重厚なドアが閉ざされる音と共に、外界の喧騒は完全に遮断された。  ワンルームの静寂を支配するのは、ベッドの上に投げ出された少女の、不規則で熱っぽい呼吸音だけだ。  新歓コンパの喧騒で飲み干したアルコールの熱に浮かされ、アオイは完全に意識を手放していた。カズヤが見下ろすその顔は、あどけなさを残したまま火照り、緩く開いた唇からは甘い呼気が漏れている。タツミとかいう真面目腐った彼氏が大切に守ってきた、手つかずの清純な果実。その無防備な姿が、カズヤの嗜虐的な征服欲を静かに、しかし確実に煽り立てていた。 「……悪いね、タツミくん。君が手も出せないほど大切にしてる彼女、僕が責任を持って介抱してあげるよ」  誰に聞かせるわけでもない独り言は、静かな部屋の空気に溶けて消えた。  カズヤの手が、アオイのブラウスのボタンに掛かる。一つ、また一つと外されていくたびに、白磁のような肌が露わになり、清潔な石鹸の香りと微かな汗の匂いが鼻腔をくすぐった。抵抗する力など欠片も残っていない身体は、されるがままに衣服を剥ぎ取られていく。  やがて露わになったのは、慎ましい白のランジェリーに包まれた、未成熟ながらも艶めかしい肉体の起伏だった。  カズヤは愛おしむように、その柔らかな肌を指先でなぞり上げた。鎖骨の窪みに溜まった汗を指ですくい、そのまま下へと滑らせていく。薄い布越しに膨らむ乳房を掌で包み込むと、マシュマロのように指の間から溢れ出る感触が伝わってきた。 「ん……ぅ……」  無意識下でも異物の接触を感じ取ったのか、アオイの喉から微かな声が漏れる。それは拒絶というよりは、熱に浮かされた子猫の鳴き声のようで、カズヤの加虐心をさらに刺激した。  ホックを外し、白い布を取り払う。解放された二つの果実は、重力に逆らうような張りを持ってカズヤの視線に晒された。桜色の乳首はまだ眠ったままで、主人の純潔さを物語るように小さく縮こまっている。  カズヤは執拗に、その先端を指の腹で捏ね回した。ぷにぷにと柔らかかった突起が、刺激を与えられるごとに少しずつ硬度を増し、充血して色濃く変化していく。意識がなくとも、肉体は正直に雄の刺激を学習し始めていた。 「……んぅっ……あ……」  アオイの眉が微かに寄り、身体が小さく身じろぎする。  その反応を楽しむように、カズヤは今度は下半身へと手を伸ばした。清楚なショーツのクロッチ部分には、すでに湿り気の兆候が見て取れる。アルコールによる血行の促進か、それとも本能的な予感か。  布地を指で押し退け、秘められた花弁を露わにする。そこは瑞々しい桃色をしており、まだ数えるほどしか使われていないであろう未熟さを留めていた。  中指をゆっくりと、その濡れた割れ目へと沈めていく。  ぬちゅり、と粘度のある音が、静まり返った部屋に響いた。 「……ぁっ……!」  異物の侵入に、アオイの腰がビクリと跳ねる。  カズヤは構わず、指を奥へと進めた。内部は驚くほど熱く、そして締め付けが強い。襞の一つ一つが侵入者に吸い付き、まるでこの時を待っていたかのように絡みついてくる。彼氏との「清い交際」では満たされなかったであろう深淵が、カズヤの指によって暴かれていく。  くちゅ、くちゅ、と指を出し入れするたびに、愛液が溢れ出し、淫らな水音を奏で始めた。  アオイの呼吸はさらに荒くなり、閉じた瞼の下で眼球が忙しなく動いている。夢の中で何を見ているのか。あるいは、この現実の快感を夢として処理しているのか。 「こんなに濡らして……身体は正直だね、アオイちゃん」  十分に濡れそぼった秘所を確認し、カズヤは自身のズボンを下ろした。  猛り狂った肉棒は、血管を浮き上がらせて赤黒く脈打っている。アオイの可憐な肉体にはあまりに不釣り合いな、凶暴な雄の象徴。  カズヤはアオイの両脚を割り開き、自身の腰をその間に滑り込ませた。亀頭を濡れた入り口に宛がい、ゆっくりと腰を沈めていく。 「……んっ! ……あ、ぐぅ……っ」  きつい。  まるで処女のような抵抗を見せる肉壁を、強引にこじ開けていく。ぬぅ、ずぅ、と粘膜同士が擦れ合い、広げられる音が、アオイの悲鳴のような呼気と共に漏れ出した。  無意識の防衛本能で内腿がカズヤの腰を締め付けるが、それはむしろ結合を深める助けにしかならない。  カズヤは一気に最奥まで腰を突き入れた。 「―――ぁっ、あ゛ぁっ……!!」  声にならない絶叫。アオイの身体が弓なりに反り、シーツを強く掴んだ指先が白くなる。  子宮口を直接ノックされた衝撃が、泥酔した脳髄を激しく揺さぶったのだろう。焦点の定まらない瞳がうっすらと開き、虚空を彷徨う。  だが、カズヤは休むことなく腰を動かし始めた。  ぐちゅっ、ぱんっ、ぐちゅっ、ぱんっ。  下品極まりないピストン音が、部屋の空気を汚染していく。引き締まった腹筋がアオイの柔肌に打ち付けられるたびに、彼女の華奢な身体はベッドの上で揺さぶられ、翻弄された。 「はっ、う……っ、んっ、んんっ……♡」  苦悶の声は、次第に甘い色を帯び始めていた。  カズヤの巧みな腰使いは、アオイの未開発な性感帯を的確に抉り出し、暴力的なまでの快楽を直接脳に流し込んでいく。タツミの遠慮がちな愛撫しか知らない彼女の肉体にとって、この容赦のない蹂躙は、あまりにも強烈で、抗い難い麻薬のような刺激だった。  カリが内壁のひだを根こそぎ擦り上げ、剛直な茎が敏感な入り口を押し広げる。出し入れされるたびに、アオイの中からは溢れんばかりの蜜が噴き出し、結合部を泡立たせていた。 「すごいな……意識がないのに、こんなに吸い付いてくるなんて」  カズヤはアオイの表情を覗き込んだ。苦しげに眉を寄せながらも、その口元は快楽に緩み、涎が糸を引いて枕へと伝っている。  理性が眠っているからこそ、本能が剥き出しになっているのだ。  アオイの身体は、今まさに「雌」としての喜びに打ち震えていた。頭では拒絶すべき状況であっても、子宮は、膣は、全身の神経は、この強大な雄の侵入を歓迎し、歓喜の声を上げている。 「……ぁっ、ぁっ、……んくっ……♡ や、ぁ……♡」  か細い拒絶の言葉も、快楽の波に飲まれて甘い喘ぎへと変換されていく。  カズヤはさらに激しく、獣のように腰を振った。アオイの純粋さを、タツミとの思い出を、すべて上書きするように。この部屋の、このベッドの上で、彼女はただ快楽を貪るだけの肉人形へと作り変えられていく。  沈黙していたはずの部屋は、いつしか淫靡な水音と、抑えきれない獣めいた嬌声で満たされていた。