめ概念のお話するね。 「シュウちゃん!わたしと一緒に逃げよう―――」叶う夢ではなかった。マチュとシュウジと離れ離れになってしまったニャアン そこに現れたのは白く陶磁器めいた人型殺戮ロボット「ギャン(ハクジ仕様)」とエグザべ少尉であった。 そのままチベ級宇宙戦艦「パープルウィドウ」へ誘われ。キシリア・ザビ公の救護を受ける。 ニャアンその時、妊娠5ヶ月だった―――。父親はわからない。 ニャアンという不安定なゆりかごに小さな命はしがみついていた。 キシリア様の庇護欲をそそるに十二分であった。これはエグニャアが愛の巣へたどり着く。助走のお話である。 「なにか望みはあるか?」への問いに対し 「このこをうませてください…うませてくれたらなんでもやります」とワナワナ震えながら答えるニャアン 「貴公、子を宿しておるのか!?」というキシリア公の問にに対し「はい」とだけ答えた、怯えながらも力を宿した言葉であった。 「まぁよい、貴公の身体はグラナダで調べる…それまでその身体、わたしが預かる」とキシリア様 キシリア様の手は震えていた。『絶滅戦争』を掲げた一年戦争が残した負の遺産が眼の前の『難民ニャアン』と宿るその『生命』として残っている事を 戦争を指示した為政者キシリア公は眼の前で直視する。あれは行うべきではない戦争であった。 たとえ連邦との闘いといえどもサイド2の住民をすべて焼き殺し。シリンダー型コロニーごと地球に落とすなどという虐殺行為に手を染めるなどという愚かさ どれほど愚かな事だったかを、眼の前の少女の存在が語っていた。彼女が「マチュ」ではない事をキシリア様は知っていた しかし、その才能に彼女は賭けた。「宿る小さき命」を活かす『保証』と引き換えに。 「本来ならわたしの寝室で寝かせたいのだがな、わたしも公務で忙しい。」 キシリア様はニャアンを下士官室へ案内した。キシリア公はニャアンの震える手を握っていた。 本当はずっと彼女の隣にいてあげたかった。つないだこの手を、今、君に強く、握り返して欲しい。欲しかった。 しかし事実上ジオン最高権力者であるその身が許さなかった。 24時間臨戦態勢だった。 「エグザべ・オリベ少尉」「ハッ!」無重力空間にもかかわらずエグザべ少尉が海軍式敬礼で迎える 「彼女の目付けを頼むぞ」キシリア公「よしなに」とエグザべくん返す。 彼女の瞳は完全に曇っていた。ハイライトを失っていた。 「異性との同朋は不本意だと思うが、士官室は満員なのでな、この艦は私以外女が存在せぬ秘密の園なのだ、堪えてくれ給え」 キシリア様は慈愛の目でニャアンを見つめていた。悲しい命を見つめていたのだ 「わかりました…なんでもします」とニャアン 「何も怖がる事はない、「ニャアンさん」と及びすればいいのかな?」とエグザべくん 「この子は今日付けで軍属なのだよエグザべ少尉、MSに乗るのだからな少尉の称号が与えられる、下士官にでもせねば示しがつかぬ」 キシリア様の優しきご厚意で「ニャアン少尉」が今ここに誕生する。軍規を読めるほどの識字力はニャアンには存在しなかった。 エグザべくんとニャアンに与えられた士官室。ベッド二つに二名が生活できるギリギリの足場。ほぼベッドと床しかない施設だった。 「ボロボロ…だね」とエグザべくん。それはまるでニャアンの心を表しているようであった 「着替え給え、君に配給された士官着だ…士官服なのだが」 ビニールに包まれた真新しい士官服がニャアンの前におかれる。 と、エグザべくん時計を見る。 「もう夜時間だ、君も疲れただろう寝間着にしよう」と小さいクローゼットの中から簡素な寝間着を取り出す。 マチュが着ていたコモリンの私服よりももっと簡素な、作務衣みたいなものだと思って下さい。 「『寝るの』ですか?」ニャアン聞き返す。 「そうだよ、ベッドはカーテンで仕切れるからプライベートは確保できている。はずだ。むさ苦しい男と相部屋で申し訳ないが今は我慢してくれ」 とエグザべくん 「わかりました。『あなた』と寝るんですね」 ニャアンはエグザべくんの前で脱ぎだす。ボロボロになったスタジャンもスキニーシャツもすべて。 うまれたままのニャアンが目の前にいる 「こんな事、もうしたくなかった。とニャアンは心の中で何度も悔いる。この子さえいなければここで殺されてもよかった―――。 「こんな浅ましい行為に手を染めたくない」 ニャアンは心の中で何度も呟いた。けど、現実はそれを許さなかった。また『買われる』んだ。 拒否する事もできず。抗うこともできずに私はまた、人に『買われる』『飼われる』。『飼育』される毎日が始まるんだ。 こるなる位だったら運び屋でいる人生の方がよかったな、毎日大変だったけど、「明日」は保証されていた。けど眼の前にいるのは軍隊と言う名の絶対的な暴力装置である あの暴漢達と同じ暴力を振るう存在である。軍警がその最たるものだった。 そして娼(あそびめ)として飼われるんだ…いやだなぁ…イヤダ…もうあんな生活絶対にいやだ! ニャアンの思考は巡りに巡ります でもお腹の赤ちゃん…赤ちゃんは産まないと、どんなに辛い事があっても耐えないとッ!というニャアンの思いは錯綜していた。 震える身体を抑えるようにニャアンはこわばった声で名乗る 「はい…みだらであさましいわたしのからだを――だッシュ」かほそく小声で言う。言おうと舌が心が止めた。声なき叫びがチベ艦内に木霊する事はなかった。 「おねがいだから…らんぼうしないでくださいッ!!」この一言は、とても大きな声で言った 大声の方が本音だった。乱暴にされたら赤ちゃんが流れてしまう事をニャアンは知っていた。 少し膨らんだお腹と鼠径部の淫紋が殿方を迎え入れようとしていた。 悲しき言葉だった、もう二度と口にしたくない言葉だった。 あの時、あの暴漢たちに言わされた言葉をニャアンはそのまま口にした、覚えているもんだねあんな卑しい台詞の数々を。 ―――躰が覚えているんだ。 「なんでも…なんでもしますから…もういたいことしないで…あかちゃんうみたい」 とうわ言のように呟くニャアンはいいます 「あかちゃん!あかちゃんうみたい…だからなんでもします!」 士官室中に響いていた。悲しい響きだった エグザベくんは悲しい顔をしていた。鼠径部にピンク色が覗ける淫紋の正体もエグザべくんのうぶな心に刺さった。 彼女にどんな過去があったかはわからない。けど、エグザべくん、自分のジャケットをニャアンにかけてあげる。 「そんな事はもうしなくていい、しなくていいんだニャアン少尉?ここはジオン軍だ」エグザべくん優しいですね 「でも…わたしはジオンに『飼われた』んじゃ…」とニャアン 「「飼う」んじゃないきみの才能を「認めた」んだよ。そんな浅慮な目で、僕たちジオン軍人を見ないでほしい。わかる…わかるね?」 ニャアンは震えながら首を縦にふった。今ここに性的束縛から解放されたニャアンが生まれ落ちた。 「自由だッ!」紫色のキラキラの中でニャアンは叫んだ。許されたのだ。 「さぁこれに着替えて…下着まで支給されているみたいだね、僕は部屋を離れているから着替え終わったら読んでくれ給え」 とエグザべくん、ニャアンはそそくさと着替える。ドアを空ける 「着替えたね、落ち着いたかい?」エグザべくん 「わかりません、ほんとうに何もしなくていいのですか?」 「グラナダに着くまでは何もしなくていい。君はゆっくりと、どっしりと構えていればいいんだ。その…お腹の赤ちゃんと一緒に、健やかにね」 エグザべくんの言葉はやさしいものばかりでした。 「きみにどんな過去があったのか、僕にはわからないが。ここは平和だ、ジオンと言う軍隊にはいるがここは平和なんだよニャアン少尉だから落ち着いていいんだ」 「こんなことゆるされていいんですか?」「いいとも、だから今日はもう寝なさい」エグザべくん ニャアンは脱ぎ捨てた衣服をキチンと畳んでクローゼットにしまう 「あなたは…やさしい人なのですね」「『やさしくせよ』とキシリア様からのご命令でね。まぁ命令がなくとも女性には優しくしなさいと教わったがね」 ニャアンむっつり顔になります。この人はどこか抜けてるなぁとニャアンは思いました 「もう寝ようニャアン少尉、消灯時間だ。おやすみなさい」とエグザべくんは自分の寝床に入る ニャアンもビニールで包まれた士官服を抱きながら眠りにつく これからどんな事がまっているのだろう、ニャアンの未来予想図は明るいものではなかった。 しかしキシリア様は優しい。そして眼の前にいる男は私を犯さなかったから、きっとやさしい。と思案するニャアンの姿があった グラナダまであと3日。どんな運命が待っているのでしょうね。ニャアンとあたらいし命の旅はこれからはじまる いつも いつも 僕が君を 見ていてあげるから 安心しておやすみ 小室等の名曲「無題(のちに改名「子守唄」)」を口ずさみながら寝床へつく。お腹をなでる手は、とてもやさしい 傷つけ合う事に 慣れてしまった この世界 そこで僕らは 産まれ 育った。 チベ級戦艦「パープルウィドウ」の夜は更けていく。 これはエグザベ少尉とニャアン少尉のなれそめの物語。ここからエグニャアが始まっていくのですね、尊いですね。 以上がニャアン人妻概念前史のおはなしです。エグザベくんと結ばれるといいですねニャアン 明日と明後日はお休みです。 次回のジークアクスの内容次第で語りたりない所があると思いますので、続きはまた後日 「なんでも…なんでもしますから…もういたいことしないで…あかちゃんうみたい」 とうわ言のように呟くニャアンはいいます 「あかちゃん!あかちゃんうみたい…だからなんでもします!」 士官室中に響いていた。悲しい響きだった